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減温器用噴霧ノズル
説明

減温器用噴霧ノズル

蒸気減温装置の噴霧ノズル組立体用の改良されたバルブ要素は、過熱蒸気の流れ内に、概ね均一に分布された噴霧パターンで冷却水を噴霧するように構成される。該バルブ要素は、バルブボディと、前記バルブボディに一体に取り付けられ、かつ前記バルブボディから軸線方向に沿って延びた長尺状のバルブステムとを備える。前記バルブボディ自体は、前記バルブステムに一体に連結され、かつ外面を画定するノズルコーンを備える。前記ノズルコーンの底面上にハブが形成され、前記ハブは該ハブから突出する複数のリブを有する。各リブには、概ね円状のリングが一体に連結される。フラクチャ・リングは、ノズルコーンの底面を包囲するノズルコーンの下縁に対して離間して配置される。関連して、バルブボディ内に一連の窓が形成され、各窓はノズルコーンの下縁の一部、近接した一対のリブ、およびフラクチャ・リングの上縁の一部によって構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に蒸気減温器に関し、より具体的には、蒸気減温装置用の噴霧ノズル組立体に用いるための独自に構成されたバルブ要素に関する。該ノズル組立体は、過熱蒸気の温度を低減させるように、過熱蒸気の流れ内に冷却水のほぼ均一に分布した噴霧を形成するために特に適切である。
【背景技術】
【0002】
多くの産業施設は、所定の圧力において、飽和温度より高い温度を有する過熱蒸気で作動する。過熱蒸気はタービン、又は他の下流側の構成部品に損傷を与え得るため、蒸気の温度を制御する必要がある。減温とは、過熱蒸気の温度をより低い温度へ低下させる過程のことを意味し、システムを意図された通りに作動させ、システムの保護を保証し、かつ所定の作動温度設定点からの望ましくない偏差を修正する。
【0003】
蒸気減温器は、蒸気管を通過する過熱蒸気の流れ内に冷却水を噴霧することによって、過熱蒸気の温度を低下させることができる。冷却水が過熱蒸気の流れ内に噴霧されると、冷却水は過熱蒸気と混合されて、蒸発することにより、蒸気から熱エネルギを引き出して、蒸気の温度を低下させる。冷却水が過熱蒸気管内に非常に微細な水滴または霧として噴霧される場合には、過熱蒸気との冷却水の混合は蒸気の流れ中でより均一になる。
【0004】
一方、冷却水が流動パターンで過熱蒸気管内に噴霧される場合には、冷却水の蒸発は著しく減少する。さらに、冷却水の流動噴霧は、過熱蒸気の流れを通過し、かつ蒸気管の反対側に衝突して、水が蓄積される。この水の蓄積によって、蒸気管内に腐蝕および熱応力が生じ、ひいては、構造的破綻が引き起こされる。一方、非常に微細な大きさの水滴によって、過熱蒸気に露される冷却水の噴霧の表面積が大きくなる場合には、蒸発の効率は著しく上昇する。
【0005】
さらに、過熱蒸気との冷却水の混合は、冷却水の効果が蒸気の流れ全体に均一に行き渡るように、均一な幾何学的流れパターンで蒸気管内に冷却水を噴霧することによって促進される。逆に、冷却水の不均一な噴霧パターンは、過熱蒸気の流れ全体に、不均一で、不十分に制御された温度低下を引き起こす。これらの管路に沿って、冷却水の噴霧が過熱蒸気の流れ内で効果的に蒸発せず、蒸気管内に冷却水が蓄積される。この蓄積した冷却水は、最終的に、水と過熱蒸気との間の不均一な熱交換によって蒸発し、不十分に制御された温度低下が生じる。
【0006】
従来技術において、上述の要求に応えるために、様々な減温装置が開発されてきた。このような従来の装置は、特許文献1(発明の名称:減温ノズル)、特許文献2(発明の名称:圧力噴出プレフィルミング噴霧ノズル(Pressure Blast Pre−Filming Spray Nozzle))、及び特許文献3(発明の名称:圧力噴出プレフィルミング噴霧ノズル)に開示されるものを含み、これらの開示は参照によって本願に組込まれる。本発明は、これら及び他の従来の解決法の改良型を示し、過熱蒸気の流れ内に冷却水を噴霧する減温装置を提供し、該減温装置は、比較的少ない部品からなる単純な構成であり、必要最小限の保守だけで良く、過熱蒸気の流れ内により効果的な蒸発を提供するような非常に小さな水滴を有する微細な霧で冷却水を噴霧することが可能であり、かつ幾何学的に均一な流れパターンで冷却水を噴霧して、過熱蒸気の流れ全体におけるより均一な混合を提供することが可能である。本発明の様々な新しい特徴が、以下において、より詳細に記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6746001号明細書
【特許文献2】米国特許第7028994号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0125126号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明によると、過熱蒸気の流れ内に、概ね均一に分布した噴霧パターンで、冷却水を噴霧するように構成された蒸気減温装置の噴霧ノズル組立体用の改良されたバルブ要素が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記ノズル組立体は、ノズルハウジングと、移動により前記ノズルハウジングに接触可能なバルブ要素とを備える。バルブ軸またはバルブプラグとも呼ばれるバルブ要素は、前記ノズルハウジングを通って延び、かつ閉鎖位置と(流れの)開放位置との間において軸線方向に沿って摺動可能である。前記ノズルハウジングは、ハウジング入口とハウジング出口とを備える。前記ハウジング入口は、前記ノズルハウジングの上部に配置される。前記ハウジング出口は、前記ノズルハウジングの下部に配置される。前記ノズルハウジングの上部は、前記ハウジング入口から冷却水を受け入れるためのハウジングチャンバを画定する。前記ノズルハウジングの下部は、前記ノズルハウジングの中間部によって、前記ハウジングチャンバから分離されたプリバルブ室を画定する。バルブステム用孔が前記中間部を通って軸線方向に沿って形成される。
【0010】
複数のハウジング通路は、前記ハウジングチャンバ(即ち、前記ハウジング入口)を前記プリバルブ室(即ち、前記ハウジング出口)に流体的に連通させるように、前記中間部内に形成され、それによって、冷却水が前記ハウジング入口に進入し、前記ハウジング通路を通って前記ハウジングチャンバ内に流動して、プリバルブ室内に流動し、前記バルブ要素が前記開放位置まで移動するか駆動される時に、前記ハウジング出口において前記ハウジング組立体から放出される。
