説明

温室効果ガス排出量管理システム、及び該システムを構成する温室効果ガス排出量確定装置

【課題】 個人、家族、企業等の社団などの活動主体が、自分たちが行っている様々な活動に伴い、どれだけの量のGHGが大気中に排出されるかを正確に把握するために役立つような、温室効果ガス排出量管理システム、及び該システムを構成する温室効果ガス排出量確定装置を提供する。
【解決手段】 活動主体が活動を行った(又は行う)際、該活動に伴うGHG排出量を確定するGHG排出量確定装置(A+)(複数)と、活動主体ごとに開設されたGHG排出量管理口座を管理するGHG排出量管理装置(B)と、をネットワークで接続し、GHG排出量管理装置(B)は、GHG排出量確定装置(A+)から活動主体識別情報とGHG排出量データと受信し、それらの情報とデータとに基づいて、GHG排出量管理口座にGHG排出量データを登録する、及び/又は、GHG排出量管理口座に記録されたGHG排出量の積算データを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人、家族、企業などの活動主体ごとに、該活動主体の活動に伴って大気中に排出される二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を確定する温室効果ガス排出量確定装置と、前記活動主体ごとに、前記活動主体又は前記活動主体の構成員の活動に伴って大気中に排出される二温室効果ガスの排出量を管理する温室効果ガス排出量管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人類の活動に伴い、二酸化炭素などの温室効果ガス(Greenhouse Gas。以下、GHGと略記する)が大量に排出されることに起因して、地球温暖化問題が発生している。この問題を解決又は緩和するためには、二酸化炭素の排出量を削減することが必須であるが、GHG排出量削減への取り組みを実効性のあるものとするためには、現状でのGHG排出量を正確に算出することが重要である。
【0003】
従来、個人、家族、企業等の社団、地方公共団体、官庁などの活動主体が行っている様々な活動に伴って大気中に排出されている二酸化炭素の量を算出するための各種の方法や装置が開示されている。
例えば、特許文献1及び2は、電気機器の消費電力量等のデータに基づいて、該電気機器の使用に伴って発生する二酸化炭素の排出量を算出する技術を開示している。
特許文献3、4、5及び6は、事業所や施設におけるエネルギー消費量等のデータに基づいて、該事業所や該施設を使用する際に発生する二酸化炭素の排出量を算出する技術を開示している。
特許文献7、8、9及び10は、発電装置を使用して発電する際に発生する二酸化炭素の排出量を、該発電装置で使用される燃料の使用量等に基づいて算出する技術を開示している。このうち、特に特許文献8は、ある地域において排出される二酸化炭素量を、燃料供給ステーションに供給される燃料の供給量に基づいて算出する技術を併せて開示している。
特許文献11は、物流に伴って発生する二酸化炭素の排出量を、車両の運行データ、前燃費データ、拠点間距離データ等に基づいて算出する技術を開示している。
特許文献5及び12は、建設工事に伴って発生する二酸化炭素の排出量を、建設資材の数量や工事における消費エネルギー量等に基づいて算出する技術を開示している。
【0004】
【特許文献1】特開平11−331724
【特許文献2】特開2002−6696
【特許文献3】特開2001−183186
【特許文献4】特開2001−338028
【特許文献5】特開2004−126843
【特許文献6】特開2004−326375
【特許文献7】特開2002−181304
【特許文献8】特開2004−157716
【特許文献9】特開2004−341927
【特許文献10】特開2004−362212
【特許文献11】特開2007−207140
【特許文献12】特開2007−18061
【0005】
しかしながら、これらの従来技術は、いずれも特定の活動主体が行う特定の活動に伴って排出される二酸化炭素の排出量だけを評価するものであるため、これらの先行技術によるだけでは、様々な種類の活動主体が行う様々な活動に伴って大気中に排出されるGHGの全体量を評価することはできない。このため、個人、家族、企業等の社団、地方公共団体、官庁などの活動主体が、カーボンオフセットの手法を用いて該活動主体の活動に伴って大気中に排出されたGHGを相殺し、カーボンニュートラル(相殺によってGHG排出が実質ゼロになった状況)やカーボンポジティブ(GHGをより多く相殺した状況)を実現しようとしても、そもそも大気中に排出したGHGの全体量を把握できないので、どれだけの量を相殺すれば適正かが判断できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、個人、家族、企業等の社団、地方公共団体、官庁などの活動主体が、自分たちが行っている様々な活動に伴ってどれだけの量のGHGが大気中に排出されるかを正確に把握するために役立つ温室効果ガス排出量管理システム、及び該システムを構成する温室効果ガス排出量確定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、温室効果ガス排出量管理システムに係る第1の発明は、(A+)活動主体が温室効果ガス(Greenhouse Gas。以下、GHGと略記する)の排出を伴う活動を行った(又は行う)際、該活動に伴うGHG排出量を確定するGHG排出量確定装置(複数)と、(B)活動主体ごとに開設され、該活動主体の活動に伴うGHG排出量の履歴データ、及び/又は、該GHG排出量の積算データを記録するGHG排出量管理口座を管理するGHG排出量管理装置と、を構成要素とし、該GHG排出量確定装置(A+)(複数)と該GHG排出量管理装置(B)とがネットワークを介して接続されており、前記GHG排出量確定装置(A+)は、確定したGHG排出量データを、前記活動主体を特定する活動主体識別情報とともに、前記GHG排出量管理装置(B)に送信するGHG排出量送信手段を備え、前記GHG排出量管理装置(B)は、前記GHG排出量確定装置(A+)から、前記活動主体識別情報と前記GHG排出量データとを受信するGHG排出量受信手段と;受信した前記活動主体識別情報と前記GHG排出量データとに基づいて、該活動主体識別情報によって特定される活動主体のGHG排出量管理口座に、該GHG排出量データを登録する、及び/又は、該GHG排出量管理口座に記録された前記積算データを更新するGHG排出量登録手段と;を備えるようにしたものである。
【0008】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「活動主体」とは、個人、家族、企業等の社団、地方公共団体、官庁など、一定のまとまりをもって活動する単位のことを意味する。また、「活動主体が行う活動」には、該活動主体が集団の場合、該活動主体全体として行う活動だけではなく、該活動主体の構成員が個々に行う活動を含めることができる。さらに、「(活動主体の)活動に伴うGHG排出量」とは、該活動を行うことによって直接的に排出されるGHGの量だけに限定されるのではなく、例えば、商品の購買活動を行う場合、「該購買活動に伴うGHG排出量」には、購買対象の商品の製造活動に伴って排出されたGHGや、当該商品を廃棄する際に排出されるであろうGHGの量も含めることができる。
「(活動主体の)活動に伴うGHG排出量」の中に、どの範囲までのGHG排出量を含めるかは、ユーザーがGHG排出量確定装置(A+)を運用する際に決定することができる。特に、活動に伴うGHG排出量の計算方法を定める規格が制定された場合には、該規格に準拠してGHG排出量を計算することができる。
【0009】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第2の発明は、第1の発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、(A−)活動主体が、自ら又は他の活動主体に委託してGHG回収・削減活動を行う(又は行った)際、該GHG回収・削減活動によるGHG回収・削減量を確定するGHG回収・削減量確定装置を構成要素とし、前記GHG排出量管理装置(B)は、前記活動主体ごとに開設されたGHG排出量管理口座において、該活動主体の回収・削減活動によるGHG回収・削減量の履歴データ、該GHG回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを記録する機能を有し、該GHG回収・削減量確定装置(A−)(複数)は、前記GHG排出量確定装置(A+)(複数)と前記GHG排出量管理装置(B)とが接続されるネットワークに接続されており、前記GHG回収・削減量確定装置(A−)は、確定したGHG回収・削減量データを、前記活動主体を特定する活動主体識別情報とともに、前記GHG排出量管理装置(B)に送信するGHG回収・削減量送信手段を備え、前記GHG排出量管理装置(B)は、前記GHG回収・削減量確定装置(A−)から、前記GHG回収・削減量データと前記活動主体識別情報とを受信するGHG回収・削減量受信手段と;受信した前記GHG回収・削減量データと前記活動主体識別情報に基づいて、該活動主体識別情報によって特定される活動主体のGHG排出量管理口座に、該GHG回収・削減量データを登録する、及び/又は、該GHG排出量管理口座に記録された前記積算データ及び/又は前記相殺データを更新するGHG回収・削減量登録手段と;を備えるようにしたものである。
【0010】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「GHG回収・削減活動」とは、植林によって大気中の二酸化炭素を固定する等の「GHG回収活動」と、火力発電所の発電効率を改善して大気中に排出される二酸化炭素を削減する等の「GHG排出削減活動」の双方を含む。また、商品を購入した際に、該購買活動に伴うGHG排出量の中に、該商品を焼却する際に発生するであろうGHG(特に、二酸化炭素)の排出量を含めてGHG排出量管理口座に登録していた場合に、該商品を炭化処理等のGHGの排出が少ない処理を行えば、そのような処理もGHG排出削減活動に含めることができ、そのような処理をすることによって削減されたGHG排出量を「GHG回収・削減活動によるGHG回収・削減量」に含めることができる。
また、「(活動主体の)GHG回収・削減活動によるGHG回収・削減量」は、該活動主体(又は該活動主体の構成員)が自ら行うGHG回収・削減活動によって回収又は削減されたGHGの量だけに限定されるのではなく、例えば、該活動主体がカーボンオフセット事業者に対価を支払った上でGHG回収・削減活動を委託するような場合に、該GHG回収・削減活動で回収又は削減されるGHGの量も含めることができる。
「(活動主体の)GHG回収・削減活動によるGHG回収・削減量」の中に、どの範囲までのGHG回収・削減量を含めるかは、ユーザーがGHG回収・削減量確定装置(A−)を運用する際に決定することができる。特に、GHG回収・削減活動によるGHG回収・削減量の計算方法を定める規格が制定された場合には、該規格に準拠してGHG回収・削減量を計算することができる。
【0011】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第3の発明は、第1又は第2の発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、前記GHG排出量管理装置(B)は、前記GHG排出量登録手段が、前記活動主体識別情報によって特定される活動主体のGHG排出量管理口座への登録及び/又は更新を行うのと前後して又は同時に、前記活動主体識別情報によって特定される該活動主体とは別の活動主体のGHG排出量管理口座において、前記GHG排出量の全部又は一部又は前記GHG回収・削減量の全部又は一部に相当するGHG回収・削減量を差し引く移転処理を行うGHGデータ移転手段を備えるようにしたものである。
