説明

減感インキ及びこれを用いた感圧複写紙

【課題】セットオフ現象やストライクスルー現象を発生させることなく、複写不要部分に十分かつ確実な減感効果を確保することができる減感インキ及びこれを用いた感圧複写紙を提供する。
【解決手段】感圧複写紙の発色剤層又は顕色剤層の複写不要部分に積層印刷される減感インキであって、放射線により硬化可能なプレポリマー及び/又はモノマーを含有するとともに、平均粒子径が3.5μm以下の非結晶シリカを10重量%以上含有する減感インキ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧複写帳票等に用いられる減感インキ及びこれを用いた感圧複写紙に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、感圧複写紙を用いた帳票等は、少なくとも上用紙と下用紙とで構成され、例えば上用紙の下面側には発色剤が塗工されて発色剤層が形成され、下用紙の上面側には顕色剤が塗工されて顕色剤層が形成されている。また、下用紙において複写不要部分には、顕色剤層上に減感インキが塗工されて、部分的に減感剤層が形成されている。
【0003】
したがって、上用紙の上面側にて記入を行うと、筆圧により発色剤と顕色剤とが反応して、下用紙への複写がなされる。このとき、上用紙において減感剤層上にて記入を行っても、減感剤により発色、顕色が妨げられ、当該部分における下用紙への複写が回避されることとなる(例えば下記特許文献1参照)。
【0004】
これにより、上用紙のみに記入されるべき秘密事項等の下用紙を介しての漏洩を未然に防止することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−15589号公報
【特許文献2】特開2000−006516号公報
【特許文献3】特開平07−257072号公報
【特許文献4】特開平07−216785号公報
【特許文献5】特開2002−086909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、今日において減感剤層は秘密事項の漏洩防止という観点からも重要な意味を持ち、それ故、減感剤層には十分かつ確実な減感効果が確保されていなければならない。このため、十分かつ確実な減感効果が確保するために、多量の減感剤を配合した減感インキを用いて減感剤層を形成することが一般的に行われている。
【0007】
しかし、このように多量の減感剤を配合した減感インキを用いて下用紙に減感剤層を形成すると、当該下用紙の複写必要部分にまで減感剤が移行し、その結果、下用紙の複写必要部分が複写不良となる現象(以下、「セットオフ」現象という)が発生する。また、下用紙の減感剤層から中用紙の表面にまで減感剤が移行し、その結果中用紙の複写必要部分が複写不良となる現象(以下、「ストライクスルー」現象という)が発生する。
【0008】
したがって、複写不要部分に十分かつ確実な減感効果を確保することができる反面、セットオフ現象やストライクスルー現象により、複写必要部分に複写不良が生ずる不都合がある。特に、セットオフ現象は、夏季に40℃環境程度の倉庫等で、減感インキ層を印刷した下用紙や中用紙の中間製品が保管されたりした場合に発生しやすくなり、更に、運送中の車両、船舶内で環境温度が60℃程度になると、感圧複写伝票製品においてストライクスルー現象も発生しやくなる。
【0009】
かかる不良を解決するために、特許文献2(特開2000−006516)、及び、特許文献3(特開平07−257072)では、減感剤層上、又は、該減感剤層と相対する面にオーバーコート層を設けて、減感剤層中の減感剤の移行を緩和する技術を開示していが、このようにオーバーコート層を設けることは、印刷工程が増えることによる生産性の低下、及び、生産コストの増加を招いている。
【0010】
また、特許文献4(特開平07−216785)では、中用紙、及び、下用紙の原紙にサイズ剤を入れて発色剤層との間に微小な間隙を設けることにより、減感剤層中の減感剤の移行を緩和する技術を開示しているが、このような技術では、原紙のコストが高くなるとともに、サイズ剤の影響で複写画像が高精細に視認されないとう問題が発生している。
【0011】
一方、特許文献5(特開2002−086909)で示しているような方法で、従来の減感インキの塗布量を適性にコントロールして減感剤の移行の影響を緩和するという技術はあるものの、該塗布量コントロールのために、生産印刷作業中の常時管理が必要で、かつ、適宜、塗布量コントロールのための生産機印刷条件を調整する必要があり、度々印刷を中断するという事態も発生している。
【0012】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、減感剤層印刷時に特段の塗布量常時管理を必要とせずに、セットオフ現象やストライクスルー現象を発生させることなく、複写不要部分に十分かつ確実な減感効果が確保することができる減感インキ及びこれを用いた感圧複写紙を提供することを目的とする。
【0013】
