説明

測定状況を記録するパルスオキシメータ

【課題】生活状況、活動又は自覚症状の違いによる酸素飽和度の変化を明確にする。
【解決手段】パルスオキシメータ302接続用の携帯情報端末300が提供される。この携帯情報端末300は、パルスオキシメータ302に接続して酸素飽和度を含む測定データを取得する接続部304と、モニタ104と、年月日および時刻を含む時刻データを計算する時計部106と、測定データを記録する記録部108と、ユーザがその酸素飽和度の測定時の被験者の生活状況、活動又は自覚症状を選択して入力することができる選択入力部110と、ユーザがその選択入力部110で被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力すると、その生活状況、活動又は自覚症状を含む状況データを該入力時のその測定データおよびその時刻データと紐付けて記録部に記録するデータ処理部112と、その酸素飽和度の測定値をそのモニタに表示させる測定値表示部114と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定状況を記録するパルスオキシメータ、パルスオキシメータ接続用の携帯情報端末、および携帯情報端末をパルスオキシメータに接続して使用するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
在宅酸素療法は、酸素吸入が必要な慢性呼吸不全患者が住み慣れた自宅で療養を行える利点があり、患者の生活の質(QOL)を改善できる重要な治療法である。在宅酸素療法を受けている患者数は約14万人である。在宅酸素療法は慢性呼吸器疾患による慢性呼吸不全だけでなく、肺高血圧症、チアノーゼ型先天性心疾患、チェーン・ストークス呼吸を合併した慢性心不全などにも適応がある。
【0003】
患者の大多数は酸素濃縮器を使用しているが、在宅酸素療法で使用する酸素濃縮器が正常に稼働しているか、医師の処方酸素流量通り適正に使用しているか、あるいは一度処方した流量が患者の様々な生活の場において適切かどうかは患者の自己申告によるところが大きく客観的な評価法がほとんどないのが現状である。
【0004】
通常、酸素吸入時、自宅で酸素飽和度をパルスオキシメータで自己測定している(例えば特許文献1、2を参照)。また、パルスオキシメータおよびタッチパネル式モニタを備えるシステムも幾つか提案されている(例えば特許文献3、4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−266522号公報
【特許文献2】特開2010−194306号公報
【特許文献3】特開2005−411号公報
【特許文献4】特開2010−246894公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記文献記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
第一に、患者の日常生活の場において想定外に低酸素状態になっている可能性がある。酸素吸入は鼻カニューレで投与されることが多く、食事中は物を飲み込む際、息止めに加えて鼻からの酸素吸入が十分でなくなる。また、排便時に想定以上の息止めを行うこともある。風呂にはいると浴槽内で水圧により呼吸制限が生じることもある。
【0007】
第二に、特許文献3のタッチパネル式モニタは電動式のギャッジベッドの操作のために設けられたものであり、パルスオキシメータの操作に用いられるわけではない。また、特許文献4では、タッチスクリーンインターフェース自体にパルスオキシメータの機能を組み込んでいるため、指先がうまく固定されないのでパルスオキシメータの測定精度が低下するおそれがあり、両者の一体化のための製造コストが高くつく可能性がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、生活状況、活動又は自覚症状の違いによる酸素飽和度の変化を明確にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
また、本発明によれば、パルスオキシメータ接続用の携帯情報端末であって、パルスオキシメータに接続して酸素飽和度を含む測定データを取得する接続部と、モニタと、年月日および時刻を含む時刻データを計算する時計部と、測定データを記録する記録部と、ユーザがその酸素飽和度の測定時の被験者の生活状況、活動又は自覚症状を選択して入力することができる選択入力部と、ユーザがその選択入力部で被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力すると、その生活状況、活動又は自覚症状を含む状況データを該入力時のその測定データおよびその時刻データと紐付けて記録部に記録するデータ処理部と、その酸素飽和度の測定値をそのモニタに表示させる測定値表示部と、を備える、携帯情報端末が提供される。
【0010】
この携帯情報端末は、市販のパルスオキシメータに接続して用いれば、生活状況、活動又は自覚症状の違いによる酸素飽和度の変化を明確にすることができる。そのため、その記録に基づいて医師、看護師などの医療関係者が診察の際に酸素濃縮器からの酸素ガス流量をきめ細かく変更することが可能である。
【0011】
本発明によれば、パルスオキシメータであって、動脈血の酸素飽和度を測定してその酸素飽和度を含む測定データを生成する測定部と、モニタと、年月日および時刻を含む時刻データを計算する時計部と、測定データを記録する記録部と、ユーザがその酸素飽和度の測定時の被験者の生活状況、活動又は自覚症状を選択して入力することができる選択入力部と、ユーザがその選択入力部で被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力すると、その生活状況、活動又は自覚症状を含む状況データを該入力時のその測定データおよびその時刻データと紐付けて記録部に記録するデータ処理部と、その酸素飽和度の測定値をそのモニタに表示させる測定値表示部と、を備える、パルスオキシメータが提供される。
