説明

温水洗浄装置

【課題】洗浄装置本体に意図しないリモコン側の識別コードが誤って設定されてしまうことのない温水洗浄装置を提供する。
【解決手段】便器12に設置される洗浄装置本体26と、操作信号を送信し洗浄装置本体26を遠隔操作するリモコン28とを備えて成る温水洗浄装置において、洗浄装置本体26が電源供給後の所定時間内における着座センサ30からの着座検知信号に基づいて、リモコン28に固有の識別コードを洗浄装置本体26に設定する識別コード設定モードに移行するようになしておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、便器に設置される洗浄装置本体及び操作信号を送信して洗浄装置本体を遠隔操作するリモコンを備え、人体局部に洗浄水を噴射し洗浄する温水洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体局部に洗浄水を噴射し洗浄する温水洗浄装置にあっては、通常、便器に設置される洗浄装置本体とは別に壁等にリモコンを設置し、使用者がリモコンを操作することによって洗浄装置本体を働かせ、洗浄その他動作をさせることが一般に行われている。
【0003】
ところで公衆トイレ等では、トイレに複数のブースが並べて設けられ、各ブースごとに便器及び温水洗浄装置が設置される。
従来の温水洗浄装置では一般にリモコンからの操作信号が赤外線信号として洗浄装置本体側に送信される方式であり、この場合赤外線はブースの壁を透過できないために、あるブース内のリモコンからの信号が他の別のブース内の洗浄装置本体側で受信されてしまうといったことは通常は起り難い。
【0004】
ところが赤外線による通信方式の場合、リモコンから発せられた赤外線のみならず、ブースの壁からの反射光等も洗浄装置本体の受信部に入射することから、壁の材質とか色とかによって洗浄装置本体側での受信状態が変化し、通信の信頼性の点で今一つ十分でないといった問題がある。
【0005】
そこでリモコンと洗浄装置本体との間の通信を電波による通信とすることが考えられる。
このようにした場合、ブースの壁の材質とか色による影響を排除でき、また電波による通信では赤外線による通信の場合のように指向性が求められないので、リモコンを必ずしも便器に向けた状態に設置しなくてもよく、リモコンの設置の向き等の自由度が高くなる外、消費電流も少なくて済み、更に場合によってブースの外からでもリモコン操作によってブース内の洗浄装置本体を動作させられるといった利点が得られる。
【0006】
一方で電波による通信方式の場合、電波がブースの壁を透過してしまうことから、あるブース内でリモコン操作されたときに、そのリモコンからの操作信号が他の別のブース内の洗浄装置本体で受信されてしまう混信の問題が大きな問題となる。
【0007】
従って、同じブース内にあるリモコンと洗浄装置本体とを識別コードにて1対1に対応付けしておくこと、即ち同じブース内にあるリモコンに固有の識別コード(IDコード)を付与しておき、洗浄装置本体側にそのリモコンの識別コードを記憶し設定しておいて、リモコンから操作信号とともに識別コードを送信し、そして送信された識別コードが洗浄装置本体側に予め設定してある識別コードと合致したときにのみ、洗浄装置本体側でリモコンからの操作信号を受け付けるようになしておくといったことが必要となる。
【0008】
従来において、洗浄装置本体側にリモコンの識別コードを設定するための方法として、洗浄装置本体に電源供給されたところで洗浄装置本体、詳しくはその制御部を識別コード設定モードに移行させ、そして所定時間内にリモコンから識別コード設定の実行信号と識別コードとが送られたところで、洗浄装置本体側で識別コードを設定し記憶するといった方法が下記特許文献1に開示されている。
また他の方法として、洗浄装置本体に備えた操作スイッチを長押しする等通常の操作とは異なった操作を行うことによって、洗浄装置本体を識別コード設定モードに移行させるといった方法が知られている。
【0009】
しかしながら前者の場合、例えば停電後の停電復帰によって各ブースの洗浄装置本体が一斉に電源供給されたような場合、各洗浄装置本体が全て識別コード設定モードに移行してしまい、このとき、たまたまあるブース内のリモコンから上記の識別コード設定の実行信号が識別コードとともに送信されて、それが別のブース内の洗浄装置本体に受信されると、洗浄装置本体が本来の相手側の同じブース内のリモコンとは別のリモコンの識別コードを設定してしまうといった問題が生ずる。
【0010】
更に洗浄装置本体が停電復帰によって自動的に一定時間識別コード設定モードに移行してしまうと、その間同じブース内のリモコンを使用者が操作しても、洗浄装置本体が操作信号に対応した動作を行わない状態、即ちリモコンの操作信号を洗浄装置本体側が受け付けず、リモコンの通常の操作が効かない状態が生じてしまうといった不都合が生じる。
