説明

温浴装置及び温浴区画

【課題】 衛生的で静寂な温浴区画と温浴装置による高い温浴効果により、ストレスの浄化除去と疲労回復を可能とする温浴装置及び温浴区画の提供。
【解決手段】 斜方晶の天然化石珊瑚を所要の厚さと形状及び寸法に切断した天然化石珊瑚板を、下面に所要温度に加温できる加温体が設けられ且少なくとも四側面が木材からなり所要の深さと形状及び寸法の温浴枠体内全面に敷設せしめて天然化石珊瑚温浴板材に形成させた温浴装置と、該温浴装置の設置区画内の全面に天然化石珊瑚板を張設させた温浴区画。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衛生的で静寂な温浴環境と高い温浴効果を有する温浴装置及び温浴区画に関するものである。
【従来技術】
【0002】
古くから疲労回復の手段として風呂浴が簡便且効果的手段として利用されてきており、更には発汗作用と新陳代謝を高めて、より高い疲労回復を図る手段として高温熱風温浴即ちサウナ風呂の利用も積極的になされてきた。
しかしながら経済成長に伴い、一方においては生活水準の向上とともに食生活の著しい変化と、且他方においては化学工業の発達に伴う化学物質の多用と排出を初め車社会化に伴う膨大な排気ガスの排出或いは電子機器による電子駿音や電磁波の漏出、コンピューター並びにパソコン等事務処理機器の普及と且情報通信網の整備に伴い膨大量の事務を短時間内で処理する就労形態への変化、或いは冷暖房の完備により却って冷えや発汗等の就労環境での就労も強いられる結果となっている。
【0003】
これがため就労者に付加されるストレスや疲労は極限にまで至っており、これによる潜在的鬱病や精神疾患者等は膨大数に昇っていることが報告されるに至っている。
加えて前述の如き食生活の著しい変化や、車社会化による運動不足及び睡眠不足等とも相俟って生活習慣病の拡大、特には糖尿病や循環器病即ち高血圧症、高脂血症、脳卒中、虚血性心疾患等が急増し、而も高齢化とともに動脈硬化や血圧上昇も増大化するものであるから、疲労回復のための風呂浴やサウナの利用は却って脳卒中や心臓発作の誘発危険も孕んでおり、基礎体力の低下した高齢者にはその危険も一層高くなる。
【0004】
これがため近年においては、低温度で体内透過による内部加温作用を保持する遠赤外線放射板材面に仰臥若しくは伏臥させ生活習慣病患者や高齢者にも温浴負担をかけずに、低温度で且内部加温による発汗と血行促進を図り新陳代謝を高め、以って疲労回復を図る所謂石板浴なるものが好適とされるに至っている。
【0005】
然るに石板浴はその放射する遠赤外線波長領域として生体内への透過性に優れる略7μm乃至20μmの波長領域で且高い放射率を以って放射しえる石板材が要請されるものであるが、実用使用に供されてなる石材として花崗岩や閃長岩、閃緑岩、はんれい岩、流紋岩、石英安山岩等多種雑多に亘り、而も高密度且高硬度のものが使用されてなるものであって、セラミックスや鉱物類が遠赤外線再放射特性を保持することは古くから知られており、且この遠赤外線再放射特性は、放射波長と放射率によって取り扱われるもので、とりわけ再放射波長は、その組成成分中の遷移元素酸化物の組成により、更に放射率はその結晶構造に大きく関係すると考えられている。
【0006】
してみると現状の石板浴に用いられる石板材が多種雑多に亘る経緯からすれば、セラミックスや鉱物が遠赤外線再放射特性を保持していることと、高比重、高硬度の石板材が一次加熱エネルギーに対して大きな受熱容量を保持し且実用使用強度に優れることを利用したことに他ならない。
そしてこれら石板材での実用使用においても、当然に内部加温に伴い発汗や体液の排出等がなされるものの、これら汗や体液等は該石板材表面に付着滞留し且該石板材は略30乃至40℃に加温されてなるから、これら付着滞留する汗や体液に空中落下菌が付着し短時に急激な繁殖をなすことから、極めて不衛生となり且該繁殖に伴う悪臭汚臭も著しく不快な環境となる。
【0007】
加えてかかる石板浴の利用者の多くは疲労とともに精神的ストレスも抱えているものであって、該ストレスの原因たるストレッサーは就労環境における電子音や電磁波或いは多人数の雑音や、車を初め都市騒音等も大きく関与するものであるから、静寂な温浴区画内での石板浴がストレッサーの浄化除去即ちカタルシスには極めて有効とされるものの、現状石板浴の区画には何等の対処もなされていない。
