説明

渋滞予測装置、ナビゲーション装置

【課題】
本発明では、イベントの進行状況に応じた観客の入退出を考慮して交通渋滞の予測をする渋滞予測装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明に係る渋滞予測装置では、イベントの開催情報に基づいて交通渋滞予測を行う渋滞予測装置であって、前記イベントの進行と共に変化する情報であって、前記イベントに関係する情報を取得するリアルタイム情報取得手段と、前記リアルタイム情報取得手段により取得した前記イベントに関係する情報に基づいて、前記イベントに関係する観客の入退出を予測する観客動向予測手段と、前記観客動向予測手段により予測した前記観客の入退出に基づいて、前記交通渋滞予測に関係する情報を生成する渋滞予測生成手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベントの進行と共に変化する情報であって、当該イベントに関係する情報に基づいて渋滞予測を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イベントの開催情報に基づき渋滞等の交通予測をする技術が公開されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−226977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記技術においては、イベントの進行状況に応じて観客の入退出が変動する場合に、その変動に伴う交通渋滞等の変化までは考慮されていないという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明では、上記問題点に鑑み、イベントの進行状況に応じた観客の入退出を考慮して交通渋滞の予測をする渋滞予測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る渋滞予測装置では、イベントの開催情報に基づいて交通渋滞予測を行う渋滞予測装置であって、前記イベントの進行と共に変化する情報であって、前記イベントに関係する情報を取得するリアルタイム情報取得手段と、前記リアルタイム情報取得手段により取得した前記イベントに関係する情報に基づいて、前記イベントに関係する観客の入退出を予測する観客動向予測手段と、前記観客動向予測手段により予測した前記観客の入退出に基づいて、前記交通渋滞予測に関係する情報を生成する渋滞予測生成手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る渋滞予測装置の一形態では、前記観客動向予測手段は、前記イベントに関係する情報を多変量解析することにより前記観客の入退出を予測することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る渋滞予測装置の一形態では、前記渋滞予測生成手段は、前記交通渋滞が発生すると予測される時刻に関係する情報を生成することを特徴とする。
【0008】
従って、本発明では、イベントの進行状況に応じた観客の入退出を考慮して交通渋滞の予測をする渋滞予測装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、イベントの進行状況に応じた観客の入退出を考慮して交通渋滞の予測をする渋滞予測装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0011】
(本実施の形態に係る渋滞予測装置の動作原理)
図1を用いて、本実施の形態に係る渋滞予測装置の動作原理を説明する。図1は、本実施の形態に係る渋滞予測装置100の動作原理を説明する図である。
【0012】
渋滞予測装置100は、有線通信ネットワーク又は無線通信ネットワークを介して、ナビゲーション装置300とデータ通信を行う。
【0013】
また、渋滞予測装置100とナビゲーション装置300とは、それぞれ独立して存在する装置として以下では説明を行うが、ナビゲーション装置300が本発明に係る渋滞予測装置100を有する形態としても良い。
【0014】
渋滞予測装置100は、イベント開催情報160と混雑情報170とを渋滞予測装置100が有する記憶装置に記憶している。
【0015】
ここで、イベント開催情報160とは、イベントが開催される日時、イベントが開催される場所等に関する情報である。例えば、イベント開催情報160は、図2に示すように、イベント毎にイベント識別用ID(#0001、#0002、…)が付与され、それぞれのイベントの開催日時、開催場所、内容(コンサート、花火大会、野球等)、開催時刻、終了時刻を含む情報である。
【0016】
図2において、#0001のイベントは野球であり、2004年の10月5日に、A球場において、18:00から21:00まで開催される。
【0017】