【0011】
他方後者の場合には、公衆トイレ等で使用者により操作スイッチが悪戯されたとき等に、意図せず洗浄装置本体が識別コード設定モードに移行してしまって、洗浄装置本体が意図していない識別コードを設定してしまう可能性がある。
【0012】
ところで、電波通信の場合にはリモコンと対応する機器本体との間で双方向通信が行われるのが一般で、温水洗浄装置においてもリモコンと洗浄装置本体との間でこのような双方向通信、具体的にはリモコンから洗浄装置本体に向けて信号を送信するとともに、洗浄装置本体からこれに対応した応答信号をリモコンに向けて送信するようになしておくのが好都合である。このようにしておけばリモコンからの操作信号が洗浄装置本体側で受信されたことを確認することができる。
【0013】
但しこの場合、洗浄装置本体側にも固有の識別コードを付与しておいて、その識別コードをリモコン側においても設定し記憶しておくことが必要であり、洗浄装置本体及びリモコンのそれぞれにおいて、どのようにして互いの識別コードを設定するかが問題となる。
【0014】
尚、以上の問題はリモコンと洗浄装置本体との間で電波通信が行われる場合に特に大きな問題となるが、赤外線その他の通信方式の場合においても電波通信の場合ほどではないが同様の問題は内在する。
【0015】
本発明に対する先行技術として、下記特許文献2に、特定の操作スイッチと着座センサの組合せ信号により、具体的には通常は使用者が便座に着座した状態で操作する「止」スイッチに対する特定の操作と、着座センサによる着座無し信号とによって、洗浄装置本体を識別コード設定モードに移行させ、リモコンの識別コードを洗浄装置本体に設定する点が開示されている。
但しこの特許文献2に開示のものは洗浄装置本体をスイッチ操作によって識別コード設定モードに移行させるものであり、その手法において本発明とは異なった別異のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2005−184115号公報
【特許文献2】特開平11−140942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は以上のような事情を背景とし、洗浄装置本体に意図しないリモコン側の識別コードが誤って設定されてしまうことのない温水洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
而して請求項1のものは、便器に設置される洗浄装置本体と、操作信号を送信し該洗浄装置本体を遠隔操作するリモコンとを備えて成る温水洗浄装置において、前記洗浄装置本体が、該洗浄装置本体への電源供給後の所定時間内における着座センサからの着座検知信号に基づいて、該洗浄装置本体に対応する前記リモコンに固有の識別コードを該洗浄装置本体に設定する識別コード設定モードに移行するものとなしてあることを特徴とする。
【0019】
請求項2のものは、請求項1において、前記洗浄装置本体は前記リモコンからの操作信号に対応して応答信号を該リモコンに送信するものとなしてあるとともに、該リモコンは該洗浄装置本体に固有の識別コードを該リモコンに設定するものとなしてあり、該洗浄装置本体が前記識別コード設定モードにある間に、該リモコンが該洗浄装置本体の識別コードを該リモコンに設定するための識別コード設定モードに移行したときに、それらリモコンと洗浄装置本体とで互いの識別コードを交換し、該リモコン及び洗浄装置本体のそれぞれにおいて、互いに相手側の識別コードを自身に設定するものとなしてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0020】
以上のように本発明は、洗浄装置本体が電源供給後に直ちに識別コード設定モードに移行せず、電源供給後の所定時間内における着座センサからの着座検知信号に基づいて、対応するリモコンに固有の識別コードを洗浄装置本体に設定する識別コード設定モードに移行するものとなしたものである。
【0021】
本発明によれば、例えば停電後における停電復帰によって洗浄装置本体が自動的に識別コード設定モードに移行してしまうといったことがなく、作業者が洗浄装置本体を識別コード設定モードに移行させる積極的な意志をもって便座に着座し、或いは着座検知センサに手等をかざす行為を行うことにより、着座センサから着座検知信号を発信させることによって、そこで始めて洗浄装置本体を識別コード設定モードに移行させる。
【0022】
従って、洗浄装置本体が意図していないリモコンの識別コードを誤って設定してしまうといったことを有効に防止することができ、本来の相手側である同じブース内のリモコンの識別コードを洗浄装置本体に設定し記憶させることができる。
【0023】
