説明

湧水に対する掘削面の安定性評価方法

【課題】掘削工程の中で湧水に対する掘削面の安定性を迅速かつ正確に評価する、湧水に対する掘削面の安定性評価方法を提供する。
【解決手段】湧水に対する掘削面の安定性評価方法は、切羽(掘削面)において土壌硬度計による支持強度を計測する計測工程と、計測工程で計測した土壌硬度計による支持強度と掘削前の土質調査で得られた地山の均等係数とを用いて切羽における地山の限界動水勾配を推定する推定工程と、推定工程で推定した限界動水勾配と切羽の周辺地盤における動水勾配とを比較して、湧水に対する切羽の安定性を評価する評価工程と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は湧水に対する掘削面の安定性評価方法に関する。より詳しくは、砂質土地山における湧水に対する掘削面の安定性を評価する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
未固結の砂質土地山における地下掘削では、湧水に伴う掘削面の崩壊が多く報告されている。砂質土地山の湧水に対する安定性を評価する手法として、掘削前の事前計画段階における手法が多く提案されている。これらは例えば土粒子の粒径等を指標とするものである。
湧水に対する安定性の指標の一つに限界動水勾配がある。非特許文献1には水平一次元浸透崩壊モデル実験により試料の限界動水勾配の値を得ることが記載されている。また、特許文献1には、透水性地盤に削孔して削孔内の水位を低下させ、動水勾配を増大させることによりボイリング現象を人為的に発生させ、ボイリング発生時の削孔内外の水位差を用いて限界動水勾配を演算する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−2711号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】木谷日出男、大島洋志、榎本秀明「切羽安定性評価のための砂質地山の分類法」鉄道総研報告、Vol.5、No.6、pp.39−46.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、限界動水勾配等の湧水に対する安定性の指標は、一般的に掘削前の計画段階で土質試験により得ることが必要であり、掘削工程の中で掘削面において同様の指標を得ることは困難である。また、特許文献1に示した測定方法も、測定の際に地盤に削孔する必要があり、掘削工程の中で掘削面において実施することは難しい。現状では掘削工程の中で掘削面の湧水に対する安定性を評価する手法は確立されておらず、目視での観察を主体として安定性の評価を行なっている。
【0006】
このため、計画段階の湧水に対する地山の安定性の評価と、掘削中の掘削面の湧水に対する安定性とが異なる場合がある。この場合、例えば計画段階の湧水に対する地山の安定性の評価に基づき選定された支保等が不十分であると、湧水に伴い掘削中の掘削面が崩壊を引き起こす危険性がある。
【0007】
これに対して、掘削面の湧水に対する安定性を迅速かつ正確に評価する手法があれば、評価に応じて掘削中の掘削面において適切な対策工等を実施でき、上記のような危険性を低減することができる。また、掘削工程の中での評価手法を確立することは計画段階での安定性評価の妥当性を検討するために必要である。
【0008】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、掘削面の湧水に対する安定性を迅速かつ正確に評価する湧水に対する掘削面の安定性評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達するための本発明は、掘削面において土壌硬度計による支持強度を計測する計測工程と、前記計測工程で計測した土壌硬度計による支持強度を用いて前記掘削面における地山の限界動水勾配を推定する推定工程と、前記推定工程で推定した限界動水勾配と、前記掘削面の周辺地盤における動水勾配とを比較することにより、湧水に対する前記掘削面の安定性を評価する評価工程と、を具備することを特徴とする湧水に対する掘削面の安定性評価方法である。