【0012】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「移転処理」には、以下のようなケースがある。すなわち、ある商品を製造するメーカーがGHG排出量管理装置(B)によって管理されるGHG排出量管理口座を開設し、該商品の製造活動に伴うGHG排出量を該GHG排出量管理口座に記録している状況において、該商品を、同じくGHG排出量管理装置(B)によって管理されるGHG排出量管理口座を開設している他の活動主体Aが購入し、該購入活動に伴うGHG排出量を該GHG排出量管理口座に登録し、しかも、該購入活動に伴うGHG排出量には、該商品の製造活動に伴うGHG排出量も含まれている場合、活動主体AのGHG排出量管理口座に登録されたGHG排出量のうち、該商品の製造活動に伴うGHG排出量相当分のGHG排出量が、前記メーカーから活動主体Aに移転されたものとして、該メーカーのGHG排出量管理口座から差し引かれる。これにより、メーカーのGHG排出量管理口座に記録されたGHG排出量の積算データは、差し引かれた量だけ減算された値に更新される。
【0013】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第4の発明は、第1乃至第3のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、(C1)特定の活動主体又は特定の活動主体の構成員だけが使用するように管理され、該活動主体を特定する活動主体識別情報が記載又は記録された活動主体識別媒体(複数)を構成要素とし、前記GHG排出量確定装置(A+)及び/又は前記GHG回収・削減量確定装置(A−)は、前記活動主体識別媒体(C1)に記載又は記録された活動主体識別情報を読み取る活動主体識別手段を備え;前記GHG排出量送信手段及び/又は前記GHG回収・削減量送信手段は、前記活動主体識別手段によって読み取った活動主体識別情報を前記GHG排出量管理装置(B)に送信する機能を有する;ようにしたものである。
【0014】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第5の発明は、(A+)活動主体がGHGの発生を伴う活動を行った(又は行う)際、該活動に伴うGHG排出量を確定するGHG排出量確定装置(複数)と、(C2)特定の活動主体又は特定の活動主体の構成員だけが使用するように管理され、該活動主体の活動に伴うGHG排出量の履歴データ、及び/又は、該GHG排出量の積算データを記録するGHG排出量記録媒体(複数)と、を構成要素とし、前記GHG排出量確定装置(A+)は、確定したGHG排出量データを前記GHG排出量記録媒体(C2)に書き込む、及び/又は、確定したGHG排出量データに基づいて、前記GHG排出量記録媒体(C2)に記録された前記積算データを更新するGHG排出量書き込み手段を備える、ようにしたものである。
【0015】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第6の発明は、第5の発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、(A−)活動主体が、自ら又は他の活動主体に委託してGHG回収・削減活動を行う(又は行った)際、該GHG回収・削減活動によるGHG回収・削減量を確定するGHG回収・削減量確定装置を構成要素とし、前記GHG排出量記録媒体(C2)は、それを使用する活動主体のGHG回収・削減活動によるGHG回収・削減量の履歴データ、該GHG回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを記録する機能を有し、前記GHG回収・削減量確定装置(A−)は、確定したGHG回収・削減量データを前記GHG排出量記録媒体(C2)に書き込む、及び/又は、確定したGHG回収・削減量データに基づいて、前記GHG排出量記録媒体(C2)に記録された前記積算データ及び/又は前記相殺データを更新するGHG回収・削減量書き込み手段を備える、ようにしたものである。
【0016】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第7の発明は、第5又は第6の発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、前記GHG排出量確定装置(A+)及び/又は前記GHG回収・削減量確定装置(A−)は、GHG排出量記録媒体(C2)に記録された、前記GHG排出量及び/又は前記GHG回収・削減量の履歴データ、前記GHG排出量及び/又は前記GHGの回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを読み取るGHGデータ読み取り手段を備えた上で、前記GHG排出量書き込み手段及び/又はGHG回収・削減量書き込み手段は、確定したGHG排出量及び/又は確定したGHG除去・削除量と、前記GHGデータ読み取り手段で読み取ったGHGデータとに基づき、GHG排出量記録媒体(C2)に記録された前記積算データ及び/又は前記相殺データを更新する機能を有する、ようにしたものである。
【0017】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第8の発明は、第5乃至第7のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、前記GHG排出量記録媒体(C2)は、前記活動主体を特定する活動主体識別情報が記載又は記録された上で、(B)活動主体ごとに開設され、該活動主体の活動に伴うGHG排出量及び/又はGHG回収・削減量の履歴データ、該GHG排出量及び/又は該GHG回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを記録するGHG排出量管理口座を管理するGHG排出量管理装置と、(C21)前記GHG排出量記録媒体(C2)に記載又は記録された活動主体識別情報を読み取る活動主体識別手段と;前記GHG排出量記録媒体(C2)に記録された、前記GHG排出量及び/又は前記GHG回収・削減量の履歴データ、前記GHG排出量及び/又は前記GHGの回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを読み取るGHGデータ読み取り手段と;前記活動主体識別手段によって読み取った活動主体識別情報と、前記GHGデータ読み取り手段で読み取ったGHGデータとを前記GHG排出量管理装置(B)に送信するGHGデータ転送手段と;を備えたGHGデータ転送装置(複数)と、を構成要素とし、該GHGデータ転送装置(C21)(複数)と該GHG排出量管理装置(B)とがネットワークを介して接続されており、前記GHG排出量管理装置(B)は、前記GHGデータ転送装置(C21)から前記活動主体識別情報と前記GHGデータとを受信するGHGデータ受信手段と;受信した前記GHGデータと前記活動主体識別情報に基づいて、該活動主体識別情報によって特定される活動主体のGHG排出量管理口座に、前記GHG排出量データ及び/又は前記GHG回収・削減量を登録する、及び/又は、該GHG排出量管理口座に記録された前記積算データ及び/又は前記相殺データを更新するGHGデータ登録手段と;を備える、ようにしたものである。
【0018】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第9の発明は、第1乃至第4のいずれか一つの発明、又は、第8の発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、(D)前記活動主体識別媒体(C1)及び/又はGHG排出量記録媒体(C2)から読み取った、又は、ユーザーがマニュアル操作で入力した活動主体識別情報によって特定される活動主体のGHG排出量管理口座に記録された、前記GHG排出量及び/又は前記GHG回収・削減量の履歴データ、前記GHG排出量及び/又は前記GHGの回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを送信するように前記GHG排出量管理装置(B)に要求するGHGデータ送信要求手段と;前記GHG排出量管理装置(B)から受信したGHGデータを表示又は出力するGHGデータ出力手段と;を備えたGHGデータ出力装置を構成要素とし、前記GHG排出量管理装置(B)は、GHGデータ出力装置(D)から前記GHGデータ送信要求を受信するGHGデータ送信要求受信手段と;受信した前記GHGデータ送信要求に基づき、要求されたGHGデータを送信するGHGデータ送信手段と;を備える、ようにしたものである。
【0019】
また、温室効果ガス排出量確定装置に係る第10の発明は、第1乃至第9のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量管理システムを構成するGHG排出量確定装置(A+)であり、(A1)活動主体が商品を購入する(又は購入した)際、該商品の商品随伴GHG排出量を特定する商品随伴GHG排出量確定装置である、ようにしたものである。
【0020】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「商品随伴GHG排出量」とは、商品の原料調達、製造、輸送、販売などの活動に伴って大気中に排出されるGHGの量を意味している。その際、製造の際に、電力などの二次エネルギーを使用する場合、該二次エネルギーを生産する際に大気中に排出されるGHGの量も含めることができる。また、商品を焼却などによって廃棄する場合、該廃棄活動に伴って大気中に排出されるGHG(特に、二酸化炭素)の量や、商品が灯油、ガソリン、木炭などの燃料の場合、該燃料を使用する際に排出されるGHG(特に、二酸化炭素)を含めることができる。さらに、商品を販売する際の包装材の原料調達、製造、輸送、販売などの活動に伴って大気中に排出されるGHGの量や、商品を販売する店舗の照明や、商品の冷蔵や温蔵のためのエネルギー消費に伴って大気中に排出されるGHGの量を含めることができる。
「商品随伴GHG排出量」の中に、どの範囲までのGHG排出量を含めるかは、ユーザーが商品随伴GHG排出量確定装置(A1)を運用する際に決定することができる。特に、商品随伴GHG排出量の計算方法を定める規格が制定された場合には、該規格に準拠して商品随伴GHG排出量を計算することができる。
【0021】
また、温室効果ガス排出量確定装置に係る第11の発明は、第10の発明の温室効果ガス排出量確定装置において、活動主体又は前記活動主体の構成員が購入した商品を受け取る、及び/又は、商品の代金を支払う店舗に設置されるようにしたものである。
【0022】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「(商品の)代金を支払う」には、現金での支払いだけではなく、電子マネーでの支払いやクレジットでの支払いなどを含む
【0023】
また、温室効果ガス排出量確定装置に係る第12の発明は、第10又は第11の発明の温室効果ガス排出量確定装置において、商品又は商品に付属する表示体に記載された商品識別情報、及び/又は、商品又は商品に付属する記憶媒体に記録された商品随伴GHG排出量関連データを読み取る商品随伴GHG排出量読み取り手段を備え、
該商品随伴GHG排出量読み取り手段によって読み取った商品随伴GHG排出量関連データに基づいて、前記活動主体又は前記活動主体の構成員が購入した商品の商品随伴GHG排出量を確定する機能を有する、ようにしたものである。
【0024】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第13の発明は、第1乃至第9のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、第10乃至第12のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、該温室効果ガス排出量確定装置の一部として、又は、該温室効果ガス排出量確定装置とは別個の装置として、(A11)商品識別情報に対応付けて、商品随伴GHG排出量関連データを管理する商品随伴GHG排出量データベース手段を備え、前記温室効果ガス排出量確定装置は、活動主体が購入した商品の商品識別情報を前記商品随伴GHG排出量データベース手段(A11)に送信する商品識別情報送信手段と;前記商品随伴GHG排出量データベース手段(A11)から商品随伴GHG排出量関連データを受信する商品随伴GHG排出量関連データ受信手段と;を備え、前記商品随伴GHG排出量データベース手段(A11)は、前記温室効果ガス排出量確定装置から商品識別情報を受信する商品識別情報受信手段と;受信した商品識別情報に基づいて商品随伴GHG排出量関連データを検出する商品随伴GHG排出量データ検出手段と;検出した商品随伴GHG排出量関連データを、必要に応じて加工した上で、前記温室効果ガス排出量確定装置に送信する商品随伴GHG排出量関連データ送信手段と;を備え、前記温室効果ガス排出量確定装置は、前記商品随伴GHG排出量データベース手段(A11)から受信した商品随伴GHG排出量関連データに基づいて、前記活動主体又は前記活動主体の構成員が購入した商品の商品随伴GHG排出量を確定する機能を有する、ようにしたものである。
