説明

温度調整装置

【課題】車両の室内の昇温を抑止する技術を提供する。
【解決手段】温度調整装置は、車両に搭載される複数のソーラーパネルと、複数のソーラーパネルそれぞれの発電量を読み取り、供給電力をソーラーパネルごとに算出する電子制御ユニットと、複数のソーラーパネルそれぞれに対応する複数のガラスであり、印加される電圧に応じて色調を変化させるクロミックガラスと、電子制御ユニットによって算出されるソーラーパネルごとの供給電力に応じた電圧を、対応するクロミックガラスへ印加するクロミックガラス制御ユニットと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の室内の温度を調整する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
炎天下駐車等の条件で、日射により車両の室内の温度が上昇し、部品の熱劣化が促進される。
【0003】
従来技術として、車両ガラスとしてクロミック材を付加したガラス(以下、クロミックガラス)を採用し、日射センサやGPS、ジャイロセンサ等を用い、太陽軌道や時刻等の情報と併せて日射仰角を算出し、照射量の多い部位については優先的にクロミックガラスを用いて調光し、車室内の昇温を抑制する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−123011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術では、クロミックガラスを制御するために必要となる情報が多く、数多くのセンサ等が必要となるためコストがかかる。また時々刻々と変わるデータを演算処理させる必要があり、システム全体で消費される電力もその分多くなる。また従来技術では、電力を補機バッテリから取得するため、補機バッテリの劣化を助長する。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされるものであり、簡易な構成で車室内の昇温を抑止する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の温度調整装置は、車両に搭載される複数のソーラーパネルと、複数のソーラーパネルそれぞれの発電量を読み取り、供給電力をソーラーパネルごとに算出する電子制御ユニットと、複数のソーラーパネルそれぞれに対応する複数のガラスであり、印加される電圧に応じて色調を変化させるクロミックガラスと、電子制御ユニットによって算出されるソーラーパネルごとの供給電力に応じた電圧を、対応するクロミックガラスへ印加するクロミックガラス制御ユニットと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ソーラーパネルの発電量に応じて、クロミックガラスの色調を変化させることができる。例えば、ソーラーパネルの発電量が多いほど、言い換えれば、ソーラーパネルに太陽光が到達しやすいほど、このソーラーパネルに対応するクロミックガラスの色調を変化させやすくなる。これにより、太陽光が車室内に入射して、車室内の温度が上昇するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態の温度調整装置の構成例を示すブロック図である。
【図2A】クロミックガラスの特性、およびソーラーパネルの特性を示す図である。
【図2B】クロミックガラスの特性、およびソーラーパネルの特性を示す図である。
【図2C】クロミックガラスの特性、およびソーラーパネルの特性を示す図である。
【図3】3層構造のクロミックガラスの構成例を示す図である。
【図4】実施形態のソーラーパネルの配置例および対応するクロミックガラスの配置例を示す図である。
【図5】実施形態の温度調整装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施形態の温度調整装置の動作例を示す図であり、ユーザ要求を考慮したフローチャートである。
【図7】実施形態の温度調整装置の動作例を示す図であり、停車中状態を考慮したフローチャートである。
【図8】実施形態の温度調整装置の動作例を示す図であり、ソーラーパネルでの発電がない場合の電力供給を考慮したフローチャートである。
【図9】実施形態の温度調整装置の動作例を示す図であり、ソーラーパネルでの余剰電力がある場合にバッテリに電力供給する機能を追加したフローチャートである。
