温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着器具
【課題】 取り外しが容易で、保管、使用が簡便な温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具を提供する。
【解決手段】 支持部材上に載置した温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを、前記支持部材に挾み付けて固着する固着器具であって、支持部材とその上に載置したシートを挾み付ける開口部を形成した所定長さの合成樹脂製であるとともに、支持部材の外径寸法に前記シートの厚さを加算した内径寸法を有しており、シート固着前は前記開口部が狭くされていて、支持部材上に載置したシートを、前記固着器具の弾発力により支持部材に挾みつけて固着可能とするとともに、固着器具の一端には固着器具取り外し用の紐を取り付けてある。
【効果】 温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートの支持部材への取り付け、取り外しが容易であり、保管も簡単であって、取り外しに際して温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを破損する恐れがなく、しかも長寿命である。
【解決手段】 支持部材上に載置した温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを、前記支持部材に挾み付けて固着する固着器具であって、支持部材とその上に載置したシートを挾み付ける開口部を形成した所定長さの合成樹脂製であるとともに、支持部材の外径寸法に前記シートの厚さを加算した内径寸法を有しており、シート固着前は前記開口部が狭くされていて、支持部材上に載置したシートを、前記固着器具の弾発力により支持部材に挾みつけて固着可能とするとともに、固着器具の一端には固着器具取り外し用の紐を取り付けてある。
【効果】 温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートの支持部材への取り付け、取り外しが容易であり、保管も簡単であって、取り外しに際して温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを破損する恐れがなく、しかも長寿命である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、大型の温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを、棒あるいは管状の支持部材に保持するための固着用器具に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、合成樹脂シートを支持用枠に固着して野菜や花卉の栽培をする温室を構成することは広く行なわれており、簡易に実施ができるとともに、補修等も簡便であるため、実用性の高いものである。
【０００３】
しかしながら、簡便ではあっても、それなりに問題点があり、とくに合成樹脂シートをその支持枠に固着する器具は、風雨による温室の破損を避けるために、合成樹脂シートを支持枠に強固に保持させるべく、一旦シートを固着すると、その固着器具を取り外すことはきわめて困難であり、その改善のため色々の提案がなされてきた。
【０００４】
たとえば特許文献１には、固着器具の両端部の内径を他の部分より大きくして、シートを支持枠に固着した際に、支持枠上のシートとの間に隙間が形成されるようにし、固着器具を取り外す際には、その隙間に取り外し具を挿入して取り外しを行なうことが示されている。しかしながら、この発明では固着器具作成に、特別の金型が必要であり、取り外しのために専用の工具を準備しなければならないという問題点がある。
【０００５】
また、特許文献２では、固着器具と支持枠上のシートとの間に、取り外し用の合成樹脂シートを介在させることが提案され、固着器具による固定が確実にされ、その取り外しも簡単であると説明されている。ところが、この発明の取り外し用合成シートは固着器具取り外しの際の引っ張り力に耐えられるものであることが必要であり、繰り返し使用が困難であると推測される。
【特許文献１】特開平１１−９１１５号公報
