説明

清浄気送風ユニット

【課題】清浄気を清浄気送風面から排気用面に向けて適切に流動させながらも、基板収納器の洗浄を良好に行えるようにすることができる清浄気送風ユニットを提供する。
【解決手段】直方体状の基板収納器Kを収納する複数の収納部、基板収納器Kに対して基板1の取出し及び収納を行う基板搬出入部、及び、収納部と基板搬出入部との間で基板収納器を搬送する搬送手段を備えた保管装置に保管される基板収納器Kに対して着脱自在に装着される清浄気送風ユニットJであって、基板収納器Kの4つの側面のうちの一つの側面を清浄気送風面としかつその清浄気送風面に対向する側面を排気用面として、清浄気送風面から排気用面に向けて水平方向に沿う清浄気を通風するファンフィルタユニットF、及び、基板収納器Kの4つの側面のうちの、清浄気送風面及び排気用面を除いた2つの側面を覆う一対の遮蔽板10が装備されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形状の基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で収納する直方体状の基板収納器を収納する複数の収納部、前記基板収納器に対して前記基板の取出し及び収納を行う基板搬出入部、及び、前記収納部と前記基板搬出入部との間で前記基板収納器を搬送する搬送手段を備えた保管装置に保管される前記基板収納器に対して着脱自在に装着される清浄気送風ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
かかる清浄気送風ユニットは、保管装置に保管される基板収納器に装着されて、基板収納器に収納されている基板に塵埃が付着することを抑制することになる。
すなわち、基板収納器は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに使用されるガラス基板等の基板を収納した状態で、保管装置の収納部に収納されることになる。そして、基板収納器に収納した基板に対して、エッジングや洗浄等の諸々の処理を行うときには、基板収納器を、搬送手段にて、保管装置の収納部から基板搬出入部に搬送して、基板収納器から取出した基板に対して諸々の処理を行い、かつ、処理を施した基板を再び基板収納器に収納するようにし、そして、基板を収納した基板収納器を、搬送手段にて、収納部に搬送することになる。
【0003】
このように、保管装置に基板収納器を保管した状態で、基板収納器に収納されている基板に対する処理が行われることになるが、基板収納器に保持されている基板に塵埃が付着する虞があるため、清浄気送風ユニットが基板収納器に装着されることになる。
【0004】
清浄気送風ユニットの従来例として、清浄気送風ユニットが、清浄気を送風するファンフィルタユニットを備えた板状の枠体として構成されて、基板収納器に着脱自在に装着されるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この特許文献1においては、基板収納器が、横倒れ姿勢の角筒状に構成されて、清浄気送風ユニットが、基板収納器の開口状態にある一対の側面のうちの一方の側面を清浄気送風面としかつ他方の側面を排気用面として、清浄気送風面から排気用面に向けて水平方向に沿って清浄気を送風することになり、かつ、清浄気送風ユニットが、清浄気送風面となる側面に位置する状態で、基板収納器に装着されている。
【0006】
清浄気送風ユニットの別の従来例として、清浄気送風ユニットが、基板収納器を載置する板状の載置部の一端部に、清浄気を送風するファンフィルタユニットを備えた板状の送風部を起立姿勢で設ける形態に構成されたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
この特許文献2においては、基板収納器が、横倒れ姿勢の角筒状に構成されて、清浄気送風ユニットの送風部が、基板収納器の開口状態にある一対の側面のうちの一方の側面を洗浄気送風面としかつ他方の側面を排気用面として、清浄気送風面から排気用面に向けて水平方向に沿って清浄気を送風することになる。
つまり、基板収納器が、清浄気送風面となる側面を清浄気送風ユニットの送風部に対向させた状態で、清浄気送風ユニットの載置部に載置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−89935号公報
【特許文献2】特開2011−91270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
基板収納器は、適当期間が経過する毎等に洗浄する等、適時洗浄されることになり、その際には、清浄気送風ユニットが、基板収納器から分離されることになる。
すなわち、基板収納器を洗浄する場合には、一般に、水溶液等の洗浄用の液体を用いて洗浄することになるが、清浄気送風ユニットには、電装部品を備えるファフィルタユニットが設けられるため、清浄気送風ユニットが洗浄用の液体に濡れることを抑制するために、清浄気送風ユニットを、基板収納器から分離させることになる。
【0010】
このように、基板収納器は、清浄気送風ユニットを分離した状態で、適時洗浄されることになるが、上記した特許文献1及び特許文献2に記載の基板収納器は、4つの側面のうちの、清浄気送風面と排気用面とに対応する側面を除いた側面が、遮蔽された状態となっているため、基板収納器の洗浄を適切に行い難い虞があった。
