説明

湾曲微細構造

ナノリットルおよびマイクロリットル範囲で、流体媒体のサンプリング、移送および/または分配用装置は、開放あるいは閉じられた溝あるいは毛細管をそれぞれ持った基板からなり、開放あるいは閉じられた溝あるいは毛細管をそれぞれ持った該基板は、少なくとも1つの位置で曲げられあるいは弓状になっている。該基板は、開放あるいは閉じられた毛細管状溝あるいは経路それぞれ伸びている少なくとも1つの端からなり、該端は、その応用あるいは用途にしたがって、たとえば、針状、直線状カット、チップ状、少なくとも半円形状、円形などとして、形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の導入により、それぞれ流体媒体のサンプリング、移送または分配用の装置または機器、少なくとも1つの装置または設備からなる微細構造、装置または構造のそれぞれの製造方法、ならびに装置または構造の用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特に、医療分野あるいは医薬分野などの、分析分野における特定の流体などの流体サンプルをそれぞれサンプリングまたは分配するために、いわゆるピペットあるいは毛細管あるいは多重ピペット微細構造が使用されている。分析実験室での効率の向上、経済的使用させる過程において、またこの分野でのより少ないサンプル量により、特にピペットあるいは多重ピペット構造などの使用される機器がより緻密になり、より複雑になっている。この目的のために、たとえば、ザイマークまたはカリパー社から、2〜100nlの範囲でのサンプリング量用の384本までのいわゆるピペットチップからなる多重ピペット構造が提案されている。
【0003】
EP1388369においては、少なくとも1つの毛細管経路を含む経路スプリングプローブを含むマイクロアレーシステムに使用できるマイクロシステムが提案されている。組み込まれた経路を持った提案されたスプリングビーム、たとえば伸縮性金属ビームは、開放時に基板から曲がる。この経路スプリングプローブは、複数の層状塗膜を用いて基板を被覆することにより、特定の生産工程を用いて基板上に配置され、その結果、スプリング特性が達成される。
【発明の開示】
【0004】
本発明の課題は、さらなる改良あるいは容量の増加および毛細管電気泳動、毛細管クロマトグラフィーなどにおける特定の分析、検査シリーズの施行、サンプリング、サンプル分配におけるナノシステムあるいはマイクロシステムを用いることにより、マイクロ技術的処理工程中での自動化の向上の可能性を提案することにある。
【0005】
本発明によると、“まっすぐな”装置の代わりに、EP1388369中に提案された基板上に配置されたナノリットルあるいはマイクロリットル範囲の平面の2次元構造あるいは経路スプリングプローブ、屈曲したあるいは弓状の流体装置あるいは対応する流体機器、あるいは3次元構造が使用されることを提案する。たとえば、流体媒体のサンプリング、移送および/あるいは廃棄用の平面外のサンプリング装置が提案され、それは、基板表面内で、少なくとも1つの縦延伸ストリップ状部を含み、基板表面外に延びた少なくとも一つの位置において曲げられあるいは弓なりになるようにしたサンプリング用あるいは分配用のピペットまたは毛細管チューブあるいは針などの液体経路よりなることを特徴とする。
【0006】
本発明の用語における“屈曲した”とは、初期段階で、実質的に平面基板の面外、たとえば、3次元構造をエッチングすることによりあらかじめ形状づけられた基板が、特定の屈曲作用により製造され、初期段階での平面基板の屈曲部分が基板の平面から突出していることをいう。詳しくは、基板平面中に、あるいは基板平面から連続している毛細管経路あるいは溝が製造可能であることをいう。
【0007】
驚くべきことに、またいかなる仮説に対しても、たとえば、いわゆる毛細管溝中および開放流体経路中への流れも、ナノリットルあるいはマイクロリットル範囲で、コーナー周囲に作用することが実験で証明できた。開放経路あるいは複数の開放経路は、屈曲位置における曲率半径の外側のみならず内側において存在できる。
【0008】
