説明

清掃装置及び画像形成装置

【課題】像保持体と当該像保持体に保持された現像剤を除去する清掃部材との位置決めを、当該清掃部材を固定させる部位が限られてしまう場合であっても、容易に行うことができる清掃装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】清掃装置300は、像保持体52の一面に保持された現像剤を除去するように前記像保持体の一面に接触する清掃部材310を有する清掃装置本体302と、清掃装置本体302を枠体56の側面で固定する固定部材500とを有する。さらに像保持体52の他面側には、裏当て部材308が設けられ、この裏当て部材308も固定部材500に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、並列配置された複数の感光体ドラムを有する画像形成ユニットと、複数の前記感光体ドラムと対面して配置され、前記各感光体上の現像剤像が転写され、当該転写された現像剤像を記録シートに転写する中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトに接触して前記中間転写ベルトに付着した付着物を回収するクリーニング部材と、回収した前記付着物を収容する付着物収容器とを有し、前記中間転写ベルトに対し前記画像形成ユニットと同じ側に配置されたクリーニングユニットと、前記画像形成ユニットと前記クリーニングユニットとを保持し、装置本体から一体的に引き出し可能に構成された保持部材と、を備えた画像形成装置を開示する。中間転写ベルトの内側には、クリーニングユニットのクリーニングローラに対向するバックアップローラが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−210937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、像保持体と当該像保持体に保持された現像剤を除去する清掃部材との位置決めを、当該清掃部材を固定させる部位が限られてしまう場合であっても、容易に行うことができる清掃装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る本発明は、像保持体の一面に保持された現像剤を除去するように前記像保持体の一面に接触する清掃部材を有する清掃装置本体と、前記清掃装置本体の長手方向端部を、該長手方向端部に対応する前記像保持体を支持する枠体の側面に固定する固定部材と、を有する清掃装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記像保持体の他面に設けられ、前記清掃部材に対して裏当てとなる裏当て部材をさらに有し、前記固定部材は、前記清掃装置本体と前記裏当て部材とを一体としてそれぞれの位置を固定する請求項1記載の清掃装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記像保持体の他面に設けられ、前記清掃部材に対して裏当てとなる裏当て部材をさらに有し、該裏当て部材は前記枠体に支持される請求項1記載の清掃装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記清掃装置本体は、前記清掃部材により前記像保持体から除去された現像剤を搬送する搬送部材をさらに有し、前記固定部材は、前記搬送部材を回転自在に支持する軸受け部を有する請求項1乃至3いずれか記載の清掃装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記固定部材は、前記搬送部材により搬送された現像剤を他の部位に送るように前記他の部位と接続する接続部を兼ねている請求項4記載の清掃装置である。
【0010】
請求項6に係る本発明は、現像剤を保持する像保持体と、この像保持体を支持する枠体と、前記像保持体に保持された現像剤を前記像保持体から除去するように前記像保持体を清掃する清掃装置とを有し、前記清掃装置は、像保持体の一面に保持された現像剤を除去するように前記像保持体の一面に接触する清掃部材を有する清掃装置本体と、前記清掃装置本体の長手方向端部を、該長手方向端部に対応する前記像保持体を支持する枠体の側面に固定する固定部材と、を有する画像形成装置である。
【0011】
請求項7に係る本発明は、記録媒体に転写された現像剤を記録媒体に定着させる定着装置をさらに有し、前記清掃装置本体は、前記定着装置及び前記像保持体との間に設けられた空間に配置されている請求項6記載の画像形成装置である。
【0012】
