説明

温室屋根の両方向換気窓開閉装置

【課題】換気面積を広げて内部空気の換気量を増大させ、温室の支持骨組に加えられる荷重を減らすと共に、風や荷重に上手く耐えるようにする温室屋根の両方向換気窓開閉装置を提供すること。
【解決手段】水平トラスと、前記水平トラスの上部に屋根部材を形成する屋根トラスと、前記屋根部材に形成された換気窓と、前記屋根トラスの上端部に横方向に長く形成され、多数が縦方向に配列されたオープンヒンジと、前記屋根トラスの外側の傾斜した両面にそれぞれ形成されて前記換気窓を開閉するが、その上部が前記オープンヒンジに回動可能に両方向に結合して、左右に互いに面接しつつ横方向に連動設置された多数の第1開閉部材及び第2開閉部材と、前記第1開閉部材及び第2開閉部材の下部を支持し、その下部を押したり引っ張って多数の前記第1開閉部材及び第2開閉部材をそれぞれヒンジを中心として両側の左右方向に回動させる駆動手段とを備えること特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室屋根の両方向換気窓開閉装置に関するもので、さらに詳しくは、両方向連動型に屋根を開閉することにより換気面積を広げて温室内部空気の換気量を増大させ、温室の支持骨組に加えられる荷重を減らすと共に、その屋根固定構造を強固にして風や荷重に上手く耐えるようにする温室屋根の両方向換気窓開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、温室は、暖地植物を栽培したり、普通時期以外に開花・結実させる目的などで使用するものであり、特に、室内温度や湿度などの環境を、一定の状態に維持するための換気を目的に屋根を開閉する装置を使用している。
【0003】
通常、ガラス、PEフィルムなどの硬質フィルム及び各種のその他の温室被覆材料を用いて製作される温室の屋根開閉装置は、屋根の棟を中心として左右に対称をなすように対をなして形成されるか、あるいは、前記棟を中心として一方の側にのみ形成され、屋根そのものが上昇及び下降したり、棟を中心として回転されることにより開閉されて、温室内部の空気を換気させて温室内部の温度を調節する。
【0004】
屋根の棟を中心として左右に対称をなすように対をなして形成された温室の屋根は、一般的に、設置空間の確保し易さと温室の支持骨組に加えられる荷重の低減化を両立させるために、屋根そのものを上昇及び下降させて開閉するような屋根開閉装置を使用する。
【0005】
しかしながら、上述したように屋根そのものを上昇及び下降させて屋根を開閉させるような屋根開閉装置は、支持可能な屋根そのものの荷重に限界があるだけではなく、屋根の開放時に換気口が小さくて屋根面積の概ね25%しか開閉することができないため、夏場における高温の温室内部の室内空気を十分に換気させることができず、夏場における温室内部の温度調節に難点があるという不都合があった。
【0006】
また、駆動モーターの駆動力をラックとピニオンギアを介して伝えてプッシュバーを押し上げることにより屋根を棟を中心として回転させて開閉させるような従来の屋根開閉装置は、一つの屋根にそれぞれ一つずつのラックピニオン及びモーターが適用されるものであり、棟を中心として対をなして形成された屋根には設置空間の確保が困難であるという問題点があるだけではなく、たとえ設置できたとしても、支持骨組に加えられる荷重が増大して温室の安定性を確保することが困難であり、温室施工費用が高くつくという不都合があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上述した問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、両方向連動型に屋根を開閉することにより、換気面積を広げて温室内部空気の換気量を増大させる温室屋根の両方向換気窓開閉装置を提供するところにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、温室の支持骨組に加えられる荷重を減らすと共に、その屋根固定構造を強固にして、風や荷重に上手く耐えるようにする温室屋根の両方向換気窓開閉装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明による温室屋根の両方向換気窓開閉装置は、水平方向の構造を有する水平トラスと、前記水平トラスの上部に両側