説明

測定装置及び深井戸用ドリル装置

【課題】本発明の目的は、深井戸用のドリル作業における情報を、迅速且つ正確にえることができるように、従来の測定装置を発展させることにある。
【解決手段】本発明は、深井戸用ドリルコラムに接続され、電気的に制御され且つ岩盤、掘穿泥水及び/若しくは取得されるべき原材料に関するデータを測定する測定ユニットを有し、前記ドリルコラムを介して電気的エネルギーが供給され、ドリルコラムを介して地表にデータを送信する測定装置において、少なくとも一つの流入開口部(51)及び少なくとも一つの流出開口部(51)を有する前記測定装置(6)の外側ハウジング(41)が設けられ、且つ前記ハウジング(41)は、その両端に、ドリルコラム(3)及び/若しくはビットユニット(5)と接続するためのネジ接続部を有することにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部分に記載されたような測定装置及び請求項16に記載されたようなドリル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、深井戸用ドリル装置に接続され、電気的に制御され且つ適当なデータを測定する測定ユニットを有し、ドリルコラムを介して電気的エネルギーが供給されるように設計された測定装置を開示した。前記測定装置は、土壌特性を電気的信号に変換し、土壌調査のために土中に打ち込まれる。ドリルコラムの端部に設けられる測定装置の配置によって、データを測定するだけの公知の測定ユニットは、ドリルコラムの端部の測定用ヘッドの周囲の土壌に関するものを測定することができる。従来の測定装置では、試掘用穴の底部の上方で測定データを記録することは不可能である。
【特許文献1】EP 0 102 672 B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、請求項1の前段に記載された「深井戸用ドリルコラムに接続され、電気的に制御され且つ岩盤、掘穿泥水及び/若しくは取得されるべき原材料に関するデータを測定する測定ユニットを有し、前記ドリルコラムを介して電気的エネルギーが供給され、ドリルコラムを介して地表にデータを送信する測定装置」を発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的は、請求項1の特徴部分「少なくとも一つの流入開口部(51)及び少なくとも一つの流出開口部(51)を有する前記測定装置(6)の外側ハウジング(41)が設けられ、且つ前記ハウジング(41)は、その両端に、ドリルコラム(3)及び/若しくはビットユニット(5)と接続するためのネジ接続部を有すること」によって達成される。
【0005】
原則として、測定装置は、ドリルストリングの所望の点に設けられる。測定装置は、ビットユニットのすぐ側に位置すると共に、これによって測定値は、ボアホールの底部から得ることができる。一つのドリルストリングには、複数の測定装置を設けることも可能である。適切なデータを測定するために、測定装置には、ドリルコラムを介して電気的エネルギーが供給される。同様の方法で、データ転送又は信号転送は、測定装置から地表へと実行される。この場合、評価装置は、地表側に設けられ、測定装置は、評価装置と電気的に接続される。この場合、電気的連結は、第1に、測定装置から地表へのデータ転送又は信号転送のために使用され、第2に制御命令の転送のために使用される。
【0006】
前記測定装置は、個々の機能的ユニットを収納し且つ防護するための堅固な外側ハウジングを有する。また、それがドリルコラム又はドリルストリングに一体に形成されるか又はドリルストリングの一部に接続されることを可能にするために、前記ハウジングは、その両端部にネジ接続部を有する。このネジ接続部は、ハウジングが接続点から延出するブッシュに対応するような雌ネジを有することが好ましい。
【0007】
前記測定装置の機能的ユニットは、測定ユニットによって記録された測定信号を変換すると共に、供給された電気エネルギーからの異なる周波数を有する変換信号が、評価装置に正確に識別されるような変圧器、特に電圧変圧器を有する。さらに、評価装置も、測定信号が測定ユニットのエネルギー消費から得られるように設計されるものである。
【0008】
本願発明によれば、測定ユニットは、種々のデータを記録するための複数の測定機器を有する。この場合、原則として、公知の測定方法及び/若しくは分析方法の全てを使用することが可能であり、特に対応するしっかりとした設計がボアホールの状態に関して提供されることは言うまでもない。さらに、個々の測定機器は、モジュールデザインであり、必要によって、測定装置が異なる応用に使用される場合、一つの測定機器を別の測定機器に置き換えることが可能である。
