温風暖房装置
【課題】簡単に対流ファンフィルタが着脱できる温風暖房装置を提供する。
【解決手段】
機器本体1の背面板3に形成した空気吸込口を覆うように設けた対流ファンガード16に着脱自在に取り付けられる対流ファンフィルタ17を、略中央に取っ手部18が形成されたフィルタ上部19と、複数の通気穴20が形成された通気部21とにより断面略L字状に設け、前記対流ファンフィルタ17内側には上部に磁石からなる上部係合部材27を設け、内側の下部には磁石からなる下部係合部材28を設け、前記通気部21の下端を傾斜させて磁石離反部26を形成したので、対流ファンフィルタ17を取り出す時、磁石離反部26が対流ファンガード16に当接して下部係合部材28が離れることで対流ファンフィルタ17を容易に取り外すことができるものである。
【解決手段】
機器本体1の背面板3に形成した空気吸込口を覆うように設けた対流ファンガード16に着脱自在に取り付けられる対流ファンフィルタ17を、略中央に取っ手部18が形成されたフィルタ上部19と、複数の通気穴20が形成された通気部21とにより断面略L字状に設け、前記対流ファンフィルタ17内側には上部に磁石からなる上部係合部材27を設け、内側の下部には磁石からなる下部係合部材28を設け、前記通気部21の下端を傾斜させて磁石離反部26を形成したので、対流ファンフィルタ17を取り出す時、磁石離反部26が対流ファンガード16に当接して下部係合部材28が離れることで対流ファンフィルタ17を容易に取り外すことができるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ガス、石油を燃料とする温風暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種のものに於いては、温風暖房装置の枠体の背面に室内空気取入口を設け、該室内空気取入口に対流ファンを覆うファンケースを取付け、更に該ファンケースにフィルタの外周の枠を支えるようにスライドガイドを取付けており、フィルタ先端の両端をスライドガイドに合わせて、フィルタの枠の上端に取付けた把手を持ってフィルタを下方へ引下げると、該フィルタはスライドガイドに案内されてファンケースを覆うようにファンケースの外側に配置され、その状態からフィルタの枠の上端の把手を持ってフィルタを上方へ引上げると、該フィルタはスライドガイドに案内されて上方へ取外すことができるものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−126551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、温風暖房装置の後方及び上部に十分な空間があるように設置された場合はフィルタの着脱に何ら問題はないが、温風暖房装置の後方及び上部に十分な空間がないような場所に設置された場合は、一端フィルタをファンケースから取り外してしまうと、再度フィルタを取り付けるのに目で確認しながらフィルタ先端の両端をスライドガイドに合わせることができず、簡単にファンケースにフィルタを取り付けることが出来なかった。
【0005】
そこでフィルタの内側の上下に複数の磁石からなる係合部材を設け、磁力によりフィルタを着脱させるものが考えられるが、フィルタを取り外す場合、フィルタの内側の上に設けた係合部材はフィルタを取り外そうと上に持ち上げるだけで磁力による吸着は解除されるが、温風暖房装置が後方及び上部に十分な空間がないような場所に設置された場合は、フィルタを取り外すまで持ち上げるスペースがなく、そのためフィルタの内側の下に設けた係合部材はいつまでも磁力により吸着していてフィルタを取り外すことができない問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、特にその構成を請求項1では、機器本体の背面板に形成した空気吸込口を覆うように背面板に取り付けられる対流ファンガードと、該対流ファンガードに着脱自在に取り付けられた対流ファンフィルタとを備えた温風暖房装置に於いて、前記対流ファンフィルタは略中央に取っ手部が形成されたフィルタ上部と、複数の通気穴が形成された通気部とにより断面略L字状に設けられ、前記対流ファンフィルタの内側の上部に磁石からなる上部係合部材を設けると共に、対流ファンフィルタの内側の下部に磁石からなる下部係合部材を設け、前記通気部の下端を傾斜させて磁石離反部を形成したものである。
【0007】
