説明

温度応答性ハイドロゲル

300〜30000の繰り返し単位を有するヒアルロン酸と特定構造および特定の分子量を有するポリアルキレンオキシド誘導体からなる化合物であって、ヒアルロン酸のカルボキシル基100当量に対してポリアルキレンオキシド誘導体の含有量が5〜100当量である化合物及び該化合物からなるハイドロゲル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ヒアルロン酸及びポリアルキレンオキシド誘導体からなる化合物に関する。更に詳しくは、ヒアルロン酸及びポリアルキレンオキシド誘導体からなる温度応答性ハイドロゲルに関する。
【背景技術】
近年、大きく損傷したりまたは失われた生体組織と臓器の治療法の1つとして、細胞の分化、増殖能を利用し元の生体組織及び臓器に再構築する技術である再生医療の研究が活発になってきている。軟骨再生もそのひとつであり、下記の様に積極的な検討が行われている。
(1)コラーゲンを用いた基材を足場とした軟骨再生(Biomaterials.17,155−162(1996))
(2)不溶性ベンジルエステル化ヒアルロン酸を用いた細胞培養基材(米国特許第5939323号明細書、J.Biomed.Mater.Res.42:2,172−81(1998)、J.Biomed.Mater.Res.46:3,337−346(1999)、J.Ortho.Res.18:5.773−380(2000)))
(3)架橋ヒアルロン酸体を用いた軟骨細胞培養基材(J.Ortho.Res.17,205−213(1999))
(4)ポリ乳酸、ポリグリコール酸を用いた組織再生基材(特表平10−513386号公報)
しかし前述の例は、細胞採取する際及び体内にインプラントする際に2度の切開手術が必要であり患者の負担が非常に大きい。この課題を解決するために、今後内視鏡手術が増えると考えられ、内視鏡手術に適した人工材料の開発が非常に重要となってくる。求められる人工材料の特性として、1)形状を自在にコントロールできる(患部に直接注入できる)、2)細胞、成長因子を容易に埋包できるなどが考えられ、温度応答性ハイドロゲルはこの条件に非常に適した材料であるので、再生医療においてメリットが大きいと考えられる。
温度応答性ハイドロゲルとは、水環境下において、ある温度以下では水和し、ある温度以上では脱水和することにより体積変化を引き起こすLower Critical Solution Temperature(LCST)タイプと、逆にある温度以上で水和することにより体積変化を引き起こすUpper Critical Solution Temperature(UCST)タイプに分類することが出来る。これら2つのタイプのうちでは、応答の速さ等の面に優れるLCSTの性質を有するタイプのハイドロゲルの方がドラッグデリバリーシステムにおいて、好ましく使用されている。LCSTの性質を有するタイプのハイドロゲルは、例えば、ある温度以下では高分子と水との相互作用が優先するために水溶液中に均一に溶解しているが、ある温度以上になると水和よりも高分子の凝集の方が優勢になるために脱水和して、水溶液が白濁、ついには沈殿するポリマーである。即ち水−高分子系においてLCSTの性質を有するポリマーを主成分とし、該ポリマーを何らかの方法で3次元架橋することによって温度応答性ハイドロゲルを得ることが出来る。
水−高分子系においてLCSTの性質を有するポリマーとしては、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)等のN−置換(メタ)アクリルアミド誘導体、ポリ(N−アクリロイルピロリジン)、ポリ(N−アクリロイルピペリジン)等の含窒素環状ポリマー、ポリ(N−アクリロイル−L−プロリン)等のビニル基含有アミノ酸とそのエステル類、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(エチレングリコール)/ポリ(プロピレングリコール)、ポリ乳酸−ポリグリコール酸−ポリエチレンオキシド共重合体が知られている。これらのポリマーの中で、転移がシャープであり、相転移温度が生体系への応用に適するポリマーとしてポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)共重合体が代表的であり、共重合成分による相転移温度の制御、相転移温度の改善、相転移メカニズムの解明の各観点から盛んに研究が展開されている。
しかし、現状においては生体内にインプラント可能な生体吸収性を示す温度応答性ハイドロゲルは殆ど無く、既存のものとしてポリ(エチレングリコール)/ポリ(プロピレングリコール)(TISSUE ENGINEERING Vol 8,No 4,709(2002))、ポリ乳酸−ポリグリコール酸−ポリエチレンオキシド共重合体(Journal of Controlled Release.,72,203(2001))しかない。しかしこれらポリマーは合成高分子であるため、生体マトリックス材料と比較すると生体親和性が低い等の問題が考えられる。そこで、生体マトリックス材料に温度応答性を付与できれば、生体吸収性及び生体親和性に優れた理想的な温度応答性ハイドロゲルが得られると予想される。生体マトリックス材料に温度応答性を付与する試みとして、キトサン(国際公開WO 01/36000号明細書)、ヒアルロン酸(国際公開WO 99/24070号明細書)の例が挙げられるが、相転移温度が高く生体内での利用が困難であると考えられるものや、追試において相転移現象を確認できない等問題がある。
