説明

減塩飲食品用組成物

【課題】 減塩飲食品に塩味を付与することなく、味のバランスを整え、汎用的においしさを付与すること。
【解決手段】減塩飲食品に、植物性たん白加水分解物と酵母エキスを混合すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減塩飲食品に用いるために、植物性たん白加水分解物と酵母エキスを含有する方法およびその組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
食塩は、食品を調味する基本調味料として広く用いられているが、一方で食塩の過剰摂取が高血圧、及び心疾患などの循環器疾患に対して悪影響を与えることが知られている。これらの背景から、塩味代替物質や低塩減塩の調味料や低塩減塩の加工食品が販売されているが、これらの商品は、塩味の不足により、味や風味が物足りない、味のバランスが崩れている等、おいしさが損なわれているという課題がある。
上記課題に対して、食塩以外の物質で塩味を補完し、おいしさを維持しようとする方法、即ち一般に減塩方法と呼ばれているものとしては、食塩代替物質と塩味増強物質を使用する方法がある。塩味代替物質は、それ自身が塩味を有している物質である。塩味増強物質は、それ自身に塩味がないが、食塩と共存させることにより、その塩味を増強させる物質である。これまでに塩味代替物質や塩味増強物質が多く報告されている。
塩味代替物質は、その多くは塩化カリウムを主体としている。塩化カリウムは、特有の苦味とえぐ味を有する。その苦味やえぐ味を抑制するために、グルタミン酸塩、アミノ酸、有機酸塩、核酸系うま味物質、及びグリチルリチンなどの高甘味度甘味料の中から1種類あるいは数種類を配合することが報告されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。しかし、これらの技術では、塩化カリウムの苦味やえぐ味が充分には抑制されておらず、また酸味などの好ましくない味が表出するという課題を有している。
また塩味増強物質は、食塩代替物質ではないが、食塩の塩味を増強する物質である。これまでにたん白加水分解物、糖、有機酸塩、無機塩等、アミノ酸の中から1種類あるいは数種類を配合することが報告されている(特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10)。しかし、これらの文献通りに素材を配合しても、標準的な飲食品に対して食塩量またはナトリウム量の低減割合が25%以上の減塩率の高い減塩飲食品に添加した場合には、効果が弱い、または酸味や苦味などの余分な味がつくため好ましくない等、嗜好性を十分に満足させる程度までおいしさを付与するには至らなかった。
このように、塩味が失われることで損なわれたおいしさを、嗜好性を満足させる程度まで付与できる、効果的な食塩代替物質や塩味増強物質は未だなく、従って低塩減塩の調味料や加工食品は一般化していないのが実情である。また、減塩で損なわれた嗜好性の低下(おいしさの低下)を塩味付与以外の方法で解決した素材は報告されていない。そのため上記課題を解決した減塩飲食品においしさを付与する素材が強く望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭57−138359号公報
【特許文献2】特開昭59−187761号公報
【特許文献3】特開平11−187841号公報
【特許文献4】特開平07−289198号公報
【特許文献5】特開2008−99624号公報
【特許文献6】特開2007−289145号公報
【特許文献7】特開平03−139257号公報
【特許文献8】特開昭63−137658号公報
【特許文献9】特開昭62−3760号公報
【特許文献10】特開昭58−187164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
減塩飲食品においしさを付与するために、塩味代替物質や塩味増強物質が使用されることが多いが、例えば標準的な飲食品に対して食塩量またはナトリウム量の低減割合が25%以上の減塩率の高い減塩飲食品にこれらの塩味代替物質や塩味増強物質を添加した場合には、その添加効果が弱い、または酸味や苦味などの余分な味がつく等の課題があり、嗜好性を十分に満足させる程度までおいしさを付与するには至っていない。この背景下において、本発明は減塩飲食品に塩味を付与することなく、味のバランスを整え、汎用的に嗜好性を十分に満足させる程度までおいしさを付与できる食品素材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成した。本発明は以下の各発明を包含する。
(1) 植物性たん白加水分解物と酵母エキスを混合することを特徴とする減塩飲食品用組成物。
(2) 植物性たん白加水分解物の配合量をA重量部、酵母エキスの配合量をB重量部としたとき、A+B=100のときに、15≦A≦97、3≦B≦85となるように、植物性たん白加水分解物と酵母エキスを混合することを特徴とする減塩飲食品用組成物。
