測定された薬物濃度の正規化方法、及び薬物治療レジメンのノンコンプライアンスを検査するための方法

処方治療レジメンに対する対象のコンプライアンスを監視する方法が開示される。一実施形態において、本方法は、対象の体液中の薬物レベルを測定することと、対象に関連する1又は複数のパラメータの関数として前記測定薬物レベルを正規化することとを含む。正規化薬物レベルは、参照値及び関連信頼区間、又は濃度範囲と比較される。参照値及び関連信頼区間及び/又は濃度範囲は、参照集団における対象に関連する1又は複数のパラメータに基づいて正規化することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
[0001]本発明は、対象のオピオイドの使用を、特に、前記対象由来の生物学的試料を検査することによって、検出及び定量化するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ヒドロコドンが米国で最も処方されているオピオイドであるが、米国で最も多くの救急診療科(ED)の来診の原因となっているオピオイドはオキシコドンである。薬物乱用警告ネットワーク(Drug Abuse Warning Network)によれば、2007年では約77,000のED来診がオキシコドンの非医学的使用に起因するものであった。2007年の薬物使用と健康に関する全国調査では、430万人のアメリカ人が、一生の間に数回、オキシコンチン(OXYCONTIN)(登録商標)を乱用すると推定されている。オキシコドン含有医薬の乱用と乱用に関連するED来診が高頻度であるという傾向を考慮すると、疼痛レジメンを処方しながら患者のコンプライアンスを監視することが、患者のケアの重要要素である。
【0003】
[0003]依存症のリスクがあることが知られているため、オピオイド療法レジメンを受けている対象は、通例、処方された療法のコンプライアンスと有効性とを監視するスクリーニングを定期的に受ける。しかし、公知のスクリーニング技術の限界のために、処方オピオイドを不正に使用している対象が、医院で実施された基本的なスクリーニング検査をしばしば通り抜け、オピオイドを受理し続けることがある。さらに、慢性的な疼痛の制御のためにオピオイドの治療を受けている患者が、その医薬の使用について過小評価されて記録される場合もある。結果として、医療専門家は、薬物の不正使用及び処方オピオイドレジメンに対するノンコンプライアンスを検出するために、外部の情報源、例えば対象の配偶者及び/又は友人へのインタビュー、対象の医療記録の再調査、処方医の監視プログラムの入力、及び生物学的試料(例えば、体液)の検査を使用することが多い。
【0004】
[0004]公知の薬物スクリーニング方法は、一般に、試料中の薬物の有無を検出し得る。体液試料は、一般に、対象から、例えば、尿、血液又は血漿から取得される。しかしながら、そのような公知のスクリーニング方法では、医療専門家が臨床検査結果を再調査しても、対象が処方薬物レジメンにノンコンプライアンスであるかを決定することはできない。
【発明の概要】
【0005】
[0005]種々の実施形態において、本発明は、処方された薬物レジメンに対する対象のノンコンプライアンスを検出又は監視するための方法を提供する。関連する実施形態においては、薬物は、オピオイド、例えばオキシコドン、制御放出オキシコドン(オキシコンチン(登録商標))、又はオキシコドン代謝物である。
【0006】
[0006]一実施形態において、本発明は、対象の体液又は集団のメンバー由来の体液において測定される薬物レベルを、例えば1又は複数のパラメータ(体液pH、体液比重、体液クレアチニン濃度、身長、体重、年齢、ボディマス指数、性別、除脂肪体重及び体表面積など)の関数として正規化する方法を提供する。
【0007】
[0007]他の実施形態において、本発明は、対象の体液中の薬物濃度と、当該薬物の参照レベル、参照値及び関連信頼区間(複数可)、並びに/又は参照濃度範囲とを比較することによって、薬物の不正使用のリスクのある対象を同定する方法を提供する。
【0008】
[0008]さらに他の実施形態において、本発明は、対象の体液中の薬物濃度が薬物の日常用量に対する信頼区間又は濃度範囲から外れる場合、対象に対する薬物の処方日常用量を減少すること又は対象にカウンセリングを行うことにより、対象の薬物不正使用のリスクを減少させる方法を提供する。
【0009】
[0009]他の実施形態において、本発明は、集団における対象中の正規化薬物レベルと、薬物日常用量に対する正規化薬物参照値及び関連信頼区間又は正規化濃度範囲とを比較することによって、集団における薬物不正使用のリスクを同定する方法を提供する。
【0010】
[0010]本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態は、本明細書中で以下にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】[0011] 生の参照尿中オキシコドン推定中央値(図1A、1C)及び正規化参照尿中オキシコドン推定中央値(図1B、1D)と、各推定中央値に対応する95%信頼区間とを示す。
【発明の詳細な説明】
【0012】
[0012]本発明が種々の実施形態で具現化することができる一方で、下記の幾つかの実施形態の記述は、本開示が本発明の例示として考慮され、特定の例証される実施形態に本発明を限定することは意図されないとの理解でなされる。表題は、利便性のみのために提供され、いかなる様式でも本発明を限定するようには解釈されない。任意の表題の下で例証される実施形態は、任意の他の表題の下で例証される実施形態と組み合わせることができる。
【0013】
[0013]本出願で特定される種々の定量的値における数値は、他の方法で明確に指示されない限り、恰も「約」という用語によって陳述範囲内の最小値及び最大値の両方が先行しているかのように、近似値として示される。また、範囲の開示は、引用される最小値と最大値の間の全ての値、並びに、かかる値で形成され得るあらゆる範囲を含む、連続する範囲を意図している。また本明細書は、開示された数値を、他の任意の開示された数値で割ることによって形成され得るいずれか及び全ての比率(及び任意のかかる比率の範囲)を開示する。したがって、当業者は、多くのかかる比率、範囲、及び比率の範囲が、本明細書に提示された数値から明確に導かれ得ること、及び全ての場合で、かかる比率、範囲及び比率の範囲が、本発明の様々な実施形態を表し得ることを認識するであろう。
【0014】
療法レジメン
[0014]一実施形態において、本発明は、対象の処方オピオイドレジメンに対するノンコンプライアンスを検出する方法を提供する。用語「ノンコンプライアンス」は、本明細書で使用するとき、医師、看護婦、実地看護婦、医師助手、又は他の医療専門家により処方された治療工程からのあらゆる実質的逸脱を指す。治療工程からの実質的逸脱には、処方された療法と比較してオピオイドの量、投与時期又は投与頻度を増加又は減少させる、対象の意図的又は非意図的なあらゆる行動が含まれ得る。治療工程からの実質的逸脱の非限定的な例としては、処方より多くのオピオイドを服用すること、処方より少ないオピオイドを服用すること、処方より多くの回数のオピオイドを服用すること、処方より少ない回数のオピオイドを服用すること、意図的に処方オピオイドの少なくとも1部を転用すること、非意図的に処方オピオイドの少なくとも1部を転用することなどを含む。例えば、対象は、処方日常用量又は処方薬物レジメンの約5%〜約1000%、例えば、処方薬物レジメンの約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約350%、約400%、約450%、約500%、約550%、約600%、約650%、約700%、約750%、約800%、約850%、約900%、約950%、又は約1000%を服用することによって、実質的に治療工程から逸脱する。また対象は、処方用量より約5%〜約1000%多く又は少なく、例えば、処方用量より約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約350%、約400%、約450%、約500%、約550%、約600%、約650%、約700%、約750%、約800%、約850%、約900%、約950%、又は約1000%少なく服用することによって、実質的に治療工程から逸脱し得る。また対象は、例えば、オピオイド処方用量を、治療工程若しくは処方薬物レジメンにおける特定より約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約350%、約400%、約450%、約500%、約550%、約600%、約650%、約700%、約750%、約800%、約850%、約900%、約950%、又は約1000%多い又は少ない回数服用することによって、治療工程から実質的に逸脱し得る。
【0015】
[0015]別の実施形態において、本発明による対象は薬物の日常用量を処方される。用語「日常用量」又は「処方日常用量」は、本明細書で使用するとき、所与の時間間隔(例えば、1時間毎、1日毎、1日おき、1週毎、1月毎、1年毎など)での対象への薬物の任意の周期的投与を指す。好ましくは、日常用量又は処方日常用量は、任意の24時間中に対象に処方される薬物の量である。薬物は、当該分野で公知の任意の方法、例えば、経口、静脈内、局所、経皮、皮下、直腸内などによる方法で投与することができる。薬物の処方日常用量は、所与の適応症に対して、食品医薬品局(「FDA」)が承認した量であり得る。代替的に、日常用量又は処方日常用量は、承認されていない量であるか、FDAが他の適応症に対して薬物に承認した適応外使用量であり得る。非限定的な例として、FDAは、オキシコドン塩酸塩制御放出錠剤(オキシコンチン(登録商標))について、中程度〜重度の疼痛の管理に使用するために、10mg、15mg、20mg、30mg、40mg、60mg、80mg、160mgの錠剤を承認している。中程度〜重度の疼痛の管理以外でのオキシコドン塩酸塩制御放出錠剤(オキシコンチン(登録商標))のいずれの使用も、「適用外」使用である。