【発明の開示】
本発明の主な目的は、生体吸収性及び生体親和性に優れた温度応答性ハイドロゲルを提供することにある。更に詳しくは、多様な応答温度領域に対応できる温度応答性ハイドロゲルを提供する。
本発明は以下の通りである。
1.下記一般式で表されるヒアルロン酸及びポリアルキレンオキシド誘導体からなる化合物であって、

(R2はNH,O、R3はH,CH3、R4はC2H4,CH2CH(CH3)、R5はH,CH3,C2H5,C4H9、のいずれかである。またlは300〜30,000、mは3〜140までの整数である。)
ヒアルロン酸のカルボキシル基100当量ポリアルキレンオキシド誘導体残基の含有量が5〜100当量であるハイドロゲル。
【図面の簡単な説明】
図1は、ジェファーミン(登録商標)XTJ−507をヒアルロン酸のカルボキシル基100当量に対しヒアルロン10当量導入した化合物の相転移挙動図。
図2は、ジェファーミン(登録商標)XTJ−507をヒアルロン酸のカルボキシル基100当量に対しヒアルロン50当量導入した化合物の相転移挙動図。
図3は、ジェファーミン(登録商標)XTJ−507をヒアルロン酸のカルボキシル基100当量に対しヒアルロン100当量導入した化合物の相転移挙動図。
図4は、ヒアルロン酸ナトリウムの相転移挙動図。
図5は、ヒアルロン酸プロピルエステルの相転移挙動図。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明について詳述する。なお、これらの実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
本発明で使用されているヒアルロン酸は、動物組織から抽出したもの、または発酵法で製造したものどちらでも使用できる。発酵法で使用する菌株はストレプトコッカス属のヒアルロン酸生産能を有する微生物であり、ストレプトコッカス・エクイFM−100(特開昭63−123392号公報)、ストレプトコッカス・エクイFM−300(特開平2−234689号公報)が挙げられる。これらの変異株を用いて培養、精製されたものを用いる。またヒアルロン酸の分子量は、約1×10〜1×10ダルトンのものが好ましい。なお本発明でいうヒアルロン酸は、そのアルカリ金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムの塩をも包含する。
本発明で使用されているポリアルキレンオキシドは、1)ポリプロピレングリコール、あるいは2)ポリ(プロピレングリコール)およびポリ(エチレングリコール)からなる共重合体が好ましい。ヒアルロン酸にアミド結合により導入する場合には、1−アミノポリプロピレングリコールメトキシド、1−アミノポリプロピレングリコールエトキシド、1−アミノポリプロピレングリコールプロポキシド、1−アミノポリプロピレングリコールブトキシド、1−アミノポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)メトキシド、1−アミノポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)エトキシド、1−アミノポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)プロポキシド、1−アミノポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)ブトキシドなど末端にアミノ基を有する化合物が挙げられる。また、ヒアルロン酸にエステル結合により導入する場合には、1−クロロポリプロピレングリコールメトキシド、1−クロロポリプロピレングリコールエトキシド、1−クロロポリプロピレングリコールプロポキシド、1−クロロポリプロピレングリコールブトキシド、1−クロロポリ(ポピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)メトキシド、1−クロロポリ(ポピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)エトキシド、1−クロロポリ(ポピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)プロポキシド、1−クロロポリ(ポピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)ブトキシド、1−ブロモポリプロピレングリコールメトキシド、1−ブロモポリプロピレングリコールエトキシド、1−ブロモポリプロピレングリコールプロポキシド、1−ブロモポリプロピレングリコールブトキシド、1−ブロモポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)メトキシド、1−ブロモポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)エトキシド、1−ブロモポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)プロポキシド、1−ブロモポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)ブトキシド、1−ヨードポリプロピレングリコールメトキシド、1−ヨードポリプロピレングリコールエトキシド、1−ヨードポリプロピレングリコールプロポキシド、1−ヨードポリプロピレングリコールブトキシド、1−ヨードポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)メトキシド、1−ヨードポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)エトキシド、1−ヨードポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)プロポキシド、1−ヨードポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)ブトキシドなど末端にハロゲン基を有する化合物が挙げられる。