に傾斜した三角形状の構造を多数形成し、その上に屋根部材を形成する屋根トラスと、前記屋根部材に形成されて外部空気を室内に循環させる換気窓と、前記屋根トラスの上端部に横方向に長く形成され、多数が縦方向に配列されたオープンヒンジと、前記屋根トラスの外側の傾斜した両面にそれぞれ形成されて前記換気窓を開閉するが、その上部が前記オープンヒンジに回動可能に両方向に結合して、左右に互いに面接しつつ横方向に連動設置された多数の第1開閉部材及び第2開閉部材と、多数の前記第1開閉部材及び第2開閉部材の下部を支持し、その下部を押したり引っ張って多数の前記第1開閉部材及び第2開閉部材をそれぞれ別々にまたは一緒にヒンジを中心として両側の左右方向に回動させる駆動手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記多数の第1開閉部材と多数の第2開閉部材は、その平面配置において前記オープンヒンジを中心として両側方向に対向配置するが、それぞれ互い違いに千鳥状に配置される。
【0011】
また、前記駆動手段は、第1モーターと、前記第1モーターにつれ回転するように横方向に延設された第1駆動パイプと、前記第1駆動パイプに連結されて前記第1モーターの回転運動を直線運動に切り替える多数の第1ラックピニオンと、前記多数の第1ラックピニオンと係合して前後方向に直線運動する多数の第1従動パイプと、一方の側が多数の前記第1従動パイプと平行に並ぶようにヒンジ結合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第1開閉部材の下部にヒンジ結合されて前記第1開閉部材を前方の上下方向に昇降させる多数の第1オープン押圧桿と、第2モーターと、前記第2モーターにつれ回転するように横方向に延設された第2駆動パイプと、前記第2駆動パイプに連結されて前記第2モーターの回転運動を直線運動に切り替える多数の第2ラックピニオンと、前記多数の第2ラックピニオンと係合して前後方向に直線運動する多数の第2従動パイプと、一方の側が多数の前記第2従動パイプと平行に並ぶようにヒンジ結合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第2開閉部材の下部にヒンジ結合されて前記第2開閉部材を後方の上下方向に昇降させる多数の第2オープン押圧桿と、を備える。
【0012】
また、前記第1オープン押圧桿と前記第2オープン押圧桿は、隣り合う第1及び第2オープン押圧桿同士が互いに干渉しないように互い違いに平行に並設されて、それぞれの前記第1及び第2従動パイプからそれぞれの前記第1及び第2開閉部材に連結される。
【0013】
また、前記水平トラスの一方の側の上端に形成され、その上に前記第1及び第2ラックピニオンを載せて支持するラックピニオン支持梁と、前記水平トラスの他方の側の上端に形成され、その上に前記第1及び第2ラックピニオンと連結された前記第1及び第2従動パイプを載せて支持するパイプローラー固定梁と、をさらに備える。
【0014】
また、前記第1オープン押圧桿と前記第2オープン押圧桿は、それぞれの第1及び第2開閉部材の角4個所に連結され、前記第1及び第2従動パイプには1個所に連結されるブラケット状に構成する。
【0015】
また、前記第1及び第2従動パイプは、多数が平行に並設されるが、それぞれの第1及び第2従動パイプが1本おきに1本ずつ互い違いに配列される。
【0016】
また、前記屋根部材は、不透明または透明の材質のパネルを前記屋根トラスの表面に選択的に形成する。
【0017】
また、本発明は、室内外温度を検出し、その温度変化に応じて異なる大きさの信号を出力する温度検出及び駆動制御部をさらに備え、前記駆動手段は、前記温度検出及び駆動制御部から出力された信号の大きさに応じて多数の前記第1開閉部材及び第2開閉部材をヒンジを中心として左右方向に回動させて、温度変化に応じてその開閉角度を変化させることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
上記した本発明による温室屋根の両方向換気窓開閉装置によれば、両方向連動型に屋根を開閉することにより、換気面積を広げて温室内部空気の換気量を増大させることができ、温度に応じて適正な換気を維持することができるという効果がある。
【0019】