【特許文献２】特開２００４−３４４１５７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は前記した従来における諸問題を解決し、確実に必要とされる性能のすべてを有する、温室天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の目的を達成するために、本発明による温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを、棒あるいは管状の支持部材に保持する固着器具は、支持部材とその上に載置したシートを挾み付ける開口部を形成した所定長さの合成樹脂製であって、支持部材の外径寸法に前記シートの厚さを加算した内径寸法を有しており、シート固着前は前記開口部が狭くされていて、支持部材上に載置したシートを固着器具の弾発力により支持部材上に挾みつけて固着可能とするとともに、固着器具の一端には固着器具取り外し用の紐を取り付けてなるものである。
【０００８】
また、本発明は支持部材断面が円形のものに適用されるが、支持部材断面が正方形を含む長方形であってもよく、固着器具取り外し用の紐が、開口端とその反対側の中間に固着器具を貫通し取り付けられ、開口端でない側で結合されて取り外し掴み部とされているもので、複数の固着器具取り外し用の紐の掴み部を、長尺の紐にそれぞれ固着した温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを、棒あるいは管状の支持部材に保持する固着器具に関する。
【発明の効果】
【０００９】
本発明は、前記した構成により、取り外しが簡単にできるとともに、再使用が可能な温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを棒あるいは管状の支持部材に固定する固着器具を提供することが出来、産業上極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
本発明の構成と作用を説明する。
本発明者の研究結果によれば、本発明にかかる、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材上に載置し、このシートを前記支持部材に挾み付けて固着する器具は、前記支持部材とその上に載置したシートを挾み付ける開口部を形成した所定長さと厚さの筒状合成樹脂製であって、支持部材の外径寸法に前記シートの厚さを加算した内径寸法を有しており、固着前は前記開口部が狭くされていて、支持部材上に載置したシートを固着器具の弾発力により支持部材に挾みつけて固着可能とするとともに、固着器具の一端には固着器具取り外し用の紐を取り付けてなることを特徴とする温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着器具を要旨とするものである。
【００１１】
本発明に係る固着器具は、支持部材上に、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを固着する手段として、従前の固着器具と異なるところはなく、取り外す際にその効果が発揮される。
【００１２】
すなわち、固着器具を支持部材から取り外す際、特別な工具や別の取り外し具を使用する必要はなく、固着器具に取り付けた紐を上方に引っ張ることにより、固着器具の紐取り付け部とは反対側が梃子の支点の働きをし、かつ固着器具内部の紐が支持部材を押し出すように作用するので、容易に取り外すことができる。
【００１３】
本発明においては、固着器具に取り付けた紐の引っ張り部を長尺の他の紐に結合しておくことにより、長尺の紐を引っ張ることにより、固着器具は順次支持部材から離脱して、紐に繋がった状態で回収されるので、そのまま保管することができ、再使用時は、紐に繋がった状態のままで順次固着器具によりシートを支持部材に固定してゆけばよく、能率的に作業を行なうことができる。
【実施例】
【００１４】
本発明の作用効果を確認するため、図面により具体的に説明すると、図１は本発明固着器具の斜視図であり、図２は、軸方向からみた側面図であり、図３（ａ）（ｂ）は、支持部材から、固着器具を外すときの変化の説明図であり、図４は、連続して固着器具を取り外す状態の説明図であり、図５は、取り外した固着器具の保管状態を示す説明図である。又、図６（ａ）、同（ｂ）、同（ｃ）は、先行例ならびに本発明についての作用効果確認実験を示す説明図であり、図７は、図６（ａ）、（ｂ）に使用した引っ張り用のシートの斜視図であり、図８は、本発明固着器具に使用する取り外し紐用の概要図である。そして図９（ａ）は、本発明固着器具に使用する取り外し用紐の別の取り付け状態概要説明図であり、同（ｂ）は、取り付け部の拡大説明図である。
【００１５】
図１、図２から明らかなように、合成樹脂製の本発明固着器具１は、円筒状の本体に、開口部４が形成されており、中心軸にほぼ直角な方向に取り外し用の紐２が穴３−１、３−２に貫通されている。固着器具１の具体的寸法は、支持部材の外径寸法により変わる。