又請求項2に係る温風暖房装置では、特にその構成を請求項1に於いて、前記磁石離反部は略45度の角度で傾斜して形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、対流ファンフィルタは略中央に取っ手部が形成されたフィルタ上部と、複数の通気穴が形成された通気部とにより断面略L字状に設けられ、前記対流ファンフィルタの内側の上部に磁石からなる上部係合部材を設けると共に、対流ファンフィルタの内側の下部に磁石からなる下部係合部材を設け、前記通気部の下端を傾斜させて磁石離反部を形成したので、下部係合部材は磁石離反部が対流ファンガードの下面に接触したまま対流ファンフィルタを引き上げることで対流ファンガードの正面部分から離れるので、その状態から更に対流ファンフィルタを引き上げることで簡単に対流ファンフィルタを機器本体の後方から取り外すことができるものである。
【0009】
又、本発明の請求項2に記載の温風暖房装置によれば、前記磁石離反部は略45度の角度で傾斜して形成したので、磁石離反部が対流ファンガードの下面に接触しても対流ファンフィルタを引き上げる動作の抵抗にならずにスムーズに対流ファンフィルタを引き上げることができ、その上で下部係合部材を対流ファンガードより引き離す間隔を大きくすることができるので、対流ファンガードを引き上げても下部係合部材が磁力により対流ファンガードの正面部分に吸着したままなかなか外れないという不具合が発生するのを防止し、容易に対流ファンフィルタを取り外すことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施形態を示す温風暖房装置の正面図。
【図2】同側面図。
【図3】同背面図。
【図4】同平面図。
【図5】同温風暖房装置に取り付けられる対流ファンフィルタの正面図。
【図6】同平面図。
【図7】同側面図。
【図8】同断面図。
【図9】同対流ファンフィルタを取り付けた時の断面図。
【図10】同対流ファンフィルタを取りつける時の要部断面図。
【図11】同対流ファンフィルタを取りつけた時の要部断面図。
【図12】同対流ファンフィルタを取り外す時の要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る発明の1実施形態を図面に基づいて説明する。
1は温風暖房装置の機器本体で、各種ボタンや表示部が設けられた天板2と、円形状の空気吸込口(図示せず)と排気用孔(図示せず)とを形成した背面板3と、左右の側面板4、5と、底面の底板6と、温風吹出口7を設けた前パネル8と、前記底板6の底面の隅に設けた脚部9よりなり、置台10の上に置いて底板6と置台10との間にスペース11を形成させた状態で室内に設置するものである。
【0012】
12は背面板3に取り付けられた背面カバーで、背面板3上部に取り付けられる背面カバー上部13と、背面板3左部に取り付けられる背面カバー左部14と、背面板3右部に取り付けられる背面カバー右部15とからなり、背面カバー上部13と背面カバー左部14と背面カバー右部15とにより背面板3に略コの字状に取り付けられているものである。
【0013】
16は背面板3に取り付けられた略八角形の対流ファンガードで、背面板3に形成した空気吸込口付近には対流ファン(図示せず)が設けられており、対流ファンガード16はこの空気取入口を覆うように背面板3に取り付けられているものである。
【0014】
17は対流ファンフィルタで、略中央に取っ手部18が形成されたフィルタ上部19と、パンチングにより複数の通気穴20が形成された通気部21とにより断面略L字状に設けられ、前記通気部21は中心部分周辺が盛り上がるように形成されているものである。
【0015】
前記取っ手部18は、フィルタ上部19に形成され取っ手部18を握った時に手の平の部分が当たる取っ手上部22と、通気部21の上部のパンチングされていない部分で取っ手上部22の真下部分を内側に切り起こして上部当接部23を形成することで取っ手部18を握った時に指が入る取っ手下部24によりなるものである。
【0016】
又、前記通気部21の両端は略直角に曲げられて案内部25が形成され、該案内部25は対流ファンフィルタ17を対流ファンガード16に取り付ける時対流ファンガード16の外側と接触することで対流ファンガード16に対流ファンフィルタ17が所定の位置になるように案内するもので、 又、前記通気部21の下端は約45度に曲げられて磁石離反部26が形成されているものである。
【0017】
27は対流ファンフィルタ17の内側の上部当接部23の下の位置で、対流ファンフィルタ17の中央寄りの左右の位置に設けた上部係合部材で、磁石により形成され、対流ファンフィルタ17の上部を磁力により対流ファンガード16に係合させるものであり、28は対流ファンフィルタ17の内側で下部の両端部分の位置に設けた下部係合部材で、磁石により形成され、対流ファンフィルタ17の下部を磁力により対流ファンガード16に係合させるものである。