上記のポリアルキレンオキシド誘導体の分子量は、200〜6,000のものが好ましい。200以下であるとヒアルロン酸との反応生成物が温度応答性を示さない。また、6,000以上であると沈殿物が生じハイドロゲルを形成しない。
ポリ(プロピレングリコール)およぴポリ(エチレングリコール)からなる共重合体を用いる場合は、ポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)の共重合比が1/99〜99.9/0.1のものが好ましい。さらに好ましくは20/80〜99.9/0.1のものが好ましい。この範囲外であるとヒアルロン酸との反応生成物は温度応答性を示さない。
ポリアルキレンオキシド誘導体の含有量は、ヒアルロン酸のカルボキシル基100当量に対し5〜100当量が好ましい。5当量以下であるとヒアルロン酸との反応生成物は温度応答性を示さない。
ヒアルロン酸とポリアルキレンオキシド誘導体の典型的な反応方法は、以下の2通りが挙げられる。
(I)アミド結合
ヒアルロン酸ナトリムをテトラヒドロフラン/水 混合溶媒に溶解し、1−アミノポリアルキレンオキシドを加える。0.1M HCl/0.1M NaOHを添加しpH6.8に調整した後、1−Ethyl−3−[3−(dimethylamino)propyl]−carbodi−imide(EDC)、1−hydroxybenzotriazole(HOBt)を添加する。終夜攪拌後、透析により精製、凍結乾燥を行い、目的物を得る。
(II)エステル結合
ヒアルロン酸−テトラ−n−ブチルアンモニウム塩をN−メチルピロリドンに溶解し、1−ブロモポリアルキレンオキシドを加える。37℃で60時間攪拌した後、塩化ナトリムを加え30分間放置する。その後アセトンで再沈殿を行い、目的物を得る。
【実施例】
以下の実施例により、本発明の詳細をより具体的に説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例に使用したヒアルロン酸ナトリウムはストレプトコッカス属由来の平均分子量が1,000,000のヒアルロン酸ナトリウムであり、これはl=3,500に相当する。その他の試薬についてはテトラヒドロフラン、0.1M HCl、0.1M NaOH、1−Ethyl−3−[3−(dimethylamino)propyl]−carbodi−imide(EDC)、1−Hydroxybenzotriazole(HOBt)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、ヨウ化プロピル、N−メチルピロリドンは和光純薬工業(株)製、ジェファーミン(登録商標)XTJ−507(ポリ(プロピレングリコール)/ポリ(エチレングリコール)の共重合比が39/6、概略分子量が2,000)はハンツマン・コーポレーション製を使用した。
[実施例1]
ヒアルロン酸ナトリウム100mgをテトラヒドロフラン/水=3/2(v/v)40mlに溶解した。この溶液に、ジェファーミン(登録商標)XTJ−507 120mg(0.00006mol)(ヒアルロン酸のカルボキシル基100当量に対し10当量)を加え、更に0.1M HCl/0.1M NaOHを添加し、pH6.8に調整した。1−Ethyl−3−[3−(dimethylamino)propyl]−carbodiimide(EDC)12mg(0.000066mol)、1−hydroxybenzotriazole(HOBt)10mg(0.000066mol)をテトラヒドロフラン/水=3/2 10mlに溶解し、反応系に添加し、終夜攪拌を行った。攪拌後、透析精製を行い、凍結乾燥し目的の化合物を得た。確認は1HNMR(日本電子 JNM−alpha400)により行い、目的物の生成を確認した。
凍結乾燥品30mgをイオン交換水970mgに溶解し、濃度3wt%のハイドロゲルを調整した。このハイドロゲルの相転移挙動を調べるために、Rheometer RFIII(TA Instrument)を使用し、10〜50℃の温度領域で複素弾性率、粘度の測定を行った。その結果を図1に示す(G:複素弾性率、Eta:粘度を表す)。30℃より、複素弾性率、粘度の上昇が確認され50℃で飽和に達した(すなわちゾルからゲルへの転移を表す)。つまり、30〜50℃で温度相転移が起こったことが明らかとなった。
[実施例2]
ジェファーミン(登録商標)XTJ−507 600mg(0.0003mol)(ヒアルロン酸のカルボキシル基100当量に対し50当量)、1−Ethyl−3−[3−(dimethyl−amino)propyl]−carbodiimide(EDC)60mg(0.00033mol)、1−hydroxybenzotriazole(HOBt)50mg(0.00033mol)、濃度1wt%とした以外は、実施例1と同様。結果を図2に示す。