【0012】
このパルスオキシメータは、単独で用いた場合にも、生活状況、活動又は自覚症状の違いによる酸素飽和度の変化を明確にすることができる。そのため、その記録に基づいて医師、看護師などの医療関係者が診察の際に酸素濃縮器からの酸素ガス流量をきめ細かく変更することが可能である。
【0013】
また、本発明によれば、携帯情報端末をパルスオキシメータに接続して使用するためのプログラムであって、その携帯情報端末を、パルスオキシメータに接続して酸素飽和度を含む測定データを取得する接続部、モニタ、年月日および時刻を含む時刻データを計算する時計部、測定データを記録する記録部、ユーザがその酸素飽和度の測定時の被験者の生活状況、活動又は自覚症状を選択して入力することができる選択入力部、ユーザがその選択入力部で被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力すると、その生活状況、活動又は自覚症状を含む状況データを該入力時のその測定データおよびその時刻データと紐付けて記録部に記録するデータ処理部、およびその酸素飽和度の測定値をそのモニタに表示させる測定値表示部、として機能させるための携帯情報端末用のプログラムが提供される。
【0014】
このプログラムは、市販のパルスオキシメータに接続された市販の携帯情報端末にインストールして用いれば、生活状況、活動又は自覚症状の違いによる酸素飽和度の変化を明確にすることができる。そのため、その記録に基づいて医師、看護師などの医療関係者が診察の際に酸素濃縮器からの酸素ガス流量をきめ細かく変更することが可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、生活状況、活動又は自覚症状の違いによる酸素飽和度の変化を明確にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1に係るタッチパネル式モニタ付きの携帯情報端末(パルスオキシメータとは有線で接続している)の構成を示した概念図である。
【図2】実施形態1に係るタッチパネル式モニタ付きの携帯情報端末の全体構成を示した機能ブロック図である。
【図3】実施形態1に係るタッチパネル式モニタ付きの携帯情報端末の動作について説明するためのフローチャートである。
【図4】実施形態2に係る物理ボタン付きのパルスオキシメータの構成を示した概念図である。
【図5】実施形態2に係る物理ボタン付きのパルスオキシメータの構成を示した機能ブロック図である。
【図6】実施形態2に係る物理ボタン付きのパルスオキシメータの動作について説明するためのフローチャートである。
【図7】実施形態2の変形例に係るタッチパネル式モニタと一体化したパルスオキシメータの全体構成を示した機能ブロック図である。
【図8】実施形態2の変形例に係るタッチパネル式モニタと一体化したパルスオキシメータの動作について説明するためのフローチャートである。
【図9】実施例における生活状況による酸素飽和度変化についての実験結果を示すグラフである。
【図10】実施例における生活状況と脈拍についての実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0018】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るタッチパネル式モニタ付きの携帯情報端末(パルスオキシメータとは有線で接続している)の構成を示した概念図である。この図に示すように、本実施形態に係る携帯情報端末は、市販の一般的なパルスオキシメータに有線で接続したタッチパネル式モニタ付きの携帯情報端末である。この携帯情報端末では、患者が酸素飽和度を自己測定しタッチパネルをさわると自動で測定データおよび日時、時刻、生活状況の情報が記録される。また、この携帯情報端末では、タッチパネルの画面(生活状況・活動の項目・字の大きさなど)は自由に変更できるように設定する。
【0019】
そのため、この携帯情報端末は、市販のパルスオキシメータに接続して用いれば、生活状況、活動又は自覚症状の違いによる酸素飽和度の変化を明確にすることができる。そのため、その記録に基づいて医師、看護師などの医療関係者が診察の際に酸素濃縮器からの酸素ガス流量をきめ細かく変更することが可能である。
【0020】
以下、本実施形態の構成について説明する。
図2は、実施形態1に係るタッチパネル式モニタ付きの携帯情報端末の全体構成を示した機能ブロック図である。本実施形態に係るタッチパネル式モニタ104付きの携帯情報端末300は、市販の一般的なパルスオキシメータ302に有線で接続するためのタッチパネル式モニタ104付きの携帯情報端末である。タッチパネル式モニタ104付きの携帯情報端末300(personal digital assistant)には、タッチパネル式モニタ104を有する手に持てるぐらい小さくて軽いコンピュータが含まれる。タッチパネル式モニタ104付きの携帯情報端末300としては、例えば市販のスマートフォン、市販のタブレット端末などを好適に用いることができる。例え市販品であったとしても、本実施形態用のソフトウェアをインストールすれば、パルスオキシメータ302に接続させて所望の機能を発揮できる。もちろん、これらは市販のものでなくてもよく、特注のハードウェアまたはソフトウェアを有するタッチパネル式モニタ104付きの携帯情報端末300を用いても良い。
【0021】
また、パルスオキシメータ302(pulse oximeter)には、プローブを指先や耳などに付けて、侵襲せずに脈拍数と経皮的動脈血酸素飽和度(SpO)をモニタする医療機器が含まれる。パルスオキシメータ302には、モニタ結果を内蔵メモリに記録できるものや腕時計のような小型のものも含まれる。例えば、国際標準化機構(ISO)では、パルスオキシメータの標準規格として、ISO9919:2005「医用パルスオキシメータの基本安全及び必須性能に関する特定要求事項」を規定しているので、この標準規格に基づくパルスオキシメータ302などを好適に用いることができる。
【0022】