【0018】
29は前記上部係合部材27の下方に形成した突起部で、対流ファンフィルタ17の通気部21で上部係合部材27の下方に位置する部分を内面側に突起させたもので、該突起部29は上部係合部材27の高さよりも若干低い位に形成されているものである。
【0019】
30は背面カバー上部13の略中央部分を切り欠いて形成されたフィルタ取り付け部で、対流ファンガード16の上方に位置し、切り欠いた部分は対流ファンフィルタ17を対流ファンガード16に取り付けると、対流ファンフィルタ17のフィルタ上部19が背面カバー上部13と同一面になるものである。
【0020】
31はフィルタ取り付け部30の角部に形成した切り欠き部で、切り欠く位置を側面より内側にして形成したことにより、フィルタ取り付け部30に対流ファンフィルタ17を取り付けようとした時、対流ファンフィルタ17の案内部25が切り欠き部分にはまることがなく、スムーズに対流ファンフィルタ17を着脱することが出来、又切り欠いた部分が対流ファンフィルタ17の案内部25に接触することがないので、案内部25の塗装が剥げることがないものである。
【0021】
次にこの対流ファンフィルタ17を対流ファンガード16に取り付ける動作について説明する。
まず、機器本体1の後方及び上部に十分な空間がないような場所に設置された温風暖房装置の正面から対流ファンフィルタ17を取り付けようとのぞき込むと、背面カバー上部13のフィルタ取り付け部30が見えるので、対流ファンフィルタ17の取っ手部18を握った状態で対流ファンフィルタ17の磁石離反部26からフィルタ取り付け部30に差し込んでいく。
【0022】
この時、フィルタ取り付け部30の一側面と対流ファンフィルタ17の一方の案内部25が接触した状態で対流ファンフィルタ17をフィルタ取り付け部30に差し込んでも、フィルタ取り付け部30の一側面と接触していない他方の案内部25の内側に対流ファンガード16の側面部分が接触するので、対流ファンガード16に対しての対流ファンフィルタ17の横位置は、対流ファンフィルタ17の両端部分に形成した案内部25の少なくともどちらか一方の内側に対流ファンガード16の側面部分が接触することで正常の位置に案内されるものである。
【0023】
又この時、対流ファンフィルタ17の磁石離反部26の先端部分が対流ファンガード16の正面部分に接触し、それにより対流ファンフィルタ17の下部係合部材28が対流ファンガード16に接触しない状態となっている。
【0024】
そしてその状態から更に対流ファンフィルタ17をフィルタ取り付け部30に差し込んでいくと、図10のように対流ファンフィルタ17の突起部29が対流ファンガード16の上面部分に接触し、更に対流ファンフィルタ17を差し込むことで、上部係合部材27を対流ファンガード16の正面の位置まで移動させ、対流ファンガード16の上面部分に接触せずに対流ファンガード16の正面部分に磁力により吸着させるものである。
【0025】
そして図11のように磁石離反部26の先端部分が対流ファンガード16の正面部分の下端を通過して磁石離反部26が対流ファンガード16の正面部分と非接触状態となることで、下部係合部材28が磁力により完全に対流ファンガード16の正面下部に吸着すると共に上部係合部材27が磁力により完全に対流ファンガード16の正面上部に吸着し、更に対流ファンガード16の上部当接部23の下面が対流ファンガード16の上面部分に接触してそれ以上対流ファンフィルタ17が差し込めない状態になり、対流ファンフィルタ17の取り付けが完了するもので、この時フィルタ上部19は背面カバー上部13と同一面になるものである。
【0026】
このように、対流ファンフィルタ17の取り付けが完了した時、フィルタ上部19が背面カバー上部13と同一面になるので、それにより使用者は対流ファンフィルタ17が正常に取り付けられたことが容易に確認できるものであり、又、フィルタ上部19が背面カバー上部13と同一面になることで対流ファンフィルタ17を背面カバー12の一部として兼用できるものである。
【0027】
次にこの対流ファンフィルタ17を対流ファンガード16から取り外す動作について説明する。
まず、機器本体1の後方に取り付けられている対流ファンフィルタ17の取っ手部18を握って対流ファンフィルタ17を引き上げていくと、図11のように上部係合部材27と下部係合部材28が磁力により対流ファンガード16の正面部分に吸着したまま対流ファンフィルタ17が持ち上げられていく。
