説明

測定装置、測定方法、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム

【課題】心電図信号および生体Zを同時に測定する。
【解決手段】測定装置は、生体インピーダンスを測定するための測定用信号を発生する電源部と、発生された前記測定用信号を被測定者の体に供給するために前記被測定者の体の左右に接触させる第1の電極対と、前記第1の電極対に隣接して配置された第2の電極対と、前記測定用信号の供給に応じて前記第2の電極対から得られる電気信号に基づいて前記被測定者の前記生体インピーダンスを測定する生体インピーダンス測定部と、前記第2の電極対から得られる電気信号に基づいて前記被測定者の心電図信号を測定する心電図信号測定部とを含む。生体インピーダンス測定部と心電図信号測定部は同時に並行して動作する。本開示は、例えば、心臓鼓動パターンを用いて個人認証を行う認証装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、測定装置、測定方法、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関し、特に、人の心臓の動きを示す心臓鼓動パターンを正確に検出できるようにした測定装置、測定方法、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康診断などの医療用途で心電図(以下、心電図信号と称する)の測定が行われている。心電図信号は周期的な心臓の動きに起因する電気信号であり、その1周期分の波形パターン(以下、心臓鼓動パターンと称する)が各個人で異なる特徴を示すことが知られている。
【0003】
図1は、一般的な心臓鼓動パターンの波形を示している。同図の横軸は時間軸(サンプル軸)を示し、縦軸は電位を示している。同図に示されるように、一般的な心臓鼓動パターンは、U波、P波、Q波、R波、S波、T波の順に特徴的な波が配置されている。
【0004】
そして、この心臓鼓動パターンを個人認証に利用する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、予め登録者の心電図信号を測定して心臓鼓動パターンを抽出し、その特徴量を算出して登録しておく。そして、認証時には、被認証者の心電図信号を測定して心臓鼓動パターンを抽出し、その特徴量を算出して、登録済みの特徴量と比較し、その比較結果に基づいて認証を行う。
【0005】
なお、心電図信号の測定は、高精度の測定が要求される医療機関などにおいては、12誘導法と称される、頭部、胸部、四肢などの12箇所に電極を取り付けて心電図信号を測定する手法が一般的である。また、より簡易的に測定する手法として、図2に示されるように、左手用電極Lと右手用電極Rと左足などに取り付ける接地電極Gの3電極で測定する方法(以下、簡易測定法と称する)が知られている。
【0006】
なお、心電図信号を測定するためには、人体の電圧と心電図信号測定部との基準電位を一致させる必要があることから、人体と心電図測定部は接地されている。ただし、接地電極Gを省略した2電極でも、時間の経過により人体の電圧と心電図信号測定部との電圧差が0となるので、心電図信号を測定するは可能である。ただし、より速やか正確に測定するためには、左手用電極Lと右手用電極Rに接地電極Gを追加した3電極の方が望ましい。
【0007】
ところで、心電図信号の簡易測定法と類似した手法により、電極間、すなわち、体内を流れる電気信号に基づいて体内のインピーダンス(以下、生体Zとも称する)を測定する手法が知られている。生体Zの測定は、例えば図3に示されるように、被測定者が左手を2つの電極L1,L2に触れ、右手を2つの電極R1,R2に触れた状態で測定が行われる。なお、両手ではなく、両足の裏を電極に接触させる場合もある。
【0008】
具体的には、図4に示されるように、電極L1と電極R1との間に、数10kHzほど交流電流iを生体Z測定用信号として流し、電極L2と電極R2との電位差Vを測定し、V=i・Zが成り立つことに基づいて生体Zを算出する。このようにして測定された生体Zは、予め保持されているテーブルや関数などを用いることにより、体組成(体脂肪率、筋肉量、骨量など)に変換されて被測定者に提示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2008−518709
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、心電図信号の測定方法と、生体Zの測定方法はそれぞれ知られているものの、それらは独立した個別の装置を用いて行われており、心電図信号および生体Zを同時に測定することができなかった。
【0011】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、心電図信号および生体Zを同時に測定できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の第1の側面である測定装置は、生体インピーダンスを測定するための測定用信号を発生する信号発生部と、発生された前記測定用信号を被測定者の体に供給するために前記被測定者の体の左右に接触させる第1の電極対と、前記第1の電極対に隣接して配置され、前記被測定者の体の左右に接触させる第2の電極対と、前記測定用信号の供給に応じて前記第2の電極対から得られる電気信号に基づいて前記被測定者の前記生体インピーダンスを測定する生体インピーダンス測定部と、前記第2の電極対から得られる電気信号に基づいて前記被測定者の心電図信号を測定する心電図信号測定部とを含み、前記生体インピーダンス測定部と前記心電図信号測定部は、同時に並行して動作する。