【0011】
前記バルブ要素は、バルブボディと、前記バルブボディに一体に取り付けられ、かつ前記バルブボディから軸線方向に沿って延びる長尺状のバルブステムとを備える。前記バルブステムは、前記バルブボディから軸線方向に延び、かつ前記ノズルハウジングのバルブステム用孔を通って前進し、前記バルブステム用孔内に軸線方向に沿って摺動して嵌合するように寸法決めされ、かつ構成されて、前記バルブ要素は前記開放位置と閉鎖位置との間において往復動可能となる。前記ノズルハウジングの下部は、前記バルブボディとシール係合するように前記バルブボディの周りにバルブシートを備える。前記バルブシートは、前記バルブボディに対して相補的に構成されることが望ましい。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記バルブボディ自体は、前記バルブステムに一体に連結され、かつ湾曲した楕円状の外形を有するように専用に形成される外面を画定するノズルコーンを備える。四つのリブを備えたほぼ四角形のハブが前記ノズルコーンの底面上に一体に形成され、前記リブは、前記ハブによって画定された四隅の領域の各々から延びる。概ね環状のフラクチャ・リングが前記リブの各々に一体に連結される。前記リブの外側端は、前記ノズルコーンの外面と、前記フラクチャ・リングの外面との両方に対して連続的であり、前記ノズルコーンの外面、前記リブ、及び前記フラクチャ・リングは、協働して前記バルブボディの傾斜した外形を画定する。
【0013】
前記バルブボディにおいて、前記フラクチャ・リングは前記ノズルコーンの底面を包囲する前記ノズルコーンの下縁に対して離間して配置される。関連して、前記バルブボディ内に一連の窓が形成され、各窓は前記ノズルコーンの下縁の一部、前記リブの近接する一対、及び前記フラクチャ・リングの上縁の一部によって構成される。前記窓の縁は前記ノズルコーンの外面から離間する膜状の流れを切断するように鋭利になっており、鋭利な縁は、前記バルブ要素から、ひいては前記ノズル組立体からの水滴を縮小させるために重要である。
【0014】
前記バルブボディのフラクチャ・リングは、デルタ形くさび断面構造を備え、そのようなくさびの頂点は、前記ノズルコーンの下縁からの接線に交差することが望ましい。同様に、前記リブの各々は、デルタ形くさび断面構造を有することが望ましく、前記リブの頂点は、前記リブが最終的に前記ノズルコーンの底面上に形成された前記ハブに連結されるまで、前記バルブ要素の軸線に向かって内向きに延びる。前記リブの前記ハブ、ひいては前記ノズルコーンへの一体的な連結は、前記リブと、前記リブに一体に連結されたフラクチャ・リングの機械的強度を著しく改善する。前記リブ、前記フラクチャ・リング、前記ハブ、及び前記ノズルコーンによって画定される前記バルブボディの内面は、直交する角、即ち交点を備えず、それによって、前記バルブ要素から離間する膜状の流れに筋が形成されることが防止される。このような筋の発生が、低いノズル流速において、望ましくない大きな水滴を形成することを、当業者は理解するであろう。
【0015】
本発明のバルブ要素の別の実施形態によると、前記リブの各々の外端面は、前記ノズルコーンの下縁に対して段階的になっている。この事実は、一列に並んだ外形を有し、かつ前記フラクチャ・リングの外面、前記リブの外面、及び前記ノズルコーンの外面が上述のように相互に対してほぼ面一で、連続的であるような上述の実施形態と対照的である。前記傾斜した外形、前記フラクチャ・リングの外面、及び前記リブは、相互に対してほぼ面一、あるいは連続的であるが、前記ノズルコーンの外面に対して若干鋭角となっており、ひいては前記ノズルコーンの下方の段差部において前記ノズルコーンと交差する。傾斜した外形の目的は、低い流速において、分離した膜状の流れを発生させることにある。前記膜状の流れは、前記フラクチャ・リングにおいて分割され、差角は半径方向外向きに流れの一部を迂回させ、ひいては前記噴霧のコーン領域を増大させる。対照的に、一列に並んだ外形では、前記フラクチャ・リング、リブ、及びノズルコーンの交差しない、又は連続的な外面は、特に低いノズル流速において、膜状の流れの分裂を最小にする。
【0016】
本発明のバルブ要素のさらに別の実施形態によると、前記フラクチャ・リングは、連続的な間隙または溝によって前記ノズルコーンから分離される。この特定の実施形態において、前記リブは前記ノズルコーンの底面に一体に連結された概ね円状のハブ部に一体に連結される。
【0017】
本発明に従って構成されるバルブ要素は若干複雑な幾何学的構成であるが、このようなバルブ要素は著しく単純に製造可能である。内部傾斜形状および該形状の湾曲した楕円状経路は、CNC機械の単純な傾斜形状加工工具で前記バルブボディを加工することによって、形成される。この事実は、性能や強度を低下させることなく製造することがしばしば困難であった従来のバルブ要素の構造を著しく改善することを示す。
【0018】
本発明のバルブ要素の各実施形態において、ノズルコーンの外面の一部は、ノズル組立体のバルブシートに対して相補的に構成され、前記ノズルコーンの外面を、前記ノズルハウジングの下部によって画定されるバルブシートに係合させることによって、前記バルブ要素が前記閉鎖位置にある時に、冷却水が前記ノズル組立体の外部に流出することが効果的に防止される。反対に、前記バルブ要素が前記閉鎖位置から前記開放位置まで軸線方向に沿って移動する時には、冷却水は前記ノズルコーンの外面および前記バルブシートの両方によって画定される環状間隙を通って、下向きに流動可能となる。前記円錐形のバルブシートおよび円錐形の外面の組み合わせは、前記バルブ要素が前記開放位置にある時に、前記環状間隙から放出される冷却水の円錐状の噴霧パターンを効果的に形成する。冷却水の膜がバルブボディのノズルコーンの外面を越えて下向きに流動すると、冷却水の膜の一部は前記フラクチャ・リングに衝突し、前記冷却水の全ては、最終的に前記蒸気管を通過する過熱蒸気の流れ内に進入する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の各実施形態に従って構成されたバルブ要素の構造的および機能的性質の結果として、冷却水の水滴の大きさは、最小に抑えられ、ひいては過熱蒸気の流れ内への冷却水の吸収効率および蒸発効率を向上させ、かつ冷却水の空間的分布を改善する。関連して、本発明に従って構成されたバルブ要素の構造的および機能的性質は、前記バルブ要素が開放位置にある時に、噴霧ノズル組立体から生成される冷却水の円錐状の噴霧パターンを引き起こすように作用し、冷却水の膜の一部がフラクチャ・リングを越える経路は、上述したように水滴の大きさがより小さいという望ましい性質を提供する。
