説明

減圧下での線状創傷閉合クッションおよびそのシステム

【課題】鋭い傷口を閉じるためにステープルあるいは縫合糸を用いることは、望ましくない副作用をもたらすことがある。
【解決手段】減圧線状創傷閉合クッション(126)は、減圧の影響を受けて展開位置から収縮位置に移動する回動可能なフレーム(130)を具える。この閉合クッション(126)は、第1閉合部材(132)と、第2閉合部材(146)と、内側空間を有する。内側空間(174)にマニフォールド部材が配置されており、回動可能なフレーム(130)に連結されている。減圧が適用されると、回動可能なフレーム(130)は展開位置から収縮位置に押圧される。第1閉合部材から線状創傷の第1エッジ(106)に閉合力を伝える第1把持部材(145)が取り付けられている。同様に、第2閉合部材(146)から線状創傷の第2エッジ(108)に閉合力を伝える第2把持部材(159)も取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本発明は、2008年5月30日提出の米国暫定特許出願第61/057,803号「Reduced−Pressure Linear−Wound Treatment System」、及び2008年7月3日提出の米国暫定特許出願第61/078,114号「Reduced−Pressure,Linear Wound Closing Bolster and System」について35USC119条(e)の利益を主張する。これらの暫定出願はいずれもすべての目的において参照により本書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般的に医療システムに関するものであり、より具体的には、減圧下での線状創傷閉合クッションおよびそのシステムに関する。
【0003】
毎年全世界で外科医は数百万件もの手術を行っている。これら施術の多くは観血手術として行われ、関節鏡手術、腹腔鏡手術、内視鏡手術などの低侵襲手術法を用いて行う手術が増えている。しかしながら、行われる外科的手術は、例えば切開創のように皮膚および関連する細胞を切開することで、鋭い創傷を伴う。多くの事例において、切開創は手術が終わるときに、ステープルあるいは縫合糸のような機械的な手段で閉じられ、乾燥した殺菌済みの包帯で覆われるに過ぎない。
【0004】
鋭い傷口を閉じるためにステープルあるいは縫合糸を用いることは、望ましくない副作用をもたらすことがある。例えば、ステープルや縫合糸は傷口のエッジ部分に近接した部位で用いることができるが、このような機械的に閉合する手段同士の間にピッタリと閉じられないギャップもしくは領域ができてしまう。これは、閉合手段近傍の、比較的ストレスが小さくなっている領域の近傍にストレスの大きい領域を発生させてしまうことになり、逆に傷跡や治癒期間そして傷口の耐性に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0005】
線状創傷を治療するある態様の幾つかの欠点は、本願に開示されている数々の実施例の中で説明されているとおり、本発明が解決しようとする課題である。「線状創傷」とは、一般に直線状またはそれ以外の裂傷または切り傷をいう。図に示す実施例によれば、線状創傷を処置するための減圧下でこれを閉合するクッションが、第1閉合部材と第2閉合部材と内部空間とを有する回動可能なフレームを具えている。この回動可能なフレームは、展開位置と収縮位置との間で動くように操作可能である。この閉合クッションは更に、内部空間に配置されたマニフォールド部材と、第1閉合部材に連結した第1把持部材と、第2閉合部材に連結した第2把持部材とを具えている。第1把持部材は、第1閉合部材から線状創傷の第1エッジに向けて閉合力を伝達するためのものである。第2把持部材は、第2閉合部材から線状創傷の第2エッジに向けて閉合力を伝達するためのものである。
【0006】
図に示す別の実施例によれば、クッションは、線状創傷の第1側部に配置した第1閉合部材と、線状創傷の第2側部に配置した第2閉合部材と、第1の連結部材とを具えている。このクッションはまた、第1閉合部材の一部と連結部材とを連結する第1ピボットコネクタと、第2閉合部材の一部と連結部材とを連結する第2ピボットコネクタと、そして第1閉合部材の内側表面および第2閉合部材の内側表面とに連結したマニフォールド部材とを具えている。このマニフォールド部材は減圧下におかれると収縮する。クッションはまた、減圧を送達するためにマニフォールドと流体連結されたインターフェースを具えている。
【0007】
図に示す別の実施例によれば、減圧下で線状創傷を治療するシステムが、患者の皮膚の上で線状創傷の上に配置するクッションを具えており、展開位置と収縮位置の間で動くように操作可能である。このクッションは、内部空間を持った回動可能なフレームと、この内部空間内に配置されて回動可能なフレームに連結したマニフォールドを具えている。システムは、クッションと患者との間を流体的にシールするシーリングサブシステムと、このシーリングサブシステムに減圧を送達する減圧サブシステムとを具えている。シーリングサブシステムと減圧サブシステムは、クッションに減圧を送達するように操作可能であり、そしてクッションは減圧下において収縮位置になり、それによって内側に向かう力を発生させるように動作する。
【0008】