【0025】
本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「商品随伴GHG排出量関連データ」とは、商品随伴GHG排出量データ、又は、商品随伴GHG排出量を計算可能なGHG排出原単位などの元データを意味する。
【0026】
また、温室効果ガス排出量確定装置に係る第14の発明は、第13の発明の温室効果ガス排出量管理システムを構成する商品随伴GHG排出量確定装置(A1)であり、商品又は商品に付属する表示体に記載された商品識別情報、及び/又は、商品又は商品に付属する記憶媒体に記録された商品識別情報を読み取る商品識別情報読み取り手段を備え、前記商品識別情報送信手段は、前記商品識別情報読み取り手段によって読み取った商品識別情報を前記商品随伴GHG排出量データベース手段(A11)に送信する機能を有する、ようにしたものである。
【0027】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第15の発明は、第10乃至第12のいずれか一つの発明、又は、第14の発明の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、前記活動主体識別媒体(C1)及び/又は前記GHG排出量記録媒体(C2)を構成要素とし、前記活動主体識別媒体(C1)及び/又は前記GHG排出量記録媒体(C2)は、クレジット機能、電子マネー機能、ポイントサービス機能のうちの少なくとも一つの機能を有する、ようにしたものである。
【0028】
また、温室効果ガス排出量確定装置に係る第16の発明は、第1乃至第9のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量管理システムを構成するGHG排出量確定装置(A+)であり、(A2)活動主体が、そのエネルギー源の費用を直接的に負担しない輸送手段によって人や物を輸送する(又は輸送した)際に、該輸送の輸送随伴GHG排出量を確定する輸送随伴GHG排出量確定装置である、ようにしたものである。
【0029】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「そのエネルギー源の費用を直接的に負担しない輸送」には、活動単位の構成員が公共交通機関を利用して移動したり、輸送業者に物品の輸送を委託したりすることが含まれる。
【0030】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第17の発明は、第1乃至第9のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、第16の発明の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、該温室効果ガス排出量確定装置の一部として、又は、該温室効果ガス排出量確定装置とは別個の装置として、(A21)活動主体が輸送した人や物の輸送量を確定する輸送量確定手段を備え、前記温室効果ガス排出量確定装置は、前記輸送量確定手段(A21)が計算した輸送量に基づいて、前記輸送の輸送随伴GHG排出量を確定する機能を有する、ようにしたものである。
【0031】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第18の発明は、第1乃至第9のいずれか一つの発明、又は、第17の発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、第16の発明の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、該温室効果ガス排出量確定装置、又は、該温室効果ガス排出量確定装置とは別個の装置として備えられた前記輸送量確定手段(A21)は、活動主体又は前記活動主体の構成員が利用する公共交通機関の改札所、チケット購入所又は運賃精算所に設置される、
【0032】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第19の発明は、第1乃至第9のいずれか一つの発明、又は、第17又は第18の発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、第16の発明の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、前記活動主体識別媒体(C1)及び/又は前記GHG排出量記録媒体(C2)を構成要素とし、前記活動主体識別媒体(C1)及び/又は該GHG排出量記録媒体(C2)は、ストアードフェア(Stored Fare。以下、SFと略記する)機能を有する、ようにしたものである。
【0033】
また、温室効果ガス排出量確定装置に係る第20の発明は、第1乃至第9のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量管理システムを構成するGHG排出量確定装置(A+)であり、(A3)活動主体がユーティリティを消費する(又は消費した)際に、該ユーティリティのユーティリティ消費随伴GHG排出量を確定するユーティリティ消費随伴GHG排出量確定装置である、ようにしたものである。
【0034】
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「ユーティリティ」とは、電力、都市ガス、上水など、消費者の消費に応じて配線や配管を通じて供給されるエネルギーや物質のことを意味する。また、「ユーティリティ消費随伴GHG排出量」は、ユーティリティの消費それ自体に加えて、それらユーティリティの製造活動に伴って大気中に排出されるGHGの量を意味している。例えば、「都市ガス消費のユーティリティ消費随伴GHG排出量」には、都市ガスの燃焼に伴って大気中に排出されるGHG(特に、二酸化炭素)だけではなく、天然ガスを液化し、輸送する際のエネルギーに伴うGHG排出量も含めることができる。
「ユーティリティ消費随伴GHG排出量」の中に、どの範囲までのGHG排出量を含めるかは、ユーザーがGHG排出量確定装置(A+)を運用する際に決定することができる。特に、ユーティリティ消費随伴GHG排出量の計算方法を定める規格が制定された場合には、該規格に準拠してGHG排出量を計算することができる。
【0035】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第21の発明は、第1乃至第9のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、第20の発明の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、該温室効果ガス排出量確定装置の一部として、又は、該温室効果ガス排出量確定装置とは別個の装置として、(A31)活動主体が略一定の期間内に消費したユーティリティの量を確定するユーティリティ消費量確定手段を備え、前記ユーティリティ消費随伴GHG排出量確定装置(A3)は、前記ユーティリティ消費量確定手段(A31)が確定したユーティリティ消費量に基づいて、前記ユーティリティのユーティリティ消費随伴GHG排出量を確定する機能を有する、ようにしたものである。
【0036】
また、温室効果ガス排出量管理システムに係る第22の発明は、第1乃至第9のいずれか一つの発明、又は、第21の発明の温室効果ガス排出量管理システムにおいて、第20の発明の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、該温室効果ガス排出量確定装置、又は、該温室効果ガス排出量確定装置とは別個の装置として備えられた前記ユーティリティ消費量確定手段(A31)は、活動主体がユーティリティを消費する消費場所で使用される、ようにしたものである。
【発明の効果】
【0037】
本発明の温室効果ガス排出量管理システム及び/又は温室効果ガス排出量確定装置によれば、個人、家族、企業等の社団、地方公共団体、官庁などの活動主体が、自分たちが行っている様々な活動に伴ってどれだけの量のGHGが大気中に排出されるかを正確に把握できるようになる。これにより、各活動主体は、多量のGHG排出を伴う活動を自粛したり、あるいは、少量のGHG排出しか伴わない活動を選択したりすることができるようになる。また、自分たちの活動に伴って大気中に排出されているGHGの全体量が把握できるようになるため、カーボンオフセットの手法を用いてGHGを相殺する場合でも、適正な相殺量を把握できるようになる。
【0038】
特に、第10乃至第15のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量管理システム及び/又は温室効果ガス排出量確定装置によれば、各活動主体は、該活動主体が行う商品の購買活動に伴うGHG排出量を正確に把握できるようになる。これにより、各活動主体は、多量のGHG排出を伴う商品の購買を自粛したり、少量のGHG排出しか伴わない商品を選択して購買したりすることができるようになる。この結果として、商品を製造するメーカーや、商品を流通する流通業者は、GHG排出量がより少ない製造工程へと改善したり、近郊の産地から商品を流通させることによりGHGの排出を抑制したりするように促される。特に、食品の地産地消を推進することで、いわゆる「フードマイレージ」として問題視されている、食品輸入に伴うGHG排出量を削減することができる。
【0039】
また、特に、第16乃至第19のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量管理システム及び/又は温室効果ガス排出量確定装置によれば、各活動主体は、該活動主体がそのエネルギー源の費用を直接的に負担しない輸送手段によって人や物を輸送する(又は輸送した)際に、該輸送に伴うGHG排出量を正確に把握できるようになる。これにより、各活動主体は、多量のGHG排出を伴う輸送を自粛したり、少量のGHG排出しか伴わない輸送方法を選択したりすることができるようになる。この結果、GHG排出量がより少ない輸送方法へのモーダルシフトが促進される。
【0040】
また、特に、第20乃至第のいずれか一つの発明の温室効果ガス排出量管理システム及び/又は温室効果ガス排出量確定装置によれば、各活動主体は、該活動主体がユーティリティを消費する際に、該ユーティリティ消費に伴うGHG排出量を正確に把握できるようになる。これにより、各活動主体は、多量のGHG排出を伴うユーティリティ消費を自粛したり、少量のGHG排出しか伴わないユーティリティを選択して消費したりすることができるようになる。特に、GHGの大きな排出要因となっているエネルギー消費を抑制する効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明はかかる実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。
【0042】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る温室効果ガス排出量管理システムの構成及び機能と、該システムを構成する温室効果ガス排出量確定装置の機能とを説明するための説明図である。
なお、図1では、チェーンストア事業者についてはAとBの2事業者、鉄道事業者、電気事業者、カーボンオフセット事業者については各1事業者だけを記しているが、それよりも多数の事業者がシステムに参画することは可能である。また、逆にこれより少数の事業者だけでシステムを形成することも可能である。
【0043】
図1に示された装置・手段と「請求の範囲」でいうところの装置・手段とは、下記のように対応している。なお、図1では、チェーンストア事業者Aとチェーンストア事業者Bの装置・手段をAとBの添え字で区別しているが、以下の説明では、特に必要な場合を除いて添え字を省略し、「チェーンストア事業者」と記した場合、図1に記したチェーンストア事業者A又はチェーンストア事業者Bのいずれかを意味することとする。

