説明

温室効果ガス排出量予測システムおよび方法

【課題】 本発明は、下水処理施設において排出量の多いCOやN2Oなどの温室効果ガスを対象として、所定期間の排出量を予測できる排出量予測システムおよび方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 下水処理施設における温室効果ガスの排出予測システムであって、下水処理施設に設けられたネットワークに接続された監視端末と、監視端末に装備され、下水処理施設の処理設備から汚水処理情報を収集するインターフェースユニットと、下水処理施設で所定期間内に処理される汚水量の変動パターンを記憶するメモリと、インターフェースユニットを介して収集した汚水処理情報に基づいて、汚水の単位処理量当たりの温室効果ガスの排出原単位を算出し、さらに、該排出原単位とメモリに記憶された汚水量の変動パターンに基づいて、所定期間内の温室効果ガスの予測排出量を算出する情報処理ユニットと、を備えることを特徴とする温室効果ガスの排出予測システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水処理施設における温室効果ガスの排出量予測システムおよび予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境の温暖化を防止するために、温室効果ガスの排出を抑制する取組が世界的な規模で行われている。本発明に係る下水処理施設においても、COやN2Oなどの温室効果ガスが排出されており、その排出量の削減が求められている。
【0003】
特許文献1には、温室効果ガスの排出指標の換算を、定められた換算式を用いて入力情報に基づいて行なう温室効果ガス排出指標換算システムおよび温室効果ガス排出指標換算方法が開示されている。これにより、世界的に統一された排出指標を用いて、温室効果ガスの排出権取引や排出量規制が可能となり、排出量の抑制を図ることができる。
【0004】
また、特許文献2には、汚水の流入量の変動の予測を行い、事前に流入量の変動に対する対応を行って、きめ細かい制御を実施する汚水の継続的処理方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−91618号公報
【特許文献2】特開2000−15279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術では、実測したデータに基づいて排出量および指標を把握するのみであり、温室効果ガスの排出量削減に積極的に取り組むものではなかった。また、特許文献2に記載された従来技術では、汚水処理施設への汚水の流入量を予測して処理の制御を行うが、温室効果ガスの発生を予測するものではなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、下水処理施設において排出量の多いCOやNOなどの温室効果ガスを対象として、所定期間の排出量を予測できる排出量予測システムおよび方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る温室効果ガスの排出予測システムは、下水処理施設における温室効果ガスの排出予測システムであって、下水処理施設に設けられたネットワークに接続された監視端末と、監視端末に装備され、下水処理施設の処理設備から汚水処理情報を収集するインターフェースと、下水処理施設で所定期間内に処理される汚水量の変動パターンを記憶するメモリと、インターフェースを介して収集した汚水処理情報に基づいて、汚水の単位処理量当たりの温室効果ガスの排出原単位を算出し、さらに、該排出原単位とメモリに記憶された汚水量の変動パターンに基づいて、所定期間内の温室効果ガスの予測排出量を算出する情報処理ユニットと、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、COやNOなどの温室効果ガスを対象として、下水処理施設の活動量を示す汚水処理情報に基づいて温室効果ガスの排出原単位を算出し、さらに、所定期間内の汚水の処理量の変動パターンを参照して排出量を予測する。これにより、リアルタイムで所定期間内の温室効果ガスの排出量を予測することができる。例えば、下水処理施設における汚水処理量の1日の変動パターンを基準とすれば、1日単位で排出量を予測することができる。
【0010】