もちろん同じことは、以上提案した少なくとも1つの屈曲位置あるいは屈曲構造からそれぞれなっているナノリットルあるいはマイクロリットル範囲の液体経路をそれぞれ包含する、複数の装置あるいは機器からなる構造に対しても有効である。
【0009】
言うまでもなく、毛細管溝あるいは流体経路内の流体の流動特性は、その形状、および表面仕上げあるいは内壁面の塗膜に依存している。水ベースの溶液あるいは流体の場合にはその表面は好ましくは親水性であって、さらに油性の流体の場合にはより疎水性であることが好ましい。一般的な見解として、流体とその表面との接触角が小さくなければならないといえる。
【0010】
先行技術内では、いわゆる3次元構造が公知であって、そこでは、サンプリング用の毛細管は、EP1388369で提案されたたとえば、経路スプリングプローブのようないわゆる“面外”構造中に結合され、および/あるいは“面外”構造上に配置される。
【0011】
これらの構造に対する生産コストは非常に高く、製造方法も複雑で誤りやすい。そのような構造のいくつかに加えて、先行技術のいわゆる閉じられた毛細管を意味する使用されなければならない閉じられた流体経路が提案されている。EP1388369に提案されているスプリングプローブに加えて、スプリング特性を達成するために多重構造が基板上に適用されなければならない。
【0012】
ピペットまたは毛細管の製造のため、すなわち本発明により提案された装置、あるいはそれぞれ好ましくは可塑的に成形可能な材料からなる複数の装置あるいは機器からなる構造の製造のために今日通常使用される金属などの材料とは対照的に、1層のみからなる少なくとも部分的なプラスチックポリマーおよび同じ物が通常使用される。
【0013】
一方、発明として提案されたエレメントの製造あるいはピペットおよび毛細管などの機器あるいは全構造の製造では、通常1層のみからなる流体経路からなるエレメントあるいは機器のように非常に簡単であり、簡単に屈曲させることが可能である。さらに、たとえば、液体経路を製造するためのエッチングなど、周知のリソグラフィープロセスを使用することにより処理可能な金属バンドを基礎として使用できる。たとえば、小さな金属バンドの片側あるいは両側上に開放経路を生産することが可能であり、また、さらに閉じられた経路がフィルムを用いて開放経路を覆うことにより製造できる。発明エレメントあるいは装置それぞれの製造用のエッチング、打ち抜き、折り曲げなどの可能な製造プロセスは、添付の図を参照して後で説明するものとする。
【0014】
本発明により提案された機器または装置の利点は、サンプルを基板から除去する際に、多少縦方向に基板に対して移動しなくてもよいため、装置を含むピペットあるいは毛細管などの屈曲または弓状のエレメントを用いることにより、サンプリングあるいはサンプルの分配がはるかに容易になる。たとえば、サンプルを除去するために、基板の表面上でその片側から平行に装置を含むピペットあるいは毛細管を移動することは可能である。限定された寸法条件においても、本発明の構造を用いることにより、同時に、複数のサンプルが簡単な方法で除去または分配可能である。本発明で提案された装置あるいはエレメントあるいは構造のそれぞれの種々の利点は、添付の図面を参照してより詳細に後に説明するものとする。
【0015】
さらに、上述の装置あるいは構造を用いる流体媒体のサンプリング、移送および/あるいは分配プロセスを説明する。本発明のプロセスによれば、ピペットあるいは針などの毛細管、または複数のピペットまたは毛細管からなる構造が使用され、流体は、それぞれ弓状のまたは湾曲したサンプルをサンプリング位置または分配位置に沿って移送される。
【0016】
エレメント、装置ならびに構造およびプロセスのさらなる好ましい態様または実施の態様は、それぞれ独立請求項中に特徴付けられている。
【0017】
本発明による装置、機器あるいは構造のそれぞれは、化学、医療、マイクロ生物学、医薬などの分野における診断または分析プロセスに特に適している。添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1a〜1cの概略図および斜視図は、本発明の流体構造の“コーナー周り”の個々の流体エレメント上に、どのように流体経路が配列できるかを、3つの実施の態様で示している。図1aは、湾曲2からなる閉じられた経路を持った2層からなる湾曲エレメント1を示している。
