説明

渉外支援端末、渉外支援方法及び渉外支援プログラム

【課題】顧客先において、渉外活動を行なう担当者を支援するための渉外支援システム、渉外支援方法及び渉外支援プログラムを提供する。
【解決手段】携帯端末10の端末制御部は、渉外支援サーバ20に渉外開始を通知する。渉外支援サーバ20のサーバ制御部は、支援優先度を算出し、支援が必要かどうかについての判定処理を実行する。支援が必要と判定した場合、サーバ制御部は、支援者候補を特定し、支援者候補の在席情報を取得することにより、在席している支援者を特定する。次に、サーバ制御部は、優先順位を決定し、優先順位に応じて、支援者のクライアント端末30に対して実況の出力処理を実行する。また、支援者のクライアント端末30からメッセージを取得したサーバ制御部は、このメッセージを携帯端末10に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客先において、渉外活動を行なう担当者を支援するための渉外支援端末、渉外支援方法及び渉外支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客に対して渉外活動を行なう場合、取引に必要な書類を提供したり、回収したりする場合がある。ここで、複数種類の書類を取り扱う場合には、的確な書類を確実に管理する必要がある。
【0003】
そこで、顧客からの預かり物件を効率的に管理するための営業支援システムが検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献に記載された技術においては、携帯端末10から音声データを受信した営業支援サーバは、話者照合認証処理を実行する。認証ができた場合、営業支援サーバは、訪問情報を携帯端末から取得する。そして、この訪問情報に応じて辞書を選択する。携帯端末から音声データを受信した営業支援サーバは、この辞書を用いて、音声認識処理を実行する。
【0004】
そして、携帯端末から預かり物件情報を取得して記録する。一方、帰店通知を受信した営業支援サーバは、ユーザ認証を行ない、預かり物件を抽出する。そして、顧客別預かり一覧及び回付用伝票の印刷データを生成し、プリンタ装置において、顧客別預かり一覧及び回付用伝票の印刷を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−32096号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている技術を用いることにより、訪問先において効率的に預り証を作成することができる。しかしながら、取引の種類に応じて必要書類が異なる場合、訪問先顧客に応じて、必要な書類種別を確認する必要がある。
【0007】
ここで、必要書類の回収漏れ等が生じた場合には、迅速な取引を行なうことが困難になる。更に、書類に記載されている内容についても、確認が必要である。特に複数種類の書類を扱う場合には、書類間の記載について整合性の確認が必要な場合もある。このような書類に記載漏れや記載の不整合がある場合、書類を準備し直す必要があり、迅速な取引が困難になる場合もある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、顧客先において、渉外活動を行なう担当者を支援するための渉外支援端末、渉外支援方法及び渉外支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、入力手段及び出力手段と、顧客識別子に関連づけて、この顧客から回収すべき回収書類の書類種別に関する情報を記録した書類管理情報記憶手段と、渉外支援サーバに接続された制御手段とを備え、訪問担当者が利用する渉外支援端末であって、前記制御手段が、顧客との間で行なわれる取引において必要な回収書類情報を前記渉外支援サーバから取得し、顧客識別子に関連づけて前記書類管理情報記憶手段に記録する手段と、前記入力手段から、訪問先の顧客識別子を取得する手段と、前記書類管理情報記憶手段を用いて、前記顧客識別子に関連づけられた回収書類の書類種別を特定する手段と、前記訪問先の顧客から回収した回収書類の書類種別が、前記入力手段に入力された場合、前記書類種別に関連付けて、回収書類の消込情報を前記書類管理情報記憶手段に記録する手段と、回収書類の消込状況を前記出力手段に出力し、まだ消し込まれていない不足書類がある場合には注意喚起を行なう手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の渉外支援端末において、前記書類管理情報記憶手段には、書類種別に関連づけて要確認情報が記録されており、前記制御手段が、回収書類の書類種別を特定した場合、前記書類種別の要確認情報を前記出力手段に出力する手段を更に備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の渉外支援端末において、複数の回収書類間において整合すべき項目情報が記録されており、前記制御手段が、回収書類の書類種別を取得した場合、既に回収書類の消込情報が記録されている書類種別が記録されている場合には、既に回収済みの書類種別と、新たに回収した書類種別との項目情報を前記出力手段に出力する手段を更に備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の渉外支援端末において、前記制御手段が、回収書類を撮影した画像に基づいて書類種別を特定し、前記書類種別に基づいて、回収書類の消し込みを行なうことを要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の渉外支援端末において、前記制御手段が、顧客との間で行なわれる取引において顧客に提供すべき提供書類の書類種別に関する情報を前記渉外支援サーバから取得し、顧客識別子に関連づけて前記書類管理情報記憶手段に記録する手段と、前記入力手段から、訪問先の顧客識別子を取得する手段と、前記書類管理情報記憶手段を用いて、前記顧客識別子に関連づけられた提供書類を特定する手段と、前記訪問先の顧客に提供する提供書類の書類種別が、前記入力手段に入力された場合、前記書類種別に関連付けて、提供書類の消込情報を前記書類管理情報記憶手段に記録する手段と、提供書類の消込状況を前記出力手段に出力し、まだ消し込まれていない不足書類がある場合には注意喚起を行なう手段を更に備えたことを要旨とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、入力手段及び出力手段と、顧客識別子に関連づけて、この顧客から回収すべき回収書類の書類種別に関する情報を記録した書類管理情報記憶手段と、渉外支援サーバに接続された制御手段とを備え、訪問担当者が利用する渉外支援端末を用いて渉外活動を支援する方法であって、前記制御手段が、顧客との間で行なわれる取引において必要な回収書類情報を渉外支援サーバから取得し、顧客識別子に関連づけて前記書類管理情報記憶手段に記録する段階と、前記入力手段から、訪問先の顧客識別子を取得する段階と、前記書類管理情報記憶手段を用いて、前記顧客識別子に関連づけられた回収書類の書類種別を特定する段階と、前記訪問先の顧客から回収した回収書類の書類種別が、前記入力手段に入力された場合、前記書類種別に関連付けて、回収書類の消込情報を前記書類管理情報記憶手段に記録することにより消し込む段階と、回収書類の消込状況を前記出力手段に出力する段階と、消込状況において、まだ消し込まれていない不足書類がある場合には注意喚起を行なう段階とを実行することを要旨とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、入力手段及び出力手段と、顧客識別子に関連づけて、この顧客から回収すべき回収書類の書類種別に関する情報を記録した書類管理情報記憶手段と、渉外支援サーバに接続された制御手段とを備え、訪問担当者が利用する渉外支援端末を用いて渉外活動を支援するプログラムであって、前記制御手段を、顧客との間で行なわれる取引において必要な回収書類情報を渉外支援サーバから取得し、顧客識別子に関連づけて前記書類管理情報記憶手段に記録する手段、前記入力手段から、訪問先の顧客識別子を取得する手段、前記書類管理情報記憶手段を用いて、前記顧客識別子に関連づけられた回収書類の書類種別を特定する手段、前記訪問先の顧客から回収した回収書類の書類種別が、前記入力手段に入力された場合、前記書類種別に関連付けて、回収書類の消込情報を前記書類管理情報記憶手段に記録する手段、回収書類の消込状況を前記出力手段に出力する手段、消込状況において、まだ消し込まれていない不足書類がある場合には注意喚起を行なう手段として機能させることを旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1、6又は7に記載の発明によれば、制御手段は、顧客との間で行なわれる取引において必要な回収書類情報を渉外支援サーバから取得し、顧客識別子に関連づけて書類管理情報記憶手段に記録する。そして、入力手段において、訪問先の顧客識別子を特定し、書類管理情報記憶手段を用いて、顧客識別子に関連づけられた回収書類の書類種別を特定する。訪問先の顧客から回収した回収書類の書類種別が、前記入力手段に入力された場合、前記書類種別に関連付けて、回収書類の消込情報を書類管理情報記憶手段に記録することにより消し込む。そして、回収書類の消込状況を出力手段に出力し、消込状況において、まだ消し込まれていない不足書類がある場合には注意喚起を行なう。これにより、渉外活動において必要な書類を的確に回収することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段が、回収書類の書類種別を特定した場合、書類種別の要確認情報を出力手段に出力する。これにより、的確な内容が記載された書類を回収することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、制御手段が、回収書類の書類種別を取得した場合、既に回収書類の消込情報が記録されている書類種別が記録されている場合には、既に回収済みの書類種別と、新たに回収した書類種別との項目情報を出力手段に出力する。これにより、書類間において整合性を担保した書類を回収することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、制御手段が、回収書類を撮影した画像に基づいて書類種別を特定し、前記書類種別に基づいて、回収書類の消し込みを行なう。これにより、回収書類を効率的に特定して、消し込みを行なうことができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、制御手段が、顧客との間で行なわれる取引において顧客に提供すべき提供書類の書類種別に関する情報を渉外支援サーバから取得し、顧客識別子に関連づけて書類管理情報記憶手段に記録する。そして、入力手段から、訪問先の顧客識別子を取得する。書類管理情報記憶手段を用いて、顧客識別子に関連づけられた提供書類を特定し、訪問先の顧客に提供する提供書類の書類種別が、入力手段に入力された場合、書類種別に関連付けて、提供書類の消込情報を前記書類管理情報記憶手段に記録する。そして、提供書類の消込状況を前記出力手段に出力し、まだ消し込まれていない不足書類がある場合には注意喚起を行なう。これにより、顧客に対して提供する書類の持参忘れや引き渡し忘れを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、顧客先において、渉外活動を行なう担当者を支援するための渉外支援端末、渉外支援方法及び渉外支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】本発明の実施形態の携帯端末の機能ブロックの説明図。
【図3】本発明の実施形態の携帯端末の各データ記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は利用者管理情報記憶部、(b)は顧客管理情報記憶部、(c)はガイダンス情報記憶部、(d)は商品管理情報記憶部、(e)は書類管理情報記憶部の説明図。
【図4】本発明の実施形態の渉外支援サーバの機能ブロックの説明図。
【図5】本発明の実施形態の渉外支援サーバの各データ記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は利用者管理情報記憶部、(b)は顧客管理情報記憶部、(c)は端末管理情報記憶部、(d)は必要書類情報記憶部、(e)は取引管理情報記憶部の説明図。
【図6】本発明の実施形態の渉外支援サーバの支援制御情報記憶部に記録されたデータの説明図。
【図7】本実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の処理手順の説明図。
【図9】本実施形態の処理手順の説明図。
【図10】本実施形態の処理手順の説明図。
【図11】本実施形態の処理手順の説明図。
【図12】本実施形態の処理手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図12に従って説明する。本実施形態では、企業(例えば金融機関)の渉外担当者が、訪問先(顧客先)において、顧客側対応者との面談により融資についての取引を行なう場合を想定する。更に、顧客との間で融資取引を行なう場合、この取引に必要な書類を提供したり回収したりする場合を想定する。このような渉外活動に用いる渉外支援端末、渉外支援方法及び渉外支援プログラムとして説明する。