図に示す一実施例によれば、異方性の減圧クッションは、縦方向よりも横方向でより大きく収縮するように減圧下で動作する異方性のマニフォールド部材を具えている。この異方性のマニフォールド部材は、フレキシブルなマニフォールド材でできた複数の縦方向マニフォールド部材と、複数の補強部材と、そしてこれら複数の縦方向マニフォールド部材および複数の補強部材とを連結させて形成した異方性のクッション本体とを具えている。この異方性クッション本体は減圧下において、複数の補強部材と平行に、と云うよりも垂直方向に収縮するよう動作する。
【0009】
図示された別の実施例によれば、患者の線状創傷に対してこれを閉じるような力を掛ける方法においては、線状創傷を閉合するためのクッションに減圧を提供するステップが具えられている。そこでは、減圧下で線状創傷を閉合するためのクッションは、マニフォールド部材と、内部空間および第1閉合部材と第2閉合部材を持った回動可能なフレームとを具えている。第1閉合部材は第1の縦方向エッジと第2の縦方向エッジを持っている。第2閉合部材も第1の縦方向エッジと第2の縦方向エッジを持っている。この方法は、第1閉合部材の第2の縦方向エッジを線状創傷の第1エッジ近傍に置き、第2閉合部材の第2の縦方向エッジを線状創傷の第2エッジ近傍に置くと云うステップを含んでいる。この方法はまた、回動可能なフレームと患者の皮膚との間の流体シールを形成し、減圧サブシステムをマニフォールド部材の連結部に連結し、そして減圧源を起動するステップを含んでいる。
【0010】
図に示す別の実施例によれば、減圧下での線状創傷閉合クッションの製造方法が、第1閉合部材と第2閉合部材とそして内部空間とを有し、展開位置と収縮位置との間で動くように動作する回動可能なフレームを形成するステップを具えている。この方法は、マニフォールド部材を内部空間内に配置し、閉合力を第1閉合部材から線状創傷の第1エッジに伝達するように動作可能な第1把持部材を提供するステップを具えている。この方法は更に、閉合力を第2閉合部材から線状創傷の第2エッジに伝達するように動作可能な第2把持部材提供するステップも具えている。この方法は更に、減圧がかかったときに回動可能なフレームが展開位置から収縮位置に変わるように、マニフォールド部材を回動可能なフレームに連結するステップも具える。
【0011】
一の図に示す実施例によれば、線状創傷を処置するための減圧下での線状創傷閉合クッションが、第1閉合部材と、第2閉合部材と、当該第1閉合部材と第2閉合部材とを連結する回動式コネクタと、第1閉合部材と第2閉合部材とによって少なくとも部分的に形成された内部空間とを具えている。回動式コネクタは、展開位置と収縮位置との間で動くように動作する。閉合クッションは更に、内部空間内に配置されていて減圧がかかったときに回動可能なフレームが展開位置から収縮位置に動くように、第1閉合部材と第2閉合部材とに連結されたマニフォールド部材を具えている。クッションはまた、第1閉合部材から線状創傷の第1エッジに閉合力を伝えるための第1把持部材と、第2閉合部材から線状創傷の第2エッジに閉合力を伝えるための第2把持部材とを具えている。
【0012】
図に示す実施例は、数々の利点を提示するものである。その2〜3の例は次のとおりである。図に示す実施例についての技術的利点は、治癒過程において創傷部位がより大きい力に耐えられる、と云う点を含むことであると考えられる。加えて、もしこれがなければ緊密且つ滑らかに近寄らない創傷エッジが、近づいてきたエッジと密着した位置で治癒するのである。創傷部位が強度を得るのに必要な時間も減少することになろう。また、創傷部位における傷痕の形成も減少する。これらはまさに起こり得る事例の幾つかに過ぎない。
【0013】
図に示す実施例のその他の目的や特徴および長所は、図面を参照しながら以下に述べる詳細な説明の中で明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明に係る方法および装置は、添付図面と共に、以下に掲げる詳細な説明を参照することによって、いっそう完全な理解が得られるであろう。
【図1】図1は、線状創傷を減圧下で閉合するシステムの一実施例を概略的に示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示す実施例における第1閉合部材の詳細を示す概略図である。
【図3A】図3Aは、線状創傷の減圧下閉合用クッションの実施例を展開位置で示した概略断面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示すクッションを展開位置で示した概略斜視図である。
【図3C】図3Cは、図3Aおよび図3Bに示すクッションを収縮位置で示した概略斜視図である。
【図4】図4は、線状創傷を減圧下で閉合するシステムに送達した動的減圧の一パターンを示す概略図である。
【図5】図5は、加えらる力と並行なコラーゲンの展開を示す、線状創傷の概略断面図である。
【図6】図6は、閉合クッションの別の実施例の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に述べる実施例の詳細な説明においては、説明の一部をなしている添付図面を参照しており、本発明が実施される好ましい具体例を図を用いて示している。これらの実施例は、当業者が本発明を実施できるよう充分詳細に記載されており、その他の実施例を利用することができ、本発明の精神とその範囲から逸脱することなく、論理的、機械的、電気的、化学的にこれらを変更することができると理解するべきである。当業者が本発明を実施することができ、不必要かつ些末な事項を避けるために、説明中当業者にとって公知な情報等は省略してある。従って、以下に述べる詳細な説明は、限定的なものと解されるべきではなく、また、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ規定される。
