説明

測定装置

【課題】被測定物を比較的高い精度で簡易に測定でき、製造コストの低減も期し得る測定装置を提供する。
【解決手段】被測定物7を載置するテーブル9が、その中心Aを通る軸線回りに回転できる。テーブル9の前方側に、左右方向で移動する測定器17を有する。測定器17は、前後方向で進退する測定子19を具え、後退状態にある測定子19の先端の接触点20とテーブルの中心Aを通る左右方向の直線との間の距離が所要値に設定されている。測定器17は、左右方向で見た一端側位置22と他端側位置25で、被測定物7の前面12に向けて進行し、後退状態の接触点と被測定物の前面12との間の第1距離D1、第2距離D2を測定する。第1距離D1と第2距離D2が相違する場合は、一端側位置22と他端側位置25における、接触点20と前面12との間の距離が等しくなるようにテーブル9が回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械で加工されるワークや工作機械で所要に加工されたワーク等としての被測定物の表面形状の寸法を測定する測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作機械で加工されるワークや工作機械で所要に加工されたワーク等としての被測定物の表面形状の寸法を測定するための簡易な手段としては、ノギスやマイクロメータがあり、又、これらの寸法を測定する高度な手段としては、例えば特許文献1等が開示する三次元測定装置がある。
【0003】
ノギスやマイクロメータは、被測定物の任意の箇所を簡易に測定できる利点があったが、被測定物が特に大きい場合は、ノギスやマイクロメータの当接測定部を被測定物の所要部位に適切に当てるのが難しく、測定を正しく行なうことができない問題があった。又、ノギスやマイクロメータで被測定物の表面形状の各部の寸法を一つ一つ測定することは、多くの手間を要して作業能率が悪い問題があった他、測定精度にも限界があった。これに対して前記三次元測定装置は、測定箇所が定まっている量産物の測定を能率よく行なうことができる反面、多品種少量生産の生産物を測定する場合は、夫々の被測定物に応じて所要のプログラムを組まなければならず、準備作業に手間を要して測定の作業能率が悪い問題があった。
【0004】
加えて、ノギスやマイクロメータによっては角度の測定を直接行なうことができないために、被測定物が例えば平行四辺形状になっていないかどうかをチェックするためには、別途、直角定規を用いなければならず測定に面倒さが伴った。一方、三次元測定器は、被測定物の表面形状の寸法を正確に測定できるのは元より、平面度や直角度等の全ての測定を精度よく行なうことができる利点があったが、装置が非常に高価である問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2−12613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、多品種少量の被測定物であってもこれを比較的高い精度で簡易に測定できると共に、構造が簡素で製造コストの低減も期し得る測定装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
本発明に係る測定装置の第1の態様は、被測定物が載置されるテーブルを具え、該テーブルは、平面視で、その中心を通る上下方向の軸線回りに回転でき、該テーブル上に載置された該被測定物は、前後方向で見て前に位置する前面が、該前後方向と直交する左右方向に直線状に延長する姿勢を取り得る面として形成されている。そして、前記被測定物の前記前面の前方側に位置させて、前記左右方向で移動できる測定器が設けられ、該測定器の有する測定子の接触点は、当初は、前後方向で見て基準位置にあり、該接触点が前記テーブルの中心を通る前後方向の直線上に存するとした場合における、基準位置にある該接触点と該中心との間の距離が所要値に設定されている。該測定器が、前記左右方向で見た一端側に移動し、該一端側位置で、前記測定子が前記前面に向けて前後方向で相対的に進行し該測定子の接触点が、前記テーブル上の前記被測定物の前記前面に当接することにより、該当接した第1当接点と、基準位置にある該接触点との間の第1距離を測定できると共に、該測定器が、前記左右方向で見た他端側に移動し、該他端側位置で、前記測定子が前記前面に向けて前後方向で相対的に進行し該測定子の接触点が、前記テーブル上の前記被測定物の前記前面に当接することにより、該当接した第2当接点と、基準位置にある該接触点との間の第2距離を測定できるようになされている。そして、測定された該第1距離と該第2距離が相違する場合は、前記テーブルが前記軸線回りに所要角度分だけ回転することにより、前記一端側位置における、基準位置にある前記接触点と前記前面との間の前後方向距離と、前記他端側位置における、基準位置にある前記接触点と前記前面との間の前後方向距離とが等しくなるように補正が行なわれるようになされていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る測定装置の第2の態様は、被測定物が載置されるテーブルを具え、該テーブルは、平面視で、その中心を通る上下方向の軸線回りに回転でき、該テーブル上に載置された該被測定物は、前後方向で見て前に位置する前面が、該前後方向と直交する左右方向に直線状に延長する姿勢を取り得る面として形成されている。そして、前記被測定物の前記前面の前方側に位置させて、且つ、前記前後方向と直交する左右方向で見て、所要距離を隔てた地点に、第1の測定子を有する第1の測定器と、第2の測定子を有する第2の測定器が設けられており、該第1の測定子の第1の接触点は、当初は、前後方向で見て第1の基準位置にあり、該第2の測定子の第2の接触点は、当初は、前後方向で見て第2の基準位置にある。そして、前記第1の基準位置にある第1の接触点と、該第1の接触点を通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点との間の距離と,第2の基準位置にある前記第2の接触点と、該第2の接触点を通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点との間の距離とは所要の同一値に設定されており、又は、該両距離が相違する場合は該両距離が同一値となるように補正が行なわれるようになされている。前記第1の測定子が前記前面に向けて前後方向で相対的に進行し該第1の測定子の第1の接触点が、前記テーブル上の前記被測定物の前記前面に当接することにより、該当接した第1の当接点と、第1の基準位置にある該第1の接触点との間の第1距離を測定できると共に、前記第2の測定子が前記前面に向けて前後方向で相対的に進行し該第2の測定子の第2の接触点が、前記テーブル上の前記被測定物の前記前面に当接することにより、該当接した第2当接点と、第2の基準位置にある該第2の接触点との間の第2距離を測定できるようになされている。そして、測定された該第1距離と該第2距離が相違する場合は、前記テーブルが前記軸線回りに所要角度分だけ回転することにより、第1の基準位置にある前記第1の接触点と前記前面との間の前後方向距離と、第2の基準位置にある前記第2の接触点と前記前面との間の前後方向距離とが等しくなるように補正が行なわれるようになされていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る測定装置の第3の態様は、被測定物が載置されるテーブルを具え、該テーブルは、平面視で、その中心を通る上下方向の軸線回りに回転でき、該テーブル上に載置された該被測定物は、前後方向で見て前に位置する前面が、該前後方向と直交する左右方向に直線状に延長する姿勢を取り得る面として形成されている。そして、前記被測定物の前記前面の前方側に位置させて、前記左右方向で移動できる測定器が設けられ、該測定器の有する測定子の照射点が前記テーブルの中心を通る前後方向の直線上に存するとした場合における該照射点と該中心との間の距離が所要値に設定されている。該測定器が、前記左右方向で見た一端側に移動し、該一端側位置で、前記測定子の照射点から光線が前後方向で後方に向けて照射され、前記前面で反射された反射光を前記測定器の検出部で検出することにより該前面の第1反射点と該照射点との間の第1距離を測定できると共に、該測定子が、前記左右方向で見た他端側に移動し、該他端側位置で、前記測定子の照射点から光線が前後方向で後方に向けて照射され、前記前面で反射された反射光を前記測定器の検出部で検出することにより該前面の第2反射点と該照射点との間の第2距離を測定できるようになされている。そして、測定された該第1距離と該第2距離が相違する場合は、前記テーブルが前記軸線回りに所要角度分だけ回転することにより、前記一端側位置における前記照射点と前記前面との間の前後方向距離と、前記他端側位置における前記照射点と前記前面との間の前後方向距離とが等しくなるように補正が行なわれるようになされていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る測定装置の第4の態様は、被測定物が載置されるテーブルを具え、該テーブルは、平面視で、その中心を通る上下方向の軸線回りに回転でき、該テーブル上に載置された該被測定物は、前後方向で見て前に位置する前面が該前後方向と直交する左右方向に直線状に延長する姿勢を取り得る面として形成されている。そして、前記被測定物の前記前面の前方側に位置させて、且つ、前記前後方向と直交する左右方向で見て、所要距離を隔てた地点に、第1の測定子を有する第1の測定器と、第2の測定子を有する第2の測定器が設けられており、前記第1の測定子の第1の照射点と、該第1の照射点を通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点との間の距離と,前記第2の測定子の第2の照射点と、該第2の照射点を通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点との間の距離とは所要の同一値に設定されており、又は、該両距離が相違する場合は該両距離が同一値となるように補正が行なわれるようになされている。そして、前記第1の測定子の第1の照射点から光線が前後方向で後方に向けて照射され、前記前面で反射された反射光を前記第1の測定器の検出部で検出することにより該前面の第1反射点と該第1の照射点との間の第1距離を測定できると共に、前記第2の測定子の第2の照射点から光線が前後方向で後方に向けて照射され、前記前面で反射された反射光を前記第2の測定器の検出部で検出することにより該前面の第2反射点と該第2の照射点との間の第2距離を測定できるようになされている。そして、測定された該第1距離と該第2距離が相違する場合は、前記テーブルが前記軸線回りに所要角度分だけ回転することにより、前記第1の照射点と前記前面との間の前後方向距離と、前記第2の照射点と前記前面との間の前後方向距離とが等しくなるように補正が行なわれるようになされていることを特徴とするものである。