(3) アミノ酸類、核酸、有機酸類、無機塩類、糖アルコールの1種または2種以上と、植物性たん白加水分解物と酵母エキスを混合することを特徴とする減塩飲食品用組成物。
(4) 植物性たん白加水分解物の配合量をA重量部、酵母エキスの配合量をB重量部、アミノ酸類、核酸、有機酸類、無機塩類、糖アルコールの合計の配合量をC重量部としたとき、A+B+C=100のときに、10≦A≦85、3≦B≦40、12≦C≦50となるように、アミノ酸類、核酸、有機酸類、無機塩類、糖アルコールの1種または2種以上と、植物性たん白加水分解物と酵母エキスを混合することを特徴とする減塩飲食品用組成物。
(5) 植物性たんぱく源が穀類、豆類、ナッツ類のいずれかである発明(1)から発明(4)のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
(6) 植物性たん白加水分解物が以下の(a)〜(i)の1種または2種以上に該当する工程を含む方法で製造されることを特徴とする発明(1)から発明(4)のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
(a)pH6以下で加水分解を行う工程、
(b)pH8以上で加水分解を行う工程、
(c)アルカリ溶液をたんぱく加水分解液に添加して、脱ナトリウム化する工程、
(d)液体麹または固体麹を用い、20〜40℃の温度、pH6〜9のpHで酵素分解を行う工程、
(e)無塩で加水分解を行う工程、
(f)たんぱく加水分解液中に含まれる菌体を遠心分離または濾過により分離・乾燥する工程、
(g)膜処理および/または活性炭による脱色を行う工程、
(h)pH8以上で濃縮を行う工程、
(i)膜またはカラムまたは電気泳動で分子量20000以上の画分を除去する工程
(7) 酵母エキスが、サッカロマイセス(Saccharomyces)属又はトルラ酵母(Candida属)の酵母を用いて製造されたことを特徴とする発明(1)から発明(4)のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
(8) サッカロマイセス属の酵母が、サッカロマイセス・セルビシエであることを特徴とする発明(7)に記載の減塩飲食品用組成物。
(9) グルタチオン含有酵母エキスと糖を混合後、加熱して得られる酵母エキスを含む発明(1)から発明(4)のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
(10) 酵母エキスが、自己消化法、酸分解法、酵素分解法のいずれかによって得られることを特徴とする発明(1)から発明(4)のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
(11) 酵母エキスの全窒素量が7%以下であることを特徴とする発明(1)から発明(4)のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
(12) アミノ酸類が、グルタミン酸ナトリウム、アラニン、メチオニン、アスパラギン酸ナトリウム、アルギニン、リジン塩酸塩のいずれか1種以上であることを特徴とする発明(3)記載の減塩飲食品用組成物。
(13) 核酸が、イノシン酸ナトリウムであることを特徴とする発明(3)記載の減塩飲食品用組成物。
(14) 有機酸類が、クエン酸三ナトリウム、コハク酸、酒石酸水素カリウム、乳酸カルシウム、フマル酸ナトリウムのいずれか1種以上であることを特徴とする発明(3)記載の減塩飲食品用組成物。
(15) 無機塩類が、リン酸水素二カリウム、無水炭酸カリウムのいずれか1種以上であることを特徴とする発明(3)記載の減塩飲食品用組成物。
(16) 糖アルコールがソルビトールである発明(3)記載の減塩飲食品用組成物。
(17) 発明(1)から発明(4)のいずれかの1項に記載の減塩飲食品用組成物を喫食時に5ppm以上0.65%以下含む飲食品。
(18) 飲食時の食塩量またはナトリウム量の低減割合が25%以上の減塩飲食品において、発明(1)の組成物を含有せしめることを特徴とする減塩食品。
【0006】
尚、本発明はこれからの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で置き換えたものを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、減塩飲食品に塩味を付与することなく、おいしさを付与できる方法およびその組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明において、減塩飲食品とは、ナトリウム量が食品100g(液状品では100ml)当たり、84mg以上減少しているもの、あるいは標準的な飲食品に対して食塩量またはナトリウム量の低減割合が20%以上のものを指す。組成物の添加効果が顕著に発揮できる、即ち、よりバランスのよい風味や呈味が付与できる点から、ナトリウム量が食塩100g(液状品では100ml)あたり120mg以上減少しているもの、あるいは標準的な飲食品に対して食塩あるいはナトリウムの低減割合が30%以上の飲食品がより好ましい。