また、温室の支持骨組に加えられる荷重を減らすと共に、その屋根固定構造を強固にして、風や荷重に上手く耐えるようにする強い構造を提供する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による温室屋根の両方向換気窓開閉装置を示す側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明の第1及び第2開閉部材を多数構成した温室屋根の両方向換気窓開閉装置を示す側面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】本発明による片側換気窓を開いた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明による両側換気窓を両方とも閉じた状態を示す斜視図である。
【図7】本発明による両側換気窓を両方とも開いた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づき、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0022】
図1は、本発明による温室屋根の両方向換気窓開閉装置を示す側面図であり、図2は、図1の平面図である。
【0023】
図示の如く、本発明による温室屋根の両方向換気窓開閉装置は、温度検出及び駆動制御部100、第1開閉部材201、オープンヒンジ102、第1オープン押圧桿203、水平トラス105、水受け梁110、パイプローラー固定梁111、ラックピニオン支持梁112、柱114、屋根トラス115、水受け116、補助柱トラス118、屋根部材119、換気窓120、第1従動パイプ204、第1ラックピニオン206、パイプローラー207、第1駆動パイプ208、第1押圧桿ヒンジ209、第1モーター213、第2開閉部材401、第2オープン押圧桿403、第2従動パイプ404、第2ラックピニオン406、パイプローラー407、第2駆動パイプ408、第2押圧桿ヒンジ409及び第2モーター413を備える。
【0024】
水平トラス105は、通常の水平方向の構造を有する。前記水平トラス105は、別途の柱114または補助柱118の上に形成可能である。
【0025】
屋根トラス115は、前記水平トラス105の上部に三角形の屋根を形成する。すなわち、前記屋根トラス115は、前記水平トラス105の上部に両側に傾斜した三角形状の構造を多数形成し、その上に屋根部材119を形成する。
【0026】
前記水平トラス105及び屋根トラス115から構成された構造物の外壁には、ガラスを設置して通常の三角形状の屋根を有するガラス温室を構成することになる。
【0027】
また、前記屋根トラス115の上端部に横方向にオープンヒンジ102が長く形成され、前記オープンヒンジ102は多数が縦方向、すなわち、前後方向に平行に並ぶように配列される。
【0028】
前記屋根部材119には、換気窓120が形成されて外部空気を室内に循環させる。前記換気窓120は、横方向に長い連窓から形成される。
【0029】
多数の第1開閉部材201及び第2開閉部材401は、前記屋根トラス115の外側の傾斜した両面にそれぞれ形成されて前記換気窓120を開閉するが、その上部が前記オープンヒンジ102に回動可能に両方向に結合して、左右に隣り合う部材同士が面接しつつ横方向に連動されるように設置される。
【0030】
また、本発明の駆動手段は、多数の前記第1開閉部材201及び第2開閉部材401の下部を支持し、その下部を押したり引っ張って多数の前記第1開閉部材201及び第2開閉部材401を、それぞれ別々にまたは一緒にヒンジを中心として両側の左右方向に回動させる。
【0031】
このために、前記駆動手段は、第1モーター213、第1駆動パイプ208、多数の第1ラックピニオン206、多数の第1従動パイプ204、多数の第1オープン押圧桿203、第2モーター413、第2駆動パイプ408、多数の第2ラックピニオン406、多数の第2従動パイプ404、多数の第2オープン押圧桿403を備える。
【0032】
第1駆動パイプ208は、前記第1モーター213につれ回転するように横方向に延設され、多数の第1ラックピニオン206は、前記第1駆動パイプ208に連結されて前記第1モーター213の回転運動を直線運動に切り替える。
【0033】
多数の第1従動パイプ204は、前記多数の第1ラックピニオン206と係合された前後方向に直線運動する。
【0034】