図1 「請求の範囲」

電子マネーカード11 GHG排出量記録媒体(C2)

レジスター11 GHG排出量確定装置(A+)(より詳しくは 商品随伴GHG排出量確定装置(A1)又はユ ーティリティ消費随伴GHG排出量確定装 置(A2))、又は、
GHG回収・削減量確定装置 (A-)

チェーンストア事業者用サーバ23 商品随伴GHG排出量データベース手段(A1 1)

自動改札機31 GHG排出量確定装置(A+)(より詳しくは 輸送

鉄道事業者用サーバ33 輸送量確定手段(A21)

ハンディターミナル44 ユーティリティ消費量確定手段(A31)

GHG排出量登録端末61 GHGデータ転送装置(C21)

カーボンオフセット事業者用サーバ53 GHG排出量管理装置(B)

【0044】
電子マネーカード11は、電波を用いてデータの書き込み、読み取りができる非接触型ICチップを内蔵したカード(非接触型ICカード)であり、特定の活動主体又はその構成員(以下、利用者と総称する)だけが使用するように管理されている。該ICチップには該利用者を特定する利用者識別情報や使用可能残額データが記録されており、電子マネーカード及びSFカードとして使用される場合には、支払金額や運賃に応じて該使用可能残額データが更新される。
【0045】
利用者が、図1に示されたチェーンストア事業者の店舗で商品を購入し、電子マネーカード11を用いて代金を支払う際には、電子マネー対応のレジスター21は、備えられたバーコードリーダで商品又は商品の包装材に記載されたバーコードを読み取り、該バーコードで表現された商品識別情報を、該チェーンストア事業者のチェーンストア事業者内ネットワーク22を経由してチェーンストア事業者用サーバ23に送信する。
【0046】
チェーンストア事業者は、販売時点情報管理(Point Of Sale。以下、POSと略記する)システムを保有しており、該システムは、POS端末であるレジスター21とPOSサーバであるチェーンストア事業者用サーバ23が、チェーンストア事業者用ネットワーク22で接続されることによって構成されている。
チェーンストア事業者用サーバ23は、商品識別情報に対応付けて、商品の名称データ、価格データ、商品随伴GHG排出量データ等のデータを管理しており、受信した商品識別情報に基づき、該商品の名称データ、価格データ及び商品随伴GHG排出量データを検出してレジスター21に送信する。
【0047】
レジスター21は、受信した価格データと商品随伴GHG排出量データとを、例えば、同一商品を複数個購入した場合には、その購入個数を乗算するなどの必要な処理を行った上で、備えられた非接触型ICリーダ・ライタで電子マネーカード11に書き込む。その際、レジスター21は、該非接触型ICリーダ・ライタで、電子マネーカード11に記録された利用者識別情報、使用可能残額データ、及び該使用者のGHG排出量の積算データ(又はGHG排出量とGHG回収・削減量とを相殺したデータ)とを読み取った上で、使用可能残額データについては受信した価格分だけ減算し、GHG排出量の積算データ(又はGHG回収・削減量との相殺データ)については、受信した商品随伴GHG排出量分だけ加算し、該計算結果を電子マネーカード11に上書きすることによってそれらのデータを更新する。
また、レジスター21は、上記の電子マネー支払い手続きが完了後、前記利用者識別情報と該電子マネー支払い手続きにおける支払金額情報とをチェーンストア事業者用サーバ23に送信する。
【0048】
なお、利用者が複数の商品を同時に購入する場合には、レジスター21は、それらの商品の商品随伴GHG排出量データを個別に電子マネーカード11に書き込んでもよいし、合算した上で書き込んでもよい。また、利用者が、購入した商品をレジ袋などの包装資材に包装した状態で受け取る場合、該包装資材の原料調達、製造、輸送、廃棄等に伴って大気中に排出されるGHGの量を商品随伴GHG排出量に加算してもよい。また、店舗の照明や冷暖房、商品の冷蔵や温蔵のためのエネルギー消費に伴って大気中に排出されるGHGの量を商品随伴GHG排出量に加算してもよい。
【0049】
一方、商品識別情報は、バーコードの代わりにQRコードなどの二次元コードを用いて商品又は商品の包装材に記載し、レジスター21に備えた二次元コードリーダで商品識別情報を読み取ってもよい。また、これらの光学的に読み取り可能な符号を記載する代わりに、商品識別情報を記録させたRFID(Radio Frequency IDentification)タグ等の非接触型ICチップを商品に付帯させ、レジスター21に備えた非接触型ICリーダ(RFIDタグリーダ等)で商品識別情報を読み取ってもよい。
【0050】
なお、非接触型ICチップを商品に付帯させる場合、該非接触型ICチップに該商品の商品随伴GHG排出量データを記録しておけば、レジスター21に備えた非接触型ICリーダによって該商品随伴GHG排出量データを読み取らせることにより、レジスター21だけで商品随伴GHG排出量を確定することができる。その場合には、商品随伴GHG排出量の確定には、POSシステムは不要となる。
【0051】
チェーンストア事業者用サーバ23は、レジスター21から受信した前記利用者識別情報と前記支払金額情報とを、電子マネー事業者内ネットワーク72を経由して電子マネー事業者用サーバ73に送信する。これらの情報に基づいて、電子マネー事業者用サーバ73側でも、電子マネーカード11の利用可能残額データを更新する。
【0052】
なお、本実施例においては、「GHG排出量記録媒体(C2)」として、上記のように電子マネーカード及びSFカードとして利用可能な非接触型ICカードを使用しているが、例えば、特定のチェーンストア事業者内で使用される簡易的なポイントカードと併用する場合には、ICチップにGHG排出量の積算データを記録させる代わりに、磁気方式やサーマルリライト方式で記録させることも可能である。
【0053】
次に、利用者が、図1に示された鉄道会社の鉄道を利用し、電子マネーカード11を用いて運賃を精算する際には、降車駅にあるICカード対応の自動改札機31は、電子マネーカード11に記録された乗車駅情報を読み取り、該鉄道事業者の鉄道事業者内ネットワーク32を経由して鉄道事業者用サーバ33に送信する。
【0054】
鉄道事業者用サーバ33は、受信した乗車駅情報と自動改札機31の固有情報に基づき、該乗車の運賃と乗車距離を計算する。さらに、該乗車距離と乗車距離あたりのGHG排出原単位(該鉄道事業者における輸送実績、電力消費実績及び電力消費量あたりのGHG排出原単価に基づいて算出される)とに基づいて、該乗車の輸送随伴GHG排出量を計算する。そして、算出された該乗車の運賃データと輸送随伴GHG排出量データとを自動改札機31に送信する。
【0055】
自動改札機31は、受信した運賃データと輸送随伴GHG排出量データとを、備えられた非接触型ICリーダ・ライタで電子マネーカード11に書き込む。その際、自動改札機31は、該非接触型ICリーダ・ライタで、電子マネーカード11に記録された利用者識別情報、使用可能残額データ及び該使用者のGHG排出量の積算データ(又はGHG排出量とGHG回収・削減量とを相殺したデータ)とを読み取った上で、使用可能残額データについては受信した運賃分だけ減算し、GHG排出量の積算データ(又はGHG回収・削減量との相殺データ)については、受信した輸送随伴GHG排出量分だけ加算し、該計算結果を電子マネーカード11に上書きすることによってそれらのデータを更新する。
また、自動改札機31は、上記の電子マネー支払い手続き(SFカード精算手続き)が終了後、前記利用者識別情報と該SFカード精算手続きで精算された運賃情報とをチェーンストア事業者用サーバ23に送信する。
【0056】
鉄道事業者用サーバ33は、自動改札機31から受信した前記利用者識別情報と前記運賃情報とを、電子マネー事業者内ネットワーク72を経由して電子マネー事業者用サーバ73に送信する。これらの情報に基づいて、電子マネー事業者用サーバ73側でも、電子マネーカード11の利用可能残額データを更新する。
【0057】
次に、利用者が、図1に示された電気事業者から電力の供給を受け、自らの居宅又は事業所において該電力を消費した際には、該居宅又は事業者で消費される電力量は該居宅又は事業所に備えられた電力積算計45によって測定される。電力積算計45に表示されている測定結果は、該電気事業者の検針員が毎月1回検診し、ハンディターミナル44に入力し、その入力データに基づき1ヶ月間の電力消費量が計算される。該計算された電力消費量データは、利用者識別情報とともにハンディターミナル44から電気事業者用サーバ43に送信される。その際、電力積算計45が時間帯別に電力消費量を積算する機能を有する場合、ハンディターミナル44は、時間帯別の電力消費量データを電気事業者用サーバ43に送信する。
【0058】
電気事業者用サーバ43は、受信した電力消費量データと、電力消費量あたりの単価とGHG排出原単位とに基づき、該電力消費に対する使用料(電力使用料)とユーティリティ消費随伴GHG排出量を計算する。その際、時間帯別の電力消費量データを受信した場合には、電力使用料とユーティリティ消費随伴GHG排出量の計算にあたっては、時間帯ごとの単価とGHG排出原単位を使用する。