【0009】
原則として、測定ユニットのセンサは、ハウジングの外側に設けられ、その結果として測定値は、ハウジングの外側を通過して流れる媒体から得られる。しかしながら、測定ユニット、特にセンサ、測定値検出器を防護するために、ハウジング内の流路にセンサを設けることが望ましい。測定中、媒体を前記測定ユニットのセンサを通過するように導くために、少なくとも一つの電気的に制御されるポンプを設け、測定ユニットに対する流れに関して接続するものである。このような関係において、測定中、必要に応じて媒体を環状空間へ又はドリルコラムへのいずれかに迂回させるために、前記測定ユニット近傍に電気的に制御される二路開閉弁を設けることが好ましい。
【0010】
上記ポンプに関して、少なくとも一つのフィルタ及び/若しくは弁を設けることが望ましい。上流側に接続されるフィルタは、ポンプ及び/若しくはセンサが、悪い方に作用することを防止する。上流側の弁によれば、ポンプへの流路はシールされるので、ある理由で測定をするつもりがなく且つ媒体を測定装置に到達させるつもりがない場合には、それは重要である。
【0011】
本発明は、ドリルの間に測定された値を取り出すことができると同時に、原則として短い時間ドリル作業を停止させることも、ボアホールの底の領域において媒体のサンプルを取ることもできる。この目的のために、測定装置は、電気的に、特に電気水力的に制御されるパッカーを有する。このパッカーは、環状空間をパッカーの上方部分及びパッカーの下方部分に分割するために設けられる。この場合、2つの部分は、事実上密封される。挿入状態において、前記パッカーは、前記ハウジングを越えて突出しないか、ほんの少しの領域で前記ハウジングから突出する。引き上げ状態において、パッカーは、ボアホールの壁部に支えられる。事実上のシール機能を達成するために、パッカーは複数のパッカー部を有し、それらは、少なくとも挿入状態においてお互いに部分的に重複する。
【0012】
パッカーを引き上げてサンプルを取るために、ボアホール泥の循環を中止する必要がある。泥が詰まった状態にあるという事実により、泥の成分である浮遊粒子が埋没し、パッカーの上側に位置するようになる。これは、パッカーを再挿入する時に困難さを発生させる。この問題を解決するために、特に電気的に制御される潤滑剤供給装置が、パッカーの上方に設けられ、これによって潤滑剤の層が、パッカー部の引き上げ状態において又はパッカー部が引き上げられる時に、パッカー部の上側に付加される。この場合の潤滑剤の層は、第1に防護層として、第2に滑り層として作用し、パッカーのハウジングへの再挿入を良好にする。
【0013】
パッカーの引き上げ状態において、ボラホール泥がその上部に沈むならば、パッカーのかなりの負荷が生じることになる。この理由について、本発明は、パッカーの引き上げ状態において、前記パッカーの下方の環状領域のレベルを低くするように設計されたポンプを提供する。これに関連して、この場合、前記測定装置へのハウジングの流入開口部は、前記パッカーの下方に設けられると同時に、ハウジングの流出開口部は、パッカーの上方に位置する。
【0014】
いろいろな駆動可能性により、必要に応じて機能的ユニットを駆動するために電気的に制御されるコントロールユニットを提供することが望ましい。このコントロールユニットは、必要に応じて、評価装置を介して地表側で駆動され、測定値の表示、評価、加工を司るものである。
【0015】
地表側に設けられる発電機は、一般的に測定装置へのエネルギーの供給に使用される。発電機の制御不良が生じた場合にも測定装置の制御を確保するために、測定装置は、緊急電力供給のためのエネルギー貯蔵部を有する。最後に、このエネルギー貯蔵部は、ハウジングに設けられた蓄電池である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施例について図面により説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、ドリル装置1の概略説明図である。ドリル装置1は、地表側に配置されたドリルヘッド2と、ドリル状態においてボアホール4の配されたドリルコラム3とを有する。ビットユニット5は、ドリルコラム3の最下端に配置される。この実施例において、地表側に配された評価装置8に導電部7を介して接続された測定装置6は、前記ビットユニット5上方に直接配置される。測定装置6は、ドリルの間測定された値を記録することができると共に、評価装置8を介して直接的に評価することができる。
【0018】
この場合、ドリルコラム3自体は、たくさんの交換可能に配置されたドリルパイプ10及びブッシュ11を有する。この種のドリルパイプ10は、10mまで又はそれ以上の長さを有するものであり、これにより深井戸用ドリルコラム3は、数百メートルの長さを有するものである。