【0011】
前記の各態様において、次のように構成するのがよい。即ち、前記テーブルの、前後方向で見た前方側に位置させて、該テーブル上に載置された前記被測定物の前記前面と当接し得る前面位置決め部が設けられると共に、前記左右方向で見た一端側に位置させて、前記前面に隣接する隣接面に対して当接し得る隣接面位置決め部が設け、該前面位置決め部と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との間の前後方向距離が所要値に設定されると共に、前記隣接面位置決め部と前記テーブルの中心を通る前後方向の直線との間の左右方向距離が所要値に設定されており、前記テーブルに載置された前記被測定物の前記前面と前記隣接面を、前記前面位置決め部と前記隣接面位置決め部とに当接させることにより、該被測定物の左右方向と前後方向の位置決めを行ない得るようになされ、又、左右方向で移動する測定子の移動範囲は、このように位置決めされた状態で見て、前記前面の、左右方向で見た両端間の範囲内とされているように構成するのがよい。
【0012】
前記第1の態様において、次のように構成するのがよい。即ち、前記測定器が、前記テーブルの中心を通る上下方向の軸線と平行する直線上で上下動可能となされており、又、テーブル上に載置された前記被測定物の上面に下端が当接し得る昇降測定部材が昇降可能に設けられており、該昇降測定部材には測定傾斜部が設けられると共に、該測定傾斜部は、上方に向けて且つ該昇降測定部材側に向けて傾斜する測定傾斜面が設けられており、
【0013】
前記昇降測定部材が下降してその下端が前記テーブル上の前記被測定物の上面に当接した状態で、前記測定器の前記測定子が下降して前記接触点が前記測定傾斜面に当接したときの、測定当接点と前記テーブルの上面との間の距離が所要値に設定されると共に、前記昇降測定部材の下端と前記測定当接点との間の距離が所要値に設定されているように構成するのがよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明によるときは、多品種少量の被測定物であってもこれを比較的高い精度で簡易に測定できると共に、測定装置の構造を簡素化して製造コストの低減も期し得る。
【0015】
(2) 本発明において、テーブル上に載置された前記被測定物の前面と当接し得る前面位置決め部を設け、又、該前面に隣接する隣接面と当接し得る隣接面位置決め部を設ける場合は、前記テーブル上に載置された被測定物の、該テーブルの中心に対しての前後方向や左右方向の概略の位置決めを行なうことができるため、測定の際における前記測定器の、左右方向での移動時の早送りや前記測定子の進行時の早送りが可能となる。又、補正のために行なうテーブルの軸線回りの回転角度をより小さくでき、前記補正の時間短縮を図ることができて測定の能率化を達成できることとなる。
【0016】
(3) 特に前記測定器を、前記テーブルの中心を通る軸線と平行する直線上で上下動させることとし、且つ、適宜高さに測定傾斜部を設け、該測定傾斜部の傾斜面に測定器の測定子の接触点が接触するように構成することにより、テーブル上に載置された被測定物の上下方向の高さも容易に測定できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る測定装置が工作機械に応用された場合を示す斜視図である。
【図2】その側面図である。
【図3】接触型の測定装置による被測定物の測定要領の一例を示す説明図である。
【図4】その測定要領において、被測定物の前面が左右方向に延長した状態を示す説明図である。
【図5】非接触型の測定装置による被測定物の測定要領の他の例を示す説明図である。
【図6】その測定要領において、被測定物の前面が左右方向に延長した状態を示す説明図である。
【図7】接触型の測定装置による被測定物の測定要領のその他の例を示す説明図である。
【図8】その測定要領において、被測定物の前面が左右方向に延長した状態を示す説明図である。
【図9】非接触型の測定装置による被測定物の測定要領のその他の例を示す説明図である。
【図10】その測定要領において、被測定物の前面が左右方向に延長した状態を示す説明図である。
【図11】上下の挾持片の構成を示す正面図である。
【図12】ワークを示す斜視図である。
【図13】テーブルを前後方向に移動させる構成を説明する正面図である。
【図14】テーブルの構成と割出し装置の構成を説明する正面図である。
【図15】テーブルの構成と割出し装置の構成を、可動台とワーク落下防止板と共に示す斜視図である。
【図16】工作機械のテーブル側を示す平面図である。
【図17】工作機械のテーブル側を示す正面図である。
【図18】上の挾持片の構成を説明する部分斜視図である。
【図19】上下の挾持片がワークを挾持した状態を示す斜視図である。
【図20】下の挾持片を上下動させる構成を説明する斜視図である。
【図21】下の挾持片の上昇位置を示す側面図である。
【図22】下の挾持片の下降位置を示す側面図である。
【図23】下の挾持片が下降位置においてテーブルが稍前進した状態を示す側面図である。
【図24】上下の挾持片がワークを挾持した状態を示す側面図である。
【図25】工作機械におけるワークの位置決め状態を示す平面図である。
【図26】上下の挾持片がワークを挾持すると共に、上下のフライスが面取り加工を施している状態を示す側面図である。
【図27】上下のフライスが設けられてなる移動枠の左右方向での移動状態を示す正面図である。
【図28】移動枠の側面図である。
【図29】移動枠の左右方向の移動の構成を説明する断面図である。
【図30】上のフライスの上下動の構成を説明する断面図である。
【図31】接触型の測定器を用いてワークの測定を行なう工程を説明する平面図と側面図である。
【図32】非接触型の測定装置を用いてワークの測定を行なう工程を説明する平面図である。
【図33】被測定物の上下厚さを測定する測定要領の一例を示す説明図である。
【図34】ワークの短辺長さを測定する測定要領を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
図1〜2、図24は、本発明に係る測定装置1が、ワーク張出し部分2(図24)をクランプするクランプ装置3を具備する工作機械5に応用された場合を示すものである。該工作機械5は、例えばフライス6で面取り加工を施すものであり、被測定物(以下ワーク7aともいう)7が載置されるテーブル9を具える。
【0019】
該テーブル9は、平面視で、その中心Aを通る上下方向の軸線10(図2、図13)回りに回転できると共に、前後方向F1で移動可能となされている。又、該テーブル9の前方には、図1〜2、図25に示すように、該テーブル9の上面11に載置されたワーク7aの前面(前後方向で見て前に位置する面であり、テーブル上に載置された状態で、前後方向と直交する左右方向に直線状に延長する姿勢を取り得る面)12と当接し得る前面位置決め部13が設けられており、該前面位置決め部13は、該前面12に当接して該ワーク7aの前後方向の位置を決めた後、該前面12から退避するようになされている。又図1、図25に示すように、前記前後方向F1と直交する左右方向F2で見た他端側に位置させて、該前面12に隣接する隣接面15に対して当接し得る隣接面位置決め部16が設けられている。
【0020】
そして、前記テーブル9の上面11に載置された前記ワーク7aの前記前面12と前記隣接面15を、夫々、該前面位置決め部13と該隣接面位置決め部16とに当接させることにより、テーブル9に対する該ワーク7aの前後方向F1と左右方向F2の概略の位置決めを同時に行ない得るようになされている。
【0021】
即ち、図25において、該前面位置決め部13と前記テーブル9の中心Aを通る左右方向の直線14との間の前後方向距離Laが所要値に設定されると共に、前記隣接面位置決め部16と前記テーブル9の中心Aを通る前後方向の直線18との間の左右方向距離Lbが所要値に設定されている。本実施例においては、前記距離Laが、前記ワーク7aの前後方向の概略長さの1/2に設定されると共に、前記距離Lbが、前記ワーク7aの左右方向の概略長さの1/2に設定されている。従って、前記測定装置1の数値制御手段に、ワーク7aの前後方向の概略の長さと左右方向の概略の長さを夫々入力すれば、前記前面位置決め部13及び前記隣接面位置決め部16が前記テーブル9に対して所要の配置状態となる。
【0022】
これによって、前記テーブル9の上面11に載置された前記ワーク7aの前記前面12と前記隣接面15を、該前面位置決め部13と該隣接面位置決め部16とに当接させれば、該ワーク7aの前後方向F1と左右方向F2の位置決めが同時に行なわれることとなり、ワーク7aの中心がテーブルの中心に略合致した状態となる。その結果、ワーク7aはテーブル9上に安定的に載置されることとなる。
【0023】
