説明

減摩性塗膜

固形潤滑剤と変性又は合成粘土鉱物とを含み、変性又は合成粘土鉱物は、変性又は合成粘土鉱物の増粘剤の2重量%水性分散液の粘度が少なくとも1000mPa・sであるような増粘性を有する、表面の摩擦及び/ブロッキングを低減する水性塗膜組成物。増粘剤として使用される好ましい粘土鉱物は、好ましくは、サポナイト、ヘクトライト、ステベンス石、ソーコナイト、ベントナイト、バイデライト、ノントロナイト又はモンモリロナイト等のスメクタイト粘土である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に塗布して該表面の摩擦を低減するべく設計された減摩性塗膜に関する。特には、エラストマー下地塗りによって被覆されたエアバッグ及びエアバッグファブリックに上塗りとして塗布するのに適切な減摩性塗膜組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグは、概して、合成繊維、例えば、ナイロン−6,6若しくはポリエステル等のポリアミド製の織物又は編物から作製され、その面の少なくとも一方はエラストマーの層によって被覆されている。エアバッグは、充分な機械的強度を提供するべく、被覆された後に縫合された平らなファブリック片から作製されるか、又は、一体的に織られた、継ぎ目を有する1つの片に織られていてもよい。縫合されたエアバッグは一般的には、エアバッグ内部において、被覆されたファブリック表面と組み合わせられる。1つの片に織られたエアバッグは、エアバッグの外側が被覆される。エアバッグ又はエアバッグファブリックを被覆するのに好ましいエラストマーは、硬化オルガノポリシロキサン組成物であるシリコーンエラストマー、特には、ヒドロシリル化により、即ち、1つのポリ有機シロキサンのアルケニル基と、ポリオルガノシロキサン又はシラン等の別のケイ素含有材料のSi−H基との反応により硬化されるシリコーンゴム塗膜である。
【0003】
エアバッグ又はエアバッグファブリックを被覆するための別のエラストマーは、有機樹脂エラストマーであり、該有機樹脂エラストマーとしてはウレタンポリマーが挙げられる。「有機樹脂」又は「有機ポリマー」は、ポリマー鎖を形成する少なくとも50%の原子が炭素原子であるポリマーを意味する。
【0004】
米国特許第5110666号明細書は、新規なポリカーボネート−ポリエーテルポリウレタンによって被覆された、運転席側及び助手席側エアバッグとして使用するためのファブリック基材について記載する。
【0005】
米国特許第6169043号明細書は、ファブリック表面に低浸透性塗膜を提供する、ポリウレタン及びポリアクリレート成分の混合物を含んだエアバッグ塗膜組成物について記載する。
【0006】
米国特許第7543843号明細書は、エアバッグ塗膜としてのハイブリッド樹脂の使用について記載する。ハイブリッド樹脂は、アクリレート、ビニル及び/又はシリコーンと混合したウレタンであり、成分の少なくとも1つは、20℃以下のガラス転移温度を有する。ウレタンは、好ましくは、ポリカーボネート、ポリテトラメチレングリコール、ケイ素系ジオール又はオレフィン系ジオールのタイプから作製されている。
【0007】
シリコーンエラストマーを使用して被覆したエアバッグは、多くの公開された特許及び出願、例えば、米国特許第5789084号明細書、第5877256号明細書、第6709752号明細書、第6425600号明細書及び第6511754号明細書、並びに、国際公開第08/020605号及び国際公開第08/020635号に記載されている。
【0008】
エラストマーの下地塗りがエアバッグ上の唯一の塗膜である場合、この下地塗りの表面特性は、ブロッキング(特に、高い周辺温度での保管中の及び自動車におけるエアバッグの密な充填の間のエラストマー被覆表面の互いの貼り付き)並びにエアバッグが膨張したときの非常に高いストレスにつながり、これは、膨張の間に裂けることによって又はファブリックからエラストマーの下地塗りが剥離することによってバッグの欠陥をもたらすであろう。エラストマーで被覆したファブリックがロールで保管される場合、エラストマー表面間のブロッキングは、エアバッグの製造中の問題でもある。更には、シリコーンエラストマー塗膜等のエラストマーの多くが、硬化時に高い表面摩擦を有する。
【0009】
更には、特定の有機樹脂の下塗り、特には、ウレタンポリマーの下地塗り又はアミノ樹脂により硬化した下地塗りに、硬化性液体シリコーンゴムの上塗りを塗布することにより、不快な魚臭を発することが見出された。
【0010】
米国特許第5945185号明細書は、シロキサン含量が5〜40重量%のシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンから作製されたエアバッグについて記載する。かかるエアバッグは、ブロッキングの危険が低減されていると記載されているが、自動車製造業者は、被覆されたファブリックエアバッグの方を好んで使用していた。