【0010】
上記構成により、湧水に対する掘削面の安定性を評価することが可能になる。また、掘削面の安定性の評価を定量的に行うので、従来の目視による評価に比べて熟練を必要とせずに正確な評価ができ、誰でも実行可能な点で有利である。加えて、計画段階での地山の湧水に対する安定性の評価の検証が可能になる。
【0011】
土壌硬度計は公知のものを利用可能である。一般的に小さく持ち運びが容易であり、使用方法も先端の円錐体を切羽に差し込んだ後目盛を読むだけでよいので、迅速に土壌硬度計による支持強度が計測される。上記構成により、掘削時に試料を採取して試験を行う必要がなく、湧水に対する掘削面の安定性の評価を安価且つ迅速に行うことができる。評価を迅速に行うので、掘削工程の中で湧水に対する掘削面の安定性の評価が可能になる。
【0012】
前記推定工程では、前記計測工程で計測した土壌硬度計による支持強度に加えて、掘削前の土質調査で得られた地山の物性値を用いて前記掘削面における地山の限界動水勾配を推定する。
上記構成により、湧水に対する安定性の評価の精度を向上させることができる。
【0013】
前記物性値は、地山の均等係数であることが望ましい。
地山の均等係数は、地山による値の違いが大きい指標である点、土壌硬度計による支持強度との関連性が低く共線性の問題が生じない点で有利である。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、掘削面の湧水に対する安定性を迅速かつ正確に評価する湧水に対する掘削面の安定性評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】トンネルの掘削工程を示す断面図
【図2】本実施形態の湧水に対する掘削面の安定性評価方法の流れを示す流れ図
【図3】土壌硬度計による支持強度の計測について説明する図
【図4】土壌硬度計による支持強度と限界動水勾配の関係を示す図
【図5】地山の均等係数、土壌硬度計による支持強度と限界動水勾配の関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1、図2、図3を参照しながら、本発明の湧水に対する掘削面の安定性評価方法の実施形態について説明する。
図1は、トンネルの掘削工程を示す断面図である。
図2は、本実施形態の湧水に対する掘削面の安定性評価方法の流れを示す流れ図である。
図3は、土壌硬度計による支持強度の計測について説明する図である。
【0017】
本実施形態の湧水に対する掘削面の安定性評価方法は、砂質土地山等における図1に示すようなトンネル1の掘削工程の中で、トンネル1の切羽(掘削面)の湧水に対する安定性を評価する際に用いられる。
図1において、3a、3bはトンネル1の切羽である。本実施形態では切羽3a、3bにおいて湧水に対する安定性の評価が行われる。5a、5bはボーリング孔である。トンネル1の掘削が予定される地点において、ボーリング孔5a、5b、…が掘削前の事前計画段階で地山の土質調査のため掘削される。6a、6bは土質調査においてボーリング孔5a、5bでそれぞれ観測される地下水位を示す。破線Aはトンネル1の掘削前の地山の地下水位の例であり、破線Bはトンネル1を切羽3aまで掘削した時の地山の地下水位の例である。
【0018】
図2を参照して、トンネル1の掘削工程において用いる本実施形態の湧水に対する掘削面の安定性評価方法の流れについて説明する。
【0019】
まず、トンネル1の掘削に先立つ事前計画段階で対象地山の土質調査が行われる(ステップ201)。
【0020】
ステップ201の土質調査では、トンネル1の掘削が予定される地点において、地表面から図1のボーリング孔5a、5b、…を掘削したり、地山に対する弾性波探査を行ったりして地層の状態等が調べられる。また、ボーリング孔5a、5b、…より試料を採取し、各種試験によって試料の一軸圧縮強度や相対密度、細粒分含有率、均等係数等の地山の物性値が調べられる。
【0021】
