説明

測定装置及び測定方法

【課題】複数のラインで試料と試薬を反応させることによって生成された複合物質を、共通の測定部で測定する場合であっても、スループットを低下させることがない、測定装置及び測定方法を提供すること。
【解決手段】試料を収容した反応容器を搬送する複数のラインを備え、当該複数のラインにおいて反応容器を搬送させつつ試料に含まれる所定物質を測定する測定装置1であって、複数のラインとして、反応容器を第1搬送速度で搬送する第1反応ライン30と、反応容器を第2搬送速度で搬送する第2反応ライン40と、第1反応ライン30において反応容器の内部で試薬と反応された試料と、第2反応ライン40において反応容器の内部で試薬と反応された試料とを対象として、これら試料に含まれる所定物質を測定する測定ライン50であって、反応容器を第1搬送速度及び第2搬送速度よりも速い第3搬送速度で搬送する測定ライン50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料を収容した反応容器を搬送させつつ、この試料に含まれる所定物質を測定する測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数種類の物質を含有する試料(サンプル)の中から、測定対象となる所定物質(以下、標的物質)を分離・同定して分析を行うための測定装置や測定方法が種々開発されている。例えば、標的物質にのみ選択的に結合する抗体を含んだ試薬を試料に分注し、当該試料中に含まれている標的物質を試薬中の抗体に結合させ、結合によって生成された複合物質を、化学発光、蛍光、吸収、あるいは散乱等の現象を利用して定量的に検出することにより、標的物質を測定する免疫測定方法が用いられている。このような免疫測定方法として、具体的にはEIA(Enzyme Immunoassay:酵素免疫測定法)、FIA(Fluorescence Immunoassay:蛍光免疫測定法)等が挙げられる。
【0003】
このような測定を行うための測定装置として、反応容器に試料と試薬をそれぞれ分注し、この反応容器の内部で試料と試薬とを反応させて測定を行う測定装置が提案されている。このような測定装置は、複数の反応容器を搬送する搬送ラインを備えて構成されており、この搬送ラインにおいて複数の反応容器を所定の搬送速度で搬送させつつ、反応や測定のための各工程を行うことができるようになっている。
【0004】
ここで、試料を試薬と反応させるために必要な反応時間は、試料と試薬の種類や濃度(希釈度)の組み合わせによって異なり得る。そこで、従来、複数の反応時間による測定を行うことができる測定装置も提案されていた。例えば、特許文献1に記載の免疫分析装置は、同一平面内に配置された内側反応ラインと外側反応ラインとを備え、内側反応ラインと外側反応ラインとで相互に異なる速度で反応容器を搬送することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−47268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の装置は、異なる反応時間に対応した測定項目について、内側反応ラインと外側反応ラインに設けた反応容器に試料を分注して相互に異なる速度で反応容器を搬送し、これら内側反応ラインと外側反応ラインの各々で生成された標的物質を、これら内側反応ラインと外側反応ラインに続いて側方に設けた測定部で測定していた。この場合、測定方法によっては、内側反応ラインまたは外側反応ラインの一方のみに試料を分注する場合が起こるため、内側および外側反応ライン上には試料が分注されない反応容器が存在し、2本のラインを設けたにもかかわらず、これら内側反応ラインと外側反応ラインのスループットを低下させるという問題があった。
【0007】
すなわち、内側反応ラインや外側反応ラインのスループットを最大化するためには、反応ライン上の反応容器を全て(空きがなく)使用する必要があり、そのような場合は、内側反応ラインと外側反応ラインのテスト数が1:1の場合のみである。しかし、上記特許文献1に記載の装置では、異なる測定時間の項目を測定する場合に、項目の組み合わせによっては内側と外側の反応容器全てが使用される事なく、どちらかに空きができる場合があり、その場合にはスループットが低下していた。
【0008】
一方、このようなスループットの低下を防止するためには、サンプラ部を2箇所に設置し、試料を分ける事により、それぞれの反応ライン上の反応容器に別々にサンプリングする事が必要となるが、そのような場合には装置が大型化し制御が複雑になることは避けられない。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、反応容器を搬送する免疫反応ラインと反応ラインより高速で反応容器を搬送する測定ラインを組み合わせる事により、反応ライン上に空きがなく、反応時間の異なる測定項目の組み合わせを測定する場合においても、スループットを低下させることがなく、また、装置が大型化等することを回避することができる、測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る測定装置は、試料を収容した反応容器を搬送する複数のラインを備え、当該複数のラインにおいて前記反応容器を搬送させつつ前記試料に含まれる所定物質を測定する測定装置であって、前記複数のラインとして、前記反応容器の内部で前記試料と試薬とを反応させる反応ラインであって、前記反応容器を所定の搬送速度で搬送する反応ラインと、前記反応ラインにおいて前記反応容器の内部で前記試薬と反応された前記試料を対象として、当該試料に含まれる前記所定物質を測定する測定ラインであって、前記反応ラインから搬送された反応容器を前記搬送速度よりも速い所定の搬送速度で搬送する測定ラインとを備える。
【0011】
請求項2に係る測定装置は、請求項1に係る測定装置において、前記反応ラインとして、前記反応容器を第1搬送速度で搬送する第1反応ラインと、前記反応容器を第2搬送速度で搬送する第2反応ラインと、を備え、前記測定ラインは、第1反応ラインにおいて前記反応容器の内部で前記試薬と反応された前記試料と、前記第2反応ラインにおいて前記反応容器の内部で前記試薬と反応された前記試料とを対象として、これら試料に含まれる前記所定物質を測定する測定ラインであって、前記反応容器を前記第1搬送速度及び前記第2搬送速度よりも速い第3搬送速度で搬送する。
【0012】
請求項3に係る測定装置は、請求項2に係る測定装置において、前記第3搬送速度を、前記第1搬送速度と前記第2搬送速度との公倍数の搬送速度とした。
【0013】
請求項4に係る測定装置は、請求項3に係る測定装置において、前記第1搬送速度と前記第2搬送速度とを、相互に同じ搬送速度とし、前記第3搬送速度を、前記第1搬送速度と前記第2搬送速度との整数倍の搬送速度とした。
【0014】
請求項5に係る測定装置は、請求項2から4のいずれか一項に係る測定装置において、免疫測定法による測定を行う測定装置であって、前記反応容器の内部で前記試料と前記試薬とを免疫反応させる反応モードとして、所定の反応時間で反応を行わせる通常モードと、この通常モードよりも短い所定の反応時間で反応を行わせる時短モードとが設定されており、第1反応ラインは、前記通常モードにおける免疫反応の一部と、前記時短モードにおける免疫反応の全てを行うラインであり、第2反応ラインは、前記通常モードにおける免疫反応の残りの全てを行うラインであり、前記測定ラインは、前記第1反応ライン及び前記第2反応ラインにおいて前記通常モードにおける免疫反応の全てが行われた前記試料と、前記第1反応ラインにおいて前記時短モードにおける免疫反応の全てが行われた前記試料とを対象に測定を行うラインである。
