説明

温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法

【課題】ノズルアセンブリ及びその周辺部を殺菌することができることで、ノズルアセンブリ及びその周辺部をより衛生的に管理することができる温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法を提供する。
【解決手段】温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法は、本体と、本体に対して前後移動して洗浄水を噴射するノズルアセンブリと、ノズルアセンブリを自己洗浄する自己洗浄ノズルと、本体とノズルアセンブリ及び自己洗浄ノズルを制御するマイコンが備えられた制御パネルとを含む温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法において、ノズルアセンブリの先端に位置する自己洗浄ノズルを介してノズルアセンブリ及びその周辺部に殺菌水を噴射する殺菌水の噴射段階と、ノズルアセンブリの先端上部に位置する紫外線ランプを介してノズルアセンブリ及びその周辺部に紫外線を照射する紫外線の照射段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水洗浄器に関し、より詳しくは、ノズルアセンブリ及びその周辺部を殺菌することでノズルアセンブリ及びその周辺部を衛生的に管理することができる温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法(sterilization method for nozzle assembly of bidet)に関する。
【背景技術】
【0002】
大韓民国特許出願公開第10−1994−0025561号の「温水洗浄器ノズル装置」に開示されたように、座便器に設けられて本体から引き出されるノズルを介して洗浄水を噴射することによって肛門や局所の洗浄及びマッサージを行う温水洗浄器が提案されている。
【0003】
このとき、従来の温水洗浄器Aは、図7に示すように、その内部に、外部から流入される水供給管と接続される給水栓11と、給水栓11と接続されて洗浄水が流れる配管12と、配管12上の前方部に設けられて洗浄水の水圧を調節する減圧弁13と、減圧弁13後方の配管12上に設けられて洗浄水を所定温度に加熱する温水タンク14と、温水タンク14後方の配管12上に設けられて洗浄水の流量を調節する流量調節弁15が用意された本体10と、前記本体10から前後に移動し、肛門洗浄ノズル21aと局所洗浄ノズル21bとからなるノズル21を介して洗浄水を噴射するノズルアセンブリ20と、前記本体10に設けられてマイコン31と接続されたスイッチ32の操作を介して本体10及びノズルアセンブリ20の作動を制御する制御パネル30と、を含んで構成されている。
【0004】
このような温水洗浄器Aにおいて、ノズルアセンブリ20のノズル21は、本体10に対して前後移動することになるが、洗浄水の噴射過程において用便が粘着されるのみでなく、肛門や局所に隣接して異物を含む洗浄水と接することになるので、汚染され易いという問題があった。
【0005】
また、ノズルアセンブリ20が汚染されている場合、洗浄水の流れや飛び散るなど間接的な影響よりノズルアセンブリ20の周辺部の内側も汚染されてしまう問題があった。
【0006】
上記のような理由から従来の温水洗浄器では、ノズルアセンブリのノズルを前後移動させるようにする自己洗浄ノズルと、ノズルアセンブリの周辺部内側に洗浄水が飛び散ることを防止できるように隔壁が設けられている。
【0007】
このような自己洗浄ノズル及び隔壁はノズルアセンブリの汚染を防止するためのものであるが、有害菌までが殺菌されるわけではないため、ノズルアセンブリ及びその周辺部を衛生的に管理することができない。
【0008】
上記のような理由から該当分野においては、ノズルアセンブリ及びその周辺部をより衛生的に管理することができる温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法の開発が盛んに行っているが、現在のところ満足する結果は得られてない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国特許出願公開第10−1994−0025561号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は上記問題を勘案して提案されたものであって、ノズルアセンブリ及びその周辺部を殺菌することができることで、ノズルアセンブリ及びその周辺部をより衛生的に管理することができる温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法は、本体と、本体から前後移動して洗浄水を噴射するノズルアセンブリと、ノズルアセンブリを自己洗浄する自己洗浄ノズルと、本体及びノズルアセンブリ及び自己洗浄ノズルを制御するマイコンが備えられた制御パネルを含む温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法において、ノズルアセンブリの先端に位置する自己洗浄ノズルを介してノズルアセンブリ及びその周辺部に殺菌水を噴射する殺菌水の噴射段階と、ノズルアセンブリの先端上部に位置する紫外線ランプを介してノズルアセンブリ及びその周辺部に紫外線を照射する紫外線の照射段階と、を含むことを特徴とする。
