説明

温室用樹脂線

【課題】結節作業性(巻き付け性)、強度(引張り強度、巻き付け時の引き出し強度)が優れた温室用樹脂線を提供する。
【解決手段】熱可塑性ポリエステルと有機系紫外線吸収剤を含有する樹脂組成物のモノフィラメントからなる温室用樹脂線であって、前記モノフィラメントが、下記の要件(a)〜(d)を満たすものである温室用樹脂線。
(a)延伸後の引張強度が350〜600MPa
(b)伸び率が5〜25%
(c)真円度が80%以上
(d)明度値(Y値)が12.5以上

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用温室内外において、各種部品の締結、保持のために使用される温室用樹脂線に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂材料を押出し後に延伸して強度を高めたモノフィラメント(単繊維)は、農業用温室内外において、各種部品の締結、保持のための温室用樹脂線として広く使用されている。温室用樹脂線としては、吸湿性が低く、寸法安定性が良好で、比較的耐候性の良い熱可塑性ポリエステル樹脂製モノフィラメントが使用されている。
【0003】
温室用樹脂線は、張力を掛けながらその両端を細いパイプや撚り線に複数回コイル状に巻き付け、更に最終端部はその樹脂線に複数回コイル状に巻き付けて締結し、樹脂線同士を締結する場合には樹脂線同士を捻りながら撚り付ける独特な結節作業方法において使用される。
【0004】
特に実際の作業現場では、多い場合には千本以上の線を取り付けるため、わずかな反力の高さが初期曲げ及び緊密巻き後の結節作業に余計な力を要することになり、作業性を大きく低下させる要因になる。
【0005】
しかし、従来の熱可塑性ポリエステル樹脂からなる温室用樹脂線は、曲げ反力が高く、過度に力を要し、密巻き後の巻き戻りが大きいことから、最終結節工程が終了するまで大きな力を加え続けなければならず、結節作業性に問題を抱えている。
【0006】
このような課題に対しては、偶然にも耐候性付与が目的である黒色着色剤を含む温室樹脂線において、その塑性変形効果がやや高く、曲げ反力がやや低下し、結節作業性の向上が確認されているが、引張り強度を向上させるとその効果も見られなくなり十分とはいえない。
【0007】
しかも、特許文献1、2に見られるように、カーボンブラックを配合した樹脂線は、可視光を全て吸収してしまい、温室内に多数張り巡らされたエスター線による影の増大のため、作物生産性が低下するという大きな問題がある。
【0008】
特許文献3には、極限粘度0.60以上のポリエステルに有機系紫外線吸収剤をフィラメント重量に対して0.3%〜5.0%含有させた、破断強度4.0cN/dtex以上である防虫ネット用マルチフィラメントが開示されており、農業、園芸分野に使用される防虫ネット用途に適していることが記載されている。防虫ネットは作物上に展延した状態で使用するものであるから、結節作業性は全く問題にならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−56387号公報
【特許文献2】特開2008−266873号公報
【特許文献3】特開2005−269962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、結節作業性(巻き付け性)、強度(引張り強度、巻き付け時の引き出し強度)が優れた温室用樹脂線を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従来、熱可塑性ポリエステル樹脂製モノフィラメントは公知であったが、温室用樹脂線として紫外線吸収剤を含有し、塑性変形し易く、結節作業性(巻き付け性)が向上されたモノフィラメントはなかった。
【0012】
本発明者は、熱可塑性ポリエステル樹脂製モノフィラメントに紫外線吸収剤を含有させた場合において、耐候性が向上されるだけではなく、結節作業性(巻き付け性)も向上させることを見出し、本発明を完成したものである。
【0013】
本願発明は、課題の解決手段として、