【0024】
ここでは、図1に示すように、携帯端末10、渉外支援サーバ20、クライアント端末(30、40)を用いて、渉外活動における渉外支援処理を実行する。この渉外支援サーバ20は、インターネット等のネットワークを介して携帯端末10に接続される。更に、渉外支援サーバ20は、LAN等のネットワークを介してクライアント端末(30、40)に接続される。
【0025】
携帯端末10は渉外支援端末として機能し、各渉外担当者に割り当てられ、各渉外担当者が携帯するコンピュータ端末である。この携帯端末10は、図2に示すように、タッチパネルディスプレイ10a、無線通信部10b、実況取得部10cを備えている。タッチパネルディスプレイ10aは、各種情報を入力するための入力手段、各種情報を出力するための出力手段として機能する。無線通信部10bは、無線通信ネットワークを介して、渉外支援サーバ20に各種情報を送信したり、渉外支援サーバ20から各種情報を受信したりするための通信手段として機能する。実況取得部10cは、マイクやカメラから構成されており、面談時の音声や画像を取得する手段として機能する。
【0026】
この携帯端末10は、図2に示すように、端末制御部11、利用者管理情報記憶部12、顧客管理情報記憶部13、支援要否判定情報記憶部14、ガイダンス情報記憶部15、商品管理情報記憶部16、書類管理情報記憶部17、商品資料情報記憶部18を備える。ここでは、商品管理情報記憶部16、書類管理情報記憶部17が、書類管理情報記憶手段として機能する。
【0027】
端末制御部11は、制御手段(CPU、RAM、ROM等)によって実現される。そして、この端末制御部11は、後述する処理(担当者支援段階、融資支援段階、収益予測段階、返済予測段階、書類確認段階等の各処理等)を行なう。そのための渉外支援プログラムを実行することにより、この携帯端末10の端末制御部11は、支援管理手段111、融資支援手段112、収益予測手段113、返済予測手段114、書類確認手段115等の各手段として機能する。
【0028】
支援管理手段111は、渉外担当者のレベルを特定し、支援者による支援が必要かどうかを判断する処理を実行する。
融資支援手段112は、顧客先において行なわれる融資についての渉外活動を支援する処理を実行する。この融資支援手段112は、収益の多少を判定するための収益基準額に関するデータを保持している。
【0029】
収益予測手段113は、入力された融資条件に基づいて、金融機関の収益額を計算する収益シミュレーション処理を実行する。
返済予測手段114は、入力された融資条件に基づいて、顧客の返済額を計算する返済シミュレーション処理を実行する。
書類確認手段115は、融資取引において必要な書類の提供や回収の確認作業を支援する処理を実行する。
【0030】
利用者管理情報記憶部12は担当者管理情報記憶手段として機能する。この利用者管理情報記憶部12には、図3(a)に示すように、この携帯端末10の利用者に関する利用者管理レコード120が記録される。この利用者管理レコード120は、この携帯端末10の利用者登録が行なわれた場合に記録される。この利用者管理レコード120は、利用者コード、パスワード、全体スキルレベルに関するデータを含んで構成される。更に、利用者コードには、商品種別、専門スキルレベルに関するデータが関連付けられている。
【0031】
利用者コードデータ領域には、携帯端末10を利用する渉外担当者を特定するための識別子(担当者識別子)に関するデータが記録される。この利用者コードとしては、例えば、社員コードを用いることができる。なお、各渉外担当者に専用の携帯端末10が割り当てられている場合には、携帯端末10の端末識別子を用いて、各利用者を特定することも可能である。
【0032】
パスワードデータ領域には、この渉外担当者を認証するためのパスワードに関するデータが記録される。
全体スキルレベルデータ領域には、この渉外担当者の全体的な対応能力を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、渉外担当者の経験が多い程、高い値のスキルレベルが設定される。
【0033】
商品種別データ領域には、この渉外担当者が取り扱う商品の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。複数の商品を担当する場合には、担当する全商品について商品種別が記録される。
【0034】
専門スキルレベルデータ領域には、この商品種別について、この渉外担当者の対応能力を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、対応能力が高い程、高い値のスキルレベルが設定される。
【0035】
顧客管理情報記憶部13は訪問先管理情報記憶手段として機能する。この顧客管理情報記憶部13には、図3(b)に示すように、渉外担当者が対応する顧客に関する顧客管理レコード130が記録される。この顧客管理レコード130は、渉外支援サーバ20から顧客情報をダウンロードした時に記録される。この顧客管理レコード130は、顧客コード、顧客レベル、訪問回数、商品種別、対応者レベル、取引状況に関するデータを含んで構成される。
【0036】
顧客コードデータ領域には、訪問先の顧客を特定するための識別子(訪問先識別子)に関するデータが記録される。
顧客レベルデータ領域には、訪問先における取引に必要な能力を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、取引量(例えば、取引金額や取引件数等)が多い等の重要度が高い程、高い値の顧客レベルが設定される。
【0037】
訪問回数データ領域には、この顧客を訪問した回数に関するデータが記録される。本実施形態では、特定の商品種別についての一連の渉外活動毎(案件毎)に訪問回数が記録される。
【0038】
商品種別データ領域には、この顧客との間で取引が行なわれている商品の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
対応者レベルデータ領域には、この顧客における顧客側対応者に対応するために必要な能力を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、顧客側対応者の役職が高い程、高い値の対応者レベルが設定される。本実施形態では、顧客レベル、対応者レベルが訪問先レベルとして機能する。
取引状況データ領域には、この顧客と取引を行なった商品種別、取引量や注意事項等の取引状況に関するデータが記録される。
【0039】
支援要否判定情報記憶部14には、渉外担当者に対して支援の要否を判定するための支援要否決定テーブルが記録される。この支援要否決定テーブルは、顧客を訪問する前に、渉外支援サーバ20から支援要否決定テーブルをダウンロードした時に記録される。この支援要否決定テーブルは、渉外担当者のスキルレベル、顧客レベル、顧客側対応者の対応者レベルに基づいて、支援要否評価値を算出するための対応表が記録されている。本実施形態では、支援要否決定テーブルには、顧客レベル、対応者レベルの中で高い方の値と、スキルレベルとの差分値を、支援要否評価値として算出する関数が記録されている。
【0040】
ガイダンス情報記憶部15には、図3(c)に示すように、渉外担当者を支援するためのガイダンスレコード150が記録されている。このガイダンスレコード150は、渉外担当者に携帯端末10を提供する前に予め記録される。このガイダンスレコード150は、訪問目的、スキルレベル、ガイダンスに関するデータを含んで構成される。
【0041】
訪問目的データ領域には、顧客先への訪問目的を特定するための識別子に関するデータが記録される。この目的に対応して、渉外対象の商品を特定することができる。
スキルレベルデータ領域には、渉外担当者における対応能力を特定するための識別子に関するデータが記録される。
ガイダンスデータ領域には、このスキルレベルの渉外担当者に提供するアドバイス等のガイダンス(支援情報)に関するデータが記録される。
【0042】
商品管理情報記憶部16には、図3(d)に示すように、顧客との取引対象となる商品に関する商品管理レコード160が記録される。この商品管理レコード160は、渉外担当者に携帯端末10を提供する前に予め記録される。この商品管理レコード160は、商品種別、商品内容、書類種別、確認事項に関するデータを含んで構成される。
【0043】
商品種別データ領域には、渉外活動において、取引に用いられる商品の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
商品内容データ領域には、この商品の内容に関するデータが記録される。例えば、融資商品の場合、融資可能な融資額範囲、設定可能な返済条件範囲(返済期間、返済回数、返済方法)、担保条件範囲、設定可能な金利範囲等に関するデータが記録されている。この金利範囲は予め定められており、担当者の裁量によって取引可能な許容範囲となる。
【0044】
書類種別データ領域には、この商品を提供するために必要な書類の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
確認事項データ領域には、この書類種別において注意すべき項目(要注意項目)の内容(要確認情報)に関するデータが記録される。例えば、必須記入項目(日付間違いや記入漏れ等)や、この取引に用いられる他の書類に記載された内容との整合について確認すべき事項が記録されている。
【0045】
書類管理情報記憶部17には、図3(e)に示すように、顧客に提供すべき書類や、顧客から回収すべき書類に関する書類管理レコード170が記録される。この書類管理レコード170は、顧客を訪問する前に、渉外支援サーバ20から書類管理情報をダウンロードした時に記録される。この書類管理レコード170は、顧客コード、商品種別、取引コードを含んで構成される。更に、取引コードには、提供書類情報と回収書類情報とが関連付けられている。
【0046】
顧客コードデータ領域には、訪問先の顧客を特定するための識別子に関するデータが記録される。
商品種別データ領域には、この顧客に提供する商品の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、顧客に対して融資商品を提供する場合を想定する。
【0047】
取引コードデータ領域には、この顧客との間で行なわれる取引を特定するための識別子に関するデータが記録される。
提供書類情報は、提供書類種別、持参日、提供状況に関するデータを含んで構成される。
【0048】
提供書類種別データ領域には、この取引において顧客に対して提供すべき書類の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
持参日データ領域には、この書類を顧客先に持参する日付(年月日)に関するデータが記録される。ここでは、提供書類を持参することを示す消込情報として持参日が記録される。
【0049】
提供状況データ領域には、この顧客に対して、この書類の提供状況を特定するための識別子に関するデータが記録される。ここでは、提供書類を提供したことを示す消込情報として提供済みフラグが記録される。
【0050】
また、回収書類情報は、回収書類種別、確認状況、回収状況、回収日に関するデータを含んで構成される。
回収書類種別データ領域には、この取引において顧客から回収すべき書類の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0051】
確認状況データ領域には、この書類における確認事項についての確認状況を特定するための識別子に関するデータが記録される。
回収状況データ領域には、この書類について、顧客からの回収状況を特定するための識別子に関するデータが記録される。ここでは、回収書類の消込情報として回収済みフラグが記録される。
回収日データ領域には、この書類を回収した日付(年月日)に関するデータが記録される。
【0052】
商品資料情報記憶部18には、渉外担当者が商品説明に用いる商品紹介資料ファイルが記録される。この商品紹介資料ファイルは、顧客を訪問する前に予め記録される。この商品紹介資料ファイルは、商品種別に関連付けられた商品パンフレット、商品説明用スライドファイルにより構成される。
【0053】
渉外支援サーバ20は、渉外担当者と顧客との間の営業状況を管理するコンピュータシステムである。渉外支援サーバ20は、図4に示すように、サーバ制御部21、利用者管理情報記憶部22、顧客管理情報記憶部23、端末管理情報記憶部24、支援制御情報記憶部25、必要書類情報記憶部26、取引管理情報記憶部27を備える。
【0054】
サーバ制御部21は、制御手段(CPU、RAM、ROM等)によって実現される。そして、このサーバ制御部21は、後述する処理(支援者連絡段階、端末制御段階、実況転送段階、音声認識段階、メッセージ転送段階、審査支援段階等の各処理等)を行なう。そのための渉外支援プログラムを実行することにより、このサーバ制御部21は、支援者連絡手段211、端末制御手段212、実況転送手段213、音声認識手段214、メッセージ転送手段215、審査支援手段216等の各手段として機能する。
【0055】
支援者連絡手段211は、渉外担当者による渉外活動が開始されたことを管理者に通知する処理を実行する。また、支援者連絡手段211は、渉外活動状況に応じて、支援必要度を算出する。更に、支援者連絡手段211は、支援の要否を判定するための支援要否判断基準値に関するデータを保持している。支援者連絡手段211は、この支援要否判断基準値と支援必要度との比較結果に基づいて、渉外担当者の携帯端末10を接続するクライアント端末30を特定する処理を実行する。
