説明

測定対象物の重心位置計測装置

【課題】作業者の労力の削減と作業の安全を確保しながら、簡単な構成にて略自動的にコンテナ等の測定対象物の重心を測定可能にする。
【解決手段】フレーム1上の3箇所にシリンダ6を介して各一のロードセル2を設置し、各ロードセル2を介してシリンダ6により測定対象物8を載置するための計測台3を支持し、シリンダ6を伸張させることによってロードセル2を計測台3の下面に押し付け、計測台3を水平に維持した状態および傾斜した状態ごとに各ロードセル2から得られる荷重データに基づいて、演算制御部21が測定対象物8の重心を演算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流用コンテナなどの測定対象物の重心位置を計測するのに用いる測定対象物の重心位置計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラック、鉄道、船舶、航空機(貨物輸送機)などの安全運行のためには、これらに搭載する物流用コンテナ(以下、コンテナという)などの重量物の積載量および積載バランスを適切に管理することが必要である。このため、従来から、前記重量物はトラックなどの台車の中央部に載せられる。しかし、重量物自体の重心、例えば貨物を収納したコンテナの重心が、貨物のコンテナ内における設置位置や積荷状態に応じてアンバランスとなる場合がある。この場合には、トラック運行中の揺動時に車体が傾いたり、積荷の倒」壊や破損を招いたりする惧れがある。
【0003】
このため、重量物を複数個の秤(はかり)で水平に支えることによって、重量物の水平面内での重心位置を求め、更にこの重量物を所定の角度に傾けて、つまり前記秤の使用位置を変えて高さ方向の重心位置を求めることが行われている。そして各重心位置の測定結果に従い、前記重量物を台車の適正位置に載せることで、トラックや船舶等の安全運行が図られている。
【0004】
一方、放射線源と、この放射線源との間にコンテナの進入スペースを空けて配置されるディテクタと、このディテクタの出力に基づき演算を行う演算制御部とを備えて、この演算制御部により、前記コンテナの進入スペースにコンテナが侵入した状態での前記放射線源から前記ディテクタに到達した放射線の強度分布を求め、この放射線の強度分布に基づき、前記コンテナの密度分布および重心位置を特定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、コンテナの重心位置を人の手を大きく煩わせることなく、自動的、効率的に検出することができる。
【特許文献1】特開2007‐191173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数個の秤を用いて重量物を支えることにより重心を求める
従来の重心測定方法では、重量物を吊り上げるためのクレーンやジャッキの手作業による操作や作業の負担が大きく、また複数の秤から得られたデータを計算する作業が煩わしく、重心の測定作業および重量物の搬送作業の効率が共に良くないという不都合があった。
また、放射線を利用する従来の重心測定方法では、放射線発生装置やディテクタなど高額の設備が必要であり、また、得られた重心情報がコンテナ内の各積荷自体の重量を正しく反映したものではない場合があり、この場合には重心の測定値が必ずしも正確ではないという問題があった。
【0006】
本発明は前記のような従来の問題点に着目してなされたものであり、作業者の労力の削減と作業の安全を確保しながら、簡単な構成にて略自動的にコンテナ等の測定対象物の重心位置を高精度に測定することができる測定対象物の重心位置計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的達成のために、本発明に係る測定対象物の重心位置計測装置は、床上に設置されるフレームと、該フレーム上の3箇所にシリンダを介して設置された各一のロードセルと、該ロードセルを介して前記シリンダにより支持されて、測定対象物を載置するための計測台と、前記シリンダを伸張させて前記ロードセルを計測台の下面に押し付けることにより、前記計測台を水平に維持した場合および傾斜した場合ごとに、前記各ロードセルから得られる荷重データに基き、前記測定対象物の重量及び重心を演算する演算手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成により、水平支持状態の計測台に測定対象物を載せ、ロードセルを用いて検出された測定対象物の荷重測定値(荷重データ)に基づいて、演算制御部が測定対象物の重心を通る鉛直線の位置を求める。