【0020】
本発明は、図面と併せて明細書を参照することによって理解される。本発明のこれらの特徴および他の特徴は図面を参照することによってより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態に従って構成されたバルブ要素を備えたノズル組立体を有する減温装置の縦断面図。
【図2A】閉鎖位置における第一実施形態のバルブ要素を示す図1のノズル組立体の縦断面図。
【図2B】開放位置における第一実施形態のバルブ要素を示す図1のノズル組立体の縦断面図。
【図3】第一実施形態のバルブ要素の側面図。
【図4】第一実施形態のバルブ要素の底面図。
【図5】第一実施形態のバルブ要素の図4の5−5線に沿った一部断面図。
【図6】第一実施形態のバルブ要素の図4の6−6線に沿った一部断面図。
【図7】第二実施形態のバルブ要素の側面図。
【図8】図7において円で囲まれた領域8の拡大図。
【図9】第三実施形態のバルブ要素の側面図。
【図10】図9に示された第三実施形態のバルブ要素の断面図。
【図11】第三実施形態のバルブ要素の底面図。
【図12】第三実施形態のバルブ要素の図11の12−12線に沿った一部断面図。
【図13】第三実施形態のバルブ要素の図11の13−13線に沿った一部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面および明細書を通じて、同様の要素を示すために、共通の参照番号が用いられる。本発明の好適な実施形態を説明するためだけに示され、かつ限定されない図面を参照すると、図1は、ノズル組立体20内に改良されたバルブ軸、即ちバルブ要素78を組込んだ例示的な減温装置10を示している。バルブ要素78はノズル組立体20を通って延び、かつ閉鎖位置および開放位置の間において軸線方向に沿って摺動可能である。図1から理解されるように、上昇した圧力下の過熱蒸気の流れは、ノズル組立体20が溶接や類似手段等の適切な手段によって取り付けられた蒸気管12を通過する。ノズル保持具18は、冷却水を適切に供給するために、冷却水供給ライン16をノズル組立体20に接続している。
【0023】
冷却水供給ライン16は、冷却水制御バルブ14に接続されている。冷却水制御バルブ14は、高圧水供給源(図示せず)に連通している。制御バルブ14は、ノズル組立体20の下流側の蒸気管12内に取り付けられた温度センサ(図示せず)に基づいて、冷却水供給ライン16内への冷却水の流れを制御するように作動可能である。制御バルブ14は、冷却水供給ライン16中の流れを変動させて、ノズル組立体20内の水圧を変動させる。
【0024】
ノズル組立体20内の冷却水の圧力が蒸気管12内の過熱蒸気の上昇した圧力より高い時に、ノズル組立体20は蒸気管12内に冷却水を噴霧する。図1は、蒸気管12に接続された一つのノズル組立体20を示しているが、減温装置10の効果を最適にするように、蒸気管12の周囲に離間して配置された任意数のノズル組立体20が存在しても良い。各ノズル組立体20は、蒸気管12を包囲し、かつ冷却水制御バルブ14に接続された多岐管(図示せず)に、冷却水供給ライン16を介して接続されても良い。以下に示されるように、ノズル組立体20のバルブ要素78は、過熱蒸気の温度を低下させるように、過熱蒸気の流れ内に噴霧され、かつほぼ均一に分布した冷却水の噴霧を生成するために特に適切である。
【0025】
図2A及び2Bを参照すると、図1の減温装置10のノズル組立体20の断面図が示されている。図2A及び2Bにおいて、ノズル組立体20はノズルハウジング22と、本発明の第一実施形態に従って構成されるようなバルブ要素78とを備える。第一実施形態のバルブ要素78は図3乃至6にも示されている。バルブ要素78の具体的な構成および特徴は、以下においてより詳しく説明される。バルブ要素78が閉鎖位置に配置された状態におけるノズル組立体20が図2Aに示されている。図2Bは、開放位置に配置されたバルブ要素78を示している。ノズルハウジング22は、ハウジング入口28およびハウジング出口30を備える。ハウジング入口28は、ノズルハウジング22の上部24に位置している。ハウジング出口30は、ノズルハウジング22の下部26に位置している。上部および下部24、26は、単一構造に一体化されて良い。
【0026】
代替的に、ノズルハウジング22は、図2A及び2Bに示されるように、上部24と下部26とからなる二つの個別の構成部品として製造されても良い。上部24は、上部24および下部26の間の当接部40において下部26に螺着され、バルブ要素78および下部26は、上部24から取り外し可能であり、かつ同一構成の、又は代替的な構成のバルブ要素78および下部26と交換可能である。従って、バルブ要素78は互換性を有し、バルブ要素78の代替的実施形態は、第一実施形態の代わりに用いることができる。この点について、図7及び8は、本発明の第二実施形態に従って構成されたバルブ要素78aを示している。図9乃至13は、本発明の第三実施形態に従って構成されたバルブ要素106を示している。バルブ要素78の第二および第三実施形態の具体的な構成および特徴は以下において、より詳細に説明される。
【0027】
さらに図2Aを参照すると、ノズルハウジング22の上部24はハウジング入口28からの冷却水を受け入れるためのハウジングチャンバ32を画定している。ノズルハウジング22の下部26は、ノズルハウジング22の中間部76によってハウジングチャンバ32から分離されたプリバルブ室34を画定している。ハウジングチャンバ32及びプリバルブ室34の両者は環状である。バルブステム用孔42はノズルハウジング22の中間部76を通って軸線方向に沿って形成されている。ハウジングチャンバ32(即ち、ハウジング入口28)をプリバルブ室34(即ち、ハウジング出口30)に流体的に連通するように、複数のハウジング通路36が中間部76において形成され、冷却水はハウジング入口28から、ハウジングチャンバ32内へ流動し、次にハウジング通路36を通ってプリバルブ室34内へ流動し、バルブ要素78が開放位置へ移動させられるか、又は駆動される時に、冷却水はハウジング出口30にてノズル組立体20から流出する。
【0028】