【0016】
[0016]種々の実施形態において、本発明による方法は、薬物の処方用量を決定するステップを含む。用語「処方用量を決定する」は、本明細書で使用するとき、対象に処方されている特別の薬物の用量を確認する、発見する、推定する、又は他の方法で知るための当業者に公知の任意の方法を指す。非限定的な例としては、対象のインタビュー、対象の病歴の参照、対象をよく知る別の医療専門家との協議、対象に関連する医学的記録の参照などが挙げられる。
【0017】
[0017]用語「薬物」は、本明細書で使用するとき、医薬品有効成分(「API」)及びその代謝物、分解産物、エナンチオマー、ジアステレオマー、誘導体などを指す。
【0018】
[0018]一実施形態において、薬物はオピオイドである。用語「オピオイド」は、本明細書で使用するとき、オピオイド受容体に結合する天然、内因性、合成又は半合成の任意の化合物を指す。オピオイドの非限定的な例としては、コデイン、モルヒネ、テバイン、オリパビン、ジアセチルモルヒネ、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ニコモルホン、オキシコドン、オキシモルホン、フェンタニル、アルファメチルフェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、レミフェンタニル、カルフェンタニル(carfentanyl)、オーメフェンタニル、ペチジン、ケトベミドン(keobemidone)、デスメチルプロジン、(「MPPP」)、アリルプロジン、プロジン、4−フェニル−1−(2−フェニルエチル)ピペリジン−4−イルアセテート(「PEPAP」)、プロポキシフェン、デキストロプロポキシフェン、デキストロモラミド、ベジトラミド、ピリトラミド、メタドン、ジピパノン、レボメタジルアセテート(levomathadyl acetate)(「LAAM」)、ジフェノキシン、ジフェノキシレート、ロペラミド、デゾシン、ペンタゾシン、フェナゾシン、ブプレノルフィン、ジヒドロエトルフィン、エトルフィン、ブトルファノール、ナルブフィン、レボルファノール、レボメトルファン、レフェタミン、メプタジノール、チリジン、トラマドール、タペンタドール、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メタドン、オキサゼパム、ロラゼパム、アルプラゾラム、ジアゼパム、その誘導体、その代謝物、そのプロドラッグ、その制御放出(controlled−release)製剤、その長期放出(extended−release)製剤、その持続放出(sustained−release)製剤、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0019】
[0019]一実施形態においては、本発明による方法は、長期オピオイド療法(「COT」)に対する対象のノンアドヒアランスを確認する。用語「長期オピオイド療法」は、本明細書で使用するとき、少なくとも1つのオピオイドを含む任意の短期間、中期間、又は長期間の治療レジメンを指す。非限定的な例として、慢性疼痛を患っている対象は、外傷、慢性症状などから生じる持続性疼痛を緩和するためにオキシコドン日常用量を服用する場合がある。COTは、一般的には、かかる療法を必要とする対象に処方される。すなわち、COTを受けている対象は、通例として、嗜癖、耐性又は他のCOTに関連する共通の転帰に対して医療専門家による定期的な監視を受けている。一実施形態においては、本発明による方法は、医療専門家が、COTレジメンに対する対象のアドヒアランス又はノンアドヒアランスを確認することを支援する。
【0020】
[0020]COTを受けている対象は、時折、処方されたオピオイドに対して嗜癖を生ずる。複数の研究で示されているように、COTを受けている対象は、薬物関連異常行動の経歴があるとき又は薬物関連異常行動のリスクが高いとき、処方されたオピオイドに対して嗜癖を生じやすい。用語「薬物関連異常行動」は、本明細書で使用するとき、対象にオピオイドに対する嗜癖を生じさせる素因となる傾向のある任意の行動学的、遺伝的、社会学的、又は対象の他の特徴を指す。かかるリスク因子の非限定的な例としては、薬物乱用の経歴、オピオイド乱用の経歴、非オピオイド薬物乱用の経歴、アルコール乱用の経歴、物質乱用の経歴、処方薬物乱用の経歴、疼痛に対する低い耐性、オピオイドの高い代謝率、意図的過剰鎮静(purposeful over−sedation)の経歴、否定的感情変化、酩酊様相、乱れた又は減退した様相の頻度増加、車又は他の事故の経歴、処方薬の頻繁な早期更新、認可なしでの用量増加の経歴又はその企て、医薬紛失又は盗難の報告、2人以上の医者からの処方箋の同時取得の経歴、薬物の投与経路の変更の経歴、ストレス状態に対する疼痛緩和医薬の使用の経歴、一定の薬物への固執、ストリートドラッグカルチャーとの接触の経歴、アルコール乱用の経歴、不法薬物乱用の経歴、医薬秘蔵又は備蓄の経歴、逮捕歴、虐待又は暴力の事例、予約なしの医療専門家訪問の経歴、処方された用量を超える医薬服用の経歴、多重薬剤のアレルギー及び/又は不耐性、頻繁なオフィスへの電話及び来診、薬物代謝酵素の産生を上方調節又は下方調節する遺伝的変異、機能低下CYP2D6対立遺伝子及び/又は非機能的CYP2D6対立遺伝子が挙げられる。
【0021】
[0021]一実施形態において、本発明は、医療専門家が対象の処方薬物不正使用のリスクを評価することを支援する。例えば、本発明の方法は、体液薬物濃度を測定すること、体液薬物濃度を正規化すること、前記正規化薬物濃度を予測濃度範囲又は正規化参照値、及び必要により前記正規化参照値に関連する上側信頼区間又は下側信頼区間と比較して、対象が処方薬物を不正使用している確率を計算することを含む。関連する実施形態において、医療従事者は、リスク評価に基づき、対象の不正使用に介入する(例えば、カウンセリング、対象のレジメン/用量の修正などによって)ことができる。
【0022】
試料測定
[0022]本発明による方法を使用して、対象の体液中の多種多様な薬物の量を決定することもできる。例えば分析体液が尿であるとき、本発明による方法を使用して、尿試料中で測定され得る任意の薬物の量を決定することができる。
【0023】
[0023]一実施形態において、対象における薬物の量は、対象の体液を分析することによって決定される。用語「体液」は、本明細書で使用するとき、対象から得られる任意の液体又は疑似液体を指す。非限定的な例としては、尿、血液、血漿、唾液、粘液などが挙げられる。一実施形態において、体液は尿である。
【0024】
[0024]対象の体液中の薬物量の決定は、当業者に公知の任意の方法を使用して達成し得る。対象の体液中の薬物量を決定するための非限定的な例には、蛍光偏光免疫測定法(「FPIA」、Abbott Diagnostics)、質量分析(MS)、ガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS−MS)、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS−MS)などが挙げられる。一実施形態においては、当業者に公知のLC−MS−MS法を使用して、対象の尿中の生の薬物レベル、薬物量又は薬物濃度を決定する。一実施形態においては、対象の体液中の生の薬物レベル又は薬物濃度が測定されて、体液の量に対する比率、パーセント又は相関関係として報告される。体液の量は、単位容積として、例えばL、mL、μL、pL、オンスなどの単位で表すことができる。一実施形態において、対象の体液中の生の薬物量は、絶対レベル又は絶対値として、例えばg、mg、μg、ng、pgなどの単位で表すことができる。
【0025】
[0025]一実施形態においては、対象の体液中の決定される薬物レベル、薬物濃度又は薬物量は、正規化される。用語「正規化」は、本明細書で使用するとき、対象に関連する1又は複数のパラメータに対して補正されるように調整された薬物レベル又は薬物濃度を指す。かかるパラメータとしては、例えば、対象の特色、対象の遺伝形質、対象の行動学的素因、対象に関連する測定可能若しくは定量可能な特性などが含まれ得る。例えば、米国の僅かな割合の人々はシトクロムp450対立遺伝子の変異を特徴とする。大まかには、個体は、正常CYP2D6対立遺伝子、機能低下CYP2D6対立遺伝子、又は非機能的CYP2D6対立遺伝子を有し得る。結果として、一部の個体は、大量又は少量(若しくは皆無)のCYP2D6酵素を発現し、このことが一定の薬物の代謝における重要因子となる。したがって、より多くのCYP2D6酵素を発現する個体は、正常レベルのCYP2D6酵素を有する個体と比較して、体液中で測定される一定の薬物の濃度が低いと予測される。かかる変異を考慮した測定の正規化によって、より正確な比較が可能となる。一実施形態においては、対象に関連する1又は複数のパラメータを、薬物濃度又は薬物レベルを正規化するために測定する。パラメータの非限定的な例としては、体液試料のpH、体液試料の比重、体液試料のクレアチニン濃度、対象の身長、対象の重量、対象の年齢、対象のボディマス指数、対象の性別、対象の除脂肪体重、対象の体表面積が挙げられる。パラメータは、当該分野で公知の任意の手段によって測定することができる。例えば、体液試料のpHは、pH計、リトマス紙、試験紙などを使用して測定することができる。
【0026】
[0026]一実施形態においては、対象の体液中で測定された生の薬物濃度は、以下の式に従い、体液試料の比重の関数として正規化される、
【数1】