【0011】
つまり、横倒れ姿勢の角筒状の基板収納器は、4つの側面のうちの、清浄気送風面と排気用面とに対応する側面を除いた側面が、遮蔽された状態となり、清浄気送風ユニットからの清浄気を、外部への漏れを抑制しながら、清浄気送風面から排気用面に向けて適切に流動させることができるものの、基板収納器を洗浄する際に、遮蔽された側面が、基板収納器の内部に洗浄用の液体が流動することを妨げること等に起因して、基板収納器の洗浄を適切に行い難い虞があった。
【0012】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、清浄気を清浄気送風面から排気用面に向けて適切に流動させながらも、基板収納器の洗浄を良好に行えるようにすることができる清浄気送風ユニットを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の清浄気送風ユニットは、矩形状の基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で収納する直方体状の基板収納器を収納する複数の収納部、前記基板収納器に対して前記基板の取出し及び収納を行う基板搬出入部、及び、前記収納部と前記基板搬出入部との間で前記基板収納器を搬送する搬送手段を備えた保管装置に保管される前記基板収納器に対して着脱自在に装着される清浄気送風ユニットであって、その第1特徴構成は、
前記基板収納器の4つの側面のうちの一つの側面を清浄気送風面としかつその清浄気送風面に対向する側面を排気用面として、前記清浄気送風面から前記排気用面に向けて水平方向に沿う清浄気を通風するファンフィルタユニット、及び、前記基板収納器の4つの側面のうちの、前記清浄気送風面及び前記排気用面を除いた2つの側面を覆う一対の遮蔽板が装備されている点を特徴とする。
【0014】
すなわち、清浄気送風ユニットに装備したファンフィルタユニットが、基板収納器の4つの側面のうちの1つの側面を清浄気送風面としかつその側面に対向する側面を排気用面として、清浄気送風面から排気用面に向けて水平方向に沿って清浄気を送風することになる。
そして、清浄気送風ユニットに装備した一対の遮蔽板が、基板収納器の4つの側面のうちの、清浄気送風面及び排気用面を除いた2つの側面を覆うことになるため、基板収納器の4つの側面のうちの、清浄気送風面及び排気用面を除いた2つの側面が開口状態に形成されていても、清浄気が外部に漏れることを抑制しながら、清浄気を清浄気送風面から排気用面に向けて適切に流動させることができる。
【0015】
このように、清浄気を清浄気送風面から排気用面に向けて適切に流動させながらも、基板収納器の4つの側面のうちの、清浄気送風面及び排気用面を除いた2つの側面を開口状態にすることができるため、清浄気送風ユニットを分離した状態で基板収納器を洗浄する際に、その開口状態となる側面を通して、洗浄用の液体を基板収納器の内部に適切に流動させることができる等、基板収納器の洗浄を良好に行うことができる。
【0016】
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、清浄気を清浄気送風面から排気用面に向けて適切に流動させながらも、基板収納器の洗浄を良好に行えるようにすることができる清浄気送風ユニットを提供できる。
【0017】
本発明の清浄気送風ユニットの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記ファンフィルタユニットが、前記洗浄気送風面に相当する箇所に配設されている点を特徴とする。
【0018】
すなわち、洗浄気送風面に相当する箇所に配設されたファンフィルタユニットが、清浄気を清浄気送風面から排気用面に向けて送風することになるため、構成の簡素化を図りながら、清浄気を適切に送風できる。
【0019】
つまり、清浄気送風面から排気用面に向けて清浄気を送風するにあたり、例えば、清浄気送風ユニットにおける基板収納器の上面に相当する箇所等、清浄気送風面とは異なる箇所にファンフィルタユニットを配設し、そのファンフィルタユニットからの清浄気を清浄気送風面に案内する送風ダクトを設ける構成が考えられる。
【0020】
しかしながら、この構成の場合には、送風ダクトを設けることにより、全体構成が複雑化するものとなり、しかも、ファンフィルタユニットからの清浄気が、送風ダクト内を流動する際に失速する等に起因して、清浄気を適切に送風し難い虞があるが、ファンフィルタユニットを、洗浄気送風面に相当する箇所に配設する場合には、ファンフィルタユニットが清浄気送風面に対して清浄気を直接送風することになるため、構成の簡素化を図りながら、清浄気を適切に送風できるのである。
【0021】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、構成の簡素化を図りながら、清浄気を適切に送風できる清浄気送風ユニットを提供できる。
【0022】
本発明の清浄気送風ユニットの第3特徴構成は、上記第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、