図2Aに示されるように、ハウジング通路36は、ハウジング入口28からハウジング出口30へ向かう方向に沿って、バルブステム用孔42に対して内向きに配向される。ハウジング通路36のこのような内向きの配向は、一般に、ノズル組立体20の全体の寸法を小さくすることを可能にする。さらに、ハウジング通路36のこのような内向きの配向は、ノズル組立体20から放出される冷却水のほぼ均一な噴霧パターンの形成を容易にする。ハウジング通路36は、バルブステム用孔42の周りに同心に配置され、かつバルブステム用孔42の周りに沿って等間隔で離間している。しかし、ハウジング通路36は任意の構成でも良い。例えば、ハウジング通路36は、ほぼ均一な円形の断面形状で構成されても良く、バルブステム用孔42と軸線方向に沿って整合しても良い。
【0029】
さらに、ハウジング通路36は、相互に等間隔で離間した状態で、中間部76を通って軸線方向に沿って延びる複数の概ね円弧状の溝孔として構成されても良い。ハウジング通路36は、バルブステム用孔42の周りにおいて相互に離間して配置され、冷却水が流動噴霧パターンでノズル組立体20から流出する傾向を排除する。関連して、ハウジング通路36と、バルブ要素78の配置との組み合わせは、協働して冷却水の蒸気管12内へ幾何学的に均一な噴霧パターンを提供するように構成される。特定の幾何学的配置、寸法、及び形状に係らず、ハウジング通路36は、以下により詳細に記載されるように、バルブ要素78が開放位置に移動させられる時に、冷却水がハウジング入口28からハウジング出口30へ流動するように構成される。
【0030】
上述されたノズル組立体20の構造的および機能的性質を踏まえて、ノズル組立体20のバルブ要素78の特定の構造的および機能的性質が、特に図3乃至6を参照して説明される。特に、バルブ要素78はバルブボディ80と長尺状のバルブステム82とを備え、長尺状のバルブステム82はバルブボディ80に一体に取り付けられ、かつバルブボディ80から軸線方向に沿って延びている。バルブステム82は概ね円形の断面構造を有し、かつ遠位端84を画定している。遠位端84まで延びるバルブステム82の遠位部には、ノズル組立体20の残りの部分に対するバルブ要素78の作動的接触面を補助するために外面にネジが形成されても良い。バルブステム82は、ノズルハウジング22のバルブステム用孔42を通って摺動して進むことが可能であるように寸法決めされ、かつ構成されている。関連して、バルブステム82は、バルブステム82およびバルブステム用孔42の間が軸線方向に沿って滑合するように、バルブステム用孔42に対して相補的になるように寸法決めされ、構成されている。これによって、バルブステム82、ひいてはバルブ要素78はバルブステム用孔42内において往復動可能となって、バルブ要素78が、以下により詳細に説明されるように開放位置および閉鎖位置の間で移動可能となる。
【0031】
バルブ要素78のバルブボディ80自体は、ノズルコーン86を備え、ノズルコーン86はバルブステム82に一体に連結され、かつ円錐形の外面88を画定し、外面88は具体的には、バルブ要素78の軸線に沿って延びるような湾曲した楕円状の外形を有するように形成される。外面88に加えて、ノズルコーン86は、ほぼ円周状の下縁92によって包囲された底面90を画定する。ほぼ四角形状のハブ94が、ノズルコーン86の底面90上に、一体に形成されている。複数の(例えば、四つの)リブ96がハブ94に一体に連結され、リブ96は、ハブ94によって画定された四隅の領域の一つからそれぞれ突出している。図6に示されるように、リブ96もノズルコーン86の底面90に一体に連結されている。概ね円形または環状のフラクチャ・リング98が、リブ96の各々に一体に連結され、フラクチャ・リング98は、ノズルコーン86、特に、ノズルコーン86の下縁92に対して離間して配置されている。バルブボディ80において、リブ96の外側端または外端面は、図3に特に良く示されるように、ノズルコーン86の外面88、及びフラクチャ・リング98の外面に対してほぼ面一であるか、連続的である。結果として、ノズルコーン86の外面88、リブ96の外端面、及びフラクチャ・リング98の外面は、協働してバルブボディ80の傾斜した外形を画定している。
【0032】
バルブ要素78において、バルブボディ80のフラクチャ・リング98は、ノズルコーン86の円周状の下縁92に対して離間して配置され、ノズルコーン86の円周状の下縁92は、上述のように、ノズルコーン86の底面90を包囲している。フラクチャ・リング98は、望ましくは、図5に示されるようなデルタ形くさび断面構造も有し、くさびの頂点はフラクチャ・リング98の前縁、即ち上縁102を画定し、上縁102は、望ましくは、ノズルコーン86の下縁92からの接線と交差する。同様に、図6によく示されるように、リブ96の各々は、望ましくは、デルタ形くさび断面構造を有し、各リブ96の頂点は、ノズルコーン86から離間する方向に底縁104を画定している。バルブ要素78において、各リブ96の頂点、即ち底縁104は、リブ96がノズルコーン86の底面90上に形成された上述のハブ94に最終的に連結されるまで、バルブ要素78の軸線に向かって内向きに延びている。
【0033】
上述のように、バルブボディ80において、フラクチャ・リング98はノズルコーン86の下縁92に対して離間して配置されている。結果として、複数の(例えば、四つの)窓100がバルブボディ80内に形成され、各窓100はノズルコーン86の下縁92の一部、近接した一対のリブ96、及びフラクチャ・リング98の上縁102の一部によって構成されている。窓100の縁、及び特にフラクチャ・リング98の上縁102は、ノズルコーン86の外面88から離間する膜状の流れを切断するように鋭利になっており、鋭利な縁はバルブ要素78、ひいてはノズル組立体20からの水滴を縮小するために重要である。
【0034】
バルブ要素78において、ハブ94とノズルコーン86とに対するリブ96の一体的な連結は、リブ96と、リブ96に一体に連結されたフラクチャ・リング98との機械的強度を著しく改善する。さらに、リブ96、フラクチャ・リング98、ハブ94、及びノズルコーン86によって画定されたバルブボディ80の内面は、バルブ要素78を越えて流動する冷却水が、直交する角、即ち交点に露されないように、それぞれ形成され、バルブ要素78から離間する膜状の流れ内の筋の形成が防止される。関連して、図3に示されるように、リブ96の各々と、フラクチャ・リング98の上縁102との間の移行部は、リブ96の各々の円弧状部95の対向する対によって部分的に画定される。同様に、窓100の各々は、リブ96の近接する一対の各々に含まれる二つの円弧状部95によって部分的に画定される。さらに、図4に示されるように、リブ96の各々の両側面と、フラクチャ・リング98の内面との間の移行部は、リブ96の各々の対向する一対の円弧状部97によって画定されている。上述のように、リブ96の円弧状部95、97によって形成された丸みを有する角が、バルブ要素78から離間する膜状の流れ内の筋の削減、または除去を補助する。