【0019】
図2及び図4に示される詳細図は、ドリルパイプ10の一部を示している。ドリルパイプ10は、電気的に導電性の材料から形成されたドリルパイプ本体12を有する。少なくとも一つの電気的パイプ導電部7aは、ドリルパイプ本体12を貫通し、ドリルパイプ本体12に設けられたパイプ接触接続部13にその端部で、正確にはその両端部で接続され、さらに前記パイプ導電部7a及びパイプ接触接続部13は、ドリルパイプ本体12から電気的に絶縁される。特に図4に示されるように、パイプ導電部7aは、パイプ内側部14に固定される。この目的のために、パイプ導電部7aのための縦溝15が、前記パイプ内側部14に設けられる。この場合、前記溝15は、あり継ぎにされたものである。しかしながら、原則として、他の溝形状も可能である。前記溝15は、前記ドリルパイプ10の中心軸に平行に形成される。この場合、前記溝15の深さは、パイプ導電部7aの外径よりも大きいものである。前記パイプ導電部7aは、絶縁体16によって前記溝15に保持される。その固定機能に加えて、絶縁体16は、電気的絶縁機能も有する。この絶縁体16に加えて、前記パイプ導電部7aは、パイプ導電部7aの全長にわたって延出する導線絶縁体17を有する。さらに図4に示すように、電気的絶縁層18が、パイプ内側部14の全面にわたって蒸着され、さらに溝部15を覆い、これによってパイプ導電部7aを覆う。この絶縁層18は、パイプ内側部14の全表面にわたって塗布される。
【0020】
前記パイプ接触接続部13は、ドリルパイプ10のパイプ端部の端側前面部19に設けられる。この場合、各々の場合に対応するパイプ接触接続部13は、例えこれが下記に詳細に説明されていないとしても、前記ドリルパイプ本体12の両端に設けられることは言うまでもない。前記パイプ接触接続部13は、円周状に形成され、接触リングの形を有する。さらに、前記パイプ接触接続部13は、前記前面部19上に置かれた絶縁リング20に位置する。弾性材料からなる絶縁リング20は、前記パイプ接触接続部13を収納することを目的とした環状溝21を有する。この場合、環状溝21は、前記パイプ接触接続部13の高さよりも深い。
【0021】
さらに、この場合、前記パイプ接触接続部13は、前記前面部19から離れる方向、言い換えると前記ドリルパイプ10に接続されるブッシュ11に向かう方向に弾性負荷がかけられる。
【0022】
図7に示すように、雄ねじ23が設けられるピン22が、前記ドリルパイプ10の両パイプ端部に位置する。その端部にパイプ外側25を併合する段部24が、雄ねじ23を有するピン22の間に位置する。この場合O−リングである円周シール26は、前記段部24と雄ねじ23の間の境目に配置される。このシール26の代わりに、又はこのシールに付加して、リングシールが段部24に配されても良いものである。
【0023】
図3、図5及び図6に示される詳細な図は、ブッシュ11の一部を示している。このブッシュ11は、導電材料からなるブッシュ本体27を有する。ブッシュ導電部7bは前記ブッシュ本体27を貫通して、前記ブッシュ本体27の端部、たとえこれが特別に図示されていない場合でも、正確には両端部で、前記ブッシュ接触接続部28に接続される。前記ブッシュ導電部7b及び前記ブッシュ接触接続部28は、前記ブッシュ本体27から電気的に絶縁されている。
【0024】
前記ブッシュ導電部7bは、ブッシュ内側部29に固定される。この目的のために、縦溝30が前記ブッシュ本体27のブッシュ内側部29に設けられる。この溝30は、前記溝15と同様に形成される。さらに、前記溝30は、前記ブッシュ11の中心軸に平行に形成される。図面は、このブッシュ導電部7bが断熱材を介して溝30に嵌め込まれ、電気的絶縁体によって覆われているという事実を示していない。さらに、電気的絶縁層31が、パイプ内側部14の場合と同様に、ブッシュ内側部29に蒸着されると共に、前記絶縁層31が前記ブッシュ導電部7bを覆っている。
【0025】
図6に示されるように、前記ブッシュ接触接続部28は、前面肩部32に設けられる。この肩部32は、雌ネジ33と前記ブッシュ内側部29の間に位置する。前記ブッシュ接触接続部28は、環状に形成され、肩部32に設置される絶縁リング20に配置される。前記絶縁リング20は、ドリルパイプ10に設けられる絶縁リング20の型や設計に対応するもので、例えばブッシュ接触接続部28を収納するための環状溝21を有し、この環状溝21が前記ブッシュ接触接続部28の高さよりも深いものである。さらに、前記ブッシュ接触接続部28は、前記肩部32から離れる方向に弾性負荷がかけられる。この弾性負荷は、一つ又は複数のスプリング、例えば小さい螺旋状圧縮スプリングが、接触接続のそれぞれの下側で作用するように、接触接続13,28に関して設計されるものである。さらにまた、弾性舌部が、各々の接触接続部に設けられることが好ましい。前記弾性舌部は、原則として内方及び/若しくは外方を向いており、この場合外方を向いている弾性舌部は、実際の接触接続部を越えて突出し、電気的接触を生じさせる。