前記排気用面を覆う排気用板状体が装備され、その排気用板状体に、複数の排気用の通気孔が、上下及び左右に分散する状態で形成されている点を特徴とする。
【0023】
すなわち、清浄気送風面から排気用面に向けて送風される洗浄気が、排気用面を覆う排気用板状体に形成された通気孔を通して外部に排出される状態で流動することになるから、ランニングコストの低下を図ることができる。
【0024】
つまり、基板収納器の排気用面に対応する側面が、開口状態であると、その開口状態の側面(排気用面)から基板収納器の内部への塵埃の侵入を抑制するために、清浄気の風力を増加させる必要があり、その結果、ファンフィルタユニットの駆動エネルギーの増加により、ランニングコストが増加することになるが、基板収納器の排気用面に対応する側面を、通気孔が形成された排気用板状体にて覆うようにすると、清浄気の風力を低下させても、通気孔からは洗浄気が噴出して、通気孔から基板収納器の内部への塵埃の侵入を抑制できるため、清浄気の風力の低下により、ランニングコストの低下を図ることができるのである。
【0025】
また、通気孔が、上下及び左右に分散する状態で排気用板状体に形成されて、洗浄気が、基板収納器の内部空間の全体に亘って流動することになるから、基板収納器に収納された複数の基板の夫々に対してその全面に沿って洗浄気を流動させて、基板に対する塵埃の付着を適切に抑制することができる。
【0026】
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記第1特徴構成又は第2特徴構成による作用効果に加えて、ランニングコストの低下を図りながらも、基板に対する塵埃の付着を適切に抑制することができる清浄気送風ユニットを提供できる。
【0027】
本発明の清浄気送風ユニットの第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、
前記基板収納器の底面に対応する箇所に、前記基板収納器が挿脱自在な容器挿脱用開口が形成されている点を特徴とする。
【0028】
すなわち、清浄気送風ユニットが、基板収納器の底面に対応する箇所に、基板収納器が挿脱自在な容器挿脱用開口を備えているから、基板収納器に対して基板を収納又は取出すときや、基板収納器を洗浄するときに、基板収納器を、容器挿脱用開口を通して挿脱する形態で、清浄気送風ユニットに対して容易に着脱することができる。
【0029】
要するに、本発明の第4特徴構成によれば、上記第3特徴構成による作用効果に加えて、基板収納器の着脱を容易に行うことができる清浄気送風ユニットを提供できる。
【0030】
本発明の清浄気送風ユニットの第5特徴構成は、上記第4特徴構成に加えて、
前記基板収納器が、前記排気用面に相当する側面から前記基板を挿脱できるように構成され、
前記排気用板状体における、前記基板収納器に上下に並べて収納される前記基板のうちの最下段の基板に対向する位置又はその最下段の基板よりも下方側の位置に、前記基板を挿通させる挿通孔が形成されている点を特徴とする。
【0031】
すなわち、基板搬出入部において、基板収納器に対して基板を取出すときや収納するときに、清浄気送風ユニットを上下方向の一定位置に保持した状態で、基板収納器を、容器挿脱用開口を通して挿脱しながら上下方向に移動させ、そして、基板を、排気用板状体に形成した挿通孔を通して水平方向に沿って移動させながら、基板収納器に対して挿脱する形態で行うことができる。
【0032】
説明を加えると、清浄気送風ユニットを上下方向の一定位置に保持する保持手段、基板収納器を上下方向に移動させる昇降手段、及び、基板を基板収納器に対して挿脱するように水平方向に沿って移動させる基板移動手段を、基板搬出入部に設ける。
【0033】
そして、基板収納器から基板を取出す場合には、一般的には、上下方向に並ぶ基板の下方側のものから順次取出すことになるため、先ず、上下方向に並ぶ基板のうちの最下段の基板が、排気用板状体に形成した挿通孔に対向する位置となるようにする。
尚、挿通孔が、上下に並べて収納される基板のうちの最下段の基板に対向する位置に形成されている場合には、最下段の基板が挿通孔に対向する位置に位置するため、基板収納器を、上下方向の一定位置に保持されている清浄気送風ユニットに対して下降させる必要はないが、挿通孔が、上下に並べて収納される基板のうちの最下段の基板よりも下方側の位置に形成されている場合には、最下段の基板を挿通孔に対向する位置に位置させるために、基板収納器を、上下方向の一定位置に保持されている清浄気送風ユニットに対して下降させることになる。
【0034】
上下方向に並ぶ基板のうちの最下段の基板が、排気用板状体に形成した挿通孔に対向する位置に位置する状態において、基板移動手段を作動させて、基板を、排気用板状体に形成した挿通孔を通して水平方向に沿って移動させながら、基板収納器から取出すことになる。
【0035】
基板移動手段の作動によって基板の取出しが終了すると、取出した基板の上方に隣接する基板が、排気用板状体に形成した挿通孔に対向する位置となるように、昇降手段によって基板収納器を下降させ、その後、基板移動手段を作動させて、基板収納器から基板を取出すことになり、以下、最上段の基板の取出しが終了するまで、昇降手段によって基板収納器を下降させることと、基板移動手段によって基板を取出すことを、繰り返すことになる。