多数の第1オープン押圧桿203は、一方の側が多数の前記第1従動パイプ204と平行に並ぶようにヒンジ結合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第1開閉部材201の下部にヒンジ結合されて前記第1開閉部材201を前方の上下方向に昇降させる。
【0035】
このとき、前記多数の第1オープン押圧桿203と第2オープン押圧桿403は、前記換気窓120を貫通して互いに干渉することなく上下方向に昇降可能である。
【0036】
また、前記第1オープン押圧桿203と前記第2オープン押圧桿403は、それぞれの第1及び第2開閉部材201、401の角4個所に連結され、前記第1及び第2従動パイプ204、404には1個所に連結されるブラケット状に構成する。
【0037】
第2駆動パイプ408は、前記第2モーター413につれ回転するように横方向に延設され、多数の第2ラックピニオン406は、前記第2駆動パイプ408に連結されて前記第2モーター413の回転運動を直線運動に切り替える。
【0038】
多数の第2従動パイプ404は、前記多数の第2ラックピニオン406と係合されて前後方向に直線運動する。
【0039】
多数の第2オープン押圧桿403は、一方の側が多数の前記第2従動パイプ404と平行に並ぶようにヒンジ結合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第2開閉部材401の下部にヒンジ結合されて前記第2開閉部材401を後方の上下方向に昇降させる。
【0040】
ここで、前記第1モーター213及び第2モーター413は、回転力を発生させるものであり、例えば、減速器(図示せず)が備えられるか、または減速器が内蔵されたウォームギアードモーターを適用することができる。好ましくは、第1モーター213及び第2モーター413は、後述する温度検出及び駆動制御部100から出力される信号の大きさに応じて正逆転する。
【0041】
ラックピニオン支持梁112は、前記水平トラス105の一方の側の上端に形成され、その上に前記第1及び第2ラックピニオン206、406を載せて支持する。
【0042】
パイプローラー固定梁111は、前記水平トラス105の他方の側の上端に形成され、その上に前記第1及び第2ラックピニオン206、406と連結された前記第1及び第2従動パイプ204、404を載せて支持する。
【0043】
このような構成により、第1開閉部材201は、その上部が前記屋根トラス115の上端部に回動可能にヒンジ固定されて換気窓120を開閉し、第1オープン押圧桿203は一方の側が前記第1開閉部材201の下部を支持する。このため、前記第1オープン押圧桿203を押したり引っ張って前記第1開閉部材201を、一方の側が固定された状態で他方の側を上下方向に回動させる。
【0044】
このため、前記第1モーター213が回転すると、前記第1従動パイプ204が前後方向に移動することになり、このように第1従動パイプ204が前後方向に移動するにつれて第1オープン押圧桿203が前記第1開閉部材201の下部を押したり引っ張って前記第1開閉部材201の角度を変える。
【0045】
このため、第1開閉部材201は、室内外の温度変化に応じて最大または最適な開閉角度を維持することができる。
【0046】
一方、第2開閉部材401は、その上部が前記屋根トラス115の上端部に回動可能にヒンジ固定されて換気窓120を開閉するが、前記第1開閉部材201の反対側に形成されている。
【0047】
第2オープン押圧桿403は、一方の側が前記第2開閉部材401の下部を支持する。また、前記第2オープン押圧桿403の他方の側を固定し、前記第2オープン押圧桿403を押したり引っ張って前記第2開閉部材401を、一方の側が固定された状態で他方の側を上下方向に回動させる。
【0048】
このとき、前記第1開閉部材201と第2開閉部材401は、東西方向に設置されることが好ましい。このため、前記第1開閉部材201と第2開閉部材401を回動させて最大または最適な開放状態で室内換気を行うことができる。
【0049】
一方、温度検出及び駆動制御部100は、屋根部材119の上に設置されて室内外温度を検出する。
【0050】
本発明の温度検出及び駆動制御部100は、例えば、2以上の温度センサー(図示せず)を取り付けた後、2つのセンサーにより検出される温度を比較してその変化を検出できるように構成することができ、このような構成は、公知の通常の技術によって容易に構成することができるため、これについての詳細な説明は省く。