【0008】
発明者はかかる実情に鑑み研究を重ね結果、天然珊瑚が極めて長期に亘り続成作用を受けて形成された斜方晶構造からなる天然化石珊瑚は、炭酸カルシウムを主要成分とし多孔質なうえその比重も略2.7と比較的高密度であるから、受熱容量が大きく保温性にも優れ且活性の高いストロンチウムと置換されたカルシウムイオンの溶出性が高く、更には80種に及ぶミネラルが酸化態所謂遷移元素酸化物として含有されてなるため、優れた遠赤外線放射性を発揮するとともに、更には置換性の高いフミン酸が略7乃至8%程度も含有されてなるため、有害ガスや臭気ガス等との吸着分解作用も保持すること、及び熱エネルギーや光エネルギーにより励起して、りん光発光現象が創出される特異性能をも保持すること等を究明し本発明に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は衛生的で静寂な温浴環境区画と高い温浴効果によりストレスの浄化除去と疲労回復を可能となす温浴装置及び温浴区画を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために本発明が用いた技術的手段は、斜方晶構造からなる天然化石珊瑚を所要の厚さと形状及び寸法に切断してなる天然化石珊瑚板を、下面に所要温度に加温できる加温体が設けられ、且少なくとも四側面が木材からなり所要の深さと形状及び寸法に形成された温浴枠体内全面に敷設せしめて天然化石珊瑚温浴板材となした温浴装置と、この温浴装置が設置される区画内の天井面、壁面若しくは床面に、天然化石珊瑚板が張設されてなる構成を特徴とするものであり、更には天然化石珊瑚温浴板材が、その最大粒径が2mm以下で且最密充填密度を形成しえる粒度分布に粉砕されてなる天然化石珊瑚粉体が85乃至90重量%割合に、水溶性アクリル樹脂若しくはメチルセルロース若しくはカルボキシメチルセルロースからなるビヒクルが10乃至15重量%割合で配合され且適宜割合で加水のうえ、所要の厚さと形状及び寸法に接合固着された天然化石珊瑚粉体板からなる構成を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
上述の構成からなる本発明は、素材が斜方晶構造からなる天然化石珊瑚を用いるとともに、該天然化石珊瑚はモース硬度が略3.5乃至4程度であるから、所要の厚さや形状及び寸法に切断し若しくは最密充填密度を形成しえる粒度分布に容易に粉砕できるとともに、所要の厚さと形状及び寸法に形成された天然化石珊瑚板若しくは天然化石珊瑚粉体板が、所要の温度に加温される加温体と且少なくとも四側面が木材からなり、所要の厚さと形状及び寸法に形成された温浴枠体内全面に敷設されてなるため、加温体が所要の温度に加温されることにより該加温エネルギーがその受熱容量が大きく且多孔性からなる天然化石珊瑚温浴板材に十分大きな受熱容量を以って受熱されるとともに多孔性により長時に亘る保温性も保持される。
【0012】
そしてかかる加温エネルギーにより、素材たる天然化石珊瑚の斜方晶構造と且含有される多種に亘るミネラル分とりわけ遷移元素酸化物態の含有により生体内への透過加温作用を有する波長が略6乃至20μmの遠赤外線が高い放射率を以って再放射されるとともに、該天然化石珊瑚温浴板材を形成する素材には、その斜方晶構造と且カルシウムにβ線放射能を有するストロンチウムが置換されており、更に加温エネルギーの付加に伴う励起作用とにより、りん光発光も創出される。
【0013】
これがため天然化石珊瑚温浴板材上に仰臥や伏臥若しくは横臥することにより、風呂浴の如き浴圧を受けず低温度で体内透過による内部加温が全身に亘ってなされるため、虚弱体質の高齢者等にも無理なく発汗や体液の排出と血行促進とにより新陳代謝が高められ、高い疲労回復効果が発揮される。