ステップ201の土質調査のデータを基に対象地山について地山分類が行われる(ステップ202)。地山分類は、トンネルの安定性を左右する諸特性により地山を分類するものである。例えば地山を構成する岩種及び砂質土等の土砂の種類、さらには弾性波速度や地山強度比等、特に砂質土地山についてはその相対密度や細粒分含有率等の地山の物性値により地山が分類される。
【0022】
また、本実施形態では特に、ステップ201の土質調査により対象地山について地山の均等係数を得ておく(ステップ203)。
均等係数は試料を構成する土粒子の粒径が揃っている度合いを示す。既知の指標であるので詳細は省略するが、大きな値をとるほど様々な粒径の土粒子が混在していることになる。均等係数は後述する限界動水勾配の値と関連性を有し、後述する切羽の湧水に対する安定性の評価の際に用いられる。
【0023】
加えて、ステップ201の土質調査において、対象地山の地下水位が事前計画段階で観測される(ステップ204)。土質調査で掘削した図1のボーリング孔5a、5b、…において地下水位6a、6b、…が観測される。
【0024】
ステップ202の地山分類を基にして、トンネル1の掘削時の掘削面における支保等が計画される(ステップ205)。ロックボルトの本数や吹付けコンクリート厚など、地山分類に応じトンネル1に対して適切な支保が選択される。また、場合によっては先受け工や水抜き孔など、切羽の安定化や地下水位低下のための対策工が計画される。
【0025】
ステップ205で計画された支保等で、トンネル1の掘削が行われる(ステップ206)。
【0026】
ステップ206でトンネル1を所定の位置まで掘削すると、その切羽について、以降に示す湧水に対する安定性評価を行う。ここでは、図1に示す切羽3aまで掘削したとする。
【0027】
まず、切羽3aにおいて、土壌硬度計による支持強度を土壌硬度計を用いて計測する(ステップ207)。土壌硬度計には、例えば山中式土壌硬度計等がある。土壌硬度計については既知であるので、以下簡単な説明に留める。
【0028】
図3(a)に示すように、(山中式)土壌硬度計7は、筒体9と、筒体9の先端に位置し、筒体9の長さ方向に移動可能な円錐体11と、筒体9内部に取り付けられ、円錐体11の底面を弾性力により支持するばね(不図示)と、ばねの縮み量に応じて筒体9の長さ方向に変動する遊動指標13とを有し、筒体9には支持強度目盛15が設けられている。
【0029】
図3(b)に示すように、本実施形態では、土壌硬度計7の円錐体11を切羽3aに対して垂直に差し込み貫入させ、筒体9の先端を切羽3aにつき当てて用いる。この時の円錐体11に対する地山の抵抗力と円錐体11を支持するばねの縮みによる弾性力との釣り合いから地山の抵抗力を求め、円錐体11の底面積で除して土壌硬度計による支持強度とする。支持強度目盛15により、遊動指標13の位置から土壌硬度計による支持強度が一目でわかるようになっている。
【0030】
土壌硬度計は、一般的に小さく持ち運びが容易である。使用方法も先端の円錐体を切羽に差し込んだ後目盛を読むだけでよいので、迅速に土壌硬度計による支持強度が計測される。
【0031】
ここで、上記求めた土壌硬度計による支持強度が限界動水勾配と関連することを、図4を参照して説明する。
【0032】
図4は、乱れの少ない複数の試料について水平一次元浸透崩壊モデル実験(非特許文献1参照)を行い限界動水勾配の値を求めるとともに、各試料を採取した露頭やトンネル切羽で(山中式)土壌硬度計による支持強度を計測し、その関係をプロットした散布図である。
【0033】
図4の縦軸は限界動水勾配であり対数軸である。横軸は土壌硬度計による支持強度である。図4より、決定係数Rが0.75以上と両者が強い関連性を有し、土壌硬度計による支持強度が大きくなるほど限界動水勾配も大きくなることがわかる。
【0034】
次に、ステップ203で得られた地山の均等係数、ステップ207で得られた土壌硬度計による支持強度より、限界動水勾配を推定する(ステップ208)。
【0035】