この携帯情報端末300は、接続部304を備える。この接続部304は、パルスオキシメータ302に接続して酸素飽和度(経皮的動脈血酸素飽和度(SpO))を含む測定データを取得する。この接続部304は、動脈血の脈拍数も含む測定データを取得できることが好ましい。この接続部304は、パルスオキシメータ302および携帯情報端末300の間での有線通信又は無線通信を可能にするモジュールであればよい。この接続部304は、有線通信を行う場合には、例えばUSBポートなどを用いることができる。また、この接続部304は、無線通信を行う場合には、例えばIEEE802.11系統の無線通信モジュールなどを用いることができる。いずれの場合にも、パルスオキシメータ302および携帯情報端末300は、互いに同じ規格で接続されることが好ましい。
【0023】
この携帯情報端末300は、タッチパネル式のモニタ104を備える。タッチパネル(touch panel)とは、液晶パネルのような表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品を含み、画面上の表示を押すことで機器を操作する入力装置を含む。タッチパネルの方式としては、例えば抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などのいずれの方式も用いることができる。
【0024】
この携帯情報端末300は、時計部106を備える。この時計部106は、年月日および時刻を含む時刻データを計算する。この時計部106としては、例えばクォーツ時計(水晶発振式)などを用いることができる。なお、この時計部106は、ネットワーク・タイム・プロトコル(Network Time Protocol)機能を有しており、インターネット経由で機器が持つ時計を正しい時刻へ同期できることが好ましい。この時計部106は、所定の時刻に定期的にユーザに動脈血の酸素飽和度を測定することを促す指示をタッチパネル式のモニタ104に表示又は音声入出力部116を通して音声出力する。また、このとき、この時計部106は、ユーザに被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力することを促す指示をタッチパネル式のモニタ104に表示する。
【0025】
なお、この時計部106は、所定の時刻に定期的に測定データを記録部108に自動記録するようにデータ処理部112を通して接続部304に指示を出す機能を有していてもよい。このように時間設定での測定も可能とした場合は、音声入出力部116からの音声によって測定を促すようにもする。このようにすれば、定期的に測定データを自動記録できるので、患者自身の手間を省くことができる。例えば、この時計部106は、データ処理部112を通して接続部304に対して"朝起きて寝るまでを3日間計測する"というように指示して、持続して計測したデータを把握できるようにもする。このようにすれば、一日の流れの中で、どういう生活活動の時、どういう時間帯に酸素飽和度が低下しているのか把握できるメリットがある。
【0026】
この携帯情報端末300は、記録部108を備える。この記録部108は、パルスオキシメータ302から接続部304を通して取得された酸素飽和度の測定値を含む測定データを記録する。なお、この測定データには、生活状況、活動又は自覚症状を含む状況データ、年月日および時刻を含む時刻データ、又は被験者(患者)の個人データ(氏名、年齢、性別、体重、慎重、血液型、疾患名、通院している病院名)などが紐付けられて記録されてもよい。脈拍数の測定値が含まれていてもよい。さらに、この測定データには後述するこの記録部108としては、内蔵のハードディスク、フラッシュメモリなどを用いることができる。この記録部108としては、携帯情報端末300に挿入されたSDカードなどの外部メモリを用いてもよい。
【0027】
なお、本実施形態の変形例として、記録部108は単なる一時的な記憶を行うDRAMなどの揮発性メモリまたはCPUのキャッシュであってもよい。その場合には、揮発性メモリの測定データが失われないように、例えば近距離通信(Blue tooth(登録商標))を用いて自動で別個準備した記録媒体に直接送信することが好ましい。パルスオキシメータ302の内蔵スロットに挿入されたSDカードなどの取り外し可能なフラッシュメモリにデータを記録できれば、患者が自分で測定結果をプリントアウトすることも可能で、医療者が指導した後、セルフモニタリングにも活用できる。
【0028】
この携帯情報端末300は、選択入力部110を備える。この選択入力部110を用いて、ユーザが酸素飽和度の測定時の被験者の生活状況、活動又は自覚症状を選択して入力することができる。なお、ユーザは、被験者又は患者と同一人物であってもよく、他人であってもよい。この選択入力部110は、タッチパネル式モニタに表示される複数のアイコンであることが好ましい。また、この選択入力部110は、安静、食事、トイレ、歩行後、着替え、風呂からなる群から選ばれる2種類以上の選択肢から構成されていることが好ましい。この携帯情報端末300では、患者が酸素飽和度をパルスオキシメータ302で自己測定しタッチパネル式のモニタ104に表示された選択入力部110をさわると、データ処理部112によって自動でパルスオキシメータ302から接続部304を通って測定データおよび日時、時刻、生活状況の情報が取得されて記録部108に記録される。
【0029】
また、この携帯情報端末300では、タッチパネル式のモニタ104の画面上の選択入力部110の表示内容(生活状況・活動の項目・字の大きさ(図柄)など)は患者の年齢や理解力により選択でき自由に変更できるように設定されている。すなわち、この携帯情報端末300では、生活活動の設定項目はプログラムで容易に変更できることが好ましい。また、この携帯情報端末300では、生活活動とともに、その時の息切れの程度"非常にきつい""きつい"などの自覚症状の程度を記録できるように設定されている。このように自覚症状を入力するかどうかについても、プログラムで容易に変更できるようにすることが望ましい。
【0030】