【0015】
請求項6に係る測定方法は、試料を収容した反応容器を搬送させつつ前記試料に含まれる所定物質を測定する測定方法であって、前記反応容器を所定の搬送速度で搬送させつつ前記反応容器の内部で前記試料と試薬とを反応させる反応工程と、前記反応工程において前記反応容器の内部で前記試薬と反応された前記試料を対象として、これら試料に含まれる前記所定物質を測定する測定工程であって、前記反応容器を前記搬送速度よりも速い所定の搬送速度で搬送する測定工程とを含む。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る測定装置又は請求項6に係る測定方法によれば、反応容器を所定の搬送速度で搬送させつつ試料と試薬とを反応させた後、この反応容器の内部の試料に含まれる所定物質を搬送速度よりも速い所定の搬送速度で搬送しつつ測定するので、試料と試薬とを反応させた反応容器を遅滞なく測定することができ、反応時の搬送速度を測定時の搬送速度に合わせる必要がなくなるため、反応時のスループットが低下することを防止することが可能になる。また、サンプラ部を複数設ける必要もなくなるため、装置が大型化等することを回避することができる。
【0017】
また、請求項2に係る測定装置によれば、第1反応ラインにおいて、反応容器を第1搬送速度で搬送させつつ試料と試薬とを反応させ、第2反応ラインにおいて、反応容器を第2搬送速度で搬送させつつ試料と試薬とを反応させた後、測定ラインにおいて、これらの反応容器の内部の試料に含まれる所定物質を第1搬送速度及び第2搬送速度よりも速い第3搬送速度で搬送しつつ測定するので、第1反応ラインと第2反応ラインとの各々で試料と試薬とを反応させた反応容器を遅滞なく測定することができ、反応時の搬送速度を測定時の搬送速度に合わせる必要がなくなるため、第1反応ラインと第2反応ラインのスループットが低下することを防止することが可能になる。
【0018】
また、請求項3に係る測定装置によれば、第3搬送速度を、第1搬送速度と第2搬送速度との公倍数の搬送速度としたので、第1反応ラインから測定ラインに搬送されるキュベットと、第2反応ラインから測定ラインに搬送されるキュベットとが、測定ラインの同じ空き位置に同時に搬送されて干渉することを防止することができる。
【0019】
また、請求項4に係る測定装置によれば、第1搬送速度と第2搬送速度とを、相互に同じ搬送速度とし、第3搬送速度を、第1搬送速度と第2搬送速度との整数倍の搬送速度としたので、第1反応ラインから測定ラインに搬送されるキュベットと、第2反応ラインから測定ラインに搬送されるキュベットとが、測定ラインの同じ空き位置に同時に搬送されて干渉することを防止することができる。
【0020】
また、請求項5に係る測定装置によれば、第1反応ライン及び第2反応ラインにおいて通常モードにおける免疫反応の全てが行われた試料と、第1反応ラインにおいて時短モードにおける免疫反応の全てが行われた試料とを対象として、これら試料に含まれる所定物質を測定ラインで遅滞なく測定することができ、通常モードと時短モードを混在させた場合であっても、第1反応ラインと第2反応ラインのスループットが低下することを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係る測定装置の要部平面図である。
【図2】第1テーブルの拡大平面図である。
【図3】第2テーブルの拡大平面図である。
【図4】キュベットが配置された測定ラインの要部拡大平面図であり、(a)は、通常モードと時短モードを同じ比率で混在させた場合のキュベットの配置状態を示し、(b)は、時短モードのみを行った場合のキュベットの配置状態を示し、(c)は、通常モードのみを行った場合のキュベットの配置状態を示す図である。
【図5】実施の形態2に係る測定装置の要部平面図である。
【図6】実施の形態3に係る測定装置の要部平面図である。
【図7】実施の形態4に係る測定装置の要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、この発明の各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、これら各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る測定装置は、試料を収容した反応容器を搬送する複数のラインを備え、当該複数のラインにおいて反応容器を搬送させつつ、試料に含まれる所定物質を測定するものである。また、各実施の形態に係る測定方法は、試料を収容した反応容器を搬送させつつ、試料に含まれる所定物質を測定するものである。
【0024】
各実施の形態に係る測定装置及び測定方法の具体的な適用分野は、特記する場合を除いて任意であり、例えば、医療分野において、複数種類の標的物質を含有する試料の中から所望の物質を分離・同定して分析を行うための自動免疫測定装置及び自動免疫測定方法に適用することができる。以下の実施の形態では、本発明を、標識物質に酵素を用いるEIA(Enzyme Immunoassay:酵素免疫測定法)測定法によって血液等の試料の分析を実施するための自動免疫測定装置及び自動免疫測定方法に適用した場合について説明する。
【0025】
また、この種の測定装置及び測定方法としては、反応容器を測定後に洗浄して次の測定に繰り返し使用する装置及び方法と、使い捨て用の反応容器(以下、キュベット)を測定後に廃棄する装置及び方法とがあり、本発明はこれらいずれの装置及び方法にも適用することができるが、以下では、本発明を、後者の装置及び方法に適用した場合について説明する。
【0026】
また、この種の測定方法としては、1ステップ法、ディレイ1ステップ法、2ステップ法、希釈2ステップ法、競合法等があり、測定に用いる固相としては、各種磁性粒子、ポリスチレン粒子、ラテックス粒子等を使用することができる。本発明はこれらいずれの方法についても適用することができるが、以下では、本発明を、固相に磁性粒子を用い、標識物質を酵素とし、基質として発光基質を用いて試料中の抗原を測定する希釈2ステップ法に適用した場合について説明する。この希釈2ステップ法では、概略的に、1)試料に対して希釈等の前処理を行う「前処理工程」、2)試料に第1試薬を分注すること等により、試料に含有される標的物質(抗原)を、磁性粒子に結合した第1抗体と反応させることで、標的物質を第1抗体に結合させる「第1反応工程」、3)第1反応工程で生成された磁性粒子との複合体に第2試薬(酵素標識抗体)を分注すること等により、酵素標識抗体(第2抗体)とを反応させることで、磁性粒子との複合体と、酵素標識抗体(第2抗体)とを結合させる「第2反応工程」、4)第2反応工程で生成された標識抗体との複合体に発光基質を分注すること等により、磁性粒子に複合体を形成して結合した酵素とを発光基質とを反応させる「酵素反応工程」、及び、5)酵素反応工程で発生する化学発光量を測光する「測定工程」を順次行う。その結果、測定工程で得られた発光量から標的物質(抗原)の量を測定することができる。