【0028】
そして更に対流ファンフィルタ17を引き上げていくと、磁石離反部26が対流ファンガード16の下面に接触する。
この磁石離反部26は約45度に曲げられて形成されているので、磁石離反部26が対流ファンガード16の下面に接触したまま対流ファンフィルタ17を引き上げていくと、徐々に対流ファンフィルタ17下部を対流ファンガード16から離すもので、それにより下部係合部材28が対流ファンガード16の正面部分から離れるものである。
【0029】
このように、約45度に曲げられて形成されている磁石離反部26が対流ファンガード16の下面に接触することで、磁石離反部26が対流ファンガード16の下面に接触しても対流ファンフィルタ17を引き上げる動作の抵抗にならずにスムーズに対流ファンフィルタ17を引き上げることができ、その上で下部係合部材28を対流ファンガード16より引き離す間隔を大きくすることができるので、対流ファンガード16を引き上げても下部係合部材28が磁力により対流ファンガード16の正面部分に吸着したままなかなか外れないという不具合が発生するのを防止し、容易に対流ファンフィルタ17を取り外すことができるものである。
【0030】
そして図12のように、上部係合部材27は対流ファンフィルタ17を引き上げることで対流ファンガード16の正面部分から離れ、下部係合部材28は磁石離反部26が対流ファンガード16の下面に接触したまま対流ファンフィルタ17を引き上げることで対流ファンガード16の正面部分から離れるので、その状態から更に対流ファンフィルタ17を引き上げることで簡単に対流ファンフィルタ17を機器本体1の後方から取り外すことができるものである。
【符号の説明】
【0031】
1 機器本体
3 背面板
16 対流ファンガード
17 対流ファンフィルタ
18 取っ手部
19 フィルタ上部
20 通気穴
21 通気部
26 磁石離反部
27 上部係合部材
28 下部係合部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、ガス、石油を燃料とする温風暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種のものに於いては、温風暖房装置の枠体の背面に室内空気取入口を設け、該室内空気取入口に対流ファンを覆うファンケースを取付け、更に該ファンケースにフィルタの外周の枠を支えるようにスライドガイドを取付けており、フィルタ先端の両端をスライドガイドに合わせて、フィルタの枠の上端に取付けた把手を持ってフィルタを下方へ引下げると、該フィルタはスライドガイドに案内されてファンケースを覆うようにファンケースの外側に配置され、その状態からフィルタの枠の上端の把手を持ってフィルタを上方へ引上げると、該フィルタはスライドガイドに案内されて上方へ取外すことができるものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−126551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、温風暖房装置の後方及び上部に十分な空間があるように設置された場合はフィルタの着脱に何ら問題はないが、温風暖房装置の後方及び上部に十分な空間がないような場所に設置された場合は、一端フィルタをファンケースから取り外してしまうと、再度フィルタを取り付けるのに目で確認しながらフィルタ先端の両端をスライドガイドに合わせることができず、簡単にファンケースにフィルタを取り付けることが出来なかった。
【0005】
そこでフィルタの内側の上下に複数の磁石からなる係合部材を設け、磁力によりフィルタを着脱させるものが考えられるが、フィルタを取り外す場合、フィルタの内側の上に設けた係合部材はフィルタを取り外そうと上に持ち上げるだけで磁力による吸着は解除されるが、温風暖房装置が後方及び上部に十分な空間がないような場所に設置された場合は、フィルタを取り外すまで持ち上げるスペースがなく、そのためフィルタの内側の下に設けた係合部材はいつまでも磁力により吸着していてフィルタを取り外すことができない問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、特にその構成を請求項1では、機器本体の背面板に形成した空気吸込口を覆うように背面板に取り付けられる対流ファンガードと、該対流ファンガードに着脱自在に取り付けられた対流ファンフィルタとを備えた温風暖房装置に於いて、前記対流ファンフィルタは略中央に取っ手部が形成されたフィルタ上部と、複数の通気穴が形成された通気部とにより断面略L字状に設けられ、前記対流ファンフィルタの内側の上部に磁石からなる上部係合部材を設けると共に、対流ファンフィルタの内側の下部に磁石からなる下部係合部材を設け、前記通気部の下端を傾斜させて磁石離反部を形成したものである。