また、混雑情報170とは、イベントによって予想される混雑に関連する交通情報である。混雑情報170は、例えば、図3に示すように、イベント毎に、混雑が予想されるリンクID、交差点ノード、混雑時間帯及び混雑レベルを含む情報である。
【0018】
仮に、図4に示すように、駅近くで野球のイベントが開催されるとする。野球の開始時及び終了時には、野球場から駅に向かう道路#100には多くの人の流れが生じる。このため、道路#100と道路#102が交差する部分において混雑Aが発生する。また、野球場に最寄りの駐車場があると、駐車場と道路#104の合流部分において混雑Bが発生する。
【0019】
こうした場合、混雑情報170のリンクIDには、混雑が予想される道路#100、#102が示される。また、混雑が予想される地点を表すために、交差点ノードとして、道路#100と道路#102が交差するノードAと、駐車場と道路#104の合流するノードBが示される。
【0020】
混雑時間帯は、単一の時間帯であっても良いし、複数の時間帯であっても良い。例えば、野球であれば、開始する時間から終了するまでの時間(18:00〜21:00)とするか、あるいは開始時間を基準にした一定の時間帯(17:30〜18:30)と終了時間と基準にした一定の時間帯(20:30〜21:30)を示す。また、混雑レベルは、例えば、曜日、収容可能な来客人数、道路種別(例えば、道路の車線数)を考慮して決定することができる。
【0021】
渋滞予測装置100は、リアルタイム情報取得手段110、観客動向予測手段120、渋滞予測生成手段130、渋滞予測記憶手段140、渋滞予測送信手段150を有する。
【0022】
リアルタイム情報取得手段110は、有線通信又は無線通信を介して、リアルタイム情報180を取得する。
【0023】
ここで、リアルタイム情報180とは、イベントの進行と共に変化する情報であって、当該イベントに関係する情報である。例えば、リアルタイム情報180は、イベントが野球である場合、出場選手、ランナーの居る塁、得点差等、試合の経過の中で変化する情報である。
【0024】
さらに、リアルタイム情報180は、イベントが野球である場合、シーズンの残り試合数、対戦チームの順位等、試合の位置づけに関係する情報も含むこととする。
【0025】
観客動向予測手段120は、リアルタイム情報取得手段110により取得されたリアルタイム情報180に基づき、観客の入退出を予測する。
【0026】
ここで、観客の入退出とは、イベントが開催される会場へ入場する観客及びイベントが開催される会場から退場する観客に関係する情報である。当該観客の入退出は、イベントのリアルタイム情報180に連動して変化する。
【0027】
例えば、観客動向予測手段120は、イベントが開催される会場へ入場する観客数と、イベントが開催される会場から退場する観客数とを別々に予測し、これら個々の予測を足し合わせることにより観客の入退出を予測しても良い。
【0028】
一方、観客動向予測手段120は、イベントが開催される会場へ入場する観客数と、イベントが開催される会場から退場する観客数とのネット値を予測し、直接、観客の入退出を予測しても良い。
【0029】
また、観客動向予測手段120は、リアルタイム情報180と観客の入退出との実績データに対し多変量解析を行い、イベント開催後、その解析結果とアルタイム情報取得手段110により取得されるリアルタイム情報180とを用いて観客の入退出を予測する。
【0030】
ここで、リアルタイム情報取得手段110がリアルタイム情報180を取得する時刻をtとした場合に、観客動向予測手段120は、例えば、当該時刻tを基準として10分後、20分後、30分後等、所定の時間毎の観客の入退出を予測し、これらの予測値を用いて、観客の入退出に関係する時系列データを生成するとしても良い。
【0031】
渋滞予測生成手段130は、観客動向予測手段120により予測された観客の入退出情報に基づいて、交通渋滞予測に関係する情報を生成する。
【0032】
ここで、渋滞予測生成手段130は、上記観客の入退出情報から直接的に交通渋滞予測に関係する情報を生成する形態としても良い。この場合には、渋滞予測生成手段130は、観客の入退出情報を交通渋滞予測に関係する情報に写像するための関数を保持し、当該関数に観客の入退出情報を当てはめることで、交通渋滞予測に関係する情報を生成する。
【0033】
また、渋滞予測生成手段130の一形態では、交通渋滞が発生する開始時刻と終了時刻とを予測する。このとき、渋滞予測生成手段130は、混雑度合いの時系列データを生成し、当該時系列データと混雑レベルを示す所定の閾値との交点をもって、交通渋滞の開始時刻と終了時刻とを予測する。
【0034】
例えば、図3、図5に示すように、ID#0001に係る当初の混雑時間帯は「T1−T2」であったとする。そして、渋滞予測生成手段130は、混雑度合いの時系列データを生成し、当該時系列データと混雑レベル「高」との交点をT1’、T2’と算出する。すると、渋滞予測生成手段130は、図6に示すように、ID#0001に係る混雑時間帯を「T1’−T2’」とした新たな交通渋滞予測に関係する情報を生成する。