【0056】
端末制御手段212は、支援者のクライアント端末30において、携帯端末10から取得した実況情報を出力するための制御処理を実行する。
実況転送手段213は、携帯端末10において取得した実況情報(音声や画像)を、クライアント端末30に転送する処理を実行する。
【0057】
音声認識手段214は、支援者のクライアント端末30から取得した音声をテキストに変換する音声認識処理を実行する。
メッセージ転送手段215は、支援者からのメッセージを携帯端末10に転送する処理を実行する。
審査支援手段216は、顧客に対する融資の提供の可否についての審査を支援する処理を実行する。
【0058】
利用者管理情報記憶部22には、図5(a)に示すように、この携帯端末10やクライアント端末30の利用者に関する利用者管理レコード220が記録される。この利用者管理レコード220は、この携帯端末10やクライアント端末30の利用者登録が行なわれた場合に記録される。この利用者管理レコード220は、利用者コード、端末コード、担当、全体スキルレベル、管理者に関するデータを含んで構成される。更に、渉外担当者の利用者コードには、商品種別、専門スキルレベル、支援者候補に関するデータが関連付けられている。
【0059】
利用者コードデータ領域には、携帯端末10を利用する渉外担当者やクライアント端末30を利用する管理者や支援者を特定するための識別子(例えば、社員コード)に関するデータが記録される。
【0060】
端末コードデータ領域には、この利用者が利用している携帯端末10やクライアント端末30を特定するための識別子に関するデータが記録される。端末コードとしては、例えばIPアドレスを用いることができる。
【0061】
担当データ領域には、携帯端末10やクライアント端末30の利用者の役割を特定するための識別子に関するデータが記録される。担当としては、渉外担当者や、渉外担当者の上長(支援者)、特定分野の専門担当者がある。
【0062】
全体スキルレベルデータ領域には、渉外担当者について、全体的な対応能力を特定するための識別子に関するデータが記録される。
管理者データ領域には、渉外担当者について、この渉外担当者の管理者(例えば、上長)を特定するための識別子(利用者コード)に関するデータが記録される。
【0063】
商品種別データ領域には、この渉外担当者が担当する商品の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
専門スキルレベルデータ領域には、この商品種別について、渉外担当者の対応能力を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0064】
支援者候補データ領域には、この渉外担当者を支援する支援者となる候補者を特定するための識別子(利用者コード)に関するデータが記録される。本実施形態では、支援者として、原則として渉外担当者の上長を設定し、上長が対応できない商品種別については専門担当者を設定する。また、支援者候補データ領域には、支援者を代替可能できるように複数の利用者コードが、優先順位の順番で登録されている。
【0065】
顧客管理情報記憶部23には、図5(b)に示すように、企業の顧客に関する顧客管理レコード230が記録される。この顧客管理レコード230は、顧客登録を行なった場合に記録される。この顧客管理レコード230は、図3(b)に示す顧客管理レコード130と同様に、顧客コード、顧客レベル、訪問回数、商品種別、対応者レベル、取引状況に関するデータを含んで構成される。
【0066】
端末管理情報記憶部24には、図5(c)に示すように、クライアント端末30の利用状況に関する端末管理レコード240が記録される。この端末管理レコード240は、支援者のクライアント端末30の登録が行なわれた時に記録され、利用状況に応じて更新される。この端末管理レコード240は、支援者端末コード、在席状況を含んで構成される。更に、支援者端末コードには、接続端末コード、支援必要度、優先順位に関するデータが関連付けられる。
【0067】
支援者端末コードデータ領域には、支援者が利用するクライアント端末30を特定するための識別子に関するデータが記録される。
在席状況データ領域には、支援者の在席状況を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、支援者がクライアント端末30を利用可能な状況にある場合に、在席状況データ領域に在席フラグが記録される。この在席状況に基づいて、クライアント端末30における支援可否を判定する。
【0068】
接続端末コードデータ領域には、このクライアント端末30に実況を提供させている携帯端末10を特定するための識別子に関するデータが記録される。
支援必要度データ領域には、この携帯端末10を利用している渉外担当者の支援の必要性の評価値に関するデータが記録される。
優先順位データ領域には、支援必要度に基づいて特定される優先順位に関するデータが記録される。この優先順位を用いて、クライアント端末30における表示を制御する。
【0069】
支援制御情報記憶部25には、渉外担当者に対する支援必要度を決定するための支援制御テーブル250が記録される。この支援制御テーブル250は、渉外担当者の支援に先立ち予め記録される。本実施形態では、図6に示すように、渉外担当者のスキルレベル、顧客レベル、対応者レベル(顧客側対応者)、経過時間、訪問回数、提示資料を考慮して、支援必要度を決定する。このため、支援制御テーブル250には、渉外担当者のスキルレベル(全体、専門)、顧客レベル、対応者レベル、経過時間、訪問回数、提示資料に対応して、支援必要度を算出するための関数が記録されている。なお、経過時間には、訪問開始からの経過時間と、商品説明開始からの経過時間とがある。
【0070】
ここで、支援必要度の算出に用いる全体スキルレベルとしては、利用者管理情報記憶部22の利用者管理レコード220に記録された全体スキルレベルを用いる。そして、支援制御テーブル250には、全体スキルレベルが低いほど、優先度が高くなるような支援必要度を算出するための関数が記録されている。
【0071】
また、支援必要度の算出に用いる顧客レベル、対応者レベル、訪問回数としては、顧客管理情報記憶部23に記録されている情報を用いる。そして、支援制御テーブル250には、顧客レベル、対応者レベルが高いほど、また、訪問回数が多いほど、優先度が高くなるような支援必要度を算出するための関数が記録されている。
【0072】
また、支援必要度の算出に用いる経過時間としては、システムタイマから取得した訪問開始からの経過時間と、商品説明開始(携帯端末10における提示資料の選択時)からの経過時間とを用いる。そして、支援制御テーブル250には、訪問開始からの経過時間が長くなると、優先度が高くなるように支援必要度を算出するための関数が記録されている。また、支援制御テーブル250には、提示資料の選択時からの経過時間が長くなると、商品種別に応じて優先度が高くなるように支援必要度を算出するための関数が記録されている。
【0073】
また、支援必要度の算出に用いる専門スキルレベルは、携帯端末10において表示されている資料に基づいて、渉外活動の対象となる商品種別を特定し、この商品種別に応じて特定される専門スキルレベルを用いる。そして、支援制御テーブル250には、専門スキルレベルが低いほど、優先度が高くなるような支援必要度を算出するための関数が記録されている。
【0074】
そして、この支援者のクライアント端末30に対して、複数の携帯端末10から実況情報が提供されている場合には、携帯端末10毎に、渉外担当者のスキルレベル、顧客レベル、訪問先対応者レベル、経過時間、訪問回数、提示資料に基づいて、この渉外担当者の支援必要度を算出する。そして、図6に示すように、他の携帯端末の支援必要度を考慮した優先順位に基づいて、クライアント端末30に実況情報を提供する。具体的には、支援必要度が高い携帯端末10からの実況情報に対して高い優先順位を付与して、クライアント端末30のディスプレイに表示するようにする。
【0075】
必要書類情報記憶部26には、図5(d)に示すように、顧客との取引において必要な書類に関する必要書類管理レコード260が記録される。この必要書類管理レコード260は、渉外担当者の支援に先立ち予め記録される。この必要書類管理レコード260は、図3(d)に示す商品管理レコード160と同様に、商品種別、書類種別、確認事項に関するデータを含んで構成される。更に、必要書類管理レコード260には、顧客に提供する書類を印刷するためのテンプレートが記録されている。
【0076】
取引管理情報記憶部27には、図5(e)に示すように、顧客との取引を管理するための取引管理レコード270が記録される。この取引管理レコード270は、この顧客との間で取引を行なうことになった場合に記録される。この取引管理レコード270は、取引コード、顧客コード、商品種別、取引内容、審査結果、提供書類種別、回収書類種別に関するデータを含んで構成される。
【0077】
取引コードデータ領域には、この顧客との間で行なわれる取引を特定するための識別子に関するデータが記録される。
顧客コードデータ領域には、取引を行なう顧客を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0078】
商品種別データ領域には、取引対象の商品(ここでは、融資商品)の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
取引内容データ領域には、この顧客との間で行なわれる取引の内容に関するデータが記録される。例えば、融資商品については、担保状況、融資金額、融資期間に関するデータを記録する。
【0079】
審査結果データ領域には、審査部門における審査結果に関するデータが記録される。
提供書類種別データ領域には、この取引において顧客に対して提供すべき書類の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
回収書類種別データ領域には、この取引において顧客から回収すべき書類の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0080】
クライアント端末(30、40)は、それぞれ、渉外担当者を管理する管理者や渉外担当者を支援する支援者が用いるコンピュータ端末、融資可否を審査する審査部門の担当者が用いるコンピュータ端末である。クライアント端末(30、40)は、ネットワークを介してデータを送信する機能や、受信したデータを表示する機能等を有する。このため、このクライアント端末(30、40)は、図示しないCPU、RAM、ROMの他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、通信手段等を有する。更に、クライアント端末30には、支援者の音声を入力するためのマイクを備えている。
【0081】
更に、渉外支援サーバ20には、ネットワークを介してプリンタ装置50に接続されている。このプリンタ装置50は、顧客に提供する書類を印刷するために用いられる。
次に、本実施形態における認証処理について、図7〜図12に従って説明する。ここでは、訪問時処理(図7)、担当者支援処理(図8)、融資支援処理(図9)、審査部門対応処理(図10)、訪問前書類確認処理(図11)、訪問時書類確認処理(図12)の順番に説明する。
【0082】
(訪問時処理)
まず、図7を用いて、訪問時処理について説明する。訪問先において渉外活動を行なう時に、渉外担当者は、持参した携帯端末10を起動させる。
【0083】
この場合、携帯端末10の端末制御部11は、利用者認証処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、利用者認証画面をタッチパネルディスプレイ10aに出力する。この利用者認証画面には、利用者コード及びパスワードの入力欄が設けられている。利用者認証画面において利用者コード及びパスワードが入力された場合、携帯端末10の端末制御部11は、入力された利用者コード及びパスワードが記録されている利用者管理レコード120を、利用者管理情報記憶部12において検索する。ここで、利用者コード及びパスワードが一致する利用者管理レコード120が記録されていない場合には、利用を拒否する。一方、利用者コード及びパスワードが一致する利用者管理レコード120が記録されている場合、支援管理手段111は、タッチパネルディスプレイ10aにメニュー画面を出力する。このメニュー画面には、訪問時処理、融資、訪問前書類確認、訪問時書類確認等の選択ボタンが含まれる。
【0084】
このメニュー画面において訪問時処理が選択された場合、携帯端末10の端末制御部11は、顧客、訪問目的の特定処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、タッチパネルディスプレイ10aに訪問先入力画面を出力する。この訪問先入力画面には、訪問先顧客選択欄及び訪問目的入力欄が設けられている。訪問先顧客選択欄には、訪問先の顧客コード、訪問目的入力欄には取引対象の商品種別(渉外案件)を入力する。各入力欄への入力完了を検知した場合、支援管理手段111は、入力欄において設定された顧客コード及び訪問目的をメモリに仮記録する。