そして発汗され若しくは排出された汗や体液は、多孔性素材からなる天然化石珊瑚温浴板材に吸着吸収されるとともに、この吸着吸収された汗や体液は活性が高く溶出性に優れるカルシウムイオン及び置換性の高いフミン酸により即時に分解若しくは消臭され、更には遠赤外線領域の再放射や、りん光発光の如く近赤外領域若しくは可視光に及ぶ短波長領域の電磁波再放射、及びストロンチウムによるβ線の放射等により細菌類や臭気に対し直接的な抗菌性や消臭性が発揮され、若しくはマイナスイオンの生成による間接的な抗菌性や消臭性が発揮されて極めて衛生的に保持されるとともに、温浴枠体が木材で形成されてなるため、加温体により加温された加温エネルギーの外部漏出が抑制されるとともに、木材特有の芳香が発散されて快適な空間環境も創出され、且天然化石珊瑚温浴板材への温浴利用時に身体接触がなされても身体への安全性も保持される。
【0014】
加えて本発明においては、かかる温浴装置が設置される区画の天井面や壁面若しくは床面に、天然化石珊瑚板が張設されることにより、該天然化石珊瑚板を形成する素材の多孔性による高い吸音効果が発揮されて、多人数による利用の場合でも話し声が吸音されて極めて静寂な区画が創出され、且該区画内の温度エネルギーの吸収により天井面や壁面或いは床面より遠赤外線が再放射され、而もストレスの原因たるストレッサーが付加蓄積される間脳や脳下垂体並びに副腎に至る神経経路にも、遠赤外線が透過し微細振動刺激や血行促進がなされるためストレス緩和効果も大きく発揮される等、優れた特長を具備した温浴装置及び温浴区画といえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
斜方晶横造の天然化石珊瑚を、所要の厚さと形状及び寸法に切断してなる天然化石珊瑚板を、その下面に所要温度に加温しえる加温体が設けられ、且少なくともその四側面が木材からなり、所要の厚さと形状及び寸法に形成された温浴枠体内全面に敷設せしめてなる構成の温浴装置と、該温浴装置が設置される区画内の天井面、壁面及び床面に、天然化石珊瑚板が張設されてなる構成の温浴区画。
【実施例1】
【0016】
以下に本発明実施例につき図とともに説明すれば、図1は本発明における温浴装置の説明図であって、該温浴装置1は天然化石珊瑚温浴板材1Aと、該天然化石珊瑚温浴板材1Aを所要の温度に加温させるための加温体1B、及び該天然化石珊瑚温浴板材1A及び加温体1Bを挟持固定させる温浴枠体1Cとから構成されている。
【0017】
そして天然化石珊瑚温浴板材1Aは、その素材として温浴に際して風呂浴の如き浴圧の付加や高温度による身体への負荷がなく、実質的に略30乃至40℃程度の低温度と且内部加温による発汗や血行促進による新陳代謝を高めるため、該30乃至40℃程度の低温度の加温エネルギーによっても、内部加温に係る波長略6乃至20μmの遠赤外線領域の電磁波の放射率に優れることと、他方において温浴の使用に伴い使用者からの発汗や排出される体液等の除去や、これらから発生する臭気や付着細菌の繁殖による環境悪化や不衛生化への対処も可能なものが望まれる。
【0018】
これがためには素材としては天然珊瑚が極めて長期間に亘り続成作用を受けて形成された斜方晶構造即ちアラゴナイト系の天然化石珊瑚10Aが選択されるもので、該天然化石珊瑚10Aは比表面積が略0.35m/g程度の多孔質で且比重が略2.7と比較的高密度であるから受熱容量も大きく、一旦加温エネルギーが付加されると十分に大きな熱容量を以って受熱しえ且長時に受熱エネルギーを保温しえるとともに、更にはそのモース硬度も略3.5乃至4程度であるから切断や粉砕等の二次加工性も容易となる。
加えて天然化石珊瑚10Aは、斜方晶構造のうえ主成分が炭酸カルシウムであって、加水状態においては活性の高いカルシウムイオンの溶出性に優れること、及び該カルシウムにはβ線を放射するストロンチウムが微量に置換されていること、或いは有害ガスや臭気若しくは有機物等との置換性の高いフミン酸が略7乃至8重量%含有されてなり、有害ガスや臭気と容易に吸着分解しえること、更には略80種に及びミネラルが含有されてなるとともにその酸化態としての遷移元素酸化物で含有されてなるから、斜方晶構造とも相俟って加温エネルギーを吸収のうえ生体内透過と加温作用を保持する遠赤外線再放射性に優れること等による。
【0019】
かくして選択された天然化石珊瑚10Aは、所要の厚さと形状及び寸法に切断されて、図2に示す如き天然化石珊瑚板11Aが形成される。かかる場合の該天然化石珊瑚板11Aの具体的な厚さや形状或いは寸法には特段の制約はないが、その厚さについては実用使用に際して付加される荷重に十分対抗しえる必要上から少なくとも3cm以上望ましくは5乃至8cm程度が好都合である。