【0011】
米国特許第6239046号明細書は、編布、織布又は不織布の基材を、接着性ポリウレタン層により、そしてその後、エラストマーポリシロキサン層によりコーティングすることを記載する。次いで、被覆された布基材から、空気保持に優れ且つ耐熱性に優れたエアカーテン又はエアバッグが形成される。
【0012】
米国特許第6177365号明細書及び米国特許第6177366号明細書は、少なくとも2つの別々の層を含んだエアバッグ塗膜について記載する。エアバッグ表面と接した第1の層(下地塗り)は、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリアミド、ブチルゴム、水素化ニトリルゴム又はエチレンビニルアセテートコポリマーから作製された非シリコーン組成物を含む。第2の層(上塗り)は、シリコーン材料である。
【0013】
米国特許第6177366号明細書は、少なくとも2つの別々の異なる層を含んだエアバッグ塗膜組成物について記載する。エアバッグ表面と接した第1の層(下地塗り)は、シリコーンエラストマーを含む。第2の層(上塗り)は、好ましくは、シリコーン樹脂である。
【0014】
米国特許第7198854号明細書は、シリコーンエラストマーで被覆した布地のための減摩性シリコーンニスについて記載する。ニスは、架橋を許容する触媒の存在下、互いに反応する2つのシリコーンを含む架橋性シリコーン組成物、及び、粉末(コ)ポリアミドを含んだ粒子状成分を含んでいる。
【0015】
特開2004−167556号公報は、断熱材としての珪藻土、離型剤としてのタルク及びバインダーとしてのベントナイトを含んだ水性金属鋳型塗膜剤について開示している。
【0016】
本発明に従う、表面の摩擦及び/又はブロッキングを低減するための水性塗膜組成物は、固形潤滑剤と、変性又は合成粘土鉱物とを含み、該変性又は合成粘土鉱物は、変性又は合成粘土鉱物の増粘剤の2重量%水性分散液の粘度が少なくとも1000mPa・sであるような増粘性を有する。粘度は、20mm直径の2°テーパーコーンを具えたウェルズ−ブルックフィールドコーン/プレート粘度計(Wells-Brookfield Cone/Plate Viscometer)を使用し、1s−1のせん断率で、25℃で測定される(ASTM D4287)。特に示さない限り、本明細書に記載する、変性又は合成粘土鉱物の増粘剤の水性分散液全てについて示した粘度は、上記と同じ手法で測定された。
【0017】
本発明はまた、固形潤滑剤と変性又は合成粘土鉱物と水溶性有機ポリマーとを含んだブロッキング防止塗膜によって被覆したエアバッグを含み、該変性又は合成粘土鉱物は、変性又は合成粘土鉱物の増粘剤の2重量%水性分散液の粘度が25℃で少なくとも1000mPa・sであるような増粘性を有する。
【0018】
本発明は更に、基材を被覆し、摩擦及び/又はブロッキングを低減する方法を含み、当該方法において、基材は水性塗膜組成物によって被覆され、当該塗膜組成物は固形潤滑剤と変性又は合成粘土鉱物とを含み、変性又は合成粘土鉱物は、変性又は合成粘土鉱物の増粘剤の2重量%水性分散液の粘度が25℃で少なくとも1000mPa・sであるような増粘性を有する。
【0019】
固形潤滑剤は、好ましくは、層状ケイ酸塩としても既知のフィロシリケートを含む。本発明において固形潤滑剤としての使用に適したフィロシリケートの例としては、マイカ、タルク、例えば、タルク微小球、カオリナイト、スメクタイト、セリサイト及びクロライトが挙げられる。タルクは、広く利用することができ、潤滑剤として効果的である。クロライトも潤滑剤として効果的であり、タルクよりも容易に水中に分散させることができるという利点を有する。固形潤滑剤は、更に又は代わりに、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフルオロポリマー、ポリオレフィンワックス等の固形炭化水素ワックス、例えば、微粉化ポリプロピレンワックス、若しくは、PTFEとワックスとの混合物、又は、モリブデンジスルフィド、グラファイト、硫化亜鉛若しくはリン酸三カルシウム、又はこれらのうちのいずれか2つ以上の混合物を含んでいてもよい。
【0020】
固形潤滑剤は、好ましくは、水性塗膜組成物の少なくとも1重量%、或いは、少なくとも3重量%、例えば、水性塗膜組成物の5又は10重量%から最大で40重量%存在する。
【0021】
増粘剤として使用される粘土鉱物は、好ましくは、サポナイト、ヘクトライト、ステベンス石、ソーコナイト、ベントナイト、バイデライト、ノントロナイト又はモンモリロナイト等のスメクタイト粘土である。
【0022】
本発明の好ましい一側面によれば、粘土鉱物は、水溶性有機ポリマーによって変性している。適切な水溶性有機ポリマーとしては、カルボキシレート基を含んだポリマーが挙げられ、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム又はポリメタクリル酸ナトリウム等のカルボキシル含有付加重合体である。