【0027】
各実施の形態に係る測定装置の特徴の一つは、概略的に、1)反応容器の内部で試料と試薬とを反応させる複数の反応ラインと、各反応ラインで反応された反応容器の試料を対象に標的物質を測定する測定ラインとを、相互に分離し、2)さらに、測定ラインにおける反応容器の搬送速度を、複数の反応ラインにおける反応容器の搬送速度よりも速くした点にある。このように、複数の反応ラインと測定ラインとを相互に分離することで、反応工程における反応容器の搬送速度と、測定工程における反応容器の搬送速度とを、相互に異なる搬送速度にすることが可能になる。また、測定ラインにおける反応容器の搬送速度を、複数の反応ラインにおける反応容器の搬送速度よりも速くすることで、各反応ラインのスループットよりも測定ラインのスループットを高めることができ、各反応ラインで反応を終えた反応容器を遅滞なく測定ラインに移動することが可能となるので、全体のスループットが低下することを防止することが可能となる。
【0028】
以下では、スループットとは、反応ラインや測定ラインから処理を終えて搬出されるキュベットの単位時間当たりの数(単位:個/時間)を意味するものとする。ここで、スループットが低下するとは、反応工程のスループットが、当該反応工程における最大のスループットより低くなることを意味し、例えば、反応ラインの最大のスループットが240個/時間であるにも関わらず、実際の反応ラインのスループットが最大240個/時間より低い場合には、スループットが低下していることになる。換言すれば、この場合において、実際の反応ラインのスループットが最大240個/時間であれば、スループットが低下することを防止できていることになる。
【0029】
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、各実施の形態の具体的内容について説明する。各実施の形態に係る測定装置と測定方法について順次説明する。
【0030】
〔実施の形態1〕
まず実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、第1反応ラインと第2反応ラインを相互に異なる円盤状のテーブルに設けた形態である。
【0031】
(構成−全体)
まず、測定装置の全体構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る測定装置の要部平面図である。この測定装置1は、自動免疫測定装置であり、概略的には、ベース面2の上部に測定機構3を配置して構成されており、この測定機構3にてキュベット(図示省略)を所定の複数位置に順次搬送し、これら各位置において各種の所定操作を行うことで測定を行い、測定後にキュベットを廃棄するものである。なお、測定装置1の構成については、特記する構成を除いて、公知の自動免疫測定装置の構成を採用することができる。
【0032】
この測定機構3は、キュベット供給部4、試料供給部5、チップ供給部6、試薬設置部7、第1キュベット搬送部8、第2キュベット搬送部9、第3キュベット搬送部10、試料搬送部11、チップ搬送部12、第1試薬分注部13、第2試薬分注部14、第1テーブル15、及び第2テーブル16を備えて構成されている。
【0033】
キュベット供給部4は、使用前の複数のキュベットを収容して整列させる収容整列手段であり、例えば、パーツフィーダとして構成される。試料供給部5は、測定前の複数の試料を収容して整列させる試料収容整列手段であり、例えば、複数の試料が整列して収容されたラック(図示省略)を搬送する試料ラックローダとして構成される。チップ供給部6は、試料の吸引に使用する使い捨て用のチップを収容して整列させるチップ収容整列手段であり、例えば、パーツフィーダとして構成される。試薬設置部7は、複数の試薬を収容した容器(ここでは、磁性粒子液ボトル、標識体液ボトル、前処理液ボトル、検体希釈液ボトル等。いずれも図示省略)を整列状態で収容する試薬収容手段であり、特に、磁性粒子液ボトルを攪拌する機能を有する。
【0034】
第1キュベット搬送部8は、キュベット供給部4に収容されているキュベットを、後述する前処理ライン20及び第1反応ライン30に搬送するキュベット搬送手段である。第2キュベット搬送部9は、キュベットを第1反応ライン30、第2反応ライン40から後述する測定ライン50に搬送するキュベット搬送手段である。第3キュベット搬送部10は、キュベットを第1反応ライン30から第2反応ライン40に搬送するキュベット搬送手段である。これら第1キュベット搬送部8、第2キュベット搬送部9、及び第3キュベット搬送部10は、ステップモータ等を用いた公知のロボットアームとして構成されている。
【0035】
試料搬送部11は、試料供給部5にて搬送されたラックを所定の試料分注位置(チップ搬送部12の近傍位置)まで搬送する試料搬送手段であり、例えば、試料が整列状に収容されたラック(図示省略)を搬送する試料ラックローダとして構成される。チップ搬送部12は、チップ供給部6に収容されているチップを取得し、当該チップを介して試料搬送部11で搬送されたラックから試料を吸引し、当該吸引した試料を前処理ライン20及び第1反応ライン30に配置されたキュベットに吐出する。第1試薬分注部13は、試薬設置部7に収容された容器から、前処理ライン20、第1反応ライン30、及び第2反応ライン40に配置されたキュベットに、試薬を分注する。第2試薬分注部14は、試薬設置部7に収容された容器から、第1反応ライン30、第2反応ライン40に配置されたキュベットに、試薬を分注する。これらチップ搬送部12、第1試薬分注部13、及び第2試薬分注部14は、ステップモータ等を用いた公知のロボットアームに、ポンプを用いた吸引機構を組み合わせて構成されている。
【0036】
第1テーブル15は、複数のキュベットを搬送する搬送ラインであり、その内周に前処理ライン20が設けられると共に、その外周に第1反応ライン30が設けられている。前処理ライン20は、試料の前処理や希釈を行うラインである。第1反応ライン30は、試料と磁性粒子との反応を行い、あるいはこの反応による反応物と標識抗体との反応を行うラインである。これら前処理ライン20と第1反応ライン30は、相互に同心円状に配置された円環状体として形成されており、この円環状体にはキュベットを上方から着脱自在に収容するための複数の孔部が形成されていて、この円環状体を、パルスモータ等を用いた図示しない公知の駆動機構を介して相互に同一又は異なる搬送速度(回転速度)で回転させることが可能となっている。なお、これら前処理ライン20と第1反応ライン30の詳細については後述する。
【0037】
第2テーブル16は、複数のキュベットを搬送する搬送ラインであり、その外周に第2反応ライン40が設けられると共に、その内周に測定ライン50が設けられている。第2反応ライン40は、試料と磁性粒子を反応させた反応物と、標識抗体との反応を行うラインである。測定ライン50は、標識抗体と基質との酵素反応と、酵素反応による生成物から化学発光で生じた光の光量を検出するラインである。これら第2反応ライン40と測定ライン50は、相互に同心円状に配置された円環状体として形成されており、この円環状体にはキュベットを上方から着脱自在に収容するための複数の孔部が形成されていて、この円環状体を、相互に同一又は異なる搬送速度(回転速度)で回転させることが可能となっている。なお、これら第2反応ライン40と測定ライン50の詳細については後述する。