【0016】
図1および図2を参照すると、裂傷などの線状創傷102、より典型的には切開創104を治療する、減圧下で線状創傷を閉合するシステム100の一つの実施例が示されている。線状創傷102には、第1エッジ106および第2エッジ108がある。線状創傷102は異なる深さに広がることがあるが、ここでは、表皮110および真皮112を経て皮下組織細胞に達した、あるいは下皮114に達した切開創104として示す。
【0017】
医療アセンブリ118は線状創傷102の上に配置されており、内側向の力あるいは閉合する力120を提供する減圧と共に使用され、同様に圧縮力122も発現する。医療用品アセンブリ118は、展開位置(例えば図1)と収縮位置との間で移動可能なクッション126を具えている。シーリングサブシステム178は、医療アセンブリ118と患者の表皮110との間に流体シールを提供する。減圧サブシステム188は、医療アセンブリ118の内側部分に減圧を提供して、閉合クッション126を展開位置から収縮位置に変え、それによって内側向きの閉合力124を線状創傷102の第1エッジ106と第2エッジ108との双方に提供する。
【0018】
閉合力120は、主に表皮110と真皮112の内部に残る。閉合力120は、線状創傷102の第1エッジ106と第2エッジ108がピッタリと円滑に近づくようにする。加えて、システム100は、皮下ボイドのレベルでも認識できる切開創104に減圧を提供するように操作可能であり、組織を互いに接近させる。ここでは、この領域も同様に空気や他の流体を除去するように働く。ここで使われている「流体」と云う語は、一般的に気体もしくは液体を意味するが、その他の流動体も含む。下向き(図1に方向付けられている)に圧縮力122も発現する。
【0019】
医療用品アセンブリ118は、閉合クッション126とオーバードレープ180を具える。クッション126は様々な方法で作ることができ、減圧下に置かれたときに閉合力120を発現する効果を有する。システム100は更に、圧縮力122を提供し、同時に減圧療法用として減圧を線状創傷102に配分する。
【0020】
図1に示す実施例においては、クッション126に、回動可能なフレーム130が形成されている。図1の回動可能なフレーム130を形成するべく、第1閉合部材132と第2閉合部材146と連結部材160は、以下に述べるように連結されている。回動可能なフレーム130の部材は、例えば医療用グレードのシリコーンなどの材料で作られている。回動可能なフレーム130の部材は、押出成形や、鋳造あるいは射出成形もしくはブロー成形によって、あるいはその他の製造技法によって作られる。回動可能なフレーム130は、表皮110上で線状創傷102上方で展開するので、その端部(第1端部と第2端部、あるいは近位端と遠位端)が開放されているが、使用に際してはオーバードレープ180で覆われている。
【0021】
第1閉合部材132は、第1の縦方向エッジ134と、第2の縦方向エッジ136と、第1の横方向エッジ(図3Bにおける横方向エッジ238と類似する)と、第2の横方向エッジ(図3Bにおける横方向エッジ240と類似する)と、内側表面142と、横軸144(図2)を有する。同様に、第2閉合部材146は、第1のエッジ148と、第2の縦方向エッジ150と、第1の横方向エッジ(図3Bにおける横方向エッジ252と類似する)と、第2の横方向エッジ(図3Bにおける横方向エッジ254と類似する)と、内側表面156と、軸144(図2)に類似する横軸を有する。連結部材160は、第1の縦方向エッジ162と、第2の縦方向エッジ164と、第1の横方向エッジ(図3Bにおける第1の横方向エッジ266と類似する)と、第2の横方向エッジ(図3Bにおける第2の横方向エッジ268と類似する)とを有する。
【0022】
第1閉合部材132の第1の縦方向エッジ134は、第1ピボットコネクタ170によって連結部材160の第1の縦方向エッジ162に連結されている。第2閉合部材146の第1の縦方向エッジ148は、第2ピボットコネクタ172によって連結部材160の第2の縦方向エッジ164に連結されている。回動可能に連結された第1閉合部材132と第2閉合部材146と、連結部材160は、共に回動可能なフレーム130を形成し、更に内側空間174を形成している。一の変形例においては、回動可能なフレーム130が、第1ピボットコネクタ170を用いて、第1閉合部材132の第1の縦方向エッジ134を第2閉合部材146の第1の縦方向エッジ148に連結するように構成されている。
【0023】
第1の回動コネクタ170は、第1閉合部材132の第1の縦方向エッジ134を連結部材160の第1の縦方向エッジ162(あるいは第2閉合部材146の第1の縦方向エッジ143に取り付けて保持し、相対的に移動させる何らかの装置またはシステムである。第1のピボットコネクタ170は例えば、連続ヒンジ、一体ヒンジ、蝶ヒンジ、帯ヒンジ、フィラメントテープ連結、テープ、その他であてもよい。ピボットコネクタ170はまた、端部に沿ってシートを折り畳んだり曲げたりすることができるようになったシート状材料にエンボスされていてもよい。コネクタ172などのその他のコネクタも、このパラグラフで例示したような、どのようなタイプのコネクタであってもよいものとする。
【0024】