【0051】
このため、本発明は、前記第1開閉部材201及び第2開閉部材401を通じて温度検出及び駆動制御部100において検出された室内外の温度変化に応じて自動的に常に最適な開閉角度を維持して室内を換気することができる。
【0052】
図3は、本発明の第1及び第2開閉部材を多数構成した温室屋根の両方向換気窓開閉装置を示す側面図であり、図4は、図3の平面図である。
【0053】
図示の如く、本発明による温室屋根の両方向換気窓開閉装置は、第1開閉部材201、オープンヒンジ102、第1オープン押圧桿203、水平トラス105、水受け梁110、パイプローラー固定梁111、ラックピニオン支持梁112、柱114、屋根トラス115、水受け116、補助柱トラス118、屋根部材119、換気窓120、第1従動パイプ204、第1ラックピニオン206、パイプローラー207、第1駆動パイプ208、第1押圧桿ヒンジ209、第1モーター213、第2開閉部材401、第2オープン押圧桿403、第2従動パイプ404、第2ラックピニオン406、パイプローラー407、第2駆動パイプ408、第2押圧桿ヒンジ409及び第2モーター413を備える。
【0054】
図示の如く、前記第1モーター213には、同じ方向に回転するように横方向に第1駆動パイプ208が延設され、前記第1駆動パイプ208には、前記第1モーター213の回転運動を直線運動に切り替える多数の第1ラックピニオン206が連結される。
【0055】
また、多数の第1従動パイプ204は、前記多数の第1ラックピニオン206と係合されて前後方向に直線運動し、多数の第1オープン押圧桿203は、一方の側が多数の前記第1従動パイプ204と平行に並ぶようにヒンジ結合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第1開閉部材201の下部にヒンジ結合されて前記第1開閉部材201を前方の上下方向に昇降させる。
【0056】
このような構成により、前記第1モーター213が回転すれば、同じ方向に第1駆動パイプ208が回転し、これにより、多数の第1ラックピニオン206とここに係合された多数の前記第1従動パイプ204が前後方向に移動することになる。また、多数の第1従動パイプ204が前後方向に移動するにつれて第1オープン押圧桿203が、多数の前記第1開閉部材201の下部を押したり引っ張って多数の前記第1開閉部材201の角度を一括して調整することができる。
【0057】
また、前記第2従動パイプ404には、縦方向に多数の前記第2オープン押圧桿403及びこれに対応する多数の前記第2開閉部材401が形成される。また、前記第2モーター413につれ回転する第2駆動パイプ408がさらに形成され、前記第2駆動パイプ408には、横方向に多数の前記第2ラックピニオン406と、これに対応する多数の前記第2従動パイプ404が形成される。
【0058】
このため、前記第2モーター413が回転すれば、同じ方向に第2駆動パイプ408が回転し、これにより、多数の第1ラックピニオン406とここに係合された多数の前記第2従動パイプ404が前後方向に移動することになる。このため、第2オープン押圧桿403が、多数の前記第2開閉部材401の下部を押したり引っ張って多数の前記第2開閉部材401の角度を一括して調整することができる。
【0059】
このときにも、上述したように、前記第1開閉部材201及び第2開閉部材401を支持する互いに連接する前記第1オープン押圧桿203と前記第2オープン押圧桿403は、互いに干渉しないように平行に互い違いに交差形成されて、それぞれの第1及び第2開閉部材201、401とそれぞれの第1及び第2従動パイプ204、404に連結されることが好ましい。
【0060】
また、前記第1及び第2従動パイプ204、404は、多数が平行に並設されるが、それぞれの第1及び第2従動パイプ204、404が、1本おきに1本ずつ互い違いに配列される。
【0061】
図5は、本発明による片側の側換気窓を開いた状態を示す斜視図であり、図6は、本発明による両側の換気窓を両方とも閉じた状態を示す斜視図であり、図7は、本発明による両側の換気窓を両方とも開いた状態を示す斜視図である。
【0062】