(式中、[N]は正規化薬物レベルであり、[C]はng/mL単位の生の薬物濃度であり、SGは正規化体液比重であり、SGは体液試料の比重である)。
【0027】
[0027]別の実施形態において、推定血漿濃度は、以下の式に従い、体液試料比重、対象の除脂肪体重及び体液試料pHの関数として、生の薬物濃度レベルから決定される、
【数2】


(式中、[ETPC]は正規化推定血漿濃度であり、[C]はng/mL単位の生の薬物濃度であり、SGは正規化体液比重であり、SGは体液試料の比重であり、pHは体液試料のpHであり、LBWは対象の除脂肪体重である)。
【0028】
[0028]別の実施形態において、正規化薬物レベルは、以下の式に従い、体液試料の比重及び対象の重量の関数として、生の薬物濃度から決定される、
【数3】


(式中、[N]は正規化薬物レベルであり、[C]はng/mL単位の生の薬物濃度であり、SGは正規化体液比重であり、SGは試料の比重であり、Wは対象のポンド単位の重量である)。
【0029】
[0029]別の実施形態において、正規化薬物レベルは、以下の式に従い、試料の比重、対象の除脂肪体重、及び試料のpHの関数として、生の薬物濃度から決定される、
【数4】


(式中、[N]は正規化薬物レベルであり、[C]はng/mL単位の生の薬物濃度であり、SGは正規化体液比重であり、SGは試料の比重であり、LBWは対象の除脂肪体重であり、pHは試料のpHである)。
【0030】
[0030]別の実施形態において、正規化薬物レベルは、以下の式に従い、試料の比重、対象の除脂肪体重、及び試料のpHの関数として、生の薬物濃度から決定される、
【数5】


(式中、[N]は正規化薬物レベルであり、[C]はng/mL単位の生の薬物濃度であり、SGは正規化体液比重であり、SGは試料の比重であり、LBWは対象のポンド単位の除脂肪体重であり、pHは試料のpHである)。関連する実施形態において、正規化オキシコドンレベルは、式(V)に従い、尿試料の比重、対象の除脂肪体重及び尿試料のpHの関数として、生の尿中オキシコドンレベルから決定され、ここでは、SGは1.03に等しい。別の関連する実施形態において、正規化オキシコドンレベルは、式(V)に従い、尿試料の比重、対象の除脂肪体重及び尿試料のpHの関数として、生の尿中オキシコドンレベルから決定され、ここでは、生の尿中オキシコドンレベルは、GC−MS−MS又はLC−MS−MSによって測定され、オキシコドン、オキシモルホン、及びノルオキシコドンの合計の生の尿中濃度を表す。
【0031】
[0031]別の実施形態において、生の薬物濃度は、以下の式に従い、体液試料中のクレアチニン濃度の関数として正規化される、
【数6】


(式中、[N]は正規化薬物レベルであり、[C]はng/mL単位の生の薬物濃度であり、CRは対象から得られる体液試料と同じ種類の体液中の正規化クレアチニン濃度であり、CRは対象から得られる試料中の生のクレアチニン濃度である)。
【0032】
[0032]「除脂肪体重」又は「LBW」は、本明細書で使用するとき、対象の体脂肪の重量を除いた対象の重量を指す。除脂肪体重は、以下のいずれかの式によって計算することができる。
【数7】

【0033】
[0033]代替的に、除脂肪体重又はLBWは、当該分野で公知の任意の方法によって推定することができる。LBWの推定の非限定的な例としては、
【数8】


が挙げられる。
【0034】
[0034]一実施形態において、対象の体液中の薬物レベル又は濃度は、対象の体表面積の関数として正規化される。対象の平方メートル単位の体表面積を推定するための一方法の非限定的な例は、式
【数9】


