測位用受信装置
【課題】本発明は、直接波とノイズを精度良く判別することができる、測位用受信装置の提供を目的とする。
【解決手段】スペクトラム拡散された信号をGPS衛星などの測位用衛星から受信する測位用受信装置であって、車速に応じて決められた時間内にアンテナ1によって受信した信号と拡散コードとの相関値を算出する相関器3と、相関器3によって算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かによって、車速に応じて決められた時間内に受信した信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定する判定部6とを備えることを特徴とする、測位用受信装置。
【解決手段】スペクトラム拡散された信号をGPS衛星などの測位用衛星から受信する測位用受信装置であって、車速に応じて決められた時間内にアンテナ1によって受信した信号と拡散コードとの相関値を算出する相関器3と、相関器3によって算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かによって、車速に応じて決められた時間内に受信した信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定する判定部6とを備えることを特徴とする、測位用受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スペクトラム拡散された信号を受信する測位用受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マルチパスによって測位精度の悪化を防止する技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に開示の受信装置は、PNコードが入力されたときの相関出力のレベルと該PNコードの位相を時間的に前の位相にずらしたときにおける相関出力のレベルとを比較し、レベルの大きいほうの相関出力を直接波による相関出力とする信号判定手段を備えるものである(図1(a)参照)。
【0004】
特許文献2に開示の受信装置は、検出した複数の相関ピーク点の中から位相遅延が最も小さい相関ピーク点を検出して、直接波のコード位相を捕捉するものである(図1(c)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3283913号
【特許文献2】特開2005−260781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、スペクトラム拡散された信号を用いて車両制御を行う場合、その信号の直接波を的確に捉えることが非常に重要であるため、直接波の成否によっては車両制御性能に大きな差がでる。
【0007】
しかしながら、レベルの大きい方を直接波と判定する特許文献1の開示技術では、例えば直接波のみが木陰等で遮られることにより、直接波のレベルが低くなり反射波のレベルが相対的に高くなると、反射波を直接波と誤って判定するおそれがある(図1(b)参照)。また、時間的に早いピークを直接波と判定する特許文献2の開示技術では、例えばSN比が低い場合(電波強度が弱い場合など)、ノイズを直接波と誤って判定するおそれがある(図1(d)参照)。積算してノイズ成分を低減する手法もあるが、車両の移動中はその効果が十分ではない場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、直接波とノイズを精度良く判別することができる、測位用受信装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る測位用受信装置は、
スペクトラム拡散された信号を受信する測位用受信装置であって、
車速に応じて決められた時間内に受信した信号と拡散コードとの相関値を算出する相関器と、
前記相関器によって算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かによって、前記時間内に受信した信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定する判定部とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、直接波とノイズを精度良く判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】直接波の従来の判別方法を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態である測位用受信装置の構成例を示したブロック図である。
【図3】相関器3によって算出された相関値の車速による違いを示した図である。
【図4】本発明の実施形態の測位用受信装置で行われる直接波とノイズの判定方法の一例を示したフローチャートである。
【図5】車速Vに対する時間Taを決定するための対応関係の一例を示した図である。
【図6】相関値の変動周期(変動周波数)の車速による違いを示した図である。
【図7】直接波とノイズの判定マップの一例である。
【図8】相関値の変化率の車速による違いを示した図である。
【図9】直接波とノイズの判定マップの一例である。
【図10】相関器3によって算出された相関値の車速による違いを示した図である。