また本発明において、おいしさが付与される飲食品の喫食時の食塩量は、0.2%以上が好ましく、0.4%以上で顕著な効果がある。
【0009】
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、本発明で定義する減塩飲食品に、植物性たん白加水分解物の単独混合、もしくは酵母エキスの単独混合を行っても塩味の不足によって損なわれたおいしさを付与する効果は弱いが、意外なことに、植物性たん白加水分解物と酵母エキスを併用することで本課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の減塩飲食品用組成物は、(A)植物性たん白加水分解物と、(B)酵母エキスを共に含有することが重要である。更に、(A)植物性たん白加水分解物、と(B)酵母エキスに加えて、(C)アミノ酸類、核酸、有機酸類、無機塩類、糖アルコールのうちの1種または2種以上の成分、を含有するとより顕著に効果が発揮され好ましい。即ち、よりバランスのよい風味や呈味が付与できるため好ましい。本発明の減塩飲食品用組成物は、これを減塩飲食品添加することによって、おいしさ付与を向上させる効果がある。減塩飲食品用組成物にはその使用形態に制限はなく、例えば、粉末、固形、ペースト、溶液などの形態があげられる。また減塩飲食品用組成物は減塩飲食品の原料などとして用いても良いし、減塩された調味塩、味噌、醤油、つゆ、たれ、ソース、ドレッシング、マヨネーズ等の調味料形態としても良い。
【0011】
本発明における減塩飲食品用組成物は、植物性たん白加水分解物と酵母エキスを添加することを特徴とする。植物性たん白加水分解物の配合量をA重量部、酵母エキスの配合量をB重量部としたとき、A+B=100のときに、0<A<100、0<B<100の範囲になるように、さらに好ましくは15≦A≦97、3≦B≦85となるように配合することが好ましい。更に、次の成分(C):アミノ酸類、核酸、有機酸類、無機塩類、糖アルコールのうちの1種または2種以上、を添加する場合には、アミノ酸類、核酸、有機酸類、無機塩類、糖アルコールの合計成分(本発明ではこれをC成分とよぶ場合もある)の配合量をC重量部としたとき、A+B+C=100のときに、10≦A≦85、3≦B≦40、12≦C≦50の範囲となる場合、より顕著に効果が発揮できる、即ち、よりバランスのよい風味や呈味が付与できるため好ましい。本発明の減塩飲食品用組成物は、これを減塩飲食品添加することによって、おいしさを向上させる効果がある。
【0012】
本発明で用いられる風味とは、飲食時の口腔内から鼻に抜ける香り(レトロネーザルフレーバー)を意味する。また、本発明で用いられる呈味とは、飲食時の口腔内で感じる味の強さ・持続感・ひろがりを意味する。
【0013】
本発明において、植物性たん白加水分解物は、植物性たんぱく質等を、酵素や酸で加水分解したものの総称である。力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点から、たんぱく源は小麦、米、とうもろこし等の穀類、大豆等の豆類・ナッツ類であることが好ましい。更に、以下の(a)〜(i)の1種または2種以上に該当する工程を含む方法で製造する場合、より力価が強く、バランスのよい風味・呈味を付与できるため好ましい。
(a)pH6以下で加水分解を行う工程
(b)pH8以上で加水分解を行う工程
(c)アルカリ溶液をたんぱく加水分解液に混合して、脱ナトリウム化する工程
(d)液体麹または固体麹を用い、20〜40℃の温度、pH6〜9のpHで酵素分解を行う工程
(e)無塩で加水分解を行う工程
(f)たんぱく加水分解液中に含まれる菌体を遠心分離または濾過により分離・乾燥する工程
(g)膜処理および/または活性炭による脱色を行う工程
(h)pH8以上で濃縮を行う工程
(i)膜またはカラムまたは電気泳動で分子量20,000以上の画分を除去する工程
【0014】
本発明において、酵母エキスとは酵母の中の内容物を抽出して得られる液体、またはその液体をさらに乾燥して得られる粉末の総称である。力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点から、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、例えばサッカロマイセス・セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)であるビール酵母やパン酵母、清酒酵母、ブドウ酒酵母、あるいはトルラ酵母(Candida utilis)からなることが好ましい。なお本発明の実施例で用いられる「酵母エキスNo2」(パン酵母エキス、味の素(株)製)はサッカロマイセス・セルビシエを含有している。更にグルタチオン含有酵母エキスと糖を混合後、加熱して得られる酵母エキスである場合、より力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点で好ましい。また酵母エキスの全窒素量が7%以下であると、より力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点で好ましい。また、酵母エキスの取得方法に特に制限はないが、自己消化法、酸分解法、酵素分解法が一般的である。