図１および図９に示すように、開口部４をもうけた筒状体１の背面に、一対の補強用リブ１−１が形成され、リブの溝には支持部材締め付け用スプリング１−２がはめこまれている。紐２は、ナイロン製で径０．２ｍｍ、長さ２３ｃｍのものを、穴３−１、３−２に通してある。
【００１６】
上記のような固着器具１により、支持部材６にシートを固着すると、図３（ａ）ような状態に支持部材６のまわりに、紐２が巻き付いている形でシートを固着する。
【００１７】
支持部材６にシートを固着している固着器具１を取り外す場合は、図３（ｂ）に示すように、固着器具１の紐２を引っ張ることにより、シートと支持部材６の間に介在する紐２が支持部材６を押し出すように働き、支持部材６と接触する固着器具１の他端が支点の働きをして、梃子（てこ）の原理で固着器具１は支持部材６からはずれ、支持部材６に巻き付いていた紐２が直線状になることにより、固着器具１から支持部材６を押し出す働きをして、固着器具１の離脱を容易にする。
【００１８】
図４に示すように、複数の固着器具１、１、…の取り外し用紐２を、長尺の紐５に結合しておくと、この紐５を引っ張ることにより、固着器具１は順次外れてゆき、そのまま紐を図５のように巻き取れば、固着器具ぬは結合されて保管することができ、次の使用のときは、巻き取られた長尺の紐５の一端を支持部材６の基部に結びつけて、巻き戻しながら結合している固着器具１を、シートを支持した支持部材６へ固着していけば良いので、固着器具１をひとつずつ保持しながら固着する不便さがなくなり好都合である。
【００１９】
図６（ａ）は、先行例における取り外し用合成樹脂シート２’（図７）を、厚さ１．３ｍｍのハウス用塩化ビニール樹脂シートで、幅１４ｃｍ、長さ２３ｃｍの長方形に作成して、支持部材６と、固着器具１として長さ１９ｃｍ、内径１．３ｃｍ、厚さ２ｍｍで、両端部から５ｃｍのところに形成した補強リブ１−１、の溝に、厚さ１ｍｍ、幅５ｍｍ、長さ３ｃｍのスプリング１−２をはめ込み、固着器具１の開口部４を強制的に狭めた状態で、前記取り外し用シート２’を介在させ、固着器具１を取り外すために前記シート２’を上方に引き上げた。
【００２０】
しかしながら、図６（ａ）におけるＡの部分が開いて固着器具が取れるという先行例の説明に反して、バネ秤で９ｋｇの荷重では外れず、それ以上の荷重を加えると図６（ｂ）にのように、シート２’はＡの部分が破損して切断し、どの程度の荷重で固着器具が外れるのかは測定できなかった。
【００２１】
これに対し、図６（ｃ）の本発明の場合は、７〜７．５ｋｇの荷重で固着器具は外れることが確認でき、実用性の高いことが裏付けられた。
【００２２】
図８は、固着器具１取り外し用紐２の使用態様を示すもので、２−１は撚り合せた紐であり、２−２は解きほぐして、固着器具１とシートノア伊田に介在させるのを容易にした部分である。
【００２３】
図９（ａ）は、固着器具１への取り外し用紐２の取り付け部を、変形したＲ型の溝としたものであり、図９（ｂ）は、溝部の拡大図で、矢印のところから紐２が固着器具１に通される。
【００２４】
以上、本発明を温室の天上及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着器具として説明したが、本発明の固着器具は、野外で日除けや臨時の雨天しのぎに建てる天幕、海岸や、登山などで使うすぽつ用テント、のぼりや旗指物を支持体に固定する場合など色々なシート状物品の固着に使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【００２５】
前述したとおり、本発明に係る温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着器具は、支持部材への取り付け、取り外しが容易であり、保管も簡単であって、取り外しに際しては温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを破損する恐れがなく、しかも長寿命であるから、固着器具の使用期間が長くなり、生産性を向上することが出来、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】 本発明固着器具の斜視図である。
【図２】 本発明固着器具の軸方向から見た側面図である。
【図３】 支持部材から、本発明固着器具を外すときの変化の説明図である。
【図４】 支持部材から連続して本発明固着器具を取り外す状態の説明図である。
【図５】 取り外した本発明固着器具の保管状態を示す説明図である。
【図６】 先行例についての作用効果確認実験を示す説明図である。
【図７】 先行例に使用した引っ張り用シートの斜視図である。