また、汚水処理情報としては、例えば、下水処理施設に揚水される汚水の量や使用される電力量、また、汚水処理により発生した汚泥を焼却する際に使用される燃料の使用量などが該当する。
【0011】
本発明に係る温室効果ガスの排出予測システムにおいて、情報処理ユニットは、インターフェースを介して、下水処理施設の処理設備から温室効果ガスの排出情報を収集し、温室効果ガスの排出情報と、汚水処理情報と、に基づいて、温室効果ガスの排出原単位を算出することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、下水処理施設の各設備から排出される温室効果ガスの排出情報を排出原単位に反映させることにより、排出予測の精度の向上を図ることができる。温室効果ガスの排出情報としては、各設備の排出するガス中に含まれる温室効果ガスの量を、直接、または間接に計測した数値などが考えられる。
【0013】
本発明に係る温室効果ガスの排出予測システムにおいて、監視端末は、下水処理施設に設けられたネットワークを介してホスト端末に接続され、情報処理ユニットが算出した温室効果ガスの予測排出量が、所定の基準値を超えた場合に、前記ホスト端末にメッセージを送付することを特徴とする。
【0014】
これにより、温室効果ガスの排出量が計画量を越えないように下水処理施設の運用を制御するなど、目標管理が可能となり、中長期に渡る温室効果ガスの削減に寄与することができる。
【0015】
本発明に係る温室効果ガスの排出予測システムにおいて、下水処理施設の処理設備は、温室効果ガスを含む排出ガスの排出量を検出する排出量センサと、排出ガスに含まれる温室効果ガスの濃度を検出する濃度センサと、を備え、温室ガスの排出情報として、排出量センサが検出した排出ガスの排出量と、濃度センサが検出した温室効果ガスの濃度と、を監視端末に出力することを特徴とする。
【0016】
これにより、リアルタイムに温室効果ガスの排出量が把握され、排出原単位の算出精度が向上し、予測排出量の精度も向上する。
【0017】
本発明に係る温室効果ガスの排出予測方法は、下水処理施設における温室効果ガスの排出予測方法であって、下水処理施設の処理設備から汚水処理情報を収集するデータ収集ステップと、汚水処理情報に基づいて、汚水の単位処理量当たりの温室効果ガスの排出原単位を算出する原単位算出ステップと、温室効果ガスの排出原単位と、下水処理施設で処理される汚水量の変動パターンと、に基づいて、所定期間内の温室効果ガスの予測排出量を算出する排出量予測ステップと、温室効果ガスの予測排出量が、所定の基準値を超えた場合にメッセージを出力するメッセージ出力ステップと、を備えることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明に係る温室効果ガスの排出予測方法において、データ収集ステップは、下水処理施設の処理設備から温室効果ガスの排出情報を、さらに収集し、原単位算出ステップは、汚水処理情報および温室効果ガスの排出情報に基づいて、温室効果ガスの排出原単位を算出することを特徴とする。
【0019】
これにより、下水処理施設における温室効果ガスの排出量をリアルタイムに正確に予測でき、排出量削減に寄与することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、下水処理施設において排出量の多いCOやNOなどの温室効果ガスを対象として、所定期間の排出量を予測できる排出量予測システムおよび方法を実現するができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る排出量予測システムを示す説明図である。
【図2】本発明に係る排出量予測システムの監視端末の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る排出量予測システムの監視端末の処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る下水処理量示すトレンドグラフである。