【0013】
本開示の第1の側面である測定装置は、前記第1の電極対が接触される前記被測定者の体の平均電位を、前記心電図信号測定部の基準電位と一致させる調整部をさらに含むことができる。
【0014】
前記調整部は、前記電源部と前記第1の電極対との間に設けられた、正負入力端子の一方が接地されている電流アンプとすることができる。
【0015】
前記心電図信号測定部は、前記第2の電極対から得られる電気信号から、前記心電図信号に対応する周波数成分を抽出するフィルタ部を含むことができる。
【0016】
前記生体インピーダンス測定部は、前記測定用信号の供給に応じて前記第2の電極対から得られる電気信号の電圧差を検出し、検出した前記電位差を示す検出信号と前記測定用信号の電流とに基づいて前記被測定者の前記生体インピーダンスを算出することができる。
【0017】
前記生体インピーダンス測定部は、前記検出信号から前記測定用信号と同じ周波数成分を抽出するフィルタ部を含むことができる。
【0018】
本開示の第1の側面である測定装置は、測定された前記心電図信号から心臓の周期的な動きを示す心臓鼓動パターンを抽出する抽出部をさらに含むことができ、前記抽出部は、測定された前記生体インピーダンスに基づき、前記心臓鼓動パターンを抽出する動作を制限することができる。
【0019】
本開示の第1の側面である測定方法は、被測定者の生体インピーダンスと心電図信号を測定する測定装置の測定方法において、前記測定装置による、生体インピーダンスを測定するための測定用信号を発生し、前記被測定者の体の左右に接触させた第1の電極対から、発生された前記測定用信号を被測定者の体に供給し、前記第1の電極対に隣接して配置され、前記被測定者の体の左右に接触させた第2の電極対から、前記測定用信号の供給に応じて得られる電気信号に基づいて前記被測定者の前記生体インピーダンスを測定し、前記第2の電極対から得られる電気信号に基づいて前記被測定者の心電図信号を測定するステップを含み、前記生体インピーダンスの測定と前記心電図信号の測定は、同時に並行して実行される。
【0020】
本開示の第1の側面であるプログラムは、生体インピーダンスを測定するための測定用信号を発生し、被測定者の体の左右に接触させた第1の電極対から、発生された前記測定用信号を被測定者の体に供給し、前記第1の電極対に隣接して配置され、前記被測定者の体の左右に接触させた第2の電極対から、前記測定用信号の供給に応じて得られる電気信号に基づいて前記被測定者の前記生体インピーダンスを測定し、前記第2の電極対から得られる電気信号に基づいて前記被測定者の心電図信号を測定するステップを含み、前記生体インピーダンスの測定と前記心電図信号の測定は、同時に並行して実行させる処理をコンピュータに実行させる。
【0021】
本開示の第1の側面においては、生体インピーダンスを測定するための測定用信号が発生され、被測定者の体の左右に接触させた第1の電極対から、発生された測定用信号が被測定者の体に供給される。そして、第1の電極対に隣接して配置され、被測定者の体の左右に接触させた第2の電極対から、測定用信号の供給に応じて得られる電気信号に基づいて被測定者の前記生体インピーダンスが測定され、これと同時に並行して、第2の電極対から得られる電気信号に基づいて被測定者の心電図信号が測定される。
【0022】
本開示の第2の側面である情報処理装置は、被測定者の生体インピーダンスを測定する生体インピーダンス測定部と、前記生体インピーダンスの測定と同時に前記被測定者の心電図信号を測定する心電図信号測定部と、測定された前記心電図信号から心臓の周期的な動きを示す心臓鼓動パターンを抽出する抽出部と、抽出された前記心臓鼓動パターンを用いて所定の処理を行う処理部とを含み、前記抽出部は、測定された前記生体インピーダンスに基づき、前記心臓鼓動パターンを抽出する動作を制限する。
【0023】
前記抽出部は、測定された前記生体インピーダンスが第1の閾値以下である場合、前記心臓鼓動パターンを抽出し、測定された前記生体インピーダンスが前記第1の閾値よりも大きい場合、前記心臓鼓動パターンの抽出を中止することができる。
【0024】
前記処理部は、登録者としての前記被測定者に対応する前記心臓鼓動パターンを登録し、被認証者としての前記被測定者に対応する前記心臓鼓動パターンと、登録済みの前記登録者の前記心臓鼓動パターンとを比較することにより認証処理を行うことができる。
【0025】
前記処理部は、登録者としての前記被測定者に対応する前記心臓鼓動パターンおよび前記生体インピーダンスを登録し、被認証者としての前記被測定者に対応する前記心臓鼓動パターンと、登録済みの前記登録者の前記心臓鼓動パターンとの相関を示す相関係数を、前記登録者と前記被認証者の前記生体インピーダンスの差に応じた第2の閾値と比較することにより認証処理を行うことができる。
【0026】
本開示の第2の側面である情報処理方法は、情報処理装置の情報処理方法において、前記情報処理装置による、被測定者の生体インピーダンスと心電図信号を同時に測定し、測定された前記心電図信号から心臓の周期的な動きを示す心臓鼓動パターンを抽出する動作を、測定された前記生体インピーダンスに基づいて制限しつつ実行し、抽出された前記心臓鼓動パターンを用いて所定の処理を行うステップを含む。