【図８】 本発明固着器具に使用する取り外し用紐の概要図である。
【図９】 本発明固着器具に使用する取り外し用紐の別の取り付け状態概要説明図及び取り付け部の拡大説明図である。
【符号の説明】
【００２７】
１ 固着器具
１−１ 固着器具補強用リブ
１−２ 支持部材締め付け用スプリング
２ 固着器具取り外し用紐
２−１ 固着器具取り外し用紐掴み部
２−２ 固着器具取り外し用紐の支持部材との接触部
２’ 先行例の固着器具取り外し用シート
３−１、３−２ 取り外し用紐挿通穴
４ 固着器具開口部
５ 固着器具取り外し保管用長尺紐
６ 支持部材
【技術分野】
【０００１】
本発明は、大型の温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを、棒あるいは管状の支持部材に保持するための固着用器具に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、合成樹脂シートを支持用枠に固着して野菜や花卉の栽培をする温室を構成することは広く行なわれており、簡易に実施ができるとともに、補修等も簡便であるため、実用性の高いものである。
【０００３】
しかしながら、簡便ではあっても、それなりに問題点があり、とくに合成樹脂シートをその支持枠に固着する器具は、風雨による温室の破損を避けるために、合成樹脂シートを支持枠に強固に保持させるべく、一旦シートを固着すると、その固着器具を取り外すことはきわめて困難であり、その改善のため色々の提案がなされてきた。
【０００４】
たとえば特許文献１には、固着器具の両端部の内径を他の部分より大きくして、シートを支持枠に固着した際に、支持枠上のシートとの間に隙間が形成されるようにし、固着器具を取り外す際には、その隙間に取り外し具を挿入して取り外しを行なうことが示されている。しかしながら、この発明では固着器具作成に、特別の金型が必要であり、取り外しのために専用の工具を準備しなければならないという問題点がある。
【０００５】
また、特許文献２では、固着器具と支持枠上のシートとの間に、取り外し用の合成樹脂シートを介在させることが提案され、固着器具による固定が確実にされ、その取り外しも簡単であると説明されている。ところが、この発明の取り外し用合成シートは固着器具取り外しの際の引っ張り力に耐えられるものであることが必要であり、繰り返し使用が困難であると推測される。
【特許文献１】特開平１１−９１１５号公報
【特許文献２】特開２００４−３４４１５７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は前記した従来における諸問題を解決し、確実に必要とされる性能のすべてを有する、温室天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の目的を達成するために、本発明による温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを、棒あるいは管状の支持部材に保持する固着器具は、支持部材とその上に載置したシートを挾み付ける開口部を形成した所定長さの合成樹脂製であって、支持部材の外径寸法に前記シートの厚さを加算した内径寸法を有しており、シート固着前は前記開口部が狭くされていて、支持部材上に載置したシートを固着器具の弾発力により支持部材上に挾みつけて固着可能とするとともに、固着器具の一端には固着器具取り外し用の紐を取り付けてなるものである。
【０００８】
また、本発明は支持部材断面が円形のものに適用されるが、支持部材断面が正方形を含む長方形であってもよく、固着器具取り外し用の紐が、開口端とその反対側の中間に固着器具を貫通し取り付けられ、開口端でない側で結合されて取り外し掴み部とされているもので、複数の固着器具取り外し用の紐の掴み部を、長尺の紐にそれぞれ固着した温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを、棒あるいは管状の支持部材に保持する固着器具に関する。
【発明の効果】
【０００９】
本発明は、前記した構成により、取り外しが簡単にできるとともに、再使用が可能な温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを棒あるいは管状の支持部材に固定する固着器具を提供することが出来、産業上極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
本発明の構成と作用を説明する。