【0023】
粘土鉱物、例えば、ベントナイト又はモンモリロナイトは、水溶性有機ポリマーと予混合することによって変性されてもよい。例えば、粘土鉱物と水溶性有機ポリマーとを水中で均一に混合し、その後、混合物を、例えば、スプレー乾燥によって乾燥してもよい。得られた乾燥混合物は、必要に応じて、所望の粒径まで粉砕することができ、該粒径は、1〜20μmの範囲であってもよい。かかる混合物中の水溶性ポリマーの含有率は、例えば、0.1重量%〜40重量%の範囲であってもよい。
【0024】
また、ベントナイト又はモンモリロナイト等の粘土鉱物は、アルキルアルコキシシランを使用した処理によって変性されてもよい。アルキルアルコキシシランは、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン又はエチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシランである。例えば、アルキルアルコキシシランは、純正液体シラン又は有機溶媒中の溶液として、粘土鉱物に適用することができる。
【0025】
1以上のプロセスを使用して、粘土鉱物を変性させ、より粘性の高い水溶液を作製することができる。例えば、ベントナイト又はモンモリロナイトと水溶性ポリマーとの混合物は、アルキルアルコキシシランを使用して処理されてもよい。
【0026】
本発明の別の側面に従うと、粘土鉱物の増粘剤は、人工合成サポナイト、人工合成ヘクトライト及び人工合成ステベンス石等の人工合成スメクタイトであってよい。合成サポナイトは、オートクレーブ中での化学物質の熱水合成により、クニミネ工業株式会社によって製造される。合成サポナイトは、白雪色粉末であり、そのゲルは無色透明で且つ天然スメクタイトのゲルよりも粘性が高い。市販の合成ヘクトライトの例としては、ラポナイトの商標名でラポナイトインダストリーズ株式会社(Laponite Industries Ltd.)によって製造されるB、RD及びXLG製品が挙げられる。市販の合成ステベンス石の一例は、イオナイトの商標名で水澤化学工業株式会社により製造される。これらの製品は、白色粉末であり、水への添加によってゾル又はゲルを容易に形成する。かかる合成スメクタイトは、概して、天然スメクタイトよりも小さな粒径を有し、例えば、平均粒径は、天然スメクタイトの平均粒径のわずか5又は10%である。合成スメクタイトのかかる小さな粒径のため、より少量の添加量で粘性の水性組成物を作製することができる可能性がある。
【0027】
通常は必要ないが、合成粘土鉱物を変性させ、より粘性の高い水溶液を作製してもよい。例えば、合成サポナイト、ヘクトライト又はステベンス石は、アルキルアルコキシシランを使用して処理することができる。
【0028】
変性又は合成粘土鉱物の増粘剤は、例えば、塗膜組成物の0.1又は0.2重量%から5又は10重量%存在してもよい。0.5〜3%の変性又は合成粘土鉱物の増粘剤を含んだ水性塗膜組成物が往々にして好ましい。
【0029】
水性塗膜組成物は、エアバッグファブリック等の基材への固形潤滑剤の密着性を増強すべく、一般的には有機ポリマーバインダーを必要とする。塗膜組成物中に水溶性有機ポリマーが存在する場合、例えば、粘土鉱物の増粘剤を水溶性ポリマーによって変性させる場合、その水溶性ポリマーは、塗膜組成物の有機ポリマーバインダーとしても機能してよい。また、表面の摩擦及び/又はブロッキングを低減するための塗膜組成物は、水性分散液中に存在する有機ポリマーバインダーを更に含む。従って、基材表面に存在する塗膜は、有機ポリマーバインダー中に分散した固形潤滑剤を含み、これは、完全に又は部分的に、水溶性有機ポリマーを含むか、或いは、水性組成物中に分散した有機ポリマーであってもよい。
【0030】
好ましい有機ポリマーバインダーとしては、ポリウレタン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、ビニル樹脂、例えば、ポリビニルブチラール、及びポリアミドイミド樹脂が挙げられる。好ましいポリウレタンとしては、ポリエステル又はポリエーテルポリオール及び芳香族又は脂肪族ジイソシアネートから作製されたコポリマーが挙げられる。有機ポリマーバインダーの濃度は、例えば、上塗り組成物の0.2又は0.3重量%から最大で30重量%までの範囲であってよい。例えば、塗膜組成物の5重量%から最大で20重量%の有機ポリマーバインダーの濃度が好ましいことが多い。明確化のため、%値が提供される場合、例えば、組成物の総量は、常に合計100%になることが理解される。
【0031】