によるものである。
【0035】
[0035]一実施形態において、対象の体液中の薬物濃度又はレベルは、定常状態の濃度又はレベルである。用語「定常状態」は、本明細書で使用するとき、一定数(例えば、1〜約5)の投与の最後で得られる薬物の平衡レベル又は濃度を指す。定常状態は、用量及び投与頻度が実質的に一定に維持される場合には、薬物濃度又はレベルが実質的に一定に維持されるときに達成される。
【0036】
臨床データの正規化
[0036]一実施形態において、対象の体液中の測定又は決定される薬物量は、同じ薬物の参照レベルと比較される。用語「参照レベル」は、本明細書で使用するとき、所与の用量の薬物を投与された対象の体液中に存在すると予想される薬物の標準量を指す。参照レベルは、薬物の定常状態レベルであってもよく、あるいは、薬物の単一時点のレベルであってもよい。一般に、ある種類の体液中の薬物参照レベルは、異なる種類の体液中の同じ薬物の参照レベルとは、同じでなくてもよい。例えば、尿から迅速に排泄される薬物は、血液又は血漿中よりも尿中においてより高い参照レベルを有し得る。対照的に、遅く排出される薬物は、尿中よりも血液又は血漿中においてより高い参照レベルを有し得る。
【0037】
[0037]所与の薬物に対する参照レベルは種々の方法で表すことができる。一実施形態においては、本発明の方法に有用な参照レベルは、算術平均値(mean)、中央値(median)、平均(average)又は加重平均参照値として表される。必要により、所与の参照値に対する信頼区間は任意の適切な統計学的方法又はモデルで確立され得る。例えば、尿中で測定されるオキシコドンの生の参照値は、80mgの日常用量に対して3,172ng/mLである。信頼区間は、医療専門家が、所与の対象のオキシコドン尿中レベルと対象の処方用量とが良く相関するかを判断するために有用なデータを提供する。したがって、上記の例に対する95%信頼水準、例えば、2,730〜3,613ng/mLは、医療専門家に上限又は下限を提供する。95%上側及び下側信頼区間は、処方日常用量を遵守する集団の95%由来の試料が該当すると予測される尿中オキシコドンレベルの範囲を表す。所与の参照値に対して他の信頼区間を確立することもできる。信頼区間の非限定的な例としては、約99.9%、99.5%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、及び5%が挙げられる。一実施形態において、参照値及び関連信頼区間は、薬物の複数の処方日常用量に対して確立される。関連する実施形態において、処方日常用量それぞれに対する信頼区間は実質的に重複しない。一実施形態において、処方日常用量は、それぞれ他の日常用量と、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%又は少なくとも150%異なる。
【0038】
[0038]別の実施形態において、薬物の各日常用量に対する信頼区間は重複しない。フレーズ「重複しない」は、本文脈において、例えば、薬物のある日常用量に対する下側信頼区間が、同じ薬物の小さい方の第2の日常用量の上側信頼区間と重複しないことを意味する。
【0039】
[0039]一実施形態において、参照レベルは濃度範囲として提供される。用語「濃度範囲」は、本明細書で使用するとき、所与の薬物を投与された対象の体液中の薬物濃度の連続する範囲を指す。濃度範囲は、一般的に、所与の薬物及びその薬物の日常用量に対して固有のものである。濃度範囲は、当業者に公知の任意の適切な方法で確立することができ、単一の対象に基づくものでも、対象の集団に基づくものでもよい。例えば、濃度範囲は、薬物の参照値及び関連信頼区間に基づいて決定され得る。非限定的な例として、図1Aに示すように、160mgのオキシコドン処方日常用量に対する生の濃度範囲は、生の参照値の5,245ng/mL、関連95%下側信頼区間の4,311ng/mL及び関連95%上側信頼区間の6,178ng/mLから導き出される4,311〜6,178ng/mLであり得る。かかる濃度範囲はまた、誤差の値を有する算術平均値、中央値、又は平均値として報告することができ、例えば、160mgのオキシコドン日常用量に対しては、5,245±933.5ng/mLとして報告され得る。一実施形態において、濃度範囲は、薬物の複数の日常用量それぞれに対して確立される。関連する実施形態において、薬物の複数の日常用量それぞれに対する濃度範囲は実質的に重複しない。
【0040】
[0040]別の実施形態において、薬物の処方日常用量それぞれに対する濃度範囲は重複しない。例えば、薬物のある処方日常用量の濃度範囲の上限は、同じ薬物の高い方の第2の処方日常用量の濃度範囲の下限以下である。好ましくは、記載される実施例において、薬物のある処方日常用量の濃度範囲の上限は、同じ薬物の高い方の第2の処方日常用量の濃度範囲の下限未満であり、重ならない。
【0041】
[0041]本発明の一実施形態において、参照レベル、参照値及び関連信頼区間及び/又は濃度範囲は、対象の集団から導き出される。用語「集団」は、本明細書で使用するとき、参照レベル、参照値及び関連信頼区間又は濃度範囲が所望される対象の任意の群又は選抜を指す。関連する実施形態において、1又は複数の対象が集団に割り当てられる。本明細書で使用するとき、「複数の対象」は、2以上の対象、例えば、約2対象、約3対象、約4対象、約5対象、約6対象、約7対象、約8対象、約9対象、約10対象、約15対象、約20対象、約25対象、約30対象、約35対象、約40対象、約45対象、約50対象、約55対象、約60対象、約65対象、約70対象、約75対象、約80対象、約85対象、約90対象、約95対象、約100対象、約110対象、約120対象、約130対象、約140対象、約150対象、約160対象、約170対象、約180対象、約190対象、約200対象、約225対象、約250対象、約275対象、約300対象、約325対象、約350対象、約375対象、約400対象、約425対象、約450対象、約475対象、約500対象、約525対象、約550対象、約575対象、約600対象、約625対象、約650対象、約675対象、約700対象、約725対象、約750対象、約775対象、約800対象、約825対象、約850対象、約875対象、約900対象、約925対象、約950対象、約975対象、約1000対象、約1250対象、約1500対象、約1750対象、約2000対象、約2250対象、約2500対象、約2750対象、約3000対象、約3500対象、約4000対象、約4500対象、約5000対象、約5500対象、約6000対象、約6500対象、約7000対象、約7500対象、約8000対象、約8500対象、約9000対象、約9500対象、又は約10000対象を指す。集団に関して本明細書で使用するとき、用語「対象」は、用語「メンバー」と同義であり、集団に割り当てられた個体を指す。一実施形態において、薬物の複数の日常用量それぞれに対して小集団が確立され得る。
【0042】
[0042]一実施形態において、集団における複数の対象は、薬物の同じ日常用量をそれぞれ処方される。別の実施形態において、1つの小集団に割り当てられた複数の対象は、薬物の第1の日常用量をそれぞれ処方され、一方で第2の異なる小集団に割り当てられた複数の対象は、薬物の第2の異なる日常用量をそれぞれ処方される。一実施形態において集団又は小集団に割り当てられた複数の対象は、定常状態に達するために十分な時間、薬物の日常用量をそれぞれ処方される。用語「定常状態に達するために十分な時間」は、特定の薬物の薬物動態及び対象に投与される用量を考慮して、投与の量及び頻度が実質的に一定に維持されると仮定する場合に、薬物の実質的に一定の濃度又はレベルを確立するために必要とされる時間量を指す。定常状態に達するために十分な時間は、文献又は薬物に対応する他の情報から決定され得る。例えば、FDA承認薬物に対するラベル又は添付文書は、最初の投与から定常状態の血漿濃度に達するまでに十分な典型的時間に関する情報をしばしば含んでいる。定常状態に達するために十分な時間を決定するための他の非限定的な手段としては、実験、臨床検査、同様の吸収及び排泄特性を有する同様の薬物に対する類推などが含まれる。
【0043】
[0043]対象の集団又は小集団に対する割り当ては、当業者にとって公知の任意の方法によって達成され得る。例えば、対象を、複数の小集団の一つに無作為に割り当てることができる。一実施形態において、対象は、集団に割り当てられる前又は後に、1又は複数のパラメータに対してスクリーニングされる。例えば、薬物の体液レベルに影響を与える傾向がある可能性のある1又は複数のパラメータを特徴とする対象は、集団から除外することができ、集団に割り当てないこともでき、複数の小集団の一つに割り当てることもでき、あるいは、研究のデータ収集段階の間又はデータ収集段階後に集団又は小集団から除外することもできる。一実施形態において、機能低下CYP2D6対立遺伝子を有する対象又は非機能的CYP2D6対立遺伝子を有する対象は、かかる変異により正常なオピオイド代謝率が影響を受けることが知られているため、集団から除外する。別の実施形態においては、機能低下CYP2D6対立遺伝子を有する対象は第1の小集団に割り当て、非機能的CYP2D6対立遺伝子を有する対象を第2の小集団に割り当て、正常なCYP2D6対立遺伝子を有する対象を第3小集団に割り当てる。他の除外基準の非限定的な例としては、物質乱用の経歴;癌、心疾患、自己免疫疾患、神経学的疾患などの顕著な疾患;最近の体調不良;診察、心電図、臨床検査、若しくは薬物スクリーニングにおける異常な所見;処方薬物の使用、処方外(「OTC」)薬物の使用、若しくは生薬の使用に関する最近の経歴;ナルトレキソン、オピオイド若しくは同様の化合物に対するアレルギー若しくは過敏症;アルコールの使用、グレープフルーツの摂取、グレープフルーツジュースの摂取、カフェインの摂取、若しくはキサンテン含有製品の摂取に関する最近の経歴;及び別の薬物療法若しくはオピオイド関連臨床試験又は研究への参加、が挙げられる。
【0044】
[0044]一実施形態においては、集団又は小集団における複数の対象の1又は複数のパラメータが、測定又は確認される。パラメータの非限定的な例には、体液pH、体液比重、体液クレアチニン濃度、対象の身長、対象の重量、対象の年齢、対象のボディマス指数、対象の性別、対象の除脂肪体重、及び対象の体表面積が含まれる。一実施形態において、パラメータには、体液比重、体液pH、対象の体重、対象の性別、及び対象の身長が含まれる。別の実施形態において、パラメータには、体液比重、体液pH、及び対象の除脂肪体重が含まれる。除脂肪体重は、上記で既に議論されているように、計算されるものでも、推定されるものであってもよい。
【0045】
[0045]一実施形態において、薬物レベルは集団における複数の対象の体液中で測定される。対象の体液中の薬物レベルは、当業者に公知の任意の適切な手段によって測定され得る。対象の体液中の薬物量を決定するための非限定的な例には、蛍光偏光免疫測定法(「FPIA」、Abbott Diagnostics)、質量分析(MS)、ガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS−MS)、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS−MS)などが挙げられる。一実施形態においては、当業者に公知のLC−MS−MS法を使用して、対象の尿中の薬物量を決定する。別の実施形態においては、対象の体液中の薬物濃度が測定され、体液の量に対する比率、パーセント又は相関関係として報告される。体液の量は、単位容積として、例えば、L、mL、μL、pL、オンスなどの単位で表すことができる。一実施形態において、対象の体液中の薬物量は、絶対レベル又は絶対値として、例えば、g、mg、μg、ng、pgなどの単位で表すことができる。
【0046】
[0046]一実施形態において、集団における複数の対象の体液中で測定される生の薬物濃度は、以下の式に従い、体液試料の比重の関数として正規化される、
【数10】