第1把持部材145は、第1閉合部材132の第2の縦方向エッジ136に連結されており、第2把持部材159は、第2閉合部材146の第2の縦方向エッジ150に連結されている。把持部材145および159は、それぞれ第1の接着剤ストリップ147と第2の接着剤ストリップ161であってもよい。代替的に、第2の縦方向エッジ136および150は、例えばソフトシリコーンのような摩擦力が大きい部材を有し、第2の縦方向エッジ136および150の動きによって患者の皮膚が動いたときでも両者の間で特段の滑りが生じないように、皮膚との摩擦インターフェースを提供することができる。把持部材145と159は、閉合部材132と146から患者の皮膚に向けて、内側に向けた閉合力120を伝達するように動作するものであり、それによって線状創傷102の第1エッジ106と第2エッジ108とを近接させる。
【0025】
マニフォールド部材175は、回動可能なフレーム130の内側空間174内に配置されており、第1閉合部材132の内側表面142と第2閉合部材146の内側表面156とに連結することができる。代替の実施例においては、マニフォールド部材175が内部空間174に連結されておらず、減圧は主に第1閉合部材132と第2閉合部材146を互いに向けて動かす。マニフォールド部材175は、減圧下に置かれたときに収縮し、線状創傷102に減圧を送達するように動作する。マニフォールド部材175は、様々なマニフォールド材で作ることができる。
【0026】
ここで名詞として用いられている用語「マニフォールド」は、通常、組織部位に減圧を適用し、流体を送達し、あるいはそこから流体を除去するのを補助するために設けた物質または構造を意味する。一の実施例において、マニフォールド部材175はポーラス状で透過性を持つ発泡材料で作られており、より具体的には、減圧下において創傷部の滲出液を通す良好な透過性を有する、網状オープンセル型のポリウレタン・フォームあるいはポリエーテル・フォームでできている。使用されているこのような発泡材料の一つは、テキサス州サン・アントニオ市のキネティック・コンセプト社(KCI)から入手可能なVAC(登録商標)、Granufoam(登録商標)治療用品である。クッションの材料がマニフォールドに減圧を送り、減圧下で収縮するように動作するのであれば、どのような材料あるいは材料の組み合せをクッションに用いても良い。マニフォールドは通常、マニフォールド周辺の組織部位への流体提供とそこからの流体除去を改善するように、相互連結された複数の流路あるいは通路を具えている。マニフォールドの例としては、限定するものではないが、流路を形成するように構成した構造的要素を有するデバイス、オープンセルフォームなどのセルフォーム、ポーラス状の組織集合体、流路を持つあるいは流路を持つように硬化する液体、ジェル、または泡、がある。クッション材も、層形成材の組み合わせであってもよい。例えば、親水性フォームでできた第1のクッション層を、疎水性フォームでできた第2のクッション層に隣接配置して、クッション材を形成したものである。
【0027】
Granufoam(登録商標)材の網目状細孔は、約400乃至600ミクロンの範囲であり、マニフォールドの機能を果たすうえで有用であるが、他の材料を用いてもよい。Granufoam(登録商標)より高密度(細孔のサイズがより小さい)の材料は、いくつかの場合に望ましい。マニフォールド部材175は、後の工程でフェルト状にして、マニフォールド部材175本来の厚さの約三分の一の厚さになるようにした網目状の発泡材であってもよい。使用できる可能性がある多くの材料の中でもとりわけ、Granufoam(登録商標)材、あるいはFoamexテクニカルフォーム(www.foamex.com)を使うことができる。いくつかの場合は、マイクロボンディング法によって発泡部にイオン化銀を付着させたり、抗菌剤のような他の物質をマニフォールド部材175に添加することが望ましい。マニフォールド部材175は、減圧下で求められる力120および122の正確な方向性に応じて、等方性のものあるいは異方性であってもよい。マニフォールド部材175はまた、生体吸収性材料であってもよい。
【0028】
シーリングサブシステム178は、第1面181と第2面182を有するオーバードレープ180あるいはドレープを具える。オーバードレープ180は、医療用アセンブリ118を覆い、クッション126の周辺エッジ176をこえて延在し、ドレープ伸長部183を形成している。ドレープ伸長部183は第1側部184と第2側部185を有する。シーリング装置186は、ドレープ伸長部183を患者に密封するために用いることができる。シーリング装置186は、粘着性シーリングテープ187あるいはドレープテープもしくはドレープ片、あるいは両面ドレープテープ、接着剤、ペースト、親水性コロイド、親水性ジェル、その他のシーリング材など、多くの形がある。テープ187を用いる場合、テープ187はオーバードレープ180と同一材料でできた感圧型の粘着性のテープとして、ドレープ伸長部183の第2側部185に事前に貼られている。接着剤を用いて、オーバードレープ180と患者の表皮110との間の実質的な流体シールを形成することもある。オーバードレープ180を患者に適用する前に、剥がされた接着剤を覆う取り外し可能なストリップを有していても良く、あるいはドレープ180を適用して、テープ187を配置してシールを形成することもできる。
【0029】
オーバードレープ180は、細孔サイズが約20ミクロン未満のエラストマー材料である。「エラストマー状」とは、エラストマーの性質を持つと共に全体的にゴム状の性質を具えたポリマー材料を意味する。より具体的には、ほとんどのエラストマーが、100%以上の伸び率と充分な復元力を具えている。材料の復元力とは、弾性変形から回復する能力を意味する。エラストマーの例としては、これらに限定されるものではないが、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエン・ゴム、クロロプレン・ゴム、ポリブタジエン、ニトリル・ゴム、ブチル・ゴム、エチレン・プロピレン・ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コ・ポリエステル、そしてシリコーンが挙げられる。オーバードレープの材料は、シリコーン、3M Tegaderm(登録商標)ドレープ材、Avery社から入手可能な一つであるアクリル系ドレープ材、あるいは切開用ドレープ材が含まれる。
