説明

温度感覚調整用香料組成物、感覚調整用物品並びに感覚調整方法及び香料マップ

【課題】 香料がヒトの温度感覚及び湿度感覚を変化させ得ることを見出し、温度感覚を変化させ得る香料成分を特定し、該香料成分を配合した温度感覚を調整するための香料組成物、或いは温度感覚を調整するために有益な化粧料、芳香剤等の感覚調整用物品若しくは感覚調整方法、更には温度感覚の調整に適する香料を選択するための香料マップを提供せんとするものである。
【解決手段】 ヒトが主観的に感ずる温度(温度感覚)を変化させる香料成分を含有することを特徴とし、温度感覚を変化させる香料成分が、被験者の評価から得られた温度イメージに基づいて特定される香料成分であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、香りによってヒトの主観的な温度感覚を変化させる温度感覚調整用香料組成物、該香料組成物を含む温度感覚調整用物品並びに温度感覚調整方法及び香料マップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、色彩がヒトの温度感覚、時間感覚、重量感覚或いは大きさの感覚に影響を及ぼすことは知られている。例えば、赤、橙、黄等の暖色系の色は、あたたかいイメージや膨張するイメージをもたらし、ヒトの感覚をその方向に変化させる効果を有しているのに対し、黒、青、白、紫等の寒色系の色は、冷たいイメージや収縮するイメージをもたらすことが知られている。一方、香料については、甘い、濃い、透明な、すっとする等の感覚イメージを有し、香りによりヒトの感情を癒し、快楽感を付与し、ストレスを解消し或いは作業効率を向上する等の効果をもたらすことが知られている。例えば、特開2001−49286号公報には、睡眠不足によるストレスを緩和させる香料成分に関する発明が開示されている。しかしながら、香りと温度感覚との関係を研究し、香りによって温度感覚を変化させる得ることは、従来全く提案されていない。
【0003】
【特許文献1】特開2001−049286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、香料がヒトの温度感覚を変化させ得ることを見出し、温度感覚を変化させ得る香料成分を特定し、該香料成分を配合した温度感覚を調整するための香料組成物、或いは温度感覚を調整するために有益な化粧料、芳香剤等の感覚調整用物品若しくは感覚調整方法、更には温度感覚の調整に適する香料を選択するための方法若しくは香料マップを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、ヒトが主観的に感ずる温度(温度感覚)を変化させる香料成分を含有する温度感覚調整香料組成物であることを特徴とし、ヒトが主観的に感ずる温度(温度感覚)をあたたかく変化させる香料成分、若しくはヒトが主観的に感ずる温度(温度感覚)を冷たく変化させる香料成分を含有することを特徴とする。
【0006】
温度感覚を変化させる香料成分が、被験者の評価から得られた温度イメージに基づいて特定される香料成分であり、香料組成物全体の香調が、被験者から得られた温度イメージに基づいて特定される香料組成物であること特徴とする。
【0007】
第2の発明は、前記香料組成物を含有し、物品の温度感覚および又は使用性・肌実感を変化させるために用いる温度感覚および又は使用性・肌実感調整用物品、例えば化粧料の温度感覚及び又は使用性・肌実感を変化させる化粧料であることを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、前記香料成分をヒトに嗅がせることによって、温度感覚及び又は使用性・肌実感を変化させることを特徴とする温度感覚及び又は使用性・肌実感調整方法であり、例えば前記香料組成物を、特定の空間内に放出することによって、該空間内のヒトの温度感覚及び又は使用性・肌実感を変化させることを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、ヒトが香料成分及び又は香料組成物を嗅いだときに受ける香りのイメージとして、X軸にテンダー(まろやか・甘い)とシャープ(すっとする)を対極にとり、Y軸にナチュラル(透明な・明るい)とリッチ(濃い・むんむんする)を対極にとり、該X・Y軸を備えた座標平面(マップ)上に前記香りのイメージに基づいて特定の香料成分及び又は香料組成物を位置づけ、マップ上の位置によって、該香料成分及び又は香料組成物が変化させる温度感覚及び又は使用性・肌実感を推定する方法であり、第5の発明はヒトが香料成分及び又は香料組成物を嗅いだときに受ける香りのイメージとして、X軸にテンダー(まろやか・甘い)とシャープ(すっとする)を対極にとり、Y軸にナチュラル(透明な・明るい)とリッチ(濃い・むんむんする)を対極にとり、該X・Y軸を備えた座標平面(マップ)上に前記香りのイメージに基づいて特定の香料成分及び又は香料組成物を位置づけた香料マップである。
【0010】