【図5】本発明に係る排出量予測システムのデータ表示画面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は、本実施態様に係る排出量予測システムを示す説明図である。下水処理施設を構成する受電設備1およびポンプ設備2、水処理設備3、焼却設備4のそれぞれが排出する温室効果ガス(GHG:Green House Gas)情報が監視端末5に送られる。GHG情報は、各処理設備における汚水処理情報、また、温室効果ガスの排出情報である。監視端末5では、各設備から送られたGHG情報を処理しデータベース(図2参照)に格納する。GHGの排出量を監視するホスト端末7は、イントラネットまたはインターネットなどのネットワーク6を介して監視端末5にアクセスし、データベースに格納されたGHG情報を収集する。
【0024】
表1は、下水処理施設の各設備から監視端末5へ送付されるGHG情報(汚水処理情報および温室効果ガスの排出情報)を示す一覧表である。以下、各設備において検出され、監視端末5に送付されるGHG情報について説明する。
【表1】

【0025】
受電設備1は、下水処理施設の各設備に電力を供給し、供給した電力の積算量を監視端末5へ送付する。ポンプ設備2は、下水処理施設へ汚水を揚水し、揚水した汚水の積算量を、施設の積算処理量として監視端末へ送付する。
【0026】
水処理設備3は、汚水の沈澱分離や有機物の分解を行う。この際、NOやCHなどのGHGを含むガスを排出する。排ガスの排出量を検出する排出量センサである流量計や、排出ガスに含まれるNOやCHの濃度を測定する濃度センサが水処理設備3に備えられている場合には、排出ガス流量および各ガス濃度の実測値が監視端末5に送付される。排ガスの排出量検出には、例えば、差圧式流量計が使用され、排ガスの積算流量を出力する。また、NOおよびCHの濃度センサとしては、非分散赤外式ガス分析計を使用することができる。
【0027】
焼却設備4は、水処理設備3において汚水から分離された汚泥を焼却して廃棄する。この際、焼却のための燃料を使用し、汚泥中の窒素や有機物に由来するNOおよびCHを含むガスを排出する。この場合においても、上記の水処理設備3と同様に、排ガスの排出量を検出する排出量センサである流量計や、排出ガスに含まれるNOやCHの濃度を測定する濃度センサが焼却設備4に備えられている場合には、排出ガス流量および各ガス濃度の実測値が監視端末5に送付される。排ガスの流量検出には、差圧式流量計が使用され、排ガスの積算流量を出力する。また、NOおよびCHの濃度センサとしては、非分散赤外式ガス分析計を使用する。さらに、焼却に用いた燃料の使用量を検出する差圧式流量計が備えられている。
【0028】
図2は、監視端末5の構成を示すブロック図である。前述した各設備からGHG情報を、インターフェース11で収集する。そして、GHG情報は情報処理ユニットであるCPU12に送られる。CPU12は、メモリ13に格納されたプログラムを実行することにより、所定の処理(図3参照)を行い、算出したGHG排出量等のデータをデータベース14に格納する。また、CPU12は、通信インターフェース15を介してネットワーク6に接続されたホスト端末7と交信し、データベースに格納されたGHGデータを出力する。本発明では、下水処理施設で所定期間内に処理される汚水量の変動パターンを記憶するメモリとして、所定の処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ13と、データベース14をそれぞれ備える構成としたが、単一のメモリを備える構成としてもよい。
【0029】
図3は、CPU12が実行する処理を示すフローチャートである。以下、本フローチャートを参照して、本発明に係るGHG排出量予測方法について説明する。
【0030】
CPU12は、予め設定された時間間隔をおいて、各設備からGHG情報を収集する(ステップS01)。後述するように、本実施態様においては、1時間毎にGHG排出量を算出し、その日の総排出量を予測する。したがって、CPU12は、1時間毎に各設備から出力されるGHG情報を収集する。また、NOおよびCHのガス濃度センサから出力されるデータについては、1時間より短い間隔でデータを収集し、それらの平均値をガス濃度センサの出力値としてGHG排出量の算出を行っても良い。
【0031】
次に、CPU12は、各設備から送付されたGHG情報に基づいてGHG排出量を算出する(ステップS02)。この際、表2に示す排出係数を参照して、COおよびNO、CHの排出量を計算する。表2は、データテーブルとしてメモリ13(図2参照)に格納されており、CPU12は、表2に示す数値を参照して設備毎の排出量を計算する。例えば、受電設備1から送付された積算電力量から、直近の1時間に使用された電力を算出し、表2に示されたCOの排出係数0.555を乗じてGHG排出量を算出する。また、焼却設備4から送付された排ガス流量の積算値に基づいて1時間に排出された排ガス量を算出し、濃度センサで検出された排ガスに含まれるNOの濃度を乗じて、NOの排出量を計算する。さらにNOの温暖化係数310を乗じてCO換算のGHG排出量とする。