【0015】
本発明において、アミノ酸類は、アミノ酸および/またはアミノ酸塩のことを指す。力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点から、グルタミン酸ナトリウム、アラニン、メチオニン、アスパラギン酸ナトリウム、アルギニン、リジン塩酸塩などが特に好ましい。
【0016】
本発明において、核酸系は、力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点から、特にイノシン酸ナトリウムが好ましい。
【0017】
本発明において、有機酸類は、有機酸および/または有機酸塩のことを指す。力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点から、クエン酸三ナトリウム、コハク酸、酒石酸水素カリウム、乳酸カルシウム、フマル酸ナトリウムなどが特に好ましい。
【0018】
本発明において、無機塩類に特に限定はないが、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、アンモニア塩などが使用できる。力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点から、リン酸水素二カリウムおよび/または無水炭酸カリウムであることが特に好ましい。
【0019】
本発明において、糖アルコールに特に限定はないが、マルチトール、マンニトール、ソルビトールなどが使用できる。力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点から、ソルビトールであることが特に好ましい。
【0020】
本発明において、飲食品の喫食時の濃度とは、飲食品の調理後の喫食時点での濃度を指す。本発明においては、力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点から、喫食時の飲食品中に減塩飲食品用組成物が5ppm以上、0.65%以下となるように含むことが好ましい。減塩飲食品用組成物の濃度がこれ以下だと添加効果が弱く、これ以上だと刺激臭等の異風味が発生する場合があり、おいしさ付与の点で好ましくない。更に力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点からは、減塩飲食品用組成物の濃度が0.02%以上、0.09%以下がより好ましい。
【0021】
本発明において用いられる減塩飲食品用組成物の減塩飲食品ならびに減塩調味料への混合時期に特に限定はなく、飲食品や調味料の製造前の原料としてだけでなく、製造中、完成後、喫食直前、喫食中など、いつ混合しても、減塩飲食品においしさを付与する効果を得ることができる。
【0022】
本発明において用いられる減塩飲食品用組成物の原料は飲食品に使用できるものであれば、合成品、抽出品、発酵品等、各種素材の加熱反応等様々な履歴のものを用いることができる。
【0023】
本発明において、おいしさが付与される減塩飲食品に特に限定はない。本発明の減塩飲食品用組成物を使用する際は、調味料形態として減塩飲食品への添加や、水や溶媒を用いて減塩飲食品用組成物を希釈してからの減塩飲食品への添加、たん白加水分解物や酵母エキスなどの形態での減塩飲食品への添加、減塩された粉末調味料、固形調味料、液体調味料の原料としての混合、減塩された加工食品、減塩された水産・畜肉加工食品への原料としての混合等、利用形態に特に制限はない。具体例としては、例えば、白飯、おにぎり、野菜、漬け物、天ぷら、ゆで卵、スナック、シリアル、炒め物や、低塩・減塩された調味塩、味噌、醤油、つゆ、たれ、ソース、ドレッシング、マヨネーズ等の調味料類、スープ(カップスープ、即席めんのスープ)、ルー等の加工食品、低塩・減塩された蒲鉾、ちくわ、さつま揚げ、ハム、ソーセージ等の水産・畜肉加工製品が挙げられる。
【0024】
以下、本発明について実施例で更に説明するが、本発明の技術範囲はこれら実施例によって制限されるものではない。また、本実施例において、官能評価は特に断りのない限り、食品業務に平均して10年以上従事している充分に訓練された4名の専門パネルを用いて実施した。
【実施例】
【0025】
(実施例1 野菜スープ系における減塩飲食品用組成物の各種濃度での添加効果確認)
<野菜スープの作成>
人参150g、玉葱150g、キャベツ150g、水1500g、塩6gを鍋に入れ、沸騰するまで強火で加熱し、沸騰したら弱火にして30分煮込んだ。あくは加熱及び煮込み中に随時取り除いた。30分煮込んだ後、煮込んだスープをざるでこして、野菜とスープに分け、スープを野菜スープとして、以下の実験に使用した(喫食塩分濃度0.4%)。
<野菜スープへの減塩飲食品用組成物の各種濃度での添加>
