説明

温湿度調整機構

【課題】 エネルギーコストおよび設備コストを大幅に削減することができ、かつ、精度の高い測定を可能とする温湿度調整機構を提供すること。
【解決手段】 電波暗室2のシールド床3の一部に設けた孔4と、電波暗室2の外部に設けた温湿度を調整する温湿度調整手段7と、温湿度調整手段7と孔4とを通気可能に接続するダクト9と、孔4と被試験体8の間に設置した絶縁材料からなる台6と、被試験体8と孔4と台6の全体を覆う透明な絶縁材料からなるカバー5とからなり、台6とカバー5はシールド床3からの取り外しが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度および/または湿度の調整機構に関し、特に電波暗室内において電子機器などの被試験体に対してEMC(Electro Magnetic Compatibility)試験を行う際、被試験体の周囲の温湿度を所定条件に保持するために用いる温湿度調整機構に関する。
【背景技術】
【0002】
電波暗室内で電子機器などの被試験体のEMC試験を行う際は、測定規格により被試験体の周囲の温度や湿度を所定の条件内に保つ必要があり、従来は一般的に電波暗室全体の温湿度を空調設備によって条件内に調整している。このため、例えば、大型電波暗室の場合、体育館程度の広さがあるが、その室内全体の空間の温湿度を調整する方法をとっている。
【0003】
また不要輻射の測定という限定された目的の試験において、電波暗室内で環境試験を行うために、被試験体の周囲の温湿度を所定条件に設定する環境試験装置を電波暗室内に設けることで、温湿度調整にかかるエネルギーロスを少なくする方法が特許文献1に開示されている。特許文献1の環境試験装置では、金属製の筐体で空調室を構成し、その筐体は空調室から外部に電磁波が漏れ出さない電磁シールド構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008―166474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、電波暗室内で電子機器などの被試験体のEMC試験を行う際は、従来の一般的方法では電波暗室全体という非常に大きな空間を空調する必要があったため、温湿度の調整にかかるエネルギーコストが非常に高く、また大型の空調設備を要するため設備コストも大きくなっていた。
【0006】
また、温湿度調整のエネルギーロスを軽減する方法として、特許文献1に記載の環境試験装置があるが、金属製の筐体で空調室が構成される実施形態が開示されており、その空調室が特に記載がないので一般的には金属製と思われるエアタンクと共に電波暗室内に設けられているため、EMC試験を行う際に被試験体の不要輻射波の反射が起こり、精度の高い測定が困難であるという問題がある。これに加え、この環境試験装置の場合、被試験体が設置される試験室は空調室と空調室に固定されたカバーにより空間の大きさが限定されており、大型の被試験体の測定ができないという問題や、また、電波暗室内に撤去が困難な環境試験装置を含めた構成システムを設置しなければならないことにより電波暗室の用途が制限されてしまうという問題もある。
【0007】
そこで本発明の目的は、電波暗室におけるEMC試験の際の温湿度調整において、温湿度調整の領域を被試験体の周囲に限ることによりエネルギーロスを低減し、温湿度調整に要するエネルギーコストの削減を図ることが可能で、かつ、設備コストを大幅に下げることのできる温湿度調整機構を提供することにある。さらに、EMC試験において、測定状況が視認でき、不要輻射波の反射を抑えることで精度の高い測定を可能とすることを目的とする。さらには、温湿度調整機構を使用しないときには撤去可能に構成することで、電波暗室の利用範囲を拡げることが可能な温湿度調整機構を提供することを目的とする。
【0008】