【0035】
上述のように、バルブステム82はバルブステム用孔42を通って摺動して前進可能であり、かつ作動的にノズルハウジング22に連結されて、バルブ要素78が開放位置および閉鎖位置の間において往復移動することを可能とする。ノズル組立体20において、ハウジング出口30におけるノズルハウジング22の下部26は、環状のバルブシート44を画定し、バルブシート44はバルブボディ80、及び特にノズルコーン86の外面88の一部にシール状態で係合するように構成されている。バルブシート44は、一般に、図2A及び2Bに示されるように、概ね円錐形の形状に配向されている。望ましくは、バルブボディ80におけるノズルコーン86の外面88は、バルブ要素78が閉鎖位置にある時に、バルブシート44への外面88の係合によって、ノズル組立体20の外側の冷却水の流れが効果的に阻止されるように、バルブシート44に対して相補的に寸法決めされて、構成されている。反対に、バルブ要素78が閉鎖位置から開放位置へ軸線方向に沿って移動した時に、冷却水は、図2Bに示されるように、ノズルコーン86の外面88とバルブシート44とが協働して画定する環状間隙56を通って下向きに流動可能である。
【0036】
望ましくは、バルブボディ80のノズルコーン86の外面88は、外面88の半分の角度がバルブシート44の半分の角度と相違するように構成される。より具体的には、外面88の半分の角度は、望ましくは、バルブシート44の半分の角度より小さいか、大きくなるように構成される。さらに、外面88の半分の角度およびバルブシート44の半分の角度は、約20度から約60度までの間であることが望ましい。さらに、図2Aに示されるように、ノズルハウジング22に対するバルブ要素78の寸法および構成は、バルブ要素78が閉鎖位置にある時にも、ノズルコーン86の周縁92、窓100、リブ96、及びフラクチャ・リング98が、それぞれノズルハウジング22の下部26の外側に位置するように、定められる。
【0037】
バルブ要素78が図2Bに示されるように開放位置へ駆動された時に、円錐形のバルブシート44と、ノズルコーン86の円錐形の外面88との組み合わせは、環状間隙56から放出される冷却水の円錐状の噴霧パターンを形成するために効果的である。膜状の冷却水がバルブボディ80のノズルコーン86の外面88に沿って流れるにつれて、円錐形状を形成するノズルコーン86の徐々に増大する直径は、冷却水の膜厚を徐々に減少させるように作用し、ひいては、円錐状の噴霧パターンにおける水滴の第一の縮小を促進する。さらに、フラクチャ・リング98およびノズルコーン86の間の間隙は、円錐状の噴霧パターン、即ち膜状の冷却水の少なくとも一部をバルブ要素78から一時的に分離するように作用する。円錐状の噴霧パターンまたは膜がフラクチャ・リング98の上縁102に衝突する際に、フラクチャ・リング98の上縁102は、冷却水の円錐状の膜を分裂させて、微細化の第二段階を提供する。フラクチャ・リング98の機能性は、冷却水の水滴の大きさが、バルブ要素78を通過した後、冷却水の膜厚に比例するというLefavreの原理に基づく。フラクチャ・リング98の上縁102に対する冷却水の膜の衝突によって、冷却水の水滴の大きさが効果的に縮小された後、冷却水は、蒸気管12を通過する過熱蒸気の流れ内に進入する。有利には、バルブ要素78の構造的および機能的性質は、冷却水の水滴の大きさを効果的に最小にし、ひいては、過熱蒸気の流れ内への冷却水の吸収および蒸発効率を向上させ、かつ冷却水の空間的な分布を改善する。
【0038】
図2A及び2Bを再度参照すると、ノズル組立体20は少なくとも一つのバルブ用バネ58も備え、該バルブ用バネ58は、バルブシート44に対してシール係合するように、バルブ要素78を付勢するためのバルブ要素78に作動的に連結される。バルブ用バネ58は、ノズルハウジング22のハウジング肩部38に当接し、バルブシート44に対してシール係合するように、バルブボディ80を付勢する。付勢力は、バルブステム82上に背中合わせの構成で摺動可能に取り付けられた少なくとも一対の皿バネによって付与される。また、皿バネとして示されたが、バルブ用バネ58は様々な代替的構成で構成されて良い。バルブ用バネ58に当接してバルブステム82上に取り付けられたスペーサ60がノズル組立体20内に含まれても良い。図2A及び2Bに示されるスペーサ60は概ね円筒状の構成を有する。スペーサ60の厚さは、ノズルハウジング22内でのバルブ要素78の圧縮特性を限定するように選択的に調節可能であり、バルブ要素78が閉鎖位置から開放位置まで移動する地点が調節可能となる。関連して、ノズル組立体20の所望の構成を実現するために、バルブ要素78の軸線方向に沿った移動、ひいてはバルブ要素78が開放位置にある時の環状間隙56の大きさを特定の程度に制御可能とするように、様々な厚さのスペーサ60が用いられる。
【0039】
ノズル組立体20内には、バルブ要素78のバルブステム82上に取り付けられたバルブ止め部62も設けられている。バルブ止め部62は、ノズルハウジング22内に形成されたバネ用孔(図示せず)を備えたノズルハウジング22用に、スペーサ60を越えて広がるように構成されている。バネ用孔を備えた構成において、バルブ止め部62はバルブ要素78の軸線方向に沿った移動を制限する。図2A及び2Bにおいて、バルブ止め部62は、バルブステム82上に取り付けられ、かつスペーサ60に当接して配置されたストップワッシャとして構成されている。ストップワッシャは、(存在する場合の)バネ用孔の直径よりも大きな直径を有して、バルブ要素78の軸線方向に沿った移動を制限し、環状間隙56の大きさを制限する。
【0040】