この携帯情報端末300は、データ処理部112を備える。このデータ処理部112は、ユーザが選択入力部110で被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力すると、生活状況、活動又は自覚症状を含む状況データを入力時の測定データおよび時刻データと紐付けて記録部108に記録する。このとき、このデータ処理部112は、被験者(患者)の個人データ(氏名、年齢、性別、体重、慎重、血液型、疾患名、通院している病院名)などをさらに測定データに紐付けて記録してもよい。また、このデータ処理部112は、これらのデータを紐付ける方法としては、例えばリレーショナルデータベース、カード型データベースなどを用いることができる。
【0031】
この携帯情報端末300は、測定値表示部114を備える。この測定値表示部114は、パルスオキシメータ302に接続して接続部304を通して取得した酸素飽和度の測定値をタッチパネル式のモニタ104に表示させる。なお、この測定値表示部114は、動脈血の脈拍の測定値もタッチパネル式のモニタ104に表示させるように構成されていることが好ましい。またこの測定値表示部114は、酸素飽和度又は脈拍数にくわえて、データ処理部112で測定データに紐付けられた生活状況、活動又は自覚症状を含む状況データ、年月日および時刻を含む時刻データ、又は被験者(患者)の個人データ(氏名、年齢、性別、体重、慎重、血液型、疾患名、通院している病院名)などの情報も表示してもよい。
【0032】
この携帯情報端末300は、アラーム部118を備える。このアラーム部118は、酸素飽和度の測定値と所定の数値範囲とを比較して、酸素飽和度が所定の数値範囲内に無いと判定した場合にはアラームを出力する。このアラーム部118は、(1)体調に問題ない、(2)疲れたが問題ない、(3)苦しいので助けて欲しい、のいずれの状況であるかについてユーザに入力を促す指示をタッチパネル式のモニタ104に表示又は音声入出力部116を通して音声出力する。そして、このアラーム部118は、ユーザが(1)又は(2)を入力せずに一定時間が経過又はユーザが(3)を入力した場合には、(a)所定の緊急連絡先のメールアドレスに電子メールを送信する、(b)所定の緊急連絡先の電話番号に電話をかけてメッセージを再生する、又は(c)大音量のアラーム音を鳴らす、のいずれかの動作をとる。
【0033】
このようにすれば、パルスオキシメータ302の酸素飽和度の値が連続して危険値を示した場合(生活活動とその危険値,連続して危険値を測定した場合の回数などの設定が可能)は、想定外の低酸素状態(あるいは稀に高酸素状態)が起こっていると判断でき、上記の(a)、(b)、(c)の動作が実行されたり、あるいは画面上に医師もしくは訪問看護ステーションへの連絡を促す画面などが表示されたりする。または、音声で医師もしくは訪問看護ステーションへの連絡を促すようにしてもよい。そうすることで、増悪等の早期発見も可能となる。
【0034】
この携帯情報端末300は、RFIDリーダ120を備える。このRFIDリーダ120は、外部の所定の位置に設置されたRFIDを検出して、携帯情報端末300の現在位置が寝室、台所、トイレ、屋外、脱衣所、風呂からなる群から選ばれる2種以上の場所のいずれであるか判定できる。このRFIDリーダ120は、携帯情報端末300の現在位置を寝室、台所、トイレ、屋外、脱衣所、風呂からなる群から選ばれる2種以上の場所のいずれかであると判定した場合には、ユーザに動脈血の酸素飽和度を測定することを促す指示をタッチパネル式のモニタ104に表示又は音声入出力部116を通して音声出力する。また、このとき、データ処理部112が、携帯情報端末300の現在位置を測定データおよび時刻データと紐付けて記録部108に記録することが好ましい。
【0035】
あるいは、RFIDの代わりにあらかじめ場所ごとに近距離通信(Blue tooth(登録商標))の発信器を設置し、パルスオキシメータ302内に受信機を内蔵し、患者が測定すれば自動で場所情報を記録するシステムとしても良い。この場合には、RFIDリーダ120の代わりに近距離通信(Blue tooth(登録商標))対応の無線モジュールを搭載すればよい。
【0036】
この携帯情報端末300は、A−GPS受信機122を備える。このA−GPS受信機122は、GPS衛星および携帯電話基地局からの電波を受信し、携帯情報端末300の現在位置を判定できる。なお、この携帯情報端末300は、A−GPS受信機122の代わりにGPS受信機を備えていてもよい。この場合には、GPS受信機は、GPS衛星からの電波を受信し、携帯情報端末300の現在位置を判定できる。
【0037】
このGPS受信機又はA−GPS受信機122は、携帯情報端末300の現在位置が所定の距離であるKメートル(Kは定数で任意に決定できるものとする。例えばK=500メートル)以上移動したと判定した場合には、ユーザに動脈血の酸素飽和度を測定することを促す指示をタッチパネル式のモニタ104に表示又は音声入出力部116を通して音声出力する。その際、このGPS受信機又はA−GPS受信機122は、徒歩、自転車、車椅子、バス、タクシー、自動車、電車、船舶、飛行機からなる群から選ばれる2種類以上の移動手段の選択肢をタッチパネル式のモニタ104に表示する。また、このとき、データ処理部112が、携帯情報端末300の現在位置および移動手段を測定データおよび時刻データと紐付けて記録部に記録することが好ましい。
【0038】
この携帯情報端末300は、ネット通信部124を備える。このネット通信部124は、医療機関又は民間企業のサーバにインターネット回線を通じて記録部108内のデータを送信する。このネット通信部124は、外部のインターネット回線に有線又は無線で接続するためのLANポート又は無線モジュールであってもよい。
【0039】
以下、本実施形態の動作および作用効果について説明する。