請求項8に係る本発明は、前記像保持体の他面に設けられ、前記清掃部材に対して裏当てとなる裏当て部材をさらに有し、前記固定部材は、前記清掃装置本体と前記裏当て部材とを一体としてそれぞれの位置を固定する請求項6又は7記載の画像形成装置である。
【0013】
請求項9に係る本発明は、前記像保持体の他面に設けられ、前記清掃部材に対して裏当てとなる裏当て部材をさらに有し、該裏当て部材は前記枠体に支持される請求項6乃至8いずれか記載の画像形成装置である。
【0014】
請求項10に係る本発明は、前記清掃装置本体は、前記清掃部材により前記像保持体から除去された現像剤を搬送する搬送部材をさらに有し、前記固定部材は、前記搬送部材を回転自在に支持する軸受け部を有する請求項6乃至9いずれか記載の画像形成装置である。
【0015】
請求項11に係る本発明は、前記固定部材は、前記搬送部材により搬送された現像剤を他の部位に送るように前記他の部位と接続する接続部を兼ねている請求項6乃至10いずれか記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る本発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、像保持体と当該像保持体に保持された現像剤を除去する清掃部材との位置決めを、当該清掃部材を固定させる部位が限られてしまう場合であっても、容易に行うことができる清掃装置を提供することができる。
【0017】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る発明により得られる効果に加えて、本構成を有しない場合と比較して清掃部材と裏当て部材との位置決め精度を向上させることができる。
【0018】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1に係る発明により得られる効果に加えて、本構成を有しない場合と比較して、固定部材の構造を複雑にすることなく、裏当て部材を支持することができる。
【0019】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1乃至3に係る発明により得られる効果に加え、本構成を有しない場合と比較して、さらに清掃装置本体の搬送部材の位置決め精度も向上させることができる。
【0020】
請求項5に係る本発明によれば、請求項4に係る発明により得られる効果に加え、本構成を有しない場合と比較して部品点数を少なくすることができる。
【0021】
請求項6に係る本発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、像保持体と当該像保持体に保持された現像剤を除去する清掃部材との位置決めを、当該清掃部材を固定させる部位が限られてしまう場合であっても、容易に行うことができる画像形成装置を提供することができる。
【0022】
請求項7に係る本発明によれば、請求項6に係る発明により得られる効果に加え、本構成を有しない場合と比較して小型化することができる。
【0023】
請求項8に係る本発明によれば、請求項6に係る発明により得られる効果に加え、本構成を有しない場合と比較して清掃部材と裏当て部材との位置決め精度を向上させることができる。
【0024】
請求項9に係る本発明によれば、請求項6に係る発明により得られる効果に加え、本構成を有しない場合と比較して、固定部材の構造を複雑にすることなく、裏当て部材を支持することができる。
【0025】
請求項10に係る本発明によれば、請求項6乃至9に係る発明により得られる効果に加え、本構成を有しない場合と比較して、さらに清掃装置本体の搬送部材の位置決め精度も向上させることができる。
【0026】
請求項11に係る本発明によれば、請求項10に係る発明により得られる効果に加え、本構成を有しない場合と比較して部品点数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を正面から示す断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置が有する像形成部を正面から示す断面図である。
【図3】図1に示す画像形成装置が有する中間転写体用の清掃装置を正面から示す断面図である。
【図4】図3に示す中間転写体用の清掃装置を固定する第1の固定部材を裏面側から示す斜視図である。
【図5】図3に示す中間転写体用の清掃装置を固定する第1の固定部材と中間転写装置の一部を正面側から示す斜視図である。
【図6】図3に示す中間転写体用の清掃装置を中間転写装置に第1の固定部材によって固定する部分を示す断面図である。
【図7】図1に示す中間転写装置を示す斜視図である。