【表2】

【0032】
一方、水処理設備3および焼却設備4において、排ガス流量を検出する差圧式流量計やNO、CHの濃度センサが設置されていないような場合には、ポンプ設備2から送付される処理量に基づいてGHG排出量を算出する。すなわち、ポンプ設備2から送付される積算処理量から、直近の1時間における処理量を算出し、表2に示すNOおよびCHの排出係数を乗じることにより、NOおよびCHの排出量を算出する。さらに、NOおよびCHの温暖化係数を乗じてCO換算のGHG排出量を算出することができる。
【0033】
次に、CPU12は、各設備のGHG排出量を合計して総GHG排出量を算出する(ステップS03)。受電設備1の電力量から算出されるCO排出量、および水処理設備および焼却設備4から排出されるNOおよびCHの排出量をCOに換算したGHG排出量、さらに、焼却設備の燃料使用によるCO排出量が合計されて、総GHG排出量となる。
【0034】
次に、CPU12は、算出された総GHG排出量に基づいてGHG原単位を算出する(ステップS04)。GHG原単位は、直近の1時間に排出された総GHG排出量を、その間の処理量で除した数値である。すなわち、汚水の単位投入量に対するGHGの総排出量を、リアルタイムに示す指標となる。
【0035】
次に、CPU12は、1日あたりのGHG排出量を予測する(ステップS05)。図4は、GHG排出量の予測に用いる1時間毎の汚水の処理量を示すトレンドグラフである。図4(a)は、ポンプ設備2における汚水の揚水量を1時間単位で示したグラフであり、1日の処理量の推移を示す基準変動パターンである。一方、図4(b)は、時刻10時における汚水の揚水量に基づいて予測した、10時以降の処理量の推移を示している。CPU12は、上記の基準となる1時間毎の汚水の処理量を、メモリ13から読み出して予測処理量を算出する。まず、ポンプ設備2から送付された積算処理量データから、9時から10時の間における1時間の処理量が算出される。次に、図4(a)の基準変動パターンから10時の処理量が抽出され、9時から10時の間における1時間の処理量と比較される。そこで、図中に示すように、9時から10時の間における1時間の処理量が、基準変動パターンから抽出された10時の処理量の1.2倍であったとすれば、以降の各時刻における1時間あたりの処理量も、図4(a)の基準変動パターンに示される処理量の1.2倍となるとして、10時以降の処理量の算出を行う。
【0036】
さらに、CPU12は、図4(b)に示される1時間ごとの予測処理量に、ステップS04で算出したGHG原単位を乗じて、10時以降の1時間毎のGHG排出量を算出する。次に、算出された10時以降の1時間毎のGHG排出量の総和と、ステップS01からS03までの処理を、各時刻において実行することによって得られている10時までのGHG排出量の累積値を加えることにより、時刻10時において予測される1日のGHG排出量が求められる。
【0037】
次に、CPU12は、算出された1日の予測GHG排出量と基準排出量を比較する(ステップS06)。予め定められた目標である基準排出量を、予測された1日のGHG排出量が上回った場合には、ステップS07へ進み、CPU12は、ホスト端末7に向けてメッセージを出力する。これにより、1日のGHG排出量が基準排出量を超えないように、何らかの対策を実行することが可能となる。
【0038】
ステップS06において、1日のGHG排出量が基準排出量を超えていない場合、また、ステップS07においてメッセージを出力した後は、ステップS08へ進み、算出されたGHG排出量、総GHG排出量、GHG原単位、および1日のGHG排出量予測をデータベース14へ格納して処理を終了する。
【0039】
以上の処理を各時刻において実施することにより、各時刻における汚水の処理量に基づいて、1日のGHG排出量をリアルタイムに予測することができる。また、汚水の処理量の実測値および各設備におけるGHG情報に基づいた1時間毎の総GHG排出量の把握が可能となる。これにより、GHG排出量の目標管理が可能となり、排出量の削減に寄与することができる。
【0040】