【図10】実施例の温度調整装置の構成例を示す図である。
【図11】実施例の温度調整装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の実施形態では、ソーラーパネルとクロミックガラスとを用いて車室内の昇温を抑止するシステムについて説明する。車室には、乗員の乗車するスペースや、ラゲッジスペースが含まれる。ラゲッジスペースは、主に、荷物を配置するためのスペースである。車両には、乗員の乗車するスペースと、ラゲッジスペースとが仕切られているものや、乗員の乗車するスペースと、ラゲッジスペースとがつながっているものがある。
【0011】
ソーラーパネルの発電量は日射量に比例するため、この発電量を利用してクロミックガラスの色調を変化させ、車室内への日射量をコントロールすることができる。またクロミック素子は電圧を印加すると色調が変化する特徴がある。本実施形態ではこの性質を利用する。すなわち、ソーラーパネルで発生する電位差の範囲でクロミック素子の電位差を大きくさせ、クロミックガラスを白色(透明)から金属色に変化(電位差による階調を設定)することで、車室内に入光する光(太陽エネルギー)を反射させる。また電位差が発生しない条件ではクロミックガラスは透明な状態となり、搭乗者の視界を妨げることは無い。
【0012】
以下、図面を参照しつつ本実施形態の態様の詳細を説明する。
【0013】
図1は、本実施形態の温度調整装置の構成例を示すブロック図である。温度調整装置1は、ソーラーパネル11、ソーラーECU12(電子制御ユニット)、クロミックシステム13(クロミックガラス制御ユニット)、クロミックガラス14、バッテリ15を有し、これら各ユニットは車両に搭載される。
【0014】
ソーラーパネル11は、光を電力に変換するパネルであり、車両のルーフ上に複数に分割されて搭載されている。ソーラーECU12は、複数に分割されているソーラーパネル11のそれぞれの発電量をソーラーパネル11から読み取り、供給される電力をソーラーパネル11ごとに算出、推定する。
【0015】
クロミックガラス14は、印加される電圧に応じて色調を変化させるクロミック材を含有するガラスであり、本実施形態では、ドアガラス、リアガラス、フロントガラスとして採用される。クロミックシステム13は、ソーラーECU12によって算出されるソーラーパネル11ごとの供給電力に応じた電圧を、各ソーラーパネル11に対応するクロミックガラス11へ印加する。
【0016】
バッテリ15は、車両に搭載された各種補機に電力を供給するバッテリであり、本実施形態では、ソーラーパネル11からの余剰電力を蓄電し、また必要に応じてクロミックガラス14へ電力を供給する。
【0017】
次に、クロミックガラス14について説明する。クロミックガラス14の仕様は、本実施形態では以下の通りとするが、態様を限定するものではない。
クロミック材 :金属酸化物系(酸化タングステン)
クロミック層 :単層
色調 :濃青色
可変透過率 :10〜80%
動作電圧 :1.5[V]
【0018】
クロミック層は単層であるため、色調制御は基本的に電圧を印加する時間を調整することで可能となる。また、反応時間は、クロミック材の種類、反応させる面積により100mmsec程度から数分程度まで様々である。
【0019】
本実施形態で使用するクロミック材での上記反応時間と太陽光の透過率の変化を図2Aに示す。電圧の印加開始から継続的に約30秒印加すると、透過率を80%から10%まで変化させることができる。また例えば透過率を40%にしたい場合、10秒程度継続的に電圧を印加すればよい。また、電圧を逆に印加することで可逆変化を起こすことも可能であるため、透過率を10%〜80%までの間で変化させることができる。また消費電力についても、0.1Wh/cycle/m程度となり、極めて低い数値となる。
【0020】
次に、電圧を印加した後の透過率変化を図2Bに示す。電圧の印加を停止した場合、透過率は徐々に電圧を印加する前の状態に戻っていくが、完全に戻るには時間を要する。また本実施形態では、色調変化を±10%の範囲で許容するものとする。例えば透過率を40%とする場合、30%〜50%までを許容範囲と考える。図2Bに示すように、電圧を印加してから300秒が経過するまでは、透過率が50%以下となるため、この300秒以内であれば、電圧を印加しない状態で色調を維持できることになる。その後、色調変化が許容される範囲内において、電圧の印加時間を適宜制御する。これにより、常に電圧を印加する必要がなくなるため、電力消費を低減することができる。