【0027】
本開示の第2の側面であるプログラムは、被測定者の生体インピーダンスと心電図信号を同時に測定し、測定された前記心電図信号から心臓の周期的な動きを示す心臓鼓動パターンを抽出する動作を、測定された前記生体インピーダンスに基づいて制限しつつ実行し、抽出された前記心臓鼓動パターンを用いて所定の処理を行うステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0028】
本開示の第2の側面においては、被測定者の生体インピーダンスと心電図信号が同時に測定され、測定された心電図信号から心臓の周期的な動きを示す心臓鼓動パターンを抽出する動作が、測定された生体インピーダンスに基づいて制限されつつ実行され、抽出された心臓鼓動パターンを用いて所定の処理が行われる。
【発明の効果】
【0029】
本開示の第1の側面によれば、心電図信号と生体Zを同時に測定することができる。
【0030】
本発明の第2の側面によれば、心電図信号と生体Zを同時に測定することができ、心電図信号から良質な心臓鼓動パターンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】一般的な心臓鼓動パターンの波形を示す図である。
【図2】3電極を用いた心電図信号の測定手法を説明する図である。
【図3】生体Zの測定手法を説明する図である。
【図4】生体Zの測定手法を説明する図である。
【図5】第1の実施の形態である測定装置の外観図である。
【図6】測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図7】左手内電極および右手内電極が接地電極となることを説明する図である。
【図8】心電図信号測定用の電極と接地電極が隣接していても心電図信号の測定が可能であることを説明する図である。
【図9】測定装置による同時測定処理を説明するフローチャートである。
【図10】同時に測定された心電図信号と生体Zの波形の一例を示す図である。
【図11】図10の心電図信号を横方向に拡大した図である。
【図12】第2の実施の形態である認証装置の外観図である。
【図13】認証装置の構成例を示すブロック図である。
【図14】認証装置の登録処理を説明するフローチャートである。
【図15】認証装置の認証処理を説明するフローチャートである。
【図16】測定装置および認証装置の変形例の使用イメージを示す図である。
【図17】第1の変形例を示す図である。
【図18】第2の変形例を示す図である。
【図19】第3の変形例を示す図である。
【図20】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本開示を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0033】
<1.第1の実施の形態>
[測定装置の構成例]
図5は、第1の実施の形態である測定装置の上面の外観を示している。この測定装置10は、被測定者の心電図信号と生体Zを同時に測定するものである。
【0034】
同図Aに示すように、測定装置10の左側には、左手内電極11Lおよび左手外電極12Lが、右側には右手内電極11Rおよび右手外電極12Rが設けられている。さらに、上面の中央には、測定結果の心電図信号の波形や、生体Zに基づいて体組成(体脂肪率など)の数値を被測定者に提示するための提示部13が設けられている。
【0035】
測定装置10は、同図Bに示されるように、被測定者が左手の掌を左手内電極11Lおよび左手外電極12Lに接触させるとともに、右手の掌を右手内電極11Rおよび右手外電極12Rに接触させた状態で測定を行う。
【0036】
図6は、測定装置10の構成例を示している。測定装置10は、右手内電極11Rおよび右手外電極12Rが接続された右電極基板21、左手内電極11Lおよび左手外電極12Lが接続された左電極基板25、生体Z測定部27、心電図信号測定部34、表示制御部39、および提示部13から構成される。
【0037】
右電極基板21は、抵抗22、電流アンプ23、およびバッファアンプ24を有する。抵抗22は、電流アンプ23の負入力端子と生体Z測定部27の信号発生部28との間に直列に接続される。その抵抗値は例えば1kΩとされる。電流アンプ23の負入力端子は、生体Z測定部27の信号発生部28および右手内電極11Rに接続されている。電流アンプ23の出力端子は、左電極基板25を介して左手内電極11Lに接続されている。電流アンプ23の正入力端子は接地されている。電流アンプ23は、負入力端子から入力される生体Z測定用信号i(例えば50kHz,1V)を1mAに増幅して左手内電極11Lに出力する。
【0038】
よって、増幅された生体Z測定用信号iは、左手内電極11L、被測定者の体内(生体)、および右手内電極11Rの経路に流れることになる(勿論、その逆の経路にも流れる)。なお、電流アンプ23が正常に機能する場合、正入力端子と負入力端子の電位は等しくなるが、電流アンプ23の正入力端子は接地されているので、負入力端子も電位が0Vとなる。さらに、電流アンプ23の出入力端子も平均電位が0Vとなる。したがって、左手内電極11Lおよび右手内電極11Rは、被測定者の接地電極として作用する。なお、詳細は、図7を参照して後述する。
【0039】