すなわち、本発明の課題は、電波暗室におけるEMC試験の際の温湿度調整において、エネルギーコストおよび設備コストを大幅に削減することができ、かつ、精度の高い測定を可能とする温湿度調整機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明による温湿度調整機構は、電波暗室内にて行われるEMC試験の際に被試験体の周囲の温度または湿度の少なくとも一方を所定の条件に保持するために用いる温湿度調整機構であって、前記電波暗室のシールド床の一部に設けた孔と、前記電波暗室の外部に設けた温度または湿度の少なくとも一方を調整する温湿度調整手段と、前記温湿度調整手段と前記孔とを通気可能に接続する手段と、前記孔と前記被試験体との間に設置された絶縁材料からなる台と、前記被試験体と前記台と前記孔の全体を覆う少なくとも一部が透明な絶縁材料からなるカバーとを有することを特徴とする。
【0010】
ここで、前記台および前記カバーは前記シールド床からの取り外しが可能であることが望ましい。
【0011】
また、前記電波暗室のシールド床の一部または前記シールド床上にターンテーブルを有し、前記孔が前記ターンテーブルの中央に設けられていてもよい。
【0012】
また、前記カバーは内部に空気を有する構造体であってもよい。
【0013】
また、前記電波暗室において前記温湿度調整機構を使用しない時に前記孔の開口部全体を覆い前記シールド床と電気的に接続してシールド性を保持するための蓋を有していてもよい。
【0014】
本発明でいうEMC試験とは、電磁環境両立性試験のことであり、電磁干渉妨害(エミッション)試験と電磁的感受性(イミュニティ)試験からなるものである。また、本発明でいう電波暗室とは、外部からの電磁波の影響を受けないよう天井、壁面、床の6面全てを導電性の材料で遮蔽したシールドルームと、更に天井、壁面の5面を電磁波吸収体により覆い、室内で電磁波が反射しないような構造となっている電波暗室を指している。
【発明の効果】
【0015】
上記のように、本発明の温湿度調整機構では、EMC試験において、カバーにより被試験体の周囲の空間を覆って、温湿度調整を必要とする空間を小さくすることにより、温湿度調整手段の設備コストと温湿度調整に必要なエネルギーコストを低減させることができる。
【0016】
また、本発明では温湿度調整手段を電波暗室の外部に設置し、電波暗室内に被試験体以外の不要物をなるべく配置しないことにより、被試験体からの不要輻射波を反射する金属などの物体を電波暗室内から排除し、精度の高い測定を可能としている。また、被試験体を覆うカバーとして透明なカバーを用いることにより被試験体の状態を視認できるようになり、試験中に正常動作を行っているかを電波暗室の外からでも容易に判断できるようになる。
【0017】
また、本発明の温湿度調整機構において、カバーや台をシールド床に定常的に固定しないで、容易に取り外しや組み立て、撤去、運搬が可能な構成とすることにより、温湿度調整が不要な試験では蓋により孔を塞ぐことで、電波暗室をEMC試験だけに限定することなく幅広く活用できる。
【0018】
また、本発明においては、ターンテーブルを有する電波暗室の場合であっても、ターンテーブルの中央に孔を設けることにより、ターンテーブルのない電波暗室と同様に温湿度調整を行うことができる。
【0019】
以上のように、本発明により、電波暗室におけるEMC試験の際の温湿度調整において、エネルギーコストおよび設備コストを大幅に削減することができ、かつ、精度の高い測定を可能とする温湿度調整機構が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による温湿度調整機構の第1の実施の形態の構成の概略図。
【図2】本発明による温湿度調整機構の第2の実施の形態の構成の概略図。
【図3】第1の実施の形態の温湿度調整機構に用いることができるカバーの具体的な一例の概略を示す斜視図。
【図4】内部に空気層を有するプレートの断面構造を示す図。
【図5】第2の実施の形態の温湿度調整機構に用いることができるカバーの具体的な一例の概略を示す斜視図。
【図6】本発明による温湿度調整機構に用いることができる蓋の一例の構造の概略を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、本発明による温湿度調整機構の第1の実施の形態の構成の概略図である。図1はターンテーブルのない電波暗室で、小型の被試験体に対して本発明を適用したものである。図1において、本実施の形態の温湿度調整機構1は、電波暗室2内にて行われるEMC試験の際に被試験体8の周囲の温度および湿度を所定の条件に保持するために用いる温湿度調整機構であって、電波暗室2のシールド床3の一部に設けた孔4と、電波暗室2の外部に設けた温度および湿度を調整する温湿度調整手段7と、温湿度調整手段7と孔4とを通気可能に接続する手段であるダクト9と、孔4と被試験体8の間に設置した絶縁材料からなる台6と、被試験体8と孔4と台6の全体を覆う透明な絶縁材料からなるカバー5とからなり、台6とカバー5はシールド床3からの取り外しが可能となっている。