【0012】
ここで、前記殺菌水は、自己洗浄ノズルに接続される殺菌水生成ユニットから供給されることを特徴とする。
【0013】
前記殺菌水生成ユニットは、メッシュ網電極として洗浄水に微細電流を印加して水中放電を介して洗浄水を酸素係活性種(O−、O、O、HO、H、OH)のイオンクラスタに変換することを特徴とする。
【0014】
前記紫外線ランプは、ノズルアセンブリのノズルから洗浄水を噴射した後、及び自己洗浄ノズルから殺菌水を噴射した後に自動点灯することを特徴とする。
前記紫外線ランプは、350〜370nm波長帯の紫外線発光ダイオードであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法は、自己洗浄ノズルからの殺菌水噴射と、紫外線ランプからの紫外線の照射を介してノズルアセンブリ及びその周辺部を殺菌することができ、ノズルアセンブリ及びその周辺部に有害菌などの繁殖を防止することができるので、ノズルアセンブリ及びその周辺部の衛生状態を清潔に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法を説明するための工程図である。
【図2】本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法で殺菌水の噴射段階を説明するための作動状態図である。
【図3】本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法で自己洗浄ノズルに殺菌水を供給する殺菌水生成ユニットの構造を説明するための断面図である。
【図4】本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法で紫外線の照射段階を説明するための作動状態図である。
【図5】本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法で紫外線ランプの他の設置形態を示す側面図である。
【図6】本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法で紫外線ランプの自動点灯のための制御パネルのマイコン処理過程を示す工程図である。
【図7】従来の温水洗浄器の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら本発明を詳しく説明する。
図1に示すように、本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法は殺菌水の噴射段階(S1)と、紫外線の照射段階(S2)と、を含む。
【0018】
前記殺菌水の噴射段階(S1)は、ノズルアセンブリ20の先端に位置する自己洗浄ノズル30を介してノズルアセンブリ20及びその周辺部に殺菌水を噴射する。
【0019】
このような殺菌水の噴射段階(S1)において、殺菌水は、自己洗浄ノズル40に連結された殺菌水生成ユニット60から供給される。
【0020】
このとき、前記殺菌水生成ユニット60は、図3に示すように、メッシュ網61電極によって洗浄水に微細電流を印加して水中放電を介して洗浄水を酸素係活性種(O−、O、O、HO、H、OH)のイオンクラスタに変換することが好ましい。
【0021】
前記殺菌水生成ユニット60は、メッシュ網61電極によって洗浄水に微細電流を印加して水中放電を介して洗浄水を酸素係活性種(O−、O、O、HO、H、OH)のイオンクラスタに変換することによって、洗浄水を殺菌効果がある殺菌水にすることができる。
【0022】
一方、前記殺菌水生成ユニット60は、自己洗浄ノズル40に接続され、本体10内部に設けられた流量調節弁15に連結されて自己洗浄ノズル40に接続されることが好ましい。
【0023】
前記殺菌水生成ユニット60が、本体10内部に設けられた流量調節弁15に繋げられて自己洗浄ノズル40に接続されることで、本体10内部からの洗浄水を殺菌水に変換して自己洗浄ノズル40に供給することができる。
【0024】
前記紫外線の照射段階(S2)は、ノズルアセンブリ20の先端上部に位置する紫外線ランプ50を介してノズルアセンブリ20及びその周辺部に紫外線を照射する。