特に、減感インキの塗布量が適正量より多少多くなったときでも、また、夏季の倉庫保管や車両、船舶による移送中に40℃、60℃環境になったときでも、セットオフ現象やストライクスルー現象を発生させることなく、複写不要部分に十分かつ確実な減感効果が確保することができる減感インキ及びこれを用いた感圧複写紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するため、本発明にかかる減感インキは、感圧複写紙の発色剤層又は顕色剤層の複写不要部分に積層印刷される減感インキであって、放射線により硬化可能なポリマー及び/又はモノマーを含有するとともに、平均粒子径が3.5μm以下の非結晶シリカを10重量%以上含有する。
【0015】
したがって、非結晶シリカを10重量%以上含有することにより、減感剤が減感剤層中を移動しにくくなり、セットオフ現象やストライクスルー現象を防止できるようになる。しかも、非結晶シリカの平均粒子径が3.5μm以下であることにより、平均粒子径が3.5μmより大きいシリカよりも比表面積が大きくなり、発色剤をより効果的に吸着できるようになることにより、発色剤が顕色剤層に到達せず減感効果が高まる。よって、減感剤層の塗布量に相応の変化があった場合でも、セットオフ現象やストライクスルー現象の発生を防止することができ、かつ必要な減感効果を確保することができる。
【0016】
また、前記減感剤が30重量%以下の配合量であることにより、セットオフ現象やストライクスルー現象の発生を確実に防止することができ、さらに前記減感剤が10重量%以下の配合量であれば、セットオフ現象やストライクスルー現象の発生をより確実に防止することができる。無論、このような減感剤の配合比率であっても、前記シリカによる発色剤吸着効果によって必要な減感効果を確保することは可能である。
【0017】
ここで、ロイコ染料等の発色剤とフェノール樹脂やサリチル酸等の顕色剤との接触によって発色する反応を失活させるために減感インキに用いられる減感剤としては、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタドデシルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩、ドデシルアミンなどの分子量の大きいアミン:2,4,4−トリメチル−2−オキサゾリンなどの置換オキサゾリン:キシレンジアミン、N−アミノプロピルピペレジンなどの分子中に環状構造を有するジアミンもしくはポリアミン誘導体とアルキレンオキサイドとの反応物:ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、グルタミン酸−r−アルキルエステル残基を有する重合体、スピロアセタール系ジアミン、N−(アミノアルキル)−ラクタム類、アミン類のグリシジルエーテル付加物などがある。
【0018】
また、前記シリカは、表面が親水性を有するものであることにより、ロイコ染料等の染料系である発色剤を吸着しやすくなって、発色剤が顕色剤層に到達することをより効果的に防止するため、前記のように減感剤配合量が30%以下、さらには10%以下となっても減感効果を十分に確保できるという画期的な減感インキを発明するに至った。
【0019】
なお、前記シリカとしては、AEROSILシリーズ及びACEMATTシリーズ(EVONIK社)、サイリシアシリーズ(富士シリシア化学株式会社)、MIZUKASILシリーズ(水澤化学工業株式会社)、NIPSILシリーズ(日本シリカ工業株式会社)などのシリカ製品のなかから適宜選択することができる。
【0020】
加えて、本発明の減感インキは放射線により硬化可能なプレポリマー及び/又はモノマーを含有し、加熱乾燥等によって飛散させる必要がある有機溶剤を含有しないことから、加熱乾燥に要する時間及びエネルギーが不要であるとともに環境への悪影響もない。
【0021】
なお、前記放射線により硬化可能なプレポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、又は一方、モノマーとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリンやトリメチロールプロパンなどの多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類の単官能及び多官能(メタ)アクリレートモノマー、各種グリシジルエーテルの末端エポキシ(メタ)アクリレート類の単官能及び多官能モノマー、脂環構造を有するヘテロ環式の単官能及び多官能(メタ)アクリレートモノマー、フェニル構造等の芳香族環を有する単官能及び多官能(メタ)アクリレートモノマーなどを挙げることができる。
【0022】
前記プレポリマー、モノマーは、インキを所望の粘性、流動性、硬化性などに調整するために、適宜、単数又は複数を選択したり組み合せたりして使用することができる。また、インキ塗膜の柔軟性や放射線照射による硬化速度を調整するために、前記プレポリマー及びモノマーは、単官能であるもの及び多官能であるものから適宜選択され。また、それらの複数を組み合せることもかまわない。
【0023】
本発明の減感インキは、かかるプレポリマーやモノマー等の配合量を調整して流動性を適性に設計することにより、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の種々の印刷方式で印刷することができる。