また、バインダーは、硬化してエラストマー生成物となる適切なシリコーン系エマルションであってよい。分散相は、例えば、水性連続相において、適切な水酸化ポリジオルガノシロキサンと乳化剤とを含んでいてもよく、組成物は、例えば、コロイド状シリカ等の適切なシリカ補強性充填材及び有機スズ化合物等の他の成分を更に含んでいてもよい。このタイプの組成物は、その内容が引用によって本明細書に組み込まれる米国特許第4221688号明細書に記載される。また、バインダーは、シロキサン系ポリマー及び適切な自己触媒型架橋剤、界面活性剤及び水から作製されてもよい。このタイプの組成物は、例えば、その内容が引用によって本明細書に組み込まれる米国特許第5994459号明細書に記載される。
【0032】
本発明に従う、摩擦及び/又はブロッキングを低減するための、基材上に存在する乾燥塗膜は、例えば、50〜95重量%の固形潤滑剤と、2〜15重量%の変性又は合成粘土鉱物の増粘剤と、最高45重量%までの有機ポリマーバインダーとを含んでいてもよい。乾燥塗膜又は乾燥コート重量に基づく組成物中の範囲への言及は、水及び/又は任意の他の溶媒の重量を除いて計算した重量を意味することを意図する。
【0033】
摩擦及び/又はブロッキングを低減する塗膜組成物は、難燃剤を含んでいてもよい。例えば、エアバッグは、燃焼を支援しないことが重要であり、エアバッグは、エアバッグに適用され得る厳しい可燃性試験を通過するために、一般的に難燃剤の添加を要する。本発明の上塗りがシリコーンを被覆したエアバッグ上に塗布される場合には、一般的に可燃性に問題はないが、難燃剤を含まない上塗りが有機樹脂を被覆したエアバッグに塗布される場合には、米国連邦自動車安全規格試験(US Federal Motor Vehicles Safety Standards Test)FMVSS#302(これ以降は、「FMVSS#302」と称する)等の可燃性試験を通過しないことがあることを我々は見出した。上塗り中に存在する場合に、難燃剤は最も効果的である可能性がある。好ましい難燃剤の例は、好ましくは表面処理されていないアルミニウムトリヒドレートである。減摩性塗膜組成物は、例えば2〜40重量%、好ましくは5〜25重量%のアルミニウムトリヒドレートであってもよい。また、難燃剤としては、水酸化マグネシウム等の他の金属水酸化物、フェライト酸化物及び酸化チタン等の金属酸化物、炭酸亜鉛等の炭酸塩、及び、カーボンブラックが挙げられる。
【0034】
摩擦及び/又はブロッキングを低減する塗膜組成物は、顔料、染料、帯電防止剤、界面活性剤、防腐剤、接着促進剤及び/又は消臭剤、例えば、ゼオライト及び/又は活性炭等を任意に含んでいてもよい。
【0035】
摩擦及び/又はブロッキングを低減する塗膜組成物は、種々の技術によって基材に塗布されてよい。異なる物質は、異なるコーティング方法を必要としてもよい。例えば、コーティングは上塗りとして、ローラ塗布、例えば、グラビア、オフセットローラ又はキスローラによって、又はカーテンコーティングによって、又は空気補助若しくはエアレススプレーであってもよいスプレーによって、又はナイフオーバーローラによって、被覆されたエアバッグ又は被覆されたエアバッグファブリックに塗布されてもよい。ローラ塗布は、少ない塗膜重量で均一に被覆する効果的な方法として好ましいことが多い。ファブリックに転写される塗膜組成物の量は、ローラへの圧力及び/又はグラビア中のエッチング表面の深さの関数である。上塗りは、好ましくは、乾燥重量基準で0.5又は1g/mから最高で10又は15g/mの被覆量で塗布される。1又は2g/mの低い塗膜重量が、必要な低い摩擦係数をもたらし、且つ、ブロッキングを防ぐことができる。
【0036】
減摩性塗膜組成物中の水性希釈剤(水と、水と混合した任意の共溶媒)の量は、コーティングに必要な粘度及び必要な塗膜重量に応じて制御されてもよい。通常、塗膜組成物は、1.5〜50重量%の固形物含有率を有し、98.5〜50%の水性希釈剤を含んでいる。
【0037】
本発明の塗膜組成物は、一般的には、低減した摩擦及び/又は低減したブロッキングが必要とされる場合に、任意の基材に塗布することができる。エアバッグ上に上塗りとして塗布される場合に、又は、航空機及び熱気球の緊急シュート等の他の同様の用途に、塗膜組成物はとりわけ効果的であるが、キーパッド、型形成、ワイヤのコーティング等の他の用途、及び、シリコーン成型プロセス等の成型プロセスにおけるハンドリングの改善にも使用することができる。
【0038】
本発明の塗膜組成物が、被覆されたエアバッグ又は被覆されたエアバッグファブリックに上塗りとして塗布される場合、下地塗りは、先述の特許において記載されたもののうちのいずれかであってよい。下地塗りは、オルガノポリシロキサン組成物であってもよく、オルガノポリシロキサン組成物は、好ましくは、脂肪族不飽和炭化水素又はヒドロカルボノキシ(hydrocarbonoxy)置換基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素が結合した少なくとも3つの水素原子を有する有機ケイ素架橋剤と、脂肪族不飽和炭化水素又はヒドロカルボノキシ置換基とSi−H基との反応を促進することのできる触媒と、補強性充填材とを含んでいる。かかる下地塗りは高い柔軟性を有し、エアバッグを密封するのに効果的であるが、高い摩擦係数を有する。
