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清掃用繊維製品
説明

清掃用繊維製品

【課題】 清掃用繊維製品の表面に担持させる側鎖結晶性ポリマーは、ダスト捕集性、擦過性、洗浄性、ポリマーの非脱離性等を十分に満たすことができ、コストダウンを図れる清掃用繊維製品を提供する。
【解決手段】 側鎖結晶性ポリマーを清掃用繊維製品の表面に担持させ、側鎖結晶性ポリマーは主鎖の側方に多数の側鎖を有したポリマーであり、側鎖間距離をDとし、側鎖長さをLとしたとき、L≧5Dの関係を有する。また、側鎖結晶性ポリマーが1000〜8000の範囲の分子量を有する。更に、側鎖結晶性ポリマーが30質量%以上の含有率で表面に担持されている清掃用繊維製品である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に側鎖結晶性ポリマーを担持させた清掃用繊維製品であって、常温で塵が付着され、この塵を一定の温度で脱離することが可能な清掃用繊維製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吸着剤を塗布した従来の清掃用繊維製品は、清掃作業で塵を付着させた後洗浄して塵を除去していたので、この洗浄時に吸着剤も同時に除去され、再使用するために吸着剤を清掃用繊維製品に再処理しなければならず、再生コストが高くつくという問題があった。
【0003】
この問題を解決しようとする清掃布として、例えば、特開2004−154333号公報で開示された清掃布がある。この従来の清掃布は、織布や不織布に温度により粘着性がOn.Offする側鎖結晶性ポリマーを塗布して、任意の温度で粘着(接着)と非粘着(非接着)を切り替える構成としたものである。ところが、これは織布や不織布に側鎖結晶性ポリマーを塗布するといった基本原理を与えただけである。この公報に記載された従来の清掃布は、側鎖結晶性ポリマーの各種条件が全く記載されておらず、清掃布として清掃した際のダスト捕集性(塵の付着性)については何ら研究されていない。また、擦過性(モップであれば、清掃する際に床面等に対してモップが程良く滑る摩擦の程度)についても何ら研究されていない。更に、洗浄性(付着した塵が洗浄によって清掃布から離脱する性質)、ポリマーの非脱離性(洗浄したときにポリマーが清掃布から脱離しない性質)についても何ら研究されていない。従って、上記した従来の清掃布に使用した側鎖結晶性ポリマーを織布や不織布に塗布しただけでは、上記ダスト捕集性、擦過性、洗浄性、ポリマーの脱離性を十分満足させることはできない。また、織布や不織布に塗布する側鎖結晶性ポリマーの量の大小についても全く研究されておらず、コストを下げることも不可能であり、清掃布として製品化するには不十分である。
【0004】
本発明者等は、種々研究の結果、ダスト捕集性、擦過性、洗浄性、ポリマーの非脱離性を十分に満たすことができる側鎖結晶性ポリマーを見出し、この側鎖結晶性ポリマーを表面に担持した清掃用繊維製品を提供するに到った。
【特許文献1】特開2004−154333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、清掃用繊維製品の表面に担持させる側鎖結晶性ポリマーは、清掃するときの塵の付着性であるダスト捕集性、清掃するときの床面等に対する滑り具合である擦過性を十分に満たすことができる。また、付着した塵を洗浄時に脱離する洗浄性、洗浄時にポリマーが脱離しないポリマーの非脱離性を十分に満たすことができる。またコストダウンを図ることができる清掃用繊維製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、側鎖結晶性ポリマーを清掃用繊維製品の表面に担持させ、前記側鎖結晶性ポリマーは主鎖の側方に多数の側鎖を有したポリマーであり、側鎖間距離をDとし、側鎖長さをLとしたとき、L≧5Dの関係を有する清掃用繊維製品である。
【0007】
本発明の第2の形態は、前記側鎖結晶性ポリマーが1000〜8000の範囲の分子量を有する清掃用繊維製品である。
【0008】
本発明の第3の形態は、前記側鎖結晶性ポリマーが30質量%以上の含有率で前記清掃用繊維製品の表面に担持されている清掃用繊維製品である。
【0009】
本発明の第4の形態は、前記側鎖結晶性ポリマーがスイッチング温度以下の温度で非接着性を示し、スイッチング温度以上の温度で接着性を示すクールオフ型側鎖結晶性ポリマーであり、前記スイッチング温度が15℃以下に設定されている清掃用繊維製品である。
【0010】
本発明の第5の形態は、前記清掃用繊維製品がクロスからなる清掃用繊維製品である。