バッファアンプ24は、右手外電極12Rから入力される電気信号を増幅して後段に出力する。この電気信号は、2分配されて生体Z測定部27におけるアンプ30の負入力端子、および心電図信号測定部34におけるアンプ35の負入力端子に入力される。
【0040】
左電極基板25は、バッファアンプ26を有する。バッファアンプ26は、左手外電極12Lから入力される電気信号を増幅して後段に出力する。この電気信号は、2分配されて生体Z測定部27におけるアンプ30の正入力端子、および心電図信号測定部34におけるアンプ35の正入力端子に入力される。
【0041】
生体Z測定部27は、信号発生部28、アンプ29,30、BPF31、ENV検出部32、および算出部33を含む。信号発生部28は、生体Z測定用信号iを発生する。アンプ29は、生体Z測定用信号iを増幅して右電極基板21に出力する。
【0042】
アンプ30は、左手外電極12Lと右手外電極12Rから入力される電気信号を増幅してBPF31に出力する。BPF31は、アンプ30からの電気信号のうち、生体Z測定用信号iと同じ周波数帯(50kHz)のみを後段のENV検出部32に通過させる。ENV検出部32は、BPF31から入力された電気信号の包絡線を検出して算出部D33に出力する。算出部33は、ENV検出部32からの包絡線から、左手外電極12Lと右手外電極12Rの差動電圧Vを求め、差動電圧Vと生体Z測定用信号iとにより生体Z(=V/i)を算出する。算出された生体Zは、後段の表示制御部39に出力される。
【0043】
心電図信号測定部34は、アンプ35、ノッチフィルタ36、BPF37、およびA/D38を含む。
【0044】
アンプ35は、0Vを基準電位として左手外電極12Lと右手外電極12Rから入力される電気信号を増幅してノッチフィルタ36に出力する。ノッチフィルタ36およびBPF37は、アンプ30からの電気信号のうち、心電図信号の主成分となる100Hz以下の周波数成分のみを抽出してA/D38に出力する。A/D38は、BPF37からの100Hz以下の電気信号をデジタル化することにより心電図信号を生成する。生成された心電図信号は、後段の表示制御部39に出力される。
【0045】
表示制御部39は、予め保持しているテーブルや関数などを用いることにより、生体Z測定部27から入力された生体Zを体組成(体脂肪率など)に変換し、その表示データを生成して提示部13に出力する。また、表示制御部39は、心電図信号測定部34から入力された心電図信号に基づき、その表示データを生成して提示部13に出力する。
【0046】
提示部13は、表示制御部39から表示データに基づいて、体組成、心電図信号の波形などを被測定者に表示する。また、提示部13は、例えば、被測定者に対して電極への接触、接触し直しを指示したり、測定不良を通知したりするためのメッセージを表示する。
【0047】
[左手内電極11Lおよび右手内電極11Rが接地電極となる説明]
図7は、左手内電極11Lおよび右手内電極11Rが接地電極となることを説明するための図であり、電流アンプ23の周辺回路を示している。
【0048】
上述したように、左手内電極11L、人体、および右手内電極11Rの経路には、50kHz,V=1V,1mAの生体Z測定用信号iが流れる。電流アンプ23の負入力端子の電位V=0V、電流アンプ23の出入力端子の電位Vの平均も0Vである。左手内電極11Lと右手内電極11Rとに接触している被測定者もその電位は0Vとなる。したがって、左手内電極11Lおよび右手内電極11Rは、被験者の接地電極として作用しているとみなすことができる。
【0049】
[心電図信号測定用の電極と接地電極が隣接していても心電図信号の測定が可能である説明]
図8は、心電図信号測定用の電極(左手外電極12Lと右手外電極12R)と接地電極(左手内電極11Lと右手内電極11R)が隣接していても心電図信号の測定が可能である説明するための図である。
【0050】
ここでは、生体Zを体内抵抗Rと掌の皮膚抵抗Rに分けて考える。また、左手外電極12Lと右手外電極12Rからの電気信号を増幅するバッファアンプ24,26の内部抵抗をRINとする。
【0051】
掌の皮膚抵抗Rを基準とした場合、人の体内は主成分が液体であるために体内抵抗Rは皮膚抵抗Rに比較して十分に小さく、内部抵抗RINは皮膚抵抗Rに比較して十分に大きい。この場合、左手外電極12Lと左手内電極11L(右手外電極12Rと右手内電極11R)の距離に拘わらず、心臓の動きに起因する心電電圧Vは、バッファアンプ24のとバッファアンプ26との差動電圧V−Vとして測定される。
【0052】
[測定装置10の動作]
図9は、測定装置10による、生体Zと心電図信号を同時に測定する処理(以下、同時測定処理と称する)を説明するフローチャートである。
【0053】
ステップS1において、被測定者に対して電極への接触が促される。この促しに応じて被測定者は、左手の掌を左手内電極11Lおよび左手外電極12Lに、右手の掌を右手内電極11Rおよび右手外電極12Rに接触させる。
【0054】
ステップS2において、生体Z測定部27の信号発生部28は、生体Z測定用信号iの出力を開始する。この生体Z測定用信号iは、左手内電極11L、人体、および右手内電極11Rの経路で流れることとなる。
【0055】
ステップS3において、左手外電極12Lからの電気信号が生体Z測定部27および心電図信号測定部34に入力される。ステップS4において、生体Z測定部27は生体Zを算出して表示制御部39に出力する。これと同時に、心電図信号測定部34は心電図信号を生成して表示制御部39に出力する。