前述した野菜スープに、植物性たん白加水分解物(小麦を20時間以上酵素分解した後、分解液を精製し限外濾過膜にて分子量20000以上の画分を除去したものをスプレードライした乾燥粉末)、酵母エキス(「酵母エキスNo2」パン酵母エキス、味の素(株)製)をそれぞれが均等になる割合で、2成分の合計が喫食濃度1ppm、10ppm、0.01%、0.03%、0.05%、0.08%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%となるように添加した。また2成分を添加していない野菜スープをコントロールとした。
尚、このコントロールは、一般に標準的な濃度といわれるスープの喫食塩分濃度0.8%のものと比較して、喫食時の塩分が低いために、「味が薄くて物足りない」、「味のバランスがわるく、おいしくない」という特徴があった。この塩味が弱く、味が物足りなく、おいしさが損なわれた野菜スープに、本発明での減塩食品用組成物を添加して、その添加効果、即ちおいしさ付与効果を確認した。
官能評価は(1)塩味の強さ、(2)味の物足りなさ(味が物足りない感じ)、(3)味のバランスの好ましさ、(4)おいしさ(総合評価)について評価した。また採点は以下に従った。
+++:コントロールと比較して効果が非常に明瞭である、++:コントロールと比較して効果がより明瞭である、+:コントロールと比較して効果がある、―:コントロールと比較して効果が明瞭でない、または効果が好ましくない
◎◎:コントロールと比較しておいしさ付与効果が非常に明瞭である、◎:コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭である、○:コントロールと比較しておいしさ付与効果がある、×:コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭でない、または効果が好ましくない。尚、喫食温度は75℃〜65度の間で評価した。
【0026】
【表1】

【0027】
表1の結果から、全ての実験区で塩味の強さはコントロールと同等であったが、野菜スープの系で2成分の合計が喫食濃度1ppmより多く、0.4%未満の場合に、おいしさ付与効果が発現することが確認された。更には、0.01%より多く、0.1%未満の場合に味のバランスの点でより好ましいことが分かった。1ppm以下では添加効果が分からず、0.4%では添加量が多すぎ刺激臭等の異風味があった。
【0028】
(実施例2 チキンスープ系における減塩飲食品用組成物の各種濃度での添加効果確認)
<チキンスープの作成>
手羽元200g、モモ肉150g、水800g、塩3.2gを鍋に入れ、沸騰するまで強火で加熱し、沸騰したら弱火にして30分煮込んだ。あくは加熱及び煮込み中に随時取り除いた。30分煮込んだ後、肉を取り除いた後、煮込んだ液をクッキングペーパーでろ過し、濾過した液の上に浮いた油を掬い取り、残りの液をチキンスープとした(喫食塩分濃度0.4%)。
<チキンスープへの減塩飲食品用組成物の各種濃度での添加>
前述したチキンスープに、植物性たん白加水分解物(小麦を20時間以上酵素分解した後、分解液を精製し限外濾過膜にて分子量20000以上の画分を除去したものをスプレードライした乾燥粉末)、酵母エキス(「酵母エキスNo2」パン酵母エキス、味の素(株)製)をそれぞれが均等になる割合で、2成分の合計が喫食濃度1ppm、10ppm、0.01%、0.03%、0.05%、0.08%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%となるように添加した。2成分を添加していないチキンスープをコントロールとした。
尚、このコントロールは、一般に標準的な濃度といわれるスープの喫食塩分濃度0.8%のものと比較して、喫食時の塩分が低いために、「味が薄くて物足りない」、「味のバランスがわるく、おいしくない」という特徴があった。この塩味が弱く、味が物足りなく、おいしさが損なわれた野菜スープに、本発明での減塩食品用組成物を添加して、その添加効果、即ちおいしさ付与効果を確認した。
官能評価は(1)塩味の強さ、(2)味の物足りなさ(味が物足りない感じ)、(3)味のバランスの好ましさ、(4)おいしさ(総合評価)について評価した。また、採点は以下に従った。
+++:コントロールと比較して効果が非常に明瞭である、++:コントロールと比較して効果がより明瞭である、+:コントロールと比較して効果がある、―:コントロールと比較して効果が明瞭でない、または効果が好ましくない
◎◎:コントロールと比較しておいしさ付与効果が非常に明瞭である、◎:コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭である、○:コントロールと比較しておいしさ付与効果がある、×:コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭でない、または効果が好ましくない。尚、喫食温度は75℃〜65度の間で評価した。
【0029】
【表2】

【0030】