【0026】
この場合、円周状シール35は、前記ブッシュ本体27の外側前面部34に位置する。この外側前面部34は、前記雌ネジ33及び前記ブッシュ外側部36の間に位置する。
【0027】
上述されたように、前記パイプ導電部7a及びブッシュ導電部7bに関連した前記ドリルパイプ10及びブッシュ11は、結果としてドリルコラム3を介した2極エネルギー及びデータ伝送を生じる。この場合、一方の極は、ドリルパイプ本体12及びブッシュ本体27を具備するドリルコラム本体によって形成されると同時に、他方の極は、パイプ導電部7a及びブッシュ導電部7b、同様に接触接続部13及び28を具備する導電部7によって形成される。さらにまた、本発明の係るシステムは、ドリルパイプ10がブッシュ11にねじ込まれることにより、電気的接続が一方で接触接続部13,28を介して、他方でドリルパイプ本体12及びブッシュ本体27の材料を介して形成されるので、要求されたように、ドリルコラム3及びこれによる2極が延出することができるという利点を提供することができる。
【0028】
エネルギーは前記導電部7に供給され、データは、第1のドリルパイプ10に設けられたスリップリングコレクター(図示しない)を介してそこから分岐される。前記スリップリングコレクターは、パイプ導電部7aに接続され、且つドリルパイプ本体12からは絶縁される。前記スリップリングコレクターは、前記評価装置8に順次接続されると同時に、前記ドリルコラム本体は、アース接続を形成する。
【0029】
図8は、測定装置の概略図を示す。この場合、前記測定装置6は、ドリルコラム3の最後のドリルパイプ10に接続される。この場合、測定装置6は、電気的に制御される測定ユニット40を有すると共に、それによって、岩、泥水又は取得すべき原材料の状態を示す適切なデータを測定することができる。この場合、測定装置6は、上述した導電部7を介して電気的エネルギーが供給される。この場合、例えばこれが特別に図示されていなくても、前記測定装置6が、接触接続部13,28及び導電部7の延長部に対応する接触接続部を有することはもちろんである。
【0030】
前記測定装置6は、測定ユニット40及びさらなる機能的ユニットを収納する外側ハウジング41を有する。前記機能的ユニットについては、下記に説明する。ハウジング41は、それぞれの場合、ドイルストリング及び前記ビットユニット5への接続のためにその両端にネジ接続部42,43を有する。ネジ接続部42,43は、ブッシュ11のネジ接続部に対応する。しかしながら、原則として雄ネジを有する構造であれば他のネジ接続部であってもよいものである。最後に、測定装置6は、ドリルコラム3と一体化されることが重要である。
【0031】
前記測定装置6は、測定ユニット40を介して記録された測定信号を変換し、前記評価装置40に伝送するための変圧器44を有する。測定ユニット40が関連した媒体に関する広い範囲のデータを記録する複数の異なる測定機器を有するという事実は、特に図示されない。個々の測定機器は、モジュール化されるべきであり、その結果として、必要に応じて測定機器を置き換えることも可能である。図示された典型的な例において、センサ若しくは測定値検出器は、ハウジング41内の流路45に設けられる。しかしながら、原則として、測定値検出器は、ハウジング41の外側開口部を介して環状空間内に向かって外側に向けられることも可能である。
【0032】
さらに、電気的に制御されるポンプ46が、測定中に流路45を介して測定ユニット40に供給するために設けられる。少なくとも一つの2路開閉弁を有する電気的に制御される弁ユニット47が、測定ユニット40の上方に設けられ、測定中に必要に応じてドリルコラム3を介して環状空間等に媒体を迂回させるものである。この目的のために、対応する流出開口部48がハウジング41に設けられる。この場合、少なくとも一つのフィルタ49及び弁ユニット50がポンプ46の上流側に接続される。前記弁ユニット50は、ハウジング41に設けられた流入開口部51を閉じるために使用される。
【0033】
さらに、電気水力学的パッカー52が設けられる。このパッカー52は、詳細に図示されない複数のパッカー部を有する。図8で図示されるパッカー52の挿入状態において、パッカー部は、お互いに少なくとも部分的に重複する。前記パッカー52は、引き上げ状態において、環状空間を上部及び下部に分割し、その過程において少なくとも本質的に上部及び下部を遮断する。パッカー52の上部には、直接潤滑剤供給装置53が設けられ、引き上げ状態において前記パッカー部の上側に潤滑剤の層を付加するために使用される。潤滑剤供給装置53は、電気的又は機械的に制御される。機械的に操作される潤滑剤供給は、パッカー部が引き上げられる時に潤滑油供給が作動するように、パッカー52に機械的に連結される。