本発明者の研究結果によれば、本発明にかかる、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材上に載置し、このシートを前記支持部材に挾み付けて固着する器具は、前記支持部材とその上に載置したシートを挾み付ける開口部を形成した所定長さと厚さの筒状合成樹脂製であって、支持部材の外径寸法に前記シートの厚さを加算した内径寸法を有しており、固着前は前記開口部が狭くされていて、支持部材上に載置したシートを固着器具の弾発力により支持部材に挾みつけて固着可能とするとともに、固着器具の一端には固着器具取り外し用の紐を取り付けてなることを特徴とする温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着器具を要旨とするものである。
【００１１】
本発明に係る固着器具は、支持部材上に、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを固着する手段として、従前の固着器具と異なるところはなく、取り外す際にその効果が発揮される。
【００１２】
すなわち、固着器具を支持部材から取り外す際、特別な工具や別の取り外し具を使用する必要はなく、固着器具に取り付けた紐を上方に引っ張ることにより、固着器具の紐取り付け部とは反対側が梃子の支点の働きをし、かつ固着器具内部の紐が支持部材を押し出すように作用するので、容易に取り外すことができる。
【００１３】
本発明においては、固着器具に取り付けた紐の引っ張り部を長尺の他の紐に結合しておくことにより、長尺の紐を引っ張ることにより、固着器具は順次支持部材から離脱して、紐に繋がった状態で回収されるので、そのまま保管することができ、再使用時は、紐に繋がった状態のままで順次固着器具によりシートを支持部材に固定してゆけばよく、能率的に作業を行なうことができる。
【実施例】
【００１４】
本発明の作用効果を確認するため、図面により具体的に説明すると、図１は本発明固着器具の斜視図であり、図２は、軸方向からみた側面図であり、図３（ａ）（ｂ）は、支持部材から、固着器具を外すときの変化の説明図であり、図４は、連続して固着器具を取り外す状態の説明図であり、図５は、取り外した固着器具の保管状態を示す説明図である。又、図６（ａ）、同（ｂ）、同（ｃ）は、先行例ならびに本発明についての作用効果確認実験を示す説明図であり、図７は、図６（ａ）、（ｂ）に使用した引っ張り用のシートの斜視図であり、図８は、本発明固着器具に使用する取り外し紐用の概要図である。そして図９（ａ）は、本発明固着器具に使用する取り外し用紐の別の取り付け状態概要説明図であり、同（ｂ）は、取り付け部の拡大説明図である。
【００１５】
図１、図２から明らかなように、合成樹脂製の本発明固着器具１は、円筒状の本体に、開口部４が形成されており、中心軸にほぼ直角な方向に取り外し用の紐２が穴３−１、３−２に貫通されている。固着器具１の具体的寸法は、支持部材の外径寸法により変わる。
図１および図９に示すように、開口部４をもうけた筒状体１の背面に、一対の補強用リブ１−１が形成され、リブの溝には支持部材締め付け用スプリング１−２がはめこまれている。紐２は、ナイロン製で径０．２ｍｍ、長さ２３ｃｍのものを、穴３−１、３−２に通してある。
【００１６】
上記のような固着器具１により、支持部材６にシートを固着すると、図３（ａ）ような状態に支持部材６のまわりに、紐２が巻き付いている形でシートを固着する。
【００１７】
支持部材６にシートを固着している固着器具１を取り外す場合は、図３（ｂ）に示すように、固着器具１の紐２を引っ張ることにより、シートと支持部材６の間に介在する紐２が支持部材６を押し出すように働き、支持部材６と接触する固着器具１の他端が支点の働きをして、梃子（てこ）の原理で固着器具１は支持部材６からはずれ、支持部材６に巻き付いていた紐２が直線状になることにより、固着器具１から支持部材６を押し出す働きをして、固着器具１の離脱を容易にする。
【００１８】
図４に示すように、複数の固着器具１、１、…の取り外し用紐２を、長尺の紐５に結合しておくと、この紐５を引っ張ることにより、固着器具１は順次外れてゆき、そのまま紐を図５のように巻き取れば、固着器具ぬは結合されて保管することができ、次の使用のときは、巻き取られた長尺の紐５の一端を支持部材６の基部に結びつけて、巻き戻しながら結合している固着器具１を、シートを支持した支持部材６へ固着していけば良いので、固着器具１をひとつずつ保持しながら固着する不便さがなくなり好都合である。
【００１９】
図６（ａ）は、先行例における取り外し用合成樹脂シート２’（図７）を、厚さ１．３ｍｍのハウス用塩化ビニール樹脂シートで、幅１４ｃｍ、長さ２３ｃｍの長方形に作成して、支持部材６と、固着器具１として長さ１９ｃｍ、内径１．３ｃｍ、厚さ２ｍｍで、両端部から５ｃｍのところに形成した補強リブ１−１、の溝に、厚さ１ｍｍ、幅５ｍｍ、長さ３ｃｍのスプリング１−２をはめ込み、固着器具１の開口部４を強制的に狭めた状態で、前記取り外し用シート２’を介在させ、固着器具１を取り外すために前記シート２’を上方に引き上げた。