表2の結果から、全ての実験区で塩味の強さはコントロールと同等であったが、チキンスープの系で2成分の合計が喫食濃度10ppmより多く、0.7%未満の場合に、おいしさ付与効果が発現することが確認された。更には、0.01%より多く、0.1%未満の場合に、味のバランスの点でより好ましいことが分かった。10ppm以下では添加効果が分からず、0.7%では添加量が多すぎ刺激臭等の異風味があった。
【0031】
(実施例3 野菜スープにおける減塩飲食品用組成物の各単体成分と複合品との比較)
実施例1で作成した野菜スープに、成分単体として、1)植物性たん白加水分解物(小麦を20時間以上酵素分解した後、分解液を精製し限外濾過膜にて分子量20000以上の画分を除去したものをスプレードライした乾燥粉末)、2)植物性たん白加水分解物(大豆を酵素分解物した分解液を脱塩・濃縮後、スプレードライした乾燥粉末)、3)動物性たん白加水分解物(豚ゼラチンを酵素分解した分解液を脱鉄処理後、スプレードライした乾燥粉末)、4)酵母エキス(「酵母エキスNo2」パン酵母エキス、味の素(株)製)、5)酵母エキス(グルタチオン含有酵母エキスと糖を混合後、加熱して得られる酵母エキス)をそれぞれ0.08%添加した。
同様に、前述した野菜スープに、成分複合品として、6)植物性たん白加水分解物(小麦を20時間以上酵素分解した後、分解液を精製し限外濾過膜にて分子量20000以上の画分を除去したものをスプレードライした乾燥粉末)と酵母エキス(「酵母エキスNo2」パン酵母エキス、味の素(株)製)、7)植物性たん白加水分解物(大豆を酵素分解物した分解液を脱塩・濃縮後、スプレードライした乾燥粉末)と酵母エキス(「酵母エキスNo2」パン酵母エキス、味の素(株)製)、8)植物性たん白加水分解物(小麦を20時間以上酵素分解した後、分解液を精製し限外濾過膜にて分子量20000以上の画分を除去したものをスプレードライした乾燥粉末)と酵母エキス(「酵母エキスNo2」パン酵母エキス、味の素(株)製)と酵母エキス(グルタチオン含有酵母エキスと糖を混合後、加熱して得られる酵母エキス)、9)動物性たん白加水分解物(豚ゼラチンを酵素分解した分解液を脱鉄処理後、スプレードライした乾燥粉末)と酵母エキス(「酵母エキスNo2」パン酵母エキス、味の素(株)製)、10)動物性たん白加水分解物(豚ゼラチンを酵素分解した分解液を脱鉄処理後、スプレードライした乾燥粉末)と酵母エキス(「酵母エキスNo2」パン酵母エキス、味の素(株)製)と酵母エキス(グルタチオン含有酵母エキスと糖を混合後、加熱して得られる酵母エキス)について、成分の合計濃度が0.08%となるように添加した。
2成分以上を添加した系では、それぞれの成分割合が均等になるように添加した。即ち、2成分を添加した6)、7)、9)については、それぞれの成分を0.04%添加した。3成分を添加した8)、10)については、それぞれの成分を0.027%添加した。また、成分無添加の野菜スープをコントロールとした。尚、このコントロールは、一般に標準的な濃度といわれるスープの喫食塩分濃度0.8%のものと比較して、喫食時の塩分が低いために、「味が薄くて物足りない」、「味のバランスがわるく、おいしくない」という特徴があった。この塩味が弱く、味が物足りなく、おいしさが損なわれた野菜スープに、本発明である減塩食品用組成物を添加して、その添加効果、即ちおいしさ付与効果を確認した。
官能評価は(1)塩味の強さ、(2)味の物足りなさ(味が物足りない感じ)、(3)味のバランスの好ましさ、(4)おいしさ(総合評価)について評価した。また、採点は以下に従った。
+++:コントロールと比較して効果が非常に明瞭である、++:コントロールと比較して効果がより明瞭である、+:コントロールと比較して効果がある、―:コントロールと比較して効果が明瞭でない、または効果が好ましくない
◎◎:コントロールと比較しておいしさ付与効果が非常に明瞭である、◎:コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭である、○:コントロールと比較しておいしさ付与効果がある、×:コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭でない、または効果が好ましくない。尚、喫食温度は75℃〜65度の間で評価した。
【0032】
【表3】

【0033】
表3の結果から、全ての実験区で塩味の強さはコントロールと同等であったが、植物性たん白加水分解物、酵母エキス各単体では効果が弱く、おいしさの付与効果が2成分の相乗効果で発現されていることが確認された。更には、グルタチオン含有酵母エキスと糖を混合後、加熱して得られる酵母エキスを加えると、より顕著に効果が発揮できる、即ち、よりバランスのよい風味や呈味が付与できることが分かった。
【0034】
(実施例4 植物性たん白加水分解物と酵母エキスの最適添加割合の確認)