図3は、実施形態1に係るタッチパネル式モニタ付きの携帯情報端末の動作について説明するためのフローチャートである。この図に示すように、タッチパネル式モニタ付きの携帯情報端末300の電源を入れて一連の動作をスタートさせると、携帯情報端末300に内蔵された時計部106が、現在の時刻を確認して所定の時刻に到達しているかどうか判断する(S102)。この時計部106は、所定の時刻に到達していない場合には、所定の時刻に到達するまで待機する。一方、この時計部106は、所定の時刻に到達している場合には、ユーザに動脈血の酸素飽和度を測定することを促す指示をタッチパネル式のモニタ104に表示又は音声入出力部116を通して音声出力する(S104)。また、このとき、この時計部106は、ユーザに被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力することを促す指示をタッチパネル式のモニタ104に表示させる信号を発信する。
【0040】
そして、ユーザがパルスオキシメータ302を用いて動脈血の酸素飽和度および脈拍数を測定すると、その測定データは接続部304を通してデータ処理部112に自動的に送信される(S106)。すると、データ処理部112は、測定データをアラーム部118に受け渡す。このアラーム部118は、測定データに含まれる酸素飽和度が所定の数値範囲内にあるかどうかを確認する(S108)このアラーム部118は、酸素飽和度が所定の数値範囲内にあると判定すると、時計部106の発信した状況入力を促す信号を選択入力部110にそのまま流して選択肢を表示させる(S116)。
【0041】
一方、アラーム部118は、酸素飽和度が所定の数値範囲外にあると判定すると、(1)体調に問題ない、(2)疲れたが問題ない、(3)苦しいので助けて欲しい、のいずれの状況であるかについてユーザに入力を促す指示をタッチパネル式のモニタ104に表示又は音声入出力部116を通して音声出力する(S110)。そして、このアラーム部118は、ユーザが(1)、(2)、(3)又は回答なしのいずれの入力をするかを判定する(S112)。このアラーム部118は、ユーザが(1)又は(2)を入力せずに一定時間が経過又はユーザが(3)を入力した場合には緊急通報を行い(S110)、一連の動作を終了する。
【0042】
一方、アラーム部118は、ユーザが(1)又は(2)を入力した場合には、時計部106の発信した状況入力を促す信号を選択入力部110にそのまま流して選択肢を表示させる(S116)。そして、ユーザが安静、食事、トイレ、歩行後、着替え、風呂などから選んだ状況データを選択入力部110に入力すると、データ処理部112は、その入力時の測定データおよび時刻データと紐付けて記録部108に記録する(S118)。
【0043】
その後、測定値表示部114は、酸素飽和度および脈拍数の測定値をタッチパネル式のモニタ104に表示させる(S120)。そして、ネット通信部124は、医療機関又は民間企業のサーバにインターネット回線を通じて記録部108内のデータを送信して(S122)、一連の動作を終了する。
【0044】
このように、本実施形態のタッチパネル式モニタ104付きの携帯情報端末300は、パルスオキシメータ302に接続された携帯情報端末300にタッチパネル式のモニタ104をつけたものである。この携帯情報端末300は、「食事」、「トイレ」、「着替え」、「入浴」,「安静」などをタッチパネル式のモニタ104の画面に選択入力部110として明示する。ユーザが生活状況・活動に応じてタッチパネル式のモニタ104の画面をタッチすると自動でパルスオキシメータ302から接続部304を通して酸素飽和度を含む測定データを取得する。そして、取得した酸素飽和度を含む測定データに時刻、場所などの付加的な情報が紐付けられて記録部108に記録される。
【0045】
その結果、この携帯情報端末300では、パルスオキシメータ302を使用して在宅療法を行う患者にとって、日常での各動作に対応する酸素飽和度の値、その時間変化及びそれらの相対変動を知ることが可能となり、患者の生活の質の向上に繋がることが期待できる。この携帯情報端末300では、患者の酸素飽和度の値またはその変動は、医師又はナースステーションにおいてリアルタイムで確認できることから、患者の不安感が軽減されることが期待できる。
【0046】
また、この携帯情報端末300は、パルスオキシメータ302本体とは独立した機器であり、市販の携帯情報端末に専用プログラムをインストールして用いることができる。そのため、在宅酸素療法を行う患者(又は患者に在宅酸素療法用の装置を貸し出す医療機関又は医療機器メーカ)の経済負担が安価に済むというメリットがある。また、市販の携帯情報端末および専用プログラム自体は医療機器ではないため、多くの国で医療関係の規制当局の許認可を受ける必要がない点も大きなメリットである。
<実施形態2>
図4は、実施形態2に係るモニタと一体化した物理ボタン付きのパルスオキシメータの構成を示した概念図である。この図に示すように、本実施形態に係る物理ボタン付きのパルスオキシメータは、従来あるパルスオキシメータに生活状況のボタンをあらかじめ設置したものである。この物理ボタン付きのパルスオキシメータを用いれば、患者が酸素飽和度を自己測定したらボタンをおすと自動で測定データおよび日時、時刻、ボタンの情報が記録される。
【0047】
図5は、実施形態2に係る物理ボタン付きのパルスオキシメータの構成を示した機能ブロック図である。本実施形態のパルスオキシメータ200は、物理ボタン210付きのパルスオキシメータ200であることを除けは、実施形態1の携帯情報端末300と同様の構成および作用効果を有する。
【0048】
以下、本実施形態のパルスオキシメータ200に特有の構成を説明する。
このパルスオキシメータ200は、実施形態1と異なり、モニタ104はタッチパネル式である必要はない。すなわち、このモニタ104としては、タッチパネル式ではない単なる液晶モニタ、有機ELモニタ、LEDモニタなどを用いることができる。そのため、タッチパネル式のモニタに比べて安価なモニタを用いることができる。
【0049】
また、このパルスオキシメータ200は、実施形態1における接続部304の代わりに測定部102を有する。この測定部102は、動脈血の酸素飽和度を測定してその酸素飽和度を含む測定データを生成する。この測定部102は、指先測定型であることが好ましい。