【図11】本発明の実施形態の測位用受信装置で行われる直接波とノイズの判定方法の一例を示したフローチャートである。
【図12】直接波とノイズの判定マップの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態の説明を行う。図2は、本発明の実施形態である測位用受信装置の構成例を示したブロック図である。図2には、直接拡散方式によりスペクトラム拡散された信号をGPS衛星などの測位用衛星から受信する測位用受信装置が示されている。図2(a)に示される測位用受信装置10は、車速に応じて決められた時間Ta内に受信した信号と拡散コードとの相関値を算出する相関器3と、相関器3によって算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かによって、時間Ta内に受信した信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定する判定部6とを備えている。車速とは、測位用受信装置10を搭載する車両の走行速度である。車速は、車速センサの出力信号に基づいて得られる。また、相関器3は複数備えられていてもよく、図2(b)に示される測位用受信装置20は、相関器3として、2つの相関器3A,3Bが並列に備えられている。
【0013】
図3は、相関器3によって算出された相関値の車速による違いを示した図である。図3内の各図の横軸は、拡散コードの位相を表し、縦軸は、相関値の大きさを表している。また、黒矢印は、受信した信号が直接波のときの相関値の変化を示し、白矢印は、受信した信号がノイズのときの相関値の変化を示している。図3に示されるように、直接波の相関値は車速と相関して変化し、ノイズの相関値は車速と相関無く変化する。本願発明はこの点に着目したものであって、判定部6は、相関器3によって算出された相関値の変化が車速と相関している場合、受信した信号は直接波であると判定し、相関器3によって算出された相関値の変化が車速と相関していない場合、受信した信号はノイズであると判定する。つまり、判定部6は、車速と相関して変化する相関値を直接波に基づいて算出された相関値と判定し、車速と相関無く変化する相関値をノイズに基づいて算出された相関値と判定する。
【0014】
したがって、上述の測位用受信装置によれば、木陰などで直接波の電波強度が弱くなる場面であっても、自車両が移動中であっても、相関値の変化と車速との相関関係を観測することによって、直接波とノイズを的確に判別することができる。その結果、直接波を適切に捕捉することができるので、自車両の測位を高精度に実施することが可能になる。
【0015】
また、直接波の相関値は車速が速くなるほど速く変化し、ノイズの相関値は車速に関係なく変化するので、車速に応じて決められた時間Ta内に受信した信号に基づいて算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かによって直接波かノイズかの判定を行うことによって、必要最小限の時間で、当該判定を効率的に実施することができる。例えば、車速が速い場合の時間Taの長さが、車速が遅い場合に比べて短い時間に設定されるように決められることによって、必要最小限の時間で当該判定を効率的に実施することができる。
【0016】
次に、図2に示された測位用受信装置の構成について、より詳細に説明する。図2に示された測位用受信装置は、車両に搭載され、アンテナ1と、高周波回路2と、相関器3と、記憶部4と、変化検出部5と、判定部6とを備える。
【0017】
アンテナ1によって受信された信号は、高周波回路2に入力される。高周波回路2は、アンテナ1によって受信された信号を中間周波信号にダウンコンバートし、その中間周波信号をAD変換によってデジタル信号に変換して、相関器3に供給する。
【0018】
相関器3は、測位用受信装置の拡散コード生成部(不図示)で生成された拡散コードに基づいて、デジタルの中間周波信号に変換された受信信号を逆拡散する。すなわち、受信信号と拡散コードとの相関値を算出する。拡散コードとして、例えば、擬似雑音(PN:Pseudo Noise)符号が挙げられる。拡散コード生成部で生成される拡散コードの位相が順次変更するように制御されることにより、相関器3によって算出される相関値が所定値以上になる位相が探索され、当該所定値以上の相関値が位相毎に記憶部4に記憶される。特に、記憶部4の記憶容量を削減できるという点で、当該所定値以上の複数の相関値の中での極大値が記憶部4に記憶されてもよい。
【0019】
相関器3は、車速に応じて決められた時間Ta内に受信した信号を逆拡散することによって、相関値を算出する。相関器3によって算出された相関値の変化が車速と所定の相関関係を有している場合、時間Ta内に受信した信号が直接波と判定される。したがって、時間Taの長さが、車速が速くなるにつれて短くなるように決められることによって、必要最小限の時間で、直接波の判定を効率的に実施することができる。
【0020】
変化検出部5は、相関器3によって算出され記憶部4に拡散コードの位相毎に記憶された複数の相関値に基づいて、相関値の変化態様を検知する。例えば、変化検出部5は、相関値の変化態様を検知するために、車速に応じて決められた時間Ta内に受信した信号に基づいて算出された相関値に基づいて相関値の変化態様を表す状態量を算出する。その状態量の具体例として、相関値の変動周期(変動周波数でもよい)や、相関値の変化率などが挙げられる。したがって、変化検出部5は、車速に応じて決められた時間Ta内に受信した信号に基づいて算出された相関値に基づいて、相関値の変動周期(変動周波数)及び/又は変化率を算出することによって、相関値の変化態様を検知することができる。
