説明

清涼組成物

【課題】皮膚又は粘膜への長時間持続する生理的清涼感をもたらす清涼組成物を提供する。
【解決手段】当該清涼組成物は単独で存在してもよく、又はチューインガム若しくは菓子等の製品中に存在してもよい。当該清涼組成物は、メンチルエステル、及び第2の清涼剤(WS−3又はWS−23であってもよい)及び適宜メントールを含んでなる。前記メンチルエステルは、グルタル酸メンチルエステル又はコハク酸メンチルエステルでもよく、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%の量で存在してもよい。前記メンチルエステルは、5〜60重量%、特に15〜50重量%の量で存在してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願へのクロスリファレンス)
本出願は、米国仮出願第60/723698号(2005年10月5日出願)の優先権を主張し、当該内容は参照により本願明細書に援用する。
【0002】
本願明細書は、経口的、若しくは皮膚又は粘膜に提供されうる清涼組成物に関する。当該組成物は、メンチルエステルと組み合わせた1以上の種類の清涼剤を含んでなる。当該清涼剤及びメンチルエステルは、単一の組成物中に提供されてもよく、時間的又は位置的に分離した別個の組成物として提供されてもよい。
【背景技術】
【0003】
使用時に清涼感をもたらす多くの物質が知られ、「清涼剤」と呼ばれる。清涼剤の例としては、メントール、イソプレゴール、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(1−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸メンチル及びそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、和種ハッカ油、ペパーミント油、メントン、メントングリセロールケタール、乳酸メンチル、3−(1−メントキシ)エタン−1−オール、3−(1−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(1−メントキシ)ブタン−1−オール、1−メンチル酢酸N−エチルアミド、4−ヒドロキシペンタン酸1−メンチル、3−ヒドロキシ酪酸1−メンチル、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルコハク酸アミド、及びピロリドンカルボン酸メンチルが挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術が存在し、このように膨大な数の多様な清涼剤が市販されているにもかかわらず、製品に長時間持続する清涼感をもたらし、一方不要なざらつきや風味の特性をもたらさない、清涼組成物に対するニーズが存在する。また、後味をほとんど残さない優れた清涼効果を有する、すっきりした高品質の香味をもたらすチューインガムを提供することも望ましい。例えばモノメンチルエステル系化合物を食品、化粧品、及び香料用途に含有させることにより、不快な味、不快な匂い及び不快な清涼特性を有しない、強力かつ実質的な爽快特性及び清涼特性に対する要求を満たすことができる。優れた効果の発現及び長時間にわたる清涼感をもたらす清涼組成物を提供することに対するニーズが依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願明細書に記載の化合物及び組成物は、長時間持続する生理的清涼感を皮膚又は粘膜に提供する清涼組成物を提供する。当該清涼組成物は、単独で存在してもよく、チューインガム又は菓子等の製品中に存在してもよい。
【0006】
いくつかの態様において、当該清涼組成物は、メンチルエステルを含む組成物の投与により、WS−3又はWS−23単独で提供されるのと実質的に同様な清涼感をもたらすことができるが、組成物中に存在するWS−3又はWS−23の量は、WS−3又はWS−23単独で実質的に同様な清涼感を提供するために必要なそれらの量よりも低減しうる。
【0007】
第1の実施形態において、メンチルエステル及び第2の清涼剤を清涼組成物に含ませてもよい。適宜、当該組成物にさらにメントールを含ませてもよい。いくつかの態様において、当該第2の清涼剤は、WS−3又はWS−23でもよく、これらは適宜使い分けてもよい。当該メンチルエステルは、例えば、グルタル酸メンチルエステルでもよく、コハク酸メンチルエステルでもよい。当該メンチルエステルは、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%の量で存在してもよい。多くの態様において、当該メンチルエステルは、5〜60重量%、又は特に15〜50重量%の量で存在してもよい。
【0008】
幾つかの実施形態において、当該清涼組成物の使用によりWS−3又はWS−23等の第2の清涼剤の量を低減させることができ、一方実質的に同一の生理的清涼感をもたらす。従って、当該清涼組成物は、第2の清涼剤に関連する全ての望ましくない副作用又は感覚を低減させ、若しくは除去することを可能にする。
【0009】
第2の実施形態において、メンチルエステル及び第2の清涼剤をチューインガム中に含ませてもよい。適宜、当該チューインガムにさらにメントールを含ませてもよい。幾つかの態様において、当該第2の清涼剤は、WS−3でもよく、WS−23でもよい。当該メンチルエステルは、例えば、グルタル酸メンチルエステルでもよく、コハク酸メンチルエステルでもよい。当該メンチルエステルは、当該清涼組成物の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%の量で存在してもよい。多くの態様において、当該メンチルエステルは、当該清涼組成物の5〜60重量%、又は特に15〜50重量%、又は20〜40重量%の量で存在してもよい。
【0010】
第3の実施形態において、メンチルエステル及び第2の清涼剤を菓子中に含ませてもよい。適宜、当該菓子にさらにメントールを含ませてもよい。幾つかの態様において、当該第2の清涼剤はWS−3でもよく、WS−23でもよい。当該メンチルエステルは、例えば、グルタル酸メンチルエステル又はコハク酸メンチルエステルでもよい。当該メンチルエステルは、当該清涼組成物の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%の量で存在してもよい。多くの態様において、当該メンチルエステルは、当該清涼組成物の5〜60重量%、又は特に15〜50重量%の量で存在してもよい。菓子において有用な清涼剤としては、例えば、WS−3、WS−23、WS−30、WS−14、ユーカリエキス(p−メンタ−3,8−ジオール)、メントール(天然又は合成誘導体)、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、エチルp−メンタンカルボキサミド、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド、グルタル酸メンチル、FEMA4006、コハク酸メンチル、メントールPGカルボナート、メントールEGカルボナート、乳酸メンチル、メントングリセロールケタール、メントールグリセリルエーテル、N−tert−ブチルp−メンタン−3−カルボキサミド、p−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド、及びメントールメチルエーテル並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0011】
第4の実施形態は、メンチルエステル及び第2の清涼剤を含む清涼組成物を投与することを含む、長時間持続する生理的清涼感を皮膚又は粘膜に提供する方法に関する。適宜、当該清涼組成物にメントールをさらに含めてもよく、幾つかの態様において、当該第2の清涼剤はWS−3又はWS−23でもよい。当該メンチルエステルは、例えば、グルタル酸メンチルエステルでもよく、コハク酸メンチルエステルでもよい。当該メンチルエステルは、当該清涼組成物の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%の量で存在してもよい。多くの態様において、当該メンチルエステルは、当該清涼組成物の5〜60重量%、又は特に15〜50重量%の量で存在してもよい。
【0012】