【0007】
又請求項2に係る温風暖房装置では、特にその構成を請求項1に於いて、前記磁石離反部は略45度の角度で傾斜して形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、対流ファンフィルタは略中央に取っ手部が形成されたフィルタ上部と、複数の通気穴が形成された通気部とにより断面略L字状に設けられ、前記対流ファンフィルタの内側の上部に磁石からなる上部係合部材を設けると共に、対流ファンフィルタの内側の下部に磁石からなる下部係合部材を設け、前記通気部の下端を傾斜させて磁石離反部を形成したので、下部係合部材は磁石離反部が対流ファンガードの下面に接触したまま対流ファンフィルタを引き上げることで対流ファンガードの正面部分から離れるので、その状態から更に対流ファンフィルタを引き上げることで簡単に対流ファンフィルタを機器本体の後方から取り外すことができるものである。
【0009】
又、本発明の請求項2に記載の温風暖房装置によれば、前記磁石離反部は略45度の角度で傾斜して形成したので、磁石離反部が対流ファンガードの下面に接触しても対流ファンフィルタを引き上げる動作の抵抗にならずにスムーズに対流ファンフィルタを引き上げることができ、その上で下部係合部材を対流ファンガードより引き離す間隔を大きくすることができるので、対流ファンガードを引き上げても下部係合部材が磁力により対流ファンガードの正面部分に吸着したままなかなか外れないという不具合が発生するのを防止し、容易に対流ファンフィルタを取り外すことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施形態を示す温風暖房装置の正面図。
【図2】同側面図。
【図3】同背面図。
【図4】同平面図。
【図5】同温風暖房装置に取り付けられる対流ファンフィルタの正面図。
【図6】同平面図。
【図7】同側面図。
【図8】同断面図。
【図9】同対流ファンフィルタを取り付けた時の断面図。
【図10】同対流ファンフィルタを取りつける時の要部断面図。
【図11】同対流ファンフィルタを取りつけた時の要部断面図。
【図12】同対流ファンフィルタを取り外す時の要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る発明の1実施形態を図面に基づいて説明する。
1は温風暖房装置の機器本体で、各種ボタンや表示部が設けられた天板2と、円形状の空気吸込口(図示せず)と排気用孔(図示せず)とを形成した背面板3と、左右の側面板4、5と、底面の底板6と、温風吹出口7を設けた前パネル8と、前記底板6の底面の隅に設けた脚部9よりなり、置台10の上に置いて底板6と置台10との間にスペース11を形成させた状態で室内に設置するものである。
【0012】
12は背面板3に取り付けられた背面カバーで、背面板3上部に取り付けられる背面カバー上部13と、背面板3左部に取り付けられる背面カバー左部14と、背面板3右部に取り付けられる背面カバー右部15とからなり、背面カバー上部13と背面カバー左部14と背面カバー右部15とにより背面板3に略コの字状に取り付けられているものである。
【0013】
16は背面板3に取り付けられた略八角形の対流ファンガードで、背面板3に形成した空気吸込口付近には対流ファン(図示せず)が設けられており、対流ファンガード16はこの空気取入口を覆うように背面板3に取り付けられているものである。
【0014】
17は対流ファンフィルタで、略中央に取っ手部18が形成されたフィルタ上部19と、パンチングにより複数の通気穴20が形成された通気部21とにより断面略L字状に設けられ、前記通気部21は中心部分周辺が盛り上がるように形成されているものである。
【0015】
前記取っ手部18は、フィルタ上部19に形成され取っ手部18を握った時に手の平の部分が当たる取っ手上部22と、通気部21の上部のパンチングされていない部分で取っ手上部22の真下部分を内側に切り起こして上部当接部23を形成することで取っ手部18を握った時に指が入る取っ手下部24によりなるものである。
【0016】
又、前記通気部21の両端は略直角に曲げられて案内部25が形成され、該案内部25は対流ファンフィルタ17を対流ファンガード16に取り付ける時対流ファンガード16の外側と接触することで対流ファンガード16に対流ファンフィルタ17が所定の位置になるように案内するもので、 又、前記通気部21の下端は約45度に曲げられて磁石離反部26が形成されているものである。