例えば便器によっては、便器前方に使用者が立つと人体検知センサがこれを検知して、自動的に便蓋を開けるようになすものがあり、この場合人体検知センサからの信号と洗浄装置本体の電源立上り(電源供給)との組み合せによって洗浄装置本体を識別コード設定モードに移行させるようにするといったことも考えられるが、このようにした場合、使用者が識別コード設定モードに移行させることを意図していなくても、たまたま便器前方に使用者が立ってしまうと人体検知センサがこれを検知してしまうことがあり、確実性の点で不十分である。
【0024】
これに対し着座センサは通常便蓋の内側にあって、便蓋が開いていないと着座検知しないため、より確実に使用者の意図に基づいて洗浄装置本体を識別コード設定モードへと移行させることができる。
【0025】
また本発明は、洗浄装置本体側に識別コード設定モードに移行させるためのスイッチを特に備えていなくても洗浄装置本体を識別コード設定モードに移行させ、識別コード設定を行わせることができる利点を有する。
尚本発明は電波通信を行う場合に適用して効果が大であるが、赤外線その他の通信方式を用いた温水洗浄装置においても適用可能である。
【0026】
次に請求項2は、洗浄装置本体を、リモコンからの操作信号に対応して応答信号をリモコンに送信し、またリモコンは洗浄装置本体に固有の識別コードを自身に設定するものとなし、そして洗浄装置本体が識別コード設定モードにある間に、リモコンが洗浄装置本体の識別モードを設定するための識別コード設定モードに移行したときに、それらリモコンと洗浄装置本体とで互いの識別コードを交換し、リモコン及び洗浄装置本体の夫々において互いに相手側の識別コードを自身に設定するようになしたものである。
【0027】
このようにすることで洗浄装置本体,リモコンのそれぞれにおいて意図せず互いに相手側とは別の識別コードを誤って設定してしまうのを有効に防止し、洗浄装置本体,リモコンのそれぞれにおいて本来の相手側の識別コードを確実に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態である温水洗浄装置を備えた便器を各ブースに設置したトイレの全体図である。
【図2】図1のブース内に設置した便器及び温水洗浄装置の図である。
【図3】同実施形態の要部の図である。
【図4】同実施形態における洗浄装置本体側の識別コード設定の実行手順を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態におけるリモコン側の識別コード設定の実行手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はトイレ内に並んで設けられたブースで、各ブース10のそれぞれの内部に便器12が設置されている。
図2は、各ブース10内に設置された便器12を温水洗浄装置とともに示している。
図に示しているように便器(洋風便器)12は、便器本体14と、便座16と、便蓋18及び洗浄タンク20を有している。
22は洗浄タンク20におけるタンクカバーで、その内部に洗浄水を貯えるインナタンク(図示省略)が収容されている。
【0030】
便器12には、人体局部に洗浄水を噴射し洗浄する一対の洗浄ノズル24と温水を洗浄ノズル24に供給するポンプ等を備えた洗浄装置本体26が一体に組み込まれている。
また壁Wには洗浄装置本体26とともに温水洗浄装置を構成するリモコン28が設置されている。
ここでリモコン28は洗浄装置本体26に操作信号を発信し、洗浄装置本体26を遠隔操作する。
【0031】
洗浄装置本体26にはまた、便蓋18開状態の下で便座16への使用者の着座を検知する着座センサ30が備えられている。
更に洗浄装置本体26には、上記のポンプその他の機能部を動作制御するマイコンを主要素とした制御部32(図3参照)が備えられている。
【0032】
一方リモコン28には、洗浄装置本体26側の各動作を行わせるための複数のスイッチを備えた操作部34が設けられている。
この操作部34には、洗浄ノズル24からの洗浄水の噴射その他動作を停止させる止スイッチ36が備えられている。
【0033】
リモコン28にはまた、操作信号を洗浄装置本体26に送信する送信部38、及び洗浄装置本体26から送信された信号を受信する受信部40が設けられており、更に送信部38からの送信制御を行うマイコンを主要素とした制御部41が備えられている。
一方洗浄装置本体26には、リモコン28からの信号を受信する受信部42、更にリモコン28に信号を送信する送信部44が設けられている。
【0034】
本実施形態において、リモコン28と洗浄装置本体26との間の通信は電波通信とされている。
即ちリモコン28からは各種信号が電波で送信され、また洗浄装置本体26から信号が電波でリモコン28に送信される。
【0035】
ところでこのような電波通信の場合、リモコン28,洗浄装置本体26からの電波信号はブース10の壁を透過してしまう。