【0038】
(構成−搬送ライン)
次に、搬送ラインについてさらに詳細に説明する。図2は、第1テーブル15の拡大平面図、図3は、第2テーブル16の拡大平面図である。前処理ライン20は、30個のキュベットを円周状に相互に等間隔で配置可能であり、これらキュベットを15秒間隔で図示時計周り方向に間欠的に搬送することで、450秒(=30×15秒)で1回転する。以下では、必要に応じて、前処理ライン20におけるキュベットの各位置(間欠搬送においてキュベットが一時的に停止する位置。以下同じ)に、P1から時計周りに順次一つずつ増分する番号を付して説明する(ただし、図示簡便化のため、各図では「P」は省略して示し、さらに引き出し線を省略することで、他の構成要素に対する同一数値による符号と区別する。この点、第1反応ライン30、第2反応ライン40、及び測定ライン50において同じである)。なお、前処理ラインは、任意の回転方向(時計回り、又は反時計回り)で動作させることができる。
【0039】
第1反応ライン30及び第2反応ライン40の各々は、60個のキュベットを円周状に相互に等間隔で配置可能であり、これらキュベットを15秒間隔で図示時計周り方向に間欠的に搬送することで、900秒(=60×15秒)で1回転する。以下では、必要に応じて、第1反応ライン30におけるキュベットの位置に、初期の位置P1から最終の位置P60まで順次番号を付し、第2反応ライン40におけるキュベットの位置に、初期の位置P61から最終の位置P120まで順次番号を付して説明する。
【0040】
これら第1反応ライン30と第2反応ライン40には、集磁部60〜75、洗浄液吐出吸引部80〜87、攪拌部90〜97、及び基質分注部100、101が図示のようにそれぞれ複数設けられている。集磁部60〜75は、キュベットに対して外部から磁石の磁力を印加し、キュベットの内壁面に磁性粒子を集磁するものである。洗浄液吐出吸引部80〜87は、図示しない洗浄液タンクから供給される洗浄液をポンプを介してキュベットに吐出し、当該吐出した洗浄液をポンプを介して吸引することにより、キュベットの内部の磁性粒子を洗浄するものである。攪拌部90〜97は、キュベットを当該キュベットの中心軸周りにモータを介して自転させ、あるいはキュベットに対して振動バイブレータを介して加振することで、キュベットの内部の磁性粒子を分散させるものである。基質分注部100、101は、図示しない基質液タンクから供給される基質液をポンプを介してキュベットに分注するものであり、さらに、基質液の分注後に、攪拌部90〜97と同様にキュベットを攪拌するものである。
【0041】
測定ライン50は、40個のキュベットを円周状に相互に等間隔で配置可能であり、これらキュベットを7.5秒間隔で図示時計周り方向に間欠的に搬送することで、300秒(=40×7.5秒)で1回転する。以下では、必要に応じて、測定ライン50におけるキュベットの位置に、初期の位置P121から最終の位置P160まで順次番号を付して説明する。この測定ライン50には、位置P153に、測定部110が設けられている。この測定部110は、酵素反応による生成物から化学発光で生じた微弱な光の光量を測定するものであり、より具体的には、光電子倍増管により光子の数をフォトンカウントするものである。
【0042】
なお、ここでは、説明の便宜上、搬送ラインを、前処理ライン20、第1反応ライン30、第2反応ライン40、及び測定ライン50に大別しているが、このようなラインの名称は、各ラインで行われる処理を厳密に定義するものではない。例えば、第1反応ライン30において、反応に関する処理以外の処理(例えば、前処理の一部)を行ってもよく、あるいは、第1反応ライン30以外のラインにおいて第1反応工程の処理の一部を行ってもよい。
【0043】
(測定方法)
次に、上記のように構成された測定装置1を用いて行われる測定方法について説明する。この測定方法は、実際には測定プログラムとしてプログラム化され、この測定プログラムは図示しない任意の記録媒体を介してあるいはインターネットを含む任意のネットワークを介して、測定装置1における図示しない記憶部にインストールされている。そして、測定装置1の図示しない制御部は、ユーザからの所定の起動指示を図示しない入力手段を介して受け付けた場合に、この測定プログラムを解釈実行することで測定方法を自動的に実行する。
【0044】
この測定方法では、通常モードと時短モードのいずれか一方で測定を行い、あるいは、これら通常モードと時短モードを混在させて測定を行うことが可能である。以下では、これら通常モードと時短モードを混在させて測定を行う場合について説明する。
【0045】
通常モードとは、反応容器の内部で試料と試薬とを、所定の反応時間で反応を行わせるモードであり、概略的には、第1反応ライン30により第1反応工程を約8分、第2反応ライン40により第2反応工程を約8分、測定ライン50により酵素反応工程を約4分行い、計約20分の反応を行う。より具体的には、通常モードでは、「前処理工程」を前処理ライン20の位置P1から位置P30、「第1反応工程」を第1反応ライン30の位置P1から位置P33(32間欠間隔×15秒=約8分)、「第2反応工程」を第2反応ライン40の位置P72から位置P103(31間欠間隔×15秒=約8分)、「酵素反応工程」を測定ライン50の位置P121から位置P152(31間欠間隔×7.5秒=約4分)において、それぞれ行う。その後、「測定工程」を測定ライン50の位置P153で行う。
【0046】
一方、時短モードとは、通常モードよりも短い所定の反応時間で反応を行わせるモードであり、時短モード専用の試薬で使用されるモードであって、概略的には、第1反応ライン30による第1反応工程を4分、第1反応ライン30による第2反応工程を4分、主として測定ライン50による酵素反応工程を4分行い、計12分の反応を行う。より具体的には、時短モードでは、「前処理工程」を前処理ライン20の位置P1から位置P30、「第1反応工程」を第1反応ライン30の位置P1から位置P17(16間欠間隔×15秒=4分)、「第2反応工程」を第1反応ライン30の位置P28から位置P44(16間欠間隔×15秒=4分)、「酵素反応工程」を測定ライン50の位置P121から位置P152(31間欠間隔×7.5秒=約4分)において、それぞれ行う。その後、「測定工程」を測定ライン50の位置P153で行う。
【0047】
ただし、このような各位置の各処理がいずれの工程に属するのかは、各処理の機能をどの工程の機能であると考えるかによって変わる可能性もあり、特に、磁性粒子の集磁、キュベットの洗浄、及びキュベットの攪拌については、上記説明した工程に対する前後いずれかの工程に属するものと考えてもよい。
【0048】
ここでは、上述したように、第1反応ライン30におけるキュベットの搬送速度(第1搬送速度)と、第2反応ライン40におけるキュベットの搬送速度(第2搬送速度)とを、それぞれ1ステップ/15秒(以下、15秒間隔と表記する)とし、測定ライン50におけるキュベットの搬送速度(第3搬送速度)を、1ステップ/7.5秒(以下、7.5秒間隔と表記する)(第1搬送速度と第2搬送速度の公倍数の搬送速度であり、整数倍の搬送速度)とする。ただし、第1反応ライン30及び第2反応ライン40におけるキュベットの15秒間隔での間欠搬送動作と、測定ライン50におけるキュベットの7.5秒間隔での間欠搬送動作については、説明を省略する。