【0017】
27は対流ファンフィルタ17の内側の上部当接部23の下の位置で、対流ファンフィルタ17の中央寄りの左右の位置に設けた上部係合部材で、磁石により形成され、対流ファンフィルタ17の上部を磁力により対流ファンガード16に係合させるものであり、28は対流ファンフィルタ17の内側で下部の両端部分の位置に設けた下部係合部材で、磁石により形成され、対流ファンフィルタ17の下部を磁力により対流ファンガード16に係合させるものである。
【0018】
29は前記上部係合部材27の下方に形成した突起部で、対流ファンフィルタ17の通気部21で上部係合部材27の下方に位置する部分を内面側に突起させたもので、該突起部29は上部係合部材27の高さよりも若干低い位に形成されているものである。
【0019】
30は背面カバー上部13の略中央部分を切り欠いて形成されたフィルタ取り付け部で、対流ファンガード16の上方に位置し、切り欠いた部分は対流ファンフィルタ17を対流ファンガード16に取り付けると、対流ファンフィルタ17のフィルタ上部19が背面カバー上部13と同一面になるものである。
【0020】
31はフィルタ取り付け部30の角部に形成した切り欠き部で、切り欠く位置を側面より内側にして形成したことにより、フィルタ取り付け部30に対流ファンフィルタ17を取り付けようとした時、対流ファンフィルタ17の案内部25が切り欠き部分にはまることがなく、スムーズに対流ファンフィルタ17を着脱することが出来、又切り欠いた部分が対流ファンフィルタ17の案内部25に接触することがないので、案内部25の塗装が剥げることがないものである。
【0021】
次にこの対流ファンフィルタ17を対流ファンガード16に取り付ける動作について説明する。
まず、機器本体1の後方及び上部に十分な空間がないような場所に設置された温風暖房装置の正面から対流ファンフィルタ17を取り付けようとのぞき込むと、背面カバー上部13のフィルタ取り付け部30が見えるので、対流ファンフィルタ17の取っ手部18を握った状態で対流ファンフィルタ17の磁石離反部26からフィルタ取り付け部30に差し込んでいく。
【0022】
この時、フィルタ取り付け部30の一側面と対流ファンフィルタ17の一方の案内部25が接触した状態で対流ファンフィルタ17をフィルタ取り付け部30に差し込んでも、フィルタ取り付け部30の一側面と接触していない他方の案内部25の内側に対流ファンガード16の側面部分が接触するので、対流ファンガード16に対しての対流ファンフィルタ17の横位置は、対流ファンフィルタ17の両端部分に形成した案内部25の少なくともどちらか一方の内側に対流ファンガード16の側面部分が接触することで正常の位置に案内されるものである。
【0023】
又この時、対流ファンフィルタ17の磁石離反部26の先端部分が対流ファンガード16の正面部分に接触し、それにより対流ファンフィルタ17の下部係合部材28が対流ファンガード16に接触しない状態となっている。
【0024】
そしてその状態から更に対流ファンフィルタ17をフィルタ取り付け部30に差し込んでいくと、図10のように対流ファンフィルタ17の突起部29が対流ファンガード16の上面部分に接触し、更に対流ファンフィルタ17を差し込むことで、上部係合部材27を対流ファンガード16の正面の位置まで移動させ、対流ファンガード16の上面部分に接触せずに対流ファンガード16の正面部分に磁力により吸着させるものである。
【0025】
そして図11のように磁石離反部26の先端部分が対流ファンガード16の正面部分の下端を通過して磁石離反部26が対流ファンガード16の正面部分と非接触状態となることで、下部係合部材28が磁力により完全に対流ファンガード16の正面下部に吸着すると共に上部係合部材27が磁力により完全に対流ファンガード16の正面上部に吸着し、更に対流ファンガード16の上部当接部23の下面が対流ファンガード16の上面部分に接触してそれ以上対流ファンフィルタ17が差し込めない状態になり、対流ファンフィルタ17の取り付けが完了するもので、この時フィルタ上部19は背面カバー上部13と同一面になるものである。
【0026】
このように、対流ファンフィルタ17の取り付けが完了した時、フィルタ上部19が背面カバー上部13と同一面になるので、それにより使用者は対流ファンフィルタ17が正常に取り付けられたことが容易に確認できるものであり、又、フィルタ上部19が背面カバー上部13と同一面になることで対流ファンフィルタ17を背面カバー12の一部として兼用できるものである。