【0030】
オーバードレープ180は、クッション126に連結してもよく、しなくてもよい。連結が必要な場合、様々な方法で行うことができる。オーバードレープ180とクッション126は、アクリル接着剤、シリコーン接着剤、ヒドロゲル、ヒドロコロイド、その他の接着剤を用いて連結することができる。オーバードレープ180とクッション126は、ヒートシールや超音波溶着そして高周波溶着などによって接着することができる。この連結はパターンで行われることもあるし、あるいはより完全に行なわれることもある。接着に構造を加えて、オーバードレープ180を所望の方向に非等方的に動かす、すなわち異方性のドレープ材料とすることができる。異方性のドレープ材料は、医療用アセンブリ118が所定の方向すなわち、主に所定の軸または複数の軸を中心にしてのみ動くように補助する。このことは、とりわけ閉合のアプリケーションに有用である。
【0031】
減圧サブシステム188は減圧源189を具えており、これは様々な形をとることができる。減圧源189は、システム100の一部として減圧を提供する。ここで用いられている「減圧」の用語は、一般的に、治療の対象となる組織部位での雰囲気圧よりも低い圧力を言う。殆どの場合、この減圧とは、患者が位置しているところの大気圧よりも低いものとなる。代替的に、減圧は組織部位における細胞の静水圧よりも低くてもよい。減圧源189が、大気圧よりも低い連続的な減圧を発現し、動的な減圧も送達できる、すなわち周期的に減圧状態を変化させたり、あるいは連続的もしくは間欠的モードで動作させることが望ましい。減圧の動作可能な範囲は必要に応じて大きく変えることができる、典型的には、大気圧よりも200mmHg低い範囲を含む。患者の移動の自由とその容易さを最大限確保するために、減圧源189を電池駆動型で単一用途の減圧発生機としてもよい。このような減圧源189は、手術室での使用を容易にし、患者にリハビリ期間中の移動の自由さと利便性をもたらす。
【0032】
図1に示す実施例では、減圧源189が電池収容部195と、キャニスタ190内の液面レベルを視覚的に表示する窓191が付いたキャニスタ領域190を具えている。間に挟んだ疎水性フィルタあるいは親油性フィルタなどの膜状フィルタは、導管もしくはチューブ192と減圧源189との間に散在している。
【0033】
減圧源189によって発現した減圧は、送達管もしくは導管192を経てエルボ型のポート194であるインターフェース193に送られる。一の実施例において、ポート194は、テキサス州サン・アントニオ市のKCI社から入手可能なTRAC(登録商標)テクノロジーポートである。インターフェース193は、減圧がシーリングサブシステム178に送達され、マニフォールド部材175で受けられるようにしている。
【0034】
図1および図2の実施例において、減圧サブシステム188からの減圧の適用が、マニフォールド部材175を内側に収縮させるが、オーバードレープ180が回動可能なフレーム130を取り囲んでいるので、回動可能なフレーム130の上の位置にも下向き(図示する方向)の力が生じている。この特定の実施例においては、この下向きの力が閉合力120の寄与に転じるように、回動可能なフレーム130の各部材を方向づけることが望ましい。図2に示すように、これは閉合部材132および146を内向きに設定することで実現することができる。例えば、第1閉合部材132は、表皮110に直交する基準線あるいは軸線143に対して角度αをなす横軸144を有する断面に示されている。このように、内向きの角度αは、連結部材160に対して下向きに力が掛かると、この力が台の部材132を押して、第1ピボットコネクタ170の周りを回動させ、内側に折りたたむように作用することを意味している。これが表皮110を線状創傷102の方向に押す助けとなる。
【0035】
手術において、減圧による線状創傷閉合システム100は、既に施された縫合糸あるいはステープルのような機械的な閉合装置を更に補完するように使用しても良く、あるいは線状創傷102の唯一の主たる閉合処置としてもよい。いずれの場合にも、システム100は第1閉合部材132を創傷の第1エッジ106の上に配置して、第2閉合部材146を創傷の第2エッジ108に配置することで適用される。第2の縦方向エッジ136上の第1把持部材145を用いて創傷102の第1エッジ106に取り付ける。特定の実施例においては、第1把持部材145が接着ストリップ147である。従って、ヘルスケア提供者は、接着ストリップ147から目に見える裏紙をとって、接着ストリップ147を第1エッジ106の近傍に貼りつける。同様に、この実施例の第2把持部材159は接着ストリップ161であり、裏紙を取って線状創傷102の第2エッジ108の近傍に貼りつける。接着ストリップ147と161は、図2に関連して上述したように閉合部材132と146を内向きの角度で配置する方法でエッジ106と108の近傍に貼り付ける。なお、この特定の実施例においては、マニフォールド部材175が回動可能なフレーム130によって形成された内部空間174中にすでに設置されているが、他のアプリケーションでは、マニフォールド部材175を把持部材145と159を表皮110に貼りつける直前に挿入してもよい。オーバードレープ180が回動可能なフレーム130の外表面に連結されていない場合には、オーバードレープ180をここでフレーム130の上に配置して、周辺エッジ170を越えて延在させてドレープ伸長部183を形成する。この特定の実施例においては、粘着性のテープ187を適用して、ドレープ180と患者の表皮110との間に流体シールを確実に作る。減圧インターフェース193を適用して、送達管192に連結し、これが減圧源189に連結される。