【0085】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、初期ガイダンス処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、顧客管理情報記憶部13から、訪問先顧客の取引状況を抽出する。そして、支援管理手段111は、抽出した取引状況を初期ガイダンスとしてタッチパネルディスプレイ10aに出力する。
【0086】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、顧客側対応者の特定処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、タッチパネルディスプレイ10aに顧客対応者設定画面を出力する。この顧客対応者設定画面には、顧客側対応者の役職を入力するための対応者入力欄が設けられている。対応者入力欄への入力完了を検知した場合、支援管理手段111は、入力欄において設定された対応者をメモリに仮記録する。
【0087】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、支援要否評価値の算出処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、利用者管理情報記憶部12から、渉外担当者の全体スキルレベル、訪問目的に対応する商品種別における専門スキルレベルを取得する。次に、支援管理手段111は、顧客管理情報記憶部13から、顧客レベル、対応者レベルを取得する。次に、支援管理手段111は、全体スキルレベル、専門スキルレベルの中で低いレベルを担当者スキルレベルとして特定する。また、支援管理手段111は、顧客レベル、対応者レベルの中で高いレベルを必要レベルとして特定する。そして、支援管理手段111は、担当者スキルレベルから必要レベルを差し引いた差分(支援要否評価値)を算出する。
【0088】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、支援対象かどうかについての判定処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、支援要否評価値に基づいて判定する。ここでは、担当者スキルレベルが必要レベルより高く、支援要否評価値が正値になっている場合には、支援は不要と判定する。一方、スキルレベルが必要レベル以下であり、支援要否評価値が正値になっていない場合には、支援対象と判定する。
【0089】
支援対象でないと判定した場合(ステップS1−6において「NO」の場合)には、携帯端末10の端末制御部11は、通常渉外処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、商品資料情報記憶部18に記録された商品紹介資料ファイルの一覧を、タッチパネルディスプレイ10aに出力する。そして、渉外担当者は、タッチパネルディスプレイ10aに表示された商品紹介資料ファイルを用いて渉外活動を行なう。
【0090】
一方、支援対象と判定した場合(ステップS1−6において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、電波状態の検出処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、無線通信部10bを介して電波状態を検出する。
【0091】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、通信可能かどうかについての判定処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、電波状態が悪い場合には、通信不可と判定する。一方、電波状態に問題がない場合には、通信可能と判定する。
【0092】
通信不可と判定した場合(ステップS1−9において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、アラーム表示処理を実行する(ステップS1−10)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、タッチパネルディスプレイ10aに通信ができないことを表示する。
【0093】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、営業ガイダンスの出力処理を実行する(ステップS1−11)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、担当者スキルレベルに応じたガイダンスを、ガイダンス情報記憶部15から抽出し、タッチパネルディスプレイ10aに出力する。
【0094】
一方、通信可能と判定した場合(ステップS1−9において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、渉外開始の通知処理を実行する(ステップS1−12)。具体的には、端末制御部11の支援管理手段111は、無線通信部10bを介して、渉外開始メッセージを渉外支援サーバ20に送信する。この渉外開始メッセージには、渉外担当者の利用者コード、訪問先の顧客コード、顧客側の対応者コード、商品種別に関するデータを含める。この場合にも、携帯端末10の端末制御部11は、営業ガイダンスの出力処理を実行する(ステップS1−11)。
【0095】
なお、タッチパネルディスプレイ10aにおいて、商品資料情報記憶部18に記録された商品紹介資料ファイルが新たに選択された場合、支援管理手段111は、選択されたファイルに関連付けられた商品種別を取得し、メモリに仮記録する。次に、支援管理手段111は、メモリに仮記録された商品種別や顧客レベル、対応者レベルを用いて、支援要否評価値の算出を実行する(ステップS1−5)。そして、支援管理手段111は、ステップS1−6以降の処理を実行する。
【0096】
また、顧客側対応者が代わった場合には、携帯端末10の端末制御部11は、顧客側対応者の特定処理(ステップS1−4)を実行し、メモリに仮記録された商品種別や顧客レベル、対応者レベルを用いて、支援要否評価値の算出を実行する(ステップS1−5)。
【0097】
そして、渉外活動を終了した場合には、携帯端末10に終了入力を行なう。この場合、携帯端末10の端末制御部11は、渉外支援サーバ20に渉外終了メッセージを送信する。
【0098】
(担当者支援処理)
次に、図8を用いて、担当者支援処理について説明する。この担当者支援処理は、携帯端末10から渉外開始メッセージを受信したときに開始し、渉外終了メッセージを受信するまで継続する。
【0099】
まず、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、管理者への通知処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、サーバ制御部21の支援者連絡手段211は、渉外開始メッセージに含まれる渉外担当者の利用者コードが記録された利用者管理レコード220を利用者管理情報記憶部22から抽出する。そして、支援者連絡手段211は、この利用者管理レコード220に記録された端末コードを取得する。そして、支援者連絡手段211は、端末コードのクライアント端末30に、渉外活動が開始されたことを示すメッセージを送信する。
【0100】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援必要度の算出処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、サーバ制御部21の支援者連絡手段211は、渉外開始時(渉外開始メッセージの受信時)からの経過時間を算出する。更に、携帯端末10から取得した渉外担当者の利用者コードが記録された利用者管理レコード220、訪問先の顧客コードが記録された顧客管理レコード230における、渉外担当者のスキルレベル(全体、専門)、顧客レベル、対応者レベル、訪問回数を特定する。更に、提示資料の選択時からの経過時間を算出する。そして、支援者連絡手段211は、支援制御情報記憶部25の支援制御テーブル250を用いて、訪問開始からの経過時間に基づく支援必要度を取得する。更に、支援者連絡手段211は、支援制御テーブル250を用いて、渉外担当者のスキルレベル(全体、専門)、顧客レベル、対応者レベル、訪問回数に対応する経過時間に基づく支援必要度を取得する。更に、支援者連絡手段211は、商品種別に対応する提示資料の選択時からの経過時間に基づく支援必要度を取得する。そして、支援者連絡手段211は、これらの支援必要度を合計して、現在時点の支援必要度を算出する。
【0101】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援が必要かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、サーバ制御部21の支援者連絡手段211は、算出した支援必要度と、予め保持している支援要否判断基準値とを比較する。ここで、支援必要度が支援要否判断基準値以上の場合には、支援が必要と判定する。一方、支援必要度が支援要否判断基準値より低い場合には、支援は不要と判定する。
【0102】
支援は不要と判定した場合(ステップS2−3において「NO」の場合)、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援必要度の決定処理(ステップS2−2)から繰り返す。
【0103】
一方、支援が必要と判定した場合(ステップS2−3において「YES」の場合)、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援者候補の特定処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、サーバ制御部21の支援者連絡手段211は、利用者管理情報記憶部22から、携帯端末10から取得した利用者コードが記録された利用者管理レコード220を抽出する。そして、支援者連絡手段211は、携帯端末10から取得した商品種別に対応した支援者候補の利用者コードを、利用者管理レコード220の支援者候補データ領域から取得する。
【0104】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援者候補の在席情報の取得処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、サーバ制御部21の支援者連絡手段211は、利用者管理情報記憶部22において、支援者候補の利用者コードが記録された利用者管理レコード220を抽出する。次に、支援者連絡手段211は、利用者管理レコード220において端末コードを特定する。そして、支援者連絡手段211は、特定した端末コードが支援者端末コードデータ領域に記録された端末管理レコード240を、端末管理情報記憶部24から抽出し、この端末管理レコード240に記録されている在席状況を取得する。
【0105】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、在席している支援者の特定処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、サーバ制御部21の支援者連絡手段211は、端末管理レコード240の在席状況データ領域において在席フラグが記録されている支援者のクライアント端末30を特定する。複数の支援者候補の端末管理レコード240に在席フラグが記録されている場合には、優先順位が最も高い支援者を特定する。
【0106】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援者端末の混雑状況の取得処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、サーバ制御部21の支援者連絡手段211は、特定した支援者の端末管理レコード240において、支援者端末コードに関連付けられている接続端末コードを取得する。これにより、このクライアント端末30に対して実況情報を送信している携帯端末10を特定する。
【0107】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、優先順位の決定処理を実行する(ステップS2−8)。具体的には、サーバ制御部21の支援者連絡手段211は、端末管理レコード240の接続端末コードデータ領域に、この渉外担当者が利用している携帯端末の10の端末コードを新たに記録する。更に、支援者連絡手段211は、この接続端末コードに関連付けて、支援必要度を記録する。そして、支援者連絡手段211は、支援必要度を用いて優先順位を決定する。本実施形態では、同じ支援者端末コードに関連付けられている接続端末コードについて、支援必要度が高い携帯端末10の優先順位が高くなるように優先順位を決定する。
【0108】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、優先順位に応じて、支援者端末に対して実況の出力処理を実行する(ステップS2−9)。具体的には、携帯端末10の端末制御部11は、実況取得部10cにおいて取得した実況情報(音声や画像)を渉外支援サーバ20に継続的に送信する。この場合、サーバ制御部21の端末制御手段212は、実況情報を出力する画面を、クライアント端末30のディスプレイに出力する。この場合、実況転送手段213は、優先順位に対応してサブ画面を分割し、携帯端末10から取得した実況情報を、クライアント端末30のディスプレイに出力する。支援者は、クライアント端末30のディスプレイに出力された実況情報を確認する。