【0050】
図6は、実施形態2に係る物理ボタン付きのパルスオキシメータの動作について説明するためのフローチャートである。この図に示すように、物理ボタン210付きのパルスオキシメータ200の電源を入れて一連の動作をスタートさせると、パルスオキシメータ200に内蔵されたRFIDリーダ120が常時稼働又は所定の間隔で定期的に稼動する(S202)。
【0051】
そして、RFIDリーダ120は、外部の所定の位置に設置されたRFIDを検出して、パルスオキシメータ200の現在位置が寝室、台所、トイレ、屋外、脱衣所、風呂からなる群から選ばれる2種以上の所定の場所のいずれかに位置しているかどうか判定する(S204)。このRFIDリーダ120は、所定の場所のいずれかに位置していない場合には、所定の場所に位置するまで待機する。一方、このRFIDリーダ120は、所定の場所に位置している場合には、ユーザに動脈血の酸素飽和度を測定することを促す指示をモニタ104に表示又は音声入出力部116を通して音声出力する(S206)。また、このとき、このRFIDリーダ120は、ユーザに被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力することを促す指示をモニタ104に表示する。
【0052】
そして、ユーザが指先測定型の測定部102に指を挿入して動脈血の酸素飽和度および脈拍数を測定すると、その測定データは測定部102からデータ処理部112に自動的に送信される(S208)。ユーザが安静、食事、トイレ、歩行後、着替え、風呂などから選んだ状況データを選択入力部110に入力すると、データ処理部112は、その入力時の測定データおよび時刻データと紐付けて記録部108に記録する(S210)。
【0053】
その後、測定値表示部114は、酸素飽和度および脈拍数の測定値をモニタ104に表示させ(S212)、一連の動作を終了する。
【0054】
このパルスオキシメータ200は、物理ボタン210付きのパルスオキシメータ200であるため、実施形態1の場合と異なって、市販の携帯情報端末に専用プログラムをインストールしてパルスオキシメータに接続して使用する必要がない。その結果、市販の電機機器の接続や設定などが苦手でありタッチパネルの操作が苦手なお年寄りなどにとっても使い勝手がよいというメリットがある。
【0055】
また、このパルスオキシメータ200は、在宅療法を行う患者にとって、日常での各動作および位置情報に対応する酸素飽和度の値、その時間変化及びそれらの相対変動を知ることが可能となり、患者の生活の質の向上に繋がることが期待できる。この携帯情報端末300では、患者の酸素飽和度の値またはその変動は、医師又はナースステーションにおいて記録部108内のデータを出力して確認できることから、患者の不安感が軽減されることが期待できる。
【0056】
<実施形態2の変形例>
実施形態2の変形例に係るタッチパネル式モニタと一体化したパルスオキシメータの全体構成を示した機能ブロック図である。この図に示すように、本実施形態に係るタッチパネル式モニタ104と一体化したパルスオキシメータ100は、従来あるパルスオキシメータにタッチパネル式モニタ104をあらかじめ設置したものである。
【0057】
本実施形態のパルスオキシメータ100は、タッチパネル式モニタ104と一体化したパルスオキシメータ100であることを除けは、実施形態2のパルスオキシメータ200と同様の構成および作用効果を有する。このタッチパネル式モニタ104と一体化したパルスオキシメータ100を用いれば、患者が酸素飽和度を自己測定したら選択入力部110に表示された生活状況の選択肢をおすと自動で測定データおよび日時、時刻、ボタンの情報が記録される。
【0058】
図8は、実施形態2の変形例に係るタッチパネル式モニタと一体化したパルスオキシメータの動作について説明するためのフローチャートである。この図に示すようにタッチパネル式モニタ104と一体化したパルスオキシメータ100の電源を入れて一連の動作をスタートさせると、パルスオキシメータ100に内蔵されたA−GPS受信機122が常時稼働又は所定の間隔で定期的に稼動する(S302)。
【0059】
そして、このA−GPS受信機122は、GPS衛星および携帯電話基地局からの電波を受信し、パルスオキシメータ100の現在位置を判定し、パルスオキシメータ100がKメートル以上移動したかどうか判定する(S304)(Kは定数で任意に決定できるものとする。例えばK=500メートル)。その結果、このA−GPS受信機122は、パルスオキシメータ100の現在位置がKメートル(Kは定数で任意に決定できるものとする。例えばK=500メートル)以上移動していないと判定した場合には、Kメートル以上移動するまで待機する。一方、このパルスオキシメータ100の現在位置がKメートル以上移動したと判定した場合には、ユーザに動脈血の酸素飽和度を測定することを促す指示をタッチパネル式のモニタ104に表示又は音声入出力部116を通して音声出力する(S306)。また、このとき、このA−GPS受信機122は、徒歩、自転車、車椅子、バス、タクシー、自動車、電車、船舶、飛行機からなる群から選ばれる2種類以上の移動手段の選択肢をタッチパネル式のモニタ104に表示する。
【0060】
そして、ユーザが指先測定型の測定部102に指を挿入して動脈血の酸素飽和度および脈拍数を測定すると、その測定データは測定部102からデータ処理部112に自動的に送信される(S308)。ユーザが徒歩、自転車、車椅子、バス、タクシー、自動車、電車、船舶、飛行機からなる群から選ばれる2種類以上の移動手段の選択肢のいずれかを選んで選択入力部110に入力すると、データ処理部112は、その入力時の測定データおよび時刻データと紐付けて記録部108に記録する(S310)。
【0061】
その後、測定値表示部114は、酸素飽和度および脈拍数の測定値をモニタ104に表示させ(S312)、一連の動作を終了する。
【0062】