【0019】
図1bは、たとえば、ほぼ90°の湾曲を持った開放“内部”経路からなる1層湾曲エレメント3を示している。
【0020】
最後に、図1cは、“外部”開放経路と湾曲2からなる1層湾曲エレメント5を示している。
【0021】
図2aおよび2bは、各々、針形状である湾曲エレメントを示している。図2aは、内部開放経路および針形状チップ6を持った湾曲針形状のエレメント7を示している。図2bは、外部開放経路および針形状チップ10を持った湾曲針形状エレメント9を示している。針の形状をした湾曲流体エレメントは、ウェル板からのサンプリング、または体液の直接サンプリングあるいは穿刺による人体あるいは動物の体への流体の分配に使用できる。
【0022】
湾曲または弓状の流体エレメントは、図3aおよび3bに示すように、チップ端として形成できる。図3aは、内部開放経路を持った湾曲チップ11と均等カットチップ端12とを示し、一方図3bは、均等カットチップ端14からなる外部開放経路を持った湾曲チップ13を示している。チップ状エレメントは、ウェル板からのサンプリングに使用できる。チップ端は流体中に浸される必要があるのみで、毛細管は自動的に充填される。もちろんチップのあるいは針状エレメントの他の形態あるいはデザイン、たとえば半円形端からなるエレメント、波構造をした端からなるエレメントなどが可能であり、エレメントの端領域は、上述したように、毛細管、または閉鎖または開放していてもよい複数の毛細管を含んでいてもよい。
【0023】
実験使用において、特に開放流体経路を用いた場合の“コーナー周りの”流れが完全に働くことが示された。開放経路(毛細管)が湾曲半径の表面の内部にあるか外部にあるかは関係ない。
【0024】
図4aの概略的な斜視図において、液体源としてのウェル板ディスク21が、閉じられた円としての円形ディスクに対応して配置された開放溝23によって示されている。開放溝23は、いわゆるウェル容器25を経由して供給される。たとえば図1〜3に示された流体エレメントの使用によるサンプルのサンプリングあるいは分配は、次のように起こりうる。図4に示したような開放溝23を持ったウェル板ディスク21としての平らなディスクは、流体装置用の液体源となる。サンプリングは、溝(液体との接触)内の流体エレメント9(1つのみのエレメントが図示されている)の浸漬により起こりうる。そのようにする場合に、湾曲エレメントの毛細管現象(毛細管力)は、溝の1つよりも大きくしなければならず、これらの溝はディスク上に配置されている。このことは、たとえばより小さな毛細管寸法あるいはより大きな毛細管アスペクト比を用いることにより起きる。
【0025】
ディスク溝あるいはCD溝が常に流体で満たされていることを確かめるために、エッチングされたウェル容器25を配置させることが好ましい。これらのウェルは、たとえばピペットを使用することにより、従来の方法で満たしてよい。該ディスクは、円形状溝まわりのいずれの位置においてもサンプリングが可能になるように静力学的に維持させることも回転させることもできる。
【0026】
図4bに縁取りされたウェル容器25に接続された直線溝23’を図4bとは対照的に持っている同様なパネル状ウェルプレート21’が示されている。流体サンプルの採取は、溝23’中に浸漬される流体エレメント9(1つのみのエレメントが図示されている)により行われる。図4aのディスク状のプレート21と同様に、図4bのパネル状ウェルプレート21’は垂直方向に移動可能であり、溝23’の全長に沿ってサンプリングを行うことができる。
【0027】
図4cは、図4aおよび4bのI−I線に沿った断面図を示している。これは、各溝23あるいは23’の寸法よりそれぞれ幾分か大きいウェル25の寸法を示している。結果として、これらのウェル25を満たすことは容易であり、また一方該ウェルを使用することにより、溝23あるいは23’はサンプリング採取用の各流体媒体で均一に充填されることが保証される。
【0028】
図4では、ディスクの表面に平行なディスクにわたって湾曲流体エレメントが導かれ、その結果、局部的寸法比が制限されているとしてもサンプリングを行うことができるという本発明の利点または発明装置の利点が非常に明瞭に示されている。換言すれば、従来のピペットを使用する場合には、ウェルプレートディスク21上の空間はそれぞれ開放または自由でなければならないが、本発明の流体エレメントを用いる場合には、表面上の相対的に小さなギャップで充分である。