熱可塑性ポリエステルと有機系紫外線吸収剤を含有する樹脂組成物のモノフィラメントからなる温室用樹脂線であって、
前記モノフィラメントが、下記の要件(a)〜(d)を満たすものである温室用樹脂線を提供する。
(a)延伸後の引張強度が350〜600MPa
(b)伸び率が5〜25%
(c)真円度が80%以上
(d)明度値(Y値)が12.5以上
【0014】
前記延伸後の引張強度が400〜575MPa、伸び率が6〜20%の範囲であることが好ましく、前記延伸後の引張強度が450〜550MPa、伸び率が7〜15%の範囲であることがより好ましい。前記真円度が90%以上であることが好ましく、前記真円度が95%以上であることがより好ましい。前記明度値(Y値)が25以上であることが好ましく、前記明度値(Y値)が50以上であることがより好ましい。
【0015】
前記樹脂組成物が、熱可塑性ポリエステル、有機系紫外線吸収剤及び白色顔料又は黒色顔料を含有するものであることが好ましい。前記樹脂組成物中の有機系紫外線吸収剤の含有量が0.2〜1.5質量%であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の温室用樹脂線は、塑性変形し易いことから結節作業性(巻き付け性)が良く、強度(引張り強度、巻き付け時の引き出し強度)も優れている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<樹脂組成物>
〔熱可塑性ポリエステル〕
本発明の温室用樹脂線で用いる樹脂組成物に含まれる熱可塑性ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体とジオールから得られるものが好ましい。
【0018】
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体は、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2、6−ジカルボン酸、ナフタレン−2、7−ジカルボン酸、ジフェニル−4、4´−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成誘導体などを挙げることができる。
【0019】
ジオールは、分子量300以下のエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2、2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1、1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4、4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4、4’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニルなどの芳香族ジオールを挙げることができる。
【0020】
熱可塑性ポリエステルに用いられる芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体及びジオールは、剛性を適正に調整するため、それぞれ2種類以上を併用した共重合ポリエステルとすることもできる。また、3官能以上の多官能カルボン酸、多官能オキシ酸及び多官能ヒドロキシ成分などを共重合したポリエステルとすることもできる。
【0021】
熱可塑性ポリエステルは、引張り強度を高く保持しつつも密巻き性の高い、また流通量が圧倒的に多くコストが低くできる観点から、テレフタル酸及び又はテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
【0022】
〔有機系紫外線吸収剤〕
本発明の温室用樹脂線で用いる樹脂組成物に含まれる有機系紫外線吸収剤としては、公知のもの(例えば、特開2006−1568号公報、特開2005−269962号公報及び特開2000−238857号公報に記載されているもの)を用いることができ、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物などを挙げることができる。