【0011】
本発明の第6の形態は、前記清掃用繊維製品がパイルを有したモップからなる清掃用繊維製品である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の形態において、側鎖結晶性ポリマーとは、主鎖の側方に多数の側鎖を有したポリマーであって、例えば、ビニルエステルポリマー、マレイミドポリマー、アルキルホスファゼンポリマー等がある。これらの側鎖結晶性ポリマーは、スイッチング温度の前後で接着性と非接着性が変化する。この側鎖結晶性ポリマーを形成する分子の主鎖から枝別れした側鎖がスイッチング温度以上で配向性がなくなって絡み合う。このとき、側鎖結晶性ポリマーが接着性を有し、この接着性で塵を付着させることができる。逆に前記スイッチング温度以下になると、側鎖同士の絡み合いが消失して側鎖が配向性を有するようになり、接着が消失して非接着性を示すようになる。このとき、側鎖に付着した塵を脱離することができる。シャープな温度変化により塵の付着と脱離を行うことができる。本発明者等は、側鎖間距離をDとし、側鎖長さをLとしたとき、L≧5Dの関係を有する側鎖結晶性ポリマーは、スイッチング特性が良く、接着性と非接着性が急激に変化することを見出した。接着性と非接着性が急激に変化し、スイッチング温度が極めて狭い範囲であって、塵の付着と塵の脱離をシャープに行うことができる。従って、スイッチング温度以下で洗浄した後に乾燥させて常温に戻すことによって、迅速に接着性を回復することができる。従って、この側鎖結晶性ポリマーを表面に担持した清掃用繊維製品で清掃を行うことによって、塵の付着性が良く、洗浄時における塵の脱離性を良くすることができる。更に、塵が表面に付着した清掃用繊維製品を洗浄することによって、付着した塵を迅速に脱離することができ、洗浄性を良くすることができる。
【0013】
本発明の第2の形態によれば、分子量が大きい高分子になると接着性が大きくなる。接着性が大きくなり過ぎると、清掃用繊維製品で清掃するときに、床等に対する滑りが悪くなる。また、分子量が小さくなりすぎると接着性が弱くなり、塵を付着しなくなる。本発明者等は、床面に対して滑りが良く、しかも塵を付着するに適し、また洗浄性が良く、ポリマーの非脱離性が良い側鎖結晶性ポリマーの分子量は1000〜8000であることを見出した。従って、上記範囲の分子量を有する側鎖結晶性ポリマーを表面に担持した清掃用繊維製品で床等を清掃するときに、ダスト捕集性、摩過性を良くすることができる。また、塵の付着した清掃用繊維製品を洗浄するときの洗浄性、ポリマーの非脱離性を良くすることができる。
【0014】
本発明の第3の形態によれば、側鎖結晶性ポリマーが30質量%以上の含有率で清掃用繊維製品の表面に担持されているから、清掃用繊維製品の表面に清掃するに十分な側鎖性結晶ポリマーが担持されている。従って、この清掃用繊維製品で床等を清掃するときに、塵を余すことなく表面に付着させることができ、ダスト捕集性を極めて良くすることができる。
【0015】
本発明の第4の形態によれば、側鎖結晶性ポリマーがクールオフ型側鎖結晶性ポリマーであり、スイッチング温度が15℃以下に設定されている。例えば、スイッチング温度が10℃であれば、10℃以上では接着性を有し、10℃以下で非接着性となる。即ち、10℃以上で接着性を有するので、10℃以上の環境の下で塵を清掃用繊維製品の表面に付着できる。また、この塵が付着した清掃用繊維製品を10℃以下の洗浄水の中に入れて洗浄すると塵を脱離できる。本発明では、スイッチング温度が15℃以下に設定されているので、常温でこの清掃用繊維製品の表面で塵を付着することができる。また、15℃以下のスイッチング温度になると洗浄するときに、表面の塵を脱離することができる。
【0016】
本発明の第5の形態によれば、清掃用繊維製品がクロスからなるものであるから、このクロスで床やテーブルの上面等を拭くときに、このクロスの表面に担持された側鎖結晶性ポリマーの接着性によって床やテーブルの上面などの塵を数多く付着させて清掃することができる。更に、このクロスで床やテーブルの上面等を拭くときに、クロスの表面の側鎖結晶性ポリマーが床やテーブルの上面等に付着することなく滑りが良く、スムーズに清掃することができる。また、側鎖結晶性ポリマーがクールオフ型側鎖結晶性ポリマーであれば、塵の付着したクロスを側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度以下の洗浄水で洗浄すると、付着した塵を確実に脱離することができる。
【0017】