【0036】
基板収納器に基板を収納する場合には、一般的には、上下方向に並ぶ基板の最上段のものから順次収納することになるため、上下方向に並ぶ基板のうちの最上段の基板を収納する位置が、排気用板状体に形成した挿通孔に対向する位置となるように、昇降手段を作動させることになる。
【0037】
上下方向に並ぶ基板のうちの最上段の基板を収納する位置が、排気用板状体に形成した挿通孔に対向する位置に位置する状態において、基板移動手段を作動させて、基板を、排気用板状体に形成した挿通孔を通して水平方向に移動させながら、基板収納器に収納することになる。
【0038】
基板移動手段の作動によって基板の収納が終了すると、収納した基板の下方に隣接する基板の収納位置が、排気用板状体に形成した挿通孔に対向する位置となるように、昇降手段によって基板収納器を上昇させ、その後、基板移動手段を作動させて、基板収納器に基板を収納することになり、以下、最下段の基板の収納が終了するまで、昇降手段によって基板収納器を上昇させることと、基板移動手段によって基板を収納することを、繰り返すことになる。
【0039】
このように、基板を基板収納器から取出すときや基板を基板収納器に収納するときに、排気用板状体に形成した挿通孔を通して基板を水平方向に沿って移動させることができるため、昇降手段によって基板収納器を昇降させる昇降量の減少により、昇降手段の簡素化を図ることができる。
【0040】
つまり、排気用板状体が装備されるものの、挿通孔が形成されない場合においては、排気用板状体の下方側を通して、基板を水平方向に沿って移動させることになるが、このような場合には、基板収納器を清浄気送風ユニットの下方側に抜き出す量(下降量)が、排気用板状体に形成された挿通孔を通して基板を水平方向に沿って移動させる場合よりも、大きくなり、昇降手段によって基板収納器を昇降させる昇降量が増加して、昇降手段が複雑化する虞があるが、排気用板状体に形成した挿通孔を通して基板を移動させることができるため、昇降手段によって基板収納器を昇降させる昇降量の減少により、昇降手段の簡素化を図ることができるのである。
【0041】
要するに、本発明の第5特徴構成によれば、上記第4特徴構成の作用効果に加えて、基板を基板収納器から取出すときや基板を基板収納器に収納するときに、基板収納器を昇降させる昇降量を減少させて、基板収納器を昇降させる昇降手段の簡素化を図ることができる清浄気送風ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】基板処理設備の側面図
【図2】保管装置の要部平面図
【図3】基板収納器と清浄気送風ユニットの斜視図
【図4】基板搬出入部の正面図
【図5】基板搬出状態を示す切欠き斜視図
【図6】基板収納器の下降状態を示す切欠き側面図
【図7】基板搬出状態を示す切欠き側面図
【図8】基板搬出状態を示す切欠き側面図
【発明を実施するための形態】
【0043】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ダウンフロー式のクリーンルームR内に、直方体状の基板収納器K(図3参照)を保管する保管装置A、及び、基板処理装置Wが並設されて、基板収納器Kに保持されている矩形状の基板1(図5参照)を基板処理装置Wにて処理する基板処理設備が構成されている。
基板収納器Kには、清浄気送風ユニットJ(図5参照)が着脱自在に装着されて、基板収納器Kは、清浄気送風ユニットJが装着された状態で、保管装置Aに保管されている。
ちなみに、本実施形態においては、基板1は、矩形状のガラス基板であり、基板処理装置Wは、エッチングや洗浄等の処理を基板1に対して行うことになる。
【0044】
クリーンルームRは、床部にグレーチング2を備え、天井部にHEPAフィルタ3を備えるものであって、グレーチング2の下方の吸気室4とHEPAフィルタ3の上方のチャンバ室5とが、通風ファン6及びプレフィルタ7を備えた循環路8にて連通接続されて、通風ファン6の通風作動により、浄化された空気が天井部から床部に向けて流動するように構成されている。
尚、循環路8における通風ファン6の空気流動方向上手側箇所には、外気取入路8Aが接続され、循環路8における通風ファン6の空気流動方向下手側箇所には、排気路8Bが接続されて、循環される空気の一部が外気と入れ替えられるように構成されている。
【0045】
図3に示すように、基板収納器Kは、矩形状の基板1を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で収納する直方体状に構成されるものであって、具体的には、格子状に形成された上枠体9a及び下枠体9bと、上枠体9a及び下枠体9bの両横側縁部及び後側縁部に配置されて、上枠体9aと下枠体9bとを連結する複数の帯板状の連結体9cと、横方向に対向する連結体9cの間に上下方向に並ぶ状態で架設される複数のワイヤ状の支持部9dとから構成されている。
つまり、複数のワイヤ状の支持部9dは、上下方向並びに前後方向に間隔を隔てる状態で配置されて、一枚の基板1を前後方向に並ぶ複数の支持部9dにて支持する状態で、複数枚の基板1を上下方向に並ぶ状態で支持するように構成されている。