【0109】
そして、渉外担当者の活動において支援が必要と判断した場合には、支援対象の携帯端末10を特定する。本実施形態では、クライアント端末30のディスプレイに表示されたサブ画面を選択することにより、支援対象の携帯端末10を特定する。そして、支援者は、クライアント端末30のマイクを通じて、メッセージを入力する。この場合、クライアント端末30は、取得した音声データを、渉外支援サーバ20に送信する。
【0110】
そして、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援者の音声メッセージ取得処理を実行する(ステップS2−10)。具体的には、サーバ制御部21の端末制御手段212は、クライアント端末30から支援者の音声によるメッセージを取得する。
【0111】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、メッセージの音声認識処理を実行する(ステップS2−11)。具体的には、サーバ制御部21の音声認識手段214は、クライアント端末30から取得した音声データをテキスト変換する音声認識処理を実行する。そして、音声認識手段214は、音声認識により生成したテキストの確認画面をクライアント端末30のディスプレイに出力する。支援者は、必要に応じて確認画面上のテキストを修正する。そして、問題がない場合には、送信ボタンを選択する。
【0112】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、携帯端末にメッセージ出力処理を実行する(ステップS2−12)。具体的には、サーバ制御部21のメッセージ転送手段215は、渉外担当者の携帯端末10に対して、支援者のメッセージ(テキスト)を送信する。この場合、携帯端末10は、タッチパネルディスプレイ10aに、支援者のメッセージを出力する。
【0113】
(融資支援処理)
次に、図9を用いて、融資支援処理について説明する。ここでは、渉外担当者が、顧客先において融資商品についての営業を行なう場合を想定する。この場合、渉外担当者は、携帯端末10のメニュー画面において、融資ボタンを選択する。
【0114】
この場合、携帯端末10の端末制御部11は、融資金額、返済期間、融資時期、担保条件の取得処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、タッチパネルディスプレイ10aに融資条件入力画面を出力する。この融資条件入力画面には、融資金額、返済期間、融資時期、担保条件の入力欄が設けられている。各入力欄への入力完了を検知した場合、支援管理手段111は、入力欄において設定された融資金額、返済期間、融資時期、担保条件をメモリに仮記録する。
【0115】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、条件に応じて融資対象商品の特定処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、入力された融資金額、返済期間、担保条件と、商品管理レコード160に記録された商品内容とを比較して、利用可能な融資商品を特定する。融資支援手段112は、融資商品を特定することにより、商品内容データ領域に記録された設定可能な金利範囲を特定する。
【0116】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、融資方法の特定処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、融資方法入力欄をタッチパネルディスプレイ10aに出力する。この融資方法においては、融資条件(融資金額等)、担保条件、返済条件(返済期間、返済回数等)等を入力する。そして、融資支援手段112は、融資方法入力欄への入力完了を検知した場合、支援管理手段111は、入力欄において設定された融資方法をメモリに仮記録する。
【0117】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、顧客に応じて金利の決定処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、金利設定画面をタッチパネルディスプレイ10aに出力する。この金利設定画面には、融資において適用する希望金利(取引条件)の入力欄が設けられている。渉外担当者は、顧客と話し合い、この入力欄に希望金利を入力する。希望金利入力欄への入力完了を検知した場合、支援管理手段111は、入力欄において設定された希望金利をメモリに仮記録する。
【0118】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、担当者の裁量範囲内かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、入力された希望金利が、この商品の金利範囲に含まれるかどうかを判定する。金利範囲に含まれる場合には、渉外担当者の裁量範囲内と判定する。
【0119】
担当者の裁量範囲内と判定した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、収益シミュレーション処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、端末制御部11の収益予測手段113は、メモリに仮記憶した融資金額、返済期間、希望金利を用いて、収益のシミュレーションを行なう。ここでは、融資金額に対して希望金利を適用した場合、返済期間における利息の合計額を算出する。
【0120】
一方、希望金利が融資商品の金利範囲を超えており、担当者の裁量範囲外と判定した場合(ステップS3−5において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、支援者に通知処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、クライアント端末30に対して、確認メッセージ(支援要請)を送信する。この確認メッセージには、訪問先の顧客コード、融資条件、希望金利に関するデータを含める。そして、支援者は、クライアント端末30において受信した確認メッセージを確認する。ここで、問題がない場合には、クライアント端末30に了承入力を行なう。この場合、クライアント端末30は、了承メッセージを携帯端末10に送信する。一方、問題がある場合には、クライアント端末30に拒否入力を行なう。この場合、クライアント端末30は、拒否メッセージを携帯端末10に送信する。
【0121】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、希望金利を適用可能かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−8)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、クライアント端末30から取得したメッセージに基づいて、希望金利の適用可否を判定する。ここで、了承メッセージを受信した場合には、希望金利を適用可能と判定し、拒否メッセージを受信した場合には適用不可と判定する。
【0122】
希望金利を適用不可と判定した場合(ステップS3−8において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、ステップS3−4の処理からやり直す。
希望金利を適用可能と判定した場合(ステップS3−8において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、収益シミュレーション処理を実行する(ステップS3−6)。
【0123】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、収益が少ないかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−9)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、収益予測手段113の収益シミュレーションによって算出された収益額を予測する。そして、融資支援手段112は、収益予測額と収益基準額とを比較する。ここで、収益予測額が収益基準額よりも低い場合には、収益が少ないと判定し、収益予測額が収益基準額以上の場合には、収益が少なくないと判定する。
【0124】
収益が少なくないと判定した場合(ステップS3−9において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、返済シミュレーション処理を実行する(ステップS3−10)。具体的には、端末制御部11の返済予測手段114は、融資条件及び希望金利に基づいて、返済期間中の毎回の返済額や返済総額を算出する。そして、返済予測手段114は、タッチパネルディスプレイ10aに、シミュレーション結果を出力する。
【0125】
一方、収益が少ないと判定した場合(ステップS3−9において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、支援者に通知処理を実行する(ステップS3−11)。この場合も、ステップS3−7と同様に、端末制御部11の融資支援手段112は、クライアント端末30に対して、確認メッセージ(支援要請)を送信する。そして、支援者は、クライアント端末30を用いて、顧客や融資条件を確認して、融資可能かどうかを判断する。ここで、問題がない場合には、クライアント端末30に了承入力を行なう。この場合、クライアント端末30は、了承メッセージを携帯端末10に送信する。一方、問題がある場合には、クライアント端末30に審査部門対応入力を行なう。この場合、クライアント端末30は、審査部門対応メッセージを携帯端末10に送信する。
【0126】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、融資可能かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−12)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、クライアント端末30から取得したメッセージに基づいて、融資可否を判断する。了承メッセージを受信した場合には、融資可能と判定する。一方、審査部門対応メッセージを受信した場合には、審査部門の判断を要するため、渉外活動を保留する。
【0127】
審査部門対応メッセージを受信したことにより、融資可能と判定できない場合(ステップS3−12において「NO」の場合)には、渉外支援サーバ20の端末制御部11は、審査部門依頼処理を実行する(ステップS3−13)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、希望金利での融資を保留にする。この場合、融資支援手段112は、審査部門において融資可否を判断することを示すメッセージを出力する。そして、融資支援手段112は、審査依頼メッセージを渉外支援サーバ20に送信する。この審査依頼メッセージには、決定された融資条件に関するデータを含める。この審査依頼メッセージを受信した渉外支援サーバ20は、後述する審査部門対応処理を実行する(図10)。
【0128】
一方、融資可能と判定した場合(ステップS3−12において「YES」の場合)には、携帯端末10の端末制御部11は、返済シミュレーション処理を実行する(ステップS3−10)。
【0129】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、融資条件の変更希望があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−14)。渉外担当者は、タッチパネルディスプレイ10aに出力シミュレーション結果を出力し、顧客に提示する。ここで、融資条件の変更を希望する場合には、携帯端末10に変更入力を行なう。融資条件の変更希望入力が行なわれた場合(ステップS3−14において「YES」の場合)、携帯端末10は、ステップS3−1の処理からやり直す。
【0130】
一方、顧客が融資を利用すると判断した場合、渉外担当者は、携帯端末10に取引入力を行なう。融資条件の変更希望がない場合(ステップS3−14において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、必要書類の出力処理を実行する(ステップS3−15)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、商品管理情報記憶部16を用いて、この融資商品の取引において必要な書類を特定する。そして、融資支援手段112は、特定した書類をタッチパネルディスプレイ10aに出力する。渉外担当者は、顧客に対して必要書類を提示する。
【0131】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、融資条件の送信処理を実行する(ステップS3−16)。具体的には、端末制御部11の融資支援手段112は、取引依頼メッセージを渉外支援サーバ20に送信する。この取引依頼メッセージには、決定された融資条件に関するデータを含める。
【0132】
(審査部門対応処理)