【0034】
さらに、この場合、前記測定装置6は、個々の機能的ユニット及びエネルギー貯蔵器を必要に応じて駆動するためのコントロールユニット54を有する。
【0035】
さらに、上述した機能的ユニットは、図示された順番に配置される必要性がないことはもちろんである。測定装置6の制御が問題とならないかぎり、他の配置も選択可能である。しかしながら、パッカー52が、引き上げられたパッカー52の下方の環状空間のレベルを、ポンプ46を介して低くするために、下方の流入開口部51と上方の流出開口部48の間に配されることには、気をつける必要がある。
【0036】
さらに、流路45を形成し、ドリルコラム3又はその開口部と前記ビットユニット5との間を連通する貫通開口部を有するストリング部が、前記ハウジング41に設けられる。さらに、前記流出開口部48及び前記流入開口部51は、流路45を形成するストリング部と連通する。この場合、前記貫通開口部を閉鎖する逆止弁56が、前記ストリング部の端部に設けられる。前記逆止弁56は、電気的に駆動されるものである(図示しない)。
【0037】
前記測定装置6の個々の機能的ユニットは上述した2極に電気的に接続され、測定ユニット40又はコントロールユニット54が関連しているかぎりは、電気的エネルギー供給及び評価装置8へのデータ交換を可能にする。
【0038】
ドリルストリングが測定装置6のハウジングに開口するという上述した例の代わりに、原則として測定装置6が、両端又はドリルコラムへの一端及びビットユニット5への他端のどちらかで接続される通路パイプ部を有することも可能である。そして、媒体は、ハウジングを介して対応する流路を通過し、その過程で分析を目的として測定ユニット40を通過するものである。この場合、すでに測定された媒体が、ドリルストリングへ、若しくは環状空間内へ出されることが望ましい。弁ユニットがドリルストリングに対して開口することがこの場合に要求される。
【0039】
本発明は、ドリル作業の前、間及び後において連続してボアホール内の媒体の状態を測定することを可能にする。データは、評価装置8にてすぐに評価される。例えば、ドリル作業の間の水文学的変化は、これによって遅延なしに鑑定され、サンプリングも即座に可能となる。この目的のために、図示された例において、逆止弁56は、底部でドリルパイプを閉鎖すると同時に、パッカー52が引き上げられる。それから、流出開口部48が弁ユニット47によって閉鎖されると同時に、ポンプ46は、ドリルストリングを介して地表側へ媒体を運搬する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】ボアホールに導入されたドリルコラムの概略説明図である。
【図2】ドリルパイプのパイプ端の概略説明図である。
【図3】ブッシュの一部を示した概略説明図である。
【図4】ドリルパイプの一部断面図である。
【図5】ドリルパイプの一部詳細説明図である。
【図6】ブッシュの詳細説明図である。
【図7】ブッシュにネジ込まれたドリルパイプの一部概略説明図である。
【図8】本発明に係る測定装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0041】
1 ドリル装置
3 ドリルコラム
5 ビットユニット
6 測定装置
8 評価装置
40 測定ユニット
41 ハウジング
44 変圧器
45 流路
46 ポンプ
48 流出開口部
49 フィルタ
50 弁ユニット
51 流入開口部
52 パッカー
53 潤滑剤供給装置
56 逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
深井戸用ドリルコラム(3)に接続され、電気的に制御され且つ岩盤、掘穿泥水及び/若しくは取得されるべき原材料に関するデータを測定する測定ユニット(40)を有し、前記ドリルコラム(3)を介して電気的エネルギーが供給され、ドリルコラム(3)を介して地表にデータを送信する測定装置(6)において、
少なくとも一つの流入開口部(51)及び少なくとも一つの流出開口部(51)を有する前記測定装置(6)の外側ハウジング(41)が設けられ、且つ前記ハウジング(41)は、その両端に、ドリルコラム(3)及び/若しくはビットユニット(5)と接続するためのネジ接続部を有することを特徴とする測定装置。
【請求項2】
連動して働く評価装置(8)が地表に配置されると共に、該評価装置(8)と電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