【0039】
また、エアバッグ又はエアバッグファブリック上の下地塗りは、上記特許に記載される有機樹脂系塗膜のいずれかであってよい。有機樹脂の好ましい1つのタイプは、ポリウレタンである。ポリウレタンの下地塗りは、例えば、イソシアネート基とヒドロキシル又はアミン基との反応によってファブリック上で硬化する反応性ポリウレタンであってよいか、或いは、熱可塑性ポリウレタンであってよい。硬化性又は熱可塑性であるかに関わらず、ポリウレタンは、一般的に、ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物である。ポリオールは、例えば、ポリエーテルジオールであってよく、例えば、ポリテトラメチレングリコールジオール、ポリエステル−ポリエーテルジオール、ポリカーボネート−ポリエーテルジオール、シリコーン−ポリエーテルジオール、又は、つり下がった(pendant)水酸基を含んだポリアクリレート等である。ポリイソシアネートは、芳香族ジイソシアネートであってもよいが、好ましくは、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートである。有機樹脂の下地塗りは、米国特許第7543843号明細書に記載される通り、アクリレート、ビニル及び/又はシリコーンと混合したポリウレタンを含んだハイブリッドウレタン樹脂であってもよい。かかるハイブリッドウレタン樹脂は、ブロッキング、即ち、保管中又は車両のエアバッグコンパートメントにおける密なパッキングの間に被覆表面が互いに張り付くことを防止する上塗りを必要とする。かかる有機樹脂の下塗りは、種々の上塗りによって上塗りされる場合に臭気の問題を有するが、我々は、臭気の問題なく、本発明に従うブロッキング防止塗膜によって上塗りされ得ることを見出した。
【0040】
また、上塗りは、ポリアクリレート、例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂又はエチレンビニルアセテートコポリマーによって硬化され得る、つり下がった水酸基を含んだ硬化性ポリアクリレートを含んでいてもよい。下地塗りは、有機樹脂の配合物、例えば、ポリウレタンと、ポリアクリレートとの又はエチレンビニルアセテートコポリマーとの配合物であってもよい。
【0041】
下地塗りが硬化性である場合、上塗りを塗布する前に硬化されることが一般的であるが、代替の方法では、摩擦及び/又はブロッキングを低減するための塗膜組成物を未硬化の下地塗りに塗布し、下地塗り組成物と、摩擦及び/又はブロッキングを低減するための塗膜組成物との組み合わせを熱硬化してもよい。
【0042】
摩擦及び/又はブロッキングを低減するための塗膜が、硬化した下地塗りに塗布される場合、摩擦及び/又はブロッキングを低減するための塗膜は、周辺温度で硬化することができるか、或いは、高温、例えば50〜200℃、特には100〜150℃の範囲でより迅速に硬化することができる。高温で硬化する可能な方法の1つは、摩擦及び/又はブロッキングを低減する塗膜組成物を、加熱した基材、例えば、下地塗りを熱硬化した直後の被覆されたエアバッグ又はエアバッグファブリックに塗布することを含む。
【0043】
本発明の塗膜は、塗布される基材上に低摩擦表面をもたらす。高い摩擦係数を有する塗膜上に塗布される場合、本発明の塗膜は、被覆されたエアバッグ表面の摩擦を低減し、ひいては、車両の使用時に移動に供される場合、エアバッグの圧力保持を低減させる可能性のあるエアバッグの磨耗を低減する。
【0044】
本発明の塗膜は、被覆されたファブリック表面のブロッキング、即ち、保管中又は車両のエアバッグコンパートメント中での密なパッキングの間に被覆表面同士が張り付くことも防ぐ。かかるブロッキングは、エアバッグが膨張する場合に、非常に高い応力を生じ、引裂によって又はファブリックからのシリコーンの下地塗りの剥離によって、バッグの欠陥を生じ得る。
【0045】
エアバッグの上塗りとしての本発明の塗膜の使用は、不快な臭気を生じさせない。我々は、本発明の塗膜が、ウレタンポリマーの下地塗り、例えば、米国特許第7543843号明細書に記載されるアクリレート、ビニル及び/又はシリコーンと混合したウレタンポリマーを含んだハイブリッドウレタン樹脂上に塗布される場合、魚臭又はアンモニア臭が放出されないことを見出した。
【0046】
本発明は、以下の実施例によって説明され、実施例中の部及び割合は、特に示さない限り、重量によるものである。
【実施例】
【0047】
実施例1〜4