図5を用いてこれを説明する。図5は、地山の均等係数及び土壌硬度計による支持強度と限界動水勾配Icの関係を示す図である。図5のグラフにおいて、縦軸は地山の均等係数、横軸は土壌硬度計による支持強度であり、各値の組み合わせに対応する地山の限界動水勾配Icが推定できるようになっている。これらの関係は、事前の実験検討により得られたものである。事前の検討では、トンネル計画地周辺の露頭やボーリングコアなどから採取した試料を用いて、限界動水勾配と土壌硬度計による支持強度との関係を把握し、上記限界動水勾配Icの推定に用いることが望ましい。これにより、限界動水勾配Icの推定や、以降に示す湧水に対する切羽の安定性の評価を当該トンネル計画地の現場の条件により適したものにすることができる。
【0036】
例えば、図5の点Cは均等係数の値が約20、土壌硬度計による支持強度が約2(N/mm)の地山を表しており、限界動水勾配Icが20≦Ic<50の範囲19に含まれることが図5より読み取れる。従って、均等係数が約20、土壌硬度計による支持強度が約2(N/mm)の地山の限界動水勾配Icが取り得る値の範囲が20≦Ic<50であると推定される。以上のように地山の均等係数と土壌硬度計による支持強度より限界動水勾配Icが推定される。
【0037】
なお、ステップ208における限界動水勾配の推定は、限界動水勾配の値や値の範囲を直接的あるいは間接的に推定しているものであればよい。
よって、図5のグラフでは地山の均等係数及び土壌硬度計による支持強度と限界動水勾配Icの値や値の範囲との関係が直接的あるいは間接的に表現されていればよく、表現方法は問わない。例えば地山の均等係数と土壌硬度計による支持強度に応じて限界動水勾配Icの値が取り得る範囲の下限値を示すものでもよい。また、地山の均等係数と土壌硬度計による支持強度より推定された限界動水勾配Icに代えて、後述のステップ210で当該限界動水勾配Icと比較し切羽が安定と判定される動水勾配の値の範囲を示すなど、間接的に限界動水勾配Icの推定がされている表現を行うことも可能である。
【0038】
また、切羽3aの周辺地盤における動水勾配を得る(ステップ209)。
これは、例えば、事前計画段階(ステップ204)で行われた、切羽3aの前方に位置するボーリング孔5aにおける地下水位観測の結果(地下水位6a)を用いる。即ち、地下水位6aと切羽3aの位置とがなす勾配により動水勾配の値を定める。
【0039】
実際には、掘削と同時に地下水の排水を行う等の理由により、一般にトンネル1の掘削時の地下水位は、図1の破線Aで示されるような事前計画時(トンネル掘削前)の地下水位に比べ、図1の破線Bで示されるように切羽3aに向かうほど低下する状態となる。よって、上記のように事前計画段階で観測した地下水位6aに基づいて動水勾配を定めた場合、一般にトンネル1の掘削時の実際の動水勾配の値よりも大きく評価することになる。これは、本実施形態の湧水に対する掘削面の安定性評価方法における後述する切羽の安定性評価においては動水勾配を安全側に評価することになる。
なお、迅速に評価を行えないという難点はあるものの、切羽3aからの先進ボーリング等により動水勾配を測定することも可能である。
【0040】
次に、ステップ208で推定された限界動水勾配と、ステップ209で得られた動水勾配とを比較する(ステップ210)。これにより、湧水に対する切羽の安定性を判定(評価)する(ステップ211)。
【0041】
即ち、推定された限界動水勾配の範囲の下限値より動水勾配の値が低ければ、切羽3aは湧水に対して安定であると判定する。ステップ211の分岐はYesとなり、事前に計画した支保等でトンネルを掘り進める(ステップ212)。
【0042】
一方、動水勾配が限界動水勾配の範囲の下限値より高ければ、切羽3aは湧水に対して安定であるとはいえないと判定され、ステップ211の分岐はNoとなる。このとき、切羽3aに対して湧水に対する安定化のための対策工を実施する(ステップ213)。場合によっては対策工の変更や支保の見直しを行う。例えば水抜き孔により地下水位を低下させる、切羽3aにウレタン注入等して切羽3aの安定化を図る等行う。対策工の実施後、ステップ212に進み、トンネル1を掘り進める。
【0043】
湧水に対する切羽の安定性の評価は、トンネル1の掘削長さやボーリング孔5a、5b、…との位置関係、トンネル1やその掘削面の状況等に応じて適宜行うことができる。
【0044】