さらに、電気事業者用サーバ43は、受信した利用者識別情報と前記計算結果とに基づき、利用者識別番号、該電力使用量、該電力使用料、該ユーティリティ消費随伴GHG排出量等を記載した請求書を作成するために必要なデータを生成する。電気事業者は、該請求書データを用いて実際に請求書を作成し、利用者に郵送する。
【0059】
請求書を受け取った利用者は、該請求書をチェーンストア事業者の店舗に持参し、電子マネーカード11を用いて支払い手続きを行う。その際、レジスター21では、該請求書にバーコードで記載された利用者識別番号が読み取られるとともに、該請求書に記載の電力使用料とユーティリティ消費随伴GHG排出量がマニュアル操作で入力される。
【0060】
さらに、レジスター21は、入力された電力使用料データとユーティリティ消費随伴GHG排出量データとを、備えられた非接触型ICリーダ・ライタで電子マネーカード11に書き込む。その際、レジスター21は、該非接触型ICリーダ・ライタで、電子マネーカード11に記録された利用者識別情報、使用可能残額データ及び該使用者のGHG排出量の積算データ(又はGHG排出量とGHG回収・削減量とを相殺したデータ)とを読み取った上で、使用可能残額データについては入力された電力使用料分だけ減算し、GHG排出量の積算データ(又はGHG回収・削減量との相殺データ)については、入力されたユーティリティ随伴GHG排出量分だけ加算し、該計算結果を電子マネーカード11に上書きすることによってそれらのデータを更新する。
また、レジスター21は、上記の電子マネー支払い手続きが完了後、前記利用者識別情報と該電子マネー支払い手続きで支払われた電力使用料情報とをチェーンストア事業者用サーバ23に送信する。
【0061】
チェーンストア事業者用サーバ23は、レジスター21から受信した前記利用者識別情報と前記電力使用料情報とを、該情報を電気事業者用ネットワーク42を経由して電気事業者用サーバ43に送信する。これに基づいて、電気事業者用サーバ43は、該利用者の電力使用料の未納・機能情報を更新する。
また、チェーンストア事業者用サーバ23は、前記利用者識別情報と前記電力使用料情報とを電子マネー事業者内ネットワーク72を経由して、電子マネー事業者用サーバ73に送信する。これらの情報に基づいて、電子マネー事業者用サーバ73側でも、電子マネーカード11の利用可能残額データを更新する。
【0062】
なお、本実施例においては、検針員がハンディターミナル44を用いて検針を行っているが、利用者の居宅又は事業所に備えられた電力積算計45を電気事業者用ネットワーク42を介して電気事業者用サーバ43に接続するオンライン検針とすることもできる。その場合、電力積算計45は、毎月の電力消費量を計算する機能と、該電力消費量データを利用者識別情報とともに送信する機能とを有し、一方、電気事業者用サーバ43は該データを受信する機能を有することによって、ハンディターミナル44なしで電力消費に伴うユーティリティ消費随伴GHG排出量を確定することができる(この場合には、電力積算計45が「請求の範囲」でいうところのユーティリティ消費量確定手段(A31)となる)。
【0063】
最後に、利用者が、図1に示されたカーボンオフセット事業者に、一定量のGHGを回収及び/又は削減するGHG回収・削減活動を委託した際には、カーボンオフセット事業者は、利用者識別番号、前記GHG回収・削減量、前記GHG回収・削減活動に対する対価(支払請求金額)を記載した請求書を作成し、利用者に郵送する。
【0064】
請求書を受け取った利用者は、該請求書をチェーンストア事業者の店舗に持参し、電子マネーカード11を用いて支払い手続きを行う。その際、レジスター21では、該請求書にバーコードで記載された利用者識別番号が読み取られるとともに、該請求書に記載のGHG回収・削減活動に対する対価(支払額)とGHG回収・削減量がマニュアル操作で入力される。
【0065】
さらに、レジスター21は、入力された支払金額データとGHG回収・削減量データとを、備えられた非接触型ICリーダ・ライタで電子マネーカード11に書き込む。その際、レジスター21は、該非接触型ICリーダ・ライタで、電子マネーカード11に記録された利用者識別情報、使用可能残額データ又は該使用者のGHG排出量とGHG回収・削減量とを相殺したデータとを読み取った上で、使用可能残額データについては入力された支払金額分だけ減算し、GHG排出量とGHG回収・削減量との相殺データについては、入力されたGHG回収・削減量分だけ減算し、該計算結果を電子マネーカード11に上書きすることによってそれらのデータを更新する。
また、レジスター21は、上記の電子マネー支払い手続きが完了後、前記利用者識別情報と該電子マネー支払い手続きにおける支払金額情報とをチェーンストア事業者用サーバ23に送信する。
【0066】
チェーンストア事業者用サーバ23は、レジスター21から受信した前記利用者識別情報と前記支払金額情報とを、カーボンオフセット事業者用ネットワーク52を経由してカーボンオフセット事業者用サーバ53に送信する。
また、チェーンストア事業者用サーバ23は、前記支払金額情報と前記利用者識別情報とを電子マネー事業者内ネットワーク72を経由して、電子マネー事業者用サーバ73に送信する。これらの情報に基づいて、電子マネー事業者用サーバ73側でも、電子マネーカード11の利用可能残額データを更新する。
【0067】
一方、カーボンオフセット事業者は、登録された活動主体ごとに、該活動主体が行った活動に伴うGHG排出量、及び、該活動主体が、自ら又は他の活動主体に委託して行ったGHG回収・削減活動によるGHG回収・削減量の履歴データを管理するGHG排出量管理口座を開設し、該GHG排出量管理口座をカーボンオフセット事業者用サーバ53によって管理している。
そして、該活動主体又はその構成員から一定量のGHGを回収及び/又は削減するGHG回収・削減活動を委託された場合には、カーボンオフセット事業者用サーバ53では、該活動主体の口座に、該GHG回収・削減量を仮登録する。その上で、上記のように、チェーンストア事業者用サーバ23から支払金額情報と前記利用者識別情報とを受信した段階で、本登録に切り替える。
【0068】
また、前記GHG排出量管理口座へのデータの登録及び/又は前記GHG排出量管理口座に記録されたデータの更新は、カーボンカーボンオフセット事業者用ネットワーク52に接続されたGHG排出量登録端末61を用いて行うこともできる。すなわち、GHG排出量登録端末61は非接触型ICリーダ・ライタを備えており、該非接触型ICリーダ・ライタを用いて、電子マネーカード11に記録された利用者識別情報、及び、GHG排出量及びGHG回収・削減量の履歴データを読み取った上で、該データをカーボンカーボンオフセット事業者用ネットワーク52を介してカーボンオフセット事業者用サーバ53に送信する。
カーボンオフセット事業者用サーバ53は、受信したデータに基づいて、利用者識別番号によって特定される活動主体のGHG排出量管理口座にGHG排出量データ及びGHG回収・削減量データを登録するともに、GHG排出量とGHG回収・削減量の相殺データを更新する。
【0069】
この際、GHG排出量登録端末61は、カーボンオフセット事業者用サーバ53からデータの登録・更新が行われた旨のアンサーバック信号を受信した上で、送信済みのGHG排出量及びGHG回収・削減量の履歴データを、前記非接触型ICリーダ・ライタを用いて消去する。これによって、電子マネーカード11の記録容量が限られている場合でも、GHG排出量及びGHG回収・削減量の履歴データを問題なく記録することができる。
【0070】
なお、一つの活動主体が複数の電子マネーカード11を所有しており、それぞれの電子マネーカード11においてGHG排出量とGHG回収・削減量の履歴データが記録されている場合でも、各カードに該活動主体を特定可能な識別情報が記録しておくことにより、すべての電子マネーカード11に記録されたGHG排出量データ及びGHG回収・削減量データを一つのGHG排出量管理口座に集計することができる。
【0071】
また、本実施例においては、GHG排出量登録端末61は、直接カーボンオフセット事業者用ネットワーク52に接続されているが、例えば、パーソナルコンピュータに電子マネーカードの読み取り機能を有せしめて、該PCで読み取ったGHG排出量データ及びGHG回収・削減量データを、インターネット及びカーボンオフセット事業者用ネットワーク52を経由してカーボンオフセット事業者用サーバ53に送信することも可能である。
【0072】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る温室効果ガス排出量管理システムの構成及び機能と、該システムを構成する温室効果ガス排出量確定装置の機能とを説明するための説明図である。
なお、図2では、チェーンストア事業者、鉄道事業者、電気事業者、カーボンオフセット事業者を各1事業者だけを記しているが、それよりも多数の事業者がシステムに参画することは可能である。また、逆にこれより少数の事業者だけでシステムを形成することも可能である。
【0073】
なお、図2に示された装置・手段と「請求の範囲」でいうところの装置・手段とは、下記のように対応している。