一方、所定の傾斜支持状態で測定対象物の重心を通る鉛直線の位置を、計測台の傾斜角度と前記各ロードセルによる測定対象物の荷重検出値とに基づいて求め、前記傾斜前後において求めた各重心を通る鉛直線の交点をこの測定対象物の重心とする。この重心データは、計測台上に測定対象物を載せないで前記同様に求めた重心データで補正する。このようにして重心を求めるための3個のロードセル、シリンダ等を含む比較的割安な設備を用いて、略自動的に、つまり手作業を殆ど介することなく正確かつローコストに測定対象物の重心を測定することができる。
【0009】
また、本発明に係る測定対象物の重心位置計測装置は、前記フレーム下面に取り付けられ、床面に接して転動する複数の支持ローラと、前記フレームの端部側面に取り付けられ、床面に対しフレームの前記他端を昇降可能に伸縮するジャッキと、を備えて、前記ジャッキの伸縮により、前記フレームとともに前記計測台を前記支持ローラを中心として水平方向および所定の傾斜角度に回動可能にしたことを特徴とする。
この構成により、前記支持ローラを中心とする計測台の傾動により、この計測台専用の回動支点や装置を別途設置する必要がなく、重心位置計測装置全体の構成の簡素化とコストの軽減を図ることができる。
【0010】
また、本発明に係る測定対象物の重心位置計測装置は、前記計測台の前記シリンダによる押し上げ動作時以外は、前記ロードセルが計測台の下面に干渉しない位置に退避するように前記シリンダに取り付けられていることを特徴とする。
この構成により、計測台上にコンテナ等を載置する際に、無用の衝撃がロードセルに直接掛かることを回避でき、従って、ロードセルの破損を確実に防止することができる。
【0011】
また、本発明に係る測定対象物の重心位置計測装置は、前記フレームと計測台との間の複数箇所に、これらのフレームおよび計測台のそれぞれに両端が軸支された弾性素材からなるロッドを持つ計測台支持具が介在されていることを特徴とする。
この構成により、各シリンダによる計測台の上昇時に、ロッドの支点である軸間の距離が増加し、ロッドにシリンダの伸長力に抵抗する力が生じるが、この力を、ロッド自体の弾性により吸収することによりできるだけ小さくすることができる。このため前記伸長力吸収のための伸縮機構などを別途設置する必要がなくなる。
【0012】
また、本発明に係る測定対象物の重心位置計測装置は、前記ロードセルの稼動計測子と計測台との間には、前記ロードセルの外箱に軸支された横方向荷重防止部材が介在されていることを特徴とする。
この構成により、計測台を傾けた際に、計測台の横方向荷重がロードセルの可動計測子に直接作用するのを防止でき、偏荷重に基づく可動計測子の故障や誤動作を未然に回避することができる。
【0013】
また、本発明に係る測定対象物の重心位置計測装置は、前記計測台上に載置された測定対象物を正面方向および側面方向から撮影する2台のカメラを備え、前記演算制御部が前記カメラで撮影した測定対象物の画像上に前記計測された重心位置を表示装置に表示させることを特徴とする。
この構成により、測定対象物上のどの位置に重心があるかを、測定者が表示装置上で確認することができ、測定対象物の搬送、運搬を安全かつ適切に実施することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業者の労力の削減と作業の安全を確保しながら、簡単な構成にて略自動的にコンテナ等の測定対象物の重心を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図面は、本発明の実施形態による測定対象物の重心位置計測装置を示し、図1は、本発明の実施の形態による測定対象物の重心位置計測装置を示す正面図、図2は、図1における測定対象物の重心位置計測装置を示す平面図、図3は、本発明の実施の形態による測定対象物の重心位置計測装置を示す左側面図、図4は、図1における計測台を傾斜させた状態を示す正面図、図5は、図1における計測台支持具を示す拡大正面図、図6は、図1における計測台支持具の動作状態を示す正面図、図7は、図5における計測支持具の詳細を示す正面図。図8は、図1におけるロードセルの横方向荷重防止構造を示す正面図、図9は、荷重測定値に基づき測定対象物の重心を演算する演算制御装置のブロック接続図を示す。
【0016】