【0046】
また、基板収納器Kは、4つの側面のうちの前方側の側面には、連結体9cが存在しないため、その前方側の側面から基板1を挿脱できるように構成されている。
さらに、上枠体9a及び下枠体9bが格子状に形成され、また、複数の連結体9cが、間隔を隔てて位置し、かつ、前方側の側面には、連結体9cが存在しないことにより、基板収納器Kは、洗浄する際に、その上面、下面、及び、4つの側面を通して、洗浄用の液体が流出入できるように構成されている。
【0047】
図3及び図5に示すように、清浄気送風ユニットJは、基板収納器Kの4つの側面のうちの一つの側面としての背面を清浄気送風面としかつその清浄気送風面に対向する側面としての前面を排気用面として、清浄気送風面から排気用面に向けて水平方向に沿う清浄気を通風するファンフィルタユニットF、及び、基板収納器Kの4つの側面のうちの、清浄気送風面及び前記排気用面を除いた2つの側面を覆う一対の遮蔽板10を装備して構成されている。
【0048】
すなわち、清浄気送風ユニットJは、ファンフィルタユニットFが組付けられた縦姿勢の矩形状の送風用枠体11を備え、この送風用枠体11の両横側部に、一対の遮蔽板10が連結支持される状態に構成されている。
また、本実施形態の清浄気送風ユニットJには、基板収納器Kの上面を覆う上板12が、送風用枠体11に連結支持されかつ一対の遮蔽板10に接続された状態で設けられ、加えて、基板収納器Kの前面(排気用面)を覆う排気用板状体13が、一対の遮蔽板10及び上板12に接続された状態で設けられている。
排気用板状体13には、複数の排気用の通気孔Tが、上下及び左右に分散する状態で形成されている。
【0049】
また、清浄気送風ユニットJは、基板収納器Kの底面に対応する箇所、つまり、底部が開口されていて、基板収納器Kが挿脱自在な容器挿脱用開口Uを底部に備えるように形成されている。
ちなみに、本実施形態においては、図6に示すように、送風用枠体11と排気用板状体13との間隔が、それらの間に基板収納器Kを位置決め保持できる間隔に形成され、又、図4に示すように、一対の遮蔽板10の間隔が、それらの間に基板収納器Kを位置決め保持できる間隔に形成されている。尚、例示図においては、送風用枠体11、排気用板状体13、及び、一対の遮蔽板10の夫々が、基板収納器Kに対して接触して保持する状態を示すが、実際上は、送風用枠体11、排気用板状体13、及び、一対の遮蔽板10の夫々と、基板収納器Kとの間に、融通用の隙間が形成されることになる。
【0050】
したがって、清浄気送風ユニットJは、送風用枠体11を基板収納器Kの背面に対応させた状態で、基板収納器Kを上方から覆うように装着することにより、ファンフィルタユニットFが送風する清浄気を基板1の表面に沿って流動させるように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、清浄気送風ユニットJが、送風用枠体11を基板収納器Kの背面に対応させた状態で基板収納器Kに装着されるものであるから、ファンフィルタユニットFが洗浄気送風面に相当する箇所に配設されることになる。
【0051】
また、排気用板状体13における、基板収納器Kに上下に並べて収納される基板1のうちの最下段の基板1に対向する位置に、基板1を挿通させる挿通孔Qが形成されており、後述の如く、この挿通孔Qを通して基板1を移動させながら、基板収納器Kに対して
基板1の収納及び取出しを行うことができるように構成されている。
【0052】
尚、図示はしないが、清浄気送風ユニットJは、ファンフィルタユニットFを駆動するバッテリ、及び、保管装置Aに保管しているときに電力が供給されて、バッテリを充電する受電端子を備えている。
【0053】
保管装置Aは、図1及び図2に示すように、基板収納器Kを収納する複数の収納部S、基板収納器Kに対して基板1の取出し及び収納を行う基板搬出入部SA、及び、収納部Sと基板搬出入部SAとの間で基板収納器Kを搬送する搬送手段としてのスタッカークレーンDを備えている。
【0054】
すなわち、複数の収納部Sが縦横に並設された左右一対の保管棚14が、物品出し入れ方向を互いに対向させた状態で間隔を隔てて設置され、左右一対の保管棚14の間に、スタッカークレーンDが装備されている。
【0055】
保管棚14は、前後一対の支柱14Aからなる支柱組を、棚横幅方向を並設し、支柱組の夫々に、基板収納器K及びその基板収納器Kに装着された清浄気送風ユニットJを載置支持する腕木15を、上下方向に並べて設けて、棚横幅方向に隣接する支柱組の間に、上下方向に並ぶ状態で収納部Sを形成するように構成されている。
ちなみに、腕木15には、清浄気送風ユニットJに給電するための給電装置Eが装備されており、清浄気送風ユニットJが腕木15に載置支持されると、清浄気送風ユニットJの受電端子に対して給電装置Eから電力が供給されるように構成されている。
【0056】
左右一対の保管棚14の間の床部には、スタッカークレーンDを案内する左右一対の走行レール16が設けられている。
そして、スタッカークレーンDが、走行レール16に沿って走行する走行台車17、その走行台車17に立設された前後一対のマスト18に沿って昇降自在な昇降台19、及び、その昇降台19に装着された物品移載装置Bを備えて構成されている。