図2A及び2Bにさらに示されるように、ノズル組立体20は、上述のバルブステム82の外部にネジを備えた遠位部に螺着されたロードナット64も備えている。ロードナット64は、バルブステム82およびスペーサ60を軸線方向に沿って相対的に移動させて、スペーサ60およびハウジング肩部38の間にバルブ用バネ58を圧縮することによって、バルブ用バネ58にバネのプリロードを付与するように調節される。ノズル組立体20がスペーサ60を備えない構成において、ロードナット64を調節することによって、バルブ用バネ58はハウジング肩部38およびバルブ止め部62の間において圧縮される。ノズル組立体20がバルブ止め部62を備えない構成において、ロードナット64を調節することによって、バルブ用バネ58がロードナット64およびハウジング肩部38(又は、存在する場合には、バネ用孔)の間において圧縮される。任意の場合において、ロードナット64は、バルブシート44に対する圧縮力をバルブボディ80に付与するように調節可能である。ロードナット64は、バルブボディ80に対するプリバルブ室34内の冷却水の圧力が、バネのプリロードと、過熱蒸気の上昇した圧力とのバルブボディ80に対する合成圧力を超える時点を調整するように、選択的に調節可能である。このようにして、バルブシート44に対するバネのプリロードがバルブボディ80に伝達される。バルブ用バネ58によってバルブシート44上に作用する直線状の閉鎖力の大きさは、バルブステム82のネジ部に沿ったロードナット64の軸線方向の位置によって調節される。示されていないが、ノズル組立体20は、ロードナット64の調節中の回転に対してバルブ要素78を保持するようにバルブ要素78に作用し、かつ調節後にロードナット64が回転することを防止するように構成された構造的特性を備える。
【0041】
作動の際に、過熱蒸気および上昇した圧力の流れは、図1に示されるように、ノズルハウジング22が取り付けられた蒸気管12を通過する。冷却水供給ライン16はノズル組立体20へ冷却水を供給する。制御バルブ14は、冷却水供給ライン16を通る流れを変動させて、ノズル組立体20内の水圧を制御する。冷却水供給ライン16から放出される冷却水は、ハウジング入口28の近傍のハウジングチャンバ32内へ進入する。冷却水は、ノズルハウジング22のハウジング通路36を通過して、ハウジング出口30の近傍のプリバルブ室34内へ流動する。ハウジング通路36は、冷却水がノズル組立体20から流動噴霧として放出される傾向を最小限に抑えるか、除去する。プリバルブ室34内の冷却水は、バルブ要素78が図2Aに示されるような閉鎖位置にある時に、バルブ要素78のバルブボディ80に抗して保持される。
【0042】
上述のように、ロードナット64を調節することによって、バルブ用バネ58が圧縮されて、バルブボディ80にバルブシート44に対して圧縮力が付与される。関連して、バネのプリロードは、初期状態において、バルブ要素78を図2Aに示されるような閉鎖位置に保持するように作用する。バルブ用バネ58によってバルブシート44上に作用する直線状の閉鎖力の大きさは、バルブステム82の外部にネジを備えた部分に沿ってロードナット64を回転させることによって調節される。バルブボディ80に対するプリバルブ室34内の冷却水の圧力が、バルブボディ80によって画定されるバルブ要素78の内面に対して作用するバネのプリロードと、過熱蒸気の上昇した圧力との合成圧力を超える時点を調整するように、ロードナット64は選択的に調節される。
【0043】
バルブボディ80に対する冷却水の圧力が、バネのプリロードと、過熱蒸気の上昇した圧力との合成圧力を超える時に、バルブボディ80はバルブシート44から軸線方向に沿って離間するように移動して、図2Bに示されるように、環状間隙56を開放する。次に、冷却水は環状間隙56を通り、過熱蒸気の流れを有する蒸気管12内に進入する。制御バルブ14が、温度センサからの信号に応じて、冷却水供給ライン16を通過する水の流れを増加させる時に、バルブボディ80に対する冷却水の圧力が増大して、バルブボディ80がバルブシート44から軸線方向に沿ってさらに離間させられ、かつ環状間隙56がさらに増大させられる。この事実は、環状間隙56を通過し、かつ過熱蒸気の流れ内に進入する冷却水の量をより増加させる。ノズルコーン86の円錐形の外面88に沿って流動する冷却水に対して、上述したような外面88の湾曲した楕円状の外形は、間隙56を通過する冷却水の流れの特性を最適化することを促進するような屈曲した角度を形成する。
【0044】
上述したように、バルブ要素78の構造的および機能的性質の結果として、バルブ要素78を越える円錐状の膜からの冷却水の水滴の大きさは最小化され、ひいては、過熱蒸気の流れ内への冷却水の吸収効率および蒸発効率は改善され、さらに、冷却水の空間的な分布も改善される。関連して、冷却水は、非常に小さな水滴からなる概ね均一で微細な噴霧パターンのコーン形状パターンで、蒸気管12内に進入する。均一な噴霧パターンは、冷却水を過熱蒸気の流れに綿密かつ均一に混合させることを保証する。さらに、均一な噴霧パターンは、冷却水噴霧の表面積を最大化し、ひいては冷却水の蒸発率を向上させる。
【0045】
図7及び8を参照すると、本発明の第二実施形態に従って構成されたバルブ要素78aが示されている。バルブ要素78aは、構造および機能において、上述のバルブ要素78に実質的に類似しており、バルブ要素78、78aの相違点のみが以下において強調される。
【0046】
バルブ要素78、78aの間の唯一の相違点は、バルブ要素78aのリブ96aの各々の外端面が、ノズルコーン86aの下縁92aに対して、段階的になっていることにある。この構成は、フラクチャ・リング98の外面、リブ96の外端面、及びノズルコーン86の外面88が、上述のように互いに対してほぼ面一であるか、連続的に構成された一列に並んだ外形を備えたバルブ要素78と対照的である。段階的な形状を伴って、フラクチャ・リング98aおよびリブ96aの外面は、互いに対してほぼ面一であるか、連続的であるが、ノズルコーン86aの外面88aに対して若干鋭角であり、かつ図8によく示されるように、ノズルコーン86aの下方の段差部99aにおいて、ノズルコーン86aと交差する。この段階的な形状の目的は、分離された膜状の流れを低い流速において生成することにある。関連して、バルブ要素78aにおいて、膜状の流れはフラクチャ・リング98aにおいて依然として分離されるが、段差部99aによる差角は流れの一部を半径方向外側に迂回させ、ひいては噴霧のコーン状領域を増大させる。逆に、バルブ要素78に関する上述の一列に並んだ外形によると、フラクチャ・リング98、リブ96、及びノズルコーン86の交差しない、即ち連続した外面は特に、低いノズル流速における膜状の流れに対する分裂を最少にする。
【0047】