本実施の形態による測定対象物の重心位置計測装置は、フレーム1と、ロードセル2と、計測台3と、ジャッキ4とを備えて構成される。フレーム1は、図2に示すように、平行配置された長めの2本の鋼材1a、1bと、これらの鋼材1a、1bに直交するように平行配列され、これらの鋼材1a、1bの端部に互いに連結された2本の鋼材1c、1dとから構成される。鋼材1c、1dの両端部の下面には、各一ケの支持ローラ5が取り付けられている。このため、フレーム1は図1および図2に示すように、床面G上を支持ローラ5の回転によって任意の位置に移動できる。
【0017】
鋼材1c上の中央部上面および鋼材1d上の両端部上面には、各一ケのシリンダ(本実施の形態では油圧シリンダ)6が設置され、これらのシリンダ6上には前記ロードセル2が設置されている。従って、3個のロードセル2は鋼材1c上にある1つを頂点にして、鋼材1d上に形成される二等辺三角形の2つの角部に2つがそれぞれ設置される。なお、各ロードセル2はシリンダ6内の上部にあるが、通常は、シリンダ6の上端が計測台3を直接支持しており、荷重計測が開始されるとシリンダ6内からロードセル2の可動計測子2fが上方に押し出され、計測台3を支持するように押し上げることとなる。これにより、計測台3上にコンテナ8等を載置する際に、無用の衝撃が直接ロードセル2に掛かることを回避でき、従って、ロードセル2の破損を確実に防止できる。計測台3上には計測台3を傾斜させた際、コンテナが移動しないようにストッパーを設けてもよい。
【0018】
フレーム1上には、これを所定間隙をおいて覆う前記計測台3が、複数個の計測台支持具7を介して支持されている。この計測台3は、コンテナ8等の測定対象物を載置可能な広さを持ち、このコンテナ8等をクレーンを用いて上げ降ろし可能な所定の強度を持つ。この計測台3の一部は3個の前記ロードセル2の上方に臨み、シリンダ6の伸長時には、各ロードセル2を介して計測台3が水平状態を保ったまま上方へ押し上げ可能になっている。
【0019】
計測台支持具7は、図7に示すように、フレーム1と計測台3のそれぞれに取り付けられたブラケット9、10に対し、ロッド11の両端に取り付けられたクレビス12、13を、軸14、15によって回動自在に軸支した構成を持つ。この計測台支持具7は、図2に示すように、鋼材1a、1b上面の各両端に1個ずつと鋼材1c、1d側面の各両端部に1個ずつとの、あわせて8個が設けられている。
【0020】
前記ジャッキ4は、フレーム1を構成する2本の鋼材1a、1b右端の側部に取り付けられている。これらのジャッキ4は鋼材1a、1bに固定されシリンダ部4aとこのシリンダ部4a内に出入するロッド部4bとからなり、ロッド部4bの下端には、床面Gに設置される足部材16がピン17によって軸支されている。従って、このジャッキ4の伸長動作によってフレーム1は計測台3を載せた状態で、図4に示すように前記フレーム1左端側の支持ローラ5を中心に傾動駆動可能になっている。また、装置の左側方向および正面方向には重心位置記録カメラ18、19が配置されている。
【0021】
図8は、前記ロードセル2の横方向荷重防止構造例を示す。これはロードセル2の外箱(外カバー)にブラケット2aを取り付け、このブラケット2aに水平プレート2bの基部をピン軸2gにより軸支したものからなる。この水平プレート2bの先端上面に設けた突起2cの円弧面2dを、計測台3下面の突起部3aの下面に接触可能とし、一方、先端下部に設けた突起2eをロードセル2の可動計測子2fに接触可能とした。
【0022】
この構成では、計測台3を後述のように傾けた際に、突起部3aが突起2cの円弧面2d上を滑ることによって、計測台3の横方向荷重がロードセル2の可動計測子2fに対し直接作用しないようにすることができる。これによりロードセル2に対する計測台3の偏荷重に基づく可動計測子2fの故障や誤動作を未然に回避することができる。
【0023】
図9は、本実施の形態における演算制御装置を示すブロック図である。この演算制御装置は、演算制御部(演算手段)21を中心として、3個の前記ロードセル2、傾斜角度センサ26、シリンダ6用の油圧ユニット22、ジャッキ4用の油圧ユニット23、カメラ18、19、計測の開始や終了の指令や各種の操作指令を出す操作装置24、前記演算により得られたコンテナ8の重心位置をカメラ18、19で得られた画像上に、重ねて表示する表示装置25を備えている。
【0024】
次に動作を説明する。