温度感覚をあたたかく変化させる香料成分が、バニリン(vanillin)、4−ターシャリー−ブチル−アルファ−メチルヒドロシンナミックアルデヒド(4−tert−Butyl−α−methylhydrocinnamic aldehyde)、ヘリオトロピン(heliotropine)、4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン(4,6,6,7,8,8−Hexamethyl−1,3,4,6,7,8−hexahydrocyclopentabenzopyran)、ガンマーウンデカラクトン(γ−undecalactone)、ベータ・イオノン(β−ionone)、クミン(cumin oil)、ラベンダー(lavender oil)、クローブ(clove oil)、3アルファ,6,6,9アルファ−テトラメチルドデカヒドロナフソ[2,1−b]フラン(3α,6,6,9,α−Tetramethyldodecahydronaphtho[2,1−b]furan)、マルトールの群から選択された成分であることを特徴とする。
【0011】
温度感覚を冷たく変化させる香料成分が、ペパーミント(peppermint oil)、ベルガモット(bergamot oil)、スペアミント(speamint oil)、ライム(lime oil)、7−メチル−3,4−ジヒドロ−(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン(7−Methyl−3,4−dihydro−(2H)−1,5−benzodioxepin−3−one)、カモミール(chamomile oil)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド(2,4−Dimethyl−3−cyclohexenyl carboxyaldehyde)、マジョレイン(majolaine oil)、パチョリ(patchouli oil)、ジャスミン(jasmin abs)、サンダラウッド(sandalwood oil)、ゼラニウム(geranium oil)、ローズ(rose oil)、メチル−N−3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクチリデン−アンスラニレート(Methyl−N−3,7−dimethyl−7−hydoroxyoctylidene−anthranilate)の群から選択された成分であることを特徴とする。
【0012】
第6の発明は、前記温度感覚をあたたかく変化させる香料成分又は香料組成物をヒトに嗅がせることによって、肌の水分量を増加させ、若しくは温度感覚を冷たく変化させる香料成分又は香料組成物ヒトに嗅がせることによって、肌の皮脂量を減少させることを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、温度感覚を変化させ得る香料成分及び香料組成物を特定し、香料成分からもたらされる香りにより、温度感覚を変化・調整することが可能となる。又、被験者から得られた温度イメージに基づいて、温度感覚を変化させうる香料成分及び香料組成物を容易且確実に選択することが可能となる。又、本発明の温度感覚調整香料組成物を含有させた物品、化粧料等を使用することにより、使用者や香りが存在する空間にいるヒトの温度感覚及び又は使用性・肌実感を変化・調整することが可能となる。更に、香料マップを利用することにより、香料成分及び又は香料組成物が変化させうる温度感覚及び又は使用性・肌実感を推定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。この発明は、香りによりヒトの温度感覚を変化させ得る香料成分を特定し、該香料成分を配合して温度感覚を調整するための香料組成物を提供し、又、該香料組成物を含む温度感覚調整用物品を調製し、更には該香料組成物を揮散させて温度感覚を調整することを特徴とする。又、香料マップを利用して、温度感覚を調整するための所望の香料を容易、確実に選択し得るようにしたことを特徴とする。
【0015】
本発明者等は、種々研究の結果特定の香料成分からもたらされる香りは、ヒトが主観的に感じる温度(温度感覚)を変化させ得ることを見出した。被験者12名に水温を一定にした水に手を入れて主観的に感じる水の温度を、7あつい・6あたたかい・5ややあたたかい・4どちらともいえない・3やや冷たい・2冷たい・1非常の冷たいの7段階で評価させた。又、同じ被験者12名にペパーミントの香りを嗅いでいる状態で、同様に、水温を一定にした水に手を入れて主観的に感じる水の温度を7段階で評価させた。さらに、水温を1度ずつ上げて同じ実験を繰り返し、28℃で香りがない条件下での評価と、ペパーミントの香りを嗅ぐ条件での評価が同じになる温度を調べた。その結果、28℃に調整した水に手を入れたときの評価の平均値は、香りがない条件では4.8「ややあたたかい」と評価され、香りを嗅ぐ条件では、3「やや冷たい」と評価された。さらに、香りを嗅ぐ条件で水温を32℃まで上げると4.7「ややあたたかい」と評価され、香りがない条件で28℃の水の評価4.8「ややあたたかい」と、ペパーミントの香りを嗅ぐ条件での32℃の水の評価がほぼ同じとなることが判明した。すなわち、ペパーミントの香りは温度感覚を約4℃変化させることが判明した。
【0016】
又、同じ温度において、香りがない条件と香りのある条件での温度感覚の変化を確認するために、水温を28℃とした水に手を入れて主観的に感じる温度を前記と同様に12名の被験者に7段階で評価させた。香りのない条件では、5.25「ややあたたかい」との評価であったが、スペアミントの主成分であるL−カルボンの香りを嗅ぐ条件では、4「どちらとも言えない」との評価であった。更に、同様の実験をペパーミントの主成分であるL−メントールの香りを嗅ぐ条件で行った。香りのない条件では、4.63「ややあたたかい」との評価であり、香りのある条件では4.125「どちらとも言えない」との評価であった。これらの実験の結果、同じ28℃の水でも、香りのない条件の水の温冷感の値が実験により若干異なっていることが判明した。