【0021】
判定部6は、車速センサによって検知された車速と変化検出部5によって検知された相関値の変化態様に基づいて、受信信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定する。具体的には、判定部6は、相関値の変化が車速と相関しているか否かを判断し、車速と相関して変化する相関値を直接波から算出された相関値と判定し、車速と相関無く変化する相関値をノイズから算出された相関値と判定する。
【0022】
図4は、本発明の実施形態の測位用受信装置で行われる直接波とノイズの判定方法の一例を示したフローチャートである。本判定方法は、例えば、測位用受信装置に内蔵のマイクロコンピュータによって行われる。ステップS101において、タイマーによるカウントアップが行われ、ステップS102において、カウンタの値Nが車速Vに応じて決められた時間Ta(すなわち、時間Taに相当する上限値F(車速))に達したかどうかが判定される。
【0023】
時間Taは、車速Vと時間Taとの予め定められた対応関係に基づいて決められる。車速Vと時間Taとの対応関係の一例を図5に示す。図5によれば、時間Taは、車速Vに反比例するように決められる。例えば、車速が速くなるにつれて時間Taの設定時間は短くなり、車速が遅くなるにつれて時間Taの設定時間は長くなる。
【0024】
時間Taに達していない場合、ステップS101に戻る。時間Taに達している場合、タイマーはリセットされ(ステップS103)、時間Ta内に受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変化態様を表す状態量が算出されることによって、相関値の変化が検知される(ステップS104)。
【0025】
ステップS105において、判定部6は、車速と相関値の変化の検知結果に基づいて、相関値の変化が車速と所定の相関関係を有しているか否かを判定する。判定部6は、相関値が車速と相関して変化している場合には、受信信号が直接波であると判定し(ステップS106)、相関値が車速と相関無く変化している場合には、受信信号がノイズであると判定する(ステップS107)。
【0026】
ステップS104において、変化検出部5は、例えば、相関器3によって算出され記憶部4に記憶された相関値の極大値間の時間(極小値間の時間でもよい)に基づいて(図6参照)、相関値の変化態様を表す状態量として、相関値の変動周期(変動周波数)を算出する。
【0027】
図6は、相関値の変動周期(変動周波数)の車速による違いを示した図である。車速が速いときに受信した直接波A1に基づいて算出される相関値の変動周期は、車速が遅いときに受信した直接波A2に基づいて算出される相関値の変動周期に比べて短い。言い換えれば、車速が速いときに受信した直接波A1に基づいて算出される相関値の変動周波数は、車速が遅いときに受信した直接波A2に基づいて算出される相関値の変動周波数に比べて高い。
【0028】
この点に着目して、判定部6は、例えば、実際に検知された車速及び算出された相関値の変動周期(変動周波数)に基づき、図7に例示される直接波とノイズの判定マップに従って、直接波とノイズの判定を実施する。判定部6は、車速vのときに受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変動周波数qが、車速Vに対する変動周波数Qの増加率が所定の範囲内である領域D1に属する場合(すなわち、車速Vと変動周波数Qとの関係が所定の比例範囲D1に属する場合)、相関値の変化が車速に相関しているとみなして、受信した信号は直接波と判定する。これにより、判定部6は、信号A1を受信したときの車速と信号A1に基づき算出された変動周波数との組み合わせデータも、信号A2を受信したときの車速と信号A2に基づき算出された変動周波数との組み合わせデータも、領域D1に属するため、車速が速いときに受信した信号A1も車速が遅いときに受信した信号A2も直接波と判定することができる。
【0029】
一方、判定部6は、車速vのときに受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変動周波数qが、車速Vに対する変動周波数Qの増加率が所定範囲以上である領域N1又は所定範囲以下である領域N2に属する場合(すなわち、車速Vと変動周波数Qとの関係が所定の比例範囲D1に属さない場合)、相関値の変化が車速に相関していないとみなして、受信した信号はノイズと判定する。これにより、判定部6は、信号Bを受信したときの車速と信号Bに基づき算出された変動周波数との組み合わせデータが領域N2に属するため、受信した信号Bをノイズと判定することができる。
【0030】
また、ステップS104において、変化検出部5は、例えば、相関器3によって算出され記憶部4に記憶された、位相が隣り合う複数の相関値に基づいて、相関値の変化態様を表す状態量として、相関値の変化率を算出してもよい。
【0031】
図8は、相関値の変化率の車速による違いを示した図である。図8は、図6上の点線で囲まれた部分を示している。相関値の変化率Rは、単位時間ΔT当たりの相関値の変化量ΔPで表すことができる。車速が速いときに受信した直接波A1に基づいて算出される相関値の変化率は、車速が遅いときに受信した直接波A2に基づいて算出される相関値の変化率に比べて大きい。