第5の実施形態は、メンチルエステル及びWS−3を含む清涼組成物を投与することを含む、WS−3単独によって提供される感覚と実質的に同様な感覚を提供する方法に関する。適宜、当該組成物にさらにメントールを含ませてもよい。当該メンチルエステルは、例えば、グルタル酸メンチルエステルでもよく、コハク酸メンチルエステルでもよい。当該メンチルエステルは、当該清涼組成物の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%の量で存在してもよい。多くの態様において、当該メンチルエステルは、当該清涼組成物の5〜60重量%、又は特に15〜50重量%の量で存在してもよい。
【0013】
第6の実施形態は、メンチルエステル及びWS−23を含む清涼組成物を投与することを含む、WS−23単独によって提供される感覚と実質的に同様な感覚を提供する方法に関する。適宜、当該清涼組成物にさらにメントールを含ませてもよい。当該メンチルエステルは、例えば、グルタル酸メンチルエステルでもよく、コハク酸メンチルエステルでもよい。当該メンチルエステルは、当該清涼組成物の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%の量で存在していてよく、多くの態様において、当該メンチルエステルは、当該清涼組成物の5〜60重量%、又は特に15〜50重量%の量で存在してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、好適には香料、食品、菓子、飲料、ガム、歯磨き剤、うがい薬、化粧品、局所投与用の塗布薬及びローション及び紙巻きタバコ等の、別途清涼組成物を含んでもよい製品に関し、これらの製品はメントールによってもたらされるのと実質的に同様な清涼感をもたらす組成物を含んでいる。当該清涼組成物は、実質的に清涼性をもたらす生理的感覚をもたらす。
【0015】
メントールは、皮膚及び口腔粘膜に対して生理的清涼効果を有することが知られており、香料として広く用いられ、食品、飲料、歯磨き剤、うがい薬等に含まれるペパーミント油の主成分であると共に、多くの化粧品、局所投与用の塗布薬及びローションの成分である。また、メントールは、喫煙時に口腔内に「清涼」感をもたらすための周知のタバコの添加物でもある。また、カルボメントールが、例えば、仏国特許第1572332号に記載のように、N,N−ジメチル−2−エチルブタンアミド、及びN,N−ジエチル−2−エチルブタンアミドと同様の生理的清涼効果を有することも報告されている。
【0016】
メントールの「清涼」効果は、温感又は冷感の検知に関与する人体の神経末端にメントールが直接作用することによる生理的効果であることが解明されている。メントールは、冷感受容体を直接刺激する。メントールと同様の生理的効果をもたらすいくつかの非メントール化合物は米国特許第4296255号に記載され、参照によって本願明細書に援用する。
【0017】
ペパーミント油は、練り歯磨き、うがい薬、チューインガム、キャンディー及び他の食品製品等の口腔用製品に「清涼感」を付与するために用いることができる。ペパーミント油は、通常、約45〜55%のメントール、約20〜25%のメントン、約5%の酢酸メンチル、約5%のユーカリプトール、及び多数の他の成分を含んでいる。ペパーミント油は、スペアミント又はウィンターグリーン香のする製品等の非ペパーミント製品においても、このような望ましい清涼効果をもたらすために用いられる。しかし、この場合、非ペパーミント風味の製品においてもペパーミントの風味が感じられる。
【0018】
また、メントールは、皮膚及び口腔粘膜上において生理的清涼効果を有することも知られている。ペパーミント油の主成分であるため、メントールは、食品、飲料、歯磨き剤、うがい薬、化粧品、ローション等に広く用いられる。しかし、メントールを用いることの欠点は、強いミント臭と、それが含まれる組成物にメントールがもたらす刺激的な味である。メントールは他の清涼剤と組み合わせて用いられ、とりわけ、メントールは味蕾が非メントール清涼剤を受容可能となるように作用する。メントールは、軽く、爽快なミント感をもたらし、ある面において、味蕾が清涼感を受容可能とする。WS−3及びWS−23等のいくつかの清涼剤は、メントールを加えずに供給された場合に、最初に温熱感をもたらすことが報告されている。
【0019】
呼気の爽快感を促進する菓子製品のほとんどは、中程度から高レベルのメントールを含むミント風味の製品である。しかし、メントールを用いることの欠点は、強いミント臭と、それが見出される組成物にメントールがもたらす刺激的な味である。従って、メントールを加えることに起因する望ましくない刺激や風味の特性をもたない製品に対し、長時間持続する清涼感を与える、清涼組成物への需要が存在する。
【0020】
いくつかの最終製品、特にチューインガムでは、ゆっくりと穏やかに香味が放出されるよりも、強烈な香味が一気に放出される方が望ましい。望ましい香味のインパクトをもたらすために、いくつかのチューインガムの製造業者は、コーティング付きチューインガムのコーティングに香料を添加している。これらの香料としては、スペアミント香料、ペパーミント香料、ウィンターグリーン香料、及びフルーツ香料が挙げられる。さらに、香味の瞬間的な放出をもたらすために、メントール等の非常に強力な香料が用いられることも多い。しかし、香味の瞬間的な放出をもたらすための効果的な濃度において、メントール又はミント香料は、しばしば「えぐ味」と表現される、苦く鋭い、焼けつくような味をももたらす。
【0021】
そこで、チューインガム組成物の生理的清涼剤の使用により、香味組成物を強化し、その放出を制御して、チューインガムの香味を改善する方法の開発に対する努力が払われてきた。米国特許第5326574号においては、生理的清涼剤である3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオールを、食品に許容される水溶性の担体と共に乾燥させ、得られる生成物をチューインガムに混合する方法が開示されている。
【0022】
グルタル酸L−モノメンチルは、グルタル酸(L)−モノメンタン−3−イルという化学名を有し、時には、ペンタジエン酸、モノ[5−メチル−2−1(1−メチルエチル)シクロヘキシル]エステル、グルタル酸[1L];[1R(−)]モノメンチルとしても知られ、C1526の化学式を有する。これは、JECFA番号1414、FEMA番号4006、及びCAS番号220621−22−7として登録されている。これは、ミント様、メントール様の香気を有する透明で粘稠な流体として存在する。
【0023】
(清涼剤)用語「生理的清涼剤」には、数多くの生理的清涼剤が包含される。しかしながら、本願明細書の文脈における用語「生理的清涼剤」には、メントール又はメントン等の従来の香料誘導体は包含されない。好適な生理的清涼剤は、感知可能な固有の香味を有さず、単に清涼感をもたらす。
【0024】
清涼組成物に適宜追加する成分は生理的清涼剤である。当該清涼剤の好適なレベルは、当該組成物に対して約0.001〜約85重量%、好適には約0.01〜約50重量%、より好適には約0.05〜約15重要%であり、さらにより好適には当該組成物の約0.10〜約5重量%である。
【0025】
一般に、組成物は、当該組成物が接触する皮膚又は粘膜の領域における冷感受容体を刺激して望ましい冷感を与えるのに十分な量の活性な清涼化合物を含んでなる。清涼感の強さ及び持続性は化合物毎に異なるので、それぞれの組成物において用いられる刺激剤の量は大幅に異なる。目安としては、活性の高い化合物を用いた場合には、活性成分の1.0重量%エタノール溶液0.05mlを粘膜又は皮膚に投与すると、適宜数時間持続する顕著な清涼感を達成することができる。一方活性の低い化合物を用いた場合には、例えば、活性化合物が5.0重量%以上の高濃度の溶液を用いなければ、顕著な清涼効果を達成することができない。このような皮膚試験はある程度主観的なものであり、同様の試験を受けた他の者よりもより強い、又はより弱い清涼感を感じる者もいることも認識しなければならない。
【0026】