これらの中でも、耐熱性、ポリエステルとの相溶性、耐候性の観点から、トリアジン系化合物が好ましく、特に融点が高い(例えば、融点が150℃程度)固体状のトリアジン化合物が好ましい。
【0023】
樹脂組成物中の有機系紫外線吸収剤の含有量は0.2〜1.5質量%が好ましく、0.2〜1.0質量%がより好ましい。紫外線吸収剤の含有量が0.2質量%以上であると、結節作業性や加工時の引張強度が良好になり、1.5質量%以下であると、製造時に樹脂原料のベタツキ増大により樹脂ホッパー内にてブロッキングが生じることが抑制され、得られたモノフィラメントの引張強度の低下が生じることもない。
【0024】
〔白色顔料及び黒色顔料〕
本発明の温室用樹脂線で用いる樹脂組成物は、白色顔料又は黒色顔料を含有することができる。
白色顔料としては、公知のものを用いることができ、亜鉛華、鉛白、リトポン、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウムなどを挙げることができるが、二酸化チタンを含むものが好ましい。黒色顔料はカーボンブラックが好ましい。
白色顔料及び黒色顔料の含有量は、要件(a)〜(d)、特に要件(d)を満たすように調整する。
【0025】
〔その他の成分〕
本発明の温室用樹脂線で用いる樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、公知のヒンタードフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系、芳香族アミン系などの酸化防止剤、ヒンタードアミン系などの耐光剤、帯電防止剤、耐加水分解改良剤、金属劣化防止剤等の各種樹脂用の添加剤を適量含有することができる。
【0026】
また樹脂組成物に赤色顔料、黄色顔料、青色顔料等の有色顔料を配合して、温室用樹脂線が所望の色に着色されるようにすることもできる。この場合にも、有色顔料の配合量は、要件(a)〜(d)、特に要件(d)を満たすように調整する。
【0027】
<温室用樹脂線(モノフィラメント)>
本発明の温室用樹脂線(モノフィラメント)は、例えば、以下の方法で製造することができる。
まず樹脂組成物を製造する。
熱可塑性ポリエステル及び紫外線吸収剤、さらに必要に応じて配合される白色顔料、カーボンブラック、他の成分は、公知の方法で混合することができる。
公知の方法としては、ミキサー、ブレンダーなどの混合機によりドライブレンドして押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール機に供給して溶融混練する方法などを適用できる。
【0028】
次に、得られた樹脂組成物を用いてモノフィラメントからなる温室用樹脂線を製造する。
樹脂組成物を溶融紡糸機に供給して溶融し、所定径に設定された口金ノズルから押出し、冷却浴に導入して急冷固化させる。その後、所定の延伸倍率及び線径になるように加熱延伸(通常一段又は二段程度)し、最後に必要に応じて弛緩熱処理して巻き取る。
【0029】
本発明のモノフィラメントからなる温室用樹脂線は、下記の要件(a)〜(d)を満たすものである。
【0030】
要件(a)
結節作業性を向上させる観点から、延伸後の引張強度は350〜600MPaであり、好ましくは400〜575MPa、より好ましくは450〜550MPaである。
延伸倍率は、延伸後の引張強度が上記範囲に入ることを考慮すると、4〜6倍が好ましい。
なお、前記の延伸倍率はモノフィラメント径に依存し、太いものほど材料に対する熱的均衡性が得られ難いため低倍率に設定することが好ましく、1mm程度で5.5〜6倍、2mm程度で5〜5.5倍、5mm程度で4.5〜5.5倍、8mm程度で4〜5倍である。
延伸倍率が4倍以上であると、上記の引張強度にすることができ、密巻き後の巻き戻り性が良くなり、引き出し強度の低下及び局部折れが防止される。延伸倍率が6倍以下では、製造時断線が生じにくくなり、真円度も高くすることができる。
【0031】
要件(b)