実施例1で作成した野菜スープに、植物性たん白加水分解物(小麦を20時間以上酵素分解した後、分解液を精製し限外濾過膜にて分子量20000以上の画分を除去したものをスプレードライした乾燥粉末)と酵母エキス(「酵母エキスNo2」パン酵母エキス、味の素(株)製)の割合を変化させ、2成分の合計が喫食濃度0.08%となるように添加した。2成分を添加していない野菜スープをコントロールとした。尚、このコントロールは、一般に標準的な濃度といわれるスープの喫食塩分濃度0.8%のものと比較して、喫食時の塩分が低いために、「味が薄くて物足りない」、「味のバランスがわるく、おいしくない」という特徴があった。この塩味が弱く、味が物足りなく、おいしさが損なわれた野菜スープに、本発明品である減塩食品用組成物を添加して、その添加効果、即ちおいしさ付与効果を確認した。
官能評価は(1)塩味の強さ、(2)味の物足りなさ(味が物足りない感じ)、(3)味のバランスの好ましさ、(4)おいしさ(総合評価)について評価した。また採点は以下に従った。
+++:コントロールと比較して効果が非常に明瞭である、++:コントロールと比較して効果がより明瞭である、+:コントロールと比較して効果がある、―:コントロールと比較して効果が明瞭でない、または効果が好ましくない
◎◎:コントロールと比較しておいしさ付与効果が非常に明瞭である、◎:コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭である、○:コントロールと比較しておいしさ付与効果がある、×:コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭でない、または効果が好ましくない。尚、喫食温度は75℃〜65度の間で評価した。
【0035】
【表4】

【0036】
表4の結果から、全ての実験区で塩味の強さはコントロールと同等であったが、植物性たん白加水分解物の配合量をA重量部、酵母エキスの配合量をB重量部としたとき、A+B=100のときに、0<A<100、0<B<100の範囲において、おいしさ付与に効果があることが確認された。表4の傾向からA+B=100のときに、15≦A≦97、3≦B≦85の範囲であればおいしさ付与に効果があることが推測された。
【0037】
(実施例5 (A)植物性たん白加水分解物と(B)酵母エキス、(C)アミノ酸類などのC成分、の最適添加割合の確認)
実施例1で作成した野菜スープに、(A)植物性たん白加水分解物(小麦を20時間以上酵素分解した後、分解液を精製し限外濾過膜にて分子量20000以上の画分を除去したものをスプレードライした乾燥粉末)と(B)酵母エキス(「酵母エキスNo2」パン酵母エキス、味の素(株)製)と(C)成分(アミノ酸類など)の3成分の割合を変化させ、3成分の合計が喫食濃度0.08%となるように添加した。3成分を添加していない野菜スープをコントロールとした。尚、このコントロールは、一般に標準的な濃度といわれるスープの喫食塩分濃度0.8%のものと比較して、喫食時の塩分が低いために、「味が薄くて物足りない」、「味のバランスがわるく、おいしくない」という特徴があった。この塩味が弱く、味が物足りなく、おいしさが損なわれた野菜スープに、本発明品である減塩食品用組成物を添加して、その添加効果、即ちおいしさ付与効果を確認した。
官能評価は(1)塩味の強さ、(2)味の物足りなさ(味が物足りない感じ)、(3)味のバランスの好ましさ、(4)おいしさ(総合評価)について評価した。また、採点は以下に従った。
+++:コントロールと比較して効果が非常に明瞭である、++:コントロールと比較して効果がより明瞭である、+:コントロールと比較して効果がある、―:コントロールと比較して効果が明瞭でない、または効果が好ましくない
◎◎:コントロールと比較しておいしさ付与効果が非常に明瞭である、◎:コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭である、○:コントロールと比較しておいしさ付与効果がある、×:コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭でない、または効果が好ましくない。尚、喫食温度は75℃〜65度の間で評価した。
【0038】
【表5】

【0039】
表5の(C)成分(アミノ酸類など)は、グルタミン酸ナトリウム、アラニン、メチオニン、アスパラギン酸ナトリウム、アルギニン、リジン塩酸塩、イノシン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、コハク酸、酒石酸水素カリウム、乳酸カルシウム、フマル酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、無水炭酸カリウム、ソルビトールのいずれか1種以上を含んだ混合物であった。
【0040】
表5の結果から、全ての実験区で塩味の強さはコントロールと同等であったが、植物性たん白加水分解物の配合量をA重量部、酵母エキスの配合量をB重量部、(C)成分(アミノ酸類など)をC重量部としたとき、A+B+C=100のときに20≦A≦80、5≦B≦35、15≦C≦45の範囲において、おいしさ付与に効果があることが確認された。表5の傾向からA+B+C=100のときに、10≦A≦85、3≦B≦40、12≦C≦50の範囲であればおいしさ付与に効果があることが推測された。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、植物性たん白加水分解物と酵母エキスを混合する減塩飲食品用組成物に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性たん白加水分解物と酵母エキスを混合することを特徴とする減塩飲食品用組成物。