【0049】
(測定方法−通常モード)
最初に、通常モードによる測定方法について説明する。具体的には、通常モードでは、前処理ライン20の位置P27にキュベット搬送部8を介して新しいキュベットを供給する。その後、位置P30で試薬分注部13を介し希釈液を分注する。ついで位置P1でチップ供給部6より新しいチップを取得し、試料搬送部11で搬送されたラックから試料を吸引し、希釈液の入っているキュベットに試料を分注し、その後撹拌を行う。
【0050】
同時に第1反応ライン30の位置P58に、第1キュベット搬送部8を介して、キュベット供給部4から新しいキュベットを供給する。その後、位置P60で、第1試薬分注部13を介して、試薬設置部7に設置した磁性粒子液ボトルから磁性粒子液をキュベットに分注する。次いで、位置P1で、前処理ライン20の位置P1から希釈した試料を吸引し、この吸引した試料をキュベットに吐出した後、位置P2、P3の各々で、攪拌部90、91を介してキュベットを攪拌する。
【0051】
その後、位置P33で、第3キュベット搬送部10を介して第2反応ライン40の位置P120にキュベットを搬送する。次いで、第2反応ライン40の位置P61、P62の各々で、集磁部68、69を介してキュベットの内部の磁性粒子を集磁した後、位置P63、P64の各々で、洗浄部84を介してキュベットの内部に洗浄液を吐出吸引することにより、磁性粒子の洗浄を行う。次いで、位置P65で、攪拌部95を介してキュベットを攪拌し、位置P67、P68の各々で、集磁部70、71を介して磁性粒子を再び集磁した後、位置P69、P70の各々で、洗浄部85を介して磁性粒子を洗浄する。
【0052】
その後、位置P71で、第2試薬分注部14を介して、試薬設置部7に設置した標識体液ボトルより標識体液をキュベットに分注し、位置P72で、攪拌部96を介してキュベットを攪拌し、位置P104、P105の各々で、集磁部72、73を介して磁性粒子を集磁した後、位置P106、P107の各々で、洗浄部86を介して磁性粒子を再び洗浄する。同様に、位置P108で、攪拌部97を介してキュベットを攪拌し、位置P110、P111の各々で、集磁部74、75を介して磁性粒子を集磁し、位置P112、P113の各々で、洗浄部87を介して磁性粒子を再び洗浄する。
【0053】
その後、位置P114で、基質分注部101を介して、基質液をキュベットに分注した後に、キュベットを攪拌して磁性粒子を分散させ、位置P115で、第2キュベット搬送部9を介して、測定ライン50の位置P121にキュベットを搬送し、この測定ライン50の位置P121〜P152の各々で、酵素反応を行い、位置P153において、測光部110を介して測光を行う。これにて通常モードでの測定が終了する。
【0054】
(測定方法−時短モード)
次に、時短モードによる測定方法について説明する。まず、反応ライン1の位置P2、P3の各々で、攪拌部を介してキュベットを攪拌するまでは、通常モードと同様に処理を行う。この攪拌の後、位置P17、18の各々で、集磁部60、61を介して磁性粒子を集磁した後、位置P19、20の各々で、洗浄部80を介して磁性粒子を洗浄し、位置21で、攪拌部92を介してキュベットを攪拌し、位置P23、P24の各々で、集磁部62、63を介して磁性粒子を集磁した後、位置P25、26の各々で、洗浄部81を介して磁性粒子を再び洗浄する。
【0055】
その後、位置P27で、第2試薬分注部14を介して、試薬設置部7に設置した標識体液ボトルより標識体液をキュベットに分注し、位置P28で、攪拌部93を介してキュベットを攪拌し、位置P44、P45の各々で、集磁部64、65を介して磁性粒子を集磁した後、位置P46、P47の各々で、洗浄部82を介して磁性粒子を再び洗浄する。次いで、位置P48で、攪拌部94を介してキュベットを攪拌し、位置P50、P51の各々で、集磁部66、67を介して磁性粒子を集磁した後、位置P52、P53の各々で、洗浄部83を介して磁性粒子を再び洗浄する。
【0056】
その後、位置P54で、基質分注部100を介して、基質液をキュベットに分注した後、キュベットを攪拌して磁性粒子を分散させ、位置P55で、第2キュベット搬送部9を介して、測定ライン50の位置P121にキュベットを搬送し、この測定ライン50の位置P121〜P152の各々で、酵素反応を行い、位置P153において、測光部110を介して測光を行う。これにて時短モードでの測定が終了する。
【0057】
(測定方法−通常モードと時短モードとの相互の関係)
次に、これら通常モードと時短モードとの相互の関係について説明する。まず、通常モードでは、上述のように、第1反応ライン30で反応工程の一部を行い、第2反応ライン40でその残りの反応工程を行う。ここで、第1反応ライン30と第2反応ライン40のいずれにおいても、15秒間隔で間欠搬送を行っているので、通常モードにより第1反応工程及び第2反応工程を終えたキュベットは、第2反応ライン40から最大で15秒間隔で排出されることになる。一方、時短モードでは、第1反応ライン30のみで反応工程の全てを行う。ここで、第1反応ライン30は、15秒間隔で間欠搬送を行っているので、時短モードにより第1反応工程及び第2反応工程を終えたキュベットは、第1反応ライン30から最大で15秒間隔で排出されることになる。
【0058】
このため、通常モードと時短モードを混在させて測定を行っている場合であって、これら通常モードで測定するキュベットと時短モードで測定するキュベットを相互に同数とした場合には、時短モードで測定するキュベットが第1反応ライン30から最大で15秒間隔で排出され、通常モードで測定する第2反応ライン40から最大で15秒間隔で排出される。ここで、測定ライン50は、15秒の半分の7.5秒の間隔でキュベットを搬送するため、第1反応ライン30から最大で15秒間隔で排出されたキュベットと、第2反応ライン40から最大で15秒間隔で排出されたキュベットの両方を、交互に受け入れることが可能になる。
【0059】
図4は、キュベットが配置された測定ライン50の要部拡大平面図であり、(a)は、通常モードと時短モードを同じ比率で混在させた場合のキュベットの配置状態を示し、(b)は、時短モードのみを行った場合のキュベットの配置状態を示し、(c)は、通常モードのみを行った場合のキュベットの配置状態を示す図である。
【0060】
通常モードと時短モードを同じ比率で混在させた場合には、図4(a)に示すように、測定ライン50には、第2反応ライン40で処理を終えたキュベットと、第1反応ライン30で処理を終えたキュベットとが、交互に連続的に配置されることになる。従って、第1反応ライン30と第2反応ライン40とをそれぞれ最速の搬送間隔で動作させることができ、15秒間隔のスループットを低下させることなく測定を行うことが可能となる。
【0061】
一方、通常モードのみを行った場合には、図4(c)に示すように、測定ライン50には、第1反応ライン30で処理を終えたキュベットは配置されないため、第2反応ライン40で処理を終えたキュベットのみが、キュベット一つ分の間隔を空けて配置されることになる。あるいは、時短モードのみを行った場合には、図4(b)に示すように、測定ライン50には、第2反応ライン40で処理を終えたキュベットは配置されないため、第1反応ライン30で処理を終えたキュベットのみが、キュベット一つ分の間隔を空けて配置されることになる。