【0029】
図5〜7において、サンプルの分配の可能な例がより詳細に説明されている。図5aおよび5bにおいて、サンプルの分配は、湾曲流体エレメントをフリースエレメントまたは不織エレメントに単に浸漬することにより行われる。図5aでは、チップエレメント13からフリース31内へのサンプルの分配が示されており、一方図5bでは、針形状ディップ端9からフリース31内へのサンプルの分配が行われる。
【0030】
サンプルの分配は、図6aおよび6bに示されているように、平坦な表面上へ湾曲流体エレメントのチップ状端を接触させることによっても行ってもよい。図6aは、内部開放毛細管を持ったエレメント7を用いる万年筆の原理を示している。流体エレメント7は、分配された液体を含むストライプ33を製造するために引かれることが好ましい。対照的に、図6bは、開放外部毛細管を持ったエレメントを用いる万年筆の原理を示している。流体エレメント9は、分配された液体を含むストライプ35を製造するために押し出されることが好ましい。しかし、もちろん、流体エレメント7も押し出してもよく、一方流体エレメント9が各ストライプの製造のために引かれてもよい。最後に、少なくとも万年筆状チップ端中の毛細管はその両側で開放的に形成されてもよく、そのことは毛細管が、たとえば手書きに使用される万年筆に類似して完全に開放されていることを意味していると理解するべきである。
【0031】
図7は、いわゆるNxM混合領域を持ったマルチプレックスアレーを概略的に透視図で示している。
【0032】
図7に概略的に示されるように、複数のいわゆる万年筆針がNxMアレーを製造するために使用される。“内部”開放経路を持ったエレメント7ならびに“外部”開放経路針を持った湾曲針9開放経路、あるいは完全な開放経路あるいは毛細管を使用してもよい。それぞれ針チップ6または10から液体を分配することにより液体ストライプ33および35を引くことができ、液体ラインは交差し、その結果、混合領域37が生じる。既に記述したように、示された形状はNxM混合領域を持ったいわゆるマルチプレックスアレー上にある。
【0033】
図8および9を参照して、1つの流体装置から他の流体装置へのサンプルの移送はどのように行われるかを説明する。図8aでは、チップ端12を持ったチップ装置11から、チップ端12を持ったさらなるチップ装置11へのサンプルの移送を示している。一方の装置11のチップ端12は、他の装置の対向チップ端上を滑る。接触時には、2つの毛細管がオーバーラップすることが重要である。一方の装置は、液体受容器として作用する他の空の装置に対して液体源として作用する。1つの条件は、作用する2つの装置がオーバーラップする開放毛細管からなっているということである。
【0034】
図8bは、同様の方法で、チップ端6を持った1つの針7からチップ端12を持ったチップエレメント11へのサンプルの移送を示している。移送は、2つの毛細管経路の接触が液体の移送のために到達するまで1つの装置を水平に移動することにより行われる。その結果移送が生じ、1つのチップエレメントの毛細管現象(毛細管力)が、針の毛細管内の1つのエレメントより大きくなければならない。これは、チップエレメント中でのより小さな毛細管寸法を用いることにより、あるいはより大きな毛細管アスペクト比を用いることにより達成される。
【0035】
図9において、液体移送の更なる可能性を示している。1つのチップ状に形成された装置11において、経路18が位置決めの問題点を解決するために形成される。針状装置7は、針チップ6が、位置決め経路18に係合し、また液体移送が起こるまで水平に導かれる。さらに、上側の針状装置7に狭い部分20をより容易なx/y位置決めができるように配置できる。位置決め補助あるいは位置決めエレメントは、それぞれ、たとえばエッチングマスク内ですでに簡単な方法で統合できる。各湾曲エレメントは、たとえば、エレメントが、さらなるエレメントとかみ合うか、あるいは2つのエレメントのあいだの不正確な位置決めを補償することを可能にするグループ、あるいは狭い部分などの追加の形成された部分を持っていてもよい。そのような位置決め補助を使用することにより、流体の安全な移送は向上することができる。記述した自動位置決め構造あるいは自動調整構造を製造することは不要であり、たとえば、エッチング装置中に統合できる。位置決め補助の製造中には、さらなる処理工程は不要である。結局、該エレメントは自動調節の固有のこれらの特性を持っており、そのために、外部の補助手段はもはや必要ではない。