図2 「請求の範囲」

クレジットカード12 活動主体識別媒体(C1)

レジスター21 GHG排出量確定装置(A+)(より詳しく+チェーンストア事業者用ネットワーク22 は商品随伴GHG排出量確定装置(A1))+チェーンストア事業者用サーバ23

チェーンストア事業者用サーバ23 商品随伴GHG排出量データベース手段 (A11)

自動改札機31 GHG排出量確定装置(A+)(より詳しく+鉄道事業者用ネットワーク32 は輸送随伴GHG排出量確定装置(A1))+鉄道事業者用サーバ33

鉄道事業者用サーバ33 輸送量確定手段(A21)

電力積算計45 GHG排出量確定装置(A+)(より詳しく+電気事業者用ネットワーク42 はユーティリティ消費随伴GHG排出量
+電気事業者用サーバ43 確定装置(A1))

電力積算計45 ユーティリティ消費量確定手段(A31)

カーボンオフセット事業者用サーバ53 GHG回収・削減量確定装置 (A-)

クレジット事業者用サーバ83 GHG排出量管理装置(B)

パーソナルコンピュータ91 GHGデータ出力装置(D)

【0074】
クレジットカード12は、電波を用いてデータの書き込み、読み取りができる非接触型ICチップを内蔵するとともに、データ が磁気的に記録される磁気ストライプを有するIC/磁気ハイブリッドカードであり、特定の活動主体又はその構成員(以下、利用者と総称する)だけが使用するように管理されている。磁気ストライプには該利用者を特定する利用者識別情報が記録されているとともに、ICチップには該利用者を特定する利用者識別情報や使用可能残額データが記録されている。
【0075】
利用者が、図2に示されたチェーンストア事業者の店舗で商品を購入し、クレジットカード11を用いて代金を支払う際には、クレジット対応のレジスター21は、備えられたバーコードリーダで商品又は商品の包装材に記載されたバーコードを読み取り、該バーコードで表現された商品識別情報を、該チェーンストア事業者のチェーンストア事業者内ネットワーク22を経由してチェーンストア事業者用サーバ23に送信する。
【0076】
チェーンストア事業者は、POSシステムを保有しており、該システムは、POS端末であるレジスター21とPOSサーバであるチェーンストア事業者用サーバ23が、チェーンストア事業者用ネットワーク22で接続されることによって構成されている。
チェーンストア事業者用サーバ23は、商品識別情報に対応付けて、商品の名称データ、価格データ、商品随伴GHG排出量データ等のデータを管理しており、受信した商品識別情報に基づき、該商品の名称データ、価格データ及び商品随伴GHG排出量データを検出してレジスター21に送信する。
【0077】
レジスター21は、受信した価格データと商品随伴GHG排出量データとを、例えば、同一商品を複数個購入した場合には、その購入個数を乗算したり、複数の商品を同時に購入した場合には、各商品の商品随伴GHG排出量を合算したり、包装や店舗の運営に伴うGHG排出量を加算したりするなどの必要な処理を行った上で、液晶画面等の表示部に表示する。利用者は、該表示部の表示を確認した上で、クレジットカード12を提示した上で、暗証番号の入力、サインの記入等の必要な作業を行うことで、クレジット支払いを行う。
レジスター21は、クレジット支払い手続きが完了後、前記利用者識別情報、該クレジット支払い手続きで支払われた支払金額情報、及び最終的に確定されたGHG排出量データを、必要に応じて細目に分けた上で、チェーンストア事業者用サーバ23に送信し、チェーンストア事業者用サーバ23は、該情報をクレジット事業者内ネットワーク82を経由してクレジット事業者用サーバ83に送信する。
【0078】
クレジット事業者は、登録された活動主体ごとに、クレジット利用代金管理口座とGHG排出量管理口座の二種類の口座を開設し、それらの口座をクレジット事業者用サーバ83によって管理している。
このうちクレジット利用代金管理口座については、上記のようにチェーンストア事業者用サーバ23等から受信した利用者識別情報と該クレジット支払い手続きにおける支払金額情報に基づき、利用者識別情報によって特定される活動主体のクレジット利用代金管理口座にクレジット利用代金データが登録されたり、未決済のクレジット利用代金の積算データが更新されたりする。その上で、未決済のクレジット利用代金が略一定の期間(1ヶ月など)が集計され、該活動主体の引き落とし口座に対して、利用代金の引き落とし請求を行う。
【0079】
一方、GHG排出量管理口座については、上記のようにチェーンストア事業者用サーバ23等から受信した利用者識別情報とGHG排出量データ(及びGHG回収・削減量データ)に基づき、利用者識別情報によって特定される活動主体のGHG排出量管理口座にGHG排出量データ(及びGHG回収・削減量データ)が登録されたり、GHG排出量(及びGHG回収・削減量)の積算データが更新されたりする。
【0080】
次に、利用者が、図2に示された鉄道会社の鉄道を利用し、クレジットカード21(IC/磁気ハイブリッドカード)を用いて運賃を精算する際には、降車駅にあるICカード対応の自動改札機31は、クレジットカード21の非接触型ICチップに記録された乗車駅情報を読み取り、該鉄道事業者の鉄道事業者内ネットワーク32を経由して鉄道事業者用サーバ33に送信する。
【0081】
鉄道事業者用サーバ33は、受信した乗車駅情報と自動改札機31の固有情報に基づき、該乗車の運賃と乗車距離を計算する。さらに、該乗車距離と乗車距離あたりのGHG排出原単位(該鉄道事業者における輸送実績、電力消費実績及び電力消費量あたりのGHG排出原単価に基づいて算出される)とに基づいて、該乗車の輸送随伴GHG排出量を計算する。そして、算出された該乗車の運賃データを自動改札機31に送信する。
【0082】
自動改札機31は、受信した運賃データを備えられた非接触型ICリーダ・ライタで電子マネーカード11に書き込む。その際、自動改札機31は、該非接触型ICリーダ・ライタで、電子マネーカード11に記録された利用者識別情報及び使用可能残額データを読み取った上で受信した運賃分だけ減算し、該計算結果をクレジットカード21の非接触型ICチップに上書きすることによって使用可能残額データを更新する。
また、自動改札機31は、上記の電子マネー支払い手続き(SFカード精算手続き)が終了後、前記利用者識別情報とSFカード精算手続きの完了情報とをチェーンストア事業者用サーバ23に送信する。
【0083】
鉄道事業者用サーバ33は、先に自らが計算した運賃データ及び輸送随伴GHG排出量データを、利用者識別情報とともにクレジット事業者内ネットワーク82を経由してクレジット事業者用サーバ83に送信する。
クレジット事業者用サーバ83側でも、これらの情報に基づき、該利用者識別情報によって特定される活動主体のクレジット利用代金管理口座及びGHG排出量管理口座に新しいデータを登録したり、該クレジット利用代金管理口座及び該GHG排出量管理口座のデータを更新したりする。
【0084】
次に、利用者が、図2に示された電気事業者から電力の供給を受け、自らの居宅又は事業所において該電力を消費した際には、該居宅又は事業者で消費される電力量は該居宅又は事業所に備えられた電力積算計45によって測定される。電力積算計45は、オンライン検針の機能を有しており、該居宅又は事業所における毎月の電力消費量を計算した上で、該該電力消費量データを利用者識別情報とともに電気事業者用サーバ43に送信する。
【0085】
電気事業者用サーバ43は、受信した電力消費量データと、電力消費量あたりの単価とGHG排出原単位とに基づき、該電力消費に対する使用料(電力使用料)とユーティリティ消費随伴GHG排出量を計算する。その際、時間帯別の電力消費量データを受信した場合には、電力使用料とユーティリティ消費随伴GHG排出量の計算にあたっては、時間帯ごとの単価とGHG排出原単位を使用する。
【0086】
さらに、電気事業者用サーバ43は、先に自らが計算した電力使用料データ及びユーティリティ消費随伴GHG排出量データを、利用者識別情報とともにクレジット事業者内ネットワーク82を経由してクレジット事業者用サーバ83に送信する。
クレジット事業者用サーバ83側でも、これらの情報に基づき、該利用者識別情報によって特定される活動主体のクレジット利用代金管理口座及びGHG排出量管理口座に新しいデータを登録したり、該クレジット利用代金管理口座及び該GHG排出量管理口座のデータを更新したりする。
【0087】
最後に、利用者が、図2に示されたカーボンオフセット事業者に、インターネット取引によって、一定量のGHGを 回収及び/又は削減するGHG回収・削減活動を委託する際には、利用者は、パーソナルコンピュータ91からインターネット92経由でカーボンオフセット事業者用サーバ52にアクセスし、該カーボンオフセット事業者のウェブページにおいて、利用者識別情報や回収及び/又は削減すべきGHGの量など、必要事項を入力する。
【0088】
入力されたデータはカーボンオフセット事業者用サーバ52に送信され、カーボンオフセット事業者用サーバ52は、受信したデータに基づき、GHG回収・削減量データを、利用者識別情報とともにクレジット事業者内ネットワーク82を経由してクレジット事業者用サーバ83に送信する。
クレジット事業者用サーバ83側でも、これらの情報に基づき、該利用者識別情報によって特定される活動主体のクレジット利用代金管理口座及びGHG排出量管理口座に新しいデータを登録したり、該クレジット利用代金管理口座及び該GHG排出量管理口座のデータを更新したりする。
【0089】