【0017】
次に、後述する代表的な24種の香料について、ヒトの温度感覚を変化させうる香料成分を特定するため、複数の被験者にそれぞれ特定の香りを嗅がせて、香りの温度イメージを、7とてもあたたかい、6あたたかい、5ややあたたかい、4どちらともいえない、3やや冷たい、2冷たい、1とても冷たい、の7段階で評価させた。アンケート調査は、24種の原料香料について、各香料成分毎に20〜24歳の女性17〜18名を選出し、短冊状のにおい紙に原料香料を噴霧してアンケート対象者に呈示して行った。
【0018】
さらに、図1に示すように後述する代表的な24種の香料について、香りによる化粧料の温度感覚と、香りありの場合と香りなしの場合の使用性・肌実感を比較し、香りなしに対する評価を行った。検証対象者は、前記温度感覚について行ったアンケート調査と同様に20〜24歳の女性17〜18名を選出し、香料を付与した綿と香料を付与しない綿を別々の腕に付着し、綿の香りを嗅ぎつつ無賦香クリームを腕に塗布して、主観的に感じるクリームの温度を、5あたたかい・4ややあたたかい・3どちらともいえない・2やや冷たい・1つめたい、の5段階で評価させた。
【0019】
24種の原料香料は、バニリン(vanillin)、4−ターシャリー−ブチル−アルファ−メチルヒドロシンナミックアルデヒド(4−tert−Butyl−α−methylhydrocinnamic aldehyde)、ヘリオトロピン(heliotropine)、4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン(4,6,6,7,8,8−Hexamethyl−1,3,4,6,7,8−hexahydrocyclopentabenzopyran)、ガンマーウンデカラクトン(γ−undecalactone)、ベータ・イオノン(β−ionone)、クミン(cumin oil)、ラベンダー(lavender oil)、クローブ(clove oil)、3アルファ,6,6,9アルファ−テトラメチルドデカヒドロナフソ[2,1−b]フラン(3α,6,6,9,α−Tetramethyldodecahydronaphtho[2,1−b]furan)、ペパーミント(peppermint oil)、ベルガモット(bergamot oil)、スペアミント(speamint oil)、ライム(lime oil)、7−メチル−3,4−ジヒドロ−(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン(7−Methyl−3,4−dihydro−(2H)−1,5−benzodioxepin−3−one)、カモミール(chamomile oil)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド(2,4−Dimethyl−3−cyclohexenyl carboxyaldehyde)、マジョレイン(majolaine oil)、パチョリ(patchouli oil)、ジャスミン(jasmin abs)、サンダラウッド(sandalwood oil)、ゼラニウム(geranium oil)、ローズ(rose oil)、メチル−N−3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクチリデン−アンスラニレート(Methyl−N−3,7−dimethyl−7−hydoroxyoctylidene−anthranilate)である。
【0020】
前記実験で得られた複数の被験者の評価結果に関し因子分析を行った結果、「香りの温度イメージ(あたたかい)」と「主観的に感じる温度(あたたかい)」には、正の相関関係があり、相関係数は0.67であった。よって、前記のように複数の被験者から得られた温度イメージに基づいて、温度感覚を変化させうる香料成分及び香料組成物を容易且確実に選択することが可能となる。尚、香りは、香料成分だけでなく、香料組成物全体の調香に関しても同様の効果がある。
【0021】
又、上記の実験の結果、あたたかい温度イメージを持つ香料原料及び温度感覚をあたたかく変化させうる原料香料は、バニリン(vanillin)、4−ターシャリー−ブチル−アルファ−メチルヒドロシンナミックアルデヒド(4−tert−Butyl−α−methylhydrocinnamic aldehyde)、ヘリオトロピン(heliotropine)、4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン(4,6,6,7,8,8−Hexamethyl−1,3,4,6,7,8−hexahydrocyclopentabenzopyran)、ガンマーウンデカラクトン(γ−undecalactone)、ベータ・イオノン(β−ionone)、クミン(cumin oil)、ラベンダー(lavender oil)、クローブ(clove oil)、3アルファ,6,6,9アルファ−テトラメチルドデカヒドロナフソ[2,1−b]フラン(3α,6,6,9,α−Tetramethyldodecahydronaphtho[2,1−b]furan)、マルトールであった。又、シロップ様香料、チョコレート様香料、ココナッツ様香料も、温度感覚をあたたかく変化させうるものである。
【0022】