【0036】
図1〜9においては、主として流体エレメントのみが示され、また後続の図では、複数の個々の流体エレメントからなる本発明の構造をより詳細に説明する。このために、図10は、CD状のスチールディスク41を示し、そこでは、たとえば、エッチングあるいは打ち抜きにより構造が作られ、種々の個々のエレメントを湾曲させることにより各流体構造を作るために提供される。この構造が、同時に種々のサンプルのサンプリング用に適しておりあるいは同時に複数のサンプルの分配用に適している。カセット化問題は、同様に解決できる。
【0037】
図10のスチールCD41から作られる構造は、図11中に概略的にかつ斜視図で示している。面外湾曲構造は、上面からおよび側面から示されている。CDディスク41内では、ディスクの中心部において、針状チップ47のみならず、ストライプ状長さ部分43および45がエッチングにより作られる。多面体的湾曲端42に沿って湾曲させることにより、ストライプの内部分は下側に曲げられかつ同時に、CDディスク41の中心にある針チップが同時に分離され、ストライプ45の端から伸びる流体針エレメント47を作り出し、そこでは、エレメントはサンプルのサンプリング用あるいは分配用に設けられる。
【0038】
さらに好ましくは、ストリップ状部分43および45の中心線中の1つの特定のストライプを参照して示したように、毛細管46が、好ましくは再びエッチングにより作られ、さらには、外側のストライプ43の領域にはいわゆるポットあるいはウェル48が作製される。
【0039】
同時に図11に示した構造により、複数のサンプルは、各サンプル溝中に針チップ47を浸漬することにより、除去またはサンプリング可能である。サンプルは、針47のチップから採取され、毛細管46を経由して、キャビティ、ウェルまたはポット48中にそれぞれ移送される。構造のディスク状部分43上に配置されたこれらの拡大した容器あるいはポットを、たとえば赤外線、NMRなどを使用して、液体サンプル検出あるいは分析用に使用可能である。
【0040】
同様に、図12では、更なる類似構造が、やや上からの斜視図として示されており、その構造では、ストリップ状部分51が周囲に配置されており、周囲とは該構造50の外側輪郭におけることを意味している。針状チップ53を再び使用することによりサンプルを除去することができ、かつサンプルは、毛細管55を越えて、容器あるいはポットあるいはキャビティ57あるいは59中にそれぞれ移送される。サンプリングされたサンプルのそれぞれの検出または分析は、周辺機器部分で行うことができ、そのことは、容器57内ならびに容器、ポットまたはウェル59の上側の水平領域であることを意味する。
【0041】
図11による例ではいわゆるドラム−カセット“内部”、また図12では、いわゆるドラム−カセット“外部”が示されている。ドラムが形成されるようにディスク形状の構造を曲げることが可能である。図11および12に示された構造は、いわゆるドラム−カセットであり、それは、2つの示された構造が同時に複数のサンプルをサンプリングして分配できるので、カセット化問題を解決できることを意味している。したがって、カセット化はいくつかのエレメントを1つの要素に集めることである。もちろん、他の形(ドラム以外の)として、図13に示されたような、王冠あるいはCDのようなカセット化も可能である。
【0042】
さらに、カセット化の構造は、たとえば堆積物として保管または移送することができるという利点がある。
【0043】