一方、クレジット事業者用サーバ83はインターネット92にも接続しており、利用者は、パーソナルコンピュータ91を用いて、インターネット92経由でクレジット事業者用サーバ83にアクセスすることができる。具体的には、該カーボンオフセット事業者のウェブページにおいて、利用者識別情報などの必要事項を入力して、自らのGHGデータの開示要求を送信すると、パーソナルコンピュータ91の画面に、これまでに登録されたGHG排出量データ及びGHG回収・削減量の履歴データや、現時点でのGHG排出量及びGHG排出量の積算データ、GHG排出量とGHG排出量との相殺データが表示される。また、これらのデータのデータファイルをダウンロードし、必要に応じてパーソナルコンピュータ91に接続したプリンタ(図2には表示しない)から印刷出力することができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、商品を個人、家族、企業等の社団、地方公共団体、官庁などの活動主体に商品を提供するチェーンストア産業、該活動主体からの委託を受けて人や物を輸送する輸送業、該活動主体に電力、都市ガス、上水などのユーティリティを供給するユーティリティ産業、該活動主体から対価の支払を受けてGHGの回収・削減を代行したり、該活動主体と実際のGHG回収・削減活動を仲介したりするカーボンオフセット産業、該活動主体が後払いで商品等を購入する販売信用を提供するクレジット産業において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る温室効果ガス排出量管理システムの構成及び機能と、該システムを構成する温室効果ガス排出量確定装置の機能とを説明するための説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る温室効果ガス排出量管理システムの構成及び機能と、該システムを構成する温室効果ガス排出量確定装置の機能とを説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0092】
11‥‥‥電子マネーカード
12‥‥‥クレジットカード
21‥‥レジスター
22‥‥チェーンストア事業者内ネットワーク
23‥‥チェーンストア事業者用サーバ
21A‥‥レジスターA
22A‥‥チェーンストア事業者A内ネットワーク
23A‥‥チェーンストア事業者A用サーバ
21B‥‥レジスターB
22B‥‥チェーンストア事業者B内ネットワーク
23B‥‥チェーンストア事業者B用サーバ
31‥‥自動改札機
32‥‥鉄道事業者内ネットワーク
33‥‥鉄道事業者用サーバ
42‥‥電気事業者内ネットワーク
43‥‥電気事業者用サーバ
44‥‥ハンディターミナル
45‥‥電力積算計
52‥‥カーボンオフセット事業者内ネットワーク
53‥‥カーボンオフセット事業者用サーバ
61‥‥GHG排出量登録端末
72‥‥電子マネー事業者内ネットワーク
73‥‥電子マネー事業者用サーバ
82‥‥クレジット事業者内ネットワーク
83‥‥クレジット事業者用サーバ
91‥‥パーソナルコンピュータ
92‥‥インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A+)活動主体が温室効果ガス(Greenhouse Gas。以下、GHGと略記する)の排出を伴う活動を行った(又は行う)際、該活動に伴うGHG排出量を確定するGHG排出量確定装置(複数)と、
(B)活動主体ごとに開設され、該活動主体の活動に伴うGHG排出量の履歴データ、及び/又は、該GHG排出量の積算データを記録するGHG排出量管理口座を管理するGHG排出量管理装置と、
を構成要素とし、
該GHG排出量確定装置(A+)(複数)と該GHG排出量管理装置(B)とがネットワークを介して接続されており、
前記GHG排出量確定装置(A+)は、確定したGHG排出量データを、前記活動主体を特定する活動主体識別情報とともに、前記GHG排出量管理装置(B)に送信するGHG排出量送信手段を備え、
前記GHG排出量管理装置(B)は、
前記GHG排出量確定装置(A+)から、前記活動主体識別情報と前記GHG排出量データとを受信するGHG排出量受信手段と;
受信した前記活動主体識別情報と前記GHG排出量データとに基づいて、該活動主体識別情報によって特定される活動主体のGHG排出量管理口座に、該GHG排出量データを登録する、及び/又は、該GHG排出量管理口座に記録された前記積算データを更新するGHG排出量登録手段と;
を備える、
ことを特徴とする温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項2】
(A−)活動主体が、自ら又は他の活動主体に委託してGHG回収・削減活動を行う(又は行った)際、該GHG回収・削減活動によるGHG回収・削減量を確定するGHG回収・削減量確定装置
を構成要素とし、
前記GHG排出量管理装置(B)は、前記活動主体ごとに開設されたGHG排出量管理口座において、該活動主体の回収・削減活動によるGHG回収・削減量の履歴データ、該GHG回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを記録する機能を有し、
該GHG回収・削減量確定装置(A−)(複数)は、前記GHG排出量確定装置(A+)(複数)と前記GHG排出量管理装置(B)とが接続されるネットワークに接続されており、
前記GHG回収・削減量確定装置(A−)は、確定したGHG回収・削減量データを、前記活動主体を特定する活動主体識別情報とともに、前記GHG排出量管理装置(B)に送信するGHG回収・削減量送信手段を備え、
前記GHG排出量管理装置(B)は、
前記GHG回収・削減量確定装置(A−)から、前記GHG回収・削減量データと前記活動主体識別情報とを受信するGHG回収・削減量受信手段と;
受信した前記GHG回収・削減量データと前記活動主体識別情報に基づいて、該活動主体識別情報によって特定される活動主体のGHG排出量管理口座に、該GHG回収・削減量データを登録する、及び/又は、該GHG排出量管理口座に記録された前記積算データ及び/又は前記相殺データを更新するGHG回収・削減量登録手段と;
を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項3】
(C1)特定の活動主体又は特定の活動主体の構成員だけが使用するように管理され、該活動主体を特定する活動主体識別情報が記載又は記録された活動主体識別媒体(複数)
を構成要素とし、
前記GHG排出量確定装置(A+)及び/又は前記GHG回収・削減量確定装置(A−)は、
前記活動主体識別媒体(C1)に記載又は記録された活動主体識別情報を読み取る活動主体識別手段を備え;
前記GHG排出量送信手段及び/又は前記GHG回収・削減量送信手段は、前記活動主体識別手段によって読み取った活動主体識別情報を前記GHG排出量管理装置(B)に送信する機能を有する;
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項4】
(A+)活動主体がGHGの発生を伴う活動を行った(又は行う)際、該活動に伴うGHG排出量を確定するGHG排出量確定装置(複数)と、
(C2)特定の活動主体又は特定の活動主体の構成員だけが使用するように管理され、該活動主体の活動に伴うGHG排出量の履歴データ、及び/又は、該GHG排出量の積算データを記録するGHG排出量記録媒体(複数)と、
を構成要素とし、
前記GHG排出量確定装置(A+)は、確定したGHG排出量データを前記GHG排出量記録媒体(C2)に書き込む、及び/又は、確定したGHG排出量データに基づいて、前記GHG排出量記録媒体(C2)に記録された前記積算データを更新するGHG排出量書き込み手段を備える、
ことを特徴とする温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項5】
(A−)活動主体が、自ら又は他の活動主体に委託してGHG回収・削減活動を行う(又は行った)際、該GHG回収・削減活動によるGHG回収・削減量を確定するGHG回収・削減量確定装置
を構成要素とし、
前記GHG排出量記録媒体(C2)は、それを使用する活動主体のGHG回収・削減活動によるGHG回収・削減量の履歴データ、該GHG回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを記録する機能を有し、
前記GHG回収・削減量確定装置(A−)は、確定したGHG回収・削減量データを前記GHG排出量記録媒体(C2)に書き込む、及び/又は、確定したGHG回収・削減量データに基づいて、前記GHG排出量記録媒体(C2)に記録された前記積算データ及び/又は前記相殺データを更新するGHG回収・削減量書き込み手段を備える、
ことを特徴とする、請求項4に記載の温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項6】
前記GHG排出量確定装置(A+)及び/又は前記GHG回収・削減量確定装置(A−)は、
GHG排出量記録媒体(C2)に記録された、前記GHG排出量及び/又は前記GHG回収・削減量の履歴データ、前記GHG排出量及び/又は前記GHGの回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを読み取るGHGデータ読み取り手段を備えた上で、
前記GHG排出量書き込み手段及び/又はGHG回収・削減量書き込み手段は、確定したGHG排出量及び/又は確定したGHG除去・削除量と、前記GHGデータ読み取り手段で読み取ったGHGデータとに基づき、GHG排出量記録媒体(C2)に記録された前記積算データ及び/又は前記相殺データを更新する機能を有する、
ことを特徴とする、請求項4又は5に記載の温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項7】
前記GHG排出量記録媒体(C2)は、前記活動主体を特定する活動主体識別情報が記載又は記録された上で、
(B)活動主体ごとに開設され、該活動主体の活動に伴うGHG排出量及び/又はGHG回収・削減量の履歴データ、該GHG排出量及び/又は該GHG回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを記録するGHG排出量管理口座を管理するGHG排出量管理装置と、
(C21)前記GHG排出量記録媒体(C2)に記載又は記録された活動主体識別情報を読み取る活動主体識別手段と;