反面形状や寸法においては、一人一人に占有使用させる場合には、その幅で略60乃至90cm、長さで略180乃至200cm程度が望まれることから、通常においては略20cm乃至30cm平方角のものが好都合であるが、特段に意匠を凝らす場合には三角形や六角形若しくは菱形に切断したものを敷設し、或いは図3の如く不定形状のものを適宜に配位敷設させる方法も採用される。
【0020】
この天然化石珊瑚板11Aは、前述の如く天然化石珊瑚10Aを所要の厚さと形状及び寸法に切断して形成させる場合の他、図4に示す如き天然化石珊瑚粉体板12Aを形成しても使用できる。
即ち該天然化石珊瑚粉体板12Aは素材としての天然化石珊瑚10Aを、その最大粒径が2mm以下に粉砕して天然化石珊瑚粉体12Bとなすとともに、該最大粒径の天然化石珊瑚粉体12Bと最密充填密度を形成する粒度分布を有する粒径に粉砕させたものとの配合により達成される。
かかる場合において最大粒径を2mm以下とする所以は、形成された天然化石珊瑚粉体板12Aの上面に仰臥し、伏臥し或いは横臥して温浴する場合に皮膚面への違和感を軽減させることであり、且最大粒径が2mmの天然化石珊瑚粉体12Bの最密充填密度を形成する粒度分布としては最小粒径で0.14乃至0.2mm以下の粒度のものが略30乃至50%割合で配合されれば良い。
【0021】
かくして最密充填密度に配合された天然化石珊瑚粉体12Bを85乃至90重量%に、水溶性のアクリル樹脂若しくはメチルセルロース或いはカルボメチルセルロースからなるビヒクルを10乃至15重量%割合で配合し、且適宜割合で加水のうえ所要の厚さと形状及び寸法に接合固着させることにより天然化石珊瑚粉体板12Aが形成されるもので、かかる天然化石珊瑚粉体板12Aの最大の特徴は、その厚さや形状及び寸法が任意に形成しえることにある。
【0022】
かかる如くして形成される天然化石珊瑚板11A若しくは天然化石珊瑚粉体板12Aは、温浴に際しての加温と且この加温エネルギーを遠赤外線再放射エネルギーとして放射させるために、その下面にはこれら天然化石珊瑚板11Aや天然化石珊瑚粉体板12Aを略30乃至40℃に加温しえる適宜の加温体1Bが設けられている。
この加温体1Bは特段の制約は無いが、具体例としては図5に示すものが挙げられるもので、即ち図5のAではその内部に電熱ヒーターが組込まれた加熱メッシュ20Bからなるもので、該加熱メッシュ20Bの加温には電力20Eが用いられるもので、当然に該加熱メッシュ20Bの温度管理には、その電源回路中に配設されるコントローラー20Cが、天然化石珊瑚温浴板材1Aの適宜位置に埋設させた温度感知器20Dの感知により電力20EのON−OFFがなされるよう工夫されている。
【0023】
図5のBには内部に電熱ヒーターが耐熱絶縁材とにより組込まれてなる加温板21Bの態様が示されてなるもので、該加温板21Bも加温のためには電力20Eが用いられ、且該加温板21Bの温度管理も、その電源回路中に配設されるコントローラー20Cが、天然化石珊瑚温浴板材1Aの適宜位置に埋設された温度感知器20Dの感知により電力20EのON−OFFがなされるよう配慮されている。
更に図5のCには熱風排出管22Bが蛇行配位されてなるもので、該熱風排出管22Bには排気口22Aが穿孔されてなり且その一側には熱風送風ポンプ22Cが設けられてなるとともに、該熱風送風ポンプ22Cは、天然化石珊瑚温浴板材1Aの適宜位置に埋設された温度感知器20Dの感知により送風温度及び送風量が制御され送風されるよう構成されている。
【0024】
かかる如くして天然化石珊瑚温浴板材1A及び加温体1Bは温浴枠体1C内全面に敷設配位され挟持固定されている。
この温浴枠体1Cは断熱性に優れ且温浴利用時における身体との接触時の安全性や自然的触感とともに、発散する芳香性による快適な環境創出をも実現するうえから使用素材としては木材が使用されるもので、とりわけ檜材や杉材、桜材、クヌギ材或いはブナ材等が好適である。
【0025】
そしてこの温浴枠体1Cは温浴装置1の設置方法によっても異なるが、少なくとも天然化石珊瑚温浴板材1A及び加温体1Bの少なくとも四側面を挟持固定しえるように、所要の厚さと形状及び寸法に形成されてなるもので、より好ましくは底面を含む五側面を温浴枠体1Cで形成させることにある。