逆に、冷たい温度イメージを持つ香料原料及び温度感覚を冷たく変化させうる原料香料は、ペパーミント(peppermint oil)、ベルガモット(bergamot oil)、スペアミント(speamint oil)、ライム(lime oil)、7−メチル−3,4−ジヒドロ−(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン(7−Methyl−3,4−dihydro−(2H)−1,5−benzodioxepin−3−one)、カモミール(chamomile oil)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド(2,4−Dimethyl−3−cyclohexenyl carboxyaldehyde)、マジョレイン(majolaine oil)、パチョリ(patchouli oil)、ジャスミン(jasmin abs)、サンダラウッド(sandalwood oil)、ゼラニウム(geranium oil)、ローズ(rose oil)、メチル−N−3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクチリデン−アンスラニレート(Methyl−N−3,7−dimethyl−7−hydoroxyoctylidene−anthranilate)であった。尚、香りは、香料成分だけでなく、香料組成物全体の調香に関しても同様の効果がある。
【0023】
尚、これらの24種の香料原料は、単に例を示すに過ぎず、本発明はこれら24種の香料に限られるものではない。本発明は、温度感覚を変化させる香料成分を特定し、該香料成分を配合してヒトが感ずる温度感覚を調製するための調整用香料組成物等として用いるようにしたものであり、記述した24種以外の香料原料であっても、前述したようなアンケート調査等によって被験者の評価から得られた温度イメージに基づいて特定される、温度感覚を変化させ得る香料成分を含むものである。又、後述する香料マップによって、温度感覚が未知な香料原料についても、香料の香りの印象を利用して温度感覚、更には使用性・肌実感を判定することが可能であり、このようにして判定され、特定される香料原料も本発明に含まれるものである。
【0024】
次に、香りによる化粧料の温度感覚、使用性若しくは肌への使用実感の相関関係、並びに香りのイメージとの相関関係を前記24種の原料香料について検証した。検証方法は、クリームについて、図1に示すように、香りの温度感覚、クリームの使用感、肌実感を香りのない場合と対比して、評価させた。香りのイメージは、0〜6の7段階評価を行い、使用性・肌実感は、5そう思う〜1そう思わないの5段階評価で評価させた。又、この使用性の評価に合わせて同時に当該香料の香りの印象を評価させた。香料によるクリームの変質を防止するために、香料成分をクリームに直接配合せず、綿に含ませて嗅がせる方法を採った。
【0025】
使用感・肌実感を表す用語としては、クリームの伸び具合(軽い−重い)、肌へのなじみ(早い−遅い)、肌のみずみずしさ(ある−ない)、肌のべたつき(ない−ある)、肌のさっぱりさ(ある−ない)、肌のしっとりさ(ある−ない)、肌のさらさらさ(ある−ない)、肌のなめらかさ(ある−ない)、肌のはり感(ある−ない)、肌の引き締まり感(ある−ない)、を選択し、それぞれ5段階の評価を求めた。
【0026】
香りの印象は、五感を表現するときに使われる感覚形容語と感情形容語の中から、香りの特徴が表現されやすい用語、ナチュラル、リッチ、テンダー、シャープの4種類の用語を総称的用語として選択した。各総称的用語は具体的な香りの印象用語が含まれる。例えば、「ナチュラル」には透明な・明るい、自然な、清楚な等、「リッチ」には濃い・むんむんする、大人っぽい、艶やかな、セクシーな等、「テンダー」にはまろやか・甘い、やさしい、上品な等、「シャープ」にはすっとする、シャープな、クールな等の印象表現がそれぞれ含まれている。当該香りについて用語の印象は、0「全く感じない」〜6「はっきり感じる」までを7段階で評価させた。尚、使用感・肌実感を表す用語及び香りの印象を表す用語は、単に例を示したに過ぎず、かかる用語の限られるものでない。特に、香りの印象を表す用語については、特開2001−174450号公報に開示された香りの評価用語を採用することが出来る。
【0027】
表1は、代表的な8種の香料原料について、香りによるクリームの温度感覚変化と、使用性・肌実感及び香りのイメージの評価の平均値を示す表である。又、図2は、香りによるクリームの温度感覚変化と使用性・肌実感「肌のさっぱりさ」との関係を示すグラフである。図3は、温度感覚と肌のしっとりさとの関係を示すグラフである。表1及び図2,3から冷たく感じさせる香りを有するクリームは、無賦香クリームと比較すると、肌のさっぱりさ、さらさら感、引き締まり感を感じさせ、温かく感じさせる香りを有するクリームは、無賦香クリームよりも、肌のしっとりさ、なめらかさを感じさせることが判明した。かくして、温度感覚を調整し得る香料成分を配合した化粧料は、その香りにより使用感・肌実感を変化させ得ることが理解され、化粧料の使用感・肌実感を香りにより調整することが可能となる。表1において、Aはペパーミント、Bは4−ターシャリー−ブチル−アルファ−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、Cはバニリン、Dはマジョレイン、Eは2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド、Fはクミン、Gはガンマーウンデカラクトン、Hはライムである。
【0028】
【表1】