この測定対象物の重心位置を計測するに当たって、重心位置計測装置の全体を床面G上に走らせて所定の作業位置へ移動する。次に重量物である例えばコンテナ8をクレーンを用いて計測台3上の中央寄りの所定位置に載置する。続いて、走査装置24上の操作ボタンや操作スイッチ等により、重心の測定開始指令とともに演算データなどの各種データの入力指令を行う。
【0025】
これにより各シリンダ6が動作し、ロードセル2を介して計測台3を所定量押し上げる。このとき3個のシリンダ6の作動量は、油圧ユニット22からの油圧を受けて同一伸長量に制御される。このため、計測台3は水平状態を維持し(傾斜角度がゼロ)、3個のロードセル2にはその位置におけるコンテナ8の荷重(重量)を検出する。この検出荷重は、図示しない読み書き可能なメモリ(RAMなど)に保持される。
【0026】
各シリンダ6による計測台3の上昇時には、計測台支持具7によって計測台3は真直ぐ上方へ移動する。このときロッド11の支点である軸14、15間では距離Rが増加し、ロッド11にはシリンダ6の伸長力に抵抗する力が生じる。この力をできるだけ小さくするために、ロッド11を水平に配置し、かつ計測台3の上昇量に対してロッド11を長く設定されている。また、ロッド11の伸長量dLを微小量に抑え、ロードセル2の計測値やシリンダ6の押上げ力に影響しないようにされている。この伸長量dLをロッド11自身の弾性により吸収させることで、その身長量dL吸収のための伸縮機構などを別途設置する必要がなくなる。
【0027】
続いて、操作装置24から計測台3の傾斜指令を行う。この傾斜指令信号を受けて油圧ユニット23は演算制御部21の制御下で予め設定された伸長量分ジャッキ4を伸長させる。これによりフレーム1および計測台3は、図1に示す左方の支持ローラ5を中心に、図4に示すように所定角度傾斜する。この支持ローラ5を中心とする支持台3の回動により、この支持台3専用の回動支点や装置を別途設置する必要がなくなり、コストの軽減を図ることができる。なお、このときの傾斜角度は図示しない傾斜センサにより検知される。そして、計測台3の各傾斜状態における3個のロードセル2の検出荷重を前記メモリに記憶させる。
【0028】
一方、演算制御部21は、計測台3が水平状態にあるときにロードセル2によって測定された荷重検出値および傾斜センサによって測定した傾斜角度(0
°)からコンテナ8の重心を通る鉛直線の位置を演算する。同時に、演算制御部21は、計測台3が傾斜状態にあるとき、ロードセル2によって測定された荷重検出値および傾斜角度センサ26によって測定した傾斜角度に基づいて、前記同様にしてコンテナ8等の重心を通る鉛直線の位置を演算する。
【0029】
そして演算制御部21では、計測台3の傾斜前後の二つの鉛直線の交点を演算し、この演算結果をコンテナ8等が計測台3上に載置されない条件下で予め求めた計測台3およびフレーム1を含む重心データにより補正して、コンテナ8の重心位置を最終的に決定することとなる。
【0030】
このように、本実施形態の測定対象物の重心位置計測装置は、床面Gにフレーム1を設置し、フレーム1上の3箇所にシリンダ6を介して各一のロードセル2を設置し、各ロードセル2を介してシリンダ6により測定対象物8を載置するための計測台3を支持して、シリンダ6を伸張させることによってロードセル2を計測台3の下面に押し付け、計測台3を水平に維持した状態および傾斜した状態ごとに各ロードセル2から得られる荷重データに基づいて、演算制御部21が測定対象物8の重心を演算する構成とした。
【0031】
これにより、ロードセル2を用いて検出された計測台3上の測定対象物8の荷重測定値に基づいて、演算制御部21が演算した測定対象物8の重心を通る鉛直線の位置が得られる。また、所定の傾斜支持状態での測定対象物8の重心を、計測台3の傾斜角度と各ロードセル2による測定対象物8の荷重検出値とに基づいて求め、傾斜前後において求めた各重心を通る鉛直線の交点をこの測定対象物8の重心として求めることができる。そしてこの重心データは、計測台3上に測定対象物8を載せないで前記同様に求めた重心データで補正することで、正確な重心位置の計測が可能になる。このようにして重心を求めるための3個のロードセル2、シリンダ6等を含む比較的割安な設備を用いて、略自動的に、つまり手作業を殆ど介することなく正確かつローコストに測定対象物8の重心位置を測定することができることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、作業者の労力の削減と作業の安全を確保しながら、簡単な構成にて略自動的にコンテナ等の測定対象物の重心を測定することができるという効果を有し、物流用コンテナなどの測定対象物の重心位置を計測するのに用いる測定対象物の重心位置計測装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態による測定対象物の重心位置計測装置を示す正面図である。