【0036】
次いで、減圧源189を起動して、シーリングサブシステム178と、とりわけマニフォールド部材175に減圧を送達する。減圧が与えられると、マニフォールド部材175が収縮し、回動可能なフレーム130と共に下方に圧縮される。組み合わせた力が、第2の横方向エッジ140と154を互いに対して。創傷102側に押圧して、いくらかの圧縮力を下方に提供して、マニフォールド内の減圧を創傷102に提供する。
【0037】
図3A、図3B、及び図3Cを参照すると、別の実施例の減圧下で線状創傷を閉合するシステム200が示されている。多くの構成部品は、図1と図2のシステム100のものと類似しており、単に100を足して、関連付けるようにしている。特に、図3Aを参照すると、二つの大きな相違が認められる。第1に、シーリングサブシステム278がオーバードレープを使用するようになっておらず、第1エンドキャップ263(図3B)と第2エンドキャップ265(図3B)を回動可能なフレーム230に加えて、流体シールを形成するようにしている。インターフェース293によって流体シールを損なうことなく減圧がマニフォールド部材275に提供される。第2に、アプリケーションにおいて、閉合部材232と246が、患者の表皮に直交する基準線(図2における基準線143に類似)に対して外向きの角度を持っている。これは、この実施例では、回動可能なフレーム230にかかる下方への圧縮力がほぼないためである。閉合部材232と246は共に押圧されて、主としてマニフォールド部材275の収縮によって内向きの力220を提供する。マニフォールド部材275へ減圧を適用することによって、図3Aと図3Bに示す展開位置から図3Cに示す圧縮位置にクッション226を動かす。
【0038】
図3Bを参照すると、システム200は、線状創傷202の創傷軸203と平行に伸びる長さ方向の寸法で位置決めされて示す、回動可能なフレーム230を具えている。線状創傷202は、第1エッジ206と第2エッジ208を有する。第1閉合部材232は、第1の横方向エッジ238と第1の縦方向エッジ234を有する。第2閉合部材246は、第1の横方向エッジ252と第2の横方向エッジ254を有する。第2閉合部材246はまた、第1の縦方向エッジ248と第2の縦方向エッジ250を有する。
【0039】
エンドキャップ263と265は、様々な方法で形成して、回動可能なフレーム230の端部に流体シールを提供できる。この特定の実施例において、これらは端部片に及んで適用されたオーバードレープ材の接着部分として示されている。
【0040】
システム100と200において、減圧サブシステム188と288によって送達される減圧は、連続モードもしくは動的減圧モードで提供される。動的モードにおいては、圧力が何種類かのパターンで変化する。例えば図4を参照すると、減圧を適用する際の一つの具体的なパターンが示されている。縦軸座標310は減圧を表わす。ここで、減圧の上昇は、より低いゲージ圧が示されることを意味すると、理解すべきである。横軸座標312は経過時間を表わす。従って、この具体的なパターンでは、減圧がベースラインレベル314に上昇し、この場合は、高い方の減圧レベル316と低い方の減圧レベル318との間で正弦曲線のパターンで変化している。減圧のこの変動は、閉合力の変化、すなわち図1と図3の実施例における閉合力120と220の変化によって、創傷に微細動を発生させる。
【0041】
図5を参照すると、図4に関連して説明したような動的圧力を用いることによって促進される有益な効果の一つが示されている。表皮410、内皮412、及び皮下組織414を通る線状創傷402が示されている。線状創傷402は、システム100あるいはシステム200などの、図1および図3に示されたシステムによって発生した力420を受けて、動的な微細動を受ける。この微細動が、コラーゲン416を力420と平行な方向性をもって創傷402内に配置させる。
【0042】
ここで図6を参照すると、線状創傷に閉合力を与えるシステムの別の実施例が示されている。このシステムにおいては、異方性のクッション526は異方性の本体528に形成されている。異方性の本体528は、減圧下で、縦方向あるいは長手方向、すなわち力520に対して垂直な方向よりも、横方向、すなわち力520と平行な方向により収縮するように動作する異方性のマニフォールド部材を具える。
【0043】
異方性の本体は様々な方法で作ることができる。一の実施例においては、クッション本体528を、フレキシブルなあるいは収縮する複数のマニフォールド部材530と、縦方向の複数の補強部材532を利用して形成することができる。フレキシブルな複数のマニフォールド部材530は、上述した実施例でマニフォールド部材175と275が作られている部材と類似するのでも良い。縦方向の補強部材532は、一またはそれ以上の軸または方向に圧縮しないようにする材料、又は補強材料でできている。この補強材料は、一又はそれ以上の軸に沿って拡張しないようにするものでもよい。補強材料は、一又はそれ以上の軸又は方向に沿って、圧縮と拡張を防ぐものでも良い。一の実施例においては、クッション本体528が、マニフォールド部材530と結合したフィラメントであり、縦方向の補強部材532を形成している。図に示す方向性について、結果としてできた異方性のクッション本体528が、第1の方向534には収縮もしくは圧縮し、第2の方向536では実質的に不可能であることは、自明である。