【0029】
表2は、香りによって変化する温度感覚、使用性・肌実感を、因子分析により「しっとり系−さっぱり系(因子1)」と、「伸び・なじみ(因子2)」に分類して、相互の関係を因子負荷量で見た表である。この表2から、i.香りによって変化するさっぱり系としっとり系の肌実感は、対極の関係にあること、ii.伸びの軽さと伸びの重さは対極の関係にあること、iii.しっとり系−さっぱり系の軸と伸びの軽さ・重さの軸は交差する関係にあること、が判明した。
【0030】
【表2】

【0031】
表3は、香りによって変化する温度感覚、使用性・肌実感と香りのイメージとの相関係数を示す表である。表3より、さっぱり系の肌実感を感じさせる香りは、明るく、透明で、すっとする評価が高く、まろやかさ、甘さ、濃さの評価が低い香料である。しっとり系の肌実感を感じさせる香りは、まろやかさ、甘さの評価が高く、すっとするの評価が低い香料である。伸びが軽くなじみの早さを感じさせる香りは、明るさ、透明さの評価が高く、濃さの評価が低い香料であることが理解される。
【0032】
【表3】

【0033】
そして、香りのイメージと温度感覚、使用性・肌実感の間に表1〜3及び図2,3の相関関係があることから、図4の座標平面(マップ)を得ることが出来る。図4はヒトが香料成分及び又は香料組成物を嗅いだときに受ける香りのイメージとして、X軸にテンダー(まろやか・甘い)とシャープ(すっとする)を対極にとり、Y軸にナチュラル(透明な・明るい)とリッチ(濃い・むんむんする)を対極にとり、該X・Y軸を備えた座標平面(マップ)上に前記香りのイメージに基づいて特定の香料成分及び又は香料組成物を位置づけ、マップ上の位置によって、該香料成分及び又は香料組成物が変化させる温度感覚及び又は使用性・肌実感を推定することを可能とする香料マップを構成している。
【0034】
図1に関連して説明したように、あたたかい−冷たいの香りの印象と温度感覚とは同じ軸線上に位置するため、図4の香料マップのX軸は、香りによって変化する温度感覚の軸となっており、右端に「あたたかい」、左端に「冷たい」が位置する。更にX軸線は、使用性・肌実感の「さっぱり系−しっとり系」の軸でもあり、右端に「しっとり(肌のなめらかさがある、肌のしっとりさがある)」、左端に「さっぱり(肌の引き締まり感がある、肌のさっぱりさがある、肌のはり感がある、肌のさらさら感がある)」が位置する。
【0035】
これに対し、Y軸線は、上端を「ナチュラル」、下端を「リッチ」とした香りの印象軸であり、同時にY軸は伸びの軽重を示す使用性・肌実感の軸で、上端は「伸びが軽い(肌へのなじみが早い、肌のみずみずしさがある、肌のべたつきがない)」、下端には「伸びが重い(クリームのこってりさがある、肌のふっくらさがある、肌のもっちりさがある)」が位置する。尚、このY軸は温度感覚とは無相関である。
【0036】
香料成分又は香料組成物全体の香りの印象を前記方法により評価して、図4に示すようなマップ上に位置づけることで、そのX軸上の位置から温度感覚、及び肌のなめらかさ、肌のしっとりさ、肌の引き締まり感、肌のはり感、肌のさらさら感といった使用性・肌実感を変化させる香料と、その効果の程度を判断することが可能となる。又、Y軸上の位置から、クリームの伸び、肌へのなじみ、肌のみずみずしさ、肌のべたつき、クリームのこってりさ、肌のふっくらさ、肌のもっちりさといった使用性・肌実感を変化させうる香料と、その効果の程度を判断することが可能となる。よって、このようなマップを使用することにより、ほとんどの香料成分又は香料組成物が変化させうる温度感覚及び又は使用性・肌実感を推定し、目的とする効果を有する香料を容易且確実に選択することが可能となる。
【0037】
尚、前記しっとり系の使用性・肌実感をもたらす香料原料としては、バニリン(vanillin)、4−ターシャリー−ブチル−アルファ−メチルヒドロシンナミックアルデヒド(4−tert−Butyl−α−methylhydrocinnamic aldehyde)、ヘリオトロピン(heliotropine)、4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン(4,6,6,7,8,8−Hexamethyl−1,3,4,6,7,8−hexahydrocyclopentabenzopyran)、ガンマーウンデカラクトン(γ−undecalactone)、ベータ・イオノン(β−ionone)、クミン(cumin oil)、ラベンダー(lavender oil)、クローブ(clove oil)、3アルファ,6,6,9アルファ−テトラメチルドデカヒドロナフソ[2,1−b]フラン(3α,6,6,9,α−Tetramethyldodecahydronaphtho[2,1−b]furan)をあげることが出来、さっぱり系の使用性・肌実感をもたらす香料原料としては、ペパーミント(peppermint oil)、ベルガモット(bergamot oil)、スペアミント(speamint oil)、ライム(lime oil)、7−メチル−3,4−ジヒドロ−(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン(7−Methyl−3,4−dihydro−(2H)−1,5−benzodioxepin−3−one)、カモミール(chamomile oil)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド(2,4−Dimethyl−3−cyclohexenyl carboxyaldehyde)、マジョレイン(majolaine oil)、パチョリ(patchouli oil)、ジャスミン(jasmin abs)、サンダラウッド(sandalwood oil)、ゼラニウム(geranium oil)、ローズ(rose oil)、メチル−N−3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクチリデン−アンスラニレート(Methyl−N−3,7−dimethyl−7−hydoroxyoctylidene−anthranilate)をあげることが出来、これらは前述したあたたかい温度感覚と冷たい温度感覚をもたらす香料原料と一致するものである。