【0024】
更に、本発明の減感インキは、光開始剤を含有することにより、紫外線やLEDの照射によって、インキを硬化させて減圧感剤層を形成することができる。
【0025】
前記光開始剤としては、公知の光重合開始剤を適宜単数又は複数選択して使用することができる。例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2、4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2、4、6−ジメトキシベンゾイル)−2、4、4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド等が挙げられ、さらに、脂肪族アミンや芳香族アミンを光増感剤として加えることによって減感インキの硬化性を促進させることもできる。
【0026】
一方、本発明の減感インキは、柔軟性や可撓性を付与するために適量の植物油や鉱物油を加えたり、消泡効果やレベリング効果を高めるための添加剤を加えたり、原紙との接着性やインキ層の強靭性を高めるために各種ポリマーを加えたり、紫外線劣化や熱劣化や酸化物劣化を防止するための紫外線吸収剤や熱安定剤や酸化防止剤を加えたりすることもできる。さらには、体質顔料や着色顔料を加えて減感剤層の艶感や色調を調整したりすることもできる。
【0027】
また、本発明は、以上の減感インキを印刷し、放射線を照射して硬化させた減感層を有する感圧複写紙を提供する。かかる感圧複写紙にあっては、減感剤の含有量を相対的に減少させることと前記非結晶性シリカを10%以上含有することによって、該感圧複写紙は長期保存状態におかれた場合でも、セットオフ現象やストライクスルー現象の発生がなく、かつ必要な減感効果を確保することができる。
【0028】
また、前記感圧紙が、放射線として、紫外線又はLED光源を用いて硬化させた減感層を有するものであることより、製造工程において紫外線又はLED光源を用いることによって、省スペース、省エネルギーであり、かつ、溶剤の揮発時間を要することのない製造が可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、生産工程において常時の塗布量管理調整を行わずとも、セットオフ現象やストライクスルー現象を発生させることなく、複写不要部分に十分かつ確実な減感効果が確保することができる感圧複写紙を提供できる。しかも、加熱乾燥等により飛散させる必要がある有機溶剤を含有しないことから、環境への悪影響も未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる感圧複写伝票の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示すように、本発明の一実施の形態にかかる感圧複写伝票1は、上用紙2、中用紙3、及び下用紙4で構成されている。上用紙2の下面側には発色剤が封入されたカプセルを配合した発色インキ又は発色塗料を印刷又は塗布することにより発色剤層5が形成されている。
【0032】
中用紙3の上面には顕色剤を配合した顕色インキ又は顕色塗料を印刷又は塗布することにより顕色剤層6が形成され、下面には発色剤が封入されたカプセルを配合した発色インキ又は発色塗料を印刷又は塗布することにより発色剤層7が形成されている。さらに、中用紙3の顕色剤層6上には、複写発色不要部分11に減感インキを印刷することにより、減感剤層8が形成されている。
【0033】
また、下用紙4の上面には、顕色剤を配合した顕色インキ又は顕色塗料を印刷又は塗布することにより顕色剤層9が形成され、上には、複写発色不要部分12に減感インキを印刷することにより、減感剤層10が形成されている。
【0034】
なお、図1のように中用紙3が1枚である場合は通常3枚複写伝票と呼ばれ、中用紙3を2枚有するものは4枚複写伝票などと呼ばれている。
【実施例及び比較例】
【0035】
以下、本発明の実施例について比較例とともに説明する。なお、下記実施例及び比較例における成分値は重量%である。
【0036】
表1に示した配合の減感インキによって、RIテスター展色機を用いて、印刷に使用する減感インキの量を0.30cc、0.35cc、0.40ccと変化させて市販の下用紙及び中用紙の顕色剤層上に印刷し、積算光量50mJ/cmの紫外線を照射して当該減感インキ印刷層を硬化させて中用紙及び下用紙を作成し、更に市販の上用紙と重ねて図1に示す感圧複写紙を作成した。上用紙と中用紙は青発色剤を有するものを使用した。
【0037】
なお、下用紙と中用紙は減感インキを印刷して硬化させた後、折印刷方式仕様と同様に、減感インキ印刷層が印刷された部分と印刷されていない部分が相対するように折り畳んでで重ね、40℃環境下で30g/cmの荷重をかけ3日間放置後、当該折り畳みを解除したものを使用した。
【0038】
「減感性能の評価」
図1に示す感圧複写伝票1に、通常にノーカンボン複写伝票等に筆記するようにボールペンで記入した後、該伝票の中用紙及び下用紙の減感インキ印刷層部分が複写不能となっているかどうかを目視にて評価した。
【0039】
◎ 全く複写が視認されない状態であった。