【0032】
この点に着目して、判定部6は、例えば、実際に検知された車速及び算出された相関値の変化率に基づき、図9に例示される直接波とノイズの判定マップに従って、直接波とノイズの判定を実施する。判定部6は、車速vのときに受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変化率rが、車速Vに対する変化率Rの増加率が所定範囲内である領域D2に属する場合(すなわち、車速Vと変化率Rとの関係が所定の比例範囲D2に属する場合)相関値の変化が車速に相関しているとみなして、受信した信号は直接波と判定する。これにより、判定部6は、上述と同様に、車速が速いときに受信した信号A1も車速が遅いときに受信した信号A2も直接波と判定することができる。
【0033】
一方、判定部6は、車速vのときに受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変化率rが、車速Vに対する変化率Rの増加率が所定範囲以上である領域N3又は所定範囲以下である領域N4に属する場合(すなわち、車速Vと変化率Rとの関係が所定の比例範囲D2に属さない場合)、相関値の変化が車速に相関していないとみなして、受信した信号はノイズと判定する。これにより、判定部6は、上述と同様に、受信した信号Bをノイズと判定することができる。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0035】
例えば、判定部6は、相関器3によって算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かを複数回確認することによって、時間Ta内に受信した信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定してもよい。図10に示されるように、直接波の相関値は車速と相関して変化し、ノイズの相関値は車速と相関無く変化するが、ノイズの形態は時々刻々と変化し、想定外のノイズが発生する場合もありうる。そこで、相関値の変化と車速との相関関係を複数回観測することによって、木陰などで直接波の電波強度が弱くなる場面であっても、自車両が移動中であっても、直接波とノイズをより的確に判別することができる。その結果、直接波を適切に捕捉することができるので、自車両の測位をより高精度に実施することが可能になる。
【0036】
図11は、相関値の変化と車速との相関関係を複数回観測する場合の、本発明の実施形態の測位用受信装置で行われる直接波とノイズの判定方法の一例を示したフローチャートである。ステップS111〜S113は、図4のステップS101〜S103と同様のため、説明を省略する。
【0037】
ステップS114において、時間Ta内に受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変化態様を表す状態量が算出されることによって、相関値の変化が検知されるとともに、時間Ta内に信号を受信したときの車速が検知される。
【0038】
ステップS115において、カウンタによるカウントアップが行われ、ステップS116において、カウンタ値Mが所定の定数Msに達したかどうかが判定される。カウンタ値Mは、ステップS114の実行回数を表す。定数Msは、一定値でもよいし、車速に応じて決められる回数でもよい。例えば、定数Msは、車速Vに比例するように決められる。例えば、車速が速くなるにつれて定数Msの設定値は大きくなり、車速が遅くなるにつれて定数Msの設定値は小さくなる。
【0039】
定数Msに達していない場合、ステップS111に戻る。これにより、相関値の変化と車速の検知を時間的にずらして複数回行うことができる。定数Msに達している場合、カウンタ値はリセットされ(ステップS117)、判定部6は、車速と相関値の変化の複数回の検知結果に基づいて、相関値の変化が車速と所定の相関関係を有しているか否かを判定する(ステップS118)。判定部6は、相関値が車速と相関して変化している場合には、受信信号が直接波であると判定し(ステップS119)、相関値が車速と相関無く変化している場合には、受信信号がノイズであると判定する(ステップS120)。
【0040】
ステップS118において、判定部6は、例えば、図10に示されるような信号の各受信タイミングにおける車速及び相関値の変動周波数Q(及び/又は、変化率R)の検知結果に基づいて、図12に例示される直接波とノイズの判定マップに従って、直接波とノイズの判定を実施する。例えば、複数の検知結果のそれぞれを当該判定マップに反映することによって得られる判定結果の多数決によって、直接波とノイズの最終的な判定を実施するとよい。これにより、判定部6は、車速vのときに受信した信号Bbを逆拡散することによって算出された相関値の変動周波数q2(又は、変化率r2)が、車速Vに対する変動周波数Q(又は、変化率R)の増加率が所定の範囲内である領域Dに属する場合であっても、判定結果の多数決を実施することによって、確実に直接波を捕捉することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 アンテナ
2 高周波回路
3 相関器
4 記憶部
5 変化検出部