(式中、[N]は正規化薬物レベルであり、[C]はng/mL単位の生の薬物濃度であり、SGは正規化体液比重であり、SGは体液試料の比重である)。
【0047】
[0047]別の実施形態において、推定される血漿濃度は、以下の式に従い、体液試料の比重、対象の除脂肪体重、及び体液試料のpHの関数として、集団における複数の対象の生の薬物濃度レベルから決定される、
【数11】


(式中、[ETPC]は正規化推定血漿濃度であり、[C]はng/mL単位の生の薬物濃度であり、SGは正規化体液比重であり、SGは体液試料の比重であり、pHは体液試料のpHであり、LBWは対象の除脂肪体重である)。
【0048】
[0048]別の実施形態において、集団における複数の対象に対する正規化薬物レベルは、以下の式に従い、体液試料の比重及び対象の重量の関数として、生の薬物濃度から決定される、
【数12】


(式中、[N]は正規化薬物レベルであり、[C]はng/mL単位の生の薬物濃度であり、SGは正規化体液比重であり、SGは試料の比重であり、Wは対象のポンド単位の重量である)。
【0049】
[0049]別の実施形態において、正規化薬物レベルは、以下の式に従い、試料の比重、対象の除脂肪体重、及び試料のpHの関数として、集団における複数の対象の生の薬物濃度から決定される、
【数13】


(式中、[N]は正規化薬物レベルであり、[C]はng/mL単位の生の薬物濃度であり、SGは正規化体液比重であり、SGは試料の比重であり、LBWは対象の除脂肪体重であり、pHは試料のpHである)。
【0050】
[0050]別の実施形態において、複数の対象の体液中で測定される生の薬物濃度は、以下の式に従い、試料の比重、対象の除脂肪体重、及び試料のpHの関数として正規化される、
【数14】


(式中、[N]は正規化薬物レベルであり、[C]はng/mL単位の生の薬物濃度であり、SGは正規化体液比重であり、SGは試料の比重であり、LBWは対象のポンド単位の除脂肪体重であり、pHは試料のpHである)。関連する実施形態において、複数の対象の尿中で測定される生のオキシコドンレベルは、式(XIX)に従い、尿試料の比重、対象の除脂肪体重、及び尿試料のpHの関数として正規化され、ここで、SGは1.03に等しい。別の関連する実施形態において、複数の対象の尿中で測定される生のオキシコドンレベルは、式(XVIII)に従い、尿試料の比重、対象の除脂肪体重、及び尿試料のpHの関数として正規化され、ここで生の尿中オキシコドンレベルはGC−MS−MS又はLC−MS−MSで測定され、オキシコドン、オキシモルホン、及びノルオキシコドンの合計の生の尿濃度を表す。
【0051】
[0051]別の実施形態において、集団における複数の対象に対する正規化薬物レベルは、以下の式に従い、体液試料中のクレアチニン濃度の関数として、生の薬物濃度から決定される、
【数15】


(式中、[N]は正規化薬物レベルであり、[C]は複数の対象由来の体液で測定されるng/mL単位の生の薬物濃度であり、CRは複数の対象から得られる体液試料と同じ種類の体液中の正規化クレアチニン濃度であり、CRは複数の対象から得られる試料中の生のクレアチニン濃度である)。
【0052】
[0052]「除脂肪体重」又は「LBW」は、本明細書で使用するとき、対象の体脂肪の重量を除いた対象の重量を指す。除脂肪体重は、以下のいずれかの式
【数16】


によって計算することができる。
【0053】
[0053]代替的に、除脂肪体重又はLBWは、当該分野で公知の任意の方法によって推定することができる。LBWの推定の非限定的な例としては、
【数17】


が挙げられる。
【0054】
[0054]一実施形態において、複数の対象の体液中の薬物レベル又は濃度は、対象の体表面積の関数として正規化される。対象の平方メートル単位の体表面積を推定するための一手段の非限定的な例は、以下の式
【数18】