これらの実施例は、ベントナイト及びポリアクリル酸ナトリウムを含んだ変性粘土鉱物の増粘剤MCT1を使用し、当該増粘剤は、ポリアクリル酸ナトリウムの水溶液にベントナイトを均一に混合し、混合物を乾燥し、その後、粉砕することによって形成した。MCT1は、炭酸ナトリウムとポリアクリレートとの混合物を、約15%の含有率で含む。MCT1の2%水溶液は、20,000mPa・sの粘度を有し、該粘度は、直径20mmの2°テーパーコーンを具えたウェルズ−ブルックフィールドコーン/プレート粘度計を使用して、1s−1のせん断率で25℃において測定した(ASTM D4287)。
【0048】
実施例1及び2において、MCT1を水中に分散させ、得られた分散液中に固形潤滑剤(タルク又はクロライト)を分散させた。
【0049】
実施例3において、ポリウレタンエマルションPU1を水及びMCT1で希釈し、希釈したエマルション中にタルクを分散させた。PU1は、脂肪族ポリエステルタイプのポリウレタンの自己触媒型エマルションであり、固形物含有率が32%であり、上記のようにして測定した粘度が400mPa・sである。
【0050】
実施例4において、変性ポリオレフィンPO1を水及びMCT1で希釈し、希釈したエマルション中にタルクを分散させた。PO1は、アクリル樹脂で変性させたポリオレフィンのエマルションであり、固形物含有率が30%であり、上記のようにして測定した粘度が500mPa・sである。
【0051】
得られた上塗り組成物の処方を表1に示す。
【0052】
実施例5〜7
これらの実施例は、アルキルトリアルコキシシランで処理したベントナイト(ベントナイト SH:Hojun株式会社の製品名)を含んだ、変性粘土鉱物の増粘剤MCT2を使用した。MCT2の2%水溶液は、上記のようにして測定した粘度が4,300mPa・sであった。
【0053】
実施例5において、MCT2を水に分散させ、得られた分散液中にクロライトを分散させた。実施例6及び7において、PU1及びMCT1を水に希釈し、希釈したエマルション中にタルク又はクロライトを分散させた。得られた上塗り組成物の処方を表1に示す。
【0054】
実施例8
この実施例は、粘土鉱物の増粘剤として人工サポナイト(スメクトンSAの商標で販売される、日本の東京のクニミネ工業株式会社の製品)を使用した。スメクトンSAの2%水溶液は、上記のようにして測定した粘度が7,600mPa・sであった。PU1を水で希釈し、希釈したエマルションにスメクトンSAを分散させた。得られた上塗り組成物の処方を表1に示す。
【0055】
実施例1〜8の各々において、成分を混合し、1日静置した。混合物の安定性を目視観察し、表1に記録した。「NG」は、固形成分の分離が観察されたことを意味する。
【0056】
実施例1〜8の各々の塗膜組成物を、シリコーンゴムの表面にナイフコーティング(1〜10g/m)によって塗布した。塗膜層の均一性を目視観察した。塗膜がシリコーンゴムを均一に被覆した場合、表1では均一と評価し;塗膜がシリコーンゴムを均一に被覆することができなかった場合、表1では斑状と評価する。塗膜層を180℃で10秒乾燥させた。
【0057】
上塗り層を有するシリコーンゴムは、180°曲げられた。上塗り層のいずれかの亀裂が観察され、表1に亀裂と記載され;亀裂を示さない上塗り層は良好と評価される。
【0058】
上塗り層の減摩性を、実験的に評価し、指で触感によって評価した。「粘着性」は、上塗り層のないシリコーンゴムの触感と同じことを意味する。上塗り層の表面を指で10回スクラビングした後、及び、上塗り層の表面をコットンクロスで10回スクラビングした後、同様の評価を行った。
【0059】
実施例9及び10の上塗り組成物も、引っかき抵抗について試験した。被覆したファブリックを指の爪で引っかいた。引っかきの効果が観察されなければ、塗膜は良好と評価され、ファブリックから塗膜が持ち上がるか又は剥がれたことが観察された場合にはNGと評価された。
【0060】
比較例C1〜C8
実施例1〜8で使用した手順に従い、実施例1〜8の塗膜組成物に使用した成分のうちのいくつかを含んだ塗膜組成物を調製した。処方を表2に示す。比較例C6及びC7で使用したベントナイトの2%水溶液は、上記の通り測定した粘度が1mPa・sであった。
【0061】
比較例C1〜C8の塗膜組成物を、実施例1〜8の塗膜組成物と同じ方法によって試験した。結果を表2に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
実施例9及び10
実施例1の手順に従って、上塗り組成物を表3に挙げた成分から調製した。これらの組成物は、難燃剤を含んでいた。FR1は、平均粒径1μmの未処理の水酸化アルミニウムの微粉末である。FR2は、平均粒径1μmの、シラン表面処理した水酸化アルミニウムの微粉末である。
【0065】