【0057】
物品移載装置Bは、図2に示すように、昇降台19に対して上下軸心P周りで旋回自在な旋回台20、基板収納器K及び清浄気送風ユニットJを載置支持する板状の物品載置体21、及び、その物品載置体21を旋回台20に対して出退自在に支持する一対の屈伸リンク22を備えている。
そして、屈伸リンク22の屈伸作動により、物品載置体21を昇降台側に引退させた引退位置と外方に突出する突出位置とに出退操作し、かつ、昇降台19の昇降作動により、物品載置体21を昇降操作することにより、基板収納器K及びその基板収納器Kに装着された清浄気送風ユニットJを、収納部S及び基板搬出入部SAに対して移載するように構成されている。
【0058】
基板搬出入部SAには、図1及び図4に示すように、清浄気送風ユニットJを上下方向の一定位置に保持する保持手段としての受け枠23、基板収納器Kを受止め支持して、上下方向に移動させる昇降手段24、及び、基板1を水平方向に沿って移動させて、基板1を基板収納器Kに対して挿脱する基板移動手段として、基板1を載置搬送する搬送コンベヤ25が装備されている。
【0059】
また、図1に示すように、搬送コンベヤ25と基板処理装置Wとの間には、基板1を載置搬送する中継搬送コンベヤ26が装備されている。
従って、基板収納器Kから取出した基板1を、搬送コンベヤ25及び中継搬送コンベヤ26によって、基板処理装置Wに搬送し、これとは逆に、基板処理装置Wから搬出された基板1を、中継搬送コンベヤ26及び搬送コンベヤ25によって搬送して、基板収納器Kに収納することができるように構成されている。
【0060】
尚、中継搬送コンベヤ26は、上部及び両側部が遮蔽壁27にて囲まれ且つ天井部に装備した浄化用のファンフィルタユニット28にて清浄気が通風される搬送空間Hに装備されており、基板収納器Kと基板処理装置Wとの間での搬送中に、基板1に塵埃が付着することを回避するようになっている。
【0061】
受け枠23は、図4及び図5に示すように、清浄気送風ユニットJの底部における4つの角部を受止め支持すべく、その4つの角部に対応して4つ設けられるものであって、平面視形状がL字状に形成され、図示はしないが、保管棚14の支柱14Aに連結支持されている。
そして、受け枠23は、図7及び図8に示すように、清浄気送風ユニットJを保持する上下方向の一定位置として、搬送コンベヤ25にて載置搬送される基板1が挿通孔Qを通過する位置に、清浄気送風ユニットJを保持するように構成されている。
【0062】
昇降手段24は、図4及び図5に示すように、基板収納器Kの前後方向に沿って長尺状に形成された左右一対の昇降枠24Aを、昇降駆動装置24B(図1参照)によって、昇降操作するように構成されている。
昇降枠24Aの前後方向の長さは、前後に並ぶ受け枠23の間を通して昇降できる長さで、かつ、昇降枠24Aの横幅は、基板収納器Kに加えて、清浄気送風ユニットJを載置できる横幅に構成されている。
【0063】
そして、昇降枠24Aは、図4及び図6に示すように、スタッカークレーンDが基板搬出入部SAに対して清浄気送風ユニットJが装着された基板収納器K(以下、清浄気送風ユニットJ付の基板収納器Kと略称)を降ろす降し処理を行うときや、スタッカークレーンDが基板搬出入部SAから清浄気送風ユニットJ付の基板収納器Kを掬う掬い処理を行うときには、清浄気送風ユニットJ付の基板収納器Kを移載用高さに保持するための移載用昇降位置に昇降されるように構成されている。
【0064】
すなわち、スタッカークレーンDは、基板搬出入部SAに対して清浄気送風ユニットJ付の基板収納器Kを降ろす降し処理を行うときには、移載用昇降位置の昇降枠24Aに対して、清浄気送風ユニットJ付の基板収納器Kを降ろすことになり、基板搬出入部SAから清浄気送風ユニットJ付の基板収納器Kを掬う掬い処理を行うときには、移載用昇降位置の昇降枠24Aに支持されている清浄気送風ユニットJ付の基板収納器Kを掬うことになる。
ちなみに、搬送コンベヤ25と、移載用昇降位置の昇降枠24Aに支持されることによって移載用の高さに保持された清浄気送風ユニットJ付の基板収納器Kとの間には、スタッカークレーンDに装備した物品移載装置Bの物品載置体21が挿脱するための空間が形成されることになる。
【0065】
また、昇降枠24Aは、スタッカークレーンDによる基板搬出入部SAに対して清浄気送風ユニットJ付の基板収納器Kを降ろす降し処理が終了すると、図7に示すように、清浄気送風ユニットJが受け枠23にて受止め支持されることになる初期昇降位置に下降されることになり、その後、搬送コンベヤ25の作動によって、基板1が取出されるごとに、上下方向に並ぶ基板1の上下間隔に相当する昇降量で、順次下降され、最終的には、図8に示すように、上下方向に並ぶ基板1の最上段の基板1が挿通孔Qに対応する位置となる最下降位置に下降されることになる。
【0066】
さらに、昇降枠24Aは、基板処理装置Wから搬出される基板1を基板収納器Kに収納するときには、図8に示すように、最下降位置に位置されことになる。
