説明

温風暖房装置

【課題】制御基板がショートしない温風暖房装置を提供する。
【解決手段】
温風暖房装置内の板金部品を折り曲げてその一方に制御基板16を配置する機器正面部14を設け、折り曲げた他方に切り起こして基板支持片17を複数形成した基板支持部18を設け、板金部品の折り曲げ部分で各基板支持片17の近傍にリブ状の突出部25、26、27を複数形成させ、基板支持片17の先端側の近傍の突出部25を他の突出部26、27より大きく形成したので、制御基板16が先端側の基板支持片17と機器正面部14との間に位置しようとすると基板支持片17の先端側の近傍の突出部25に制御基板16が当接して制御基板16の裏面の半田面が機器正面部14に接触せず、制御基板16がショートするのを防止出来るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃焼ガスをそのまま室内に温風として放出し室内の暖房を行う温風暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種のものに於いては、本体内に収納するカートリッジ式タンクを囲むタンクガイドに、温風暖房装置の制御部を構成する制御基板をピンやネジ等の固定金具により取り付けていた。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
また制御基板の取り付け方法として、制御基板を取り付けるパネルに爪部を形成し、その爪部に制御基板に形成した凹部を係合させて制御基板を取り付けていた。(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−97495号公報
【特許文献2】実開昭61−140592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでこの従来のものでは、本体内に収納するカートリッジ式タンクを囲むタンクガイドを切り起こして複数の爪部を形成し、制御基板の一端側を複数の爪部が係合して制御基板を支持し、制御基板の他端側をピンやネジ等の固定金具によりタンクガイドに固定することにより、制御基板をタンクガイドに取り付けていたが、製品の組み立て工程で誤って制御基板の一端側がタンクガイドを切り起こして形成した爪部と係合せずに爪部とタンクガイドとの間に挟まり、制御基板の他端側がピンやネジ等の固定金具によりタンクガイドに固定された場合、制御基板の裏側の半田部分が金属板金のタンクガイドと接触し、制御基板がショートしてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、特にその構成を請求項1では、温風暖房装置内の板金部品に基板支持片を切り起こして複数形成し、制御基板の一端を前記基板支持片に係合させる温風暖房装置に於いて、前記板金部品を折り曲げてその一方に制御基板を配置する機器正面部を設け、折り曲げた他方に基板支持片が切り起こされて複数形成されている基板支持部を設けると共に、板金部品の折り曲げた部分で各基板支持片の近傍にリブ状の突出部を複数形成させ、前記基板支持片の先端側の近傍の突出部を他の突出部より大きく形成したものである。
【0007】
又請求項2に係る温風暖房装置では、特にその構成を請求項1に於いて、前記制御基板の他端にピン差し込み穴を形成し、機器正面部にピン差し込み穴と係合する基板取り付け用ピンを設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、温風暖房装置内の板金部品に基板支持片を切り起こして複数形成し、制御基板の一端を前記基板支持片に係合させる温風暖房装置に於いて、前記板金部品を折り曲げてその一方に制御基板を配置する機器正面部を設け、折り曲げた他方に基板支持片が切り起こされて複数形成されている基板支持部を設けると共に、板金部品の折り曲げた部分で各基板支持片の近傍にリブ状の突出部を複数形成させ、前記基板支持片の先端側の近傍の突出部を他の突出部より大きく形成したので、制御基板が先端側の基板支持片と機器正面部との間に位置しようとすると、基板支持片の先端側の近傍の突出部に制御基板が当接して、制御基板の裏面の半田面が機器正面部に接触するのを防止して制御基板がショートしないようにすることが出来るものである。
【0009】
又、本発明の請求項2に記載の温風暖房装置によれば、制御基板の他端にピン差し込み穴を形成し、機器正面部にピン差し込み穴と係合する基板取り付け用ピンを設けたので、制御基板が先端側の基板支持片と機器正面部との間に位置しようとすると、基板支持片の先端側の近傍の突出部に制御基板が当接して、制御基板のピン差し込み穴と機器正面部に固定された基板取り付け用ピンの位置が合わず制御基板を組み付けられないので、組み立ての作業者は制御基板が基板支持片に正確に支持されていないことがわかり、制御基板の誤組み付けを防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施形態を示す温風暖房装置の正面図。
【図2】同前パネルを取り外した温風暖房装置の正面図。
【図3】同タンク遮熱板の正面図。
【図4】同側面図。
【図5】同制御基板を組み付けたタンク遮熱板の正面図。
【図6】同側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る発明の1実施形態を図面に基づいて説明する。
1は温風暖房機本体で、2は前面上部に備えられた操作部、3は温風を案内するルーバ4が取り付けられた温風吹出口、5は前記温風取入口(図示せず)と温風吹出口3とを連通する送風ボックス、6は前記送風ボックス5内にバーナヘッド(図示せず)を突出して設けられたバーナ部、7は前記バーナヘッドを囲堯して燃焼空間を形成する燃焼筒、8はバーナ部6と燃焼筒7が取り付けられた燃焼筒基板で、送風ボックス8に取り付けられるものである。
【0012】
前記機器本体1の外装体は、前面を覆う前パネル9と、上面を覆う上面板10と、側面及び背面を覆う背面板11とを置き台12の上に固定して構成されている。
【0013】
13は機器本体1内に設けられ、油などの液体燃料を供給するカートリッジ式タンク(図示せず)を収納するタンク収納部(図示せず)を形成する板金からなるタンク遮熱板で、バーナ部6の熱によりカートリッジ式タンクが過熱されるのを防止するものである。
【0014】