図5は、ホスト端末7に表示されるGHG情報の表示画面の例を示したものである。横軸を時間軸として、縦軸にGHG排出量およびGHG原単位が示されている。図中には、1時間毎の総GHG排出量、および累積GHG排出量、GHG原単位の時間変化が表示されている。また、図中右端には、表示した時刻における1日のGHG排出量の予測値が表示されており、基準排出量との差異が視覚的に認識される。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係る温室効果ガス排出量予測システムおよび方法は、上述した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 受電設備
2 ポンプ設備
3 水処理設備
4 焼却設備
5 監視端末
6 ネットワーク
7 ホスト端末
11 インターフェース
12 CPU
13 メモリ
14 データベース
15 通信インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下水処理施設における温室効果ガスの排出予測システムであって、
前記下水処理施設に設けられたネットワークに接続された監視端末と、
前記監視端末に装備され、前記下水処理施設の処理設備から汚水処理情報を収集するインターフェースと、
前記下水処理施設で所定期間内に処理される汚水量の変動パターンを記憶するメモリと、
前記インターフェースを介して収集した汚水処理情報に基づいて、汚水の単位処理量当たりの温室効果ガスの排出原単位を算出し、さらに、該排出原単位と前記メモリに記憶された汚水量の変動パターンに基づいて、所定期間内の温室効果ガスの予測排出量を算出する情報処理ユニットと、
を備えることを特徴とする温室効果ガスの排出予測システム。
【請求項2】
前記情報処理ユニットは、前記インターフェースを介して、前記下水処理施設の処理設備から温室効果ガスの排出情報を収集し、
前記温室効果ガスの排出情報と、前記汚水処理情報と、に基づいて、前記温室効果ガスの排出原単位を算出することを特徴とする請求項1に記載の温室効果ガスの排出予測システム。
【請求項3】
前記監視端末は、
前記下水処理施設に設けられたネットワークを介してホスト端末に接続され、
前記情報処理ユニットが算出した温室効果ガスの予測排出量が、所定の基準値を超えた場合に、前記ホスト端末にメッセージを送付することを特徴とする請求項1または2に記載の温室効果ガスの排出予測システム。
【請求項4】
前記下水処理施設の処理設備は、
前記温室効果ガスを含む排出ガスの排出量を検出する排出量センサと、
前記排出ガスに含まれる温室効果ガスの濃度を検出する濃度センサと、を備え、
前記温室ガスの排出情報として、前記排出量センサが検出した排出ガスの排出量と、前記濃度センサが検出した温室効果ガスの濃度と、を前記監視端末に出力することを特徴とする請求項2または3に記載の温室効果ガスの排出予測システム。
【請求項5】
下水処理施設における温室効果ガスの排出予測方法であって、
前記下水処理施設の処理設備から汚水処理情報を収集するデータ収集ステップと、
前記汚水処理情報に基づいて、汚水の単位処理量当たりの温室効果ガスの排出原単位を算出する原単位算出ステップと、
前記温室効果ガスの排出原単位と、前記下水処理施設で処理される汚水量の変動パターンと、に基づいて、所定期間内の温室効果ガスの予測排出量を算出する排出量予測ステップと、
前記温室効果ガスの予測排出量が、所定の基準値を超えた場合にメッセージを出力するメッセージ出力ステップと、
を備えることを特徴とする温室効果ガスの排出予測方法。
【請求項6】
前記データ収集ステップは、前記下水処理施設の処理設備から温室効果ガスの排出情報を、さらに収集し、
前記原単位算出ステップは、前記汚水処理情報および温室効果ガスの排出情報に基づいて、前記温室効果ガスの排出原単位を算出することを特徴とする請求項5に記載の温室効果ガスの排出予測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−231457(P2010−231457A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77768(P2009−77768)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(507214083)メタウォーター株式会社 (277)