【0025】
このような紫外線の照射段階(S2)において紫外線ランプ50は、ノズルアセンブリ20のノズル21から洗浄水を噴射した後、及び自己洗浄ノズル40から殺菌水を噴射した後に自動点灯することが好ましい。
【0026】
紫外線ランプ50は、ノズルアセンブリ20のノズル21から洗浄水を噴射した後に自動点灯することで、洗浄水の噴射過程での用便の粘着または肛門や局所と接して異物を含む洗浄水が落下されるノズルアセンブリ20、特にノズル21を直ちに殺菌することができるとともに、紫外線ランプ50が自己洗浄ノズル40から殺菌水を噴射した後に点灯することで殺菌水で殺菌されたノズルアセンブリ20、特にノズル21を紫外線照射で再び殺菌することができるので殺菌効果を極大化することができる。
【0027】
このとき、紫外線ランプ50の自動点灯は、制御パネル30に備えられたマイコン31によって行われる。
【0028】
すなわち、制御パネル30のマイコン31は、図6に示すように、使用者感知を判断して使用者が感知されると自己洗浄ノズル40を作動し、自己洗浄ノズル40の作動後にノズルアセンブリ20から洗浄水噴射を確認し、ノズルアセンブリ20から洗浄水噴射が確認されると自己洗浄ノズル40を再び作動し、自己洗浄ノズル40の作動後に使用者感知を判断して、使用者が感知されなかったら紫外線ランプ50の電源が印加されて紫外線ランプ50を自動点灯する。
【0029】
一方、紫外線ランプ50は、350nm〜370nmの波長帯の紫外線発光ダイオードであることが好ましい。
【0030】
前記紫外線ランプ50が、350nm〜370nmの波長帯の紫外線発光ダイオードであることにより、紫外線の照射を介してノズルアセンブリ20の先端部及びその周辺部を殺菌するだけでなく、紫外線ランプ50が占める空間を最小化することができ、紫外線ランプ50設置による費用負担を低減することができる。
【0031】
そして、紫外線ランプ50は、図4に示すように、ノズルアセンブリ20の先端部に近接する本体10または図5に示すように、ノズルアセンブリ20先端部の自己洗浄ノズル40に位置することが好ましい。
【0032】
前記紫外線ランプ50は、ノズルアセンブリ20の先端部に近接する本体10またはノズルアセンブリ20先端部の自己洗浄ノズル40に位置することで、紫外線ランプ50からの紫外線がノズルアセンブリ20先端部及びその周辺に照射されることができる。
【0033】
前記のような本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法によるノズルアセンブリ20及びその周辺部の殺菌作用について詳しく説明する。
【0034】
まず、本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法は、殺菌水噴射を介してノズルアセンブリ20及びその周辺部の殺菌を可能とする。
本発明において自己洗浄ノズル40は殺菌水生成ユニット60と接続されている。
【0035】
したがって、殺菌水生成ユニット60から生成された殺菌水が自己洗浄ノズル40に供給されるので、自己洗浄ノズル40を介して殺菌水の噴射が可能となる。
【0036】
このとき、自己洗浄ノズル40は、図2に示すように、ノズルアセンブリ20の先端部に位置するため、ノズルアセンブリ20先端部、特に、本体10から前後移動するノズル21に向けて噴射することができるので、殺菌水噴射によりノズルアセンブリ20、特にノズル21の殺菌を行うことができる。
【0037】
一方、自己洗浄ノズル40から噴射された殺菌水は、ノズルアセンブリ20に当たって飛び散ったり流れたりしながらノズルアセンブリ20の周辺部まで散布されるので、自己洗浄ノズル40からの殺菌水噴射によってノズルアセンブリ20とともに、その周辺部まで殺菌を可能とさせる。
【0038】
そして、本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法は、紫外線の照射を介してノズルアセンブリ20及びその周辺部の殺菌も可能である。
本発明において紫外線ランプ50はノズルアセンブリ20の先端上部に位置している。
【0039】
したがって、紫外線ランプ50が点灯されると、図4に示すように、紫外線ランプ50から照射される紫外線がノズルアセンブリ20及びその周辺部まで至るので、紫外線ランプ50からの紫外線の照射によってノズルアセンブリ20及びその周辺部の殺菌を行うことができる。
【0040】
このとき、紫外線ランプ50は、ノズルアセンブリ20のノズル21から洗浄水を噴射した後、及び自己洗浄ノズル40から殺菌水を噴射した後に自動点灯されるので、洗浄水の噴射過程で用便の粘着または肛門や局所から異物を含む洗浄水が落下されるノズルアセンブリ20を直ちに殺菌することができるだけでなく、殺菌水で1次殺菌されたノズルアセンブリ20及びその周辺部を再び殺菌するため殺菌効果を極大化することができる。