前記タンク遮熱板13は、略L字状に曲げられて機器正面部14と機器側面部15を形成し、前記機器正面部14と機器側面部15と機器本体1の側面及び背面を覆う背面板11とでタンク収納部(図示せず)を形成するもので、機器正面部14の端部は更に略直角に曲げられて制御基板16の一端を支持する基板支持片17が切り起こされて複数形成されている基板支持部18を形成すると共に、更に基板支持部18の端部は更に略直角に曲げられて背面板11の側面部分の先端部とねじ19にて係合する側面取り付け部20を形成し、機器側面部15の端部も更に略直角に曲げられて背面板11の背面部分とねじ(図示せず)にて係合する背面取り付け部21を形成するものである。
【0015】
前記基板支持片17は、切り起こした切り起こし片の形状が略V字状に形成され、その略V字状の部分で制御基板16の一端の上部を狭持する上部基板支持片17aと、切り起こした切り起こし片の形状が略V字状に形成され、その略V字状の部分で制御基板16の一端の略中央部を狭持する中部基板支持片17bと、切り起こした切り起こし片の形状が略V字状に形成され、その切り起こし片に制御基板16の一端の角部分が当接することで制御基板16を支持すると共に、略V字状の両側を更に上方向に折り曲げて、その左右の折り曲げた部分で制御基板16の一端の下部を狭持する下部基板支持片17cとからなるものである。
【0016】
22は基板取り付け用ピンで、一端が機器正面部14に形成されたピン用穴23に差し込まれて機器正面部14に固定され、他端は制御基板16のピン差し込み穴24に差し込まれて制御基板16の他端側を支持するものである。
【0017】
25は上部突出部で、機器正面部14と基板支持部18との曲げ部分を三角リブ状に突出させて形成したもので、機器正面部14と基板支持部18との曲げ部分で上部基板支持片17aの位置より下の位置に形成され、機器正面部14と基板支持部18との曲げ部分の強度を向上させると共に、制御基板16の先端部分が上部基板支持片17aと機器正面部14の間に位置しようとするとこの上部三角リブ25に当接して制御基板16の裏面の半田面が機器正面部14に接触するのを防止して制御基板16がショートしないようにするもので、他の突出部よりも大きく形成されているものである。
【0018】
26は中部突出部で、機器正面部14と基板支持部18との曲げ部分を三角リブ状に突出させて形成したもので、機器正面部14と基板支持部18との曲げ部分で中部基板支持片17bの位置付近に形成され、機器正面部14と基板支持部18との曲げ部分の強度を向上させるものであり、27は下部突出部三角で、機器正面部14と基板支持部18との曲げ部分を三角リブ状に突出させて形成したもので、機器正面部14と基板支持部18との曲げ部分で下部基板支持片17cの位置付近に形成され、機器正面部14と基板支持部18との曲げ部分の強度を向上させるものである。
【0019】
28はこのカートリッジ式タンクからの燃料を一時的に溜め置く固定タンク、29は固定タンク28内の燃料を送油管30介してバーナ部6へ圧送する電磁ポンプ、31は燃焼用空気を送風管32を介して送風する燃焼ファンである。
【0020】
次に制御基板16の取り付け作業について説明する。
まず略長方形状の制御基板16で基板支持片17と係合させる側の上部を、上部基板支持片17aの略V字状の部分に狭持させ、制御基板16で基板支持片17と係合させる側の中央部を、中部基板支持片17bの略V字状の部分に狭持させ、制御基板16で基板支持片17と係合させる側の下部を下部基板支持片17cの略V字状の両側の上方向に折り曲げた部分に狭持させると共に、制御基板16で基板支持片17と係合させる側の下の角部が下部基板支持片17cの上に載るようにする。
【0021】
この時、制御基板16で基板支持片17と係合させる側の上部が、上部基板支持片17aの略V字状の部分に狭持させる正常の組み付けでは、制御基板16と上部突出部25は当接せず、制御基板16が正常な位置にあるので、その状態では制御基板16のピン差し込み穴24と機器正面部14に固定された基板取り付け用ピン22の位置が合っているので、その状態で組み立ての作業者は機器正面部14に固定された基板取り付け用ピン22にピン差し込み穴24を差し込んで制御基板16の取り付けを完了する。
【0022】
しかし、制御基板16で基板支持片17と係合させる側の上部が上部基板支持片17aの略V字状の部分に狭持されず、制御基板16の先端部分が上部基板支持片17aと機器正面部14の間に位置するような誤った組み付けをすると、制御基板16の先端部分が上部突出部25に当接して制御基板16が正常な位置にならず、制御基板16のピン差し込み穴24と機器正面部14に固定された基板取り付け用ピン22の位置が合わず制御基板16を組み付けられないので、組み立ての作業者は制御基板16で基板支持片17と係合させる側の上部が上部基板支持片17aの略V字状の部分に狭持されていないことがわかり、制御基板16の誤組み付けを防止できるものである。
【0023】
それにより制御基板16の半田面が金属板金のタンク遮熱板13と接触し、制御基板16がショートしてしまうのを防止することができるものである。
【符号の説明】
【0024】
14 機器正面部
16 制御基板
17 基板支持片
18 基板支持部
25 上部突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温風暖房装置内の板金部品に基板支持片を切り起こして複数形成し、制御基板の一端を前記基板支持片に係合させる温風暖房装置に於いて、前記板金部品を折り曲げてその一方に制御基板を配置する機器正面部を設け、折り曲げた他方に基板支持片が切り起こされて複数形成されている基板支持部を設けると共に、板金部品の折り曲げた部分で各基板支持片の近傍にリブ状の突出部を複数形成させ、前記基板支持片の先端側の近傍の突出部を他の突出部より大きく形成したことを特徴とする温風暖房装置。
【請求項2】
前記制御基板の他端にピン差し込み穴を形成し、機器正面部にピン差し込み穴と係合する基板取り付け用ピンを設けたことを特徴とする請求項1記載の温風暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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