【0038】
又、伸び重い系の使用性・肌実感をもたらす香料原料としては、クミン(cumin oil)、パチョリ(patchouli oil)、クローブ(clove oil)、ジャスミン(jasmin abs)、メチル−N−3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクチリデン−アンスラニレート(Methyl−N−3,7−dimethyl−7−hydoroxyoctylidene−anthranilate)、バニリン(vanillin)をあげることが出来、伸び軽い系の使用性・肌実感をもたらす香料原料としては、ガンマーウンデカラクトン(γ−undecalactone)、4−ターシャリー−ブチル−アルファ−メチルヒドロシンナミックアルデヒド(4−tert−Butyl−α−methylhydrocinnamic aldehyde)、ヘリオトロピン(heliotropine)、ローズ(rose oil)、7−メチル−3,4−ジヒドロ−(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン(7−Methyl−3,4−dihydro−(2H)−1,5−benzodioxepin−3−one)、ライム(lime oil)、ゼラニウム(geranium oil)、カモミール(chamomile oil)、ベルガモット(bergamot oil)、ペパーミント(peppermint oil)、ベータ・イオノン(β−ionone)、マジョレイン(majolaine oil)、4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン(4,6,6,7,8,8−Hexamethyl−1,3,4,6,7,8−hexahydrocyclopentabenzopyran)、ラベンダー(lavender oil)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド(2,4−Dimethyl−3−cyclohexenyl carboxyaldehyde)、スペアミント(speamint oil)、3アルファ,6,6,9アルファ−テトラメチルドデカヒドロナフソ[2,1−b]フラン(3α,6,6,9,α−Tetramethyldodecahydronaphtho[2,1−b]furan)をあげることが出来る。
【0039】
又、以上述べたヒトの温度感覚を変化させることの出来る香料成分を含有した香料組成物を揮散等の手段によって、所定の空間に放散させ、ヒトに嗅がせることにより、該空間内に位置するヒトの温度感覚を変化させることが可能となる。このことを実証するため、香りを付けた紙を入れた透明なボックスと香りのない紙を入れた透明なボックスを用意し、二つのボックスに顔を入れて、空間の温度感覚を比較する実験を行った。評価は、香りなしとの差を、7とても冷たい・6冷たい・5やや冷たい・4どちらともいえない・3ややあたたかい・2あたたかい、1とてもあたたかいの7段階で評価させた。実験は、ペパーミントとバニリンについて、被験者20〜24歳の女子学生12名を対象に、室温23度、湿度46%の条件下で行った。図5は、その評価結果を示すグラフであり、香りによって空間内に位置するヒトの温度感覚を変化させ得ることが判明した。香料組成物を空間に放散させ、ヒトに嗅がせる場合、香りの濃度は0.01ppmから10ppm程度が好ましい。例えば、ペパーミントオイルでは、0.4ppm程度が好適であった。
【0040】
更に図6に示すような二つの透明なボックス(1)(2)を用意し、一方のボックスに香料ボックス(3)内の香料成分(4)を空気ポンプ(5)で送給し、他方のボックス(2)には何等の香りも送給しないで、二つのボックスに交互に顔を入れて、空間の温度感覚を比較する実験をペパーミント、ベルガモット及びバニリンの三種の香りについて行った。ボックス(1)(2)の上面には開閉自在な蓋(6)が設けられている。被験者及び実験条件は前記と同様である。その結果を図7,8に示す。図7は、ボックス内の温冷感の評価を示すグラフであり、香りによって顔で感ずる温度感覚が変化していることが理解される。例えば、ペパーミントでは冷感が感じられており、濃度が大きいほど強い冷感の評価となっている。又、バニリンでは温感が感じられており、濃度が大きいほど強い温感の評価となっている。ベルガモットは、冷感が感じられるが、濃度が高過ぎない方が冷感が強く感じられる評価となっており、香りの濃度が高すぎると効果が得られにくく、程良い濃度において温度感覚が適切に得られるものであることが理解される。図8は、濃度によるボックス内の香り強度の評価を示すグラフである。
【0041】
又、芳香液を吐出出来るようにした芳香液収納容器を内部に備える空調装置、エアコン、送風機、加湿器、除湿器等の手段によって、特定の空間内に特定の香りを放散させることにより、該空間内のヒトに外部の空間よりも変化した冷感若しくは温感を感得させるようにすることが可能となる。香りの放散手段としては、これに限られるものではなく、芳香剤を含浸させたフィルターを前記空調装置等の吹出口に着脱自在に取付けるようにしたものであっても良い。又、芳香剤としては、後述する冷感香料1〜4,温感香料1〜4が好適であるが、これらの香料に限られるものではない。
【0042】
又、温度感覚を変化させうる香料において、温度感覚をあたたかく変化させる香りには、肌の水分量を増加させる効果、温度感覚を冷たく変化させる香りには、肌の皮脂量を減少させる効果があることが下記実験の結果判明した。
【0043】
(実験方法)
被験者20〜24歳の女子学生12名を対象に、室温23度、湿度46%の条件下、洗顔後、鼻腔下に香り付き綿を添付し、数分間安静にした後、頬の水分量(Corneometer)と皮脂量(Sebumeter)を測定した。その結果は、表4の通りであった。
【0044】
【表4】