【0021】
また本実施形態では、ルーフに設置されたソーラーパネル11による発電量を基に日射量を算出して色調を制御する。本実施形態のソーラーパネル11として、発電能力が60[W]となるパネルが採用される。ソーラーパネル11の特性を図2Cに示す。図2Cに示す通り、12[V]で発電量が最大値60[W]の出力となり、電圧が0〜12[V]の範囲で日射量と発電量とが比例関係となる。
【0022】
従って、電圧制御範囲を0〜12[V]とすることで、日射量と発電量の比例関係および発電量と電圧との上記関係から、電圧値を読み取ることで日射量を把握することができる。例えば色調変化を3段階で考えると、発電量の多い40〜60[W]では、透過率10〜20%となるように色調を制御することができ、雲間から時折日差しがのぞく程度の発電量20〜40[W]では、透過率を30〜50%となるように色調を制御できる。また曇天の発電量20[W]未満では、クロミック材は動作しないため、透過率を80%とすることで日射量の制御を行うことができる。また電圧値で制御する場合は、それぞれの発電量と電圧との関係から算出すればよい。
【0023】
尚、3層構造のクロミック材を採用しても同様の制御を実現させることができる。例えばクロミック材料としてPB(プルシアンブルー錯体)を用い、図3に示すように3層構造とする。印加される電圧に応じて、FePBA(Fe:鉄)は青色へ、NiPBA(Ni:ニッケル)は黄色へ、CoPBA(Co:コバルト)は赤色へと色が変わり、この組み合わせで日射量に連動した色調変化となるように制御する。曇天程度であれば、NiPBA層に通電させることでガラスを黄色に着色し、雲間から時折日差しがのぞく程度であればFePBA層およびNiPBA層に通電させてガラスを緑に着色する。また日射が多い時には、3層とも通電させることでガラスを黒色に着色することで、車室内に入光する日射を制御することができる。このPB層は印加電圧が1.0〜1.5[V]の範囲となる。
【0024】
続いてソーラーパネル11について、図4を参照しつつ説明する。図4は車両のルーフ上に搭載されたソーラーパネル11の一例を示す斜視図である。本実施形態では、車両のルーフ上に設けられるソーラーパネルを、フロント側(11A)、左側(11B)、リア側(11C)、右側(11D)の4つの各領域に分けて、4つのソーラーパネルとなるように分割する。また、ソーラーパネル11Aにはフロントのクロミックガラス14Aを対応させ、ソーラーパネル11Bには左側ドアのクロミックガラス14Bを対応させる。同様にソーラーパネル11Cにはリア側のクロミックガラス14Cに対応させ、ソーラーパネル11Dには右側ドアのクロミックガラス14Dを対応させる。この対応関係に基づき各クロミックガラス14A〜14Dの色調変化が行われる。例えばソーラーパネル11Cで発電があった場合は、対応するクロミックガラス14Cに、ソーラーパネル11Cの供給電力に応じた電圧を印加して色調制御を行う。ソーラーパネル11Dで発電があった場合は、対応するクロミックガラス14Dに、ソーラーパネル11Dの供給電力に応じた電圧を印加して色調制御を行う。
【0025】
このように、それぞれのソーラーパネル11A〜11Dでの発電量から、ソーラーパネル11A〜11Dのどの部位に日射が多く当たっているかを算出、特定し、部位毎に対応するクロミックガラス14A〜14Dの色調を制御することで、更なる消費エネルギーの削減を図ることができる。しかも、車室内に到達する日射量を効率良く低減することができる。
【0026】
尚、ソーラーパネル11自体を直列に組み込むことも可能であり、ソーラーパネル11の発電をバッテリ15へ充電することも可能である。
【0027】
次に、これらクロミックガラス14、ソーラーパネル11を有する温度調整装置1の動作について、図5〜図9を参照しつつ説明する。以降の説明でソーラーパネル11、クロミックガラス14と称しているが、ステップS3〜S6の処理は、ソーラーパネル11A〜11D、およびソーラーパネル11A〜11Dのそれぞれに対応するクロミックガラス14A〜14Dの単位ごとで行われるものとする。
【0028】