【0035】
他方、観客動向予測手段120は、リアルタイム情報180と混雑情報170との実績データに対し多変量解析を行い、その解析結果とリアルタイム情報取得手段110により取得されるリアルタイム情報180とを用いて、直接、混雑情報170を生成する形態としても良い。
【0036】
渋滞予測記憶手段140は、渋滞予測装置100の有する記憶装置に記憶している混雑情報170を、渋滞予測生成手段130により生成された交通渋滞予測に関係する情報に変更して記憶する。
【0037】
渋滞予測送信手段150は、有線通信又は無線通信を利用して、渋滞予測装置100の有する記憶装置に記憶している混雑情報170をナビゲーション装置300に対し送信する。渋滞予測送信手段150は、ナビゲーション装置300からの混雑情報170の送信要求に応答して当該情報を送信する形態としても良い。また、渋滞予測送信手段150は、所定の時間毎、自動的に、ナビゲーション装置300に対し混雑情報170を送信する形態としても良い。
【0038】
一方、混雑情報170を利用する装置であるナビゲーション装置300は、渋滞予測受信手段310を有する。
【0039】
渋滞予測受信手段310は、有線通信又は無線通信を利用して、混雑情報170を受信する。渋滞予測受信手段310は、渋滞予測装置100に対して混雑情報170の送信を行うように要求し、当該要求に応じた渋滞予測装置100から送信される混雑情報170を受信する形態としても良い。
【0040】
以下で、渋滞予測装置100の処理の流れを説明する。
【0041】
ここで、渋滞予測装置100は、図2に示すようなイベント開催情報160と図3に示すような混雑情報170とを記憶装置に記憶しているものとする。
【0042】
はじめに、リアルタイム情報取得手段110が、リアルタイム情報180を取得する。そして、観客動向予測手段120が、リアルタイム情報取得手段110により取得されたリアルタイム情報180を用いて、当該リアルタイム情報180に関係するイベントの観客の入退出を予測する。この場合、観客動向予測手段120は、リアルタイム情報180と観客の入退出との実績データに対する多変量解析を行い、当該解析結果を利用して、観客の入退出を予測する。
【0043】
リアルタイム情報180は、イベントの進行と共に変化する情報であり、当該情報を利用することで、観客の入退出に関しイベントの進行具合を考慮した予測をすることができる。
【0044】
次に、渋滞予測生成手段130が、観客動向予測手段120により予測された観客の入退出に関係する情報に基づき、交通渋滞予測に関係する情報を生成する。例えば、図6に示すように、ID#0001の混雑時間帯を「T1’−T2’」とした交通渋滞予測に関係する情報を生成する。
【0045】
上記のように、交通渋滞に関してもイベントの進行具合を考慮した予測が可能となる。
【0046】
さらに、渋滞予測記憶手段140が、渋滞予測生成手段130により生成された交通渋滞予測に関係する情報を用いて、記憶装置に記憶される混雑情報170を上書き保存する。
【0047】
そして、ナビゲーション装置300から混雑情報170の送信要求があった場合、渋滞予測送信手段150が、ナビゲーション装置300に対して混雑情報170を送信する。
【0048】
一方、渋滞予測受信手段310が、混雑情報170を受信して、ナビゲーション装置300が、当該混雑情報170を用いてルート案内等のナビゲーションを実施する。
【0049】
このような処理を通して、イベントの進行状況に応じた観客の入退出を考慮して交通渋滞の予測をする渋滞予測装置を提供することができる。
【0050】
(本実施の形態に係る渋滞予測装置のハードウェア構成)
図7を用いて、本実施の形態に係る渋滞予測装置のハードウェア構成について説明する。図7は、本実施の形態に係る渋滞予測装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0051】
渋滞予測装置100は、CPU(Central Processing Unit)210、ROM(Read−Only Memory)220、RAM(Ramdom Access Memory)230、HDD(Hard Disk Drive)240、通信I/F(InterFace)250、表示装置260を有する。
【0052】
CPU210は、ROM220に記憶されたプログラムを実行する装置で、RAM230に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、渋滞予測装置100の全体を制御する。
ROM220は、CPU210が実行するプログラムやデータを記憶している。
RAM230は、CPU210でROM220に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0053】