次に、図10を用いて、審査部門対応処理について説明する。この審査部門対応処理は、審査部門依頼処理(ステップS3−13)における審査依頼メッセージを受信した場合に実行される。
【0133】
ここでは、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、取引依頼メッセージの受信処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、サーバ制御部21の審査支援手段216は、携帯端末10から取引依頼メッセージを受信する。この場合、審査支援手段216は、受信した取引依頼メッセージに対して、取引コードを付与する。そして、審査支援手段216は、取引コード、取引依頼メッセージに含まれる顧客コード、商品種別、取引内容(担保状況、融資金額、融資期間)に関するデータを含めた取引管理レコード270を生成し、取引管理情報記憶部27に記録する。
【0134】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、審査部門への回付処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、サーバ制御部21の審査支援手段216は、審査部門のクライアント端末40に対して、取引依頼メッセージを転送する。この場合、審査部門の担当者は、クライアント端末40を用いて、顧客状況、融資条件や担保条件等を確認する。ここで、問題がない場合には、クライアント端末40に了承入力を行なう。この場合、クライアント端末40は、了承メッセージを携帯端末10に送信する。この一方、問題がある場合には、クライアント端末40に拒否入力を行なう。この場合、クライアント端末40は、拒否メッセージを渉外支援サーバ20に送信する。
【0135】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、融資可能かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、サーバ制御部21の審査支援手段216は、クライアント端末40から受信したメッセージに基づいて、融資可能かどうかを判定する。ここで、了承メッセージを受信した場合には、融資可能と判定し、拒否メッセージを受信した場合には融資不可と判定する。そして、判定結果を、取引管理レコード270の審査結果データ領域に記録する。
【0136】
融資可能と判定した場合(ステップS4−3において「YES」の場合)、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、商品種別に応じて必要書類の特定処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、サーバ制御部21の審査支援手段216は、必要書類情報記憶部26において、取引対象の商品種別が記録された必要書類管理レコード260を特定する。そして、審査支援手段216は、この必要書類管理レコード260に記録された書類種別により、この商品を提供する場合の必要書類(提供書類種別、回収書類種別)を特定する。
【0137】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、必要書類の出力処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、サーバ制御部21の審査支援手段216は、特定した必要書類を、取引管理情報記憶部27の取引管理レコード270の提供書類種別、回収書類種別データ領域に記録する。次に、審査支援手段216は、提供書類種別のテンプレートを必要書類情報記憶部26から取得し、プリンタ装置50を用いて印刷する。
【0138】
次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、融資可能の結果通知処理を実行する(ステップS4−6)。具体的には、サーバ制御部21の審査支援手段216は、携帯端末10に対して、審査結果を送信する。融資可能と判定され、必要書類を印刷した場合には、必要書類を印刷したことを示すメッセージを送信する。
【0139】
更に、審査支援手段216は、書類管理レコード170を生成するために必要なデータ(顧客コード、商品種別、取引コード、提供書類種別、回収書類種別等)を携帯端末10に送信する。この場合、携帯端末10は、書類管理レコード170を生成し、書類管理情報記憶部17に記録する。この段階では、持参日、提供状況、確認状況、回収状況、回収日は空欄にしておく。
【0140】
一方、融資不可と判定した場合(ステップS4−3において「NO」の場合)、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、融資不可の結果通知処理を実行する(ステップS4−7)。具体的には、サーバ制御部21の審査支援手段216は、携帯端末10に対して、融資ができないことを示すメッセージを携帯端末10に送信する。
【0141】
(訪問前書類確認処理)
次に、図11を用いて、訪問前書類確認処理について説明する。この訪問前書類確認処理は、渉外担当者が、顧客に融資に必要な書類を持参する前に実行される。渉外担当者は、携帯端末10を起動させる。
【0142】
この場合、携帯端末10の端末制御部11は、ステップS1−1と同様に、利用者認証処理を実行する(ステップS5−1)。そして、渉外担当者は、携帯端末10のタッチパネルディスプレイ10aに表示されたメニュー画面において、訪問前書類確認ボタンを選択する。
【0143】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、訪問先、取引コードの特定処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、訪問先入力画面をタッチパネルディスプレイ10aに出力する。この訪問先入力画面には、必要書類を持参する顧客先の入力欄が設けられている。この入力欄に、訪問先の顧客コードを入力した場合、書類確認手段115は、訪問先を特定する。
【0144】
次に、書類確認手段115は、訪問目的入力画面をタッチパネルディスプレイ10aに出力する。この訪問目的入力画面には、顧客先の訪問目的の選択欄が設けられている。ここで、審査において融資可能と判定された取引依頼の取引コードを入力する。
【0145】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、必要書類リスト表示処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、入力された取引コードを用いて、書類管理情報記憶部17に記録された書類管理レコード170を抽出し、書類管理レコード170に記録された提供書類種別を特定する。次に、書類確認手段115は、特定した提供書類種別を一覧表示させた必要書類リストを作成し、タッチパネルディスプレイ10aに出力する。
【0146】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、持参書類の消込処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、渉外担当者は、必要書類リストと持参する書類とを比較して、準備されている書類についてタッチパネルディスプレイ10a上で選択し、消込入力を行なう。この場合、端末制御部11の書類確認手段115は、選択された書類について、書類管理レコード170の持参日データ領域に現在日付を記録する。次に、書類確認手段115は、準備された持参書類を必要書類リストにおいて消し込む。そして、まだ消し込まれていない必要書類が残っている場合には、渉外担当者は、この提供書類を準備し直す。
【0147】
(訪問時書類確認処理)
次に、図12を用いて、訪問時書類確認処理について説明する。この訪問前書類確認処理は、渉外担当者が、訪問先で必要書類を確認するときに実行される。渉外担当者は、持参した携帯端末10を起動させる。
【0148】
この場合、携帯端末10の端末制御部11は、ステップS5−1と同様に、利用者認証処理(ステップS6−1)を実行する。ここで、渉外担当者は、携帯端末10のタッチパネルディスプレイ10aに表示されたメニュー画面において、訪問時書類確認ボタンを選択する。
【0149】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、ステップS5−2と同様に、訪問先、取引コードの特定処理を実行する(ステップS6−2)。
そして、提供書類の確認と、回収書類の確認とを行なう。
まず、提供書類の確認においては、携帯端末10の端末制御部11は、提供書類リストの表示処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、書類管理情報記憶部17から、取引コードに関連付けられた提供書類種別を特定する。書類確認手段115は、特定した提供書類種別を一覧表示させた必要書類リストを作成し、タッチパネルディスプレイ10aに出力する。
【0150】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、提供書類の消込処理を実行する(ステップS6−4)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、必要書類リストと持参する書類とを比較して、準備されている書類についてタッチパネルディスプレイ10a上で選択し、消込入力を行なう。この場合、書類確認手段115は、選択された書類について、書類管理レコード170に提供状況データ領域に提供済フラグを記録する。次に、書類確認手段115は、準備された持参書類を必要書類リストにおいて消し込む。そして、終了入力が行なわれた時に、まだ消し込まれていない必要書類が残っている場合には、書類確認手段115は、提供済フラグが記録されていない提供書類種別をタッチパネルディスプレイ10aに出力する。この場合、書類確認手段115は、不足書類があることを示す注意喚起を出力する。そして、渉外担当者は、残っている提供書類についての消し込み入力を継続する。
【0151】
また、回収書類の確認においては、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類リストの表示処理を実行する(ステップS6−5)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、書類管理情報記憶部17から、取引コードに関連付けられた回収書類種別を特定する。特定した回収書類種別を一覧表示させた必要書類リストを作成し、タッチパネルディスプレイ10aに出力する。
【0152】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、前回確認済みの資料があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−6)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、書類管理レコード170の確認状況データ領域において、確認済みフラグが記録されている書類がある場合には、先の訪問において確認済みの書類があると判定する。
【0153】
前回確認済みの資料がある場合(ステップS6−6において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類リストにおいて確認済み情報の設定処理を実行する(ステップS6−7)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、確認済みフラグが記録されている書類がある場合には、回収書類リストにおいて、この書類について確認済みであることを示す情報を初期値として設定する。一方、前回確認済みの資料がない場合(ステップS6−6において「NO」の場合)、確認済み情報の設定処理(ステップS6−7)をスキップする。
【0154】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類の選択処理を実行する(ステップS6−8)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、渉外担当者は、回収書類リストと、顧客から預かった書類とを比較する。そして、預かった書類の書類種別をタッチパネルディスプレイ10aにおいて選択入力を行なう。
【0155】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類における確認事項の出力処理を実行する(ステップS6−9)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、書類管理レコード170に記録された商品種別、選択された回収書類種別に基づいて、商品管理情報記憶部16から商品管理レコード160の確認事項を取得する。そして、書類確認手段115は、取得した確認事項をタッチパネルディスプレイ10aに出力する。渉外担当者は、この確認事項を確認し、問題がない場合には確認入力を行なう。