図5は温度調整装置1の動作例を示すフローチャートである。まずソーラーECU12により、システムのイニシャライズ(初期化)が行われる(S1)。次にソーラーECU12は、I/G(イングニッションスイッチ)がoffであるかを判定する(S2)。ステップS2の判定処理は従前の技術に基づき行われる。
【0029】
ソーラーECU12は、光エネルギーから変換された電力をソーラーパネル11から読み取り(S3)、この発電量から、クロミックガラス14への供給電力を演算、もしくは推定する(S4)。この演算や推定の処理は様々な態様が考えられ、例えば上記図2Cで説明したように3段階に区分して導出してもよく、また日射量と発電量が比例関係であること、および発電量と電圧とが比例関係であることを利用して、重み係数等を用いた関係式を導入して算出してもよい。
【0030】
クロミックシステム13は、ソーラーECU12により演算された電力値に基づきクロミックガラス14へ電力を供給する(S5)。すなわちステップS5で、クロミックシステム13は所望の透過率となるような時間分、クロミックガラス14のクロミック材に電圧を印加する。本実施形態は、ソーラーパネル11での発電により、その電力でクロミックガラス14の色調を変化させており、ソーラーパネル11で変換される電力の範囲内に収まるようにクロミックガラス14に電圧が印加される。クロミックガラス14は、その後電圧の印加により色調を変化させ、調光制御を行う(S6)。
【0031】
図5の動作例を踏まえ、図6〜図9を参照しつつバリエーション動作について説明する。以降の説明において、同一符号のステップは同様処理となるため説明を割愛する。
【0032】
図6は、ユーザからの要求や指示を考慮した温度調整装置1の動作例を示すフローチャートである。図6の例では、ステップS1でのイニシャライズ処理の後、ソーラーECU12は、ユーザにより要求があるか否かを判定する(S11)。ここでは、車内の所定ボタンが押下されているか等に基づき判定される。ユーザ要求がある場合(S11、Yes)、図5同様にステップS2以降の処理が実行される。一方、ユーザ要求が無い場合(S11、No)、処理はステップS1に戻る。
【0033】
図7は、I/Gがonであるかoffであるかに拘わらず、停車しているか否かに基づき調光を制御する動作例を示すフローチャートである。ステップS11によるユーザ要求の有無の判定後、ソーラーECU12は、車両が停車中か否かを判定する(S21)。停車中の場合(S21、Yes)、図5と同様にステップS3以降の動作となる。一方、走行中の場合(S21、No)、ソーラーECU12は、モニター上に表示、もしくは音声等を発することでユーザに警告を通知する(S22)。クロミックガラス14の色調が変わる場合、運転の妨げになることが考えられるため、本実施形態では、走行中の場合は警告を通知して調光制御が行われないようにする(S22からS1へ戻る)。
【0034】
図8は、ソーラーパネル11での発電が無い状態で、ユーザ要求がある場合にバッテリ15から電力を供給する動作例を示すフローチャートである。ステップS1でのイニシャライズ処理の後、ユーザ要求がある場合(S11、Yes)、図7のフローチャートと同様に停車中か否かの判定が行われる(S21)。停車中である場合(S21、Yes)、ソーラーECU12は、読み取り値に基づきソーラーパネル11で発電されているか否かを判定する(S31)。ソーラーパネル11で発電が行われている場合(S31、Yes)、上述同様にステップS3からステップS6の処理が行われる。一方、ソーラーパネル11で発電が行われていない場合(S31、No)、ソーラーECU12は、バッテリ15の現時点の容量を読み取り(S32)、この容量に基づき、ステップS4と同様にクロミックガラス14への供給電力を演算、推定する(S4A)。以降、上記同様にステップS5、S6の処理が実行される。この場合、バッテリ15がクロミックガラス14への電力供給源となる。また図8の例では、ユーザ要求が無い場合(S11、No)、I/Gがoffであるか否かの判定が行われ(S2)、以降、図5と同様の処理が行われる。
【0035】