によるものである。
【0055】
[0055]一実施形態において、複数の対象の体液中の薬物濃度又はレベルは、定常状態の濃度又はレベルである。
【0056】
[0056]一実施形態において、集団に対する薬物参照値は、集団に割り当てられた複数の対象に対する薬物濃度又は薬物レベルを集約することによって決定される。一実施形態において、集団に対する正規化薬物参照値は、集団に割り当てられた複数の対象の正規化薬物濃度又は薬物レベルを集約することによって決定される。薬物濃度、薬物レベル、正規化薬物濃度、及び/又は正規化薬物レベルの集約は、当業者にとって公知の任意の適切な方法によって達成し得る。例えば、集団に対する薬物レベルは、集団に割り当てられた複数の対象で測定された複数の薬物レベルについての算術平均値、中央値、平均又は加重平均として決定され得る。別の実施形態において、参照薬物値に対する信頼区間は、集団に対して決定することができる。信頼区間の非限定的な例としては、99.9%、99.5%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、及び5%が挙げられる。一実施形態において、集団に対する参照値及び関連信頼区間は、薬物の複数の日常用量に対して確立される。関連する実施形態において、各日常用量に対する信頼区間は実質的に重複しない。一実施形態において、薬物の各日常用量に対する信頼区間は重複しない。
【0057】
[0057]一実施形態において、集団に対する参照レベルは、正規化濃度範囲として与えられる。集団に対する正規化濃度範囲は、当業者に公知の任意の適切な方法によって確立することができる。例えば、正規化濃度範囲は、集団に対する薬物の正規化参照値及び関連信頼区間によって決定することができる。非限定的な例として、図1Bに示すように、160mgのオキシコドン日常用量を処方された対象の集団に対する正規化濃度範囲は、正規化参照値の10,385、関連95%下側信頼区間の9004及び関連95%上側信頼区間の11,765から導き出される9,004〜11,765であり得る。かかる濃度範囲は、誤差の値を有する算術平均値、中央値、又は平均値として報告することができ、例えば、160mgのオキシコドンの処方日常用量に対しては9,004±1,381として報告され得る。一実施形態において、集団に対する正規化濃度範囲は、薬物の複数の処方日常用量それぞれに対して確立される。関連する実施形態において、薬物の複数の処方日常用量それぞれに対する正規化濃度範囲は実質的に重複しない。一実施形態において、薬物の複数の処方日常用量それぞれに対する正規化濃度範囲は重複しない。
【0058】
[0058]一実施形態において、正規化濃度範囲は、複数の正規化薬物体液レベルの集約から決定される。例えば、所与のオキシコドン日常用量に対する正規化濃度範囲は、集団における対象の複数のオキシコドン薬物レベルの平均として決定される。当業者にとって公知の標準的な統計学的方法を使用して濃度範囲を決定することができ、例えば、標準偏差、ボネット(Bonett)−プライス(Price)分析、又は多重比較のためのボンフェローニ(Bonferroni)調整を使用することができる。
【0059】
[0059]濃度範囲の正規化を使用して、薬物の複数の日常用量の濃度範囲を区別することができる。例えば、図1は、制御放出オキシコドン(オキシコンチン(登録商標))の3つの日常用量、すなわち、80mg、160mg、及び240mgについての尿濃度中央値(LC−MS−MSによって測定)及び関連95%信頼区間を示す。図1Aのデータは、正規化されておらず、多重比較のためのボンフェローニ調整によって調整されてもいない。図1Bのデータは、尿pH、尿比重、及び除脂肪体重の関数として正規化され、3つの日常用量のより明確な区別を示す。図1Cのデータは、正規化されていないが、多重比較のためのボンフェローニ調整によって調整されている。この場合、ボネット−プライスの95%信頼区間は重複する。すなわち、160mgの処方日常用量に対する上側信頼区間は、240mgに対する下側信頼区間と重複する。同じデータを尿pH、尿比重、及び除脂肪体重の関数として正規化し、次いで多重比較のためのボンフェローニ調整によって調整するとき(図1D)、3つの日常用量についてのボネット−プライス95%信頼区間は、もはや重複しない。
【0060】
[0060]一実施形態において、正規化参照薬物レベル及び関連信頼区間は、複数の正規化薬物体液レベルを集約したものから決定される。例えば、オキシコドンの所与の日常用量に対する正規化参照薬物レベルは、集団における対象の複数の体液オキシコドンレベルの平均として決定される。標準的な統計学的方法を使用して、上側及び下側信頼区間を決定することができ、例えば、標準偏差、又はボネット及びプライスによる方法、及び必要により多重比較のためのボンフェローニ調整を使用して決定することができる。
【0061】
[0061]一実施形態において、参照薬物推定中央値及び関連信頼区間は、ボネット及びプライスの方法、例えば、参照によってそれぞれが本明細書に組み込まれるPsychological Methods、第7巻、370−383頁(2002)、J.Stat.Comput.Simul.、第68巻、295−305頁(2001)、及びJ.Stat.Comput.Simul.、第72巻、119−124頁(2002)に記載されるような方法に従って確立される。
【0062】
[0062]ボンフェローニ調整は、時折、ボンフェローニ方法とも称され、満足できる全体的な信頼係数を維持しながら多重比較を行うことを可能にするものである。
【0063】
参照レベルとの比較
[0063]一実施形態においては、処方治療プロトコル又は治療レジメンに対する対象のノンコンプライアンスを、対象の体液薬物レベルと参照薬物レベルとを比較することによって確認する。当該方法は、当業者に公知の対象の処方治療プロトコルに対するノンコンプライアンスの可能性を検出するための任意の他の方法と組み合わせて使用することができる。かかる方法の非限定的な例としては、対象とのインタビュー、検出可能な薬物レベルの有無に関する体液検査、患者の行動の観察、薬物を処方された対象の他者との違いの報告の評価などである。
【0064】
[0064]一実施形態において、対象の体液の薬物レベルは、1又は複数のパラメータに対して正規化される。別の実施形態において、参照薬物レベルは、1又は複数のパラメータに対して正規化される。一実施形態においては、対象の体液の薬物レベル及び参照薬物レベルは、1又は複数のパラメータに対して正規化される。一実施形態においては、対象の体液の薬物レベル及び参照薬物レベルは、いずれも同じ1又は複数のパラメータの組の関数として正規化される。例えば、一実施形態において、対象の体液の薬物レベルは、体液pH、体液比重、及び対象の体重の関数として正規化され、参照薬物レベルは、体液pH、体液比重、及び対象の体重の関数として正規化される。
【0065】
[0065]一実施形態においては、対象の体液の薬物レベル又は濃度が、参照薬物レベル、参照薬物値及び関連信頼区間、並びに/又は対象に処方された日常用量に対する参照薬物濃度範囲から外れる場合、対象のノンコンプライアンスが確認される。関連する実施形態において、対象の体液のレベル又は濃度は、対象に関連する1又は複数のパラメータに対して正規化される。別の関連する実施形態において、参照薬物レベル、参照薬物値及び関連信頼区間、及び/又は参照薬物濃度範囲は、集団のメンバーに関連する1又は複数のパラメータに対して正規化される。一実施形態において、対象の体液の薬物レベル又は濃度は正規化され、参照薬物レベル、参照薬物値及び関連信頼区間、並びに/又は参照薬物濃度範囲も正規化される。一実施形態において、対象の体液の薬物レベルは、定常状態の体液の薬物レベルである。別の実施形態において、参照薬物レベル、参照薬物値及び関連信頼区間、並びに/又は参照薬物濃度範囲は、関連する集団の複数のメンバーに対する定常状態の体液の薬物レベルから決定される。
【0066】
[0066]一実施形態において、対象及び関連する集団の複数のメンバー中で測定される全ての体液の薬物レベルは、定常状態の体液の薬物レベルである。一実施形態において、対象の体液は、関連する集団のメンバーの体液と同じ種類の体液である。一実施形態において、体液は尿である。
【0067】
[0067]一実施形態において、本発明による方法は、処方治療プロトコルに対する対象のノンコンプライアンスを同定又は決定するために使用される。関連する実施形態において、当該方法は、対象の体液中の薬物濃度を測定すること、対象に関連する1又は複数のパラメータを測定すること、薬物濃度及び1又は複数の測定されたパラメータの関数として対象に対する正規化薬物濃度値を計算すること、対象を含まない集団において、処方治療プロトコルに対応する正規化参照薬物濃度範囲を作成すること、対象の正規化薬物濃度値と正規化参照薬物濃度範囲とを比較すること、及び、対象の正規化薬物濃度が正規化参照薬物濃度範囲から外れる場合、対象がノンコンプライアンスであると決定することを含む。
【0068】
[0068]一実施形態において、本発明による方法は、対象のオキシコドン不正使用のリスクが高いことを同定するために使用される。関連する実施形態において、該方法は、対象におけるオキシコドンの処方日常用量を決定すること、対象の尿中のオキシコドン濃度を測定すること、対象中及び/又は対象の尿中の1又は複数のパラメータを測定すること、オキシコドン濃度及び1又は複数のパラメータの関数として正規化オキシコドン濃度値を計算すること、正規化オキシコドン濃度値を、オキシコドンの処方日常用量に対応する正規化推定算術平均値又は推定中央値と比較すること、及び、正規化オキシコドン濃度がオキシコドンの処方日常用量に対応する上側及び下側信頼区間から外れる場合、対象のオキシコドン不正使用のリスクが高いと同定することを含む。
【0069】
[0069]関連する実施形態において、オキシコドンの処方日常用量に対応する正規化推定算術平均値又は推定中央値並びに関連上側及び下側信頼水準は、定常状態に達するまで集団の複数のメンバーそれぞれにオキシコドンの処方日常用量を投与すること、各メンバーの尿中オキシコドン濃度を測定すること、各メンバーにおいて1又は複数のパラメータを測定すること、1又は複数のパラメータの関数として各メンバーに対するオキシコドン濃度を正規化すること、集団の正規化オキシコドン濃度からオキシコドンの処方日常用量に対応する正規化推定算術平均値及び推定中央値を決定すること、及び、正規化推定算術平均値及び推定中央値に対する上側及び下側信頼区間を決定することによって決定される。