その状態で、搬送コンベヤ25の作動によって最初の基板1が基板収納器Kに収納されると、昇降枠24Aは、上下方向に並ぶ基板1の上下間隔に相当する昇降量で上昇されることになり、以下、搬送コンベヤ25の作動によって、基板1が収納されるごとに、上下方向に並ぶ基板1の上下間隔に相当する昇降量で、順次上昇されて、最終的には、図7に示すように、上下方向に並ぶ基板1の最下段の基板1が挿通孔Qに対応する位置となる初期位置に上昇されることになる。
【0067】
そして、昇降枠24Aは、基板収納器Kに対する基板1の収納が終了すると、移載用昇降位置に上昇されることになる。
その状態において、スタッカークレーンDが、移載用昇降位置の昇降枠24Aに保持された清浄気送風ユニットJ付の基板収納器Kを掬う処理を行うことになる。
【0068】
すなわち、本実施形態においては、基板搬出入部SAにおいて、基板収納器Kに対して基板1を取出すときや収納するときには、清浄気送風ユニットJを上下方向の一定位置に保持して、基板収納器Kを、容器挿脱用開口Uを通して挿脱しながら上下方向に移動させ、そして、基板1を、排気用板状体13に形成した挿通孔Qを通して移動させながら、基板収納器Kに対して挿脱する形態で行うように構成されている。
【0069】
つまり、基板収納器Kから基板1を取出す場合には、一般的には、上下方向に並ぶ基板1の下方側のものから順次取出すことになるため、上下方向に並ぶ基板1のうちの最下段の基板1が、排気用板状体13に形成した挿通孔Qに対向する位置となるように、昇降手段24を作動させることになる。
ちなみに、本実施形態においては、挿通孔Qが、上下に並べて収納される基板1のうちの最下段の基板1に対向する位置に形成されているため、上述の如く、昇降枠24Aを、清浄気送風ユニットJが受け枠23にて受止められる初期位置に下降させる。
【0070】
そして、上下方向に並ぶ基板1のうちの最下段の基板1が、排気用板状体13に形成した挿通孔Qに対向する位置に位置する状態において、搬送コンベヤ25を作動させて、基板1を、排気用板状体13に形成した挿通孔Qを通して移動させながら、基板収納器Kから取出すことになる。
【0071】
搬送コンベヤ25の作動によって基板1の取出しが終了すると、取出した基板1の上方に隣接する基板1が、排気用板状体13に形成した挿通孔Qに対向する位置となるように、昇降手段24によって基板収納器Kを下降させ、その後、搬送コンベヤ25を作動させて、基板収納器Kから基板1を取出すことになり、以下、最上段の基板1の取出しが終了するまで、昇降手段24によって基板収納器Kを下降させることと、搬送コンベヤ25によって基板1を取出すことを、繰り返すことになる。
【0072】
基板収納器Kに基板1を収納する場合には、一般的には、上下方向に並ぶ基板1の最上段のものから順次収納することになるため、上下方向に並ぶ基板1のうちの最上段の基板1を収納する位置が、排気用板状体13に形成した挿通孔Qに対向する位置となるように、昇降手段24を作動させることになる。
ちなみに、本実施形態においては、上述の如く、昇降枠24Aを最下降位置に位置させることになる。
【0073】
そして、上下方向に並ぶ基板1のうちの最上段の基板1を収納する位置が、排気用板状体13に形成した挿通孔Qに対向する位置に位置する状態において、搬送コンベヤ25を作動させて、基板1を、排気用板状体13に形成した挿通孔Qを通して移動させながら、基板収納器Kに収納することになる。
【0074】
搬送コンベヤ25の作動によって基板1の収納が終了すると、収納した基板1の下方に隣接する基板1の収納位置が、排気用板状体13に形成した挿通孔Qに対向する位置となるように、昇降手段24によって基板収納器Kを上昇させ、その後、搬送コンベヤ25を作動させて、基板収納器Kに基板1を収納することになり、以下、最下段の基板1の収納が終了するまで、昇降手段24によって基板収納器Kを上昇させることと、搬送コンベヤ25によって基板1を収納することを、繰り返すことになる。
【0075】
尚、昇降手段24における昇降駆動装置24Bとしては、昇降枠24Aを昇降自在に支持するスライド式の支持機構やリンク式の支持機構を、電動式シリンダ等のアクチュエータにて昇降操作するように構成する等、種々の構成のものが適用できる。
【0076】
搬送コンベヤ25は、支持枠体25Aの上部に、駆動状態と停止状態とに切換え自在な多数の搬送用ローラ25Bを備える状態に構成されている。
そして、支持枠体25Aには、昇降枠24Aが初期位置から最下降位置に下降するに伴って、基板収納器Kの格子状の下枠体9bが挿入する凹入部Nが形成されている。
【0077】
以上の如く、基板収納器Kは、清浄気送風ユニットJの底部の容器挿脱用開口Uを通して、清浄気送風ユニットJから分離することができる、換言すれば、清浄気送風ユニットJが基板収納器Kに対して着脱できるので、洗浄液等を用いて基板収納器Kを洗浄するときには、基板収納器Kから清浄気送風ユニットJを分離した状態で、基板収納器Kを洗浄できることになる。
ちなみに、基板収納器Kの洗浄手段は、基板処理装置Wと同様に、保管装置Aの横脇に設けて、保管装置Aから搬送するようにしてもよいが、洗浄対象の基板収納器Kを保管装置Aから出庫して、別途設けた洗浄手段にて洗浄させるようにしてもよい。
【0078】