[実施例3]
ジェファーミン(登録商標)XTJ−507 1200mg(0.0006mol)(ヒアルロン酸のカルボキシル基100当量に対し100当量)、1−Ethyl−3−[3−(dimethyl−amino)propyl]−carbodiimide(EDC)120mg(0.00066mol)、1−hydroxybenzotriazole(HOBt)100mg(0.00066mol)、濃度0.5wt%とした以外は、実施例1と同様、結果を図3に示す。
相転移の温度制御については、実施例1〜3に対応する図1〜3の曲線が立ち上がる温度、つまり相転移開始温度を比較するとヒアルロン酸に導入されるジェファーミン(ポリアルキレンオキシド誘導体)の量が多いほど、低温側にシフトしていることが分かる。つまりジェファーミン(ポリアルキレンオキシド誘導体)の導入量をコントロールすることで、所望の相転移温度を有するヒアルロン酸ハイドロゲルを調製することが可能となる。
その他、使用するポリアルキレンオキシド誘導体の分子量、ヒアルロン酸の分子量によっても相転移温度は変えられるものと考えられる。
再生医療領域においては、このようなハイドロゲルをInjectable gelとして内視鏡手術に応用するという期待がある。Injectable gelは、体温より低温の領域では液状で細胞や液性因子を簡単に混入でき、体内に注入すると体温によりゲルになることで取扱い性にすぐれたScaffoldとして期待されている。そのため体温付近で相転移を起こすゲルでないとInjectable gelとしては使用できない。
然しながら、本発明のハイドロゲルは、体温に近い温度で相転移を起こすのでInjectable gelとして使用可能である。
上記のように本発明は、ヒアルロン酸及びポリアルキレンオキシド誘導体からなる、生体吸収性及び生体親和性に優れた温度応答性ハイドロゲルを提供できる。この温度応答性ハイドロゲルは、内視鏡手術をターゲットとした再生医療における人工材料として有用である。
[比較例1]
ヒアルロン酸ナトリウム10mgを、水1mlに溶解し、実施例1と同様に相転移挙動の観察を行った。結果を図4に示す。
[比較例2]
国際公開第99/24070号明細書を参考に追試実験を行った。詳細は以下の通りである。
カラム(Φ1.2×L20cm)にイオン交換樹脂(DOWEX(登録商標)50WX8;Total exchange capacity 1.9eq/l)を充填し、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド水溶液(48g/100ml)を流し置換した。置換後、pHが中性になるまでイオン交換水を流し、次にヒアルロン酸ナトリウム水溶液(2g/1000ml)をカラムに通した後凍結乾燥を行い、ヒアルロン酸テトラ−n−ブチルアンモニウム塩を得た。
得られたヒアルロン酸テトラ−n−ブチルアンモニウム塩1gをN−メチルピロリドン50mlに溶解し、室温でヨウ化プロピルを0.20g(0.0012mol)をゆっくりと滴下し、37℃で60時間攪拌した。攪拌後、塩化ナトリウム1gを加え30分間放置した後、250mlのアセトンを加え沈殿物を得た。得られた沈殿物は、アセトン/水=80/20(ml/ml)200mlで洗浄を行い、真空乾燥し目的物を得た。(このとき、硝酸銀を加え、塩化物イオンが除かれていることを確認する)。確認は1HNMR(日本電子 JNM−alpha400)により行い、目的物の生成(エステル化度50%)を確認した。相転移挙動については、濃度15wt%の条件で実施例1と同様の観察を行った。結果を図5に示す。
比較例1,2のハイドロゲルは共に相転移が確認されなかった。このことからも本発明で得られた生体吸収性及び生体親和性に優れた温度応答性ハイドロゲルは、内視鏡手術をターゲットとした再生医療における人工材料への利用が期待できる。
【産業上の利用可能性】
この温度応答性ハイドロゲルは、内視鏡手術をターゲットとした再生医療における人工材料として有用である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるヒアルロン酸及びポリアルキレンオキシド誘導体からなる化合物であって、

(R2はNH,O、R3はH,CH3、R4はC2H4,CH2CH(CH3)、R5はH,CH3,C2H5,C4H9、のいずれかである。またlは300〜30,000、mは3〜140までの整数である。)
ヒアルロン酸のカルボキシル基100当量に対し、R1の内のポリアルキレンオキシド誘導体残基を5〜100当量含有する化合物。
【請求項2】
請求項1記載の化合物からなるハイドロゲル。

【国際公開番号】WO2005/010080
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【発行日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512109(P2005−512109)
【国際出願番号】PCT/JP2004/011006
【国際出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(000003001)帝人株式会社 (1,209)
【Fターム(参考)】