6 判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、スペクトラム拡散された信号を受信する測位用受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マルチパスによって測位精度の悪化を防止する技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に開示の受信装置は、PNコードが入力されたときの相関出力のレベルと該PNコードの位相を時間的に前の位相にずらしたときにおける相関出力のレベルとを比較し、レベルの大きいほうの相関出力を直接波による相関出力とする信号判定手段を備えるものである(図1(a)参照)。
【0004】
特許文献2に開示の受信装置は、検出した複数の相関ピーク点の中から位相遅延が最も小さい相関ピーク点を検出して、直接波のコード位相を捕捉するものである(図1(c)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3283913号
【特許文献2】特開2005−260781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、スペクトラム拡散された信号を用いて車両制御を行う場合、その信号の直接波を的確に捉えることが非常に重要であるため、直接波の成否によっては車両制御性能に大きな差がでる。
【0007】
しかしながら、レベルの大きい方を直接波と判定する特許文献1の開示技術では、例えば直接波のみが木陰等で遮られることにより、直接波のレベルが低くなり反射波のレベルが相対的に高くなると、反射波を直接波と誤って判定するおそれがある(図1(b)参照)。また、時間的に早いピークを直接波と判定する特許文献2の開示技術では、例えばSN比が低い場合(電波強度が弱い場合など)、ノイズを直接波と誤って判定するおそれがある(図1(d)参照)。積算してノイズ成分を低減する手法もあるが、車両の移動中はその効果が十分ではない場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、直接波とノイズを精度良く判別することができる、測位用受信装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る測位用受信装置は、
スペクトラム拡散された信号を受信する測位用受信装置であって、
車速に応じて決められた時間内に受信した信号と拡散コードとの相関値を算出する相関器と、
前記相関器によって算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かによって、前記時間内に受信した信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定する判定部とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、直接波とノイズを精度良く判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】直接波の従来の判別方法を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態である測位用受信装置の構成例を示したブロック図である。
【図3】相関器3によって算出された相関値の車速による違いを示した図である。
【図4】本発明の実施形態の測位用受信装置で行われる直接波とノイズの判定方法の一例を示したフローチャートである。
【図5】車速Vに対する時間Taを決定するための対応関係の一例を示した図である。
【図6】相関値の変動周期(変動周波数)の車速による違いを示した図である。
【図7】直接波とノイズの判定マップの一例である。
【図8】相関値の変化率の車速による違いを示した図である。
【図9】直接波とノイズの判定マップの一例である。
【図10】相関器3によって算出された相関値の車速による違いを示した図である。
【図11】本発明の実施形態の測位用受信装置で行われる直接波とノイズの判定方法の一例を示したフローチャートである。
【図12】直接波とノイズの判定マップの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態の説明を行う。図2は、本発明の実施形態である測位用受信装置の構成例を示したブロック図である。図2には、直接拡散方式によりスペクトラム拡散された信号をGPS衛星などの測位用衛星から受信する測位用受信装置が示されている。図2(a)に示される測位用受信装置10は、車速に応じて決められた時間Ta内に受信した信号と拡散コードとの相関値を算出する相関器3と、相関器3によって算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かによって、時間Ta内に受信した信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定する判定部6とを備えている。車速とは、測位用受信装置10を搭載する車両の走行速度である。車速は、車速センサの出力信号に基づいて得られる。また、相関器3は複数備えられていてもよく、図2(b)に示される測位用受信装置20は、相関器3として、2つの相関器3A,3Bが並列に備えられている。
【0013】