【0045】
次に、この発明を適用して使用性、肌実感等を変化させ得るようにした化粧料の具体的な実施例1〜9を挙示する。尚、実施例1〜9の各化粧料に添加される冷感香料1〜4及び温感香料1〜4の具体的な香料組成成分と配合割合は、下記の通りである。
【0046】

【0047】

【0048】

【0049】

【0050】

【0051】

【0052】

【0053】

【実施例1】
【0054】

【実施例2】
【0055】

【実施例3】
【0056】

【実施例4】
【0057】

【実施例5】
【0058】

【実施例6】
【0059】

【実施例7】
【0060】

【実施例8】
【0061】

【実施例9】
【0062】

【実施例10】
【0063】

【実施例11】
【0064】

【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】クリームへの香りによる温度感覚の変化を検証する方法を示す図
【図2】香りによるクリームの温度感覚と「肌のさっぱりさ」との関係を示すグラフ
【図3】香りによるクリームの温度感覚と「肌のしっとりさ」との関係を示すグラフ
【図4】香料マップを示す図
【図5】香りと空間の温度感覚との関係を示すグラフ
【図6】空間内の香りによる温度感覚の差異を確認するための実験装置の概念図
【図7】該実験装置内の冷温感の評価を示すグラフ
【図8】該実験装置内の香りの強度に関する評価のグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトが主観的に感ずる温度(温度感覚)を変化させる香料成分を含有することを特徴とする温度感覚調整用香料組成物。
【請求項2】
ヒトが主観的に感ずる温度(温度感覚)をあたたかく変化させる香料成分を含有することを特徴とする請求項1記載の温度感覚調整用香料組成物。
【請求項3】
ヒトが主観的に感ずる温度(温度感覚)を冷たく変化させる香料成分を含有することを特徴とする請求項1記載の温度感覚調整用香料組成物。
【請求項4】
温度感覚を変化させる香料成分が、被験者の評価から得られた温度イメージに基づいて特定される香料成分であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の温度感覚調整用香料組成物。
【請求項5】
香料組成物全体の香調が、被験者から得られた温度イメージに基づいて特定される組成物であること特徴とする請求項1、2又は3記載の温度感覚調整用香料組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の香料組成物を含有し、物品の温度感覚および又は使用性・肌実感を変化させるために用いる温度感覚および又は使用性・肌実感調整用物品。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載の香料組成物を含有し、化粧料の温度感覚及び又は使用性・肌実感を変化させるようにしたことを特徴とする温度感覚及び又は使用性・肌実感調整用化粧料。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれかに記載の香料成分をヒトに嗅がせることによって、温度感覚及び又は使用性・肌実感を変化させることを特徴とする温度感覚及び又は使用性・肌実感調整方法。
【請求項9】
請求項1乃至5のいずれかに記載の香料組成物を、特定の空間内に放出することによって、該空間内のヒトの温度感覚及び又は使用性・肌実感を変化させることを特徴とする温度感覚及び又は使用性・肌実感調整方法。
【請求項10】
ヒトが香料成分及び又は香料組成物を嗅いだときに受ける香りのイメージとして、X軸にテンダー(まろやか・甘い)とシャープ(すっとする)を対極にとり、Y軸にナチュラル(透明な・明るい)とリッチ(濃い・むんむんする)を対極にとり、該X・Y軸を備えた座標平面(マップ)上に前記香りのイメージに基づいて特定の香料成分及び又は香料組成物を位置づけ、マップ上の位置によって、該香料成分及び又は香料組成物が変化させる温度感覚及び又は使用性・肌実感を推定する方法。
【請求項11】