【0156】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類間整合性確認事項の出力処理を実行する(ステップS6−10)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、商品管理レコード160の確認事項データ領域において、他の書類との整合性について確認事項の有無を判定する。整合性についての確認事項が設定されている場合、書類確認手段115は、他の書類について確認状況データ領域に確認済みフラグが記録されているかどうかを確認する。既に確認済みフラグが記録されている場合には、書類確認手段115は、既に確認済みの書類と今回の書類との整合性についての確認事項をタッチパネルディスプレイ10aに出力する。そして、渉外担当者は、この確認事項を確認し、問題がない場合には確認入力を行なう。なお、確認事項において、問題がある場合には、顧客に対して訂正を依頼する。
【0157】
次に、携帯端末10の端末制御部11は、入力終了かどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−11)。具体的には、預かった全書類について、確認入力を行なった場合には、回収書類リスト上の完了ボタンを選択する。端末制御部11の書類確認手段115は、完了ボタンの選択の有無により、入力終了を判定する。
【0158】
入力を終了していない場合(ステップS6−11において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、ステップS6−8の処理から繰り返す。
一方、完了ボタンが選択され、入力終了と判定した場合(ステップS6−11において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、不足書類があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−12)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、書類管理レコード170の回収状況データ領域において回収フラグの記録の有無を確認する。回収フラグが記録されていない書類がある場合には、不足書類があると判定する。
【0159】
不足書類がないと判定した場合(ステップS6−12において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類の消込処理を実行する(ステップS6−13)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、回収状況データ領域に、回収済みフラグを記録する。
【0160】
一方、不足書類があると判定した場合(ステップS6−12において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、不足書類についての注意喚起処理を実行する(ステップS6−14)。具体的には、端末制御部11の書類確認手段115は、タッチパネルディスプレイ10aに不足書類があることを示す注意喚起メッセージを出力する。この注意喚起メッセージには、確認フラグが記録されていない書類種別に関する情報を含める。このメッセージを確認した渉外担当者は、顧客に対して、不足書類を説明する。
【0161】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、支援要否評価値の算出処理を実行する(ステップS1−5)。次に、携帯端末10の端末制御部11は、支援対象かどうかについての判定処理を実行する(ステップS1−6)。そして、支援対象と判定した場合(ステップS1−6において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、電波状態の検出処理を実行する(ステップS1−8)。通信可能と判定した場合(ステップS1−9において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、渉外開始の通知処理を実行する(ステップS1−12)。これにより、管理者は、渉外担当者による渉外活動が開始されたことを把握することができる。そして、必要に応じて、支援を行なうことができる。
【0162】
また、通信不可と判定した場合(ステップS1−9において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、アラーム表示処理を実行する(ステップS1−10)。これにより、渉外担当者に、支援者による支援を受けられないことを注意喚起することができる。
【0163】
(2)上記実施形態では、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援者候補の特定処理(ステップS2−4)、支援者候補の在席情報の取得処理(ステップS2−5)を実行する。これにより、支援者の状況を考慮して、渉外担当者の状況を知らせることができる。
【0164】
(3)上記実施形態では、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援必要度の決定処理(ステップS2−2)、支援者端末の混雑状況の取得処理(ステップS2−7)を実行する。次に、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援必要度、混雑状況に応じて、優先順位の決定処理を実行する(ステップS2−8)。そして、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、優先順位に応じて、支援者端末に対して実況の出力処理を実行する(ステップS2−9)。これにより、1人の支援者が、複数の渉外担当者に対して支援を行なう場合にも、優先度を考慮して支援を行なうことができる。
【0165】
(4)上記実施形態では、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援者の音声メッセージ取得処理(ステップS2−10)、メッセージの音声認識処理(ステップS2−11)を実行する。そして、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、携帯端末にメッセージ出力処理を実行する(ステップS2−12)。これにより、支援者は、渉外担当者に対する支援を効率的に行なうことができる。そして、渉外担当者は、このメッセージを参考にしながら渉外活動を行なうことができる。
【0166】
(5)上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、融資金額、返済期間、融資時期、担保条件の取得処理(ステップS3−1)、融資方法の特定処理(ステップS3−3)を実行する。次に、携帯端末10の端末制御部11は、顧客に応じて金利の決定処理(ステップS3−4)、担当者の裁量範囲内かどうかについての判定処理(ステップS3−5)を実行する。そして、希望金利が、融資商品の金利範囲を超えており、担当者の裁量範囲外と判定した場合(ステップS3−5において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、支援者に通知処理を実行する(ステップS3−7)。これにより、支援者は、渉外担当者が入力した金利の妥当性を判断することができる。裁量範囲を超えている金利であっても、顧客状況等を考慮して取引を行なうことができる。
【0167】
(6)上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、収益シミュレーション処理を実行する(ステップS3−6)。そして、携帯端末10の端末制御部11は、収益が少ないかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−9)。収益が少ないと判定した場合(ステップS3−9において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、支援者に通知処理を実行する(ステップS3−11)。これにより、収益が少ない取引については、支援者の判断を仰ぐことができる。
【0168】
(7)上記実施形態では、融資可能と判定した場合(ステップS3−12において「YES」の場合)には、携帯端末10の端末制御部11は、返済シミュレーション処理を実行する(ステップS3−10)。これにより、顧客は融資の利用可否について判断を行なうことができる。
【0169】
(8)上記実施形態では、融資条件の変更希望がない場合(ステップS3−14において「NO」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、必要書類の出力処理を実行する(ステップS3−15)。これにより、訪問先において、必要書類を顧客に知らせることができる。
【0170】
(9)上記実施形態では、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、融資可能の結果通知処理を実行する(ステップS4−6)。この場合、審査支援手段216は、書類管理レコード170を生成するために必要なデータ(顧客コード、商品種別、取引コード、提供書類種別、回収書類種別等)を携帯端末10に送信する。この場合、携帯端末10は、書類管理レコード170を生成し、書類管理情報記憶部17に記録する。この段階では、持参日、提供状況、確認状況、回収状況、回収日は空欄にしておく。これにより、渉外担当者は、携帯端末10を用いて、取引に必要な書類の提供又は回収を管理することができる。
【0171】
(10)上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、訪問先、取引コードの特定処理を実行する(ステップS5−2)。この場合、携帯端末10の端末制御部11は、必要書類リスト表示処理を実行する(ステップS5−3)。そして、携帯端末10の端末制御部11は、持参書類の消込処理を実行する(ステップS5−4)。これにより、渉外担当者は、顧客の訪問前に持参すべき書類を確認し、提供書類の持参忘れを防止することができる。
【0172】
(11)上記実施形態では、提供書類の確認においては、携帯端末10の端末制御部11は、提供書類リストの表示処理を実行する(ステップS6−3)。そして、携帯端末10の端末制御部11は、提供書類の消込処理を実行する(ステップS6−4)。これにより、渉外担当者は、訪問先において、取引に必要な書類の提供忘れを防止することができる。
【0173】
(12)上記実施形態では、回収書類の確認においては、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類リストの表示処理(ステップS6−5)、回収書類の選択処理(ステップS6−8)を実行する。この場合、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類における確認事項の出力処理を実行する(ステップS6−9)。これにより、渉外担当者は、訪問先において、必須事項の記入忘れや記入間違い等を確認して、必要書類を的確に回収することができる。
【0174】
更に、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類間整合性確認事項の出力処理を実行する(ステップS6−10)。これにより、複数の書類を回収する場合において、書類間の整合性を確認し、的確な必要書類を回収することができる。
【0175】
(13)上記実施形態では、完了ボタンが選択され、入力終了と判定した場合(ステップS6−11において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、不足書類があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−12)。そして、不足書類があると判定した場合(ステップS6−12において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、不足書類についての注意喚起処理を実行する(ステップS6−14)。これにより、渉外担当者は、取引に必要な書類の回収忘れを防止することができる。
【0176】
(14)上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、前回確認済みの資料あるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−6)。前回確認済みの資料がある場合(ステップS6−6において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類リストにおいて確認済み情報の設定処理を実行する(ステップS6−7)。これにより、先の訪問において、内容を既に確認した書類については、確認状況を考慮して、効率的に回収を行なうことができる。
【0177】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・ 上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、利用者認証処理(ステップS1−1)、顧客、訪問目的の特定処理(ステップS1−2)を実行する。これにより、渉外担当者、顧客、訪問目的を特定する。これに代えて、渉外担当者の訪問スケジュールを登録されたスケジュール管理システムを用いて、渉外担当者や顧客、訪問目的を特定するようにしてもよい。この場合に、スケジュール管理システムから、現在時刻における、各渉外担当者のスケジュールを取得し、このスケジュールにおいて渉外担当者や顧客、訪問目的を特定する。
【0178】