【００２０】
しかしながら、図６（ａ）におけるＡの部分が開いて固着器具が取れるという先行例の説明に反して、バネ秤で９ｋｇの荷重では外れず、それ以上の荷重を加えると図６（ｂ）にのように、シート２’はＡの部分が破損して切断し、どの程度の荷重で固着器具が外れるのかは測定できなかった。
【００２１】
これに対し、図６（ｃ）の本発明の場合は、７〜７．５ｋｇの荷重で固着器具は外れることが確認でき、実用性の高いことが裏付けられた。
【００２２】
図８は、固着器具１取り外し用紐２の使用態様を示すもので、２−１は撚り合せた紐であり、２−２は解きほぐして、固着器具１とシートノア伊田に介在させるのを容易にした部分である。
【００２３】
図９（ａ）は、固着器具１への取り外し用紐２の取り付け部を、変形したＲ型の溝としたものであり、図９（ｂ）は、溝部の拡大図で、矢印のところから紐２が固着器具１に通される。
【００２４】
以上、本発明を温室の天上及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着器具として説明したが、本発明の固着器具は、野外で日除けや臨時の雨天しのぎに建てる天幕、海岸や、登山などで使うすぽつ用テント、のぼりや旗指物を支持体に固定する場合など色々なシート状物品の固着に使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【００２５】
前述したとおり、本発明に係る温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着器具は、支持部材への取り付け、取り外しが容易であり、保管も簡単であって、取り外しに際しては温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを破損する恐れがなく、しかも長寿命であるから、固着器具の使用期間が長くなり、生産性を向上することが出来、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】 本発明固着器具の斜視図である。
【図２】 本発明固着器具の軸方向から見た側面図である。
【図３】 支持部材から、本発明固着器具を外すときの変化の説明図である。
【図４】 支持部材から連続して本発明固着器具を取り外す状態の説明図である。
【図５】 取り外した本発明固着器具の保管状態を示す説明図である。
【図６】 先行例についての作用効果確認実験を示す説明図である。
【図７】 先行例に使用した引っ張り用シートの斜視図である。
【図８】 本発明固着器具に使用する取り外し用紐の概要図である。
【図９】 本発明固着器具に使用する取り外し用紐の別の取り付け状態概要説明図及び取り付け部の拡大説明図である。
【符号の説明】
【００２７】
１ 固着器具
１−１ 固着器具補強用リブ
１−２ 支持部材締め付け用スプリング
２ 固着器具取り外し用紐
２−１ 固着器具取り外し用紐掴み部
２−２ 固着器具取り外し用紐の支持部材との接触部
２’ 先行例の固着器具取り外し用シート
３−１、３−２ 取り外し用紐挿通穴
４ 固着器具開口部
５ 固着器具取り外し保管用長尺紐
６ 支持部材
【特許請求の範囲】
【請求項１】
温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材上に載置して、このシートを、前記支持部材に挾み付けて固着する器具であって、支持部材とその上に載置したシートを挾み付ける開口部を形成した所定長さの合成樹脂製であるとともに、支持部材の外径寸法に前記シートの厚さを加算した内径寸法を有しており、シート固着前は前記開口部が狭くされていて、支持部材上に載置したシートを固着器具の弾発力により支持部材上に挾みつけて固着可能とするとともに、固着器具の一端には固着器具取り外し用の紐を取り付けてなることを特徴とする、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項２】
支持部材断面が円管形である請求項１記載の、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項３】
固着器具取り外し用の紐が、固着器具開口端とその反対側の中間に固着器具を貫通し取り付けられ、開口端でない側で結合されて取り外し掴み部とされている請求項１または２のいずれかに記載の、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項４】