【0056】
ステップS5において、表示制御部39は、予め保持しているテーブルや関数などを用いることにより、算出された生体Zを体組成(体脂肪率など)に変換し、その表示データを生成して提示部13に出力する。また、表示制御部39は、心電図信号測定部34から入力された心電図信号に基づき、その表示データを生成して提示部13に出力する。提示部13は、表示制御部39から表示データに基づいて、体組成、心電図信号の波形などを被測定者に表示する。以上で同時測定処理は終了される。
【0057】
以上に説明した同時測定処理によれば、生体Zと心電図信号とを時分割することなく、同時に測定することが可能となる。生体Zと心電図信号とを同時に測定できることにより、生体Zと心電図信号とを用いる所定の処理(後述する認証処理など)を速やかに実行することが可能となる。
【0058】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態である、生体Zと心電図信号とを個人認証に用いる認証装置について説明するが、その前に、生体Zと心電図信号との関係について説明する。
【0059】
図10は、同時に測定された心電図信号と生体Zの波形の一例を示している。なお、同図の横軸はサンプル番号、縦軸は電位を示している。図11は、図10の心電図信号をサンプル番号2000から3000の範囲で拡大して示したものである。
【0060】
図10および図11に示す心電図信号は、サンプル番号2000から3000の範囲で安定した波形を示していることが分かる。また、その他の範囲でノイズ成分の混入などによる不安定な波形を示していることがわかる。ノイズ成分の混入は、例えば、掌と電極との接触不良や生体の筋電位の変化などに起因する。
【0061】
一方、図10に示す生体Zは、サンプル番号2000から3000の範囲と3500以降の範囲で低い値を示し、その他の範囲で高い値を示していることがわかる。同図から明らかなように、心電図信号と生体Zとは相関があり、心電図信号の波形が不安定なときには生体Zの値が高く、心電図信号の波形が安定しているときには生体Zの値が低いといえる。
【0062】
ところで、後述する登録処理および認証処理では、心電図信号から抽出した心臓鼓動パターン(の特徴量)を被測定者(登録者または被認証者)に対応付ける。したがって、個人認証の精度を上げるためには、安定した心電図信号から心臓鼓動パターンを抽出すべきである。
【0063】
そこで、第2の実施の形態である認証装置では、生体Zを参照し、その値が所定の閾値以下である場合の心電図信号のみから心臓鼓動パターンを抽出するようになされている。
【0064】
[認証装置の構成例]
図12は、第2の実施の形態である認証装置の上面の外観を示している。この認証装置50は、被測定者(登録者または被認証者)の心電図信号と生体Zを同時に測定し、心電図信号から抽出する心臓鼓動パターンを用いて個人認証を行うものである。
【0065】
なお、認証装置50の構成要素のうち、第1の実施の形態である測定装置10と共通するものについては、同一の符号を付しているので、それらの説明については適宜省略する。
【0066】
同図Aに示すように、認証装置50の左側には、左手内電極11Lおよび左手外電極12Lが、右側には右手内電極11Rおよび右手外電極12Rが設けられている。さらに、上面の中央には、測定結果、認証結果などを提示するための提示部13が設けられている。
【0067】
認証装置50は、同図Bに示されるように、被測定者が左手の掌を左手内電極11Lおよび左手外電極12Lに接触させるとともに、右手の掌を右手内電極11Rおよび右手外電極12Rに接触させた状態で測定を行い、その後に個人認証を行う。
【0068】
図13は、認証装置50の構成例を示している。認証装置50は、右手内電極11Rおよび右手外電極12Rが接続された右電極基板21、左手内電極11Lおよび左手外電極12Lが接続された左電極基板25、生体Z測定部27、心電図信号測定部34、認証処理部60、および提示部13から構成される。
【0069】
生体Z測定部27は、算出した生体Zを認証処理部60の心臓鼓動パターン抽出部62、および登録認証部63に通知する。心電図信号測定部34は、生成した心電図信号を認証処理部60のピーク検出部61に出力する。
【0070】
認証処理部60は、ピーク検出部61、心臓鼓動パターン抽出部62、および登録認証部63から構成される。
【0071】
ピーク検出部61は、心電図信号における特徴的な波(例えば、R波)のピークを検出して心臓鼓動パターン抽出部62に通知する。心臓鼓動パターン抽出部62は、生体Zが所定の第1の閾値以下である場合のみ、検出されたピークを基準とする所定のサンプル範囲を心電図信号から心臓鼓動パターンとして抽出し、その特徴量を算出して登録認証部63に出力する。なお、心臓鼓動パターンの特徴量の算出方法については任意である。心臓鼓動パターン自体を特徴量とみなしておよい。
【0072】
登録認証部63は、登録処理時において、被測定者(登録者)に、心臓鼓動パターンの特徴量と、心臓鼓動パターンが抽出されたときの生体Zとを対応付けて記憶する(登録する)。また、登録認証部63は、認証処理時において、被測定者(被認証者)の心臓鼓動パターンの特徴量と、登録済みの各心臓鼓動パターンの特徴量との相関の程度を示す相関値を算出し、相関値に基づいて被認証者の個人認証を行う。