【図8】図3に示す中間転写体用の清掃装置を中間転写装置に第2の固定部材によって固定する部分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1には、本発明の形実施形態に係る画像形成装置10が示されている。図1に示されるように、画像形成装置10は、画像処理部16と、制御部18とを有する。画像処理部16は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、図示しない画像読取装置等から送られてくる画像データに対して、必要に応じて、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理を施す。制御部18は、画像形成装置10全体の動作を制御する。
【0029】
また、画像形成装置10は、4つの像形成部22Y、22M、22C、22Kと、中間転写装置50と、給紙装置100と、定着装置200と、中間転写体用の清掃装置300とを有している。また、画像形成装置10内には用紙の搬送に用いられる搬送路400が形成され、画像形成装置10の上部が、画像形成がなされた用紙が排出される排出部12として用いられている。
【0030】
像形成部22Y、22M、22C、22Kは、それぞれが感光体ドラム24Y、24M、24C、34Kを有し、それぞれがイエローの現像剤を用いてイエローの現像剤像を形成し、マゼンタの現像剤を用いてマゼンタの現像剤像を形成し、シアンの現像剤像を用いてシアンの現像剤像を形成し、黒の現像剤を用いて黒の現像剤像を形成する。像形成部22Y、22M、22C、22Kの詳細は後述する。
【0031】
中間転写装置50は、中間転写体52と、1次転写装置54Y、54M、54C、54Kと、2次転写装置58と有する。中間転写体52は、保持した現像剤を保持して搬送する像保持体として用いられていて、この実施形態においては、ベルト形状を有し、無端状であり複数の支持ロール62、64に回転することができるように支持されている。
【0032】
複数の支持ロール62、64のうちの少なくとも1つは、中間転写体52に駆動を伝達する駆動ロールとして用いられていて、図示を省略する駆動伝達機構等を介して、例えばモータ等の図示を省略する駆動源からの駆動が伝達され、駆動が伝達されることにより回転して中間転写体52を回転させる。この実施形態では、支持ロール64が駆動伝達ロールとして用いられている。また、複数の支持ロール62、64のうちの少なくとも1つは、中間転写体52にテンションを付与するテンションロールとして用いられていて、この実施形態では、支持ロール62がテンションロールとして用いられている。
【0033】
一次転写装置54Y、54M、54C、54Kは、一次転写バイアスが印加される一次転写ロール56Y、56M、56C、56K(図2参照)をそれぞれに有し、感光体ドラム24Y、24M、24C、24Kの表面に形成された現像剤からなる像を、中間転写体52に転写する。
【0034】
二次転写装置58は、二次転写ロール60を有し、中間転写体52が保持する現像剤を用紙に転写する転写装置として用いられている。
【0035】
定着装置200は、用紙を加熱する加熱ロール202と、加熱ロール202に用紙を加圧する加圧ロール204とを有する。
【0036】
給紙装置100は、記録媒体として用いられる用紙を積層した状態で収納する、例えば1つの用紙収納部102と、用紙収納部102に収納された用紙を送り出す送り出しロール104と、用紙が重なった状態で送り出されることを防止するために用いられるリタードロール106とを有する。
【0037】
搬送路400は、主搬送路402と、反転搬送路404とを有する。主搬送路402は、給紙装置100から2次転写装置58に向けて用紙を搬送し、2次転写装置58から排出部12へ排出するように用紙を搬送する搬送路である。主搬送路402に沿って、用紙搬送方向における上流側から順に、先述の給紙装置100、レジストロール410、先述の2次転写装置58、先述の定着装置200、及び排出ロール412が設けられている。
【0038】
レジストロール410は、2次転写装置58に向けて搬送される用紙の先端部の二次転写装置58側に向けての移動を一時的に停止させ、中間転写体52の現像剤像が転写された部分が二次転写装置58の位置に到達するタイミングに合致するように、用紙の先端部の二次転写装置58に向けての移動を再開させる。
【0039】
排出ロール412は、定着装置200で現像剤像が定着された用紙を排出部12に向けて搬送する。また、排出ロール412は、用紙を排出部12へ排出する方向と、排出部12側から反転搬送路404に用紙を搬送する方向との両方向に回転することができるようになっている。