本発明の第6の形態によれば、清掃用繊維製品がパイル等を有したモップからなるものであるので、このモップで床等を清掃するときに、このモップの表面に担持された側鎖結晶性ポリマーの接着性によって床等の塵を数多く付着させて清掃することができる。更に、このモップで床等を清掃するときに、モップの表面の側鎖結晶性ポリマーが床等に付着することなく滑りがよく、スムーズに清掃することができる。また、側鎖結晶性ポリマーがクールオフ型側鎖結晶性ポリマーであれば、塵の付着したモップを側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度以下の洗浄水で洗浄すると、付着した塵を確実に脱離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る清掃用繊維製品の実施の形態を、図1〜図14に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る清掃用繊維製品の実施形態の表面に担持される側鎖結晶性ポリマーの構造を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態の清掃用繊維製品の表面に担持される側鎖結晶性ポリマーは、主鎖Mが複数結合され、各主鎖Mの側方(図にて下側)に複数の側鎖Sを有するものである。本発明の実施形態では、側鎖間距離をDとし、側鎖長さLとしたとき、L≧5Dの関係を有する側鎖結晶性ポリマーを用いた。L≧5Dの関係を有する側鎖結晶性ポリマーは、スイッチング特性が良く、接着性と非接着性が急激に変化するものである。また、接着性と非接着性が急激に変化し、スイッチング温度が極めて狭い範囲である。従って、この側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したクロスやモップ等の清掃用繊維製品で床等を清掃すると、塵の付着と塵の脱離をシャープに行うことができる。この側鎖結晶性ポリマーとして、例えば、ビニルエステルポリマー、マレイミドポリマー、アルキルホスファゼンポリマー等がある。
【0019】
図2はCool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーのスイッチング特性を示すグラフである。このCool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーは、図2に示すように、約10℃以下で非接着性となり、約10℃以上で接着性を有するものである。このCool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーをクロスやモップ等の清掃用繊維製品の表面に担持させると、これらの清掃用繊維製品には、約10℃以上で塵が付着する。また、塵が付着した状態で約10℃以下の水温の水に浸して洗浄すると、約10℃以下で非接着性となるから、付着した塵が脱離する。また、水の中に適宜な洗剤を入れて洗浄すると洗浄性を良くすることができる。本実施形態では、Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度を15℃以下に設定した。従って、この側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したクロスやモップ等の清掃用繊維製品の表面に常温で塵を付着することができる。また、15℃以下のスイッチング温度になると表面の塵を脱離することができる。
【0020】
図3はクロスからなる清掃用繊維製品を本実施形態における側鎖結晶性ポリマーの液体中に浸漬する状態を示す模式図である。図3に示すように、クロス1全体を側鎖結晶性ポリマーの液体P中に浸漬して、クロス1の表面に側鎖結晶性ポリマーを担持させる。この側鎖結晶性ポリマーは、後述する実施例で表示する
特性を有するものである。
【0021】
図4は表面に側鎖結晶性ポリマーを担持したクロスを用いたモップの斜視図である。このモップ2は、図4に示すように、クロス1が取り付けられる保持具3は、略平板状の本体部4とこの本体部4の上面中央部に設けられ、左右一対の柄取付部5、5と、本体部4の左右のクロス取付部6、6とが備えられている。左右一対の柄取付部5、5には、柄7の下部に挿着されたジョイント8が取り付けられ、この柄7が角度調整自在になるように構成されている。クロス取付部6、6は、本体部4の上面左右に形成された凹所9、9に平面視三つ重ね団子状のゴム材10が着脱自在に嵌め込まれている。このゴム材10の前後に切溝11が放射状に形成されている。この切溝11にクロス1の縁部近傍を嵌め入れてクロス1を保持具3に装着する。この状態で、床面等を清掃するとき、クロス1の下側を床面等に当接し、柄7を左右前後に移動してクロス1を前後左右に移動させると、床面等の塵がクロス1に付着して清掃される。また、クロス1を本体部4から取り外して洗浄すると付着した塵がクロス1から脱離される。