図3は、相関器3によって算出された相関値の車速による違いを示した図である。図3内の各図の横軸は、拡散コードの位相を表し、縦軸は、相関値の大きさを表している。また、黒矢印は、受信した信号が直接波のときの相関値の変化を示し、白矢印は、受信した信号がノイズのときの相関値の変化を示している。図3に示されるように、直接波の相関値は車速と相関して変化し、ノイズの相関値は車速と相関無く変化する。本願発明はこの点に着目したものであって、判定部6は、相関器3によって算出された相関値の変化が車速と相関している場合、受信した信号は直接波であると判定し、相関器3によって算出された相関値の変化が車速と相関していない場合、受信した信号はノイズであると判定する。つまり、判定部6は、車速と相関して変化する相関値を直接波に基づいて算出された相関値と判定し、車速と相関無く変化する相関値をノイズに基づいて算出された相関値と判定する。
【0014】
したがって、上述の測位用受信装置によれば、木陰などで直接波の電波強度が弱くなる場面であっても、自車両が移動中であっても、相関値の変化と車速との相関関係を観測することによって、直接波とノイズを的確に判別することができる。その結果、直接波を適切に捕捉することができるので、自車両の測位を高精度に実施することが可能になる。
【0015】
また、直接波の相関値は車速が速くなるほど速く変化し、ノイズの相関値は車速に関係なく変化するので、車速に応じて決められた時間Ta内に受信した信号に基づいて算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かによって直接波かノイズかの判定を行うことによって、必要最小限の時間で、当該判定を効率的に実施することができる。例えば、車速が速い場合の時間Taの長さが、車速が遅い場合に比べて短い時間に設定されるように決められることによって、必要最小限の時間で当該判定を効率的に実施することができる。
【0016】
次に、図2に示された測位用受信装置の構成について、より詳細に説明する。図2に示された測位用受信装置は、車両に搭載され、アンテナ1と、高周波回路2と、相関器3と、記憶部4と、変化検出部5と、判定部6とを備える。
【0017】
アンテナ1によって受信された信号は、高周波回路2に入力される。高周波回路2は、アンテナ1によって受信された信号を中間周波信号にダウンコンバートし、その中間周波信号をAD変換によってデジタル信号に変換して、相関器3に供給する。
【0018】
相関器3は、測位用受信装置の拡散コード生成部(不図示)で生成された拡散コードに基づいて、デジタルの中間周波信号に変換された受信信号を逆拡散する。すなわち、受信信号と拡散コードとの相関値を算出する。拡散コードとして、例えば、擬似雑音(PN:Pseudo Noise)符号が挙げられる。拡散コード生成部で生成される拡散コードの位相が順次変更するように制御されることにより、相関器3によって算出される相関値が所定値以上になる位相が探索され、当該所定値以上の相関値が位相毎に記憶部4に記憶される。特に、記憶部4の記憶容量を削減できるという点で、当該所定値以上の複数の相関値の中での極大値が記憶部4に記憶されてもよい。
【0019】
相関器3は、車速に応じて決められた時間Ta内に受信した信号を逆拡散することによって、相関値を算出する。相関器3によって算出された相関値の変化が車速と所定の相関関係を有している場合、時間Ta内に受信した信号が直接波と判定される。したがって、時間Taの長さが、車速が速くなるにつれて短くなるように決められることによって、必要最小限の時間で、直接波の判定を効率的に実施することができる。
【0020】
変化検出部5は、相関器3によって算出され記憶部4に拡散コードの位相毎に記憶された複数の相関値に基づいて、相関値の変化態様を検知する。例えば、変化検出部5は、相関値の変化態様を検知するために、車速に応じて決められた時間Ta内に受信した信号に基づいて算出された相関値に基づいて相関値の変化態様を表す状態量を算出する。その状態量の具体例として、相関値の変動周期(変動周波数でもよい)や、相関値の変化率などが挙げられる。したがって、変化検出部5は、車速に応じて決められた時間Ta内に受信した信号に基づいて算出された相関値に基づいて、相関値の変動周期(変動周波数)及び/又は変化率を算出することによって、相関値の変化態様を検知することができる。
【0021】
判定部6は、車速センサによって検知された車速と変化検出部5によって検知された相関値の変化態様に基づいて、受信信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定する。具体的には、判定部6は、相関値の変化が車速と相関しているか否かを判断し、車速と相関して変化する相関値を直接波から算出された相関値と判定し、車速と相関無く変化する相関値をノイズから算出された相関値と判定する。
【0022】
図4は、本発明の実施形態の測位用受信装置で行われる直接波とノイズの判定方法の一例を示したフローチャートである。本判定方法は、例えば、測位用受信装置に内蔵のマイクロコンピュータによって行われる。ステップS101において、タイマーによるカウントアップが行われ、ステップS102において、カウンタの値Nが車速Vに応じて決められた時間Ta(すなわち、時間Taに相当する上限値F(車速))に達したかどうかが判定される。
【0023】
時間Taは、車速Vと時間Taとの予め定められた対応関係に基づいて決められる。車速Vと時間Taとの対応関係の一例を図5に示す。図5によれば、時間Taは、車速Vに反比例するように決められる。例えば、車速が速くなるにつれて時間Taの設定時間は短くなり、車速が遅くなるにつれて時間Taの設定時間は長くなる。