本発明に係る前記測定装置1の一実施例は、図1、図3、図25に示すように、接触型の測定装置1aとして構成されており、前記ワーク7aの前記前面12の前方側に位置させて、前記左右方向F2で移動できる測定器17を具えており、該測定器17の有する測定子19が前記前面12に向けて前後方向で相対的に進行可能となされている。該測定子19は本実施例においては、例えばその先端にローラ状の接触点20を有している。該接触点20は、当初は、前後方向で見て基準位置にある。そして図3に示すように、該測定子19の接触点20が前記テーブル9の中心Aを通る前後方向の直線18a上に存するとした場合における、基準位置にある該接触点20と該中心Aとの間の最大距離L4が予め所要値に設定されている。
【0024】
該測定器17は、前記左右方向F2に移動できる。その移動範囲は、ワーク7aが前記のように位置決めされた状態で見て、前記前面12の左右方向で見た両端12a,12b間の範囲内とされている。本実施例において該測定器17は、前記テーブル9の中心Aに対して、左右方向で見て等距離移動できる。該測定器17が、前記左右方向F2で見た一端側に移動し、該一端側位置22で、該測定子19が前記前面12に向けて前後方向F1で進行し(前後方向F1で相対的に進行する場合の一態様)該測定子19の有する接触点20が該前面12に当接することにより、該当接した第1当接点23と、基準位置にある該接触点20との間の第1距離D1を測定できる。
【0025】
又、該測定器17が、前記左右方向F2で見た他端側に移動し、該他端側位置25で、該測定子19が前記前面12に向けて前後方向F1で進行し(前後方向F1で相対的に進行する場合の一態様)該測定子19の接触点20が該前面12に当接することにより、該当接した第2当接点26と、基準位置にある該接触点20との間の第2距離D2を測定できるようになされている。
【0026】
なお本実施例においては、前記測定子19の左右方向F2での移動範囲を前記のように設定しているため、記測定子19が進行した際に前記接触点20が前記前面12を外れてしまうという空振りが生ずる恐れがない。
【0027】
そして、測定された該第1距離D1と該第2距離D2が相違する場合は、前記テーブル9が前記軸線10回りに所要角度分だけ回転することにより、図4に示すように、前記一端側位置22における、基準位置にある前記接触点20と前記前面12との間の前後方向距離D3と、前記他端側位置25における、基準位置にある前記接触点20と前記前面12との間の前後方向距離D4とが等しくなるように補正が行なわれるようになされている。
【0028】
今、平面視で長方形状を呈するワーク7aの前記前面12の上の水平縁部27a(図10)に対してフライス6で所要量の面取り加工を施す場合を考える。図3は、該ワーク7aを該テーブル9の上面11に載置した状態を示し、この状態で、前記測定器17が、前記一端側位置22において前面12に向けて進行して前記第1距離D1を測定する。その後、該測定器17が前記他端側に移動し、該他端側位置25で、前記測定子19が前面12に向けて進行して前記第2距離D2を測定する。このように測定された第1距離D1と第2距離D2が相違する場合があるが、相違が生ずる理由の一つを説明すれば次の通りである。
【0029】
本実施例においては、工作機械5が前記のように前面位置決め部13と隣接面位置決め部16とを有しているため、図25に示すように、前記ワーク7aの前面12を該前面位置決め部13に当接させ且つ前記隣設面15を前記隣接面位置決め部16に当接させれば、該前面12を該左右方向F2と平行させることができるはずである。しかし実際には、該前面位置決め部13と該隣接面位置決め部16にワーク7aを正確に当接させた積りであってもその後に若干の跳ね返りが生じた場合や、この当接が始めから不正確であった場合は、該前面12が前記左右方向F2と正確に平行していないことになる。このような理由で、第1距離D1と第2距離D2が相違する場合が生ずるのである。
【0030】
第1距離D1と第2距離D2が相違する場合は、前記テーブル9が前記軸線10回りに所要角度分だけ回転することにより、図4に示すように、前記一端側位置22における、基準位置にある前記接触点20と前記前面12との間の前後方向距離D3と、前記他端側位置25における、基準位置にある前記接触点20と前記前面12との間の前後方向距離D4が等しくなるように補正が行なわれ、これにより前記前面12の延長方向F3が、前記左右方向F2と平行した状態となる。この状態で前記テーブル9が所要量前進することによって、前記上の水平縁部27aに対して前記フライス6で所要量の面取り加工を施すことができる。
【0031】
前記第1距離D1と前記第2距離D2が相違する場合は、前記のように、前記テーブル9が前記軸線10回りに所要角度θ分だけ回転するのであるが、この所要角度θは、前記測定装置1の有する数値制御手段によって計算されるものである。
【0032】
次に、この計算手順の一例を図3〜4に基づいて説明する。図3は、誇張して図示した測定説明図であり、前記テーブル9の上面11に、平面視で長方形状を呈するワーク7aが載置されている。今、このワーク7aの長辺長さをL1とし、短辺長さをL2とし、ワーク7aの前面12の延長方向F3が前記左右方向F2に対してθだけ傾いているとする。前記測定器17が測定した前記第1距離D1は、前記第2距離D2よりも大きい。そして、前記測定器17の左右方向F2での移動距離はL3とされている。図3〜4には、測定器17が、前記テーブル9の中心Aに対して左右方向F2で見て等距離移動する場合が示されている。
【0033】
前記第1距離D1が前記第2距離D2よりも大きいため、α1=D1−D2とすると、前記θは、次式によって求めることができる。
θ=tan-1(α1/L3)
【0034】
従って、前記テーブル9が前記軸線10回りにθだけ回転すると、図4に示すように、前記前面12の延長方向F3が、前記左右方向F2と平行した状態となる。この状態で前記テーブル9が所要量前進することによって、前記上の水平縁部27aに対して前記フライス6で所要量の面取り加工を施すことができる。
【0035】
この面取り加工は、前記工作機械5に付設されている割出し装置29(図14)により前記ワーク7aを90度づつ回転させることによって、前記前面12の延長方向F3(図3)が前記左右方向F2と平行した状態で、前記ワーク7aの4つの上の水平縁部27a,27b,27c,27d(図4)に対して、順次、所要量の面取り加工を施すことができる。ここで、前後方向F1で見た面取り深さをD5とした場合に前記テーブル9がD6(図4)だけ前進したとする。この前進量D6は、前記測定装置1の有する数値制御手段によって計算される。この計算手順の一例を図3〜4に基づいて説明する。
【0036】
今、前記第2当接点26を通る左右方向F2の直線18bと、該第2当接点26と前記テーブルの中心Aとを結ぶ直線18cとのなす角度をθ1とすると、θ1は次式によって求めることができる。
θ1=tan-1(α2/(L3/2))
【0037】
ここで、α2=L4−D2で求められる。そして、前記テーブルの中心Aを通る、前後方向F1の直線18aと、前記直線18cとのなす角度をθ2とすると、θ2=180−(90+θ1)で求められる。従って、該中心Aと前記第2当接点26とを結ぶ直線18cの長さα3は次の数式1によって求めることができる。
【数1】

【0038】
これによって該中心Aと、該中心Aを通り且つ前記前面12と直交する交点8とを結ぶ直線18dの長さα4は、α4=α3×cos(θ2+θ)で求められる。
【0039】
図4において、前記中心Aと前記フライス6の刃先との間の距離L5が予め所要に設定されているため、前記の前進量D6は、L5−α4+D5で求められる。
【0040】
図5〜6は、本発明に係る前記測定装置1の他の実施例を示すものであり、非接触型の測定装置1bとして構成されている。該測定装置1bが前記測定装置1aと相違するのは、前記測定器17に設けられている進退可能の前記測定子19に代えて、進退しない固定状態の測定子19の照射点28から光線が前後方向で照射されるようになされている点である。該照射点28は本実施例においては、例えば測定子19の先端に設けられている。そして該測定器17は、左右方向F2に移動でき、前記ワーク7aの前記前面12の左右方向F2で見た一端側に移動し、該一端側位置22で、該測定器17の前記測定子19の照射点28から光線が前後方向で後方に向けて照射され、該前面12で反射された反射光を検出部で検出することにより該前面12の第1反射点34と該照射点28との間の第1距離D1を測定できる。又、該測定器17が、前記前面12の左右方向F2で見た他端側に移動し、該他端側位置25で、該測定子19の照射点28から光線が前後方向で後方に向けて照射され、前記前面12で反射された反射光を検出部で検出することにより該前面12の第2反射点38と該照射点28との間の第2距離D2を測定できるようになされている。
【0041】
このように測定された該第1距離D1と該第2距離D2が相違する場合は、前記テーブル9が前記軸線10回りに所要角度分だけ回転することにより、図6に示すように、前記一端側位置22における前記照射点28と前記前面12との間の前後方向距離D3と、前記他端側位置25における前記第2照射点28と前記前面12との間の前後方向距離D4が等しくなるように補正が行なわれるようになされている。
【0042】
かかる構成を有する測定装置1bを用いてワーク7aに面取り加工を施す場合の、測定装置1bの有する数値制御手段による前記所要角度θの計算手順の一例や前記テーブル9の面取りのための前進量D6の計算手順の一例は、前記接触型の測定装置1aについて説明したところと同様である。この場合も、前記と同様にして前記測定子19の左右方向F2での移動範囲を設定しているため、前記測定子19の照射点28から照射された光線が前記前面12を外れてしまうという空振りが生ずる恐れがない。
【0043】