このパルスオキシメータ200は、タッチパネル式モニタ104と一体化したパルスオキシメータ100であるため、実施形態2の場合と異なって、画面上の操作説明に入力動作が対応するため、ユーザにとって直感的に分かりやすく操作が簡単になる。また、このパルスオキシメータ100は、入力装置と表示装置が一体化されており、画面表示を随時切り替えることで1つの画面上で多様な操作指示に使用できるので装置全体の小型化が期待できる。
【0063】
また、このパルスオキシメータ200は、在宅療法を行う患者にとって、日常での各動作および移動手段に対応する酸素飽和度の値、その時間変化及びそれらの相対変動を知ることが可能となり、患者の生活の質の向上に繋がることが期待できる。また、このパルスオキシメータ200では、患者が外出した場合に患者の位置情報が常に把握できるために、実施形態1で説明したように患者の体調が悪くなってアラーム警報を発した場合に、救急隊が患者を救助することが用意になるため、患者が早期に医師又はナースステーションに搬送されるメリットがある。
【0064】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0065】
例えば、上記実施形態ではパルスオキシメータ又は携帯情報端末について説明したが、本発明を特にハードウェアに限定する趣旨ではない。すなわち、本発明はこのような装置にインストールするためプログラム(又はそのプログラムを記録した非一時的な記録媒体)であってもよい。これらのプログラムは、市販の携帯情報端末にインストールするか、又はパルスオキシメータに組込みソフトウェアとしてインストールして用いれば、上記実施形態の場合と同様に、生活状況、活動又は自覚症状の違いによる酸素飽和度の変化を明確にすることができる。
【実施例】
【0066】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0067】
<実施例1>
実施形態1に係るタッチパネル式モニタ付きの携帯情報端末(パルスオキシメータとは有線で接続している)を用いて、73歳、女性(肺結核後遺症)の患者の協力を仰いで在宅酸素療法中の生活状況による酸素飽和度及び脈拍を1週間にわたって測定した。なお、すべて酸素吸入量は1L/分で実験を行った。このようにして酸素飽和度及び脈拍を測定した結果を以下の表1、表2、図9、図10に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
【表2】

【0070】
<結果の考察>
上記の実施例の実験結果から、この患者には入浴時に大きな身体的負荷がかかっていることがわかる。また、入浴時ほどではないが、食事中(夕食)にもかなりの身体的負荷がかかっていることがわかる。そのため、医師または看護師がこの測定結果をもとにして、この患者に対して在宅酸素療法の酸素吸入量を入浴時又は食事中(夕食)には少し増加させるように診察の際に指導を行うことが可能になる。
【0071】
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0072】
100 パルスオキシメータ
102 測定部
104 モニタ
106 時計部
108 記録部
110 選択入力部
112 データ処理部
114 測定値表示部
116 音声入出力部
118 アラーム部
120 RFIDリーダ
122 A−GPS受信機
124 ネット通信部
200 パルスオキシメータ
210 物理ボタン
222 GPS受信機
300 携帯情報端末
302 パルスオキシメータ
304 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスオキシメータ接続用の携帯情報端末であって、
パルスオキシメータに接続して酸素飽和度を含む測定データを取得する接続部と、
モニタと、
年月日および時刻を含む時刻データを計算する時計部と、
測定データを記録する記録部と、
ユーザが前記酸素飽和度の測定時の被験者の生活状況、活動又は自覚症状を選択して入力することができる選択入力部と、
ユーザが前記選択入力部で被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力すると、前記生活状況、活動又は自覚症状を含む状況データを該入力時の前記測定データおよび前記時刻データと紐付けて記録部に記録するデータ処理部と、
前記酸素飽和度の測定値を前記モニタに表示させる測定値表示部と、
を備える、
携帯情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯情報端末において、
前記接続部が前記動脈血の脈拍数も含む測定データを取得するように構成されており、
前記測定値表示部が前記動脈血の脈拍の測定値も前記モニタに表示させるように構成されている、
携帯情報端末。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯情報端末において、
前記選択入力部は、安静、食事、トイレ、歩行後、着替え、風呂からなる群から選ばれる2種類以上の選択肢から構成されている、
携帯情報端末。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の携帯情報端末において、
前記モニタは、タッチパネル式モニタであり、
前記選択入力部は、前記タッチパネル式モニタに表示される複数のアイコンである、
携帯情報端末。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の携帯情報端末において、
前記選択入力部は、前記ユーザの音声による入力が可能な音声入力部である、
携帯情報端末。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の携帯情報端末において、
前記選択入力部は、複数の物理ボタンである、
携帯情報端末。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の携帯情報端末において、
前記酸素飽和度の測定値と所定の数値範囲とを比較して、前記酸素飽和度が所定の数値範囲内に無いと判定した場合にはアラームを出力するアラーム部をさらに備える、