HDD240は、基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、本実施の形態に関係するアプリケーションプログラムや機能拡張用のプラグインなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。
本実施の形態では、HDD240は、イベント開催情報160、混雑情報170を記憶している。
【0054】
通信I/F250は、通信ネットワークを介して接続された他の通信制御機能を備えた周辺機器と情報(データ)をやり取りするインタフェースである。
本実施の形態では、通信I/F250を介し有線通信ネットワーク又は無線通信ネットワークを通じて、リアルタイム情報180の受信を行ったり、ナビゲーション装置300と混雑情報170等の送受信を行う。
【0055】
表示装置260は、ハードキーによるキースイッチとLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、渋滞予測装置100が有する機能をユーザが利用する際や、各種設定を行う際などのユーザインタフェースとして機能する装置である。
【0056】
以下で、渋滞予測装置100の処理の流れを、各処理で使用するハードウェアを含めて説明する。ただし、各手段は、CPU210が、ROM220又はHDD240に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現されるため、この点に関しては説明を省略する。
【0057】
ここで、渋滞予測装置100は、図2に示すようなイベント開催情報160と図3に示すような混雑情報170とをHDD240に記憶しているものとする。
【0058】
はじめに、リアルタイム情報取得手段110が、通信I/F250を介してリアルタイム情報180を取得する。そして、観客動向予測手段120が、リアルタイム情報取得手段110により取得されたリアルタイム情報180を用いて、当該リアルタイム情報180に関係するイベントの観客の入退出を予測する。
【0059】
この場合、観客動向予測手段120は、予めリアルタイム情報180と観客の入退出との実績データに対する多変量解析を行い、その解析結果をHDD240に記憶している。そして、観客動向予測手段120は、HDD240から読み出した当該解析結果にリアルタイム情報180を当てはめて、観客の入退出の予測を行う。
【0060】
次に、渋滞予測生成手段130が、観客動向予測手段120により予測された観客の入退出に関係する情報に基づき、交通渋滞予測に関係する情報を生成する。ここでは、図6に示すように、ID#0001の混雑時間帯を「T1’−T2’」とした交通渋滞予測に関係する情報を生成する。
【0061】
さらに、渋滞予測記憶手段140が、渋滞予測生成手段130により生成された交通渋滞予測に関係する情報を用いて、HDD240に記憶される混雑情報170を上書き保存する。
【0062】
そして、ナビゲーション装置300から混雑情報170の送信要求があった場合、当該送信要求に応じて、渋滞予測送信手段150が、通信I/F250を介して混雑情報170を送信する。
【0063】
(本実施の形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成)
図8を用いて、本実施の形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成について説明する。図8は、本実施の形態に係るナビゲーション装置300のハードウェア構成の一例を示す図である。
ナビゲーション装置300は、CPU320、ROM330、RAM340、HDD350、通信I/F360、表示装置370を有する。
【0064】
CPU320は、ROM330に記憶されたプログラムを実行する装置で、RAM340に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、ナビゲーション装置300の全体を制御する。
ROM330は、CPU320が実行するプログラムやデータを記憶している。
RAM340は、CPU320でROM330に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0065】
HDD350は、基本ソフトウェアであるOS、本実施の形態に係るアプリケーションプログラムや機能拡張用のプラグインなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。本実施の形態では、HDD350は、イベント開催情報160、混雑情報170を記憶している。
【0066】
通信I/F360は、通信ネットワークを介して接続された他の通信制御機能を備えた周辺機器と情報(データ)をやり取りするインタフェースである。本実施の形態では、通信I/F360を介し有線又は無線の通信ネットワークを通じて、渋滞予測装置100と混雑情報170等の送受信を行う。