図7〜8は、接触型の測定装置1aの他の態様を示すものである。該測定装置1aは、一つの測定器17が左右方向で見た一端側と他端側に移動する前記構成に代えて、左右方向で見て、所要距離を隔てた地点に、第1の測定子19aを有する第1の測定器17aと、第2の測定子19bを有する第2の測定器17bを固定状態に設けた場合を示すものであり、該第1の測定子19aは、その進行によって、その第1の接触点20aが前記前面12に当接できる。又、第2の測定子19bは、その進行によって、その第2の接触点20bが前記前面12に当接できる。又、該第1の測定子19aの第1の接触点20aは、当初は、前後方向で見て第1の基準位置にあり、該第2の測定子19bの第2の接触点20bは、当初は、前後方向で見て第2の基準位置にあり、本実施例においては、該第1の基準位置と該第2の基準位置は、左右方向に延長する同一直線上にある。より具体的に説明すれば、図7に示すように、前記第1の基準位置にある第1の接触点20aと、該第1の接触点20aを通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点P1との間の距離と,第2の基準位置にある前記第2の接触点20bと、該第2の接触点20bを通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点P2との間の距離は所要の同一値に設定されている。そして、該第1の測定器17aは、前記移動式の測定器17が前記一端側位置22に存する場合と同様に作用し、前記第2の測定器17bは、前記移動式の測定器17が前記他端側位置25に存する場合と同様に作用する。
【0044】
図9〜10は、非接触型の測定装置1bの他の態様を示すものである。該測定装置1bは、左右方向で見て、所要距離を隔てた地点に、第1の測定子19aを有する第1の測定器17aと、第2の測定子19bを有する第2の測定器17bを固定状態に設けた場合を示すものであり、該第1の測定子19aの第1の照射点28aから照射された光線は前記前面12で反射される。又、該第2の測定子19bの第2の照射点28bから照射された光線は前記前面12で反射される。又、該第1の測定子19aの第1の照射点28aと該第2の測定子19bの第2の照射点28bは、本実施例においては、図7に基づいて説明したと同様、左右方向に延長する同一直線上にある。そして、該第1の測定器17aは、前記移動式の測定器17が前記一端側位置22に存する場合と同様に作用し、前記第2の測定器17bは、前記移動式の測定器17が前記他端側位置25に存する場合と同様に作用する。
【0045】
かかる構成を有する測定装置を用いて例えばワーク7aに面取り加工を施す場合の、測定装置1の有する数値制御手段による前記所要角度θの計算手順の一例や、前記テーブル9の面取りのための前進量D6の計算手順の一例は、前記したところと同様である。
【0046】
以下、前記工作機械5の構成を具体的に説明すると共に、前記測定装置1の有する数値制御手段による所要の面取り加工の工程を説明する。
【0047】
図1〜2、図11、図26において本発明に係る工作機械5は、ワーク7aが載置されるテーブル9と、該テーブル9の前方側に配設されたクランプ装置3(図3、図9、図26)と、該テーブル9の前方側に配設されて前記ワーク7aに面取り加工を施すフライス6とを具備し、該クランプ装置3は、前記テーブル9に載置されたワーク7aの、該テーブル9の前縁部30から所要に張り出したワーク張出し部分2を上下から挾持する上下の挾持片32,33を具えている。そして、該上下の挾持片32,33が、図26に示すように、該ワーク張出し部分2を挾持したワーククランプ状態で、前記フライス6が、前記ワーク7aの該挾持した部分35の前方側をなす被加工部36に面取り加工を施すものである。
【0048】
前記ワーク7aは、例えば図12に示すように、平面視で、左右方向F2に長い長方形状を呈する直方体状を呈しており、例えば、平面視の長辺の長さL1が350mmに設定されて、短辺の長さL2が270mmに設定されている。
【0049】
前記テーブル9は図13に示すように、その上面11が水平であり、割出し装置29によって、前記テーブルの平面視での中心Aを通る上下方向の軸線10回りに所要に回転できると共に、直線運動装置37(図1〜2)によって前後方向F1で移動できる。
【0050】
前記割出し装置29は、図2、図13〜15に示すように、テーブル9の上面11に載置されたワーク7aの外周をその周方向に所要の角度に分割するものである。該割出し装置29の具体的な構成を図13〜15に基づいて説明すれば、矩形板状を呈する可動台39の前側の中央部分で上下方向に貫設された支持孔40に支持筒体41が挿通されると共に、該支持筒体41の上端側で周設されたフランジ部42が、該支持孔40の周縁部分43に載置された状態で、該フランジ部42が該周縁部分43にボルト45により固定されている。本実施例において該フランジ部42の前縁部46は、前方に突出する台形状部の縁部として形成されている。
【0051】
そして図13〜14に示すように、該支持筒体41の軸線に沿って設けられた円形挿通孔49には、軸線を共通にして駆動軸50が挿通されており、該駆動軸50の上端部分51は、前記テーブル9の下側部分52にボルト固定されている。そして前記支持筒体41の上端部分には、該支持筒体41の軸線と同心に欠切凹所53が周方向に連続して設けられており、該欠切凹所53の底部55に、該欠切凹所53と同心のスラスト玉軸受56の下リング部材57が載置され、その上リング部材59の上面60で前記テーブル9の下面61を下方から支持する如くなされている。これによりテーブル9は、前記駆動軸50の軸線回りに回転可能となされている。そして前記駆動軸50は、上下方向で見て所要間隔で、上から下に向けて、ラジアル玉軸受62とスラスト玉軸受63とラジアル玉軸受65とで支持されて、軸線回りに回転自在とされている。又、該駆動軸50の下端部66には、回転角を正確に制御できるサーボモータやステッピングモータ等の制御モータ67の上向き突出のモータ出力軸69が減速機70を介して連結されており、図14に示すように、前記テーブル9の軸線10と該駆動軸50の軸線44と該モータ出力軸69の軸線48は、上下方向を呈して合致している。又、前記フライス6が前記ワーク7aに加工を施している間において前記テーブル9が回転するのを防止するために、前記駆動軸50の下端部66と前記減速機70との間にブレーキ装置71が設けられている。
【0052】
前記直線運動装置37は、図1〜2、図13、図16〜17に示すように、前記可動台39を前後方向F1で往復動可能とすることにより前記テーブル9を前後方向F1で往復動可能とするものであり、該可動台39の左右方向F2の両側部分の下面部に摺動部材72,72が設けられている。そして該摺動部材72,72が、前後方向支持台73内で立設された左右の支持立壁75,75の上端76,76に固設されてなる、前後方向F1に延長する案内レール77,77に案内されて、前後方向に往復動可能となされている。又、該可動台39の下面74には、図17に示すようにネジ筒部材79が固定され、該ネジ筒部材79は図16に示すように、前記案内レール77,77の延長方向に延び且つ両側が軸受78a,78bで支持されてなる駆動ネジ軸80に螺合されている。そして図17に示すように、該駆動ネジ軸80の後端部分81と、該後端部分81の下方に配設された、サーボモータやステッピングモータ等の制御モータ82のモータ出力軸83とは、歯車84,88とタイミングベルト94を介して連結されている。然して、該駆動ネジ軸80が該制御モータ82により正回転されることにより前記可動台39が前進でき、該駆動ネジ軸80が逆回転されることにより前記可動台39は後退できる。
【0053】
前記テーブル9は本実施例においては図15〜16に示すように、平面視で正方形状を呈しており、円板体の前後左右部分が直線状にカットされることによって直線状縁部85,85,85,85が90度の角度を置いて形成され、隣り合う直線状縁部85,85間は円弧状に形成されている。従って該テーブル9の、前記下の挾持片33に向き合う側の前縁部は、直線状縁部85として形成されている。そして、本実施例においては図15に示すように、該テーブル9の上面11の前後に浅底の凹部86,86が設けられ、該凹部86の底部分87には通気孔89が上下方向に設けられている。該通気孔89の上端は該底部分87の上面で開口すると共にその下端は、空気を吸引し或いは吹き出すエア吸引・吹出し装置(図示せず)に連結されている。前記テーブル9の対向する直線状縁部85,85間の距離は例えば132mmに設定されている。そして図1、図15〜16に示すように、該テーブル9の前側部分9aを除く左右側部分9b,9cと後側部分9dを取り囲むように、且つ、前記フランジ部42の側面93に略沿う状態で、該テーブル9を取り囲むワーク落下防止板95が配設されている。該ワーク落下防止板95は、図15に示すように、支柱98の4本によって前記可動台39から浮き上げて設けられている。このように設けられたワーク落下防止板95は、テーブル9上に載置したワーク7aがバランスを崩してテーブル9から外れた場合に、該ワークを下方から支持してワーク7aの落下を防止する。
【0054】
前記上の挾持片32は図11、図18に示すように、上の昇降装置96によって昇降でき、前記ワーク張出し部分2を押圧して前記下の挾持片33との間で該ワーク張出し部分2を挾持するものであり、その下面は、左右方向に延長する直線状の上の挾持面97とされている。
【0055】
該上の昇降装置96は、本実施例においては図1、図11に示すように、上下方向で伸縮し得るシリンダ99を具える。該シリンダ99は、前記前後方向支持台73の前側部分の両側で立設された支柱部材54,54の上端58,58相互を横架材64で連結してなる門形支柱68の、該横架材64の長さ方向の中央部位で立設されている。そして図18に示すように、該シリンダ99のピストンロッド100の下端部分101が継手102を介して前記上の挾持片32の上端部分104の長さ方向の中央部位に連結されている。又、該上の挾持片32の左右方向の両端部分に設けられた摺動部材103,103が、図11に示すように、前記支柱部材54,54の内側部分に上下方向に延長する如く設けられた案内レール105,105に案内されて上下方向F4で往復動可能となされている。