図示の如く、多数の第1開閉部材201と多数の第2開閉部材401は、その平面配置において前記換気窓120の中央のオープンヒンジ102を中心として両側方向に対向配置するが、それぞれの第1開閉部材201と第2開閉部材401がそれぞれ互い違いに千鳥状に配置されることが好ましい。
【0063】
また、本発明の温度検出及び駆動制御部100は、上述したように、室内外の温度を検出し、検出された室内外の温度変化に応じて異なる大きさの信号を出力することができる。
【0064】
このため、駆動手段200は、前記温度検出及び駆動制御部100から出力された信号の大きさに応じて多数の前記第1開閉部材201及び第2開閉部材401をヒンジを中心として左右方向に回動させて、温度に応じて開閉角度を変化させる。
【0065】
前記屋根部材119は、不透明または透明の材質のパネルを前記屋根トラス115の表面に選択的に形成することができる。これにより、採光調節効果が得られる。
【0066】
本発明は、最大の室内換気を得るために第1開閉部材201と第2開閉部材401を同時に開くことができ、一部の特定の開閉部材だけを選択して選択的に開閉することもできる。
【0067】
例えば、図5に示すように、一方の側方向の第1開閉部材201だけをいずれも開き、反対側の第2開閉部材401をいずれも閉じることができる。
【0068】
また、本発明を使用しないときには、図6に示すように、多数の前記第1開閉部材201及び第2開閉部材401を下方に畳み込んでおいて、換気窓120をいずれも閉じた状態にしてもよい。
【0069】
また、例えば、図7に示すように、両側方向の第1開閉部材201及び第2開閉部材401を両方とも開いて最大の換気作用が得られるようにしてもよい。
【0070】
このため、本発明によれば、両方向連動型に屋根を開閉することにより換気面積を広げて温室内部空気の換気量を増大することができ、温度に応じて適正な換気を維持することもできる。また、温室の支持骨組に加えられる荷重を減らすと共に、その屋根固定構造を強固にして風や荷重に上手く耐えるようにする強い構造を提供することができる。
【0071】
本発明は、上述した特定の好適な実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する技術分野において通常の知識を持った者であれば、誰でも種々の変形実施が可能であることはいうまでもなく、そのような変更は特許請求の範囲に記載の範囲内にある。
【符号の説明】
【0072】
100 温度検出及び駆動制御部
102 オープンヒンジ
105 水平トラス
110 水受け梁
111 パイプローラー固定梁
112 ラックピニオン支持梁
115 屋根トラス
114 柱
116 水受け
118 補助柱トラス
119 屋根部材
120 換気窓
201 第1開閉部材
203 第1オープン押圧桿
204 第1従動パイプ
206 第1ラックピニオン
207 パイプローラー
208 第1駆動パイプ
209 第1押圧桿ヒンジ
213 第1モーター
401 第2開閉部材
403 第2オープン押圧桿
404 第2従動パイプ
406 第2ラックピニオン
407 パイプローラー
408 第2駆動パイプ
409 第2押圧桿ヒンジ
112 ラックピニオン支持梁
413 第2モーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向の構造を有する水平トラスと、
前記水平トラスの上部に両側に傾斜した三角形状の構造を多数形成し、その上に屋根部材を形成する屋根トラスと、
前記屋根部材に形成されて外部空気を室内に循環させる換気窓と、
前記屋根トラスの上端部に横方向に長く形成され、多数が縦方向に配列されたオープンヒンジと、
前記屋根トラスの外側の傾斜した両面にそれぞれ形成されて前記換気窓を開閉するが、その上部が前記オープンヒンジに回動可能に両方向に結合して、左右に互いに面接しつつ横方向に連動設置された多数の第1開閉部材及び第2開閉部材と、
多数の前記第1開閉部材及び第2開閉部材の下部を支持し、その下部を押したり引っ張って多数の前記第1開閉部材及び第2開閉部材をそれぞれ別々にまたは一緒にヒンジを中心として両側の左右方向に回動させる駆動手段と、
を備えることを特徴とする温室屋根の両方向換気窓開閉装置。
【請求項2】
前記多数の第1開閉部材と多数の第2開閉部材は、