携帯情報端末。
【請求項8】
請求項7のいずれかに記載の携帯情報端末において、
前記アラーム部は、
(1)体調に問題ない
(2)疲れたが問題ない
(3)苦しいので助けて欲しい
のいずれの状況であるかについてユーザに入力を促す指示をモニタに表示又は音声出力するように構成されている、
携帯情報端末。
【請求項9】
請求項8に記載の携帯情報端末において、
前記アラーム部は、ユーザが(1)又は(2)を入力せずに一定時間が経過又はユーザが(3)を入力した場合には、
(a)所定の緊急連絡先のメールアドレスに電子メールを送信する、
(b)所定の緊急連絡先の電話番号に電話をかけてメッセージを再生する、又は
(c)大音量のアラーム音を鳴らす、
のいずれかの動作をとるように構成されている、
携帯情報端末。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の携帯情報端末において、
外部の所定の位置に設置されたRFIDを検出して、携帯情報端末の現在位置が寝室、台所、トイレ、屋外、脱衣所、風呂からなる群から選ばれる2種以上の場所のいずれであるか判定できるRFIDリーダをさらに備える、
携帯情報端末。
【請求項11】
請求項10に記載の携帯情報端末において、
前記RFIDリーダが、携帯情報端末の現在位置を寝室、台所、トイレ、屋外、脱衣所、風呂からなる群から選ばれる2種以上の場所のいずれかであると判定した場合には、ユーザに動脈血の酸素飽和度を測定することを促す指示をモニタに表示又は音声出力するように構成されており、
データ処理部が、前記携帯情報端末の現在位置を測定データおよび時刻データと紐付けて記録部に記録するように構成されている、
携帯情報端末。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の携帯情報端末において、
GPS衛星又は携帯電話基地局からの電波を受信し、携帯情報端末の現在位置を判定できるGPS受信機又はA−GPS受信機をさらに備える、
携帯情報端末。
【請求項13】
請求項12に記載の携帯情報端末において、
前記GPS受信機又はA−GPS受信機が、携帯情報端末の現在位置が所定の距離以上移動したと判定した場合には、ユーザに動脈血の酸素飽和度を測定することを促す指示をモニタに表示又は音声出力し、かつ徒歩、自転車、車椅子、バス、タクシー、自動車、電車、船舶、飛行機からなる群から選ばれる2種類以上の移動手段の選択肢をモニタに表示するように構成されており、
前記データ処理部が、前記携帯情報端末の現在位置および移動手段を測定データおよび時刻データと紐付けて記録部に記録するように構成されている、
携帯情報端末。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の携帯情報端末において、
前記時計部が、所定の時刻に定期的にユーザに動脈血の酸素飽和度を測定することを促す指示をモニタに表示又は音声出力し、かつユーザに被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力することを促す指示をモニタに表示するように構成されている、
パルスオキシメータ。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の携帯情報端末において、
医療機関又は民間企業のサーバにインターネット回線を通じて記録部内のデータを送信するネット通信部をさらに備える、
携帯情報端末。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の携帯情報端末において、
前記接続部が、有線通信ポートまたは無線通信モジュールである、
携帯情報端末。
【請求項17】
パルスオキシメータであって、
動脈血の酸素飽和度を測定して該酸素飽和度を含む測定データを生成する測定部と、
モニタと、
年月日および時刻を含む時刻データを計算する時計部と、
測定データを記録する記録部と、
ユーザが前記酸素飽和度の測定時の被験者の生活状況、活動又は自覚症状を選択して入力することができる選択入力部と、
ユーザが前記選択入力部で被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力すると、前記生活状況、活動又は自覚症状を含む状況データを該入力時の前記測定データおよび前記時刻データと紐付けて記録部に記録するデータ処理部と、
前記酸素飽和度の測定値を前記モニタに表示させる測定値表示部と、
を備える、
パルスオキシメータ。
【請求項18】
請求項17に記載のパルスオキシメータにおいて、
前記測定部が指先測定型である、
パルスオキシメータ。
【請求項19】
携帯情報端末をパルスオキシメータに接続して使用するためのプログラムであって、
前記携帯情報端末を、
パルスオキシメータに接続して酸素飽和度を含む測定データを取得する接続部、
モニタ、
年月日および時刻を含む時刻データを計算する時計部、
測定データを記録する記録部、
ユーザが前記酸素飽和度の測定時の被験者の生活状況、活動又は自覚症状を選択して入力することができる選択入力部、
ユーザが前記選択入力部で被験者の生活状況、活動又は自覚症状を入力すると、前記生活状況、活動又は自覚症状を含む状況データを該入力時の前記測定データおよび前記時刻データと紐付けて記録部に記録するデータ処理部、および
前記酸素飽和度の測定値を前記モニタに表示させる測定値表示部、
として機能させるための携帯情報端末用のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−111202(P2013−111202A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259629(P2011−259629)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(504150461)国立大学法人鳥取大学 (271)
【Fターム(参考)】