清涼剤は周知であり、例えば、米国特許第4032661号、第4070449号、第4033994号、第4296093号、第4296255号、第4230688号、第4034109号、第4020153号、第4136163号、第5266592号、米国特許出願公開第2004/0067970号及び2005/0019455号、並びにLeffingwell他著”Cool without Menthol & Cooler than Menthol and Cooling Compounds as Insect Repellents”に記載され、これらの開示は参照により本願明細書に援用する。生理的清涼剤の試験については、1976年10月13日に公開された英国特許出願公開第1452291号に記載されているが、便宜上、一部を以下に再掲する。清涼剤は当業者に周知である。好適な生理的清涼剤は、それ自体の感知可能な香味を有しておらず、単に清涼感をもたらす。当該生理的清涼剤は、感知可能な固有の香味を有していないため、それらは、他の種類の香料と共に用いることにより、呼気の爽快感等の新たな独自の効果をもたらすことができる。本組成物に用いうる生理的清涼剤である具体的な化合物及び化合物の種類は、いくつかの米国特許公報及び外国特許公報に開示されている。これらのうちいくつかは、チューインガムにおける生理的清涼剤の使用を開示している。これらには、例えば、米国特許第5451404号(他の清涼剤(メントール又はカルボキサミド)と組み合わされたケタール、米国特許第5372824号(生理的清涼剤及びより少量のメントール)、米国特許第5348750号(メントンケタール)、米国特許第5326574号(スプレードライされた3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール)、米国特許第5266592号(メントングリセロールケタール)、米国特許第5165943号(生理的清涼剤とのシクロデキストリン錯体)、米国特許第5009893号(苦みを低減させるためにメントールを減少させたp−メンタンカルボキサミド生理的清涼剤)、米国特許第4459425号(3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール)、米国特許第4296093号(置換シクロヘキサンアミド)、米国特許第4248859号及び第4318900号(アルキル置換脂環式カルボン酸、エステル又はアミド)、米国特許第4157384号及び第4029759号(種々の3−置換p−メンタン)、米国特許第4081480号(α−オキシ(オキソ)メルカプタンアルカン)、米国特許第4070449号(スルホキシド及びスルホン)、米国特許第4060091号、第4190643号及び第4136163号(置換p−メンタン−3−カルボキサミド)、米国特許第4153679号、第4296255号及び第4230688号(非環状カルボキサミド)、米国特許第4034109号(非環状スルホンアミド及びスルフィンアミド)、米国特許第4033994号(p−メンタン−3−カルボン酸塩)、米国特許第3793446号及び第3644613号(メントールのケトエステル)、米国特許第3720762号(メントール又はペパーミント油と共に用いられるスピラントール)、カナダ特許第2101790号(フリー極性基を有するカルボン酸)、独国特許第2608226号(乳酸メンチル)、独国特許第2433165号(N−アセチルグリシンメンチルエステル)、仏国特許第2577922号(3−ヒドロキシ酪酸L−メンチル)、特開平6−065023号公報(2−イソプロペニル−5−メチルシクロヘキサノール)、英国特許第1502680号(ビシクロ酸、エステル、アミド、及び置換メンタノール)、英国特許第1476351号(環状及び非環状アミド、尿素及びスルホンアミド)、英国特許第1442998号(トリアルキル置換シクロヘキサンカルボキサミド)、英国特許第1421744号及び第1421743号(新規アミド)、英国特許第1411786号(シクロヘキサンアミド)、英国特許第1404596号(非環状第2及び第3アルカノール)、国際公開第97/07771号パンフレット(コハク酸メンチル及びカルボキサミド)、国際公開第96/28133号パンフレット(化粧品用清涼組成物)、国際公開第96/17524号パンフレット(N−置換p−メンタンカルボキサミド及びメントールを含む清涼組成物)、国際公開第94/010117号パンフレット(シクロヘキサノール誘導体)、及び米国特許第3639569号(生理的清涼剤)が挙げられる。米国特許第4032661号、第4070449号、第4033994号、第4296093号、第4296255号、第4230688号、第4034109号、第4020153号、第5009893号、第5698181号、第5266592号、米国特許出願公開第2004/0067970及び第2005/0019455号、並びにLeffingwellら、”Cool without Menthol & Cooler than Menthol and Cooling Compounds as Insect Repellents”はさらに他の例を示し、これらの開示は参照により本願明細書に援用する。生理的清涼剤の試験については、1976年10月13日に公開された英国特許出願公開第1452291号に記載されているが、便宜上、一部を以下に再掲する。
【0027】
生理的清涼剤の具体例としては、例えば、置換p−メンタン、置換p−メンタンカルボキサミド(N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(FEMA3455)等)、非環状カルボキサミド、置換シクロヘキサンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、置換尿素及びスルホンアミド、並びに置換メンタノール(全てWilkinson Sword社製)、p−メンタンのヒドロキシメチル及びヒドロキシエチル誘導体(Lever Bros社製)、コハク酸メンチル、2−メルカプトシクロデカノン(International Flavors and Fragrances社製)、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(久光製薬製、以下「イソプレゴール」)、炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸、メントングリセロールケタール(FEMA3807、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプMGA)、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール(高砂香料製、FEMA3784、(以下「TCA」))、及び乳酸メチル(Haarmann&Reimer社製、FEMA3748、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプML)が挙げられる
【0028】
上に開示された任意の生理的清涼剤をチューインガムにおいて用いうるが、好適な生理的清涼剤は、いずれもWilkinson Sword社に付与された米国特許第4060091号、第4190643号、及び第4136163号に開示等の置換p−メンタンカルボキサミド(PMC)、特にN−エチルp−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、いずれもWilkinson Sword社に付与された米国特許第4296255号、第4230688号、及び第4153679号に開示等の非環状カルボキサミド(AC)、特に、N−2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、メントングリセロールケタール(MGK)、乳酸メンチル(ML)、コハク酸メンチル(MS)、及び3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール(TCA)である。
【0029】
他の好適な生理的清涼剤は、国際公開第097/06695号に開示されている。メントール、ペパーミント油、N−置換p−メンタン−3−カルボキサミド、非環状第三級及び第二級カルボキサミド、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、並びにこれらの混合物を含むものもある。最も有用なカルボキサミドは、1979年1月23日にWatsonらに付与された米国特許第4136163号、及び1980年10月28日にRowsellらに付与された米国特許第4230688号に記載されている。米国特許第4136163号に記載のカルボキサミドは、N−置換p−メンタン−3−カルボキサミドである。Wilkinson Sword社より、WS−3として市販されているN−エチルp−メンタン−3−カルボキサミドが、本発明において好適である。米国特許第4230688号のカルボキサミドは、特定の非環状第三級及び第二級カルボキサミドであり、そのうち、Wilkinson Sword社よりWS−23として市販されているトリメチルイソプロピルブタンアミドは、本発明に用いる好適な清涼剤である。他のものとしては、WS−3、WS−14、WS−23等が挙げられる。