その平面配置において前記オープンヒンジを中心として両側方向に対向配置するが、それぞれ互い違いに千鳥状に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の温室屋根の両方向換気窓開閉装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、
第1モーターと、
前記第1モーターにつれ回転するように横方向に延設された第1駆動パイプと、
前記第1駆動パイプに連結されて前記第1モーターの回転運動を直線運動に切り替える多数の第1ラックピニオンと、
前記多数の第1ラックピニオンと係合して前後方向に直線運動する多数の第1従動パイプと、
一方の側が多数の前記第1従動パイプと平行に並ぶようにヒンジ結合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第1開閉部材の下部にヒンジ結合されて前記第1開閉部材を前方の上下方向に昇降させる多数の第1オープン押圧桿と、
第2モーターと、
前記第2モーターにつれ回転するように横方向に延設された第2駆動パイプと、
前記第2駆動パイプに連結されて前記第2モーターの回転運動を直線運動に切り替える多数の第2ラックピニオンと、
前記多数の第2ラックピニオンと係合して前後方向に直線運動する多数の第2従動パイプと、
一方の側が多数の前記第2従動パイプと平行に並ぶようにヒンジ結合されて水平移動し、他方の側がそれぞれの多数の前記第2開閉部材の下部にヒンジ結合されて前記第2開閉部材を後方の上下方向に昇降させる多数の第2オープン押圧桿と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の温室屋根の両方向換気窓開閉装置。
【請求項4】
前記第1オープン押圧桿と前記第2オープン押圧桿は、
隣り合う第1及び第2オープン押圧桿同士が互いに干渉しないように互い違いに平行に並設されて、それぞれの前記第1及び第2従動パイプからそれぞれの前記第1及び第2開閉部材に連結される、
ことを特徴とする請求項3に記載の温室屋根の両方向換気窓開閉装置。
【請求項5】
前記第1オープン押圧桿と前記第2オープン押圧桿は、
それぞれの第1及び第2開閉部材の角4個所に連結され、前記第1及び第2従動パイプには1個所に連結されるブラケット状に構成する、
ことを特徴とする請求項3に記載の温室屋根の両方向換気窓開閉装置。
【請求項6】
前記第1及び第2従動パイプは、
多数が平行に並設されるが、それぞれの第1及び第2従動パイプが1本おきに1本ずつ互い違いに配列される、
ことを特徴とする請求項3に記載の温室屋根の両方向換気窓開閉装置。
【請求項7】
前記水平トラスの一方の側の上端に形成され、その上に前記第1及び第2ラックピニオンを載せて支持するラックピニオン支持梁と、
前記水平トラスの他方の側の上端に形成され、その上に前記第1及び第2ラックピニオンと連結された前記第1及び第2従動パイプを載せて支持するパイプローラー固定梁と、をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の温室屋根の両方向換気窓開閉装置。
【請求項8】
前記屋根部材は、
不透明または透明の材質のパネルを前記屋根トラスの表面に選択的に形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の温室屋根の両方向換気窓開閉装置。
【請求項9】
室内外温度を検出し、その温度変化に応じて異なる大きさの信号を出力する温度検出及び駆動制御部をさらに備え、
前記駆動手段は、前記温度検出及び駆動制御部から出力された信号の大きさに応じて多数の前記第1開閉部材及び第2開閉部材をヒンジを中心として左右方向に回動させて、温度変化に応じてその開閉角度を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の温室屋根の両方向換気窓開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−100545(P2012−100545A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249235(P2010−249235)
【出願日】平成22年11月6日(2010.11.6)
【出願人】(509269942)グリーン プラス カンパニー リミテッド (6)
【出願人】(509269953)
【Fターム(参考)】