【0044】
動作中、異方性の閉合クッション526は、創傷と平行、すなわち方向536にほぼ平行な線状創傷に平行に伸びている、複数の補強部材532の長さ寸法で、線状創傷の上へ下がって配置される。システム100のドレープ180に類似するオーバードレープを、クッション526に適用しても良く、図1のインターフェース193と類似するインターフェースを適用して、減圧を提供するようにしても良い。減圧が異方性のクッション526に送達されると、第1の方向534に収縮し、これが内側向きの力520を創傷の双方のエッジに方向づけて、閉合力をもたらす。異方性のクッション526に供給される減圧は、上述したように動的に変化するものでもよいし、一定の連続モードで提供されてもよい。
【0045】
上記説明から、有意な利点を有する発明が行われたことが明らかである。この発明はいくつかの形態だけで示されたに過ぎず、これらに限定されるものでなく、その精神から逸脱することなく様々な変更や応用を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧線状創傷治療システムにおいて、
線状創傷の上方の患者の皮膚の上に配置して、展開位置と収縮位置との間で移動するように動作可能な閉合クッションであって、第1ピボットコネクタを有する回動可能なフレームと、内側空間と、前記内側空間内に配置され、前記回動可能なフレームに連結されたマニフォールド部材とを具える閉合クッションと、
前記閉合クッションと前記患者との間に流体シールを提供するシーリングサブシステムと、
前記シーリングサブシステムに減圧を送達する減圧サブシステムとを具え、
前記シーリングサブシステムと前記減圧サブシステムが、前記閉合クッションに減圧を送達するように動作可能であり、
前記閉合クッションが、減圧を使用して前記収縮位置に移動し、これによって内側向きの力を発現することを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記回動可能なフレームが、第1閉合部材および第2閉合部材を有し、
前記マニフォールド部材が、減圧が適用されると前記回動可能なフレームが前記マニフォールド部材によって前記展開位置から前記収縮位置に移動するように、前記回動可能なフレームに連結され、
当該システムが更に、
前記第1閉合部材から前記線状創傷の第1エッジに閉合力を伝達する第1把持部材と、
前記第2閉合部材から前記線状創傷の第2エッジに閉合力を伝達する第2把持部材とを具えることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記回動可能なフレームが、第1閉合部材と、第2閉合部材と、連結部材とを有し、
前記第1ピボットコネクタが、前記第1閉合部材と前記連結部材とを連結し、第2ピボットコネクタが、前記第2閉合部材と前記連結部材とを連結することを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記回動可能なフレームが、第1閉合部材と、第2閉合部材とを有し、
前記第1ピボットコネクタが、前記第1閉合部材と前記第2閉合部材とを連結することを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記回動可能なフレームが、第1閉合部材と、第2閉合部材とを有し、
前記マニフォールド部材が、減圧が適用されると前記回動可能なフレームが前記マニフォールド部材によって展開位置から収縮位置に移動するように、前記回動可能なフレームと連結され、
当該システムが更に、
前記第1閉合部材から前記線状創傷の第1エッジに閉合力を伝達する第1把持部材と、
前記第2閉合部材から前記線状創傷の第2エッジに閉合力を伝達する第2把持部材とを具え、
前記第1把持部材が第1の接着ストリップを具え、前記第2把持部材が第2の接着ストリップを具えることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、
前記第1把持部材が、前記第1閉合部材に連結した第1の高摩擦部材を具え、前記第2把持部材が、前記第2閉合部材に連結した第2の高摩擦部材を具えることを特徴とするシステム。
【請求項7】
減圧線状創傷閉合クッションの製造方法において、
第1閉合部材、第2閉合部材および内側空間を有し、展開位置と収縮位置との間で移動するよう動作可能な回動可能なフレームを形成するステップと、
前記内側空間にマニフォールド部材を配置するステップと、
前記第1閉合部材から線状創傷の第1エッジに閉合力を伝達する第1把持部材を提供するステップと、
前記第2閉合部材から線状創傷の第2エッジに閉合力を伝達する第2把持部材を提供するステップとを具えることを特徴とする製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の製造方法が更に、減圧を適用すると前記回動可能なフレームが展開位置から収縮位置に移動するように、前記マニフォールド部材を前記回動可能なフレームに連結するステップを具えることを特徴とする製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載の製造方法において、
前記回動可能なフレームを形成するステップが、
第1閉合部材を提供するステップと、