【0056】
然して、前記ピストンロッド100が下降して前記シリンダ99が伸長するにつれ、図11に矢印で示すように、前記左右の摺動部材103,103が前記左右の案内レール105,105に案内されて安定状態で下降でき、図19に示すように、前記上の挾持片32の下面としての前記上の挾持面97が前記ワーク張出し部分2を下方向に押圧する。又、前記ピストンロッド100が上昇して前記シリンダ99が縮小するにつれ、前記左右の摺動部材103,103が前記左右の案内レール105,105に案内されて安定状態で上昇できる。
【0057】
一方、前記下の挾持片33(前記前面位置決め部13としても機能し得る)は、本実施例においては図1〜2、図11、図19に示すように、左右方向F2に延長する基板部106の長さ方向の中央部分107で、上方突出板部109の下端部分110がボルト等によって固定されており、その上面は、左右方向に延長する直線状の下の挾持面111とされている。
【0058】
かかる構成を有する下の挾持片33は、下の昇降装置112によって昇降でき、図21に示す、前記テーブル9の上面11の上方に突出する上昇位置113と、図22〜23に示す、該上面11より低い下降位置115と、図24に示す、下の挾持面111が前記ワーク7aの下面116に当接した挾持位置117を取ることができる。そして該下の挾持片33の後面118は、前記前面位置決め部13を構成し、図25に示すように、該前面位置決め部13と前記テーブル9の中心を通る左右方向の直線14との間の距離Laが所要値に設定されている。該前面位置決め部13の前後方向F1での配置状態は、前記ワーク7aの加工前の前後方向F1での辺114(図12)の長さL2を数値制御手段に入力することによって設定できる。例えば、この辺114の長さL2が概略270mmであるとき、辺114の長さを270mmと入力すれば、前記距離Laが、その半分の135mmとなるようになされている。
【0059】
該下の昇降装置112は、本実施例においては図11、図16、図20〜21に示すように、前記基板部106の両端部分に固定された摺動部材119,119が、前記支柱部材54,54の内側部分に上下方向に延長する如く設けられた案内レール105,105に案内されて、上下方向で往復動可能となされている。又、図20〜21に示すように、該基板部106の両端側に固定された連結部材120,120の下端の、左右方向で見た外面121,121側に、水平な軸線回りに回転し得る係合ローラ122,122が設けられている。
【0060】
そして該係合ローラ122,122は、下面123が前後の支持ローラ125,125で支持されることにより前後動し得る、前後方向に長い前後動摺動板126に設けられた規制長孔127に、上下端128,129が密接した状態で嵌め入れられている。該規制長孔127は、前後方向に長い階段状の長孔として形成されており、下段規制孔130と、それよりも4mm程度上位置に存する中段規制孔131と、該中段規制孔131よりも更に5mm程度上位置に存する上段規制孔132とを具える。そして、該下段規制孔130と該中段規制孔131とは下の上向き傾斜孔133で連通状態とされると共に、該中段規制孔131と該上段規制孔132とは上の上向き傾斜孔135で連通状態とされている。又、かかる構成を有する前後動係合板126は、その後側部位136が、該前後動係合板126の後方に配設されて前後方向で伸縮し得るシリンダ137のピストンロッド139の前端に継手140を介してに連結されている。
【0061】
然して、図21〜24に示すように、前記ピストンロッド139が前進して前記シリンダ137が伸長することにより、前記前後動係合板126が前記前後の支持ローラ125,125で支持されて水平状態で前進できる。又、前記ピストンロッド139が後退して前記シリンダ137が縮小することにより、前記前後動係合板126が前記前後の支持ローラ125,125で支持されて水平状態で後退できる。
【0062】
図22〜23は、前記シリンダ137が最小に縮小して前記下段規制孔130に前記係合ローラ122が位置された状態を示し、該係合ローラ122の上下端128,129が該下段規制孔130の上下面143,145に密接に当接している。この状態で、前記下の挾持片33は、その下の挾持面111が前記ワーク7aの下面116から4mm程度下方に位置する前記下降位置115を呈する。
【0063】
図24は、前記シリンダ137が稍伸長して前記中段規制孔131に前記係合ローラ122が位置した状態を示し、該係合ローラ122の上下端128,129が該中段規制孔131の上下面146,147に密接に当接している。この状態で、前記下の挾持片33は前記挾持位置117を呈する。
【0064】
図21は、前記シリンダ137が更に伸長して前記上段規制孔132に前記係合ローラ122が位置した状態を示し、該係合ローラ122の上下端128,129が該上段規制孔132の上下面149,150に密接に当接している。この状態で、前記下の挾持片33は、その下の挾持面111が前記ワーク7aの下面116から5mm程度上方に突出した前記上昇位置113を呈する。
【0065】
そして図19に示すように、前記下の挾持片33が前記上昇位置113を呈した状態で、前記テーブル9の上面11にワーク7aを吊り降ろし、該ワーク7aを該上面11上で前進させてその前面151を該下の挾持片33の上側の突出部分152に当接させることにより、前記ワーク張出し部分2を形成できる如くなされている。このようにワーク7aを移動させる際、前記エア吸引・吹出し装置によってエアを吹出すと、重量物であるワーク7aをエアで浮上させて軽く移動させることができる。
【0066】
なお本実施例においては、図1、図25に示すように、前記クランプ装置3の、左右方向F2で見た他端側に位置させて、前記ワーク7aの前面12に隣接する隣接面15に当接し得る前記隣接面位置決め部16が設けられている。該隣接面位置決め部16は、前後方向F1で進退でき、その、左右方向F2での配置状態は、前記ワーク7aの加工前の左右方向F2での辺156の長さを数値制御手段に入力することによって設定できる。例えば、この辺156の長さL6が概略350mmであるとき、辺156の長さを350mmと入力すれば、該隣接面位置決め部16は、本実施例においては後述する移動枠161(図1、図27)の左右方向F2での移動によって、前記テーブル9の中心Aから辺156の長さの半分に等しい175mmだけ右方向(図1における右方向であり、図25においては左方向になる)に移動した位置に自動的に配置されるように設定されている。
【0067】
従って本実施例においては、図21、図25に示すように、該下の挾持片33が前記上昇位置113を呈した状態で、前記テーブル9に載置されたワーク7aの前記前面12と前記隣接面15を、該下の挾持片33の前記突出部分152(図21)の後面118、即ち、前記前面位置決め部13と、突出状態にある前記隣接面位置決め部16に当接させることにより、該ワーク7aの左右方向F2と前後方向F1の概略の位置決めを同時に行うことができ、ワーク7aの中心Bとテーブルの中心Aとを略合致させて、該ワーク7aをテーブル9上に安定的に載置させることができる。
【0068】
又、図22〜23に示すように、前記下の挾持片33が前記下降位置115を呈した状態で前記テーブル9が、図22に矢印で示すように所要量前進して後、該下の挾持片33が図24に示すように前記挾持位置117を呈するように上昇すると共に前記上の挾持片32が下降することによって、前記ワーク張出し部分2が前記上下の挾持片32,33で挾持されるようになされている。なお、このように上下の挾持片32,33で前記ワーク張出し部分2を挾持する際、該ワーク張出し部分2を安定状態で挾持できる限り、該上下の挾持片32,33が上下対向状態にあることは必須ではない。図24においては、他の構成部品の配置状態との関係で若干位置ずれしている。
【0069】
前記フライス6は、本実施例においては図1〜2、図26に示すように、前記ワーク7aの縁部分160に面取り加工を施す。該フライス6は、本実施例においてはワーク7aの面取り加工能率を向上させるために、図28に示すように、左右方向F2で移動できる移動枠161の上下に設けられている。上のフライス6aは、図27に示すように、左右方向F2と上下方向F4に移動できると共に、該移動枠161の左右方向F2での移動によって該移動枠161と共に左右方向F2に移動できる。これらによって、上のフライス6aにより、図26に示すように、前記ワーク7aの水平な上の水平縁部160a(図12)と上下方向の垂直縁部160b(図12)に対して面取り加工を施すことができる。一方、下のフライス6bは、図27に示すように、前記移動枠161の左右方向F2での移動によって左右方向F2には移動できるが上下方向F4には移動できないものであり、前記ワーク7aの下の水平縁部160c(図12)に対して面取り加工を施すことができる。
【0070】
前記移動枠161は、図1に示すようにボックス状を呈しており、前記前後方向支持台73の前端側に設置された左右方向支持台162に設けられている。そして、該移動枠161の左右方向F2で見た一側部分(図1においては右側部分)の下部に位置させて前記下のフライス6bが、その回転軸を後方に突出させて固設されている。又、該下のフライス6bの外側(左右方向F2で見た外側)の下側部位に、前記隣接面位置決め部16が前後方向F1で伸縮可能に設けられている。
【0071】
前記移動枠161を左右方向F2で移動させる手段は、例えば図1、図28〜29に示すように構成されており、該移動枠161の下面の前後に設けられた摺動部材165,165が、前記左右方向支持台162の前後に平行して配設された、左右方向に延長する案内レール166,166に案内されて、左右方向F2で往復動可能となされている。そして図27〜29に示すように、該移動枠161の下面167にはネジ筒部材169(図29)が固設されると共に、該左右方向支持台162の前後方向で見た中央部分において、左右方向に延長する駆動ネジ軸170が配設され、該駆動ネジ軸170の両側が軸受171,171で支持されている。該駆動ネジ軸170の一方の端部分(図29においては右端部分)172は、継手173を介してサーボモータやステッピングモータ等の制御モータ175のモータ出力軸176が連結されている。そして、該駆動ネジ軸170が該制御モータ175により正回転されることにより、前記移動枠161は、左右方向F2の前記一端側位置(例えば図27に示す左端側位置)22に移動でき、該駆動ネジ軸170が逆回転されることにより、前記移動枠161は、左右方向F2の前記他端側位置(右端側位置)25に移動できる。