【0062】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、第1反応ライン30において、キュベットを第1搬送速度で搬送させつつ試料と試薬とを反応させ、第2反応ライン40において、キュベットを第2搬送速度で搬送させつつ試料と試薬とを反応させた後、測定ライン50において、これらのキュベットの内部の試料に含まれる所定物質を第1搬送速度及び第2搬送速度よりも速い第3搬送速度で搬送しつつ測定するので、第1反応ライン30と第2反応ライン40との各々で試料と試薬とを反応させた反応容器を遅滞なく測定することができ、反応時の搬送速度を測定時の搬送速度に合わせる必要がなくなるため、第1反応ライン30と第2反応ライン40のスループットが低下することを防止することが可能になる。
【0063】
また、第3搬送速度を、第1搬送速度と第2搬送速度との公倍数の搬送速度としたので、第1反応ライン30から測定ライン50に搬送されるキュベットと、第2反応ライン40から測定ライン50に搬送されるキュベットとが、測定ライン50の同じ空き位置に同時に搬送されて干渉することを防止することができる。
【0064】
また、第1搬送速度と第2搬送速度とを、相互に同じ搬送速度とし、第3搬送速度を、第1搬送速度と第2搬送速度との整数倍の搬送速度としたので、第1反応ライン30から測定ライン50に搬送されるキュベットと、第2反応ライン40から測定ライン50に搬送されるキュベットとが、測定ライン50の同じ空き位置に同時に搬送されて干渉することを防止することができる。
【0065】
また、第1反応ライン30及び第2反応ライン40において通常モードにおける免疫反応の全てが行われた試料と、第1反応ライン30において時短モードにおける免疫反応の全てが行われた試料とを対象として、これら試料に含まれる所定物質を測定ライン50で遅滞なく測定することができ、通常モードと時短モードを混在させた場合であっても、第1反応ライン30と第2反応ライン40のスループットが低下することを防止することが可能になる。
【0066】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、反応ラインを一つのみ設けた形態である。特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する(実施の形態3〜4においても同じ)。
【0067】
(構成)
図5は、実施の形態2に係る測定装置の要部平面図である。この測定装置200は、実施の形態1の第1テーブル15及び第2テーブル16に代えて、第1テーブル201、第2テーブル202、及び第3テーブル203を備えて構成されている。第1テーブル201には前処理ライン204、第2テーブル202には反応ライン205と試薬設置部206、第3テーブル203には測定ライン207がそれぞれ設けられている。なお、図5においては、各ラインの相互間等でキュベットを搬送するための搬送部や、試薬の分注を行う試薬分注部を省略して示す(後述する図6、7において同じ)。
【0068】
前処理ライン204は、試料の前処理や希釈を行うラインである。反応ライン205は、試料と磁性粒子との反応を行い、あるいはこの反応による反応物と標識抗体との反応を行うラインであり、キュベットを15秒間隔で図示時計周り方向に間欠的に搬送する。測定ライン207は、標識抗体と基質との酵素反応と、酵素反応による生成物から化学発光で生じた光の光量を検出するラインであり、キュベットを7.5秒間隔で図示時計周り方向に間欠的に搬送する。
【0069】
(測定方法)
このように構成された測定装置200において、前処理ライン204で前処理を終えたキュベットが反応ライン205に搬送される。この反応ライン205において、通常モードのキュベットは、反応ライン205を約1周する間に第1反応工程及び第2反応工程が行われ、測定ライン207に搬送されて酵素反応工程と測定工程が行われ、時短モードのキュベットは、反応ライン205を約半周する間に第1反応工程及び第2反応工程が行われ、測定ライン207に搬送されて酵素反応工程と測定工程が行われる。
【0070】
例えば、通常モードと時短モードを混在させて測定を行っている場合には、反応ライン205の初期位置には、通常モードのキュベットと時短モードのキュベットが交互にセットされ、通常モードのキュベットは反応ライン205の最終位置近傍で最大で15秒間隔で測定ライン207に搬送され、時短モードで測定するキュベットは反応ライン205の中央位置近傍で最大で15秒間隔で測定ライン207に搬送される。
【0071】
測定ライン207は、15秒の半分の7.5秒の間隔でキュベットを搬送するため、反応ライン205から最大で15秒間隔で排出された通常モードのキュベットと、反応ライン205から最大で15秒間隔で排出された時短モードのキュベットの両方を、交互に受け入れることが可能になる。
【0072】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、反応ライン205を一つのみ設けた場合であっても、反応ライン205から通常モードで排出されるキュベットと時短モードで排出されるキュベットの両方を、測定ライン207において遅滞なく受け入れることが可能になり、反応ライン205のスループットが低下することを防止することが可能になる。
【0073】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、第1反応ラインと第2反応ラインを相互に異なる直線状の搬送機構として設けた形態である。
【0074】
(構成)
図6は、実施の形態3に係る測定装置の要部平面図である。この測定装置300は、実施の形態1の第1テーブル15及び第2テーブル16に代えて、第1テーブル301、第1反応ライン302、第2反応ライン303、第2テーブル304、及び試薬設置部305、306を備えて構成されている。第1テーブル301には前処理ライン307、第2テーブル304には測定ライン308がそれぞれ設けられている。
【0075】
前処理ライン307は、試料の前処理や希釈を行うラインである。第1反応ライン302と第2反応ライン303の各々は、試料と磁性粒子との反応を行い、あるいはこの反応による反応物と標識抗体との反応を行うラインであり、ここでは、キュベットを水平方向に沿って直線状に搬送する直線搬送機構として構成されており、キュベットを15秒間隔で図示矢印方向に間欠的に搬送する。測定ライン308は、標識抗体と基質との酵素反応と、酵素反応による生成物から化学発光で生じた光の光量を検出するラインであり、キュベットを7.5秒間隔で図示時計周り方向に間欠的に搬送する。
【0076】
(測定方法)
このように構成された測定装置300において、前処理ライン307で前処理を終えたキュベットが第1反応ライン302に搬送される。この第1反応ライン302において、通常モードのキュベットは、第1反応ライン302を初期位置から約半分程度進む間に第1反応工程が行われた後、第2反応ライン303に搬送されてその初期位置から最終位置近傍まで進む間に第2反応工程が行われ、さらに測定ライン308に搬送されて酵素反応工程と測定工程が行われる。また、時短モードのキュベットは、第1反応ライン302を初期位置から最終位置近傍まで進む間に第1反応工程及び第2反応工程が行われた後、測定ライン308に搬送されて酵素反応工程と測定工程が行われる。