【0073】
具体的には、登録済みの登録者の心臓鼓動パターンの特徴量の中から、相関値が最も高いものを特定し、その相関値が所定の第2の閾値以上である場合に、被認証者を当該登録者であると認証する。
【0074】
なお、所定の第2の閾値は固定してもよいし、被認証者の生体Zと比較する登録者の生体Zの差に応じて可変としてもよい。すなわち、同一人物の場合、生体Zは測定タイミングによって変動するものの、その変動幅は小さいことがわかっている。したがって、被認証者の生体Zと、相関値か最も高い登録者の生体Zとの差が大きいほど、第2の閾値を大きな値にすればよい。
【0075】
相関値を−1から1の範囲で算出するようにし、最も相関が高い場合の相関値を1とした場合、例えば、生体Zの差が170Ω以下である場合には第2の閾値を0.99とし、生体Zの差が170乃至340Ωである場合には第2の閾値を0.995とし、生体Zの差が340Ω以上である場合には第2の閾値を0.999としたりする。
【0076】
登録認証部63は、個人認証の結果を提示部13に出力する。さらに、登録認証部63は、生体Zが第1の閾値よりも大きい場合、測定不良などのメッセージを提示部13に表示させる。
【0077】
提示部13は、登録認証部63から入力された個人認証結果を表示する。また、提示部13は、登録認証部63からの制御に従い、例えば、被測定者に対して電極への接触、接触し直しを指示したり、測定不良を通知したりするためのメッセージを表示する。
【0078】
[認証装置50の動作]
図14は認証装置50による登録処理を説明するフローチャートである。
【0079】
なお、登録処理の前提として、上述した測定装置10による同時測定処理と同様の処理により、認証処理部60には、登録者から同時に測定されている生体Zと心電図信号が入力されているものとする。そして、ピーク検出部61は、前段から入力される心電図信号のピークを検出しているものとする。
【0080】
ステップS11において、心臓鼓動パターン抽出部62および登録認証部63は、生体Zが第1の閾値以下であるか否かを判定する。生体Zが第1の閾値よりも大きいと判定された場合、このとき測定されている心電図信号の波形は安定していないはずなので、処理はステップS12に進められる。ステップS12において、提示部13は、登録認証部63からの制御に従い、測定不良などのメッセージを表示する。このメッセージを見た登録者は、例えば電極に接触し直すなどの対処を行う。
【0081】
ステップS11において、生体Zが第1の閾値以下であると判定された場合、このとき測定されている心電図信号の波形は安定しているはずなので、処理はステップS13に進められる。ステップS13において、心臓鼓動パターン抽出部62は、検出されたピークを基準とする所定のサンプル範囲を心電図信号から心臓鼓動パターンとして抽出し、ステップS14において、その特徴量を算出して登録認証部63に出力する。
【0082】
ステップS15において、登録認証部63は、被測定者(登録者)に、心臓鼓動パターンの特徴量と、心臓鼓動パターンが抽出されたときの生体Zとを対応付けて記憶する(登録する)。以上で、登録処理は終了される。
【0083】
以上に説明した登録処理によれば、心電図信号の波形が安定していないと考えられる場合には心臓鼓動パターンを抽出せず、心電図信号の波形が安定していると考えられる場合にのみ、心臓鼓動パターンを抽出するようにしたので、登録者に対応する信頼性の高い心臓鼓動パターン(の特徴量)を登録することができる。
【0084】
次に、図15は認証装置50による認証処理を説明するフローチャートである。
【0085】
なお、認証処理の前提として、上述した測定装置10による同時測定処理と同様の処理により、認証処理部60には、被認証者から同時に測定されている生体Zと心電図信号が入力されているものとする。そして、ピーク検出部61は、前段から入力される心電図信号のピークを検出しているものとする。
【0086】
ステップS21において、心臓鼓動パターン抽出部62および登録認証部63は、生体Zが第1の閾値以下であるか否かを判定する。生体Zが第1の閾値よりも大きいと判定された場合、このとき測定されている心電図信号の波形は安定していないはずなので、処理はステップS22に進められる。ステップS22において、提示部13は、登録認証部63からの制御に従い、測定不良などのメッセージを表示する。このメッセージを見た被認証者は、例えば電極に接触し直すなどの対処を行う。
【0087】
反対に、生体Zが第1の閾値以下であると判定された場合、このとき測定されている心電図信号の波形は安定しているはずなので、処理はステップS23に進められる。ステップS23において、心臓鼓動パターン抽出部62は、検出されたピークを基準とする所定のサンプル範囲を心電図信号から心臓鼓動パターンとして抽出し、ステップS24において、その特徴量を算出して登録認証部63に出力する。
【0088】
ステップS25において、登録認証部63は、被認証者の心臓鼓動パターンの特徴量と、登録済みの心臓鼓動パターンの特徴量との相関値を算出する。ステップS26において、登録認証部63は、算出した相関値が最も高い登録者を特定し、さらに、その最も高い相関値が特定した登録者の生体Zと被認証者の生体Zとの差に応じた第2の閾値以上であるか否かを判定する。
【0089】