【0023】
電波暗室2は、図示しないが、天井、壁、シールド床3の6面全てがシールドされており、壁面と天井は電波吸収体に覆われている。ダクト9は、孔4の全てを塞がない形態で通されている。孔4の直上には、孔4を塞がないような構造で絶縁材料からなる台6が置かれており、台6の上に被試験体8が載置されている。カバー5は、被試験体8に接触せず、被試験体8の周囲の空気の流通を妨げない程度の空間を保って被試験体8と台6と孔4の全体を覆うように設置され、温湿度調整手段7からダクト9を介してカバー5内に温湿度を調整された空気が送風され、孔4とダクト9の間の隙間より内部空気を外部に自然排出している。
【0024】
孔4は、温湿度調整手段7に接続されたダクト9から送風される温湿度が調整された空気を流入でき、かつカバー5内の空気を滞りなく流出できる程度の大きさの貫通孔である。また、孔4は、空気の流出入を妨げない大きさ、形状であればよく、金属メッシュやパンチングメタルなどで開口部を覆ってもよい。金属メッシュやパンチングメタルなどで孔4を覆うことは、シールド性がよくなるので望ましい。
【0025】
温湿度調整手段7は、温度と湿度を所定の条件内に調整することが可能であればその他の特別な機能を必要とせず、一般的な空調機であればよく、家庭用空調機のような小型のものであっても適用が可能である。特別な温湿度の範囲に調整したい場合や非常に精度を高く調整したい場合などには、それに応じて既存の空調機を選択して設置すればよい。一方、EMC試験において、温度のみの調整を必要とする場合は、温度調整機能のみを有する空調機を選択しても良い。
【0026】
台6は絶縁材料からなり、木材や樹脂などの不要輻射波の反射が起こらないような材料であればよく、被試験体の載置に支障ない強度を有するものであれば特に限定されない。具体的には木材やポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、FRPなどが使用可能である。台6の形状は、測定規格や被試験体8の大きさに応じて大きさや高さを決定すればよいが、孔4から温湿度調整された空気が流入する妨げとならないような脚を持つ構造であることが必要である。
【0027】
カバー5の材質は、台6と同様の理由から不要輻射波が反射しない材料であり、試験中の被試験体8の状態が視認できるように無色透明な材質が望ましい。一般的な樹脂で透明なものであれば良く、具体的には塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。また、カバー5は、内部に空気を有する構造体である方が温湿度調整にかかるエネルギーを抑えるために望ましい。内部に空気を有する構造体は、2枚のシートを間隔を空けて配置することによりカバーを構成したり、間に空気の層を有する1対の樹脂板や、エアパッキンのように隔壁で隔てられて空気の層を保持する構造の材料を用いてカバーを構成することにより実現できる。カバー5の大きさは被試験体8に接触することがなく、被試験体の周囲の空気の流通を充分確保できる程度の空間を保つことのできる大きさであればよい。しかしながら、被試験体との間の空間を保った上で出来るだけ小さい方がエネルギーロスを削減する効果が高い。
【0028】
図2は、本発明による温湿度調整機構の第2の実施の形態の構成の概略図である。図2はターンテーブルのある電波暗室20で、大型の被試験体28に対して本発明を適用したものである。
【0029】
本実施の形態の温湿度調整機構21の基本的な構成は第1の実施の形態と同様であり、シールド床23の一部にターンテーブル10を有することが第1の実施の形態と異なっている。
【0030】