前記GHG排出量記録媒体(C2)に記録された、前記GHG排出量及び/又は前記GHG回収・削減量の履歴データ、前記GHG排出量及び/又は前記GHGの回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを読み取るGHGデータ読み取り手段と;
前記活動主体識別手段によって読み取った活動主体識別情報と、前記GHGデータ読み取り手段で読み取ったGHGデータとを前記GHG排出量管理装置(B)に送信するGHGデータ転送手段と;
を備えたGHGデータ転送装置(複数)と、
を構成要素とし、
該GHGデータ転送装置(C21)(複数)と該GHG排出量管理装置(B)とがネットワークを介して接続されており、
前記GHG排出量管理装置(B)は、
前記GHGデータ転送装置(C21)から前記活動主体識別情報と前記GHGデータとを受信するGHGデータ受信手段と;
受信した前記GHGデータと前記活動主体識別情報に基づいて、該活動主体識別情報によって特定される活動主体のGHG排出量管理口座に、前記GHG排出量データ及び/又は前記GHG回収・削減量を登録する、及び/又は、該GHG排出量管理口座に記録された前記積算データ及び/又は前記相殺データを更新するGHGデータ登録手段と;
を備える、
ことを特徴とする、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項8】
(D)前記活動主体識別媒体(C1)及び/又はGHG排出量記録媒体(C2)から読み取った、又は、ユーザーがマニュアル操作で入力した活動主体識別情報によって特定される活動主体のGHG排出量管理口座に記録された、前記GHG排出量及び/又は前記GHG回収・削減量の履歴データ、前記GHG排出量及び/又は前記GHGの回収・削減量の積算データ、及び/又は、前記GHG排出量と前記GHG回収・削減量との相殺データを送信するように前記GHG排出量管理装置(B)に要求するGHGデータ送信要求手段と;
前記GHG排出量管理装置(B)から受信したGHGデータを表示又は出力するGHGデータ出力手段と;
を備えたGHGデータ出力装置
を構成要素とし、
前記GHG排出量管理装置(B)は、
GHGデータ出力装置(D)から前記GHGデータ送信要求を受信するGHGデータ送信要求受信手段と;
受信した前記GHGデータ送信要求に基づき、要求されたGHGデータを送信するGHGデータ送信手段と;
を備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項、又は、請求項7に記載の温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の温室効果ガス排出量管理システムを構成するGHG排出量確定装置(A+)であり、
(A1)活動主体が商品を購入する(又は購入した)際、該商品の商品随伴GHG排出量を特定する商品随伴GHG排出量確定装置
である、
ことを特徴とする温室効果ガス排出量確定装置。
【請求項10】
活動主体又は前記活動主体の構成員が購入した商品を受け取る、及び/又は、商品の代金を支払う店舗に設置されることを特徴とする、請求項9に記載の温室効果ガス排出量確定装置。
【請求項11】
商品又は商品に付属する表示体に記載された商品識別情報、及び/又は、商品又は商品に付属する記憶媒体に記録された商品随伴GHG排出量関連データを読み取る商品随伴GHG排出量読み取り手段を備え、
該商品随伴GHG排出量読み取り手段によって読み取った商品随伴GHG排出量関連データに基づいて、前記活動主体又は前記活動主体の構成員が購入した商品の商品随伴GHG排出量を確定する機能を有する、
ことを特徴とする、請求項9又は10に記載の温室効果ガス排出量確定装置。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれか一項に記載の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、
該温室効果ガス排出量確定装置の一部として、又は、該温室効果ガス排出量確定装置とは別個の装置として、
(A11)商品識別情報に対応付けて、商品随伴GHG排出量関連データを管理する商品随伴GHG排出量データベース手段
を備え、
前記温室効果ガス排出量確定装置は、
活動主体が購入した商品の商品識別情報を前記商品随伴GHG排出量データベース手段(A11)に送信する商品識別情報送信手段と;
前記商品随伴GHG排出量データベース手段(A11)から商品随伴GHG排出量関連データを受信する商品随伴GHG排出量関連データ受信手段と;
を備え、
前記商品随伴GHG排出量データベース手段(A11)は、
前記温室効果ガス排出量確定装置から商品識別情報を受信する商品識別情報受信手段と;
受信した商品識別情報に基づいて商品随伴GHG排出量関連データを検出する商品随伴GHG排出量データ検出手段と;
検出した商品随伴GHG排出量関連データを、必要に応じて加工した上で、前記温室効果ガス排出量確定装置に送信する商品随伴GHG排出量関連データ送信手段と;
を備え、
前記温室効果ガス排出量確定装置は、前記商品随伴GHG排出量データベース手段(A11)から受信した商品随伴GHG排出量関連データに基づいて、前記活動主体又は前記活動主体の構成員が購入した商品の商品随伴GHG排出量を確定する機能を有する、
ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の温室効果ガス排出量管理システムを構成する商品随伴GHG排出量確定装置(A1)であり、
商品又は商品に付属する表示体に記載された商品識別情報、及び/又は、商品又は商品に付属する記憶媒体に記録された商品識別情報を読み取る商品識別情報読み取り手段を備え、
前記商品識別情報送信手段は、前記商品識別情報読み取り手段によって読み取った商品識別情報を前記商品随伴GHG排出量データベース手段(A11)に送信する機能を有する、
ことを特徴とする温室効果ガス排出量確定装置。
【請求項14】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の温室効果ガス排出量管理システムを構成するGHG排出量確定装置(A+)であり、
(A2)活動主体が、そのエネルギー源の費用を直接的に負担しない輸送手段によって人や物を輸送する(又は輸送した)際に、該輸送の輸送随伴GHG排出量を確定する輸送随伴GHG排出量確定装置
である、
ことを特徴とする温室効果ガス排出量確定装置。
【請求項15】
請求項14に記載の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、
該温室効果ガス排出量確定装置の一部として、又は、該温室効果ガス排出量確定装置とは別個の装置として、
(A21)活動主体が輸送した人や物の輸送量を確定する輸送量確定手段
を備え、
前記温室効果ガス排出量確定装置は、前記輸送量確定手段(A21)が計算した輸送量に基づいて、前記輸送の輸送随伴GHG排出量を確定する機能を有する、
ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項16】
請求項14に記載の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、
該温室効果ガス排出量確定装置、又は、該温室効果ガス排出量確定装置とは別個の装置として備えられた前記輸送量確定手段(A21)は、活動主体又は前記活動主体の構成員が利用する公共交通機関の改札所、チケット購入所又は運賃精算所に設置される、
ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項、又は、請求項15に記載の温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項17】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の温室効果ガス排出量管理システムを構成するGHG排出量確定装置(A+)であり、
(A3)活動主体がユーティリティを消費する(又は消費した)際に、該ユーティリティのユーティリティ消費随伴GHG排出量を確定するユーティリティ消費随伴GHG排出量確定装置
である、
ことを特徴とする温室効果ガス排出量確定装置。
【請求項18】
請求項17に記載の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、
該温室効果ガス排出量確定装置の一部として、又は、該温室効果ガス排出量確定装置とは別個の装置として、
(A31)活動主体が略一定の期間内に消費したユーティリティの量を確定するユーティリティ消費量確定手段
を備え、
前記ユーティリティ消費随伴GHG排出量確定装置(A3)は、前記ユーティリティ消費量確定手段(A31)が確定したユーティリティ消費量に基づいて、前記ユーティリティのユーティリティ消費随伴GHG排出量を確定する機能を有する、
ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の温室効果ガス排出量管理システム。
【請求項19】
請求項17に記載の温室効果ガス排出量確定装置を構成要素とし、
該温室効果ガス排出量確定装置、又は、該温室効果ガス排出量確定装置とは別個の装置として備えられた前記ユーティリティ消費量確定手段(A31)は、活動主体がユーティリティを消費する消費場所で使用される、
ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項、又は、請求項18に記載の温室効果ガス排出量管理システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−3192(P2010−3192A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162716(P2008−162716)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(308015935)株式会社DAPリアライズ (5)