図9は、図8で示す動作例に対し、さらにソーラーパネル11の発電で余剰発電がある場合はバッテリ15へ蓄電する動作例を示すフローチャートである。ソーラーパネル11を電力供給源とした調光制御が行われた後(図9の右側および中央のステップS6)、ソーラーECU12は、ソーラーパネル11での余剰発電があるかを判定する(S41)。余剰発電が無い場合(S41、No)、処理はステップS11に戻り、余剰発電がある場合(S41、Yes)、ソーラーECU12は、その余剰分の電力がバッテリ15へ蓄電されるように制御する(S42)。その後、処理はステップS1に戻る。尚、バッテリ15が電力供給源となって調光制御が行われる場合(図9の左側のステップS6)、ステップS41、S42は行われずにステップS1に処理が戻る。また、I/GがOnである場合(S2、No)、処理はステップS41に移る。
【0036】
(実施例)
ここで実施例として、車両の室内の温度を考慮した実装について説明する。車室内の温度を考慮することで、例えば冬季の気候のように比較的日射が多く、且つ車室内の温度が低い場合には、車室内の温度が快適温度になるまで調光制御を行わないとする実装が可能となる。
【0037】
図10は、本実施例の構成を示す図である。温度調整装置1Aは、図1で示す温度調整装置1に対し、さらに車両の室内に設けられる温度計T1、T2を有する構成となる。温度計T1は車室内のフロント側に設けられ、温度計T2は車室内の下部に設けられるものとするが、個数や配置位置を限定するものではない。温度計は車室内温度が計測できる箇所に配置されていればよい。またソーラーECU12Aは、図1で示すソーラーECU12に対し、さらに温度計T1、T2で計測される温度情報を取得し、温度情報に基づき調光制御を行うか否かを判定する機能を有する。
【0038】
図11は、温度調整装置1Aの動作例を示すフローチャートである。図11に示す各処理において、図5と同一符号は同様の処理となるため説明を割愛する。ソーラーECU12Aは、I/Gがoffである場合(S2、Yes)、温度計T1、T2から温度情報を取得して室内温度が低温か否かを判定する(S51)。例えばソーラーECU12Aが温度計T1、T2で計測される温度情報の平均値を算出し、平均値と所定の閾値(例えば25℃)とを比較して車室内が低温か否かを判定する。車室内が低温である場合(S51、Yes)、処理はステップS1に戻り、一方低温でない場合(S51、No)、上述のステップS3からステップS6までの処理が実行される。
【0039】
上記では、ソーラーパネル11はルーフ上に配置されるものとして説明したが、態様を限定するものではなく、太陽光が照射される箇所であればいずれの箇所に配置されてもよい。また、ソーラーパネル11は4つのソーラーパネル11A〜11Dによって構成されているものとして説明したが、数を限定するものではなく、例えば1つのソーラーパネルを用いて、車両全面のクロミックガラスを制御してもよい。
【0040】
本実施形態ではソーラーパネルおよびクロミックガラスを用いた車室内の温度調整や昇温制御について説明し、発電量が多いソーラーパネルの向いている方向に太陽があるとして、車両のフロントガラス、ドアガラス、リアガラスの各クロミックガラスの色調を制御することについて説明した。この実装により、少ない情報でクロミックガラスを制御することが可能となり、部品点数の削減を図ることができる。
【0041】
以上に詳説したように、本実施形態によって、車室内の昇温を抑止するとともに、車室内の温度を適温にすることができる。
【符号の説明】
【0042】
1、1A 温度調整装置
11、11A、11B、11C、11D ソーラーパネル
12、12A ソーラーECU
13 クロミックシステム
14、14A、14B、14C、14D クロミックガラス
15 バッテリ
T1、T2 温度計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される複数のソーラーパネルと、
前記複数のソーラーパネルそれぞれの発電量を読み取り、供給電力をソーラーパネルごとに算出する電子制御ユニットと、
前記複数のソーラーパネルそれぞれに対応する複数のガラスであり、印加される電圧に応じて色調を変化させるクロミックガラスと、
前記電子制御ユニットによって算出されるソーラーパネルごとの供給電力に応じた電圧を、対応する前記クロミックガラスへ印加するクロミックガラス制御ユニットと、
を有する温度調整装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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