図9乃至13を参照すると、本発明の第三実施形態に従って構成されたバルブ要素106が示されている。バルブ要素106は、バルブボディ108と、バルブボディ108に一体に取り付けられ、かつバルブボディ108から軸線方向に沿って延びる長尺状のバルブステム110とを備える。バルブステム110は、ほぼ円形の断面構造を有し、遠位端112を画定している。バルブステム110の遠位端112まで延びたバルブステム110の遠位部は、上述のノズル組立体20内へのバルブ要素106の作動的接触面を補助するために外部にネジが設けられている。バルブ要素78のバルブステム82に類似したバルブステム110は、ノズルハウジング22のバルブステム用孔42を通って摺動して前進可能となるように寸法決めされ、かつ構成される。関連して、バルブステム110は、バルブステム用孔42に対して相補的になるように寸法決めされ、かつ構成されて、バルブステム110およびバルブステム用孔42の間の軸線方向に沿った滑合が提供される。この事実により、バルブステム110、ひいてはバルブ要素106は、バルブステム用孔42内で往復動可能となり、バルブ要素106はノズル組立体20内で開放位置および閉鎖位置の間において移動する。
【0048】
バルブ要素106のバルブボディ108自体は、バルブステム110に一体に連結され、かつ外面116を画定するノズルコーン114を備え、外面116は、具体的には、バルブ要素106の軸線に沿って延び、かつ湾曲した楕円状の外形を備えるように形成されている。外面116の他に、ノズルコーン114は、ほぼ円周状の下縁120によって包囲された底面118も画定する。ノズルコーン114の底面118上に、ほぼ円筒状のハブ122が一体に形成されている。ハブ122には、複数の(例えば、四つの)リブ124が一体に連結されている。リブ124は、約90度の等間隔で離間した位置においてハブ122から半径方向外向きに突出している。リブ124の各々の遠位端には、ほぼ円形、又は環状のフラクチャ・リング126が一体に連結されている。
【0049】
バルブ要素106において、バルブボディ108のフラクチャ・リング126は、ノズルコーン114の周囲の下縁120に対して離間して配置され、下縁120は、上述のように、ノズルコーン114の底面118を包囲している。フラクチャ・リング126も、図12及び13に示されるように、デルタ形くさび断面構造を備えることが望ましく、くさびの頂点はフラクチャ・リング126の上縁128を画定し、上縁128はノズルコーン114の下縁120からの接線に交差することが望ましい。同様に、図12によく示されるように、リブ124の各々はデルタ形くさび断面構造を備えることが望ましく、リブ124の各々の頂点は、ノズルコーン114から離間する方向にリブ124の底縁130を画定する。バルブ要素106において、リブ124の各々の底縁130の頂点は、リブ124が最終的にノズルコーン114の底面118上に形成された上述のハブ122に連結されるまで、バルブ要素106の軸線に向かって内向きに延びている。
【0050】
バルブ要素106のバルブボディ108において、フラクチャ・リング126は、ノズルコーン114、及び特にノズルコーン114の下縁120に対して離間して配置されている。結果として、連続した溝、即ち間隙132が、ノズルコーン114およびフラクチャ・リング126の間に画定され、より詳細には、ノズルコーン114の下縁120と、フラクチャ・リング126の上縁128との間に画定されている。フラクチャ・リング126の上縁128は、ノズルコーン114の外面116を離間する膜状の流れを切断するために鋭利になっており、鋭利な縁は、ノズル組立体20内に一体化されている場合に、バルブ要素106からの水滴を縮小させるために重要である。
【0051】
バルブ要素106において、ハブ122へのリブ124の一体的な連結は、リブ124と、リブ124に一体に連結されたフラクチャ・リング126との機械的強度を著しく改善する。さらに、リブ124、フラクチャ・リング126、ハブ122、及びノズルコーン114によって画定されたバルブボディ108の内面は、望ましくは、バルブ要素106を越えて流動する冷却水が任意の直交する角、即ち交点に露されないようにそれぞれ形成され、それによってバルブ要素106から離間する膜状の流れに筋が形成されることが防止される。
【0052】
ノズル組立体20の残りの部分へのバルブ要素106の作動的な取り付けは、ノズル組立体20の残りの部分内へのバルブ要素78の接触面に対する上述の方法で行なわれる。ノズルコーン114の外面116は、さらに、バルブ要素106が閉鎖位置にある時に、バルブ要素106およびノズルハウジング22の間の所定のシール係合を容易にする必要性に応じて、外面116の半分の角度がバルブシート44の半分の角度と相違するように、構成される。バルブ要素106がバルブ要素78の代わりに用いられ、かつ図2Bに示される開放位置に類似した開放位置まで駆動される場合には、円錐形のバルブシート44と、ノズルコーン114の円錐形の外面116との組み合わせは、環状間隙56から放出される冷却水の円錐状の噴霧パターンを生成するために効果的である。冷却水の膜がバルブボディ108のノズルコーン114の外面116に沿って流動するにつれ、円錐形状を形成するノズルコーン114の徐々に増大する直径は、冷却水の膜厚を徐々に減少させるように作用し、ひいては、円錐状の噴霧パターンにおける水滴の第一の縮小を促進する。さらに、フラクチャ・リング126およびノズルコーン114の間の間隙は、円錐状の噴霧パターン又は膜状の冷却水を、バルブ要素106から一時的に分離するように作用する。円錐状の噴霧パターン、又は膜がフラクチャ・リング126の上縁128と衝突する際に、フラクチャ・リング126の上縁128は冷却水の円錐状の膜を分裂させて、バルブ要素78に関して記載されたものと類似した微細化の第二段階を提供する。このようにして、バルブ要素106の構造的および機能的性質は、冷却水の水滴の大きさを最小まで効果的に減少させ、過熱蒸気の流れ内への冷却水の吸収および蒸発効率を向上させ、かつ冷却水の空間的な分布を改善する。
【0053】
本明細書は、本発明の例示的実施形態を提供する。本発明の権利範囲は、これらの例示的実施形態に限定されない。様々な変形例は、明細書に明示的に示されるか、構造、寸法、材料の種類、製造工程の変更等のように明細書によって暗示されるかに係らず、当業者によって本願の観点から実施され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル組立体内に組込まれるためのバルブ要素であって、該バルブ要素は、