【0077】
例えば、通常モードと時短モードを混在させて測定を行っている場合には、第1反応ライン302の初期位置には、通常モードのキュベットと時短モードのキュベットが交互にセットされ、通常モードのキュベットは第2反応ライン303の最終位置近傍で最大で15秒間隔で測定ライン308に搬送され、時短モードで測定するキュベットは第1反応ライン302の最終位置近傍で最大で15秒間隔で測定ライン308に搬送される。
【0078】
測定ライン308は、15秒の半分の7.5秒の間隔でキュベットを搬送するため、第1反応ライン302から最大で15秒間隔で排出された時短モードのキュベットと、第2反応ライン303から最大で15秒間隔で排出された通常モードのキュベットの両方を、交互に受け入れることが可能になる。
【0079】
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、第1反応ライン302と第2反応ライン303を相互に異なる直線状の搬送機構として設けた場合であっても、第1反応ライン302から排出される時短モードのキュベットと、第2反応ライン303から排出される通常モードのキュベットの両方を、測定ライン308において遅滞なく受け入れることが可能になり、第1反応ライン302と第2反応ライン303のスループットが低下することを防止することが可能になる。
【0080】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4について説明する。この実施の形態4は、第1反応ラインを円盤状のテーブルに設けると共に、第2反応ラインを直線状の搬送機構として設けた形態である。
【0081】
(構成)
図7は、実施の形態4に係る測定装置の要部平面図である。この測定装置400は、実施の形態1の第1テーブル15及び第2テーブル16に代えて、第1テーブル401、第1反応ライン402、第2テーブル403、及び試薬設置部404、405を備えて構成されている。第1テーブル401には前処理ライン406、第2テーブル403には、その外周に第2反応ライン407が配置され、その内周に測定ライン408が配置されている。
【0082】
前処理ライン406は、試料の前処理や希釈を行うラインである。第1反応ライン402と第2反応ライン407の各々は、試料と磁性粒子との反応を行い、あるいはこの反応による反応物と標識抗体との反応を行うラインである。ここでは、第2反応ライン407は、実施の形態1の第1反応ライン30と同様に、キュベットを15秒間隔で図示時計周り方向に間欠的に搬送する回転搬送機構として構成されており、第1反応ライン402は、実施の形態3の第2反応ライン303と同様に、キュベットを水平方向に沿って直線状に搬送する直線搬送機構として構成されており、キュベットを15秒間隔で図示矢印方向に間欠的に搬送する。測定ライン408は、標識抗体と基質との酵素反応と、酵素反応による生成物から化学発光で生じた光の光量を検出するラインであり、キュベットを7.5秒間隔で図示時計周り方向に間欠的に搬送する。
【0083】
(測定方法)
このように構成された測定装置400において、前処理ライン406で前処理を終えたキュベットが第1反応ライン402に搬送される。この第1反応ライン402において、通常モードのキュベットは、第1反応ライン402を初期位置から約半分程度進む間に第1反応工程が行われた後、第2反応ライン407に搬送されてその初期位置から最終位置近傍まで進む間に第2反応工程が行われ、さらに測定ライン408に搬送されて酵素反応工程と測定工程が行われる。また、時短モードのキュベットは、第1反応ライン402を初期位置からほぼ最終位置まで進む間に第1反応工程及び第2反応工程が行われた後、測定ライン408に搬送されて酵素反応工程と測定工程が行われる。
【0084】
例えば、通常モードと時短モードを混在させて測定を行っている場合には、第1反応ライン402の初期位置には、通常モードのキュベットと時短モードのキュベットが交互にセットされ、通常モードのキュベットは第2反応ライン407の最終位置近傍で最大で15秒間隔で測定ライン408に搬送され、時短モードで測定するキュベットは第1反応ライン402の最終位置近傍で最大で15秒間隔で測定ライン408に搬送される
【0085】
測定ライン408は、15秒の半分の7.5秒の間隔でキュベットを搬送するため、第1反応ライン402から最大で15秒間隔で排出された時短モードのキュベットと、第2反応ライン407から最大で15秒間隔で排出された通常モードのキュベットの両方を、交互に受け入れることが可能になる。
【0086】
(実施の形態4の効果)
このように実施の形態4によれば、第2反応ライン407を円盤状のテーブルに設けると共に、第1反応ライン402を直線状の搬送機構として設けた場合であっても、第1反応ライン402から排出された時短モードのキュベットと、第2反応ライン407から排出された通常モードのキュベットの両方を、測定ライン408において遅滞なく受け入れることが可能になり、第1反応ライン402と第2反応ライン407のスループットが低下することを防止することが可能になる。
【0087】
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0088】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0089】
(前処理ライン及び前処理工程について)
前処理工程は、実施する測定方法の種類によっては省略することもでき、この場合には、前処理ライン20を省略してもよい。あるいは、前処理工程を実施する場合であっても、この前処理工程を、第1反応ライン30や第2反応ライン40において行うようにし、前処理ライン20を省略してもよい。
【0090】
(ライン構成について)
前処理ライン20、第1反応ライン30、第2反応ライン40、及び測定ライン50は、上記各実施の形態で説明したように、平面円盤状や平面直線状の他、任意のライン形状で構成することができ、例えば、垂直方向に沿ってキュベットを搬送しつつ各工程を行うようなライン形状を採用することもできる。また、前処理ライン20、第1反応ライン30、第2反応ライン40、及び測定ライン50としては、相互に異なる平面形状や構造のラインを組み合わせることもできる。
【0091】
(測定モードについて)
上記各実施の形態では、測定モードとして、通常モードと時短モードの2種類の測定モードで測定を行うものとして説明したが、一つのモードのみで測定を行ってもよく、あるいは、3つ以上のモードで測定を行ってもよい。例えば、一つのモードのみで測定を行う場合の例として、第1反応ライン30と第2反応ライン40を、それぞれ時短モードの反応のみを15秒間隔で行うラインとして構成し、第1反応ライン30から15秒間隔で排出されたキュベットと、第2反応ライン40から15秒間隔で排出されたキュベットとを、測定ライン50で7.5秒間隔で搬送するようにしてもよい。あるいは、3つのモードで測定を行う場合の例として、反応を30秒間隔で行う第1〜第3反応ラインを設け、時短モードを第1反応ライン30のみで行い、通常モードを第1反応ライン30と第2反応ライン40で行い、通常モードより長い時間で反応を行う延長モードを第1〜第3反応ラインで行い、第1〜第3反応ラインの各々から30秒間隔で排出されたキュベットを、測定ライン50で10秒間隔で搬送するようにしてもよい。