図13a〜13dは、構造上または構造における流体エレメントからなる可能な本発明の構造のさらなる実施の態様を示している。図13aは、少なくとも略円形の金属ディスクまたはCD状ディスク61を平面図で示しており、そこでは、周囲に延伸した個々の流体エレメント63が配置されている。個々の流体エレメントは、金属CD内でエッチングにより製造される。図13bを参照して示したように、個々の流体エレメント63は、復元力を持った弾性のある平らなスプリング状エレメントである。図13bにおいてより良好な一般的概観を得るために、単一の流体エレメント63のみを示す。平らなスプリング状エレメントの製造は、金属材料の機械的弾性により可能である。結果として、図示した平らなスプリング状または固体連結などの特定の作動原理を作り出すことが可能である。
【0044】
図13cは、湾曲針状チップ65に組み合わされた平らなスプリング状エレメント63の可能な特定の実施の態様を示している。湾曲針状チップの組み合わせは、サンプルの向上したサンプリングを可能にする。
【0045】
図13dにおいて、テストストリップ接触手法が、図13aに示された構造の使用により、どのように達成できるかを概略的に示している。より良好な概観のために、図13dにおいて、針状チップ65を有する圧縮応力を受けた流体エレメント63の1つのみを示している。さらなるエレメントは、概観中にのみ示されている。個々の平らなスプリング状エレメント63は、上の方向へやや事前に曲げられている。たとえば、円形作動エレメント67を使用して作動させることにより、図4中に示したように、各平らなスプリング状エレメントを、たとえばテストストリップ、あるいはたとえばいわゆるウェルプレートディスクに接触させるために押し下げることができる。ここで、サンプルのサンプリングあるいはサンプルの分配が実施可能であり、流体の移送を行った後、作動はキャンセルすることが可能であり、また平らなスプリング状エレメント63は圧縮応力を受けた位置に戻り、その結果、該テストストリップは非ブロック化される。
【0046】
その結果、流体エレメントあるいは個々の平らなスプリング状エレメントは、構造あるいは個々の流体エレメント製造のためにそれらの圧縮応力を受けた位置に留まり、変形時にある程°の弾性と復元力を有する材料を使用しなければならない。そのため、提案された構造を作るために、たとえば特に金属材料が適している。
【0047】
さらに、ピエゾ基板あるいはBi金属をそれぞれ用いて、金属基板を塗布することも可能となり、その結果、ピエゾエレメントを移動させることにより、個々の流体エレメントあるいは平らなスプリング状エレメントの作動を行うことができる。
【0048】
以上既に記述したように、平らなスプリング状エレメントの製造は、エッチングにより達成できる。これは、添付の図14aおよび14bを参照して、より詳細にされるものとする。まず、金属CDまたは金属ディスク81を再びエッチングし、その結果、領域または区域63が金属ディスクから部分的に分離される。
【0049】
図14bに示されているように、力Fを印加することにより、エレメントは、ある速度伝達比で力Fと反対方向に前端において曲げられる。
【0050】
換言すれば、圧縮応力は、図13a〜13dに記載されているように生じる。
【0051】
さらに、ある速度伝達比で事前に曲げられたエレメントは、ピエゾ基板あるいはBi金属を用いて塗布可能であり、その結果、サンプルのサンプリングあるいはサンプルの分配のためにピエゾエレメントあるいはBi金属により作動可能となる。
【0052】
図15および16を参照して、本発明の流体エレメントの製造をより詳細に説明する。図15aは、従来製造されているナノリットルおよびマイクロリットル範囲での流体量に対する平面構造81を示しており、それは、基板81上で、ナノリットルおよびマイクロリットル構造がエッチングにより製造されることを意味する。構造の経路あるいは毛細管84からなる各エレメント83の各端において、湾曲ツールを適用するのに充分な大きさである穴あるいはキャビティ85が、必要により設けられている。
【0053】
図15bは、湾曲した面外ナノリットルおよびマイクロリットル構造87を示しており、そこでは、各エレメント83は曲げられ、湾曲エレメント部88を形成し、これは、ほぼ90°の範囲の湾曲あるいは偏向を持っていてもよい。言うまでもなく異なる角度も可能であり、数〜約180度までの範囲にすることができる。
【0054】