ターンテーブル10は、被試験体を回転させて行う試験で用いられる。ターンテーブル10は、温湿度調整手段7に接続されたダクト9からの温湿度調整された空気を、回転の妨げとならずに流入できるように、その中央部に孔24を設けている。また、ターンテーブル10は従来知られている電波暗室で通常用いられるものである。ダクト9は、従来の電気ケーブル等の接続と同様に回転に支障のないように接続、配置される。台26は被試験体28が大型のため背の低いものを使用するが、温湿度調整された空気の流出入に支障がない脚付き構造である必要がある。
【0031】
電波暗室20の中にあるターンテーブル10の径が3m、試験空間高さが2mとした場合、被試験体28を覆うカバー25の大きさは最も大きいものでもφ3.5m×H2.5m程度であるが、この大きさに収まらなければならないということはない。しかしながら、被試験体と空間を保った上で出来るだけ小さい方がエネルギーの抑制効果が高い。
【0032】
図3は図1に示した第1の実施の形態の温湿度調整機構に用いることができるカバー5の具体的な一例の概略を示す斜視図である。本実施例のカバー5は、8本の塩化ビニル製のポール12を4つの塩化ビニル製のジョイント11を用いて結合して箱型の骨組みを作り、この骨組みの外側を無色透明なポリエチレン製のシート13で覆って構成したものである。
【0033】
次に、図1の第1の実施の形態の構成においてこのカバー5を実際に使用して試験を行った結果を説明する。図1において、被試験体8とカバー5との間に空間を有するようにカバー5の大きさを決定し、被試験体8と孔4と台6を全て覆った。カバー5は上記の構造であることにより、その分解、撤去、収納が容易に可能であった。また、無色透明なシート13を使用することで試験中の被試験体8の状態を視認できるようになり、被試験体8が正常動作していることを容易に確認できた。また、EMC試験において、温湿度調整機構の有無による測定精度への影響はなく、電波暗室2の全体を温湿度調整した際と比べて、調整に要するエネルギーを8分の1にまで抑えることができた。
【0034】
なお、カバー5の他の例としては、内部に空気層を有するプレートで5面体を構成し、カバー5とすることも可能である。図4は、このような内部に空気層を有するプレートの断面構造を示す図であり、2つの透明な樹脂からなるプレート15がその間に空気層14を挟んで配置されている。また、このプレートは内部に空気層を持つペア硝子板であってもよい。
【0035】
図5は、図2に示した第2の実施の形態の温湿度調整機構に用いることができるカバー25の具体的な一例の概略を示す斜視図である。カバー25は、塩化ビニル製で家庭用プールのように内部に空気を封入した円環を積み重ねたような形状を有する構造であり、塩化ビニルの膜の間に5cm程度の空気層34を有する構造をもつ。カバー25は、回転するターンテーブル10上に配置するため、ターンテーブル10の接触面に面ファスナーを取り付け、固定することでターンテーブル10が回転してもカバーが動かないようにできる。また、EMC試験に影響のない材質の固定具であれば面ファスナー以外の他の手段でもよい。また、カバー25をターンテーブル10に固定するのではなく、カバー25の径をターンテーブル10の径より大きくすることでターンテーブル10の外側の回転に影響されない部分に固定しても良い。
【0036】
本例のカバーを第2の実施の形態の温湿度調整機構に使用した結果、空気層14を含むことで保温性が上がったことにより、図3の実施例のカバーの場合と比べてエネルギー消費をさらに抑えられ、また解体することなく空気を抜くだけで容易に撤去、収納が可能になることが確認できた。加えて、図3の実施例のカバーを使用した場合と同様に、EMC試験において温湿度調整機構の有無による測定精度への影響はなく、電波暗室全体を温湿度調整した際と比べて、調整に要するエネルギーを大幅に抑えることができた。
【0037】
なお、カバー25の他の例としては、図3に示したような、2枚の樹脂板や硝子板の間に空気層を有するプレートを用いて構成することも可能である。
【0038】