【0030】
以下の試験手順は、生理的清涼活性を有する化合物を同定する手段として用いうる。この試験は、純粋に生理的清涼剤活性を有する化合物を同定するための手段として意図しており、本発明の組成物及び所定の方法により身体の所定の部位に適用した場合に、相互又はメントールと比較した場合における化合物の異なる相対活性を表示するための有用である。結果は、他の要因が関与する他の組成物及び身体の他の部位におけるこれらの化合物の活性の尺度とは限らない。例えば、清涼効果の開始の強さ及び持続時間における制御因子は、表皮又は粘膜への化合物の浸透度であり、これは人体の部位によって変化する。後述する試験手順は、化合物の経口投与を含むため、本願明細書において説明する試験結果及び他の数量は、特に経口投与のための製品の調合において指標として有用であるが、実際の製品の調合は大部分が経験に基づいて行われる。勿論、例えば前腕の表面等の身体の他の部位における化合物の相対活性を評価するための同様の試験を考案することもでき、これは局所用外用剤に用いるための化合物の選択において有用な指標となる。また、記載した試験手順は、統計的な実施により可能となることに留意すべきである。すなわち、これらの化合物に対する感受性は、化合物毎に、及び身体の部位毎に異なるのみならず個人差もあるため、これが必要となる。このような種類の試験は、有機及び無機化合物の味及び匂い等の官能特性の試験において広く用いられており、例えば、Kirk−Othmer:Encyclopedia of Chemical Technology、第2版、1967年、14巻、336−344ページを参照されたい。
【0031】
以下の試験手順は、平均的な感受性を有する個人において検知可能な清涼感を生じるために必要な供試化合物の最小量を決定することを目的としており、この最小量は、特定の化合物に対するしきい値と呼ばれる。この試験は、1−メントールに対する平均的な感受性を有する6名を被検者群に選択して実施した。
【0032】
ある実施形態において、被検者群の選択には以下の手順を用いてもよい。石油エーテル(沸点40〜60℃)溶液中の既知量の1−メントールを5mm角のろ紙上に滴下し、その後溶媒を蒸発させる。被検者群を参加させ、含浸させた紙片を一定時間舌の上に載せ、清涼感の有無について報告するよう依頼する。個々の含浸させた紙片上の1−メントールの量を、一片あたり0.25μgを上回る量から一片あたり0.25μg未満の量まで徐々に減少させるが、正確な範囲は重要ではない。2.0μgを含む紙片から始めて、2枚目の試験片は1.0μg、3枚目は0.5μgを含む等というように、直前の試験片の半分の含有量にするのが便利である。個々の含有量について少なくとも10回舌の上で試験を行うことができ、このようにして、1−メントールにより刺激された冷感受容体のしきい値が被検者群のそれぞれの被検者について計測され、個々の被検者のしきい値は、10回以上の一連の試験において、時間の50%以上に清涼感が報告された1−メントールの量である。1−メントールに対するしきい値が0.1μg〜10μgの範囲内であり、しきい値の平均が約0.25μgである6名の被検者メンバーを選抜し、選抜された被検者群を平均的感受性を有する被検者とみなしうる。
【0033】
清涼剤の活性を試験するため、1−メントールに対する平均的な感受性を有する6名の被検者群のみを用いて上述の試験手順を繰り返し行うことができる。個々の試験化合物に対し、6名の選択された被検者群の個々のしきい値を計測し、平均を取る。選択された被検者群におけるしきい値の平均が100μg以下、好適には50μg以下である化合物は、清涼活性を有するとみなされる。
【0034】
清涼組成物の残りの成分は、以下に詳述するように、水又はバルク甘味料等の好適な担体より構成しうる。
【0035】
(メンチルエステル)
米国特許第3111127号は、コハク酸モノメンチル、α,α−ジメチルコハク酸モノメンチル、及び2−メチルマレイン酸モノメンチル等のモノメンチルエステルについて開示しており、参照により本願明細書に援用する。米国特許第4150052号は、皮膚における生理的清涼作用のためのN−エチルp−メンタン−3−カルボキサミドの使用について開示していると共に、例えばチューインガムへの使用について開示しており、参照により本願明細書に援用する。米国特許第5725865号及び第5843466号は生理的清涼作用のためのコハク酸モノメンチルの使用について開示していると共に、例えば炭酸飲料、アルコール飲料及びチューインガムへの使用について開示しており、参照により本願明細書に援用する。米国特許第6365215号は、チューインガム等の消費財と共に用い、口腔内の感覚受容に影響を与える組成物におけるグルタル酸モノメンチルの使用について開示しており、参照により本願明細書に援用する。米国特許第6451844号は、防虫用スキンケア及びヘアケア組成物における2−ピロリドン−5−カルボン酸メンチル(QUESTICE L、Quest International社、オランダ、ナールデン)の使用について開示しており、参照により本願明細書に援用する。
【0036】
さらに、グルタル酸L−モノメンチルは、GRAS香味物質、FEMA番号4006として登録されており、Smithら、”GRAS Flavoring Substances 20”、Food Technology、第55巻、第12号、2001年12月、53ページにおいて、非アルコール飲料、アルコール飲料、チューインガム、菓子用フロスティング、ハードキャンディー、ソフトキャンディー、及びスナック菓子への用途を有することが示されている。
【0037】
Ruleら、”Optical Activity and the Polarity of Substituent Groups Part VIII.Growing−chain Effects and the ortho−Effect in Benzoic Esters”、J.Chem.Soc.、1928年(Part1)、1347−1361ページに開示のように、(i)アジピン酸水素L−メンチル(n=3)、(ii)ピメリン酸水素L−メンチル(n=4)、(iii)スベリン酸水素L−メンチル(n=5)等の多数のモノメンチル酸半エステル誘導体が有用であることが見出されている。
【0038】
さらに、新規化合物に属する、より低炭素の隣接するメチレン同族体、すなわちCAS登録番号6129−88−0のマロン酸、p−メント−3−イルエステル(±)(8CI)が、”SciFinder”(2002年11月20日、Chemical Abstracts Services社の商標)において開示されている。
【0039】
(定義)
「清涼剤」とは、皮膚、口腔又は粘膜上において経験する者に清涼感として表される感覚を生じ、又は生じさせることができる、本願明細書に記載の又は公知の任意の物質を意味する。
【0040】
「芳香」とは、嗅覚として知覚されるミント様の又は爽快な生理的感覚を意味する。
【0041】
「清涼効果」とは、皮膚、口腔又は粘膜上において経験する者に清涼感として表される感覚を意味する。
【0042】
「組成物、チューインガム又は菓子中に存在するWS−23の量が、WS−23単独で実質的に同様な感覚をもたらすのに必要とされる量よりも低減される」、又は「組成物、チューインガム又は菓子中に存在するWS−3の量が、WS−3単独で実質的に同様な感覚をもたらすのに必要とされる量よりも低減される」という語句は、平均すると、清涼組成物によってもたらされる清涼感を評価する回答者が、WS−23又はWS−3が5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%、又は50重量%未満の量だけしか存在しないにもかかわらず、WS−23又はWS−3のみによりもたらされるのとほぼ等しい「清涼」感であると評価することを意味する。
【0043】
「メンチルエステル」とは、例えば、その記載が参照により本願明細書に援用する米国特許第3111127号、米国特許第6365215号、及び米国特許第6884906号に記載の、コハク酸モノメンチル、コハク酸ジメンチル、α,α−ジメチルコハク酸モノメンチル、及び2−メチルマレイン酸モノメンチル、グルタル酸メンチル、上掲のFEMA4006等の種類の化合物を意味する。また、例えば、米国特許第6884906号において開示されたメンチル酸半エステル誘導体等の誘導体も意図されている。この用語は、コハク酸モノメンチル及びグルタル酸モノメンチル等のメンチル化合物のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩も包含することを意図する。