【0024】
時間Taに達していない場合、ステップS101に戻る。時間Taに達している場合、タイマーはリセットされ(ステップS103)、時間Ta内に受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変化態様を表す状態量が算出されることによって、相関値の変化が検知される(ステップS104)。
【0025】
ステップS105において、判定部6は、車速と相関値の変化の検知結果に基づいて、相関値の変化が車速と所定の相関関係を有しているか否かを判定する。判定部6は、相関値が車速と相関して変化している場合には、受信信号が直接波であると判定し(ステップS106)、相関値が車速と相関無く変化している場合には、受信信号がノイズであると判定する(ステップS107)。
【0026】
ステップS104において、変化検出部5は、例えば、相関器3によって算出され記憶部4に記憶された相関値の極大値間の時間(極小値間の時間でもよい)に基づいて(図6参照)、相関値の変化態様を表す状態量として、相関値の変動周期(変動周波数)を算出する。
【0027】
図6は、相関値の変動周期(変動周波数)の車速による違いを示した図である。車速が速いときに受信した直接波A1に基づいて算出される相関値の変動周期は、車速が遅いときに受信した直接波A2に基づいて算出される相関値の変動周期に比べて短い。言い換えれば、車速が速いときに受信した直接波A1に基づいて算出される相関値の変動周波数は、車速が遅いときに受信した直接波A2に基づいて算出される相関値の変動周波数に比べて高い。
【0028】
この点に着目して、判定部6は、例えば、実際に検知された車速及び算出された相関値の変動周期(変動周波数)に基づき、図7に例示される直接波とノイズの判定マップに従って、直接波とノイズの判定を実施する。判定部6は、車速vのときに受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変動周波数qが、車速Vに対する変動周波数Qの増加率が所定の範囲内である領域D1に属する場合(すなわち、車速Vと変動周波数Qとの関係が所定の比例範囲D1に属する場合)、相関値の変化が車速に相関しているとみなして、受信した信号は直接波と判定する。これにより、判定部6は、信号A1を受信したときの車速と信号A1に基づき算出された変動周波数との組み合わせデータも、信号A2を受信したときの車速と信号A2に基づき算出された変動周波数との組み合わせデータも、領域D1に属するため、車速が速いときに受信した信号A1も車速が遅いときに受信した信号A2も直接波と判定することができる。
【0029】
一方、判定部6は、車速vのときに受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変動周波数qが、車速Vに対する変動周波数Qの増加率が所定範囲以上である領域N1又は所定範囲以下である領域N2に属する場合(すなわち、車速Vと変動周波数Qとの関係が所定の比例範囲D1に属さない場合)、相関値の変化が車速に相関していないとみなして、受信した信号はノイズと判定する。これにより、判定部6は、信号Bを受信したときの車速と信号Bに基づき算出された変動周波数との組み合わせデータが領域N2に属するため、受信した信号Bをノイズと判定することができる。
【0030】
また、ステップS104において、変化検出部5は、例えば、相関器3によって算出され記憶部4に記憶された、位相が隣り合う複数の相関値に基づいて、相関値の変化態様を表す状態量として、相関値の変化率を算出してもよい。
【0031】
図8は、相関値の変化率の車速による違いを示した図である。図8は、図6上の点線で囲まれた部分を示している。相関値の変化率Rは、単位時間ΔT当たりの相関値の変化量ΔPで表すことができる。車速が速いときに受信した直接波A1に基づいて算出される相関値の変化率は、車速が遅いときに受信した直接波A2に基づいて算出される相関値の変化率に比べて大きい。
【0032】
この点に着目して、判定部6は、例えば、実際に検知された車速及び算出された相関値の変化率に基づき、図9に例示される直接波とノイズの判定マップに従って、直接波とノイズの判定を実施する。判定部6は、車速vのときに受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変化率rが、車速Vに対する変化率Rの増加率が所定範囲内である領域D2に属する場合(すなわち、車速Vと変化率Rとの関係が所定の比例範囲D2に属する場合)相関値の変化が車速に相関しているとみなして、受信した信号は直接波と判定する。これにより、判定部6は、上述と同様に、車速が速いときに受信した信号A1も車速が遅いときに受信した信号A2も直接波と判定することができる。
【0033】
一方、判定部6は、車速vのときに受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変化率rが、車速Vに対する変化率Rの増加率が所定範囲以上である領域N3又は所定範囲以下である領域N4に属する場合(すなわち、車速Vと変化率Rとの関係が所定の比例範囲D2に属さない場合)、相関値の変化が車速に相関していないとみなして、受信した信号はノイズと判定する。これにより、判定部6は、上述と同様に、受信した信号Bをノイズと判定することができる。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0035】