【0067】
表示装置370は、ハードキーによるキースイッチとLCDとから構成され、ナビゲーション装置300が有する機能をユーザが利用する際や、各種設定を行う際などのユーザインタフェースとして機能する装置である。また、表示装置370には、ナビゲーション装置300によるルート案内に関係する情報も表示される。
【0068】
以下で、ナビゲーション装置300の処理の流れを、各処理で使用するハードウェアを含めて説明する。ただし、各手段は、CPU320が、ROM330又はHDD350に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現されるため、この点に関しては説明を省略する。
【0069】
渋滞予測受信手段310が、通信I/F360を介し混雑情報170を受信する。そして、ナビゲーション装置300は、当該混雑情報170をHDD350に記憶し、これを用いてルート案内等のナビゲーションを実施する。
【0070】
(本実施の形態に係る渋滞予測装置の動作処理)
図9を用いて、本実施の形態に係る渋滞予測装置の動作処理について説明する。図9は、本実施の形態に係る渋滞予測装置100の処理例を示すフローチャートである。
S1で渋滞予測装置100は処理を開始する。
【0071】
S2でリアルタイム情報取得手段110が、リアルタイム情報180を取得する。ここで、リアルタイム情報180とは、野球の試合における出場選手、ランナーの居る塁、得点差等の試合の経過の中で変化する情報である。
【0072】
S3で観客動向予測手段120が、イベント情報160とリアルタイム情報取得手段110により取得されたリアルタイム情報180とに基づき、観客の入退出を予測する。このとき、観客動向予測手段120は、リアルタイム情報180と観客の入退出との実績データに対し多変量解析を行い、得られた解析結果にリアルタイム情報180を当てはめることで、観客の入退出を予測する。
【0073】
S4で渋滞予測生成手段130が、観客動向予測手段120により予測された観客の入退出情報に基づいて、交通渋滞予測に関する情報を生成する。具体的には、当初図3に示すようにID#0001の混雑時間帯が「T1−T2」と予測されていたところ、渋滞予測生成手段130は、図4に示すようにID#0001の混雑時間帯を「T1’−T2’」とする交通渋滞予測に関する情報を生成する。
【0074】
S6で混雑情報170と渋滞予測生成手段130により生成された交通渋滞予測に関する情報とが異なる場合(S6でYesの場合)、S7で渋滞予測記憶手段140が、渋滞予測生成手段130により生成された交通渋滞予測に関する情報を用いて、混雑情報170を上書き保存する。
【0075】
S6で混雑情報170と渋滞予測生成手段130により生成された交通渋滞予測に関する情報とが同じである場合(S6でNoの場合)、渋滞予測装置100はS8の処理に移行する。
【0076】
S8で渋滞予測装置100が処理の終了命令を受信した場合(S8でYesの場合)、S9で渋滞予測装置100は処理を終了する。
【0077】
S8で渋滞予測装置100が処理の終了命令を受信しない場合(S8でNoの場合)、S2で渋滞予測装置100は待機する。
【0078】
(本実施の形態に係るナビゲーション装置の動作処理)
図10を用いて、本実施の形態に係るナビゲーション装置の動作処理について説明する。図10は、本実施の形態に係るナビゲーション装置300の処理例を示すフローチャートである。ここで、ナビゲーション装置300は、イベント開催情報160と混雑情報170とをHDD350に記憶しているものとする。
S11でナビゲーション装置300は処理を開始する。
【0079】
S12でナビゲーション装置300が、目的地を設定し、現在位置から目的地までのルートを探索する。
【0080】
S13でナビゲーション装置300が、当日、イベントが開催されると検知した場合(S13でYesの場合)、S14でナビゲーション装置300が、当該イベント開催地への予定到着時刻を算出する。
【0081】
S13でナビゲーション装置300が、当日、イベントが開催されると検知しない場合(S13でNoの場合)、S19でナビゲーション装置300が、現在位置から目的地までのルートを探索する。
【0082】
S15でナビゲーション装置300が、S14で算出したイベント開催地への到着予定時刻とイベント開催情報160に記憶されるイベントの開催予定時刻とが重なると判定した場合(S15でYesの場合)、S16でナビゲーション装置300が、当該イベントに関係する混雑情報170の有無を検知する。
【0083】
S17でナビゲーション装置300が、当該イベントに関係する混雑情報170があると検出した場合(S17でYesの場合)、S18で渋滞予測受信手段310が、渋滞予測装置100に対し最新の混雑情報170の送信を要求する。
【0084】
それに応じて、渋滞予測送信手段150が、最新の混雑情報170を送信する。