従ってあるブース内のリモコン28,洗浄装置本体26からの電波信号が、他の別のブース内の洗浄装置本体26やリモコン28に達してしまう。
【0036】
このとき、あるブース内のリモコン28からの信号によって他の別のブース内の洗浄装置本体26が動作してしまわないように、また他のブース内の洗浄装置本体26からの信号を、あるブース内のリモコン28が受信してしまわないように、同じブース10内のリモコン28と洗浄装置本体26とで、相互の識別コード(IDコード)を設定しておき、同じブース10内のリモコン28と洗浄装置本体26との間でのみ信号が授受されるようになしておく。
【0037】
本実施形態においては、洗浄装置本体26側におけるリモコン28の識別コードの設定、及びリモコン28側における洗浄装置本体26の識別コードの設定を以下のようにして行う。
即ち、図2におけるコンセント46へのプラグ48の差込みにより或いは電源スイッチのオン操作により、洗浄装置本体26に電源供給されてその後の所定時間内における着座センサ30からの着座検知信号に基づいて、洗浄装置本体26が、詳しくは洗浄装置本体26の制御部32がリモコン28の識別コードを設定するための識別コード設定モードに移行する。
【0038】
そして洗浄装置本体26が識別コード設定モードにあるときに、リモコン28が、洗浄装置本体26の識別コードを設定するための識別コード設定モードに移行したときに、互いの識別コード情報の交換によって、洗浄装置本体26がリモコン28の識別コード設定し、またリモコン28が洗浄装置本体26の識別コードを設定する。
【0039】
図4及び図5に、その際の具体的な実行手順が示してある。
ここでは洗浄装置本体26における制御部32のマイコンがイニシャル動作の完了を待ってマイコン入力に5Vを検出すると(ステップS10,S12)ステップS14に移行し、着座センサ30が着座検知したか否かを判定する。
【0040】
このステップS14で、着座センサ30が着座を10秒連続して検知したと判定した場合、ステップS20に移行するようになしても良いが、この実施形態では続いてステップS16に移行し、着座センサ30がその後5秒着座非検知であるか否か判定する。
尚ステップS14において、着座センサ30が10秒連続して着座を検知しなかった場合にはステップS24へと移行して通常モードを実行する。即ち電源供給後の所定時間内に着座検知しなかった場合には、洗浄装置本体26は識別コード設定モードに移行せずに通常モードを実行する。
尚ここでは電源供給後の所定時間が10秒としてあるが、勿論これを他の時間に設定しておくこともできる。
【0041】
ステップS16における判定の結果、着座センサ30が5秒着座非検知であったときには次のステップS18に移行し、そこで再び着座センサ30の入力判定が行われる。
詳しくは着座センサ30がその後5秒着座検知したか否かが判定され、その結果5秒の着座検知があったときには、そこで初めてステップS20のペアリングモードへと移行する。
尚ステップS16において5秒着座非検知と判定されず、またステップS18において5秒着座検知と判定されなかったときには、それぞれステップS24に移行して通常モードが実行される。
【0042】
本実施形態において、着座センサ30による10秒の着座検知、それに続く5秒の着座非検知、更にこれに続く5秒の着座検知のそれぞれの条件を満たすことによって、そこで初めてステップS20のペアリングモードに移行するのは、洗浄装置本体26側において誤った識別コードを設定してしまわないようにするためである。
【0043】
10秒間の着座検知と、その後の5秒間の着座非検知、更にその後の5秒間の着座検知の条件を満たすのは偶然によっては起り得ず、作業者が積極的にその意志を持って着座センサ30に着座検知させることで初めて起り得ることであり、従ってこのようなステップを経ることでペアリングモードに移行するようにしておくことで、誤った識別コードを設定してしまうのを確実に防止できる。
尚ステップS14,S16,S18における10秒,5秒,5秒の各数値はあくまで一例で、それぞれの検知若しくは非検知の時間を他の時間に設定することも可能である。
【0044】
このペアリングモードは、洗浄装置本体26がリモコン28の識別コードを設定するための識別コード設定モードに移行し、そしてその識別コード設定モードにあるときに、リモコン28側において洗浄装置本体26の識別コードをリモコン28に設定するための識別コード設定モードに移行したときに、洗浄装置本体26とリモコン28とで互いの識別コードを交換するモードで、洗浄装置本体26はその交換によりリモコン28の識別コードを自身に設定する。
詳しくはリモコン28から送信される識別コード設定の実行信号及び識別コードに基づいて洗浄装置本体26の制御部32にリモコン28の識別コードを記憶し設定する。