固着器具取り外し用の紐が、固着器具開口端側から固着器具径方向中間まで対称的に形成した両側の溝に嵌入され、開口端でない側で結合されて取り外し掴み部とされている請求項１または２のいずれかに記載の、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項５】
請求項４における固着器具取り外し用の紐を嵌入する溝が、径方向の先端から軸方向にのびて、前記紐が溝の末端に通されている、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項６】
固着器具取り外し用の紐を嵌入する溝が、取り外し紐取り付け部側からみて右側に、Ｒの右側が縦線から離れて右下がり部が水平となった形状で、左側には対称形の溝が形成されている請求項５記載の、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項７】
複数の固着器具取り外し用の紐の掴み部を、長尺の紐にそれぞれ固着した請求項１ないし６のいずれかに記載の、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項１】
温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材上に載置して、このシートを、前記支持部材に挾み付けて固着する器具であって、支持部材とその上に載置したシートを挾み付ける開口部を形成した所定長さの合成樹脂製であるとともに、支持部材の外径寸法に前記シートの厚さを加算した内径寸法を有しており、シート固着前は前記開口部が狭くされていて、支持部材上に載置したシートを固着器具の弾発力により支持部材上に挾みつけて固着可能とするとともに、固着器具の一端には固着器具取り外し用の紐を取り付けてなることを特徴とする、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項２】
支持部材断面が円管形である請求項１記載の、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項３】
固着器具取り外し用の紐が、固着器具開口端とその反対側の中間に固着器具を貫通し取り付けられ、開口端でない側で結合されて取り外し掴み部とされている請求項１または２のいずれかに記載の、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項４】
固着器具取り外し用の紐が、固着器具開口端側から固着器具径方向中間まで対称的に形成した両側の溝に嵌入され、開口端でない側で結合されて取り外し掴み部とされている請求項１または２のいずれかに記載の、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項５】
請求項４における固着器具取り外し用の紐を嵌入する溝が、径方向の先端から軸方向にのびて、前記紐が溝の末端に通されている、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項６】
固着器具取り外し用の紐を嵌入する溝が、取り外し紐取り付け部側からみて右側に、Ｒの右側が縦線から離れて右下がり部が水平となった形状で、左側には対称形の溝が形成されている請求項５記載の、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【請求項７】
複数の固着器具取り外し用の紐の掴み部を、長尺の紐にそれぞれ固着した請求項１ないし６のいずれかに記載の、温室の天井及び側面構成用合成樹脂シートを支持部材に保持する固着用器具。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２００７−２７５０３２（Ｐ２００７−２７５０３２Ａ）
【公開日】平成１９年１０月２５日（２００７．１０．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１２６７２７（Ｐ２００６−１２６７２７）
【出願日】平成１８年４月４日（２００６．４．４）
【出願人】（５０６１４７６５２）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１０月２５日（２００７．１０．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年４月４日（２００６．４．４）
【出願人】（５０６１４７６５２）
【Ｆターム（参考）】
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