塑性変形し易くなり、結節作業性(巻き付け性)が向上されることから、伸び率は5〜25%であり、好ましくは6〜20%、より好ましくは7〜15%である。
【0032】
要件(c)
塑性変形し易くなり、結節作業性(巻き付け性)が向上されることから、真円度は80%以上であり、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
【0033】
(d)明度値(Y値)
可視光線の吸収を抑制して作物の生育に好影響を与えるため、明度値は12.5以上であり、好ましくは25以上、より好ましくは50以上である。
【0034】
本発明のモノフィラメントからなる温室用樹脂線は、農業用温室内外において、各種部品の締結、保持のために使用されるものである。
そして、上記したとおり要件(a)〜(d)を満たす本発明のモノフィラメントからなる温室用樹脂線は、作業時における結節作業性が容易になるため、作業負担が大幅に軽減されると共に、従来品と比べて使用後の製品寿命を大幅に延長することができるため、温室の維持コストも低減することができるものである。
【実施例】
【0035】
<要件(a)、(b):引張強度、伸び測定>
引張試験機を用いて試料に200mm間隔の標線を記し、200mm/minで引っ張った時の最大強力(N)及びその時点の伸び(%)を測定した。試験温度は23℃で実施した。引張強度(MPa)は、測定最大強力(N)を断面積(mm)で除して算出した。
【0036】
<要件(c):真円度測定>
マイクロメーターを用いて、試料線軸に対し垂直同一面内での短径及び長径を1/100mmまで計測して、真円度(%)=(短径mm/長径mm)×100にて算出した。
なお、断面積は、測定した短径及び長径より近似形状である楕円公式を用いて断面積(mm)=(短径mm/2)×(長径mm/2)×πにて算出した。
【0037】
<要件(d):明度値(Y値)測定>
Yxy系、白色C校正(Y=93.5、x=0.3135、y=0.3196)した色彩色差計(ミノルタ社製色彩色差計CR−300)を用いた。
試料線は、白色校正板を下敷きとして、線径が1〜3mm程度のものは緊密に並べ直接明度値(Y値)を計測した。
試料線径が3mmを越えるような試料は、被照射面積低下による明度計測値低下を示すため、厚み1〜3mm程度に切削して平坦面を作り出し測定するか、厚み1〜3mm程度の平板に溶融成型し直して測定した。
【0038】
<巻き付け内径測定>
外径6mmの丸棒(クロムメッキされたNo.2プラスドライバーの丸軸)を用いて、試料を4周(1440°)密巻きして10分後及び反力がほぼ消滅する10日後の内径をノギスで5/100mmまで測定した。一試料当り5回測定したサンプルの中間品値を巻き付け内径として算出した。
また、10分後及び反力がほぼ消滅する10日後に4周(1440°)からの反力で戻った角度を、分度器を用いて15°単位で計測して、5回測定したサンプルの中間品値を戻り角度とした。測定温度は期間中25℃で実施した。
【0039】
<巻き付け時引き出し強度測定>
外径6mmの丸棒(クロムメッキされたNo.2プラスドライバーの軸)を用いて、試料を4周(1440°)密巻きした後、直ちにその一端を引張り試験機のチャックに取付け、そのドライバーごと引張り試験機に固定して100mm/minで引っ張ったときの強度(N)をそれぞれ5回測定したサンプルの中間品値を、巻き付け時引き出し強度として算出した。測定温度は25℃で実施した。
なお、巻き付け時引き出し強度は、螺旋状に塑性変形した線材を強制的に直線状に回復させた時の強度であり、線材の剛性と変形量の大きさに依存するものと考えられる。
【0040】
実施例1
ホッパー内に導入したPETに対して、組成物中の含有量が0.5質量%になるように紫外線吸収剤(1577)を投入した。
樹脂組成物を280℃で溶融させて口金ノズルから押出し、85℃の冷却浴で急冷固化した。その後、100℃にて表1に示す延伸倍率になるように二段延伸してロールに巻き取って、温室用樹脂線を製造した。
【0041】
比較例1
PETのみを使用したほかは実施例1と同様にして、温室用樹脂線を製造した。
【0042】
【表1】