例えば、判定部6は、相関器3によって算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かを複数回確認することによって、時間Ta内に受信した信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定してもよい。図10に示されるように、直接波の相関値は車速と相関して変化し、ノイズの相関値は車速と相関無く変化するが、ノイズの形態は時々刻々と変化し、想定外のノイズが発生する場合もありうる。そこで、相関値の変化と車速との相関関係を複数回観測することによって、木陰などで直接波の電波強度が弱くなる場面であっても、自車両が移動中であっても、直接波とノイズをより的確に判別することができる。その結果、直接波を適切に捕捉することができるので、自車両の測位をより高精度に実施することが可能になる。
【0036】
図11は、相関値の変化と車速との相関関係を複数回観測する場合の、本発明の実施形態の測位用受信装置で行われる直接波とノイズの判定方法の一例を示したフローチャートである。ステップS111〜S113は、図4のステップS101〜S103と同様のため、説明を省略する。
【0037】
ステップS114において、時間Ta内に受信した信号を逆拡散することによって算出された相関値の変化態様を表す状態量が算出されることによって、相関値の変化が検知されるとともに、時間Ta内に信号を受信したときの車速が検知される。
【0038】
ステップS115において、カウンタによるカウントアップが行われ、ステップS116において、カウンタ値Mが所定の定数Msに達したかどうかが判定される。カウンタ値Mは、ステップS114の実行回数を表す。定数Msは、一定値でもよいし、車速に応じて決められる回数でもよい。例えば、定数Msは、車速Vに比例するように決められる。例えば、車速が速くなるにつれて定数Msの設定値は大きくなり、車速が遅くなるにつれて定数Msの設定値は小さくなる。
【0039】
定数Msに達していない場合、ステップS111に戻る。これにより、相関値の変化と車速の検知を時間的にずらして複数回行うことができる。定数Msに達している場合、カウンタ値はリセットされ(ステップS117)、判定部6は、車速と相関値の変化の複数回の検知結果に基づいて、相関値の変化が車速と所定の相関関係を有しているか否かを判定する(ステップS118)。判定部6は、相関値が車速と相関して変化している場合には、受信信号が直接波であると判定し(ステップS119)、相関値が車速と相関無く変化している場合には、受信信号がノイズであると判定する(ステップS120)。
【0040】
ステップS118において、判定部6は、例えば、図10に示されるような信号の各受信タイミングにおける車速及び相関値の変動周波数Q(及び/又は、変化率R)の検知結果に基づいて、図12に例示される直接波とノイズの判定マップに従って、直接波とノイズの判定を実施する。例えば、複数の検知結果のそれぞれを当該判定マップに反映することによって得られる判定結果の多数決によって、直接波とノイズの最終的な判定を実施するとよい。これにより、判定部6は、車速vのときに受信した信号Bbを逆拡散することによって算出された相関値の変動周波数q2(又は、変化率r2)が、車速Vに対する変動周波数Q(又は、変化率R)の増加率が所定の範囲内である領域Dに属する場合であっても、判定結果の多数決を実施することによって、確実に直接波を捕捉することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 アンテナ
2 高周波回路
3 相関器
4 記憶部
5 変化検出部
6 判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペクトラム拡散された信号を受信する測位用受信装置であって、
車速に応じて決められた時間内に受信した信号と拡散コードとの相関値を算出する相関器と、
前記相関器によって算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かによって、前記時間内に受信した信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定する判定部とを備えることを特徴とする、測位用受信装置。
【請求項1】
スペクトラム拡散された信号を受信する測位用受信装置であって、
車速に応じて決められた時間内に受信した信号と拡散コードとの相関値を算出する相関器と、
前記相関器によって算出された相関値の変化が車速と相関しているか否かによって、前記時間内に受信した信号が直接波であるのかノイズであるのかを判定する判定部とを備えることを特徴とする、測位用受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−128101(P2011−128101A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289087(P2009−289087)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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