ステップ212でトンネル1を掘り進み、次に切羽の安定性の評価を行う地点(図1の切羽3b)に達したら、土質調査で得られた均等係数及び切羽3bで計測した土壌硬度計による支持強度により切羽3bの地山の限界動水勾配を推定し、切羽3bの周辺地盤における動水勾配と比較して切羽3bの湧水に対する安定性評価を再度行う。
【0045】
なお、本実施形態では湧水に対する切羽の安定性評価の際に土壌硬度計による支持強度に加え、地山の均等係数を用いて評価を行った。これは、評価の精度を向上させるためである。しかしながら、土壌硬度計による支持強度のみ用いて切羽の安定性評価を行うことも可能である。これは、例えば図4に示すような土壌硬度計による支持強度と限界動水勾配の関係に基づいて、計測された土壌硬度計による支持強度を有する地山の限界動水勾配の値あるいは値の取り得る範囲等を推定することにより行うことができる。
【0046】
また、地山の均等係数は、土粒子の細粒分含有率等、地山の限界動水勾配に関連する他の地山の物性値にかえてもよい。ただし、地山の均等係数を用いることは、地山による値の違いが大きい指標である点、土壌硬度計による支持強度との相関性が低く共線性の問題が生じない点で有利である。また、事前の調査により均等係数と肉眼観察結果との対応をとることで、掘削工程の中で均等係数をおおまかに推定することも可能である。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の湧水に対する掘削面の安定性評価方法によれば、土壌硬度計による支持強度と地山の均等係数を用いて湧水に対する掘削面の安定性評価を行う。均等係数は事前計画段階の土質調査から得られる値であり、土壌硬度計による支持強度は掘削時に切羽で計測される。このため、試料を採取して試験を行う必要がなく、湧水に対する切羽の安定性評価を安価且つ迅速に行うことができる。よって、掘削工程の中で安定性評価を実施することができる。また、安定性評価を定量的に行うので、従来の目視による評価に比べて熟練を必要とせず、誰でも正確な評価を行うことができる。加えて、当初の地山分類の妥当性の検証や、指標等評価方法の詳細について検証して精度を向上させることが可能になる。また、純粋な力学的指標を用いるので地山の地域性に影響されず、汎用性を有する点においても有利である。
【0048】
以上、添付図面を参照しながら、本発明にかかる湧水に対する掘削面の安定性評価方法等の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0049】
1………トンネル
3a、3b………切羽
5a、5b………ボーリング孔
6a、6b………地下水位
7………(山中式)土壌硬度計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削面において土壌硬度計による支持強度を計測する計測工程と、
前記計測工程で計測した土壌硬度計による支持強度を用いて前記掘削面における地山の限界動水勾配を推定する推定工程と、
前記推定工程で推定した限界動水勾配と、前記掘削面の周辺地盤における動水勾配とを比較することにより、湧水に対する前記掘削面の安定性を評価する評価工程と、
を具備することを特徴とする湧水に対する掘削面の安定性評価方法。
【請求項2】
前記推定工程では、前記計測工程で計測した土壌硬度計による支持強度に加えて、掘削前の土質調査で得られた地山の物性値を用いて前記掘削面における地山の限界動水勾配を推定することを特徴とする請求項1記載の湧水に対する掘削面の安定性評価方法。
【請求項3】
前記物性値は、地山の均等係数であることを特徴とする請求項2記載の湧水に対する掘削面の安定性評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−222805(P2010−222805A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69460(P2009−69460)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】