【図2】図1における測定対象物の重心位置計測装置の平面図である。
【図3】図1における測定対象物の重心位置計測装置の左側面図である。
【図4】図1における計測台を傾斜させた状態の正面図である。
【図5】図1における計測台支持具を示す拡大正面図出る。
【図6】図1における計測台支持具の動作状態の正面図である。
【図7】図5における計測台支持具の詳細を示す正面図である。
【図8】図1におけるロードセルの横方向荷重防止構造を示す正面図である。
【図9】荷重測定値に基づき測定対象物の重心を演算する演算制御装置のブロック接続図である。
【符号の説明】
【0034】
1 フレーム
2 ロードセル
2a ブラケット
2b 水平プレート
2c、2e 突起
2f 可動計測子
3 計測台
4 ジャッキ
4a シリンダ部
4b ロッド部
5 支持ローラ
6 シリンダ
7 計測台支持具
8 コンテナ(測定対象物)
9、10 ブラケット
11 ロッド
12、13 クレビス
14,15 軸
18、19 カメラ
21 演算制御部(演算手段)
22、23 油圧ユニット
24 操作装置
25 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床上に設置されるフレームと、
該フレーム上の3箇所にシリンダを介して設置された各一のロードセルと、
該ロードセルを介して前記シリンダにより支持されて、測定対象物を載置するための計測台と、
前記シリンダを伸張させて前記ロードセルを計測台の下面に押し付けることにより、前記計測台を水平に維持した場合および傾斜した場合ごとに前記各ロードセルから得られる荷重データに基き、前記測定対象物の重量及び重心を演算する演算手段と、
を備えることを特徴とする測定対象物の重心位置計測装置。
【請求項2】
前記フレーム下面に取り付けられ、床面に接して転動する複数の支持ローラと、
前記フレームの端部側面に取り付けられ、床面に対しフレームの前記他端を昇降可能に伸縮するジャッキと、
を備えて、
前記ジャッキの伸縮により、前記フレームとともに前記計測台を前記支持ローラを中心として水平方向および所定の傾斜角度に回動可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の測定対象物の重心位置計測装置。
【請求項3】
前記計測台の前記シリンダによる押し上げ動作時以外は、前記ロードセルが計測台の下面に緩衝しない位置に退避するように前記シリンダに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の測定対象物の重心位置計測装置。
【請求項4】
前記フレームと計測台との間の複数箇所には、これらのフレームおよび計測台のそれぞれに両端が軸支された弾性素材からなるロッドを持つ計測台支持具が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の測定対象物の重心位置計測装置。
【請求項5】
前記ロードセルの稼動計測子と計測台との間には、前記ロードセルの外箱に軸支された横方向荷重防止部材が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の測定対象物の重心位置計測装置。
【請求項6】
前記計測台上に載置された測定対象物を正面方向および側面方向から撮影する2台のカメラを備え、前記演算制御部が前記カメラで撮影した測定対象物の画像上に前記計測された重心位置を表示装置に表示させることを特徴とする請求項1に記載の測定対象物の重心位置計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−85182(P2010−85182A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253178(P2008−253178)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000103035)エム・エイチ・アイさがみハイテック株式会社 (3)