【0040】
○ 微小に複写跡が視認されるが、複写画線は判読できないレベルであった。
【0041】
△ 若干の複写跡が視認され、注視によって複写画線が判読できるレベルであった。
【0042】
× 容易に判読できる程度に複写されていた。
「セットオフ現象の評価」
図1に示す感圧複写伝票において、通常にノーカンボン複写伝票等に筆記するようにボールペンで記入し、前記のように減感インキが印刷された部分と印刷されていない部分が相対するように下用紙及び中用紙を折り畳んで重ねて、40℃環境下で30g/cmの荷重をかけ3日間放置していたときに減感剤層と相対していた顕色剤層部分への複写の鮮明性を目視にて評価した。
【0043】
◎ 全く不良のない鮮明な複写であった。
【0044】
○ 瞬時に十分に判読できるが、若干複写濃度の低下が感じられるレベルであった。
【0045】
△ 判読はできるが、瞬時に十分に判読できるとは言い難いレベルの複写濃度であった。
【0046】
× 注視によっても判読し難いレベルまで複写濃度が低下していた。
【0047】
「ストライクスルー現象の評価」
図1の感圧複写伝票を60℃環境下で30g/cmの荷重をかけ3日間放置した後に、通常にノーカンボン複写伝票等に筆記するようにボールペンで記入し、下用紙の減感インキ層部分に相重なる中用紙の顕色剤層部分上の複写の鮮明性を目視にて評価した。
【0048】
◎ 全く不良のない鮮明な複写であった。
【0049】
○ 瞬時に十分に判読できるが、若干複写濃度の低下が感じられるレベルであった。
【0050】
△ 判読はできるが、瞬時に十分に判読し難いレベルの複写濃度であった。
【0051】
× 注視によっても判読し難いレベルまで複写濃度が低下していた。
【0052】
【表1】

・プレポリマー1 2官能ウレタンアクリレート
・プレポリマー2 2官能エポキシアクリレート
・モノマー1 ネオペンチルグリコールジアクリレート
・モノマー2 ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
・減感剤 脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物
・シリカA 粒子径3.5μmの表面未処理の非結晶性シリカ
・シリカB 粒子径2.6μmの親水性表面である非結晶性シリカ
・シリカC 粒子径4.0μmの親水性表面である非結晶性シリカ
・光開始剤 α−アミノアルキルフェノン:アシルフォスフィンオキサイド=1:3
・白顔料 酸化チタン
・植物油 大豆油
【0053】
実施例1〜6の結果が示すように、粒子径3.5μm以下の非結晶性シリカを10重量%以上含む減感インキであれば、塗布量にばらつきがある場合や減感剤量の多い少ないにかかわらず、十分な減感効果、十分なセットオフ現象耐性、十分なストイライクスルー現象耐性を同時に満足している。
【0054】
一方、比較例1〜4が示すように、粒子径3.5μm以下の非結晶性シリカを10重量%以上含まない減感インキでは、塗布量にばらつきがある場合や減感剤量の多い少ないによって、十分な減感効果、十分なセットオフ現象耐性、十分なストイライクスルー現象耐性を同時に満足できない。
【符号の説明】
【0055】
1 感圧複写伝票
2 上用紙
3 中用紙
4 下用紙
5 発色剤層
6 顕色剤層
7 発色剤層
8 減感剤層
9 顕色剤層
10 減感剤層
11 複写発色不要部分
12 複写発色不要部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感圧複写紙の発色剤層又は顕色剤層の複写不要部分に積層印刷される減感インキであって、
放射線により硬化可能なプレポリマー及び/又はモノマーを含有するとともに、平均粒子径が3.5μm以下の非結晶シリカを10重量%以上含有することを特徴とする減感インキ。
【請求項2】
減感剤が30重量%以下の配合量であることを特徴とする請求項1記載の減感インキ。
【請求項3】
減感剤が10重量%以下の配合量であることを特徴とする請求項1記載の減感インキ。
【請求項4】
前記シリカは、表面が親水性を有するものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の減感インキ。
【請求項5】
更に、光開始剤を含有することを特徴とする請求項1から4にいずれか記載の減感インキ。
【請求項6】
請求項1から5にいずれか記載の減感インキを印刷し、放射線を照射して硬化させた減感層を有することを特徴とする感圧複写紙。
【請求項7】
前記放射線として、紫外線又はLED光源を用いて硬化させた減感層を有することを特徴とする請求項6記載の感圧複写紙。

【図1】
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【公開番号】特開2011−32385(P2011−32385A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180698(P2009−180698)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(591017250)帝国インキ製造株式会社 (15)
【Fターム(参考)】