第2閉合部材を提供するステップと、
連結部材を提供するステップと、
前記第1閉合部材と前記連結部材を第1ピボットコネクタで連結するステップと、
第2ピボットコネクタを前記第2閉合部材と前記連結部材に連結するステップとを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項10】
請求項7に記載の製造方法において、
前記回動可能なフレームを形成するステップが、
前記第1閉合部材を提供するするステップと、
前記第2閉合部材を提供するステップと、
前記第1閉合部材と第2閉合部材をピボットコネクタで連結するステップとを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項11】
請求項7に記載の製造方法において、
前記第1把持部材を提供するステップが、第1の接着ストリップを前記第1閉合部材に連結するステップを含み、
前記第2把持部材を提供するステップが、第2の接着ストリップを前記第2把持部材に連結するステップを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項12】
請求項7に記載の製造方法において、
前記第1把持部材を提供するステップが、前記第1把持部材に連結した第1の高摩擦部材を提供するステップを含み、前記第2把持部材を提供するステップが、前記第2把持部材に連結した第2の高摩擦部材を提供するステップを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項13】
線状創傷を処置する減圧線状創傷閉合クッションにおいて、
第1閉合部材と、
第2閉合部材と、
前記第1閉合部材と前記第2閉合部材とを連結するピボットコネクタであって、展開位置と収縮位置との間で移動するように動作可能なピボットコネクタと、
前記第1閉合部材と前記第2閉合部材によって少なくとも部分的に形成される内側空間と、
前記内側空間に配置されていて、減圧が適用されると前記回動可能なフレームが展開位置から収縮位置に移動するように、前記第1閉合部材と前記第2閉合部材とに連結されたマニフォールド部材と、
前記第1閉合部材から線状創傷の第1エッジに閉合力を伝達する第1把持部材と、
前記第2閉合部材から線状創傷の第2エッジに閉合力を伝達する第2把持部材とを具えることを特徴とするクッション。
【請求項14】
線状創傷を閉合する減圧線状創傷閉合クッションにおいて、
前記線状創傷の第一側部に配置する第1の閉合部材であって、第1の縦方向エッジと第2の縦方向エッジと、内部空間を有する第1閉合部材と、
前記線状創傷の第2側部に位置する第2の閉合部材であって、第1の縦方向エッジと第2の縦方向エッジと、内部空間を有する第2閉合部材と、
第1の縦方向エッジと第2の縦方向エッジを有する連結部材と、
前記第1閉合部材の第1の縦方向エッジと、前記連結部材の第1の縦方向エッジとを連結する第1のピボットコネクタであって、前記第1閉合部材を前記連結部材に対して移動させる第1のピボットコネクタと、
前記第2閉合部材の第1の縦方向エッジと、前記連結部材の第2の縦方向エッジとを連結する第2のピボットコネクタであって、前記第2閉合部材を前記連結部材に対して移動させる第2のピボットコネクタと、
前記第1閉合部材の内側面と、前記第2閉合部材の内側面に連結したマニフォールド部材であって、減圧が適用されると収縮するマニフォールド部材と、
前記マニフォールド部材に流体連結して、減圧をマニフォールド部材に送達するインターフェースとを具えることを特徴とする減圧線状創傷閉合クッション。
【請求項15】
請求項14に記載の閉合クッションにおいて、
前記第1閉合部材と前記第2閉合部材は、各々断面に横軸を有し、前記第1閉合部材と第2閉合部材の横軸が、各々患者の皮膚に直交する基準線(断面の)に対して角度αを形成しており、線状創傷の方向においてクッションに力がかかったときに、当該クッションが内側向きの力を発現するように、前記角度αの値がゼロでないことを特徴とする閉合クッション。
【請求項16】
請求項14に記載の閉合クッションにおいて、
前記第1閉合部材が第1の横方向エッジと第2の横方向エッジを更に具え、
前記第2閉合部材が第1の横方向エッジと第2の横方向エッジを更に具え、
前記連結部材が第1の横方向エッジと第2の横方向エッジを更に具え、
当該クッションが更に、
前記第1閉合部材の第1の横方向エッジと、前記第2閉合部材の第1の横方向エッジと、前記連結部材の第1の横方向エッジとに取り付けた第1のエンドキャップと、
前記第1閉合部材の第2の横方向エッジと、前記第2閉合部材の第2の横方向エッジと、前記連結部材の第2の横方向エッジとに取り付けた第2のエンドキャップとを具え、
前記連結部材と、前記第1閉合部材と、前記第2閉合部材と、前記第1のエンドキャップと、前記第2エンドキャップとが、患者の皮膚に対して流体シールを形成するように動作可能であることを特徴とする閉合クッション。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−39398(P2013−39398A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−229612(P2012−229612)
【出願日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【分割の表示】特願2011−511887(P2011−511887)の分割
【原出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】