ヒトが香料成分及び又は香料組成物を嗅いだときに受ける香りのイメージとして、X軸にテンダー(まろやか・甘い)とシャープ(すっとする)を対極にとり、Y軸にナチュラル(透明な・明るい)とリッチ(濃い・むんむんする)を対極にとり、該X・Y軸を備えた座標平面(マップ)上に前記香りのイメージに基づいて特定の香料成分及び又は香料組成物を位置づけ、マップ上の位置によって、該香料成分及び又は香料組成物が変化させる温度感覚及び又は使用性・肌実感を推定するための香料マップ。
【請求項12】
温度感覚をあたたかく変化させる香料成分が、バニリン(vanillin)、4−ターシャリー−ブチル−アルファ−メチルヒドロシンナミックアルデヒド(4−tert−Butyl−α−methylhydrocinnamic aldehyde)、ヘリオトロピン(heliotropine)、4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン(4,6,6,7,8,8−Hexamethyl−1,3,4,6,7,8−hexahydrocyclopentabenzopyran)、ガンマーウンデカラクトン(γ−undecalactone)、ベータ・イオノン(β−ionone)、クミン(cumin oil)、ラベンダー(lavender oil)、クローブ(clove oil)、3アルファ,6,6,9アルファ−テトラメチルドデカヒドロナフソ[2,1−b]フラン(3α,6,6,9,α−Tetramethyldodecahydronaphtho[2,1−b]furan)、マルトールの群から選択された成分であることを特徴とする請求項1、2、4又は5記載の温度感覚調整用香料組成物。
【請求項13】
温度感覚を冷たく変化させる香料成分が、ペパーミント(peppermint oil)、ベルガモット(bergamot oil)、スペアミント(speamint oil)、ライム(lime oil)、7−メチル−3,4−ジヒドロ−(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン(7−Methyl−3,4−dihydro−(2H)−1,5−benzodioxepin−3−one)、カモミール(chamomile oil)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド(2,4−Dimethyl−3−cyclohexenyl carboxyaldehyde)、マジョレイン(majolaine oil)、パチョリ(patchouli oil)、ジャスミン(jasmin abs)、サンダラウッド(sandalwood oil)、ゼラニウム(geranium oil)、ローズ(rose oil)、メチル−N−3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクチリデン−アンスラニレート(Methyl−N−3,7−dimethyl−7−hydoroxyoctylidene−anthranilate)の群から選択された成分であることを特徴とする請求項1、3、4又は5記載の温度感覚調整用香料組成物。
【請求項14】
請求項1、2、4又は5記載の温度感覚をあたたかく変化させる香料成分又は香料組成物をヒトに嗅がせることによって、肌の水分量を増加させることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1、3、4又は5記載の温度感覚を冷たく変化させる香料成分又は香料組成物ヒトに嗅がせることによって、肌の皮脂量を減少させることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【国際公開番号】WO2005/023968
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【発行日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513655(P2005−513655)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012659
【国際出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】