【0022】
図5はパイルを有したモップからなる清掃用繊維製品を本実施形態における側鎖結晶性ポリマーの液体中に浸漬する状態を示す模式図である。図5に示すように、パイル12を有するモップ13を側鎖結晶性ポリマーの液体P中に浸漬して、パイル12を有するモップ13の表面に側鎖結晶性ポリマーを担持させる。この側鎖結晶性ポリマーは、後述する実施例で表示する特性を有するものである。
【0023】
図6は表面に側鎖結晶性ポリマーを担持したパイルを有するモップの斜視図である。図6に示すように、このモップ13の保持具14は、保持具本体15に左右一対の保持片16、17が水平向きにロックされている。この保持片16、17は下側に向けて閉脚可能に構成されている。表面に側鎖結晶性ポリマーが担持された多数のパイル12が基布18に植成されたモップ13の上面における左右のポケット部19、19に水平向きにロックされた状態で左右一対の保持片16、17が挿入されている。保持具本体15にはその中央部に取付用突起20、20が上向きに突設されていて、これら取付用突起20、20の間に回動自在にジョイント21が取り付けられている。このジョイント21の上端に柄22の二股状下部23が回動自在に取り付けられていて、柄22は左右前後に傾倒できるように構成されている。図6の状態で作業員が柄22を持ってモップ13のパイル12を床面等に押し付けて清掃する。また、保持片16、17を閉脚してモップ13を取り外して洗浄すると、このモップ13のパイル12に付着した塵が離脱される。
【0024】
本発明者等は、以下の実施例で説明するように、本発明における清掃用繊維製品の表面に担持させる側鎖結晶性ポリマーは、1000〜8000の分子量で、あることが最適であることを見出した。また、30質量%以上の含有率で清掃用繊維製品の表面に担持されていることが最適であることも見出した。
【実施例】
【0025】
[Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したクロス]
以下の実施例では側鎖結晶性ポリマーが吸着剤で処理されたものを「処理済み」とし、吸着剤で処理されていないものを「未処理」として表示している。また、分子量は500〜17000までを15段階に分けて表示してまず試験した。次に、上記の試験に対して最良のものに、ポリマーの含有率が10〜70%のものについて試験した。この試験は、各条件の側鎖結晶性ポリマーを表面に担持した複数のクロス1を用いて一週間の清掃にかけ、これらを回収して洗浄した。この清掃と洗浄の後にクロスのダスト捕集性、擦過性(床面等に対するクロスの滑り具合)、洗浄性、ポリマーの非脱離性について確認試験を行った。
【0026】
[実施例1〜15:Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したクロス]
図7は実施例1〜15の一覧図である。Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したクロスについて、分子量を500〜17000まで15段階に固定し、これを目視で判定し、優は◎、良は○、可は△、不可は×で表している。図7において、実施例1、2、3、4、10、11、12、13、14、15に不具合が生じた。実施例1、2はダスト捕集性、ポリマーの非脱離性に問題があった。これは、側鎖結晶性ポリマーの分子量に原因があり、分子量が小さいと考えられる。実施例3、4はダスト捕集性に問題があった。実施例3、4も分子量に原因があり、分子量が小さいと考えられる。また、実施例10、11、12は擦過性に問題があった。実施例10は分子量に原因があり、分子量が大きいと考えられる。実施例11、12は分子量に原因があり、分子量が大きいと考えられる。実施例13は擦過性と洗浄性とポリマーの非脱離性に問題があった。実施例13は分子量に原因があり、分子量が大きいと考えられる。実施例14、15はダスト捕集性、擦過性、洗浄性、ポリマーの非脱離性の全てに問題があった。実施例14、15も分子量に原因があり、分子量が大きいと考えられる。
【0027】
[実施例16〜20:Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したクロス]