【0092】
(搬送速度について)
上記各実施の形態においては、第1反応ライン30の第1搬送速度と、第2反応ライン40の第2搬送速度とを、相互に同一の速度とした上で、測定ライン50の第3搬送速度を、これら第1搬送速度や第2搬送速度の2倍にしているが、このような関係に限定されることなく各搬送速度を設定することができる。
【0093】
例えば、測定ライン50の第3搬送速度は、第1反応ライン30の第1搬送速度と、第2反応ライン40の第2搬送速度の2倍に限定されず、少なくとも第1搬送速度及び第2搬送速度より速ければよい。具体的としては、第1搬送速度を1ステップ/40秒(60秒間隔)とし、第2搬送速度を1ステップ/30秒(40秒間隔)とし、第3搬送速度を1ステップ/10秒(10秒間隔)としてもよい。この場合には、第1反応ライン30から排出されたキュベットと第2反応ライン40から排出されたキュベットを、測定ライン50に遅滞なく搬送することができる。ただし、この場合には、測定ライン50のスペースに空きが生じることになる。また、第1反応ライン30から排出されたキュベットと第2反応ライン40から排出されたキュベットを同時に測定ライン50に搬送する必要が生じ得るが、この場合には、測定ライン50の異なる空き位置にキュベットを搬送可能にすることで、キュベット同士が干渉することを防止してもよい。
【0094】
あるいは、このようなキュベット同士の干渉を防止するためには、第3搬送速度は、第1搬送速度と第2搬送速度の公倍数にすることが好ましい。例えば、第1搬送速度を1ステップ/45秒(45秒間隔)とし、第2搬送速度を1ステップ/30秒(30秒間隔)とし、第3搬送速度を1ステップ/15秒(15秒間隔)としてもよい。また、同様の理由により、第1反応ライン30の第1搬送速度と、第2反応ライン40の第2搬送速度とを、相互に同一の速度とした場合には、測定ライン50の第3搬送速度は、第1搬送速度や第2搬送速度の整数倍にすることが好ましい。
【0095】
特に、測定ライン50のスペース効率を高めるためには、第3搬送速度は、第1搬送速度と第2搬送速度の最少公倍数(第1反応ライン30の第1搬送速度と、第2反応ライン40の第2搬送速度とを、相互に同一の速度とした場合には、2倍)にすることが好ましい。
【0096】
(搬送方法について)
上記各実施の形態においては、キュベットを間欠搬送するものとして説明したが、間欠搬送に限定されず、連続搬送してもよい。
【符号の説明】
【0097】
1、200、300、400 測定装置
2 ベース面
3 測定機構
4 キュベット供給部
5 試料供給部
6 チップ供給部
7、206、305、306、404、405 試薬設置部
8 第1キュベット搬送部
9 第2キュベット搬送部
10 第3キュベット搬送部
11 試料搬送部
12 チップ搬送部
13 第1試薬分注部
14 第2試薬分注部
15、201、301、401 第1テーブル
16、202、304、403 第2テーブル
20、204、307、406 前処理ライン
30、302、402 第1反応ライン
40、303、407 第2反応ライン
50、207、308、408 測定ライン
60〜75 集磁部
80〜87 洗浄液吐出吸引部
90〜97 攪拌部
100、101 基質分注部
110 測定部
203 第3テーブル
205 反応ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を収容した反応容器を搬送する複数のラインを備え、当該複数のラインにおいて前記反応容器を搬送させつつ前記試料に含まれる所定物質を測定する測定装置であって、
前記複数のラインとして、
前記反応容器の内部で前記試料と試薬とを反応させる反応ラインであって、前記反応容器を所定の搬送速度で搬送する反応ラインと、
前記反応ラインにおいて前記反応容器の内部で前記試薬と反応された前記試料を対象として、当該試料に含まれる前記所定物質を測定する測定ラインであって、前記反応ラインから搬送された反応容器を前記搬送速度よりも速い所定の搬送速度で搬送する測定ラインと、を備える、
測定装置。
【請求項2】
前記反応ラインとして、
前記反応容器を第1搬送速度で搬送する第1反応ラインと、
前記反応容器を第2搬送速度で搬送する第2反応ラインと、を備え、
前記測定ラインは、
第1反応ラインにおいて前記反応容器の内部で前記試薬と反応された前記試料と、前記第2反応ラインにおいて前記反応容器の内部で前記試薬と反応された前記試料とを対象として、これら試料に含まれる前記所定物質を測定する測定ラインであって、前記反応容器を前記第1搬送速度及び前記第2搬送速度よりも速い第3搬送速度で搬送する、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記第3搬送速度を、前記第1搬送速度と前記第2搬送速度との公倍数の搬送速度とした、
請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記第1搬送速度と前記第2搬送速度とを、相互に同じ搬送速度とし、
前記第3搬送速度を、前記第1搬送速度と前記第2搬送速度との整数倍の搬送速度とした、
請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
免疫測定法による測定を行う測定装置であって、
前記反応容器の内部で前記試料と前記試薬とを免疫反応させる反応モードとして、所定の反応時間で反応を行わせる通常モードと、この通常モードよりも短い所定の反応時間で反応を行わせる時短モードとが設定されており、
第1反応ラインは、前記通常モードにおける免疫反応の一部と、前記時短モードにおける免疫反応の全てを行うラインであり、
第2反応ラインは、前記通常モードにおける免疫反応の残りの全てを行うラインであり、
前記測定ラインは、前記第1反応ライン及び前記第2反応ラインにおいて前記通常モードにおける免疫反応の全てが行われた前記試料と、前記第1反応ラインにおいて前記時短モードにおける免疫反応の全てが行われた前記試料とを対象に測定を行うラインである、
請求項2から4のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項6】
試料を収容した反応容器を搬送させつつ前記試料に含まれる所定物質を測定する測定方法であって、
前記反応容器を所定の搬送速度で搬送させつつ前記反応容器の内部で前記試料と試薬とを反応させる反応工程と、
前記反応工程において前記反応容器の内部で前記試薬と反応された前記試料を対象として、これら試料に含まれる前記所定物質を測定する測定工程であって、前記反応容器を前記搬送速度よりも速い所定の搬送速度で搬送する測定工程と、
を含む測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−173180(P2012−173180A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36428(P2011−36428)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(306008724)富士レビオ株式会社 (55)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】