【0040】
反転搬送路404は、一方の面に画像が形成された用紙を反転させるために用いられる搬送路であり、排出ロール412からレジストロール410の上流側に用紙を搬送する。反転搬送路404に沿って、例えば2つの反転搬送ロール414、414が設けられている。また、排出ロール412と定着装置200との間には、用紙を案内する案内部材416が設けられている。案内部材416は、定着装置200から排出ロール412に向けて用紙を案内する位置と、排出ロール412から反転搬送路404へ向けて用紙を案内する位置との間で移動することができるようになっている。
【0041】
一方の面に画像が形成された用紙の他方の面に画像を形成する場合は、画像が形成された用紙の後端部に排出ロール412が接触した状態で排出ロール412が逆方向に回転し、この回転により用紙を後端側から反転搬送路404へと案内し、用紙をレジストロール410へと搬送する。
【0042】
中間転写体用の清掃装置300は、中間転写体52の表面から現像剤を除去する清掃装置として用いられていて、中間転写体52の移動方向(回転方向)において、二次転写装置58よりも下流側であって、同方向において最も上流側にある一次転写装置54Yよりも、同方向において上流側の位置に配置されている。この清掃装置300は、中間転写体52の表面側(現像剤搬送面側)に配置された清掃装置本体302と、中間転写体52の裏面側にあって清掃装置本体302に対向するように配置された裏当て部材308とを有する。清掃装置本体302は、定着装置200の斜め下方にあって定着装置200と中間転写体52との間に形成された空間内に配置されている。定着装置200と中間転写体52との間はデッドスペースとなりやすいが、この部分に清掃装置本体302を配置することにより画像形成装置10が小型化される。
なお、中間転写体用の清掃装置300の詳細は後述する。
【0043】
図2には、像形成部22Yが示されている。像形成部22M、像形成部22C、像形成部22Kは、用いる現像剤の色が異なるものの、以下に説明をする像形成部22Yと構成が同一であるため説明を省略する。
【0044】
図2に示すように、像形成部22Yは、先述の感光体ドラム24Yと、帯電装置30Yと、潜像形成装置32Yと、現像装置34Yと、感光体ドラム用の清掃装置38Yと有する。帯電装置30Yは、例えば帯電ロールを有し、感光体ドラム24Yの表面を均一に帯電する。潜像形成装置32Yとしては、LEDアレイが用いられている。潜像形成装置32Yは、帯電装置30Yによって均一に帯電された感光体ドラム24Yの表面に光を照射することによって、感光体ドラム24Yの表面に潜像を形成する。
【0045】
現像装置34Yは、現像剤保持体として用いられる現像ロール36Yを有し、現像ロール36Yでイエローの現像剤を感光体ドラム24Yに供給し、感光体ドラム24Yの表面に形成された潜像をイエローの現像剤によって現像する。感光体ドラム用の清掃装置38Yは、例えば板状の清掃部材382Yを有し、この清掃部材382Yで、イエローの現像剤像が中間転写体52に転写された後に感光体ドラム24Yの表面に残留したイエローの現像剤を掻き落とすようにして、感光体ドラム24Yを清掃する。この清掃部材382Yで除去された現像剤は、搬送部材384Yにより図示しない回収部へと搬送され、この回収部に回収される。
【0046】
図3には、中間転写体用の清掃装置300が示されている。図3に示す矢印aは、中間転写体52が現像剤を搬送する方向である中間転写体52の移動方向を示している。清掃装置本体302は、本体フレーム304と、この本体フレーム304に固定された清掃部材310とを有する。
【0047】
本体フレーム304には、現像剤を回収する回収空間332が形成されている。この回収空間332は、長手方向に延び、該回収空間332内に搬送部材334が設けられている。また、本体フレーム304の下方には回収空間332に接続された回収口306が形成されている。搬送部材334は、螺旋形状の羽根部を有し、回収口306から回収された現像剤を回収空間332の一端に搬送する。
【0048】
清掃部材310は、例えばゴムや樹脂等の可撓性を有する材料から形成され、一端部側が例えば金属性の支持部材318に例えば接着剤を介して固定されている。支持部材318は、例えばネジを介して本体フレーム304に固定されている。また、清掃部材310は、他端部が回収口306に臨み、接触位置Pにおいて中間転写体52に付勢力をもって接触し、中間転写体52を介して裏当て部材308に押し付けられている。
【0049】