【0044】
(清涼組成物)
清涼組成物は、口腔、皮膚、又は粘膜への提供を目的とする任意の製品において、清涼感をもたらすための成分として、及び本質的に清涼感である生理的効果をもたらすための成分に用いうる。組成物が有用な製品としては、キャンディー、ドロップ、チューインガム、タブレット、チョコレート、ケーキ、クッキー、スナック菓子、パン、茶、コーヒー、ジュース、フルーツ飲料、果実酒、酪農飲料、炭酸飲料、アルコール飲料及び調味料等の食品及び飲料、うがい薬、練り歯磨き、ネブライザー、飲料、薬用ドロップ、うがい薬、及びチュワブル錠等の口腔ケア製品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
活性な清涼組成物を含みうる製品のより包括的な範囲については以下に説明する。例えば、アルコール及び非アルコール飲料、菓子、チューインガム、口中香錠、アイスクリーム、ゼリー等の食用及び飲用組成物が挙げられる。さらに、アフターシェーブローション、ひげそり用石鹸、クリーム及びフォーム、化粧水、消臭剤及び制汗剤、「固形コロン」、化粧用石鹸、浴用オイル及び塩、シャンプー、ヘアオイル、天花粉、フェイスクリーム、ハンドクリーム、日焼けローション、メイク落としティッシュ、歯磨き剤、楊枝、うがい薬、ヘアトニック、点眼薬等の化粧品が挙げられる。さらに、防腐軟膏、パイル軟膏、塗布薬、ローション、充血除去剤、反射刺激剤、鎮咳剤、トローチ剤、制酸剤及び消化剤、経口鎮痛剤等の薬剤も包含される。葉巻、紙巻きタバコ、パイプタバコ、噛みタバコ、嗅ぎタバコ、タバコ用フィルター、特に紙巻きタバコ用のフィルターチップ等のタバコ組成物も含まれる。さらに、封筒、切手、粘着ラベル等のための水溶性粘着剤組成物等の他の組成物も含まれる。
【0046】
食用及び飲用組成物は、食用の担体及び通常香料又は着色料と共に活性な清涼組成物を含んでなる。通常、清涼組成物は、全組成物の0.0005〜5重量%の量で存在してもよい。飲料の調合においても同様の配慮がなされる。通常、清涼組成物の量は、全組成物の0.0005〜2.5重量%の範囲内である。皮膚に清涼感を付与するため、化粧品に添加する清涼組成物の量は、通常、全組成物の0.1〜10重量%の範囲内である。医薬品は、通常、0.01〜2.0重量%の清涼組成物を含んでいる。タバコ組成物は、わずか0.1mg程度の組成物を含んでもよい。
【0047】
本願明細書に記載の清涼組成物以外に、これらの製品は、用途に応じて他の添加物を含んでもよい。例えば、食品衛生法で認可された添加物を、必要に応じて食品及び飲料に添加しうる。有用な添加物としては、糖、甘味料、無機塩、乳化剤、酸味料、香料、色素、酸化防止剤、膨張剤、増粘剤、植物油、牛乳及び他の酪農製品が挙げられる。より詳細には、ベーカリー製品は、小麦粉(ベース)、バター、ベーキングパウダー等の膨張剤、スクロース脂肪酸エステル等の乳化剤、砂糖等の糖、無機塩及び香料を含んでもよい。チョコレートは、カカオマス(ベース)、ココアバター、砂糖等の糖、牛乳及び乳化剤を含んでもよい。乳化ドレッシングは、サラダ油、水、酢、砂糖、増粘多糖類、及び甘味料を含んでもよい。チューインガムは、ガムベース、砂糖、グルコース及びスターチシロップ等の糖、並びに香料を含んでもよい。キャンディーは、糖、クエン酸等の酸味料、甘味料、香料及び色素を含んでもよい。オレンジ味のフルーツ飲料は、オレンジジュース、転化糖等の甘味料、クエン酸等の酸味料、ビタミンC等の酸化防止剤を含んでもよい。フルーツミルク飲料は、フルーツジュース、牛乳及び粉末スキムミルク等の酪農製品、砂糖等の糖、カルボキシメチルセルロース等の安定剤、クエン酸等の酸味料、及びパイナップル香料等の香料を含んでもよい。
【0048】
特定の実施形態において、清涼組成物はチューインガムに用いうる。いくつかのチューインガム組成物は、例えば、米国特許第6627233号、第6685916号、及び第6696044号に記載され、参照により本願明細書に援用する。組成物に用いうる添加剤としては、無機塩、無機酸化物、有機塩、増粘剤、湿潤剤、乳化剤、界面活性剤、保湿剤、アルコール、色素添加物、香料、及び必要ならば、生薬、止血剤、循環刺激剤、抗炎症剤、収斂剤、抗菌剤及び/又は抗真菌剤、及び殺菌剤等の薬用成分が挙げられる。特定の実施形態において、練り歯磨きは、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、及びピロリン酸カルシウム等の研磨剤、グリセリン、ソルビトール、及びプロピレングリコール等の湿潤剤、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、及びヒドロキシエチルセルロース等の粘着付与剤、ラウリル硫酸ナトリウム、N−アシルグルタミン酸及びスクロース脂肪酸エステル等の界面活性剤、サッカリンナトリウム、ステビオシド、及びキシリトール等の甘味料、並びにビタミンE、アズレン、クロロヒドロキシアラントイン酸アルミニウム、デキストラナーゼ、ヒノキチオール、塩化リゾチーム及びクロルヘキシジン等の薬用成分を含んでもよい。
【0049】
(チューインガム組成物)
特定の実施形態において、清涼組成物はチューインガム及び菓子に用いられる。チューインガム及び菓子の組成物は周知であり、例えば、参照により本願明細書に援用する米国特許第6685916号、第6627233号、第6685916号、及び第6696044号に詳細に記載されており、そのうちのいくつかは本願明細書にまとめられている。
【0050】
チューインガム組成物は、通常、1種類又は複数種類のガムベース、香料及びバルク甘味料を含んでいる。本願明細書において用いられる場合、「菓子」という用語には、ヌガー、キャンディー、焼き菓子、ゼリー菓子、フォンダン、薬用キャンディー、ハードキャンディー、ミント、トローチ、芳香錠、マイクロカプセル、及び速溶性固形物(ケーキ、ウェーハ、薄いフィルム及びタブレット)及び圧縮タブレット等の速溶性固形物が含まれるが、これらに限定されない。本願明細書において用いられる場合、「速溶性固形物」とは、口腔内において約60秒以内、好適には約15秒以内、さらに好適には約5秒以内に溶解する固体剤形を意味する。薬用キャンディーには、香味を有する基材中に治療剤を含む円板状の固形物が含まれる。基材は、ハードシュガーキャンディー、グリセリンを含むゼラチン、及び成形するために適当な粘液質と組み合わせた砂糖でもよい。薬用キャンディー組成物(圧縮錠剤型)は、通常、1種類又は複数種類の充填剤(圧縮糖)、香料及び潤滑剤を含んでいる。
【0051】
チューインガム組成物はコーティングされていてもいなくてもよく、板状、スティック状、ペレット、ボール状、圧縮タブレット等の形態を取りうる。チューインガムの種々の形態の組成物は、成分の比率については変化してもよいが同一である。例えば、コーティングされたガム組成物は、軟化剤をより低い割合で含んでもよい。ペレット及びボール状のものは、小さなチューインガムのコアを有し、硬いシェルを形成するために砂糖溶液又はシュガーレス溶液のいずれかでコーティングされていてもよい。板状及びスティック状のものは、通常、チューインガムのコアよりも質感がより柔軟になるように調合される。有害な軟化効果を克服するために、ガムベース上に界面活性剤を有していてもよく、(通常用いられるよりも少量の軟化剤を用いた)より硬い質感を有する板状又はスティック状のガムに調製することが好適である。圧縮タブレットは、圧縮可能な混合物より形成される。
【0052】
清涼組成物を、「チューインガム」の一種である通常のチューインガム、圧縮ガム、風船ガムに用いうる。センターフィルドガムは、チューインガムの他の標準的な形態である。ガム部分は上述のものと同様の組成及び製造方法を有している。しかし、センターフィルは、通常、水溶液又はゲルであり、製造時にガムの中心に注入することができる。清涼剤及び清涼組成物は、フィルの製造時に、共に又は単独でセンターフィル中に、又はガム中に適宜加えることができる。センターフィルガムは、適宜コーティングされていてもよく、棒付きキャンディー等の種々の形態に調製することができる。
【0053】
本願明細書に記載の清涼組成物をコア及びコーティングの少なくとも一方に含む、コーティングされたガムを用いることが好適である。
【0054】
チューインガム組成物は、ガムベース及び甘味料、軟化剤、香料等の通常用いられる他のチューインガム組成物の成分のほとんどを含んでいる。チューインガム組成物は、より少量のレシチン又はグリセリン等の柔軟剤を含んでもよく、軟化剤を省略してもよい。さらに、チューインガム組成物は、提供を促進するために、従来のチューインガム組成物よりも多量又は少量の糖アルコールを含んでもよい。