【0072】
又、前記上のフライス6aを上下方向F4で移動させる手段は、例えば図1、図27、図28、図30に示すように構成されており、前記移動枠161の前記左右方向の他側部分180の後面に開口された上下方向の昇降開口181(図1)の左右両側に位置させて、上下方向に延長する案内レール182,182が設けられている。そして、該上のフライス6aを支持する昇降板183の後面の両側に設けられた摺動部材185,185が該左右の案内レール182,182に案内されて、該昇降板183が上下動可能となされている。
【0073】
又、前記上のフライス6aは、図28、図30に示すように、その保護筒部186の外周面187にネジ筒部材189が固定されており、前記移動枠161内には、上下方向に延長する駆動ネジ軸190が上下の軸受191,192に支持されて垂直軸線回りに回転可能となされ、該駆動ネジ軸190に前記ネジ筒部材189が螺合されている。そして該駆動ネジ軸190の上下方向の一端部分(図28においては上端部分)192は、継手195を介してサーボモータやステッピングモータ等の制御モータ196のモータ出力軸197が連結されている。然して、該駆動ネジ軸191が該制御モータ196により正回転されることにより、前記昇降板183が上下方向の何れか一方向に向けて(図28においては下方に向けて)移動でき、該駆動ネジ軸190が逆回転されることにより、該昇降板183が上方に向けて移動できる。
【0074】
次に、かかる構成を有する工作機械5を用いて、前記テーブル9上のワーク7aに前記上下のフライス6a,6bで面取り加工を施す作業工程を説明する。
【0075】
先ず、例えば図2に示すように、前記テーブル9が前記上下の挾持片32,33の後方に離れた状態で、前記テーブル9の上面11にワーク7aを吊り下ろす。このワークの吊り下ろしは、該テーブル9の上側には何ら障害物が存在しないことから容易に行なうことができる。テーブルの上面11にこのようにして吊り下ろしたワーク7aについて、図21、図25に基づいて前記したようにして概略の位置決めを行なうと、図21に示すように前記ワーク張出し部分2が形成される。その後、図24に示すように、該ワーク張出し部分2を上下の挾持片32,33で挾持して該ワーク7aをクランプする。該クランプに先立ち、測定装置1(図1)を用いて、前記ワーク7aの前記前面12が左右方向(前記フライス6の水平移動方向)F2と正しく平行するようにワークの位置決めを行なうこととしている。
【0076】
該測定装置1は、本実施例においては例えば接触型の測定装置1aとして構成されている。該測定装置1aは例えば図1、図25に示すように、前記移動枠161の左端側(図1における左端側であり、図25においては右端側になる)に設けられており、測定器17に設けられている棒状の測定子19が保護筒199内に収容されている。そして該測定子19は、シリンダ200の伸縮によって前後方向F1で進退できるもので、図25に破線で示すように最も後退した状態(前後方向で見て基準位置にある状態)から、図25に一点鎖線で示すように、前記上のフライス6aの先端201を越えて、前記前面12に対して例えば50mmの範囲で進行(突出)できる。かかる構成の測定装置1aは、前記移動枠161の左右方向F2での移動によって左右方向で移動できる。そして該測定装置1aの左右方向での移動範囲は、ワーク7aが前記のように位置決めされた状態で見て、前記前面12の左右方向で見た両端12a,12b間の範囲内に前記数値制御手段で設定されている。
【0077】
ここで、該測定装置1aによるワークの位置決め工程を説明する。前記隣接面位置決め部16が図30に示し、又、図25に一点鎖線で示すように後退し、且つ前記下の挾持片33が図22に示すように前記下降位置115を呈した状態で、図31(A)に示すように、前記測定子19が、前記ワーク7aの前記前面12の左右方向で見た一端側位置(例えば図31に示す右端側の位置)22に移動し、該一端側位置(例えば、前記前面12の一端12aから20〜30mm程度、内側に入った位置)22で、且つ、例えば図31(B)に示すように、ワーク7aの下面116から2〜3mm上側の位置で、該測定子19が前記前面12に向けて進行する。該測定子19の接触点20が、図31(A)の右側に一点鎖線で示すように該前面12に当接することにより、該進行(突出)した長さに応じて、図31(A)に示すように後退状態にある(基準位置にある)測定子19の接触点20と該前面12との間の第1距離D1を測定できる。
【0078】
その後、該測定子19は、図25、図31に破線で示すように後退した状態で、図31(A)に実線で示すように、前記前面12の他端側位置(図31に示す左端側位置)25に移動する。該他端側位置25(例えば前記前面12の他端12bから20〜30mm程度、内側に入った位置)で、且つ、例えばワーク7aの下面116から2〜3mm上側において、該測定子19が前記前面12に向けて進行する。該測定子19の接触点20が図31(A)に実線で示すように該前面12に当接することにより、後退状態にある(基準位置にある)測定子19の接触点20と該前面12との間の第2距離D2を測定できる。
【0079】
なお本実施例において、該測定子19の、前面12に対する当接位置を、ワーク7aの下面116から2〜3mm上側に設定しているのは、ワーク7aの最低厚さを4mmに設定したときにも該ワーク7aを測定できるようにするためである。この下面116からの高さは、あくまでもワーク7aの最低厚さとの関係で設定されるものであり、要は、工作機械5が加工の対象とするワークの厚さとの関係で決まるものである。
【0080】
測定された該第1距離D1と該第2距離D2が同一の時は、前記前面12が、前記測定器17の移動方向(左右方向F2)と正しく平行していることになる。該第1の距離D1と該第2距離D2が相違する場合は、前記により、前記テーブル9が、前記割出し装置29の前記制御モータ67によって前記軸線10回りに所要量回転せしめられる。これにより、前記一端側位置22における、基準位置にある前記接触点20と前記前面12との間の前後方向距離と、前記他端側位置25における、基準位置にある前記接触点20と前記前面12との間の前後方向距離が等しくなるように補正が行なわれる。この補正によって、前記前面12が前記左右方向(前記フライス6aの水平移動方向)F2と正しい平行状7となる。この補正は、図3〜4に基づいて説明したところにより、前記測定装置1の有する数値制御手段によって所要に計算されて行なわれる。
【0081】
本実施例においては、前記のように、テーブル9上に載置された前記ワーク7aの前面12と当接し得る前記位置決め部13を設け、又、該前面12に隣接する隣接面15と当接し得る隣接面位置決め部16を設けているため、前記テーブル9上に載置されたワーク7aの、該テーブル9の中心Aに対しての前後方向F1や左右方向F2の概略の位置決めを行なうことができる。従って、前記測定の際における前記測定器17の、左右方向での移動時の早送りや前記測定子19の進行時の早送りが可能となる。又、前記補正のために行なうテーブル9の軸線10回りの回転角度をより小さくでき、前記補正の時間短縮を図ることができて測定の能率化を達成できることとなる。
【0082】
このようにしてワーク7aが位置決めされて後、面取りの大きさ(深さ)を考慮して、前記テーブル9が、図23に示すように所要量(例えば10〜20mm程度)前進される。この前進量は、図4に基づいて説明したところにより、前記数値制御手段によって所要に計算されて行なわれる。然る後、図24に示すように、前記ワーク張出し部分2が上下の挾持片32,33で挾持されることによって前記ワーク7aがクランプされる。該ワーククランプ状態で、例えば図26に示すように、前記上下のフライス6a,6bが、前記縁部分160に対して面取り加工を施す。
【0083】
本実施例においては、前記上のフライス6aは左右方向に移動できるだけでなく上下方向にも移動できるため、左右方向の上の水平縁部160a(図12)に対して面取り加工を施すことができることに加えて、上下方向の垂直縁部160b(図12)に対しても面取り加工を施すことができる。なお、上のフライス6aによってワーク7aの上の水平縁部160aに面取り加工を施す場合の面取りの大きさ(深さ)は、例えば、該上のフライス6aの上下方向の移動量の初期設定によって、又は、前記テーブル9の前後方向の移動量の初期設定によって決めることができる。又、下のフライス6bは、図26に示すように、下の水平縁部160c(図12)に面取り加工を施すことができるが、その面取りの大きさ(深さ)は、例えば、前記テーブル9の前後方向の移動量の初期設定によって決めることができる。なお、各部の面取りの大きさ(深さ)は異ならせることもできる。
【0084】
本発明に係る測定装置1は、非接触型の光電装置からなる測定装置1bとして構成することもできる。即ち、本発明に係る工作機械5は、前記と同様にして、前記下の挾持片33(その前面118が前記前面位置決め部13である)が前記上昇位置113(図21)を呈した状態で、前記テーブル9に載置されたワーク7aが前進され該ワーク7aの前面12が該前面位置決め部13と前記隣接面位置決め部16に当接されることによって、前記と同様にしてワーク張出し部分2が形成される如くなされている。その後、該下の挾持片33は前記下降位置115(図22)を呈する如くなされ、この状態で、左右方向に移動し得る測定器(光電装置)17の測定子19が、図32に一点鎖線で示すように、前記ワーク7aの前記前面12の左右方向で見た一端側位置22に移動する。そして該一端側位置22において、該測定子19の照射点28で光線が前後方向で後方に向けて照射され該前面12で反射された反射光を前記測定器17の検出部が検出することにより、例えば三角方式によって、該照射点28と該前面12との間の第1距離D1を測定できる。