・ 上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、渉外開始の通知処理を実行する(ステップS1−12)。支援者に対する通知のタイミングは、これに限定されるものではない。例えば、携帯端末10において、渉外担当者によって支援要請操作が行なわれた場合に、支援者に対する通知を行なうようにしてもよい。具体的には、渉外担当者において支援が必要と判断した場合、携帯端末10において支援要請入力を行なう。この場合、携帯端末10は、渉外支援サーバ20は、支援者への通知処理を行なう。特に、渉外担当者によって支援要請入力が行なわれた場合には、優先度を高くして通知する。これにより、支援者に対して、優先的な支援を要請することができる。
【0179】
・ 上記実施形態では、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援必要度の決定処理を実行する(ステップS2−2)。これに代えて、携帯端末10の端末制御部11が支援必要度の決定処理を実行するようにしてもよい。この場合には、携帯端末10内に支援制御情報記憶部25を設ける。そして、支援が必要と判定した場合(ステップS2−3において「YES」の場合)、携帯端末10の端末制御部11は、支援要請を渉外支援サーバ20に送信する。この場合、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、ステップS2−4以降の処理を実行する。
【0180】
・ 上記実施形態では、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、支援者の音声メッセージ取得処理(ステップS2−10)、メッセージの音声認識処理(ステップS2−11)を実行する。そして、渉外支援サーバ20のサーバ制御部21は、携帯端末にメッセージ出力処理を実行する(ステップS2−12)。これに加えて、渉外担当者へのメッセージ作成において、キーボードによるテキスト入力を用いることも可能である。また、予め登録された定型パターンを利用するようにしてもよい。この場合には、渉外支援サーバ20において、支援のためのメッセージについて、定型パターンを記録しておく。そして、支援者はクライアント端末30において、渉外支援サーバ20から定型パターンを取得し、所望のパターンをメッセージとして指定する。これにより、効率的にメッセージを送信することができる。
【0181】
・ 上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、担当者の裁量範囲内かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−5)。ここでは、金利についての裁量範囲を判定する。裁量範囲は金利に限定にされるものではない。返済条件(返済期間、返済回数、返済方法)、担保条件等が裁量範囲内かどうかについて判定するようにしてもよい。この場合には、商品管理情報記憶部16の商品管理レコード160の商品内容データ領域に記録されている返済条件範囲や担保条件範囲を用いて判定する。
【0182】
・ 上記実施形態では、訪問前書類確認処理において、携帯端末10の端末制御部11は、持参書類の消込処理を実行する(ステップS5−4)。また、提供書類の確認において、携帯端末10の端末制御部11は、提供書類の消込処理を実行する(ステップS6−4)。ここで、提供書類に書類種別をコード化したコード画像を印刷しておき、このコード画像を読み取って、提供書類種別を特定して、消し込みを行なうようにしてもよい。この場合には、携帯端末10にスキャナ等の撮影手段を設けておく。
【0183】
また、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類の選択処理を実行する(ステップS6−8)。この場合には、回収書類に記載された文字の文字認識や、コード画像の読み取りによって回収書類種別を特定するようにしてもよい。これにより、手入力による書類種別の選択間違いを抑制しながら、効率的に提供書類や回収書類の消し込みを行なうことができる。
【0184】
また、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類に記載された文字を文字認識して、回収書類における確認事項の出力処理(ステップS6−9)を実行するようにしてもよい。この場合には、端末制御部11は、文字認識された文字を用いて、書類種別、記載項目、記載内容を特定し、メモリに仮記憶する。そして、端末制御部11は、特定した書類種別の商品管理レコード160を商品管理情報記憶部16から抽出する。次に、端末制御部11は、文字認識された記載項目が、商品管理レコード160の確認事項データ領域において要注意項目として記録されている場合には、要確認情報認識文字をタッチパネルディスプレイ10aに出力する。
【0185】
更に、回収書類に記載された文字を文字認識して、回収書類間整合性確認事項の出力処理(ステップS6−10)を実行するようにしてもよい。この場合には、文字認識された書類種別の商品管理レコード160の確認事項データ領域に記録された要注意項目を特定する。そして、端末制御部11は、商品管理レコード160に記録された要注意項目について、文字認識された書類種別に関連付けて記載内容をメモリに仮記憶する。そして、端末制御部11は、回収書類間整合性確認事項については、メモリに仮記憶された他の書類に記載された記載内容を、書類種別、要注意項目に基づいて特定し、回収書類間の記載内容を比較する。そして、端末制御部11は、比較結果に基づいて、一致不一致の整合性についての確認結果をタッチパネルディスプレイ10aに表示する。これにより、記載間違いや記載の不整合を抑制しながら、効率的に回収書類を回収することができる。
【0186】
・ 上記実施形態では、携帯端末10の端末制御部11は、回収書類における確認事項の出力処理を実行する(ステップS6−9)。ここで、回収書類に押印された印影を確認するようにしてもよい。この場合には、訪問前に、顧客コードに対応した顧客の印影の画像データを暗号化して、パスワードを設定して、携帯端末10に記憶させておく。そして、書類確認時に、パスワード入力によって、印影の画像データを復号し、携帯端末10のタッチパネルディスプレイ10aに表示する。そして、携帯端末10の端末制御部11は、印影の確認終了後に、画像データを消去する。これにより、印鑑間違いの有無を訪問先において確認することができる。
【0187】
・ 上記各実施形態では、携帯端末10において、訪問時処理や融資支援処理を実行した。この処理を実行するハードウェアは携帯端末10に限定されるものではなく、渉外支援サーバ20において実行するようにしてもよい。この場合には、無線通信により、携帯端末10において入力された各種情報を渉外支援サーバ20に送信する。これにより、携帯端末10の処理負荷を軽減することができる。
【符号の説明】
【0188】
10…携帯端末、10a…タッチパネルディスプレイ、10b…無線通信部、10c…実況取得部、11…端末制御部、111…支援管理手段、112…融資支援手段、113…収益予測手段、114…返済予測手段、115…書類確認手段、12…利用者管理情報記憶部、13…顧客管理情報記憶部、14…支援要否判定情報記憶部、15…ガイダンス情報記憶部、16…商品管理情報記憶部、17…書類管理情報記憶部、18…商品資料情報記憶部、20…渉外支援サーバ、21…サーバ制御部、211…支援者連絡手段、212…端末制御手段、213…実況転送手段、214…音声認識手段、215…メッセージ転送手段、216…審査支援手段、22…利用者管理情報記憶部、23…顧客管理情報記憶部、24…端末管理情報記憶部、25…支援制御情報記憶部、26…必要書類情報記憶部、27…取引管理情報記憶部、30,40…クライアント端末、50…プリンタ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段及び出力手段と、
顧客識別子に関連づけて、この顧客から回収すべき回収書類の書類種別に関する情報を記録した書類管理情報記憶手段と、
渉外支援サーバに接続された制御手段とを備え、訪問担当者が利用する渉外支援端末であって、
前記制御手段が、
顧客との間で行なわれる取引において必要な回収書類情報を前記渉外支援サーバから取得し、顧客識別子に関連づけて前記書類管理情報記憶手段に記録する手段と、
前記入力手段から、訪問先の顧客識別子を取得する手段と、
前記書類管理情報記憶手段を用いて、前記顧客識別子に関連づけられた回収書類の書類種別を特定する手段と、
前記訪問先の顧客から回収した回収書類の書類種別が、前記入力手段に入力された場合、前記書類種別に関連付けて、回収書類の消込情報を前記書類管理情報記憶手段に記録する手段と、
回収書類の消込状況を前記出力手段に出力し、まだ消し込まれていない不足書類がある場合には注意喚起を行なう手段と
を備えたことを特徴とする渉外支援端末。
【請求項2】
前記書類管理情報記憶手段には、書類種別に関連づけて要確認情報が記録されており、
前記制御手段が、回収書類の書類種別を特定した場合、前記書類種別の要確認情報を前記出力手段に出力する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の渉外支援端末。
【請求項3】
複数の回収書類間において整合すべき項目情報が記録されており、
前記制御手段が、回収書類の書類種別を取得した場合、既に回収書類の消込情報が記録されている書類種別が記録されている場合には、既に回収済みの書類種別と、新たに回収した書類種別との項目情報を前記出力手段に出力する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の渉外支援端末。
【請求項4】
前記制御手段が、回収書類を撮影した画像に基づいて書類種別を特定し、前記書類種別に基づいて、回収書類の消し込みを行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の渉外支援端末。
【請求項5】
前記制御手段が、
顧客との間で行なわれる取引において顧客に提供すべき提供書類の書類種別に関する情報を前記渉外支援サーバから取得し、顧客識別子に関連づけて前記書類管理情報記憶手段に記録する手段と、
前記入力手段から、訪問先の顧客識別子を取得する手段と、
前記書類管理情報記憶手段を用いて、前記顧客識別子に関連づけられた提供書類を特定する手段と、
前記訪問先の顧客に提供する提供書類の書類種別が、前記入力手段に入力された場合、前記書類種別に関連付けて、提供書類の消込情報を前記書類管理情報記憶手段に記録する手段と、
提供書類の消込状況を前記出力手段に出力し、まだ消し込まれていない不足書類がある場合には注意喚起を行なう手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の渉外支援端末。
【請求項6】
入力手段及び出力手段と、
顧客識別子に関連づけて、この顧客から回収すべき回収書類の書類種別に関する情報を記録した書類管理情報記憶手段と、
渉外支援サーバに接続された制御手段とを備え、訪問担当者が利用する渉外支援端末を用いて渉外活動を支援する方法であって、
前記制御手段が、
顧客との間で行なわれる取引において必要な回収書類情報を渉外支援サーバから取得し、顧客識別子に関連づけて前記書類管理情報記憶手段に記録する段階と、
前記入力手段から、訪問先の顧客識別子を取得する段階と、
前記書類管理情報記憶手段を用いて、前記顧客識別子に関連づけられた回収書類の書類種別を特定する段階と、
前記訪問先の顧客から回収した回収書類の書類種別が、前記入力手段に入力された場合、前記書類種別に関連付けて、回収書類の消込情報を前記書類管理情報記憶手段に記録することにより消し込む段階と、
回収書類の消込状況を前記出力手段に出力する段階と、
消込状況において、まだ消し込まれていない不足書類がある場合には注意喚起を行なう段階と
を実行することを特徴とする渉外支援方法。
【請求項7】
入力手段及び出力手段と、
顧客識別子に関連づけて、この顧客から回収すべき回収書類の書類種別に関する情報を記録した書類管理情報記憶手段と、
渉外支援サーバに接続された制御手段とを備え、訪問担当者が利用する渉外支援端末を用いて渉外活動を支援するプログラムであって、
前記制御手段を、
顧客との間で行なわれる取引において必要な回収書類情報を渉外支援サーバから取得し、顧客識別子に関連づけて前記書類管理情報記憶手段に記録する手段、
前記入力手段から、訪問先の顧客識別子を取得する手段、
前記書類管理情報記憶手段を用いて、前記顧客識別子に関連づけられた回収書類の書類種別を特定する手段、
前記訪問先の顧客から回収した回収書類の書類種別が、前記入力手段に入力された場合、前記書類種別に関連付けて、回収書類の消込情報を前記書類管理情報記憶手段に記録する手段、
回収書類の消込状況を前記出力手段に出力する手段、
消込状況において、まだ消し込まれていない不足書類がある場合には注意喚起を行なう手段
として機能させることを特徴とする渉外支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−73495(P2013−73495A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213270(P2011−213270)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)