かかる如くして本発明温浴装置1が形成されるものであるが、本発明の目的は肉体的疲労回復のための温浴のみならず、精神的ストレスの緩和のための温浴も意図している。
【0026】
即ち精神的ストレスは間脳や脳下垂体及び副腎に至る神経系にストレス原因たるストレッサーが蓄積された状態にあるから、この緩和にはストレスの浄化除去所謂カタルシスをなすことが重要となる。これがためにはストレッサ−の原因要素とされる雑音や騒音の無い静寂な区画と且神経系に蓄積されたストレッサ−に微振動を浸透共振させて緩和することが有効とされている。
これがためには、図6に示すように温浴装置1が設置される温浴区画2の天井面や壁面或いは床面に、前記天然化石珊瑚板11A若しくは天然化石珊瑚粉体板12Aを張設させるものであって、これにより天然化石珊瑚板11Aや天然化石珊瑚粉体板12Aの多孔質による高い吸音性により静寂な温浴区画2の環境が創出され、且該温浴区画2内の温度エネルギーを吸収のうえ温浴区画2内全面から、極めて短波長の電磁波から遠赤外線領域の電磁波までが再放射されて、生体内への浸透共振がなされてストレスの緩和もなされることとなる。
【0027】
かかる場合の張設に係わる実質的な厚さは、温浴区画2のスペースと利用者数によって適宜に決定されるが、一人での利用で且狭少なスペースでは略3乃至5mm程度でも十分であるが、多人数利用で広大なスペースの場合には略30乃至50mm程度のものが望まれる。そしてかかる温浴区画2内の張設には一旦板材に形成させたものを張設するよりも、天然化石珊瑚粉体板12Aの形成における天然化石珊瑚粉体12Bとビヒクル12C及び水とを配合させた塗材のまま直接塗着形成させることが極めて有利であって、かかる如くして温浴区画2が形成される。
【産業上の利用可能性】
【0028】
設置スペースが確保されれば、温浴装置は容易に設置し使用でき、且設置スペース内に張設又は塗着により温浴区画も簡便に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】 温浴装置の説明図である。
【図2】 天然化石珊瑚板の見取図である。
【図3】 天然化石珊瑚板の敷設説明図である。
【図4】 天然化石珊瑚粉体板の側面説明図である。
【図5】 加温体の例示図である。
【図6】 温浴区画の説明図である。
【符号の説明】
【0030】
1 温浴装置
1A 天然化石珊瑚温浴板材
1B 加温体
1C 温浴枠体
10A 天然化石珊瑚
11A 天然化石珊瑚板
12A 天然化石珊瑚粉体板
12B 天然化石珊瑚粉体
12C ビヒクル
20B 加熱メッシュ
20C コントローラー
20D 温度感知器
20E 電力
2 温浴区画

【特許請求の範囲】
【請求項1】
斜方晶構造からなる天然化石珊瑚を、所要の厚さと形状及び寸法に切断した天然化石珊瑚板を、その下面に少なくとも30乃至40℃以上に加温しえる加温体が設けられ、この加温体の上面に天然化石珊瑚板が全面に亘って敷設されて天然化石珊瑚温浴板材が形成され、且この加温体及び天然化石珊瑚温浴板材とが、木材からなり所要の厚さと形状及び寸法で形成された温浴枠体により、少なくともその四側面が挟持固定された構成からなる温浴装置。
【請求項2】
天然化石珊瑚温浴板材が、斜方晶構造からなる天然化石珊瑚をその最大粒径が2mm以下で且最密充填密度を形成しえる粒度分布を以って粉砕してなる天然化石珊瑚粉体が85乃至90重量%と水溶性アクリル樹脂若しくはメチルセルロース或いはカルボキシメチルセルロースからなるビヒクルが10乃至15重量%割合で配合され、且適宜割合重量の加水により所要の厚さと形状及び寸法に接合固着させて形成された天然化石珊瑚粉体板で敷設形成される請求項1記載の温浴装置。
【請求項3】
請求項1若しくは請求項2記載の温浴装置が設置される区画内の天井面、壁面若しくは床面全面に、天然化石珊瑚板若しくは天然化石珊瑚粉体板が張設されてなる構成からなる温浴区画。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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