尚リモコン28側における識別コード設定モードへの移行については後述する。
【0045】
そして洗浄装置本体26とリモコン28との間で識別コードの情報交換に成功したとき、又は何等かの障害によって識別コードの情報交換を行えないまま60秒経過したときには、ステップS24の通常モードへと移行する。
【0046】
この通常モードでは、リモコン28からの操作信号をリモコン28の識別コードとともに洗浄装置本体26で受信すると、洗浄装置本体26側でその操作信号に応じた洗浄動作その他の動作を行う。
一方ステップS22において識別コードの交換が成功せず、また60秒も経過していないときには、再びステップS20に戻ってこれを実行する。
【0047】
一方図5は、リモコン28側における識別コード設定の手順を示している。
図に示しているようにリモコン28側においては、リモコン28が通常モードにある状態で、例えば止スイッチ36を10秒連続して押し続けると(ステップS26,S28)、そこでリモコン28の制御部41がステップS30のペアリングモードに移行する。
【0048】
このリモコン28側におけるペアリングモードへの移行が、洗浄装置本体26側においてペアリングモードへの移行後60秒以内に行われたときには、洗浄装置本体26とリモコン28との間で互いの識別コードを情報交換する。
そして洗浄装置本体26からの識別コード設定の実行信号及び識別コードに基づいてリモコン28の制御部41に洗浄装置本体26の識別コードを設定する。
【0049】
そしてリモコン28側において、その情報交換が成功したとき、又は情報交換されないまま10秒経過したときには、ステップS26に戻って後続の各ステップが再び実行される。
一方識別コードの交換が成功せず、また10秒経過していないときにはステップS30に戻って、再びステップS30が実行される。
【0050】
以上のような本実施形態によれば、洗浄装置本体26が意図していないリモコン28の識別コードを誤って設定してしまうといったことを有効に防止することができ、本来の相手側である同じブース10内のリモコン28の識別コードを洗浄装置本体26に設定し記憶させることができる。
【0051】
また本実施形態によれば、洗浄装置本体26側に識別コード設定モードに移行させるためのスイッチを特に備えていなくても、洗浄装置本体26を識別コード設定モードに移行させ、識別コード設定を行わせることができる。
【0052】
また本実施形態によれば、洗浄装置本体26,リモコン28のそれぞれにおいて、意図せず互いに相手側とは別の識別コードを誤って設定してしまうのを有効に防止し、洗浄装置本体26,リモコン28のそれぞれにおいて本来の相手側の識別コードを確実に設定することができる。
【0053】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明は場合によってリモコンと洗浄装置本体とで赤外線通信を行う場合においても適用可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【符号の説明】
【0054】
12 便器
26 洗浄装置本体
28 リモコン
30 着座センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器に設置される洗浄装置本体と、操作信号を送信し該洗浄装置本体を遠隔操作するリモコンとを備えて成る温水洗浄装置において、
前記洗浄装置本体が、該洗浄装置本体への電源供給後の所定時間内における着座センサからの着座検知信号に基づいて、該洗浄装置本体に対応する前記リモコンに固有の識別コードを該洗浄装置本体に設定する識別コード設定モードに移行するものとなしてあることを特徴とする温水洗浄装置。
【請求項2】
請求項1において、前記洗浄装置本体は前記リモコンからの操作信号に対応して応答信号を該リモコンに送信するものとなしてあるとともに、
該リモコンは該洗浄装置本体に固有の識別コードを該リモコンに設定するものとなしてあり、
該洗浄装置本体が前記識別コード設定モードにある間に、該リモコンが該洗浄装置本体の識別コードを該リモコンに設定するための識別コード設定モードに移行したときに、それらリモコンと洗浄装置本体とで互いの識別コードを交換し、該リモコン及び洗浄装置本体のそれぞれにおいて、互いに相手側の識別コードを自身に設定するものとなしてあることを特徴とする温水洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−69121(P2011−69121A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221433(P2009−221433)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】