概ね円錐形のバルブボディと、
バルブ要素の軸線に沿って前記バルブボディに一体に連結され、かつ前記バルブボディから軸線方向に沿って延びる長尺状のバルブステムとを備え、
前記バルブボディは、
外面および底面を画定するノズルコーンであって、前記底面は周囲の下縁によって包囲され、前記外面は前記バルブステムから前記下縁に向かって延びる概ね楕円状の外形を備える前記ノズルコーンと、
前記ノズルコーンの底面に一体に連結されるハブと、
前記ハブに一体に連結された少なくとも一つのリブと、
前記リブに一体に連結され、かつ前記ノズルコーンに対して離間して配置されるフラクチャ・リングとを備えるバルブ要素。
【請求項2】
前記少なくとも一つのリブは前記ハブに一体に連結された複数のリブを備え、前記フラクチャ・リングは前記リブの各々に一体に連結される請求項1に記載のバルブ要素。
【請求項3】
前記ハブは、概ね四角形の構造を有し、四つのリブが、前記ハブによって画定される四隅の領域の各々に一体に連結され、かつ前記四隅の領域から突出する請求項2に記載のバルブ要素。
【請求項4】
前記ハブは概ね円筒状の構造を有し、四つのリブが前記ハブに一体に連結され、かつ前記ハブから半径方向外向きに延びる請求項2に記載のバルブ要素。
【請求項5】
前記リブは約90度の等間隔で離間して配置される請求項4に記載のバルブ要素。
【請求項6】
前記リブの各々は、さらに前記ノズルコーンの底面に一体に連結される請求項2に記載のバルブ要素。
【請求項7】
前記リブの各々は、概ねくさび状の断面構造を有し、かつ前記ノズルコーンから離間するように配向される下側の頂点を画定する請求項2に記載のバルブ要素。
【請求項8】
前記リブの各々は前記ノズルコーンの外面に対してほぼ連続的な外端面を画定する請求項2に記載のバルブ要素。
【請求項9】
前記リブの各々の前記外端面は前記ノズルコーンの底面の周囲部によって画定される段差部によって前記ノズルコーンの下縁から分離される請求項8に記載のバルブ要素。
【請求項10】
前記フラクチャ・リングは前記リブの各々の前記外端面に対してほぼ面一な外面を画定する請求項8に記載のバルブ要素。
【請求項11】
前記フラクチャ・リングは、概ねくさび状の断面構造を有するとともに、前記ノズルコーンの下縁に対向するように配向され、かつ前記ノズルコーンの下縁に対して離間して配置される上側の頂点を画定する請求項1に記載のバルブ要素。
【請求項12】
前記ノズルコーンの下縁、前記フラクチャ・リングの上側の頂点、及び前記リブは、協働して前記バルブボディ内に位置する複数の窓を画定する請求項11に記載のバルブ要素。
【請求項13】
ノズル組立体内に一体化されるバルブ要素であって、該バルブ要素は、
概ね円錐形のバルブボディと、
バルブ要素の軸線に沿って前記バルブボディに一体に連結され、かつ軸線方向に沿って延びる長尺状のバルブステムとを備え、
前記バルブボディは、
外面および底面を画定するノズルコーンであって、前記底面は周囲の下縁によって包囲される前記ノズルコーンと、
前記ノズルコーンの底面に一体に連結されたハブと、
前記ハブに一体に連結され、かつ前記ノズルコーンの外面にほぼ連続する外端面を画定する少なくとも一つのリブと、
前記リブに一体に連結され、かつ前記ノズルコーンに対して離間して配置されるフラクチャ・リングであって、前記リブの外端面に対してほぼ連続する外面を有する前記フラクチャ・リングとを備えるバルブ要素。
【請求項14】
前記ノズルコーンの外面は、前記バルブステムから前記下縁に向かって延びるように、概ね楕円状の外形を有する請求項13に記載のバルブ要素。
【請求項15】
前記ハブは概ね四角形の構造を有し、四つのリブが、前記ハブによって画定される四隅の領域の各々に一体に連結され、かつ前記四隅の領域から突出する請求項2に記載のバルブ要素。
【請求項16】
前記リブの各々は、さらに前記ノズルコーンの底面に一体に連結される請求項15に記載のバルブ要素。
【請求項17】
前記リブの各々は概ねくさび状の断面構造を有し、かつ前記ノズルコーンから離間するように配向される下側の頂点を画定する請求項15に記載のバルブ要素。
【請求項18】
前記フラクチャ・リングは概ねくさび状の断面構造を有するとともに、前記ノズルコーンの下縁に対向するように配向され、かつ前記ノズルコーンの下縁に対して離間して配置される上側の頂点を画定する請求項13に記載のバルブ要素。
【請求項19】
前記ノズルコーンの下縁、前記フラクチャ・リングの上側の頂点、及び前記リブは、協働して前記バルブボディ内に位置する複数の窓を画定する請求項18に記載のバルブ要素。
【請求項20】
ノズル組立体内に一体化されるバルブ要素であって、該バルブ要素は、
概ね円錐形のバルブボディと、
バルブ要素の軸線に沿って前記バルブボディに一体に連結され、かつ軸線方向に沿って延びる長尺状のバルブステムとを備え、
前記バルブボディは、
外面および底面を画定するノズルコーンであって、前記底面は周囲の下縁によって包囲される前記ノズルコーンと、
前記ノズルコーンの底面に一体に連結されたハブと、
前記ハブに一体に連結され、かつ段差部によって前記ノズルコーンの下縁から分離された外端面を画定する少なくとも一つのリブであって、前記段差部は前記ノズルコーンの底面の周囲部によって画定される前記リブと、
前記リブに一体に連結され、かつ前記ノズルコーンに対して離間して配置されるフラクチャ・リングであって、前記リブの外端面に対してほぼ連続する外面を有する前記フラクチャ・リングとを備えるバルブ要素。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−519726(P2011−519726A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508474(P2011−508474)
【出願日】平成20年12月23日(2008.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/088227
【国際公開番号】WO2009/136967
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(596017808)コントロール コンポーネンツ インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Control Components Incorporated
【Fターム(参考)】