封止部材320は、例えば可撓性を有するフィルム状の部材が用いられ、中間転写体52の移動方向において清掃部材310よりも上流側にあって、一端が本体フレーム304に固定され、他端が回収口306に臨んでいる。この封止部材320の他端は、清掃部材310の他端に対向し、清掃部材310によって中間転写体52の表面から除去された現像剤が中間転写体用の清掃装置300の外に漏れ出さないように、回収部口306と中間転写体52との間に生じる隙間を封止している。
【0050】
裏当て部材308は、例えば中間転写体52の移動に伴って回転するロールとして構成されている。この裏当て部材308の中間転写体52との接点が清掃部材310の接触位置Pに対向する。即ち、裏当て部材308と清掃部材310との位置関係により清掃部材310の中間転写体52への押圧力が定まる。この清掃部材310の中間転写体52への押圧力が大きいと、中間転写体52への清掃能力は増大するが、中間転写体52への抵抗を増大させることになる。一方、この清掃部材310の中間転写体52への押圧力が小さいと、中間転写体52への抵抗を少なくさせることができるが、中間転写体52への清掃能力が小さくなり、中間転写体52の現像剤が十分除去されないおそれがある。中間転写体52に対する清掃部材310の押圧力が適正となるように当て部材302と清掃部材310との位置関係が設定されている。
【0051】
次に清掃装置300の固定構造について説明する。
図4乃至図6において、清掃装置300は、第1の固定部材500を介して中間転写装置50の一方の枠体56に固定されている。枠体56は、中間転写体52の両側に設けられ、先述した支持ロール62、64、一次転写装置54Y、54M、54C、54K等を支持している。この枠体56には、固定用孔58が形成されている。この固定用孔58は、下方に開口する半円状に形成された上被固定部582と、上方に開口する半円状に形成された下被固定部584と、これら上被固定部582と下被固定部584とを接続するよう両側に形成された側面被固定部586、586とを有する。さらに上被固定部582の中央には下方に開口する凹部588が形成されている。
【0052】
第1の固定部材500は、枠体56の固定用孔58よりもやや広く板状に形成された基部502を有する。この基部502の裏面側には、2つの軸受け部504、506が円筒状に形成されている。上方の軸受け部504は基部502の表面側まで貫通している。下方の軸受け部506は、該軸受け部506の奥端で閉鎖されている。また、基部502の裏面両側部には、立上り部508、508が基部502から立ち上がるように形成されている。この立上り部508、508には、さらに、引っ掛け部510、510が外側に突出するように形成されている。さらに上方の軸受け部504の外周上端には、凸部512が上方に突出するように形成されている。
【0053】
上方の軸受け部504は、該軸受け部504の外周上部が枠体56の固定用孔58の上被固定部582に合わせられる。また、凸部512が凹部588に嵌め合わせられる。上方の軸受け部504の先端外周は、本体フレーム304に形成された嵌め合い用孔312に嵌められる。図6に示すように、この嵌め合い用孔312には、搬送部材334の一端が挿入され、さらに第1の固定部材500の軸受け部504を介して第1の固定部材500から外側へ突出している。搬送部材334は、第1の固定部材500の軸受け部504を介して第1の固定部材500に回転自在に支持されている。搬送部材334の枠体56から突出した一端は、図示しない歯車等の伝達手段を介してモータ等の駆動手段に接続されている。
【0054】
図6に示すように、下方の軸受け部506は、該軸受け部506の外周下部が枠体56の固定用孔58の下被固定部584に合わせられる。この軸受け部506に裏当て部材308の一端が嵌め込まれ、裏当て部材308は、軸受け部506を介して第1の固定部材500に回転自在に支持されている。
【0055】
第1の固定部材500の立上り部508、508は、固定用孔58の側面被固定部586、586に合わせられる。また、この引っ掛け部510、510は、弾性を有し、第1の固定部材500を固定用孔58に挿入すると、該引っ掛け部510、510が弾性変形して枠体56の裏面側に挿入され、挿入後には元の形状に戻る。これにより第1の固定部材500の引っ掛け部510、510と基部502の周縁とにより枠体56を挟むようになっている。
【0056】
上述したように、第1の固定部材500は、上方の軸受け部504が上被固定部582に、凸部512が凹部588に、下方の軸受け部506が下被固定部に、立上り部508、508が側面被固定部586、586にそれぞれ合わせられ、枠体56と平行な面での位置決めがなされる。また、第1の固定部材500は、引っ掛け部510、510と基部502の周縁とにより枠体56を挟むことにより枠体56と該枠体56の垂直な方向での位置決めがなされる。