【0055】
チューインガム組成物の1つの態様によると、清涼組成物は、チューインガム組成物の製造時に、甘味料、香料等と共に加えられる。
【0056】
他の態様において、ガムベースは、通常、エラストマー、弾性可塑剤、ロウ、脂質、油、乳化剤、充填剤、改質剤を含んでおり、望ましい温熱剤及び清涼剤の組み合わせ又は温熱組成物を含んでもよい。エラストマーの含有量は、ベースの約5重量%〜95重量%、好適には10重量%〜70重量%、最も好適には15重量%〜45重量%である。エラストマーの例としては、ポリイソブチレン、ポリブチレン、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル等の合成エラストマーが挙げられる。エラストマーには、天然ゴム等の天然エラストマーと共に、ジェルトン、レシカスピ、ペリロ、マッサランドババラタ、チクル、グッタハンカン又はこれらの混合物等の天然ガムも含まれる。他のエラストマーは当業者に公知である。
【0057】
エラストマー可塑剤は、ガムベース中に用いた場合、完成したガムの硬さを変化させる。エラストマー可塑剤は、通常、ガムベースの約75重量%以下、好適には約5重量%〜45重量%、より好適には約10重量%〜30重量%の量で存在する。エラストマー可塑剤の例としては、部分水素化ロジンのグリセロールエステル、トールオイルロジンのグリセロールエステル、部分水素化ロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジン及び部分水素化ロジンのメチルエステル等の天然ロジンエステルが挙げられる。テルペン樹脂等の合成エラストマー可塑剤も、ガムベース組成物に用いることができる
【0058】
ロウとしては、ポリエチレン、蜜ロウ、カルナウバロウ等の合成又は天然に存在するロウが挙げられる。パラフィン等の石油ロウを用いることもできる。ロウは、ガムベースの約30重量%以下の量で存在することができる。ロウは、完成したガムの硬化を助け、香味の放出を促進し、製品の保管寿命を延長させることができる。
【0059】
充填剤は、ガムベースの質感を変化させ、加工を容易にする。このような充填剤の例としては、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウム、粘土、アルミナ、タルク、酸化チタン、セルロース重合体等が挙げられる。充填剤は、通常、1〜60重量%の量で存在する。
【0060】
ガムベースに用いられる軟化剤の例としては、水素化及び部分水素化植物油、ココアバター、モノステアリン酸グリセロール、三酢酸グリセロール、ジグリセリド及びトリグリセリド、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸が挙げられる。
【0061】
ガムベースの含有量は、チューインガム組成物の5重量%〜95重量%、好適には10重量%〜50重量%、最も好適には約25重量%〜35重量%である。ガムベース含有量が高い方が好適である。
【0062】
チューインガム組成物に用いられる他の成分には甘味料が挙げられ、天然物及び人工物のいずれであってもよく、砂糖であってもシュガーレス甘味料であってもよい。甘味料は、通常、チューインガム組成物の約20重量%〜80重量%、好適には約30重量%〜60重量%の量で存在する。シュガーレス甘味料としては、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素化デンプン加水分解物、マルチトール等の糖アルコールが挙げられるが、これらに限定されず、存在してもよい。スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、アセスルフェームの塩等の高甘味度甘味料は、通常最大約1.0重量%存在する。
【0063】
香料は、広範囲に変化しうるが、約0.1重量%〜10.0重量%、好適には約0.5重量%〜5.0重量%の量から選択しうる。チューインガム組成物に用いる香料は周知であり、柑橘油、ペパーミント油、スペアミント油、冬緑油、メントール、シナモン、ショウガ等が挙げられる。
【0064】
チューインガム組成物の質感を変化させるために軟化剤を加えてもよい。通常のガム組成物と同様に、組成物中の軟化剤は、チューインガム組成物の全重量に対して約0.5重量%〜10重量%の量で存在してもよい。
【0065】
ガム組成物中に存在しうる他の物質としては、酸化防止剤(ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、β−カロテン、トコフェロール等)、着色料、香料等が挙げられる。
【0066】
パンコーティング及びスプレーコーティング等の、チューインガム組成物にコーティングを施すためのコーティング手法は周知である。ハードキャンディー層を形成するために用いられる、溶液によるコーティングが好適である。砂糖及び糖アルコールのいずれも、この目的のために、高甘味度甘味料、着色料、香料、結着剤及び他の通常の添加物と共に用いうる。チューインガム組成物のコーティングをステイン除去剤と組み合わせる場合、ステイン除去剤の溶液を、或いは香料と共に加える。
【0067】
甘味料は、コーティングシロップの約30重量%〜80重量%の量で存在してもよい。粘着性を向上させ又は促進するために、ステアリン酸マグネシウム等の結着剤を、コーティングシロップの約1重量%〜15重量%の量だけ加えてもよい。適宜、少量の通常の添加剤が存在してもよい。コーティングシロップに用いる好適な甘味料は、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、及びこれらの混合物並びにマルチトール、イソマルチトール、水素化デンプン加水分解物、及び水素化グルコースシロップ等の多価アルコール等のシュガーレス甘味料を含んでなる。単糖類、二糖類、及び多糖類を含んでもよい。例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、ガラクトース、及びマルトース等の糖質を甘味料として用いうる。コーティングシロップに用いる好適な他の甘味料としては、フリーのサッカリン酸、サッカリンの水溶性塩、チクロ塩、パラチニットジヒドロカルコン、グリチルリジン、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、アミノ酸系甘味料、タリン、ステビオシド、ジヒドロカルコン化合物、アセスルフェーム塩及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
他の成分をコーティングシロップに少量添加してもよく、吸湿化合物、抗粘着性化合物、分散剤及びフィルム形成剤が挙げられる。コーティングシロップに用いる好適な吸湿化合物としては、マンニトール又はリン酸二カルシウムが挙げられる。充填剤としても作用する有用な抗粘着性化合物の例としては、タルク、トリケイ酸マグネシウム、及び炭酸カルシウムが挙げられる。これらの成分は、シロップの約0.5重量%〜5重量%の量で存在することができる。コーティングシロップに用いうる分散剤の例としては、酸化チタン、タルク又は上述の他の抗粘着性化合物が挙げられる。
【0069】
コーティングシロップを加熱して、一部をコア上に堆積させる。通常、所望の量又は厚さのコーティングを形成するには、1回のコーティングシロップの堆積では不十分であり、コーティング毎に乾燥可能な層状のコーティングの重さ及び厚さを所望のレベルまで増大させるため、2回目、3回目又はそれ以上の回数のコーティングシロップによるコーティングの塗布が必要である。
【0070】
チューインガム組成物の一実施形態において、清涼組成物をコーティングに加えることができる。これらは、好適にはシロップのコーティング後に加えられる。チューインガム組成物の調製の詳細については、Skuse’s Complete Confectioner、第13版、1957年、41−71ページ、133−144ページ、及び255−262ページ等、並びにSugar Confectionery Manufacture、第2版、1995年、E.B.Jackson編、258−286ページに記載されており、その内容は参照により本願明細書に援用する。
【0071】
(菓子組成物)
本願明細書の記載は、実質的に清涼な生理的効果を全体にもたらす個々の物質の組成を含む菓子製品も想定する。菓子組成物としては、ミント等の圧縮タブレット、ハードキャンディー、ヌガー、ゼリー、センターフィル菓子、フォンダン、焼き菓子、及び一般に許容される菓子組成物の定義に属する他の組成物が挙げられる。