【0043】
実施例2〜4、比較例2、3
表2に示す樹脂組成物(比較例2はPETのみ)を用いたほかは実施例1と同様にして、温室用樹脂線を製造した。
【0044】
【表2】

【0045】
実施例5、比較例4〜7、参考例1
表3に示す樹脂組成物(比較例4はPETのみ)を用いたほかは実施例1と同様にして、温室用樹脂線を製造した。参考例1は市販品である。
【0046】
【表3】

【0047】
実施例6、比較例8、9
表4に示す樹脂組成物(比較例8はPETのみ)を用いたほかは実施例1と同様にして、温室用樹脂線を製造した。
【0048】
【表4】

【0049】
実施例7、比較例10、11、参考例2
表5示す樹脂組成物(比較例10はPETのみ)を用いたほかは実施例1と同様にして、温室用樹脂線を製造した。参考例2は市販品である。
【0050】
【表5】

【0051】
表1〜表5から明らかなとおり、引張強度に関しては、紫外線吸収剤を添加した実施例は、比較例及び参考例と比較して強度低下は全くなく、むしろやや向上し、高値安定傾向を示した。
表1〜表5から明らかなとおり、伸びについては、実施例は比較例及び参考例と比較すると同程度で、ヤング率(剛性)の低下もないことが示された。
表1〜表5から明らかなとおり、真円度は、実施例、比較例ともにほぼ90%以上を確保しており、差異はなかった。
【0052】
表1〜表5から明らかなとおり、密巻き性(巻き付け内径拡大性及び戻り角度)については、どのような線径、製造条件時においても、実施例は、比較例及び参考例と比べて、引張強度、伸び(剛性)が同程度あるいはやや高いにも拘わらず、反力が少なく、密巻き性(塑性変形性)が高いことが示された。
【0053】
表1〜表5から明らかなとおり、巻き付け時引き出し強度については、剛性が高くても巻き付け内径が大きい場合(比較例4、10、参考例)及び剛性が低い場合(比較例1)には低下する傾向を示したが、同径、同形状、同条件での製造品であれば巻き付け内径が小さい実施例が高値安定傾向を示した。
【0054】
カーボン配合量と引張り強度の関係は0.5%強まで引張り強度低下はなかったが(比較例6)、カーボン0.6%強で引張り強度が大幅に低下した(比較例7)。密巻き性はカーボン配合による向上傾向が確認されたが、顕著に効果を引き出すには低濃度配合で延伸条件を変更して若干強度を低く抑えるか(比較例3)、0.6%以上の配合を行うか(比較例7)であるが、両選択ともに引張り強度は低値にならざるを得なかった。
【0055】
<表1〜5の使用成分>
・PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂):ユニチカ社製ポリエチレンテレフタレート樹脂SA
・1577(紫外線吸収剤):BASF社製トリアジン系紫外線吸収剤チヌビン1577
・460(紫外線吸収剤):BASF社製トリアジン系紫外線吸収剤チヌビン460
・白MB:DIC社製合成繊維用白色着色マスターバッチEG WHITE L−90(50)
・ブラックMB:DIC社製合成繊維用黒色着色マスターバッチSPUNDEY EG BLACK L−7620−35K(カーボン0.105質量%、PBT0.045質量%、芳香族ポリエステル0.015質量%)
・PET無着色2mm市販品(扁平品):PORIESTER MONOFIL Φ2.050mm natur 000
・PET無着色2.2mm市販品:商品名AGROLINE PET Φ2.20mm Gruppo DP社製

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリエステルと有機系紫外線吸収剤を含有する樹脂組成物のモノフィラメントからなる温室用樹脂線であって、
前記モノフィラメントが、下記の要件(a)〜(d)を満たすものである温室用樹脂線。
(a)延伸後の引張強度が350〜600MPa
(b)伸び率が5〜25%
(c)真円度が80%以上
(d)明度値(Y値)が12.5以上
【請求項2】
前記延伸後の引張強度が400〜575MPa、伸び率が6〜20%の範囲である請求項1記載の温室用樹脂線。
【請求項3】
前記延伸後の引張強度が450〜550MPa、伸び率が7〜15%の範囲である請求項1記載の温室用樹脂線。
【請求項4】
前記真円度が90%以上である請求項1〜3のいずれか1に記載の温室用樹脂線。
【請求項5】
前記真円度が95%以上である請求項1〜3のいずれか1に記載の温室用樹脂線。
【請求項6】
前記明度値(Y値)が25以上である請求項1〜5のいずれか1に記載の温室用樹脂線。
【請求項7】
前記明度値(Y値)が50以上である請求項1〜5のいずれか1に記載の温室用樹脂線。
【請求項8】
前記樹脂組成物が、熱可塑性ポリエステル、有機系紫外線吸収剤及び白色顔料又は黒色顔料を含有するものである請求項1〜7のいずれか1に記載の温室用樹脂線。
【請求項9】
前記樹脂組成物中の有機系紫外線吸収剤の含有量が0.2〜1.5質量%である、請求項1〜8のいずれか1項記載の温室用樹脂線。

【公開番号】特開2012−34586(P2012−34586A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174972(P2010−174972)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(390010814)株式会社誠和 (31)
【出願人】(000207540)大日製罐株式会社 (13)
【Fターム(参考)】