最高の相関値が第2の閾値以上であると判定された場合、処理はステップS27に進められる。ステップS27において、登録認証部63は、被認証者は当該登録者であると認証した旨を提示部13に通知する。提示部13は、被認証者が当該登録者であると認証された旨を被認証者に提示する。
【0090】
反対に、最高の相関値が第2の閾値よりも小さいと判定された場合、処理はステップS28に進められる。ステップS28において、登録認証部63は、被認証者に該当する登録者がいなかった旨を提示部13に通知する。提示部13は、被認証者に該当する登録者がいなかった旨を被認証者に提示する。以上で、認証処理は終了される。
【0091】
以上に説明した認証処理によれば、心電図信号の波形が安定していないと考えられる場合には心臓鼓動パターンを抽出せず、心電図信号の波形が安定していると考えられる場合にのみ、心臓鼓動パターンを抽出するようにしたので、被認証者に対応する信頼性の高い心臓鼓動パターン(の特徴量)を取得することができる。したがって、認証精度の向上が期待できる。
【0092】
<3.変形例>
次に、第1の実施の形態である測定装置10、および第2の実施の形態である認証装置50の変形例について説明する。
【0093】
測定装置10(認証装置50)の4つの電極の位置については、以下のように変更することができる。
【0094】
図16は、4つの電極の位置を変更した測定装置10(認証装置50)の使用時のイメージを示している。すなわち、被測定者が測定装置10(認証装置50)を両手で保持した状態で、左右の掌または指に、それぞれ2つの電極が触れるように配置すればよい。
【0095】
図17は、測定装置10(認証装置50)の本体の左側面に左手外電極12L、右側面に右手外電極12Rを配置し、本体の背面中央付近に左手内電極11Lおよび右手内電極11Rを配置した変形例を示している。
【0096】
図18は、測定装置10(認証装置50)の本体の左側面に左手内電極11Lおよび左手外電極12L、右側面に右手内電極11Rおよび右手外電極12Rを配置した変形例を示している。
【0097】
図19は、測定装置10(認証装置50)の本体の左側面に左手外電極12L、右側面に右手外電極12Rを配置し、本体の背面左側に左手内電極11L、背面右側に右手内電極11Rを配置した変形例を示している。
【0098】
なお、4つの電極の配置については、図17乃至図19に示された変形例の他、様々に変更することが可能である。
【0099】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0100】
図20は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0101】
このコンピュータ100において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0102】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
【0103】
以上のように構成されるコンピュータ100では、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105およびバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0104】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0105】
また、プログラムは、1台のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0106】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0107】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0108】
10 測定装置, 11L 左手内電極, 11R 右手内電極, 12L 左手外電極, 12R 右手外電極, 13 提示部, 21 右電極基板, 22 左電極基板, 23 電流アンプ, 27 生体Z測定部, 28 信号発生部, 34 心電図信号測定部, 39 表示制御部, 50 認証装置, 60 認証処理部, 61 ピーク検出部, 62 心臓鼓動パターン抽出部, 63 登録認証部, 100 コンピュータ, 101 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体インピーダンスを測定するための測定用信号を発生する信号発生部と、
発生された前記測定用信号を被測定者の体に供給するために前記被測定者の体の左右に接触させる第1の電極対と、
前記第1の電極対に隣接して配置され、前記被測定者の体の左右に接触させる第2の電極対と、
前記測定用信号の供給に応じて前記第2の電極対から得られる電気信号に基づいて前記被測定者の前記生体インピーダンスを測定する生体インピーダンス測定部と、
前記第2の電極対から得られる電気信号に基づいて前記被測定者の心電図信号を測定する心電図信号測定部と
を含み、
前記生体インピーダンス測定部と前記心電図信号測定部は、同時に並行して動作する
測定装置。
【請求項2】
前記第1の電極対が接触される前記被測定者の体の平均電位を、前記心電図信号測定部の基準電位と一致させる調整部を
さらに含む請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記調整部は、前記電源部と前記第1の電極対との間に設けられた、正負入力端子の一方が接地されている電流アンプである