【0085】
又、該測定子19が、図32に実線で示すように、前記ワーク7aの前記前面12の左右方向で見た他端側位置25に移動し、該他端側位置25において、該測定子19の照射点28で光線が前後方向で後方に向けて照射され該前面12で反射された反射光を検出部が検出することにより、同様にして、該照射点28と該前面12との間の第2距離D2を測定できる。測定された該第1距離D1と該第2距離D2とが相違する場合は、前記テーブル9が、前記と同様にして、前記軸線10回りに所要量回転せしめられることにより、前記一端側位置22における、基準位置にある前記照射点28と前記前面12との間の前後方向距離と、前記他端側位置25における、基準位置にある前記照射点28と前記前面12との間の前後方向距離が等しくなるように補正が行われるようになされている。
【0086】
その後、前記と同様にして、前記テーブル9が所要量前進され、前記ワーク張出し部分2が上下の挾持片32,33で挾持されることによって前記ワーク7aがクランプされる。該ワーククランプ状態で、前記フライス6が、前記と同様にして前記縁部分160に対して面取り加工を施す。
【0087】
前記ワーク7aの一つの加工面(前面)における所要の面取り加工が終了した後、前記上下の挾持片32,33による挾持状態が解除される。この状態で、前記テーブル9を90度回転させることにより、新たな加工面の上下の縁部に対して面取り加工を施すことができる。順次、90度づつ同方向に回転させて、前記のようにして測定装置1による測定を行なう。その後、必要に応じて前記のような補正が行なわれ、前記と同様にしてワーク張出し部分2を上下の挾持片32,33で挾持し、然る後、前記前面12に所要の面取り加工を施す。これによって、4つの面の全てに関して所要の面取り加工を施すことができる。このように90度回転させる際、回転時におけるワーク7aの安定性を向上させるために、該ワーク7aを、前記エア吸引・吹出し装置のエア吸引によるバキューム吸着によってテーブル9に固定状態とするのがよい。特に、テーブル9に大型のワーク7aを固定する場合は、併せて、図示しない磁気吸着装置による磁気吸着作用によって、テーブル9に対する固定を更に強固に行なうこともできる。
【実施例2】
【0088】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0089】
(1) 前記測定装置1が接触型の測定装置1aとして構成される場合、前記実施例においては、前記測定子19が前記前面12に向けて進行して、該測定子19の接触点20が該前面12に当接することにより、該接触点20と該前面12との間の第1距離D1や第2距離D2を測定するように構成されているが、これとは逆に、測定子19は進行させずに固定状態とし、該固定状態の測定子19に対してテーブル9を進行させ(即ち、測定子19を前後方向F1で相対的に進行させ)、該測定子19の接触点20が該前面12に当接することにより第1距離D1と第2距離D2を測定できるように構成することもできる。要は、テーブル9の中心Aと測定子19の接触点20又は照射点28との間の距離が変化できるようになっていればよい。或いは、測定子19の前進とテーブル9の前進を組合わせて構成することもできる。このような構成は、前記測定子19の進行ストロークが大きくなり過ぎてしまう場合や、進行ストロークが不足する場合に特に好ましい。
【0090】
(2) 前記接触型の測定装置1aにおいて前記第1の測定器17aと前記第2の測定器17bを固定状態に設ける場合、前記第1の基準位置にある第1の接触点20aと、該第1の接触点20aを通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点P1(図7)との間の距離と,第2の基準位置にある前記第2の接触点20bと、該第2の接触点20bを通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点P2(図7)との間の距離が相違する場合は、該両距離が同一値となるように前記数値制御手段で補正が行なわれるようになされる。このように補正が行なわれれば、図3〜4に基づいて説明した計算手順におけるα1の値を前記と同様にして求めることができる。
このことは、前記非接触型の測定装置1bにおいて前記第1の測定器17aと前記第2の測定器17bを固定状態に設ける場合においても同様である。
【0091】
(3) 本発明に係る測定装置1は、前記測定器17を、テーブルの中心を通る上下方向の軸線と平行する直線上で上下移動可能とすることにより、例えば前記ワーク7aとしての被測定物7の上下厚さを測定することも可能となる。
そのための一態様として、例えば図33に示すように、前記上の挾持片32と同様構成を有して昇降し得る昇降測定部材205の前面206に、上方に向けて且つ該昇降測定部材側に向けて傾斜する測定傾斜面207を具えた測定傾斜部208を設けることとする。然して今、前記昇降測定部材205が下降してその下端209が、テーブル9上の前記被測定物7の上面210に当接した状態にあるとする。この状態において、前記測定器17の前記測定子19が該測定傾斜部208の上側に存する位置から下降して、前記接触点20が該測定傾斜面207に当接したときの、測定当接点211と前記テーブル9の上面11との間の距離をH1とすれば、前記昇降測定部材205の下端209と、前記接触点20が前記測定傾斜面207に当接した測定当接点211との間の距離H2が予め設定されていれば、被測定物7の上下方向の高さは、H1−H2で求められる。なお、前記測定傾斜部208は、前記測定当接点211と前記テーブル9の上面11との間の距離H1が予め所要値に設定されるならば、前記昇降測定部材205とは無関係に設けることもできる。
【0092】
(4) 図34は、図3に示す状態からテーブル9を前記軸線10回りに180度回転させた状態を示すものであり、前記と同様にして、テーブルの中心Aと、該中心Aを通り且つ前面(図3において後側に位置していた面)12と直交する交点212とを結ぶ直線18hの長さα4’が求められる。従って、前記ワーク7aの短辺長さL2はα4とα4’の合計長さとして正確に測定されることになる。同様にして、前記ワーク7aの長辺長さL1も正確に測定できる。かかるL1、L2の測定によって、例えば、所定に加工したワークを出荷する前段階で、被測定物が所要寸法に仕上がっているかどうかを確認できる。
【0093】
(5) 前記実施例においては、前記測定器17が、前記テーブル9の中心Aに対して左右方向F2で見て等距離移動する場合が示されているが、測定器17の、前記テーブル9の中心Aに対する左右方向F2で見た移動量は異なってもよい。この場合は、例えば測定器17の、前記中心Aから、左右方向F2で見て一方向に移動する移動距離を予め所要に設定しておけば、前記数値制御手段によって前記テーブル9の軸線10回りの所要角度θを計算できる。
【0094】
(6) 前記前面位置決め部13は、前記下の挾持片33を以て構成できることの他、被測定物7の上方位置から下方に向けて下降することによって前記被測定物7の前面12に当接できるものや、側方位置から被測定物7に向けて突出することによって前記被測定物7の前面12に当接できるもの等、該被測定物7の前後方向F1の概略の位置決めを行ない得るように該前面12に当接させ得る各種構成のものを採用できる。
【0095】
(7) 本発明に係る測定装置は、前記前面位置決め部13や前記隣接面位置決め部16を具えないものとして構成されることもある。
【0096】
(8) 本発明に係る測定装置は、前記ワークとしての被測定物7の他、測定を要する各種の被測定物を対象として所要の測定を行なうことができる。
【0097】
(9) 前記工作機械は、前記した面取り加工の他、ワークの側面全体のフライス加工や、孔明け加工、上下方向の溝切り等の溝切り加工、タップ加工、研磨加工、パンチング加工等、前記ワーク7aの被加工部に対して施すことが可能な各種の機械加工を行なうことができるものである。
【0098】
(10)機械加工が面取り加工である場合、前記フライス6aの個数は前記のように2個とされることの他、前記した可動のフライス6aの1個だけとされることもある。フライス6が1個の場合も、該フライス6の移動動作によって、ワーク7aの前面12における上下左右の縁部に面取り加工を施すことができる。
【0099】
(11)前記テーブル9は、平面視で長方形状の形態を呈するものの他、平面視で円形乃至その他の形態を呈するものとして構成されることもある。
【0100】
(12)本発明に係る被測定物7は、前記テーブル9上に載置された状態で、前後方向で見て前に位置する前面が、該前後方向と直交する左右方向に直線状に延長する姿勢を取り得る面を具えるものであれば、平面視で長方形状を呈するものには特定されず、平面視で、正方形状や六角形状、八角形状、台形状、菱形状等の多角形状を呈するものの他、円弧状等の曲線状辺と直線状辺との組合せからなる辺を有する形態を呈するものであってもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 測定装置
2 ワーク張出し部分
3 クランプ装置
5 工作機械
6 フライス
7 被測定物
7a ワーク
9 テーブル
10 軸線
11 上面
12 前面
13 前面位置決め部
15 隣接面
16 隣接面位置決め部
17 測定器
19 測定子
20 接触点
22 一端側位置
23 第1当接点
25 他端側位置
26 第2当接点
28 照射点
32 上の挾持片
33 下の挾持片
34 第1反射点
38 第2反射点
205 昇降測定部材
207 測定傾斜面
208 測定傾斜部材
211 測定当接点