特に図1〜3を参照して説明した、少なくとも1つの流体経路84からなる個々の構造エレメント83の製造について、図16a〜16fまでを参照して、より詳細に説明する。図16aは、図15からの基板プレート81に対応した金属基板を断面図で示す。本発明による応用のために適している基板材料は、プラスチック変形の固有の特性を持たなければならず、それは結果として、たとえば、金属あるいは弾性ポリマーが適していることを意味している。たとえば、シリコン、ガラスなどのかなり脆い、脆弱なまたは非結晶の材料の使用は、3次元における撓みが実質的には可能ではないため制限されている。図16bにおいて、図16aからの金属基板は、通常エッチング手法を用いて、たとえばその両側にポリマー層91で被覆される。
【0055】
該ポリマー層は、後に部分的に光に暴露され、露光した部分を洗浄して部分的に除去し、その結果、図16cで概略的に示したように、経路方向に延びたフリー領域93が生じる。フリー領域93の金属をエッチングすることにより、図16dに概略的に示すように、毛細管経路95が生じる。もちろん、エッチングを両側で行う必要はなく、したがって、片面のみに開いている毛細管経路95の製造のために金属シートの片面のみを処理してもよい。
【0056】
さらなる実施の態様によれば、図16eに概略的に示すように、金属のエッチングにより、全開放経路97を製造することも可能である。
【0057】
最終的に、ポリマー91を除去され、その結果、図16fの断面図に概略的に示されているように、本発明で提案されている流体エレメント用の経路または毛細管が作製される。
【0058】
たとえば、図1bおよび1c中の流体エレメントに示されているように、経路を開放したままにしておくことが可能である。しかし、一方では、たとえば金属フィルムなどのカバーフィルムを使用することにより、該開放経路を被覆または結びつけることが可能であり、その結果、閉じられた経路が作製される。
【0059】
同時に、エッチングによる経路状の毛細管の製造工程において、図14を参照して説明した伝送力、位置決めエレメントとしての統合されたガイダンスなどが製造可能である。
【0060】
さらに、単純な平面状ナノリットルおよびマイクロリットル構造から、一定部分は、アーチ作用、形成などにより湾曲させることにより2次元平面から3次元(面外)に曲げられ、その結果、ナノリットルおよびマイクロリットル範囲の本発明の構造が生じる。平面状ナノリットルおよびマイクロリットル構造は、図15および16を参照して記述したリソグラフィーまたはエッチングなどの従来のマイクロ技術製造方法を用いて製造できる。図15bに示されたような個々の面外湾曲エレメント88を達成するために、種々の技術を用いてもよい。最も一般的または明白な方法は、たとえば湾曲あるいは打ち抜きツールの使用により、構造81の面外に単純にエレメント83を少なくとも部分的に押し付けることである。打ち抜きツールあるいは端包含ツールに沿って、エレメントを引くことも可能である。さらなる可能性は、ローラー状のツールを用いることである。また、さらなる可能性は、張力を生み出すために構造の1面に、あるいは少なくともエレメントの表面に熱を加えることであり、その結果、特定の湾曲ツールを用いずに、湾曲させることもできる。さらに、もしたとえば、図16a〜16fを参照して記述したような経路あるいは毛細管状溝の製造プロセスのあいだに、対称的縁取りを用いる場合には張力が達成され、その結果、特定の湾曲ツールを必要としないで面外湾曲が形成される。
【0061】
湾曲エレメントは、たとえば、接触、針打ち抜き、反射など種々の異なった機能を発揮することができる。基板面外のエレメントを曲げるための事前条件は、たとえば、特に図13a,13b,14b,15aおよび15bを参照して述べたように、基板シート全体を経由して、少なくとも部分的にエッチングすることである。“全面エッチング”は個々の単一湾曲エレメントを生産することを可能にする。
【0062】