【請求項2】
植物性たん白加水分解物の配合量をA重量部、酵母エキスの配合量をB重量部としたとき、A+B=100のときに、15≦A≦97、3≦B≦85となるように、植物性たん白加水分解物と酵母エキスを混合することを特徴とする減塩飲食品用組成物。
【請求項3】
アミノ酸類、核酸、有機酸類、無機塩類、糖アルコールの1種または2種以上と、植物性たん白加水分解物と酵母エキスを混合することを特徴とする減塩飲食品用組成物。
【請求項4】
植物性たん白加水分解物の配合量をA重量部、酵母エキスの配合量をB重量部、アミノ酸類、核酸、有機酸類、無機塩類、糖アルコールの合計の配合量をC重量部としたとき、A+B+C=100のときに、10≦A≦85、3≦B≦40、12≦C≦50となるように、アミノ酸類、核酸、有機酸類、無機塩類、糖アルコールの1種または2種以上と、植物性たん白加水分解物と酵母エキスを混合することを特徴とする減塩飲食品用組成物。
【請求項5】
植物性たんぱく源が穀類、豆類、ナッツ類のいずれかである請求項1から4のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
【請求項6】
植物性たん白加水分解物が以下の(a)〜(i)の1種または2種以上に該当する工程を含む方法で製造されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
(a)pH6以下で加水分解を行う工程、
(b)pH8以上で加水分解を行う工程、
(c)アルカリ溶液をたんぱく加水分解液に添加して、脱ナトリウム化する工程、
(d)液体麹または固体麹を用い、20〜40℃の温度、pH6〜9のpHで酵素分解を行う工程、
(e)無塩で加水分解を行う工程、
(f)たんぱく加水分解液中に含まれる菌体を遠心分離または濾過により分離・乾燥する工程、
(g)膜処理および/または活性炭による脱色を行う工程、
(h)pH8以上で濃縮を行う工程、
(i)膜またはカラムまたは電気泳動で分子量20000以上の画分を除去する工程
【請求項7】
酵母エキスが、サッカロマイセス(Saccharomyces)属又はトルラ酵母(Candida属)の酵母を用いて製造されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
【請求項8】
サッカロマイセス属の酵母が、サッカロマイセス・セルビシエであることを特徴とする請求項7に記載の減塩飲食品用組成物。
【請求項9】
グルタチオン含有酵母エキスと糖を混合後、加熱して得られる酵母エキスを含む請求項1から4のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
【請求項10】
酵母エキスが、自己消化法、酸分解法、酵素分解法のいずれかによって得られることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
【請求項11】
酵母エキスの全窒素量が7%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の減塩飲食品用組成物。
【請求項12】
アミノ酸類が、グルタミン酸ナトリウム、アラニン、メチオニン、アスパラギン酸ナトリウム、アルギニン、リジン塩酸塩のいずれか1種以上であることを特徴とする請求項3記載の減塩飲食品用組成物。
【請求項13】
核酸が、イノシン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項3記載の減塩飲食品用組成物。
【請求項14】
有機酸類が、クエン酸三ナトリウム、コハク酸、酒石酸水素カリウム、乳酸カルシウム、フマル酸ナトリウムのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項3記載の減塩飲食品用組成物。
【請求項15】
無機塩類が、リン酸水素二カリウム、無水炭酸カリウムのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項3記載の減塩飲食品用組成物。
【請求項16】
糖アルコールがソルビトールである請求項3記載の減塩飲食品用組成物。
【請求項17】
請求項1から4のいずれかの1項に記載の減塩飲食品用組成物を喫食時に5ppm以上0.65%以下含む飲食品。
【請求項18】
飲食時の食塩量またはナトリウム量の低減割合が25%以上の減塩飲食品において、請求項1の組成物を含有せしめることを特徴とする減塩食品。

【公開番号】特開2011−4668(P2011−4668A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152020(P2009−152020)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】