D1 第1距離
D2 第2距離
F1 前後方向
F2 左右方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物が載置されるテーブルを具え、該テーブルは、平面視で、その中心を通る上下方向の軸線回りに回転でき、該テーブル上に載置された該被測定物は、前後方向で見て前に位置する前面が、該前後方向と直交する左右方向に直線状に延長する姿勢を取り得る面として形成されており、
前記被測定物の前記前面の前方側に位置させて、前記左右方向で移動できる測定器が設けられ、該測定器の有する測定子の接触点は、当初は、前後方向で見て基準位置にあり、該接触点が前記テーブルの中心を通る前後方向の直線上に存するとした場合における、基準位置にある該接触点と該中心との間の距離が所要値に設定されており、
該測定器が、前記左右方向で見た一端側に移動し、該一端側位置で、前記測定子が前記前面に向けて前後方向で相対的に進行し該測定子の接触点が、前記テーブル上の前記被測定物の前記前面に当接することにより、該当接した第1当接点と、基準位置にある該接触点との間の第1距離を測定できると共に、
該測定器が、前記左右方向で見た他端側に移動し、該他端側位置で、前記測定子が前記前面に向けて前後方向で相対的に進行し該測定子の接触点が、前記テーブル上の前記被測定物の前記前面に当接することにより、該当接した第2当接点と、基準位置にある該接触点との間の第2距離を測定できるようになされており、
測定された該第1距離と該第2距離が相違する場合は、前記テーブルが前記軸線回りに所要角度分だけ回転することにより、前記一端側位置における、基準位置にある前記接触点と前記前面との間の前後方向距離と、前記他端側位置における、基準位置にある前記接触点と前記前面との間の前後方向距離とが等しくなるように補正が行なわれるようになされていることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
被測定物が載置されるテーブルを具え、該テーブルは、平面視で、その中心を通る上下方向の軸線回りに回転でき、該テーブル上に載置された該被測定物は、前後方向で見て前に位置する前面が、該前後方向と直交する左右方向に直線状に延長する姿勢を取り得る面として形成されており、
前記被測定物の前記前面の前方側に位置させて、且つ、前記前後方向と直交する左右方向で見て、所要距離を隔てた地点に、第1の測定子を有する第1の測定器と、第2の測定子を有する第2の測定器が設けられており、該第1の測定子の第1の接触点は、当初は、前後方向で見て第1の基準位置にあり、該第2の測定子の第2の接触点は、当初は、前後方向で見て第2の基準位置にあり、
前記第1の基準位置にある第1の接触点と、該第1の接触点を通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点との間の距離と,第2の基準位置にある前記第2の接触点と、該第2の接触点を通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点との間の距離とは所要の同一値に設定されており、又は、該両距離が相違する場合は該両距離が同一値となるように補正が行なわれるようになされており、
前記第1の測定子が前記前面に向けて前後方向で相対的に進行し該第1の測定子の第1の接触点が、前記テーブル上の前記被測定物の前記前面に当接することにより、該当接した第1の当接点と、第1の基準位置にある該第1の接触点との間の第1距離を測定できると共に、前記第2の測定子が前記前面に向けて前後方向で相対的に進行し該第2の測定子の第2の接触点が、前記テーブル上の前記被測定物の前記前面に当接することにより、該当接した第2当接点と、第2の基準位置にある該第2の接触点との間の第2距離を測定できるようになされており、
測定された該第1距離と該第2距離が相違する場合は、前記テーブルが前記軸線回りに所要角度分だけ回転することにより、第1の基準位置にある前記第1の接触点と前記前面との間の前後方向距離と、第2の基準位置にある前記第2の接触点と前記前面との間の前後方向距離とが等しくなるように補正が行なわれるようになされていることを特徴とする測定装置。
【請求項3】
被測定物が載置されるテーブルを具え、該テーブルは、平面視で、その中心を通る上下方向の軸線回りに回転でき、該テーブル上に載置された該被測定物は、前後方向で見て前に位置する前面が、該前後方向と直交する左右方向に直線状に延長する姿勢を取り得る面として形成されており、
前記被測定物の前記前面の前方側に位置させて、前記左右方向で移動できる測定器が設けられ、該測定器の有する測定子の照射点が前記テーブルの中心を通る前後方向の直線上に存するとした場合における該照射点と該中心との間の距離が所要値に設定されており、
該測定器が、前記左右方向で見た一端側に移動し、該一端側位置で、前記測定子の照射点から光線が前後方向で後方に向けて照射され、前記前面で反射された反射光を前記測定器の検出部で検出することにより該前面の第1反射点と該照射点との間の第1距離を測定できると共に、
該測定子が、前記左右方向で見た他端側に移動し、該他端側位置で、前記測定子の照射点から光線が前後方向で後方に向けて照射され、前記前面で反射された反射光を前記測定器の検出部で検出することにより該前面の第2反射点と該照射点との間の第2距離を測定できるようになされており、
測定された該第1距離と該第2距離が相違する場合は、前記テーブルが前記軸線回りに所要角度分だけ回転することにより、前記一端側位置における前記照射点と前記前面との間の前後方向距離と、前記他端側位置における前記照射点と前記前面との間の前後方向距離とが等しくなるように補正が行なわれるようになされていることを特徴とする測定装置。
【請求項4】
被測定物が載置されるテーブルを具え、該テーブルは、平面視で、その中心を通る上下方向の軸線回りに回転でき、該テーブル上に載置された該被測定物は、前後方向で見て前に位置する前面が該前後方向と直交する左右方向に直線状に延長する姿勢を取り得る面として形成されており、
前記被測定物の前記前面の前方側に位置させて、且つ、前記前後方向と直交する左右方向で見て、所要距離を隔てた地点に、第1の測定子を有する第1の測定器と、第2の測定子を有する第2の測定器が設けられており、
前記第1の測定子の第1の照射点と、該第1の照射点を通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点との間の距離と,前記第2の測定子の第2の照射点と、該第2の照射点を通る前後方向の直線と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との交点との間の距離とは所要の同一値に設定されており、又は、該両距離が相違する場合は該両距離が同一値となるように補正が行なわれるようになされており、
前記第1の測定子の第1の照射点から光線が前後方向で後方に向けて照射され、前記前面で反射された反射光を前記第1の測定器の検出部で検出することにより該前面の第1反射点と該第1の照射点との間の第1距離を測定できると共に、前記第2の測定子の第2の照射点から光線が前後方向で後方に向けて照射され、前記前面で反射された反射光を前記第2の測定器の検出部で検出することにより該前面の第2反射点と該第2の照射点との間の第2距離を測定できるようになされており、
測定された該第1距離と該第2距離が相違する場合は、前記テーブルが前記軸線回りに所要角度分だけ回転することにより、前記第1の照射点と前記前面との間の前後方向距離と、前記第2の照射点と前記前面との間の前後方向距離とが等しくなるように補正が行なわれるようになされていることを特徴とする測定装置。
【請求項5】
前記テーブルの、前後方向で見た前方側に位置させて、該テーブル上に載置された前記被測定物の前記前面と当接し得る前面位置決め部が設けられると共に、前記左右方向で見た一端側に位置させて、前記前面に隣接する隣接面と当接し得る隣接面位置決め部が設けられており、該前面位置決め部と前記テーブルの中心を通る左右方向の直線との間の前後方向距離が所要値に設定されると共に、前記隣接面位置決め部と前記テーブルの中心を通る前後方向の直線との間の左右方向距離が所要値に設定されており、前記テーブルに載置された前記被測定物の前記前面と前記隣接面を、前記前面位置決め部と前記隣接面位置決め部とに当接させることにより、該被測定物の左右方向と前後方向の位置決めを行ない得るようになされ、又、左右方向で移動する測定子の移動範囲は、このように位置決めされた状態で見て、前記前面の、左右方向で見た両端間の範囲内とされていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の測定装置。
【請求項6】
前記測定器が、前記テーブルの中心を通る上下方向の軸線と平行する直線上で上下動可能となされており、又、テーブル上に載置された前記被測定物の上面に下端が当接し得る昇降測定部材が昇降可能に設けられており、該昇降測定部材には測定傾斜部が設けられると共に、該測定傾斜部は、上方に向けて且つ該昇降測定部材側に向けて傾斜する測定傾斜面が設けられており、
前記昇降測定部材が下降してその下端が前記テーブル上の前記被測定物の上面に当接した状態で、前記測定器の前記測定子が下降して前記接触点が前記測定傾斜面に当接したときの、測定当接点と前記テーブルの上面との間の距離が所要値に設定されると共に、前記昇降測定部材の下端と前記測定当接点との間の距離が所要値に設定されていることを特徴とする請求項1記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2012−106330(P2012−106330A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150826(P2011−150826)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000154451)株式会社武田機械 (6)
【Fターム(参考)】