シリコーンゴムを塗布する代わりに、塗膜組成物を、織られたナイロンエアバッグファブリックの被覆表面にグラビアローラコーティングによって塗布することにより適用したこと以外は、上述の通り、実施例9及び10の上塗り組成物を試験し、該ナイロンエアバッグファブリックは、サウスカロライナ、スパータンバーグのミリケン・アンド・カンパニーからPatinaの商標で販売され、且つ、エチレンビニルアセテートコポリマーと混合し、硬化したウレタンポリマーを含んだハイブリッドポリウレタン樹脂を含むと考えられている塗膜によって被覆されていた。上塗りを、10g/mで塗布し、140℃で熱硬化した。
【0066】
上記試験に加え、実施例9及び10の上塗り組成物を、ブロッキングについて試験した。被覆エアバッグファブリックを、被覆面が互いに向き合うように重ね、これらの被覆ファブリック表面が滑らかに滑るか否かについて評価した。滑らかな滑りが観察された場合には塗膜を良好と評価し、表面が滑らかに滑らなかったか又は引っかき傷ができた場合にはNGと評価した。
【0067】
実施例9及び10の上塗り組成物を、燃焼試験において米国連邦自動車安全規格試験FMVSS#302に従って可燃性について試験し、当該試験において、炎をファブリックの端に適用し、燃焼距離と燃焼時間とを測定した。FMVSS#302規格を通過するための要件は、100mm/分以下の燃焼率である。
【0068】
上記全試験の結果を表3に示す。
【0069】
比較例C9では、固形潤滑剤を使用することなくシラン表面処理水酸化アルミニウム微粉末FR2を使用した。比較例C9の塗膜組成物を、実施例9及び10の塗膜と同じ方法で試験し、結果を表3に示す。
【0070】
【表3】

【0071】
実施例11、12及び13
実施例11、12及び13を表4に示す。それらは先の実施例と同じ方法で調製され、塗膜をナイフコーティングによって塗布したが、硬化するエマルションの形態の適切なシリコーン系バインダー(これ以降、「シリコーンラテックス」と称す)をエラストマー製品に組み合わせる。実施例11、12及び13で使用したシリコーンラテックス添加剤は、平均粒径が210nm及び不揮発性成分55重量%を有する水中油型シリコーン系エマルションであった。実施例11、12及び13で使用したシリコーンラテックスは、以下の成分を含む:
・25℃で2,400mPa・sの粘度を有する水酸化ポリジメチルシロキサン37.0重量%:
・ジエチルアミノキシ基含有ポリジメチルシロキサン3.0重量%;
・メチルトリエトキシシラン重量%、
・乳化剤4.0重量%、
・水21.3重量%、
・コロイド状シリカ33重量%(有効成分=30重量%);及び
・pH調整剤としてのジエチルアミン0.7重量%。
【0072】
【表4】

【0073】
試験は全て、上記の通り行い、表4から、3つの実施例11、12及び13の全てが良好な結果を生じたことがわかる。
【0074】
実施例14、15及び16
実施例14、15及び16で試験した組成物は、それぞれ、実施例11、12及び13と同じである。しかしながら、実施例9及び10のように、それらを、グラビアローラコーティングによってシリコーンゴム塗膜により被覆された、織られたナイロンエアバッグファブリックの予め被覆した表面に塗布した。上塗りを140℃で硬化した。硬化するとすぐに、上塗りを分析し、結果を以下の表5に示す。
【0075】
ポリウレタン(PU)の上塗りの代わりにシリコーンラテックスを使用する1つの利点は、塗膜試験の後、グラビアローラを水湿潤クロスにより掃除するだけでよいことであった。PUバインダーを使用する場合には、溶媒を使用してローラを掃除する。
【0076】
【表5】

【0077】
クロスによるスクラビングの後、タルクを除去する場合、上塗りの表面をクロスでこすり、拭き取りクロスの表面を目視観察することにより、タルクの除去を評価した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の摩擦及び/ブロッキングを低減するための水性塗膜組成物であって、
前記組成物が、固形潤滑剤と、変性又は合成粘土鉱物とを含み、
前記変性又は合成粘土鉱物は、前記変性又は合成粘土鉱物の増粘剤の2重量%水性分散液の粘度が少なくとも1000mPa・sであるような増粘性を有する水性塗膜組成物。
【請求項2】
前記固形潤滑剤が、フィロシリケートである、請求項1に記載の水性塗膜組成物。
【請求項3】
前記固形潤滑剤が、マイカ、タルク、カオリナイト、セリサイト及びクロライトから選択される、請求項2に記載の水性塗膜組成物。
【請求項4】
前記固形潤滑剤が、水性塗膜組成物全体の3〜40重量%存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性塗膜組成物。
【請求項5】
前記粘土鉱物の増粘剤が、サポナイト、ベントナイト又はモンモリロナイトである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性塗膜組成物。
【請求項6】
前記粘土鉱物の増粘剤が、水溶性有機ポリマーによって変性している、請求項5に記載の水性塗膜組成物。
【請求項7】