【0072】
ミント等の圧縮タブレットの形態の菓子組成物は、一般に細かくふるった砂糖又は砂糖代替物、香料(ペパーミント香料等)、アラビアゴム等の膨張剤、及び適宜着色料を混合することにより製造できる。香料及び膨張剤を混合し、その後、砂糖又は砂糖代替物を、必要ならば着色料と共に徐々に加える。
【0073】
次いで、所望のメッシュサイズ(12メッシュ等)のふるいを通すことにより製品を細粒化し、通常55℃〜60℃で乾燥する。得られる粉末を大型のパンチを取り付けた打錠機に仕込み、得られるペレットを粉砕後圧縮する。
【0074】
高温加熱キャンディーは、通常、砂糖又は砂糖代替物、グルコース、水、香料を含み、適宜着色料を含んでいる。砂糖を水に溶解してもよく、その後グルコースを加えてもよい。その後、混合物を煮沸しうる。先に着色料を加えて得られる液体を、油を塗った板の上に注ぎ、冷却しうる。その後、香料を加え、混練し、着色塊状物を得る。最終的なハードキャンディーの形状を形成するために、得られた混合物を公知のドロップローラー装置に仕込んでもよい。
【0075】
ヌガー組成物は、通常、高温加熱キャンディー及びフラッペの2つの主成分を含んでいる。例えば、軽質フォームを形成するために、卵アルブミン又はその代替品を水と混合し泡立ててもよい。砂糖及びグルコースを水に加え、通常約130℃〜140℃で加熱し、得られる煮沸生成物を混合機中に注ぎ入れ、クリーム状になるまで撹拌することができる。撹拌したアルブミン及び香料をクリーム状の生成物に加え、その後、混合物を激しく撹拌してもよい。
【0076】
菓子組成物の調製の詳細については、Skuse’s Complete Confectioner、第13版、1957年、41−71ページ、133−144ページ、及び255−262ページ等、並びにSugar Confectionery Manufacture、第2版、1995年、E.B.Jackson編、129−168ページ、169−188ページ、189−216ページ、218−234ページ、及び236−258ページに記載されており、その内容は参照により本願明細書に援用する。
【0077】
(定量的記述分析)
記述分析等の多くの官能試験法は、製品における個々の感覚特性の知覚強度に関するパネリストの判定に依存する。これらの知覚強度の評価は、多くの場合、数値スケールとして与えられ、又は評価スケール上で選択される。評価は、多くの場合何らかの基準に対する相対値としてなされ、パネラーの熟練度により明確になる場合もある。しかし、人間による評価は短期的な状況に応じて変動する傾向があり、一連の官能試験期間内に評価を受ける製品により、個々の判定にずれを生じる場合がある。状況によるこのような効果を減少させる訓練及び標準的基準、並びに状況による変動に対する異なるスケール方法に対する抵抗による安定化の効果が存在しうる。
【0078】
官能試験の基本的な手法を全て網羅したテキストの1つは、Sensory Evaluation of Food:Principles & Practices、Harry T.Lawless及びHildegarde Heymann著であり、その開示は参照により本願明細書に援用する。官能評価に用いられる統計は、適当な官能試験法に関して統合アプリケーションとして実証され、また、付録において単独のアプリケーションとしても示されている。統計アプリケーションは、官能試験において遭遇する共通の分析に適合するものであり、試験の実行方法に関する説明書が付属している。乳製品に対する定量的記述分析の原理の一例は、Chapmanら、J.Dairy Science、84巻、12−20ページ、2001年に示されている。
【0079】
官能評価のための回答者を集めてもよい。サンプルの評価のための特性に関する用語が選択される。通常、投票用紙の準備と回答者の訓練が最初に行われる。主要な官能特性に対して記述用語が作成される。品質特性の例としては、芳香、香味、質感、後味、甘さ等が挙げられる。特性は、例えば、0〜10の強度スケールで定量化され、0はその特性が検知されないことを表し、10はその特性が非常に強いことを示す。全体的な品質評点は、例えば、1〜10のスケールで測定でき、6未満は「低い」、6又は7は「十分」、8〜10は「よい」と見なされる。
【0080】
生理的参照基準は、適切な記述言語が得られるように、パネラーの合意により決定する。特定のサンプルについて合意が得られるまでパネリストを訓練してもよい。
【0081】
全体的な品質評点及び定量化された強度評点は、Minitab ver.12又はSAS ver.6.11等のプログラムにより解析してもよい。記述的な統計尺度を、全ての特性について計算してもよい。個々の特性については、An Introduction to Statistical Methods and Data Analysis.Wadsworth Publishing.Belmont,CA所収の、Ott、”Analysis of variance for some standard experimental designs”、844−856ページの記載のように反復測定を行ったパネリストによる安定したデータのための乱塊法を用いた分散分析を行うことができる。F−検定が処理平均間の顕著な差を示す場合は、平均が異なる場合を決定するためにTucky対比較及び直交比較を用いてもよい。Pが0.05未満である場合を差が有意であると定義してもよい。Sensory Evaluation of Food:Principles and Practices.Chapman & Hall、New York、1998年に所収のLawless及びHeymann、1998年、606−608ページに記載された因子分析と共に、主成分分析(PCA)を適用してもよい。PCAを特性値に適用してもよい。数値が常に低く、その特性があまり現れないことが示されている場合、特性値が大きな標準偏差を有する場合、又はその特性値が他の特性値と強く相関する場合、特性値を除外してもよい。Chemometrics:A Textbook、Elsevier、Amsterdam、1988年に所収の、Massartら、”Principal components and factor analysis”、339−369ページに記載のように、最初の因子数から最終的な因子数を決定するためにカイザー基準(固有値1以上基準)を適用してもよい。結果の解釈を容易にするために、上掲のMassartらに記載のVarimax法に従って因子を直交回転させ、因子が相関しないようにしてもよい。
【0082】
全体的な品質評点(従属変数)を、Varimax回転させた製品(独立変数)に対するPCスコアの関数としてモデル化してもよい。モデルは、SCAN for Windows(登録商標)リリース1.1の最小二乗法(OLS)、主成分回帰分析(PCR)、及び部分最小二乗法(PLS)ルーチンを用いて構築してもよい。PCR及びPLSモデルは、例えば、1〜4成分を用いて計算してもよい。それぞれの場合について、最良フィッティング式(Rが最大となるもの)及び最も予測能が高いもの(予測残差平方和又はPRESS残差が最小となるもの)が得られる。
【0083】
さらに、回答者は、総合的な好み、及び香味、甘さ、清涼感/温熱感及び質感の4つの特性の強さについて、1分後、15分後、及び30分後の3つの時点のそれぞれにおいて採点しうる。味覚をリフレッシュするため、それぞれの製品の間に15分間の休憩時間を設けうる。試験は、通常上述の基準に従って行いうる。上述のこのような統計処理を、収集されたデータの解析に用いてもよい。
【0084】
本発明の清涼剤及び方法について、比較例を考慮した実施例を参照しつつより詳細に説明するが、方法及び組成物は、それらに限定しないことを理解すべきである。特記しない限り、パーセント値は全て重量パーセントである。
【0085】
一実施形態において、清涼組成物は、以下の重量%で示される量のグルタル酸メンチルエステルを含むように調合しうる。さらに、呈示したように、清涼組成物を香料と組み合わせることができる。WS−3及びWS−23を共に示しているが、すなわちこれらは適宜使い分けてもよいことを意味する。
【0086】
表1
【表1】

【0087】
表2
【表2】

【0088】
生理的清涼感をもたらすチューインガム及び菓子組成物一実施形態において、チューインガム及び菓子組成物は、以下に示す成分がアメリカ合衆国政府によって勧告された量の範囲内で、以下に示す量を超えない量を有するように調製される。チューインガム及び菓子組成物は、生理的清涼感をもたらす能力を示す。