【0041】
上記のように、本発明による温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法は、自己洗浄ノズル40からの殺菌水の噴射と、紫外線ランプ50からの紫外線の照射を介してノズルアセンブリ20及びその周辺部を殺菌することができ、ノズルアセンブリ20及びその周辺部に有害菌などが繁殖することを防止することができるので、ノズルアセンブリ20及びその周辺部の衛生状態を清潔に維持することができる。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、添付の特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、本発明を多様に修正及び変更させることができる。
【符号の説明】
【0043】
10 本体
11 給水栓
12 配管
13 減圧弁
14 温水タンク
15 流量調節弁
20 ノズルアセンブリ
21 ノズル
21a 肛門洗浄ノズル
21b 局所洗浄ノズル
30 制御パネル
31 マイコン
32 スイッチ
40 自己洗浄ノズル
50 紫外線ランプ
60 殺菌水生成ユニット
61 メッシュ網
A 温水洗浄器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、本体に対して前後移動して洗浄水を噴射するノズルアセンブリと、前記ノズルアセンブリを自己洗浄する自己洗浄ノズルと、前記本体とノズルアセンブリ及び自己洗浄ノズルとを制御するマイコンが備えられた制御パネルと、を含む温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法において、
ノズルアセンブリの先端に位置する自己洗浄ノズルを介してノズルアセンブリ及びその周辺部に殺菌水を噴射する殺菌水の噴射段階と;
ノズルアセンブリの先端上部に位置する紫外線ランプを介してノズルアセンブリ及びその周辺部に紫外線を照射する紫外線の照射段階と;
を含むことを特徴とする温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法。
【請求項2】
前記殺菌水は、自己洗浄ノズルに接続された殺菌水生成ユニットから供給されることを特徴とする請求項1に記載の温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法。
【請求項3】
前記殺菌水生成ユニットは、メッシュ網電極であって、洗浄水に微細電流を印加して水中放電を介して洗浄水を酸素係活性種(O−、O、O、HO、H、OH)のイオンクラスタに変換することを特徴とする請求項2に記載の温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法。
【請求項4】
前記殺菌水生成ユニットは、自己洗浄ノズルに接続されるが、本体内部に用意される流量調節弁に繋げられて自己洗浄ノズルに接続されることを特徴とする請求項3に記載の温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法。
【請求項5】
前記紫外線ランプは、ノズルアセンブリのノズルから洗浄水を噴射した後、及び自己洗浄ノズルから殺菌水を噴射した後に自動点灯することを特徴とする請求項1に記載の温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法。
【請求項6】
前記紫外線ランプの自動点灯は、制御パネルのマイコンが使用者感知を判断して使用者が感知されると自己洗浄ノズルを作動し、自己洗浄ノズルが作動した後にノズルアセンブリから洗浄水噴射を確認し、ノズルアセンブリから洗浄水噴射が確認されると自己洗浄ノズルを再び作動し、自己洗浄ノズルの作動後に使用者感知を判断して使用者が感知されないと紫外線ランプの電源が印加されることを行うことを特徴とする請求項5に記載の温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法。
【請求項7】
前記紫外線ランプは、350nm〜370nmの波長帯の紫外線発光ダイオードであることを特徴とする請求項5に記載の温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法。
【請求項8】
前記紫外線ランプは、ノズルアセンブリの先端部に近接する、本体またはノズルアセンブリの先端部の自己洗浄ノズルに位置することを特徴とする請求項7に記載の温水洗浄器のノズルアセンブリの殺菌方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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