図6は本発明による温湿度調整機構に用いることができる孔の開口部を塞ぐための蓋の一例の構造の概略を示す断面図である。すなわち、電波暗室において温湿度調整機構を使用しない時に孔の開口部全体を覆いシールド床と電気的に接続してシールド性を保持するための蓋である。具体的には、第1の実施の形態において、測定終了後に台6と被試験体8とカバー5を撤去した後に、孔4の開口部を塞ぐための蓋16について示したものである。図6において、電波暗室2のシールド床3に孔4より大きな外径の窪みを設けており、蓋16はその窪みと嵌合する形状を有している。蓋16は例えばステンレスなどの金属でできていることから、シールド床3との接触面17において接地されると同時に、床面を平坦ににすることが可能となる。また、本実施の形態において蓋16は単にシールド床の窪みに嵌めこむだけの構造としたが、ねじ込み式の構造やボルト止めなどにしてもよい。また、蓋16と接触面17との間にガスケットを設けることにより、より確実な接続が可能となる。蓋16により、EMC試験終了後、温湿度調整機構を解体、撤去した後に孔を塞ぎ、シールドも確保できるため、電波暗室を多目的に利用できるようになる。
【0039】
以上のように、本発明により、従来に比べエネルギーコストおよび設備コストを大幅に削減することができ、かつ、精度の高い測定を可能とし、温湿度調整機構を適用しないときには撤去することが可能な温湿度調整機構が得られる。
【0040】
なお、本発明は上記の実施の形態や実施例に限定されるものではないことはいうまでもなく、目的や用途に応じて設計変更可能である。例えば、シールド床の孔の形状、大きさ、位置、カバーや台の形状、材質、構造、温湿度調整手段の選択なども試験条件、被試験体に応じて最適に設計可能である。また、中心に穴を有するターンテーブルをシールド床上に設置することも可能である。また、用途が限定された電波暗室の場合には、台やカバーはシールド床に固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1、21 温湿度調整機構
2、20 電波暗室
3、23 シールド床
4、24 孔
5、25 カバー
6、26 台
7 温湿度調整手段
8、28 被試験体
9 ダクト
10 ターンテーブル
11 ジョイント
12 ポール
13 シート
14、34 空気層
15 プレート
16 蓋
17 接触面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波暗室内にて行われるEMC試験の際に被試験体の周囲の温度または湿度の少なくとも一方を所定の条件に保持するために用いる温湿度調整機構であって、前記電波暗室のシールド床の一部に設けた孔と、前記電波暗室の外部に設けた温度または湿度の少なくとも一方を調整する温湿度調整手段と、前記温湿度調整手段と前記孔とを通気可能に接続する手段と、前記孔と前記被試験体との間に設置された絶縁材料からなる台と、前記被試験体と前記台と前記孔の全体を覆う少なくとも一部が透明な絶縁材料からなるカバーとを有することを特徴とする温湿度調整機構。
【請求項2】
前記台および前記カバーは前記シールド床からの取り外しが可能であることを特徴とする請求項1に記載の温湿度調整機構。
【請求項3】
前記電波暗室のシールド床の一部または前記シールド床上にターンテーブルを有し、前記孔が前記ターンテーブルの中央に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の温湿度調整機構。
【請求項4】
前記カバーは内部に空気を有する構造体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の温湿度調整機構。
【請求項5】
前記電波暗室において使用しない時に前記孔の開口部全体を覆い前記シールド床と電気的に接続してシールド性を保持するための蓋を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の温湿度調整機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−80022(P2012−80022A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226243(P2010−226243)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【出願人】(501353052)株式会社トーキンEMCエンジニアリング (13)
【Fターム(参考)】