【0089】
表3
【表3】

【0090】
当業者であれば、上述の記載を基に、組成物及び方法における種々の改変及び変更態様を想到するであろう。添付の特許請求の範囲に属するかかる改変は、全て本発明に包含されるものと解される。
【0091】
本願明細書において引用する、特許公報及び特許出願公開公報に限定されない全ての刊行物は、それぞれの刊行物が具体的かつ個別に全て開示されているのと同様に、参照により本願明細書に援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メンチルエステル及び第2の清涼剤を含んでなる清涼組成物。
【請求項2】
さらにメントールを含んでなる、請求項1に記載の清涼組成物。
【請求項3】
メンチルエステル、メントール、及び第3の清涼剤を含んでなる清涼組成物。
【請求項4】
前記第2の清涼剤が、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)及びトリメチルイソプロピルブタンアミド(WS−23)からなる群から選ばれる、請求項1に記載の清涼組成物。
【請求項5】
前記メンチルエステルが、前記組成物中に少なくとも5重量%の量で存在する、請求項1に記載の清涼組成物。
【請求項6】
前記メンチルエステルが、前記組成物中に少なくとも10重量%の量で存在する、請求項1に記載の清涼組成物。
【請求項7】
前記メンチルエステルが、前記組成物中に少なくとも20重量%の量で存在する、請求項1に記載の清涼組成物。
【請求項8】
前記メンチルエステルが、前記組成物中に少なくとも30重量%の量で存在する、請求項1に記載の清涼組成物。
【請求項9】
前記メンチルエステルが、前記組成物中に少なくとも40重量%の量で存在する、請求項1に記載の清涼組成物。
【請求項10】
前記メンチルエステルが、前記組成物中に5から60重量%の量で存在する、請求項1に記載の清涼組成物。
【請求項11】
前記メンチルエステルが、前記組成物中に15から50重量%の量で存在する、請求項1に記載の清涼組成物。
【請求項12】
前記メンチルエステルが、モノメンチルグルタル酸エステルである、請求項1に記載の清涼組成物。
【請求項13】
前記メンチルエステルが、コハク酸モノメンチル、コハク酸ジメンチル、α,α−ジメチルコハク酸モノメンチル、2−メチルマレイン酸モノメンチルグルタル酸エステル(FEMA4006)、モノメンチルグルタル酸エステル、ジメンチルグルタル酸エステル、及びメンチル酸半エステル誘導体からなる群から選ばれる、請求項1に記載の清涼組成物。
【請求項14】
メンチルエステル及び第2の清涼剤を含んでなる清涼組成物を有するチューインガム。
【請求項15】
前記清涼組成物が、さらにメントールを含んでなる、請求項14に記載のチューインガム。
【請求項16】
前記第2の清涼剤が、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)及びトリメチルイソプロピルブタンアミド(WS−23)からなる群から選ばれる、請求項14に記載のチューインガム。
【請求項17】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に少なくとも5重量%の量で存在する、請求項14に記載のチューインガム。
【請求項18】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に少なくとも10重量%の量で存在する、請求項14に記載のチューインガム。
【請求項19】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に少なくとも20重量%の量で存在する、請求項14に記載のチューインガム。
【請求項20】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に少なくとも30重量%の量で存在する、請求項14に記載のチューインガム。
【請求項21】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に少なくとも40重量%の量で存在する、請求項14に記載のチューインガム。
【請求項22】
前記メンチルエステルが、前記チューインガム中に0.005から1.2重量%の量で存在する、請求項14に記載のチューインガム。
【請求項23】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に15から50重量%の量で存在する、請求項14に記載のチューインガム。
【請求項24】
前記メンチルエステルが、モノメンチルグルタル酸エステルである、請求項14に記載のチューインガム。
【請求項25】
メンチルエステル及び第2の清涼剤を含んでなる清涼組成物を有する菓子。
【請求項26】
前記清涼組成物が、さらにメントールを含んでなる、請求項25に記載の菓子。
【請求項27】
前記第2の清涼剤が、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)及びトリメチルイソプロピルブタンアミド(WS−23)からなる群から選ばれる、請求項25に記載の菓子。
【請求項28】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に少なくとも5重量%の量で存在する、請求項25に記載の菓子。
【請求項29】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に少なくとも10重量%の量で存在する、請求項25に記載の菓子。
【請求項30】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に少なくとも20重量%の量で存在する、請求項25に記載の菓子。
【請求項31】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に少なくとも30重量%の量で存在する、請求項25に記載の菓子。
【請求項32】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に少なくとも40重量%の量で存在する、請求項25に記載の菓子。
【請求項33】
前記メンチルエステルが、前記菓子中に0.005から1.2重量%の量で存在する、請求項25に記載の菓子。
【請求項34】
前記メンチルエステルが、前記清涼組成物中に15から50重量%の量で存在する、請求項25に記載の菓子。
【請求項35】
前記メンチルエステルが、モノメンチルグルタル酸エステルである、請求項25に記載の菓子。
【請求項36】
請求項1に記載の組成物を投与することを含んでなる、長時間持続する生理的清涼感を皮膚又は粘膜に提供する方法。
【請求項37】
N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)単独により提供される感覚と実質的に同様の感覚を提供する方法であって、請求項1に記載の組成物を投与することを含んでなり、前記組成物中に存在するN−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)の量が、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)単独の場合に実質的に同様の感覚を提供するために必要となる量よりも減少している、前記方法。
【請求項38】
トリメチルイソプロピルブタンアミド(WS−23)単独により提供される感覚と実質的に同様の感覚を提供する方法であって、請求項1に記載の組成物を投与することを含んでなり、前記組成物中に存在するトリメチルイソプロピルブタンアミド(WS−23)の量が、トリメチルイソプロピルブタンアミド(WS−23)単独の場合に実質的に同様の感覚を提供するために必要となる量よりも減少している、前記方法。

【公表番号】特表2009−519003(P2009−519003A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534717(P2008−534717)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/039158
【国際公開番号】WO2007/044526
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(507265133)キャドバリー アダムス ユーエスエー エルエルシー (55)
【Fターム(参考)】