請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記心電図信号測定部は、前記第2の電極対から得られる電気信号から、前記心電図信号に対応する周波数成分を抽出するフィルタ部を含む
請求項2に記載の測定装置。
【請求項5】
前記生体インピーダンス測定部は、前記測定用信号の供給に応じて前記第2の電極対から得られる電気信号の電圧差を検出し、検出した前記電位差を示す検出信号と前記測定用信号の電流とに基づいて前記被測定者の前記生体インピーダンスを算出する
請求項2に記載の測定装置。
【請求項6】
前記生体インピーダンス測定部は、前記検出信号から前記測定用信号と同じ周波数成分を抽出するフィルタ部を含む
請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
測定された前記心電図信号から心臓の周期的な動きを示す心臓鼓動パターンを抽出する抽出部を
さらに含み、
前記抽出部は、測定された前記生体インピーダンスに基づき、前記心臓鼓動パターンを抽出する動作を制限する
請求項2に記載の測定装置。
【請求項8】
被測定者の生体インピーダンスと心電図信号を測定する測定装置の測定方法において、
前記測定装置による、
生体インピーダンスを測定するための測定用信号を発生し、
前記被測定者の体の左右に接触させた第1の電極対から、発生された前記測定用信号を被測定者の体に供給し、
前記第1の電極対に隣接して配置され、前記被測定者の体の左右に接触させた第2の電極対から、前記測定用信号の供給に応じて得られる電気信号に基づいて前記被測定者の前記生体インピーダンスを測定し、
前記第2の電極対から得られる電気信号に基づいて前記被測定者の心電図信号を測定する
ステップを含み、
前記生体インピーダンスの測定と前記心電図信号の測定は、同時に並行して実行される
測定方法。
【請求項9】
生体インピーダンスを測定するための測定用信号を発生し、
被測定者の体の左右に接触させた第1の電極対から、発生された前記測定用信号を被測定者の体に供給し、
前記第1の電極対に隣接して配置され、前記被測定者の体の左右に接触させた第2の電極対から、前記測定用信号の供給に応じて得られる電気信号に基づいて前記被測定者の前記生体インピーダンスを測定し、
前記第2の電極対から得られる電気信号に基づいて前記被測定者の心電図信号を測定する
ステップを含み、
前記生体インピーダンスの測定と前記心電図信号の測定は、同時に並行して実行させる
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
被測定者の生体インピーダンスを測定する生体インピーダンス測定部と、
前記生体インピーダンスの測定と同時に前記被測定者の心電図信号を測定する心電図信号測定部と、
測定された前記心電図信号から心臓の周期的な動きを示す心臓鼓動パターンを抽出する抽出部と、
抽出された前記心臓鼓動パターンを用いて所定の処理を行う処理部と
を含み、
前記抽出部は、測定された前記生体インピーダンスに基づき、前記心臓鼓動パターンを抽出する動作を制限する
情報処理装置。
【請求項11】
前記抽出部は、測定された前記生体インピーダンスが第1の閾値以下である場合、前記心臓鼓動パターンを抽出し、測定された前記生体インピーダンスが前記第1の閾値よりも大きい場合、前記心臓鼓動パターンの抽出を中止する
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記処理部は、
登録者としての前記被測定者に対応する前記心臓鼓動パターンを登録し、
被認証者としての前記被測定者に対応する前記心臓鼓動パターンと、登録済みの前記登録者の前記心臓鼓動パターンとを比較することにより認証処理を行う
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記処理部は、
登録者としての前記被測定者に対応する前記心臓鼓動パターンおよび前記生体インピーダンスを登録し、
被認証者としての前記被測定者に対応する前記心臓鼓動パターンと、登録済みの前記登録者の前記心臓鼓動パターンとの相関を示す相関係数を、前記登録者と前記被認証者の前記生体インピーダンスの差に応じた第2の閾値と比較することにより認証処理を行う
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置の情報処理方法において、
前記情報処理装置による、
被測定者の生体インピーダンスと心電図信号を同時に測定し、
測定された前記心電図信号から心臓の周期的な動きを示す心臓鼓動パターンを抽出する動作を、測定された前記生体インピーダンスに基づいて制限しつつ実行し、
抽出された前記心臓鼓動パターンを用いて所定の処理を行う
ステップを含む情報処理方法。
【請求項15】
被測定者の生体インピーダンスと心電図信号を同時に測定し、
測定された前記心電図信号から心臓の周期的な動きを示す心臓鼓動パターンを抽出する動作を、測定された前記生体インピーダンスに基づいて制限しつつ実行し、
抽出された前記心臓鼓動パターンを用いて所定の処理を行う
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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