図8は実施例16〜20の一覧図である。上記した実施例1〜15において、側鎖結晶性ポリマーの分子量が1000〜8000のものが不具合が生じないものであると判明した。従って、上記条件のもとで、クロスからなる清掃用繊維製品の表面に担持される側鎖結晶性ポリマーの質量%の含有率が10〜50質量%のものについて、試験を行った。実施例16、17に不具合が生じた。実施例16、17はダスト捕集性、ポリマーの非脱離性に問題があった。これは側鎖結晶性ポリマーの含有率に原因があり、側鎖結晶性ポリマーの含有率が少ないと考えられる。
【0028】
[実施例21〜25:Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したクロス]
図9は実施例21〜26の一覧図である。上記の実施例16〜20と同様の分子量の条件のもとで、側鎖結晶性ポリマーの質量%の含有率を20〜60質量%に上げて試験を行った。実施例21に不具合が生じた。実施例21はダスト捕集性とポリマーの非脱離性に問題があった。これは、ポリマーの含有率に原因があり、ポリマーの含有率が少ないと考えられる。
【0029】
[実施例26〜30:Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したクロス]
図10は実施例26〜30の一覧図である。上記の実施例16〜20と同様の分子量の条件のもとで、側鎖結晶性ポリマーの質量%の含有率を30〜70質量%に上げて試験を行った。全ての実施例に不具合は生じなかった。クロス1の場合については、Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーが1000〜8000の範囲の分子量が最適な条件である。Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーが30質量%以上の含有率であることが最適な条件であると判明した。
【0030】
[実施例31〜45:Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したパイル]
図11は実施例31〜45の一覧図である。Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したパイルについて、分子量を500〜17000まで15段階に固定した。図11において、実施例31、32、33、34、40、41、42、43、44、45に不具合が生じた。実施例31、32、33はダスト捕集性とポリマーの非脱離性に問題があった。これは、側鎖結晶性ポリマーの分子量に原因があり、分子量が小さいと考えられる。実施例34はダスト捕集性に問題があった。これは、ポリマーの分子量に原因があり、分子量が小さいと考えられる。実施例40は擦過性に問題があった。これは分子量に原因があり、分子量が大きいと考えられる。実施例41も擦過性に問題があった。これは分子量に原因があり、分子量が大きいと考えられる。実施例42は擦過性と洗浄性とポリマーの非脱離性に問題があった。これは分子量に原因があり、分子量が大きいと考えられる。実施例43、44、45はダスト捕集性、擦過性、洗浄性、ポリマーの非脱離性の全てに問題があった。これは分子量に原因があり、分子量が大きいと考えられる。
【0031】
[実施例46〜50:Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したパイル]
図12は実施例46〜50の一覧図である。上記した実施例31〜45において、側鎖結晶性ポリマーの分子量が1000〜8000であるものが不具合を生じないものであると判明した。従って、上記条件のもとで、パイルからなる清掃用繊維製品の表面に担持される側鎖結晶性ポリマーの質量%の含有率が10〜50質量%のものについて試験を行った。実施例46、47に不具合が生じた。実施例46はダスト捕集性、ポリマーの非脱離性に問題があった。これは側鎖結晶性ポリマーの含有率に原因があり、含有率が少ないと考えられる。実施例47はダスト捕集性に問題があった。これもポリマーの含有率に原因があり、含有率が少ないと考えられる。
【0032】
[実施例51〜55:Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したパイル]
図13は実施例51〜55の一覧図である。上記の実施例46〜50と同じ分子量の条件のもとで、ポリマー含有率を20〜60質量%として、試験を行った。実施例51に不具合が生じた。実施例51はダスト捕集性とポリマーの非脱離性に問題があった。これはポリマーの含有率に原因があり、含有率が少ないと考えられる。
【0033】
[実施例56〜60:Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーを表面に担持したパイル]