変圧器(44)、特に電圧変圧器が、前記評価装置(8)への二次伝送用に測定信号を変換するために設けられ、且つ/又は、前記評価装置(8)は、前記測定信号が、前記測定ユニット(40)の電力消費から得られるように設計されることを特徴とする請求項1又は2記載の測定装置。
【請求項4】
前記測定ユニット(40)は、必要に応じて種々のデータを記録するための複数のモジュラー測定機器を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項5】
前記測定ユニット(40)の測定値検出器は、前記ハウジング(41)内の流路(45)に向けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項6】
少なくとも一つの電気的に制御され、前記測定ユニット(40)への流れに関して接続されるポンプ(46)が、測定ユニット(40)へ検出中に媒体を供給するための設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項7】
電気的に制御される弁ユニットが、測定中に媒体を必要に応じて環状空間又は前記ドリルコラムに迂回させるために設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項8】
少なくとも一つのフィルタ(49)及び/若しくは弁(50)が、前記ポンプ(46)の上流側に設けられることを特徴とする請求項6又は7記載の測定装置。
【請求項9】
電気的に制御される電気水力学的パッカー(52)が設けられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項10】
前記パッカー(52)は、挿入状態においてお互いに部分的に重複する複数のパッカー部を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項11】
電気的に制御される潤滑剤供給装置(53)が、パッカーの引き上げ状態において若しくは前記パッカーが引き上げる時に、前記パッカーの上側に潤滑剤の層を付加するために設けられることを特徴とする請求項9又は10記載の測定装置。
【請求項12】
電気的に制御されるコントロールユニット(44)が、必要に応じて前記機能的なユニットを駆動するために設けられることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項13】
エネルギー貯蔵部(55)が前記ハウジング(41)内に設けられることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項14】
前記ハウジング(41)の流入開口部(51)は、前記パッカー(52)の下方に設けられ、流出開口部(48)は、前記パッカー(52)の上方に設けられることを特徴とする請求項9〜13のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項15】
前記ドリルコラム(3)と連通し且つ貫通開口部を有するストリング部が、前記ハウジング(41)内に設けられ、前記貫通開口部を閉鎖する逆止弁(56)が前記ストリング部と連動することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項16】
ドリルコラム(3)を有し、請求項1〜15のいずれか一つに記載の測定装置(6)を少なくとも一つ有し、地表に配置され且つ前記測定装置と電気的に接続される評価装置(8)を有することを特徴とする深井戸用ドリル装置。
【請求項17】
ビットユニット(5)が設けられ、且つ前記測定装置(6)がビットユニット(5)の下方端に接続されることを特徴とする請求項16記載の深井戸用ドリル装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2007−518905(P2007−518905A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549925(P2006−549925)
【出願日】平成16年12月31日(2004.12.31)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014877
【国際公開番号】WO2005/071224
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506245051)デーテーベー パテンテ ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】