【0070】
[0070]一実施形態において、本発明による方法は、対象の薬物不正使用のリスクを減少させるために使用される。関連する実施形態において、該方法は、対象における薬物の処方日常用量を決定すること、対象の尿中の薬物濃度を測定すること、対象に関連する1又は複数のパラメータを測定すること、薬物濃度及び1又は複数のパラメータの関数として正規化薬物濃度値を計算すること、正規化薬物濃度値を、薬物の処方日常用量に対応する正規化推定算術平均値又は推定中央値と比較すること、正規化薬物濃度値が薬物の処方日常用量に対応する上側及び下側信頼水準から外れる場合、対象の薬物不正使用のリスクが高いと同定すること、及び、その後に対象の薬物の処方日常用量を減少させることを含む。関連する実施形態において、薬物には、オピオイド、例えば、オキシコドン、制御放出オキシコドン、オキシコドン代謝物、又はその組み合わせが含まれる。
【0071】
[0071]一実施形態において、本発明による方法は、対象の長期オピオイド療法(COT)レジメンに対するノンアドヒアランスを確認するために使用される。関連する実施形態において、当該方法は、対象にオピオイドの日常用量を含む長期オピオイド療法レジメンを処方すること、定常状態に達するのに十分な時間の後に、対象における正規化オピオイド濃度値を決定することと対象を含まない第2の集団において、オピオイドの処方日常用量に対応する正規化オピオイド推定算術平均値又は推定中央値並びに関連上側及び下側信頼区間を作成すること、対象の正規化オピオイド濃度値を、オピオイドの処方日常用量に対応する正規化オピオイド推定算術平均値又は推定中央値と比較すること、及び、対象の正規化オピオイド濃度値がオピオイドの処方日常用量に対応する信頼区間から外れる場合、対象が長期オピオイド療法に対してノンアドヒアランスであると決定することを含む。関連する実施形態において、オピオイドには、オキシコドン、制御放出オキシコドン、オキシコドン代謝物、又はその組み合わせが含まれる。関連する実施形態においては、対象は、薬物関連異常行動を発症した経歴を有するか、発症の高いリスクを有する。
【0072】
[0072]関連する実施形態において、対象における正規化されたオピオイド濃度は、対象の尿中の定常状態オピオイド濃度を測定すること、対象中及び/又は対象の尿中の1又は複数のパラメータを測定すること、並びに、対象中及び/又は対象の尿中で測定される1又は複数のパラメータの関数として対象の正規化オピオイド濃度を計算することによって決定される。関連する実施形態において、1又は複数のパラメータは、尿pH、尿比重、尿クレアチニン濃度、対象の身長、対象の重量、対象の年齢、対象のボディマス指数、対象の性別、対象の除脂肪体重、及び対象の体表面積からなる群から選択される。
【0073】
[0073]一実施形態において、本発明による方法は、集団における薬物不正使用のリスクを同定するために使用される。関連する実施形態において、該方法は、複数の対象を第1の集団に割り当てること、複数の対象に薬物の日常用量を投与すること、複数の対象の体液中の前記薬物のレベルを決定すること、複数の対象に関連する1又は複数のパラメータを測定すること、前記パラメータの少なくとも1つの関数として前記薬物の前記レベルを正規化すること、前記複数の対象を含まない第2の集団において、薬物の日常用量に対応する正規化参照薬物レベル及び関連信頼区間を作成すること、第1の集団における前記薬物の正規化レベルを、正規化参照薬物レベル及び関連信頼区間と比較すること、並びに、前記第1の集団における前記薬物の正規化レベルが薬物の日常用量に対応する関連信頼区間から外れる場合、第1の集団における薬物不正使用のリスクがあると同定することを含む。
【0074】
[0074]一実施形態において、本発明による方法は、対象が処方薬物レジメンに対してノンコンプライアンスである確率を提供する。関連する実施形態において、対象から得られる体液中で測定される生の薬物レベルは、対象に関連する1又は複数のパラメータの関数として正規化される。次いで、対象が処方薬物レジメンに対してノンコンプライアンスであることの確率は、正規化薬物レベルを、処方薬物レジメンに関連する正規化参照薬物レベル、前記正規化参照薬物レベルに関連する上側及び下側信頼区間、並びに/又は処方薬物レジメンに関連する正規化濃度範囲の少なくとも1つと比較することによって決定される。
【0075】
[0075]一実施形態においては、対象が処方薬物レジメンに対してノンコンプライアンスである検証確率が、対象がノンコンプライアンスである確率(例えば、対象の体液中の正規化薬物レベルを、処方薬物レジメンに関連する正規化参照薬物レベル、前記正規化参照薬物レベルに関連する上側及び下側信頼区間、並びに/又は処方薬物レジメンに関連する正規化濃度範囲の少なくとも1つと比較することによって決定される)と、検査前確率との組み合わせから生じる。表現「検査前」は、本明細書で使用するとき、本明細書で設定される対象から得られる体液について処方薬物レジメンに対する対象のコンプライアンスを予測又は証明する傾向がある診断検査以外の、任意の当業者に知られる評価ツールを指す。関連する実施形態において、検査前確率は、1又は複数の質問表の使用(administration)、1又は複数の標準的なリスクスクリーニング尺度(instruments)の使用、1又は複数の異常薬物行動の評価、対象の友人との1又は複数のインタビューの実施、対象の近親者との1又は複数のインタビューの実施、対象の知人との1又は複数のインタビューの実施等の少なくとも1つから導かれる。関連する実施形態においては、対象がノンコンプライアンスであることの検証確率が、対象の体液中の正規化薬物レベルを処方薬物レジメンに関連する正規化参照薬物レベル、前記正規化参照薬物レベルに関連する上側及び下側信頼区間、並びに/又は処方薬物レジメンに関連する正規化濃度範囲の少なくとも1つと比較することによって決定される確率と、検査前確率との積から生じる。
【実施例】
【0076】
[0076]以下の実施例は、例示のみを目的とし、いかなる点においても、本発明の範囲を制限するものとしては解釈されない。
【0077】
実施例1
[0077]健常な成人で、非喫煙者であって、年齢が18〜50歳であり、ボディマス指数が18〜32kg/mである36人の対象に対して、単一のグループにおける、日常用量が80、160及び240mgの制御放出オキシコドン(オキシコンチン(登録商標))による複数用量試験を行った。対象のうち、15人の対象は女性であり、21人の対象は男性であった。女性は、尿による妊娠検査で試験の開始前まで陰性であること、また試験期間を通して医学的に許容される避妊法を使用することを要件とした。全参加者に対し、市販のスクリーニング検査(PGXL Laboratories、Louisville、KY)を使用してCYP2D6酵素の表現型の種類についてのスクリーニングを行い、超急速メタボライザー、急速メタボライザー、及び貧メタボライザーは、試験から除外した。他に、物質乱用の経歴、顕著な疾患、最近の体調不良、又は診察、心電図、臨床検査、若しくは薬物スクリーニングによる異常な所見を有する個人も除外した。さらに、処方薬物、大衆薬、及び生薬に関する最近の使用の経歴があるものも除外した。ナルトレキソン、オキシコドン、他のオピオイド又は同様の化合物に対するアレルギー又は過敏症を有する対象は、参加資格なしとした。これらの対象は、投与前48時間から投与期間の間にわたって、アルコールの使用、グレープフルーツの摂取、グレープフルーツジュースの摂取、カフェインの摂取若しくはキサンテン含有製品の摂取を禁止した。
【0078】
[0078]各対象は、試験プロトコルに従って、試験の間中、ナルトレキソンによる遮断を受けた(一日に50mgのナルトレキソン投与を、オキシコドン投与の12時間前から開始して、4日目まで継続した)。対象は、年齢が18〜50(算術平均=23.58)歳で、平均して身長が68インチ、重量が159ポンドであった。32人の参加者はコーカサス人種であった。
【0079】
[0079]対象を、3つの制御放出オキシコドン投与量(すなわち、80、160又は240mg/日の投与)の1つに無差為に分け、12時間ごとに4日目まで投与を行った。2日目に、2つの前定常状態の尿サンプルを12時間ごとに回収した。制御放出オキシコドンの半減期は4.5時間であり、ほとんどの患者は4〜5回の薬物半減期の後で定常状態に達することから、制御放出オキシコドンを摂取しているほとんどの患者は3日目の前までに定常状態となる。先の薬物動態試験で、制御放出オキシコドンの繰り返し投与においては、患者が24〜36時間以内で定常状態レベルに達することが確認されている。3日目の午前0時から始めて、全ての対象の尿試料を4日目の23時59分に渡って回収し、この間、対象は定常状態であった。合計で373個の尿サンプルを回収したが、対象は制御放出オキシコドンの各投与において定常状態であった。加えて、pK血液及び経口体液試料を3日目及び4日目に3回、回収した。臨床検査、医薬、診察及び有害事象に関する所見は、早期終了の場合はその時又は経過観察の来診において回収した。尿試料中の生のオキシコドンレベルはLC−MS−MSによって決定し、尿中のノルオキシコドン、オキシモルホン及びオキシコドンの合計の検出可能な測定量を含めた。
【0080】
[0080]中央値の分析を、生の薬物レベル及び正規化薬物レベルの両方に対して、ボネット−プライス信頼区間を使用して、各日常用量のグループについて行った。この事例では、算術平均値よりも中央値による分析の方が適切であった。その理由は、(a)この比較的少量の試料での値の分布において各用量レベルで歪みが現れたこと、(b)薬物レベルの真の集団分布に関する情報が入手できなかったこと、及び(c)中央値による分析は、実際上で面し得るほとんど全ての非正規性に左右されないこと、による。ボネット−プライス信頼区間法を特に選択したが、その理由は、少量の試料での疑似実験における性能に優れているためである。比較のため、及び、より一層の信頼性を有する推定値を確立するために、ボンフェローニ調整を信頼区間に適用した。
【0081】
【表1】