前記水溶性有機ポリマーが、カルボキシレート基を含む、請求項6に記載の水性塗膜組成物。
【請求項8】
前記水溶性有機ポリマーが、ポリアクリル酸ナトリウム又はポリメタクリル酸ナトリウムである、請求項7に記載の水性塗膜組成物。
【請求項9】
前記水溶性有機ポリマーが、前記粘土鉱物の増粘剤に基づき、0.1〜40重量%存在する、請求項7又は8に記載の水性塗膜組成物。
【請求項10】
前記粘土鉱物の増粘剤が、アルキルアルコキシシランを使用した処理によって変性している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性塗膜組成物。
【請求項11】
前記粘土鉱物の増粘剤が、人工合成サポナイトである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性塗膜組成物。
【請求項12】
前記変性又は合成粘土鉱物の増粘剤が、前記塗膜組成物の0.2重量%〜5重量%存在する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の水性塗膜組成物。
【請求項13】
前記塗膜組成物が、水性分散液中に存在する有機ポリマーバインダー又はシリコーン系水性エマルションの形態のシリコーンバインダーを更に含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の水性塗膜組成物。
【請求項14】
前記有機ポリマーバインダーが、水性エマルション中に存在するポリウレタン又はアクリル変性ポリオレフィンを含む、請求項13に記載の水性塗膜組成物。
【請求項15】
前記塗膜組成物が、難燃剤を更に含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の水性塗膜組成物。
【請求項16】
前記難燃剤が、アルミニウムトリヒドレートである、請求項15に記載の水性塗膜組成物。
【請求項17】
表面の摩擦及び/又はブロッキングを低減する水性塗膜組成物の製造方法であって、
水と、固形潤滑剤と、変性又は合成粘土鉱物の増粘剤とを混合することを具え、
前記変性又は合成粘土鉱物の増粘剤は、前記変性又は合成粘土鉱物の増粘剤の2重量%水性分散液の粘度が少なくとも1000mPa・sであるような増粘性を有する製造方法。
【請求項18】
水溶性有機ポリマーを前記粘土鉱物に予混合し、変性粘土鉱物の増粘剤を形成する、請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
前記粘土鉱物と前記水溶性有機ポリマーとを水中で予混合し、乾燥させる、請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
固形潤滑剤と変性又は合成粘土鉱物とを含んだ水性塗膜組成物の、摩擦及び/又はブロッキングを低減する基材上の上塗りとしての使用であって、
前記変性又は合成粘土鉱物は、前記変性又は合成粘土鉱物の増粘剤の2重量%水性分散液の粘度が少なくとも1000mPa・sであるような増粘性を有する使用。
【請求項21】
前記基材が、エアバッグ、又は、その後エアバッグへと形成される被覆ファブリックである、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
固形潤滑剤と変性又は合成粘土鉱物とを含んだ減摩性塗膜によって被覆されたエアバッグであって、
前記変性又は合成粘土鉱物は、前記変性又は合成粘土鉱物の増粘剤の2重量%水性分散液の粘度が少なくとも1000mPa・sであるような増粘性を有するエアバッグ。
【請求項23】
基材を被覆し、摩擦及び/又はブロッキングを低減する方法であって、
前記基材が、固形潤滑剤と変性又は合成粘土鉱物とを含んだ水性塗膜組成物によって被覆され、
前記変性又は合成粘土鉱物は、前記変性粘土鉱物の増粘剤の2重量%水性分散液の粘度が少なくとも1000mPa・sであるような増粘性を有する方法。
【請求項24】
有機樹脂によって被覆されたファブリックが、前記水性塗膜組成物によって上塗りされる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記シリコーンバインダーが、水酸化ポリジオルガノシロキサン及び乳化剤を含んだ分散相と、水性連続相と、任意にシリカ補強性充填材とを有することを特徴とする、請求項13に記載の水性塗膜組成物。

【公表番号】特表2013−516522(P2013−516522A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547186(P2012−547186)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/062157
【国際公開番号】WO2011/082137
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】