【0057】
また、清掃装置本体302は、該清掃装置本体302の嵌め合い用孔312に第1の固定部材500の軸受け部504が嵌め込まれることにより第1の固定部材500に位置決めされている。一方、裏当て部材308は、第1の固定部材500の軸受け部506に嵌め込まれることにより第1の固定部材500に位置決めされている。したがって、清掃部材本体302と裏当て部材308とが第1の固定部材500を介して位置決めされているので、清掃部材302に固定されている清掃部材310と裏当て部材308と間の位置関係も第1の固定部材500を介して定まるようになっている。
【0058】
なお、中間転写体52の両側は、清掃部材本体302に設けられた密閉部材314により密閉され、回収した現像剤が清掃装置本体302の両側から漏れないようにしてある。
【0059】
図7は、中間転写装置50の全体を示している。中間転写装置50は、両側面に配置された枠体56,56に中間転写体52が支持されている。前述した清掃装置本体302は、中間転写体52の上部に配置されており、枠体56,56の上部にねじ70,70を介して固定されている。また、清掃装置本体302は、清掃装置本体302の長手方向端部に対応する側面で枠体56,56に対して第1の固定部材500及び第2の固定部材600を介して固定されている。
【0060】
図8は、第2の固定部材600側の構造が示されている。第2の固定部材600は、枠体56側に突出した挿入部602と、下方に延びる接続部604とを有する。挿入部602は、枠体56に形成された挿入用孔72に挿入されている。また、この挿入部602には、清掃装置本体302の長手方向端部に形成された被挿入部336が挿入されている。さらに搬送部材334の端部は、第2の固定部材600に形成された軸受け部606に回転自在に支持されている。したがって、清掃装置本体302及び搬送部材334は、第2の固定部材600を介して枠体56の側面部分で位置決めされている。
【0061】
また、第2の固定部材600は、枠体56側に突出して引っ掛け部610が形成されている。この引っ掛け部610は、第1の固定部材500の引っ掛け部510と同様に、第2の固定部材600を枠体56に向けて挿入することにより弾性変形して第2の固定部材600が枠体56に固定されるようになっている。
【0062】
接続部604は、黒用の像形成部22Kの清掃装置38Kから上方へ延びるように形成された被接続部74に密閉部材76を介して接続されている。したがって、清掃装置本体302の回収空間332は、第2の固定部材600の接続部604を介して、黒用の像形成部22Kの清掃装置38Kに接続されているので、中間転写体用の清掃装置300で回収された現像剤は、接続部604を介して黒用の感光体を清掃する清掃装置38Kに送られる。この清掃装置38Kに送られた現像剤は、現像剤供給部と一体に形成された現像剤回収部へ送られる。
【0063】
裏当て部材308の端部は、枠体56に設けられた軸受け部78に回転自在に支持されている。前述した第1の固定部材500は、清掃装置本体302と裏当て部材308とを固定するようにしたが、第2の固定部材600は、清掃装置本体302を固定し、裏当て部材308は、中間転写装置50の枠体56に直接位置決めされている。
【0064】
なお、図8において、図6に示したものと同じ部分については同じ番号を付して説明を省略する。
【0065】
清掃部材本体302は、上方においては、スペースを確保することができるので、図7に示すように、枠体56,56の上部でねじ70,70を介して固定することができる。一方、枠体56,56の側面の外側には例えばフレーム等があってねじ止めするようなスペースがない。そのため、清掃部材本体302の長手方向端部側では、第1の固定部材500、第2の固定部材600を介して固定されている。また側面よりねじ止めすると、ねじの締め付け力により、清掃部材本体302がねじれて、清掃部材310が均一に中間転写体52に当たらなくなるおそれがある。
【0066】
なお、上記実施形態においては、清掃部材310としてブレード状のものを用いたが、本発明はこれに限定するものではなく、例えばブラシ状の清掃部材を用いてもよい。
【0067】
また、上記実施形態においては、裏当て部材308として中間転写体と共に回転するロール状のものを用いたが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば板状のものを用い、中間転写体の移動とは関係なく、固定されるものを用いることもできる。
【0068】