図14は実施例56〜60の一覧図である。上記の実施例46〜50と同じ分子量の条件のもとで、ポリマー含有率を30〜70質量%として、試験を行った。全ての実施例に不具合は生じなかった。パイル12の場合については、Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーが1000〜8000の範囲の分子量が最適な条件である。また、Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーが30質量%以上の含有率であることが最適な条件であると判明した。
【0034】
また、クロスやパイルを有するモップ等に対する側鎖結晶性ポリマーの糊厚は、1〜100μmの範囲がよく、5〜50μmの範囲が好ましい。
本発明は、上記実施形態や実施例及び変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る清掃用繊維製品は、クロスやモップ等に適用でき、家庭用に利用されるだけでなく、クロスやモップ等をメーカーからユーザーにレンタルすることも可能である。また、事務所等の床や工場等の床を清掃することに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る清掃用繊維製品の実施形態の表面に担持される側鎖結晶性ポリマーの構造を示す模式図である。
【図2】Cool Offタイプの側鎖結晶性ポリマーのスイッチング特性を示すグラフである。
【図3】クロスからなる清掃用繊維製品を本実施形態における側鎖結晶性ポリマーの液体中に浸漬する状態を示す模式図である。
【図4】表面に側鎖結晶性ポリマーを担持したクロスを用いたモップの斜視図である。
【図5】パイルを有したモップからなる清掃用繊維製品を本実施形態における側鎖結晶性ポリマーの液体中に浸漬する状態を示す模式図である。
【図6】表面に側鎖結晶性ポリマーを担持したパイルを有するモップの斜視図である。
【図7】実施例1〜15の一覧図である。
【図8】実施例16〜20の一覧図である。
【図9】実施例21〜25の一覧図である。
【図10】実施例26〜30の一覧図である。
【図11】実施例31〜45の一覧図である。
【図12】実施例46〜50の一覧図である。
【図13】実施例51〜55の一覧図である。
【図14】実施例56〜60の一覧図である。
【符号の説明】
【0037】
M 主鎖
S 側鎖
D 側鎖間距離
L 側鎖長さ
P 側鎖結晶性ポリマーの液体
1 クロス
2 モップ
3 保持具
4 本体部
5 柄取付部
6 クロス取付部
7 柄
8 ジョイント
9 凹所
10 ゴム材
11 切溝
12 パイル
13 モップ
14 保持具
15 保持具本体
16 保持片
17 保持片
18 基布
19 ポケット部
20 取付用突起
21 ジョイント
22 柄
23 二股状下部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側鎖結晶性ポリマーを清掃用繊維製品の表面に担持させ、前記側鎖結晶性ポリマーは主鎖の側方に多数の側鎖を有したポリマーであり、側鎖間距離をDとし、側鎖長さをLとしたとき、L≧5Dの関係を有することを特徴とする清掃用繊維製品。
【請求項2】
前記側鎖結晶性ポリマーが1000〜8000の範囲の分子量を有する請求項1に記載の清掃用繊維製品。
【請求項3】
前記側鎖結晶性ポリマーが30質量%以上の含有率で前記清掃用繊維製品の表面に担持されている請求項1又は2に記載の清掃用繊維製品。
【請求項4】
前記側鎖結晶性ポリマーがスイッチング温度以下の温度で非接着性を示し、スイッチング温度以上の温度で接着性を示すクールオフ型側鎖結晶性ポリマーであり、前記スイッチング温度が15℃以下に設定されている請求項1〜3のいずれかに記載の清掃用繊維製品。
【請求項5】
前記清掃用繊維製品がクロスからなる請求項1〜4のいずれかに記載の清掃用繊維製品。
【請求項6】
前記清掃用繊維製品がパイルを有したモップからなる請求項1〜4のいずれかに記載の清掃用繊維製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−181122(P2006−181122A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378285(P2004−378285)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000133445)株式会社ダスキン (119)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【Fターム(参考)】