【0027】
次にこの対流ファンフィルタ17を対流ファンガード16から取り外す動作について説明する。
まず、機器本体1の後方に取り付けられている対流ファンフィルタ17の取っ手部18を握って対流ファンフィルタ17を引き上げていくと、図11のように上部係合部材27と下部係合部材28が磁力により対流ファンガード16の正面部分に吸着したまま対流ファンフィルタ17が持ち上げられていく。
【0028】
そして更に対流ファンフィルタ17を引き上げていくと、磁石離反部26が対流ファンガード16の下面に接触する。
この磁石離反部26は約45度に曲げられて形成されているので、磁石離反部26が対流ファンガード16の下面に接触したまま対流ファンフィルタ17を引き上げていくと、徐々に対流ファンフィルタ17下部を対流ファンガード16から離すもので、それにより下部係合部材28が対流ファンガード16の正面部分から離れるものである。
【0029】
このように、約45度に曲げられて形成されている磁石離反部26が対流ファンガード16の下面に接触することで、磁石離反部26が対流ファンガード16の下面に接触しても対流ファンフィルタ17を引き上げる動作の抵抗にならずにスムーズに対流ファンフィルタ17を引き上げることができ、その上で下部係合部材28を対流ファンガード16より引き離す間隔を大きくすることができるので、対流ファンガード16を引き上げても下部係合部材28が磁力により対流ファンガード16の正面部分に吸着したままなかなか外れないという不具合が発生するのを防止し、容易に対流ファンフィルタ17を取り外すことができるものである。
【0030】
そして図12のように、上部係合部材27は対流ファンフィルタ17を引き上げることで対流ファンガード16の正面部分から離れ、下部係合部材28は磁石離反部26が対流ファンガード16の下面に接触したまま対流ファンフィルタ17を引き上げることで対流ファンガード16の正面部分から離れるので、その状態から更に対流ファンフィルタ17を引き上げることで簡単に対流ファンフィルタ17を機器本体1の後方から取り外すことができるものである。
【符号の説明】
【0031】
1 機器本体
3 背面板
16 対流ファンガード
17 対流ファンフィルタ
18 取っ手部
19 フィルタ上部
20 通気穴
21 通気部
26 磁石離反部
27 上部係合部材
28 下部係合部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体の背面板に形成した空気吸込口を覆うように背面板に取り付けられる対流ファンガードと、該対流ファンガードに着脱自在に取り付けられた対流ファンフィルタとを備えた温風暖房装置に於いて、前記対流ファンフィルタは略中央に取っ手部が形成されたフィルタ上部と、複数の通気穴が形成された通気部とにより断面略L字状に設けられ、前記対流ファンフィルタの内側の上部に磁石からなる上部係合部材を設けると共に、対流ファンフィルタの内側の下部に磁石からなる下部係合部材を設け、前記通気部の下端を傾斜させて磁石離反部を形成したことを特徴とする温風暖房装置。
【請求項2】
前記磁石離反部は略45度の角度で傾斜して形成したことを特徴とする請求項1記載の温風暖房装置。
【請求項1】
機器本体の背面板に形成した空気吸込口を覆うように背面板に取り付けられる対流ファンガードと、該対流ファンガードに着脱自在に取り付けられた対流ファンフィルタとを備えた温風暖房装置に於いて、前記対流ファンフィルタは略中央に取っ手部が形成されたフィルタ上部と、複数の通気穴が形成された通気部とにより断面略L字状に設けられ、前記対流ファンフィルタの内側の上部に磁石からなる上部係合部材を設けると共に、対流ファンフィルタの内側の下部に磁石からなる下部係合部材を設け、前記通気部の下端を傾斜させて磁石離反部を形成したことを特徴とする温風暖房装置。
【請求項2】
前記磁石離反部は略45度の角度で傾斜して形成したことを特徴とする請求項1記載の温風暖房装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−36662(P2013−36662A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172602(P2011−172602)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】
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