尚、基板処理設備の運転を管理する管理手段や、その管理手段からの指令に基づいて、スタッカークレーンD、昇降手段24、及び、搬送コンベヤ25等の機器類の作動を制御する制御手段が装備されて、基板収納器Kの搬送や、基板収納器Kに対する基板1の取出しや収納が行われることになるが、その制御作動は、上述の説明から明らかであるので、本実施形態においては、その詳細な説明は省略する。
【0079】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、清浄気送風ユニットJが、基板収納器Kの上面を覆う上板12を備える場合を例示したが、基板収納器Kの上部が閉じられた状態で形成される場合等においては、上板12を省略してもよい。
【0080】
(2)上記実施形態では、基板収納器Kの4つの側面のうちの、基板1が挿脱される前面に対向する背面を清浄気送風面として、前面を排気用面とする場合を例示したが、基板収納器Kの4つの側面のうちの、一対の横側面のうちの一方を洗浄気送風面とし、残りの横側面を排気用面とする形態で実施してもよい。
【0081】
(3)上記実施形態では、基板収納器Kの底面に対応する箇所に、容器挿脱用開口Uが形成される場合を例示したが、例えば、排気用面に対応する箇所に、容器挿脱用開口Uを形成する、あるいは、基板収納器Kの上面に対応する箇所に、容器挿脱用開口Uを形成することによって、清浄気送風ユニットJにおける基板収納器Kの底面に対応する箇所を閉じるように構成してもよい。
【0082】
(4)上記実施形態では、ファンフィルタユニットFが、清浄気送風ユニットJにおける清浄気送風面に相当する箇所に配設される場合を例示したが、清浄気送風ユニットJにおける清浄気送風面に相当する箇所とは異なる箇所に、ファンフィルタユニットFを配設して、ファンフィルタユニットFからの清浄気を清浄気送風面に案内する送風ダクトを設ける形態で実施してもよい。
【0083】
(5)上記実施形態では、清浄気送風ユニットJに、排気用面を覆う排気用板状体13を装備する場合を例示したが、排気用板状体13を装備しない形態で実施してもよい。
【0084】
(6)上記実施形態では、基板収納器Kが、排気用面に相当する側面から基板1を挿脱できるように構成されて、排気用面を覆う排気用板状体13における、基板収納器Kに上下に並べて収納される基板1のうちの最下段の基板1に対向する位置に、基板1を挿通させる挿通孔Qが形成される場合を例示したが、挿通孔Qを、最下段の基板1よりも下方側の位置に形成する形態で実施してもよい。
【0085】
(7)上記実施形態では、基板搬出入部SAに装備して、基板1を水平方向に沿って移動させて、基板1を基板収納器Kに対して挿脱する基板移動手段として、基板1を載置搬送する搬送コンベヤ25を例示したが、基板移動手段としては、基板収納器K内に突出する状態と引退する状態とに切換え自在でかつ昇降自在な基板支持体を備えるもの等、種々の形態の基板移動手段を適用できる。
【符号の説明】
【0086】
1 基板
10 遮蔽板
13 排気用板状体
A 保管装置
D 搬送手段
F ファンフィルタユニット
J 清浄気送風ユニット
K 基板収納器
Q 挿通孔
S 収納部
SA 基板搬出入部
T 通気孔
U 容器挿脱用開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で収納する直方体状の基板収納器を収納する複数の収納部、前記基板収納器に対して前記基板の取出し及び収納を行う基板搬出入部、及び、前記収納部と前記基板搬出入部との間で前記基板収納器を搬送する搬送手段を備えた保管装置に保管される前記基板収納器に対して着脱自在に装着される清浄気送風ユニットであって、
前記基板収納器の4つの側面のうちの一つの側面を清浄気送風面としかつその清浄気送風面に対向する側面を排気用面として、前記清浄気送風面から前記排気用面に向けて水平方向に沿う清浄気を通風するファンフィルタユニット、及び、前記基板収納器の4つの側面のうちの、前記清浄気送風面及び前記排気用面を除いた2つの側面を覆う一対の遮蔽板が装備されている清浄気送風ユニット。
【請求項2】
前記ファンフィルタユニットが、前記清浄気送風面に相当する箇所に配設されている請求項1記載の清浄気送風ユニット。
【請求項3】
前記排気用面を覆う排気用板状体が装備され、その排気用板状体に、複数の排気用の通気孔が、上下及び左右に分散する状態で形成されている請求項1又は2記載の清浄気送風ユニット。
【請求項4】
前記基板収納器の底面に対応する箇所に、前記基板収納器が挿脱自在な容器挿脱用開口が形成されている請求項3に記載の清浄気送風ユニット。
【請求項5】
前記基板収納器が、前記排気用面に相当する側面から前記基板を挿脱できるように構成され、
前記排気用板状体における、前記基板収納器に上下に並べて収納される前記基板のうちの最下段の基板に対向する位置又はその最下段の基板よりも下方側の位置に、前記基板を挿通させる挿通孔が形成されている請求項4に記載の清浄気送風ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−69882(P2013−69882A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207563(P2011−207563)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】