【0085】
そして、S18で渋滞予測受信手段310が、最新の混雑情報170を受信し、S19でナビゲーション装置300が、当該最新の混雑情報170を利用して、現在位置から目的地までのルートを探索する。
【0086】
S17でナビゲーション装置300が、当該イベントに関係する混雑情報170があると検出しない場合(S17でNoの場合)、S19でナビゲーション装置300は、現在位置から目的地までのルートを探索する。
【0087】
S20でナビゲーション装置300が、表示装置370にS19で探索したルートを表示する。
【0088】
S21でナビゲーション装置300が処理終了の命令を受信した場合(S21でYesの場合)、S22でナビゲーション装置300は処理を終了する。
【0089】
S21でナビゲーション装置300が処理終了の命令を受信しない場合(S21でNoの場合)、S12でナビゲーション装置300は待機する。
【0090】
(総括)
上記のような処理を通して、例えば、イベントが野球の試合の場合には、当該試合に出場している選手、ランナーの居る塁、得点差等、試合の経過の中で変化する情報を用いて、観客の入退出を予測するため、刻一刻と変化するイベントの状況に合わせ観客の入退出を予測することができる。
さらに、その観客の入退出予測を用いて交通渋滞の発生を予測するため、イベントの状況に合わせた交通渋滞予測が可能となる。
従って、本発明では、イベントの進行状況に応じた観客の入退出を考慮して交通渋滞の予測をする渋滞予測装置を提供することができる。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本実施の形態に係る渋滞予測装置の動作原理を示した図である。
【図2】本実施の形態に係るイベント情報の一例を示した図である。
【図3】本実施の形態に係る混雑情報の一例を示した図である。
【図4】本実施の形態に係る混雑情報を説明するための図である。
【図5】本実施の形態に係る混雑情報の生成を説明するための図である。
【図6】本実施の形態に係る混雑情報の一例を示した図である。
【図7】本実施の形態に係る渋滞予測装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図8】本実施の形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図9】本実施の形態に係る渋滞予測装置の処理例を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態に係るナビゲーション装置の処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0093】
100 渋滞予測装置
110 リアルタイム情報取得手段
120 観客動向予測手段
130 渋滞予測生成手段
140 渋滞予測記憶手段
150 渋滞予測送信手段
160 イベント開催情報
170 混雑情報
180 リアルタイム情報
210、320 CPU
220、330 ROM
230、340 RAM
240、350 HDD
250、360 通信I/F
260、370 表示装置
300 ナビゲーション装置
310 渋滞予測受信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントの開催情報に基づいて交通渋滞予測を行う渋滞予測装置であって、
前記イベントの進行と共に変化する情報であって、前記イベントに関係する情報を取得するリアルタイム情報取得手段と、
前記リアルタイム情報取得手段により取得した前記イベントに関係する情報に基づいて、前記イベントに関係する観客の入退出を予測する観客動向予測手段と、
前記観客動向予測手段により予測した前記観客の入退出に基づいて、前記交通渋滞予測に関係する情報を生成する渋滞予測生成手段と、を有することを特徴とする渋滞予測装置。
【請求項2】
前記観客動向予測手段は、前記イベントに関係する情報を多変量解析することにより前記観客の入退出を予測することを特徴とする請求項1に記載の渋滞予測装置。
【請求項3】
前記渋滞予測生成手段は、前記交通渋滞が発生すると予測される時刻に関係する情報を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の渋滞予測装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一に記載の渋滞予測装置を備えたナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−251969(P2009−251969A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99794(P2008−99794)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】