【0082】
[0081]表1及び対応する図1A〜1Dは、実施例1の試験結果を表す。参照体液薬物レベルは、各日常用量の小集団に割り当てられた各対象におけるLC−MS−MS測定によるオキシコドンレベル中央値として計算した(B欄)。80、160及び240mgの日常用量に対する生の(すなわち、正規化されていない)中央値は、それぞれ3,172、5,245、及び8,249ng/mLであった。これらのレベル中央値それぞれに対して、ボネット−プライス95%信頼区間を計算した(C〜D欄)。比較のために、ボンフェローニ調整を行ったボネット−プライス95%信頼区間も計算した(E〜F欄)。これらのデータをグラフ化したものを、図1A及び1Cに示す。
【0083】
[0082]また正規化体液薬物レベル中央値を、尿pH、尿比重、及び除脂肪体重の関数として決定した(B欄)。80、160及び240mgの制御放出オキシコドンの日常用量に対する正規化尿中オキシコドンレベル中央値は、それぞれ5,471、10,385及び13,894であった。ボネット−プライス95%信頼区間(C〜D欄)及びボンフェローニ調整のボネット−プライス95%信頼区間(E〜F欄)を、表1に示すように、正規化尿中オキシコドンレベル中央値についても決定した。これらのデータをグラフ化したものを、図1B及び1Dに示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象がオキシコドンの不正使用のリスクが高いと同定する方法であって、
対象におけるオキシコドンの処方日常用量を決定するステップと、
対象の尿中のオキシコドン濃度を測定するステップと、
対象における及び/又は対象の尿中の1又は複数のパラメータを測定するステップと、
オキシコドン濃度及び1又は複数のパラメータの関数として正規化オキシコドン値を計算するステップと、
正規化オキシコドン値を、オキシコドンの処方日常用量に対応する正規化信頼区間と比較するステップと、及び
正規化オキシコドン値が、オキシコドンの処方日常用量に対応する信頼水準の上限及び下限から外れる場合、対象がオキシコドン不正使用のリスクが高いと同定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
1又は複数のパラメータが、尿pH、尿比重、尿クレアチニン濃度、対象の身長、対象の重量、対象の年齢、対象のボディマス指数、対象の性別、対象の除脂肪体重、及び対象の体表面積からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
オキシコドン濃度が、LC−MS−MS又はGC−MS−MSを使用して測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
オキシコドンの処方日常用量に対応する正規化推定中央値並びに関連上側及び下側信頼水準が、
定常状態に達するまで、集団の複数のメンバーそれぞれにオキシコドンの処方日常用量を投与すること、
各メンバーの尿中オキシコドン濃度を測定すること、
各メンバーにおいて1又は複数のパラメータを測定すること、
1又は複数のパラメータの関数として各メンバーに対するオキシコドン濃度を正規化すること、
集団の正規化オキシコドン濃度からオキシコドンの処方日常用量に対応する正規化推定中央値を決定すること、及び
正規化推定中央値に対する上側及び下側信頼区間を決定すること、
によって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数のメンバーが、1又は複数の除外基準の有無に基づいて集団に割り当てられる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
1又は複数の除外基準が、CYP2D6対立遺伝子変異、物質乱用の経歴;顕著な疾患;最近の体調不良;診察、心電図、臨床検査、若しくは薬物スクリーニングの異常な所見;処方薬物の使用、大衆薬の使用、生薬の使用に関する最近の経歴;ナルトレキソン、オピオイド、若しくは同様の化合物に対するアレルギー若しくは過敏症;アルコールの使用、グレープフルーツの摂取、グレープフルーツジュースの摂取、カフェインの摂取、若しくはキサンテン含有製品の摂取に関する最近の経歴;及び別の薬物療法若しくはオピオイド関連臨床試験又は研究への参加を含むリストから選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
メンバーが、非機能的CYP2D6対立遺伝子を有さない、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
メンバーが、機能低下CYP2D6対立遺伝子を有さない、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
メンバーが、非機能的及び機能低下CYP2D6対立遺伝子を有さない、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
全ての対象が、機能的CYP2D6対立遺伝子を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
オキシコドン濃度が、LC−MS−MS又はGC−MS−MSを使用して測定される、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
対象の薬物不正使用のリスクを減少させる方法であって、
対象における薬物の処方日常用量を決定するステップと、
対象の尿中の薬物濃度を測定するステップと、
対象に関連する1又は複数のパラメータを測定するステップと、
薬物濃度及び1又は複数のパラメータの関数として正規化値を計算するステップと、
正規化値を、薬物の処方日常用量に対応する正規化推定算術平均値又は推定中央値と比較するステップと、
正規化薬物濃度が薬物の処方日常用量に対応する正規化推定算術平均値又は推定中央値に該当しない場合、対象が薬物不正使用のリスクが高いと同定するステップと、及び
その後に対象に処方される薬物の日常用量を変更するステップと
を含む、方法。
【請求項13】
薬物の濃度が、LC−MS−MS又はGC−MS−MSを使用して測定される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
1又は複数のパラメータが、尿pH、尿比重、尿クレアチニン濃度、対象の身長、対象の重量、対象の年齢、対象のボディマス指数、対象の性別、対象の除脂肪体重、及び対象の体表面積からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
薬物が、オピオイドである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
薬物が、オキシコドンを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
薬物が、制御放出オキシコドンを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
薬物が、オキシコドンの代謝物を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
薬物の処方日常用量に対応する正規化推定中央値並びに関連上側及び下側信頼水準が、
定常状態に達するまで、集団の複数のメンバーそれぞれに薬物の処方日常用量を投与すること、
各メンバーの尿中薬物濃度を測定すること、
各メンバーにおいて1又は複数のパラメータを測定すること、
1又は複数のパラメータの関数として各メンバーに対する薬物濃度を正規化すること、
集団の正規化薬物濃度から薬物の処方日常用量に対応する正規化推定中央値を決定すること、及び
正規化推定中央値に対する上側及び下側信頼区間を決定すること、
によって決定される、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
薬物濃度が、LC−MS−MS又はGC−MS−MSを使用して測定される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
薬物が、オピオイドである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
薬物が、オキシコドンを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
薬物が、制御放出オキシコドンを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
薬物が、オキシコドンの代謝物を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
複数のメンバーが、1又は複数の除外基準の有無に基づいて集団に割り当てられる、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
1又は複数の除外基準が、CYP2D6対立遺伝子変異、物質乱用の経歴;顕著な疾患;最近の体調不良;診察、心電図、臨床検査、若しくは薬物スクリーニングの異常な所見;処方薬物の使用、大衆薬の使用、生薬の使用に関する最近の経歴;ナルトレキソン、オピオイド、若しくは同様の化合物に対するアレルギー若しくは過敏症;アルコールの使用、グレープフルーツの摂取、グレープフルーツジュースの摂取、カフェインの摂取、若しくはキサンテン含有製品の摂取に関する最近の経歴;及び別の薬物治療若しくはオピオイド関連臨床試験又は研究への参加を含むリストから選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
メンバーが、非機能的CYP2D6対立遺伝子を有さない、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
メンバーが、機能低下CYP2D6対立遺伝子を有さない、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
メンバーが、非機能的及び機能低下CYP2D6対立遺伝子を有さない、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
全ての対象が、機能的CYP2D6対立遺伝子を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
第1の集団における薬物不正使用のリスクを同定する方法であって、
複数の対象を第1の集団に割り当てるステップと、
複数の対象に薬物の日常用量を投与するステップと、
複数の対象の体液中の前記薬物のレベルを決定するステップと、
複数の対象に関連する1又は複数のパラメータを測定するステップと、
前記パラメータの少なくとも1つの関数として前記薬物の前記レベルを正規化するステップと、
前記複数の対象を含まない第2の集団において、薬物の日常用量に対応する正規化参照薬物レベル及び関連信頼区間を作成するステップと、
第1の集団における前記薬物の正規化レベルを、正規化参照薬物レベル及び関連信頼区間と比較するステップと、及び
第1の集団における前記薬物の正規化レベルが薬物の日常用量に対応する関連信頼区間から外れる場合、第1の集団における薬物不正使用のリスクがあると同定するステップと
を含む、方法。
【請求項32】
第2の集団が、複数のメンバーを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
第1の集団に割り当てられた複数の対象に関連する少なくとも1つの測定されたパラメータの値が、第2の集団に含まれる複数のメンバーに関連する少なくとも1つの測定されたパラメータの値と異なる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
1又は複数のパラメータが、体液pH、体液比重、体液クレアチニン濃度、対象の身長、対象の重量、年齢、ボディマス指数、性別、除脂肪体重、及び体表面積から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
複数の対象が、薬物関連異常行動の高いリスクを有する、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
複数の対象が、薬物関連異常行動の経歴を有する、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
薬物が、オピオイドを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
薬物が、オキシコドンを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
薬物が、制御放出オキシコドンを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
薬物が、オキシコドンの代謝物を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記薬物のレベルが、LC−MS−MS又はGC−MS−MSを使用して決定される、請求項31に記載の方法。


【図1】
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【公表番号】特表2013−519883(P2013−519883A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553047(P2012−553047)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2011/024591
【国際公開番号】WO2011/100588
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(512205142)アメリトックス リミテッド パートナーシップ (1)
【Fターム(参考)】