また、清掃装置は、中間転写体用のものだけではなく、感光体等の他の像保持体にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上で説明をしたように、本発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンター等の画像形成装置と、例えばこれらの画像形成装置に用いられる清掃装置とに適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
10 画像形成装置
22Y,22M,22C,22K 像形成部
24Y,24M,24C,24K 感光体ドラム
50 中間転写装置
52 中間転写体
56 枠体
58 固定用孔
38Y,38M,38C,38K 感光体ドラム用の清掃装置
200 定着装置
300 中間転写体用の清掃装置
302 清掃装置本体
308 裏当て部材
310 清掃部材
500 第1の固定部材
502 基部
504,506 軸受け部
600 第2の固定部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体の一面に保持された現像剤を除去するように前記像保持体の一面に接触する清掃部材を有する清掃装置本体と、
前記清掃装置本体の長手方向端部を、該長手方向端部に対応する前記像保持体を支持する枠体の側面に固定する固定部材と、
を有する清掃装置。
【請求項2】
前記像保持体の他面に設けられ、前記清掃部材に対して裏当てとなる裏当て部材をさらに有し、前記固定部材は、前記清掃装置本体と前記裏当て部材とを一体としてそれぞれの位置を固定する請求項1記載の清掃装置。
【請求項3】
前記像保持体の他面に設けられ、前記清掃部材に対して裏当てとなる裏当て部材をさらに有し、該裏当て部材は前記枠体に支持される請求項1記載の清掃装置。
【請求項4】
前記清掃装置本体は、前記清掃部材により前記像保持体から除去された現像剤を搬送する搬送部材をさらに有し、前記固定部材は、前記搬送部材を回転自在に支持する軸受け部を有する請求項1乃至3いずれか記載の清掃装置。
【請求項5】
前記固定部材は、前記搬送部材により搬送された現像剤を他の部位に送るように前記他の部位と接続する接続部を兼ねている請求項4記載の清掃装置。
【請求項6】
現像剤を保持する像保持体と、
この像保持体を支持する枠体と、
前記像保持体に保持された現像剤を前記像保持体から除去するように前記像保持体を清掃する清掃装置とを有し、
前記清掃装置は、
像保持体の一面に保持された現像剤を除去するように前記像保持体の一面に接触する清掃部材を有する清掃装置本体と、
前記清掃装置本体の長手方向端部を、該長手方向端部に対応する前記像保持体を支持する枠体の側面に固定する固定部材と、
を有する画像形成装置。
【請求項7】
記録媒体に転写された現像剤を記録媒体に定着させる定着装置をさらに有し、前記清掃装置本体は、前記定着装置及び前記像保持体との間に設けられた空間に配置されている請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記像保持体の他面に設けられ、前記清掃部材に対して裏当てとなる裏当て部材をさらに有し、前記固定部材は、前記清掃装置本体と前記裏当て部材とを一体としてそれぞれの位置を固定する請求項6又は7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記像保持体の他面に設けられ、前記清掃部材に対して裏当てとなる裏当て部材をさらに有し、該裏当て部材は前記枠体に支持される請求項6乃至8いずれか記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記清掃装置本体は、前記清掃部材により前記像保持体から除去された現像剤を搬送する搬送部材をさらに有し、前記固定部材は、前記搬送部材を回転自在に支持する軸受け部を有する請求項6乃至9いずれか記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記固定部材は、前記搬送部材により搬送された現像剤を他の部位に送るように前記他の部位と接続する接続部を兼ねている請求項6乃至10いずれか記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−22216(P2012−22216A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161204(P2010−161204)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】