マイクロ構造の塑性変形の可能性は、図17a中に概略的に示したように、たとえば、面外距離生成エレメント、位置決め穴、調整補助、位置決め補助、ストッパーなどを、マイクロ流体システム中に含めさせることを可能にする。このことにより、外側システムに関連する、たとえばマイクロ流体エレメントの位置決めの向上が増加できる。記述した調整エレメントあるいは距離生成エレメントの製造に対しては、さらなるプロセス工程は必要ではない。必要な場合には、図17aの面外に示されているように、記述した距離生成エレメントのようなこれらの位置決めエレメントあるいは調整エレメントを曲げるために、さらなる曲げ工程を用いなければならない。しかし、通常、距離生成エレメントとしてのこれらのエレメントは、たとえば、エッチングマスク内に統合されてもよい。したがって、流体エレメントは、固有のこれらの位置決めエレメントあるいは距離生成エレメントを包含し、さらなる外部の補助手段は必要ではない。さらに、これらの補助手段は、流体経路あるいは毛細管を包含してもよい。とにかく、流体は“コーナー周り”を流れている。したがって、プレート最適化を作り出すことが可能である(それは、流体面積を減少させることを意味する)。
【0063】
さらに、図17bは、図9および17a中の複数の流体装置の堆積物を示している。換言すれば、距離生成エレメント、ストッパー、位置決め穴などを包含している複数のマイクロ構造はこれらの湾曲補助部品の充分な位置決めにより堆積可能である。このことにより、マイクロ構造(流体有り、あるいは流体なし)のカセット化を容易にする。
【0064】
以上述べたように、本発明は、ナノリットルおよびマイクロリットル範囲での極少量の液体の輸送および/あるいは移送のためのナノリットルおよびマイクロリットル構造を利用している。血液をサンプリングする例として、たとえば3mmの長さを持つ針状チップは、使用可能であり、針シャフトの幅は、おおよそ400ミクロンであってもよく、毛細管は、おおよそ200ミクロンの幅であってもよく、また毛細管の深さは、たとえば、約80ミクロンであってもよい。サンプリングされる血液の量は、2マイクロリットルおよび100マイクロリットルの範囲でありうる。もちろん、これらの値は、本発明の理解を良くするために与えられた例であり、またそのために、本発明は、記述された値に限定されることはまったく無い。本発明では、発明で記述されたマイクロ構造が、それぞれどの位精細であるか、あるいは小さいかを示すべきであり、また少ない液体量を考慮しているかが示されている。
【0065】
本発明の大きな利点は、サンプリングあるいは“コーナー周りの”サンプル分配は、湾曲したナノあるいはマイクロ構造を用いることにより可能となることである。たとえば、流体装置は、サンプルがサンプリングされる基板あるいはオブジェクトにそれぞれ平行にガイドされあるいは移動され、サンプルのサンプリングを容易にするので、発明装置あるいはエレメントあるいは構造をそれぞれ用いることにより、サンプリングあるいはサンプル分配は空間的あるいは寸法的に非常に制限された条件で可能となる。
【0066】
記述された生産方法のみならず図1〜17を参照にして示した流体エレメントおよび構造は、もちろん例であり、本発明は、図面、および示されたエレメントに限定されることはまったくなく手法を記述している。図面は、理解を良くするためにのみ使用されているのであり、またさらに、たとえば、流体エレメントあるいは構造それぞれの生産に使用された材料は、もちろん金属あるいは弾性ポリマーに限定されるものではない。少なくとも部分的に弾性的セラミック材料を、発明エレメントあるいは構造それぞれの生産に使用できることも可能である。さらに、開放あるいは閉じられた毛細管を使用するならば、また液体装置の端において、針状チップ、端のない末端、直線カットした端チップ、丸型あるいは波状あるいは鋸歯状端が配置される必然性はない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】湾曲した流体経路の実施の態様を斜視図で示している。
【図2】針形状のチップ端からなる湾曲エレメントを斜視図で示している。
【図3】チップ状端からなる湾曲エレメントを斜視図で示している。
【図4a】サンプリング用の流体エレメントならびに液体容器を斜視図で示している。
【図4b】サンプリング用の流体エレメントならびに液体容器を斜視図で示している。
【図4c】図4aおよび4bのI−I線に沿った断面図を示している。
【図5】湾曲流体エレメントの、フリースエレメントあるいは不織エレメント中へ簡単な浸漬を斜視図で示している。
【図6】万年筆の原理にしたがって、湾曲流体エレメントからの流体の分配を概略的に斜視図で示している。
【図7】流体エレメントのような万年筆の使用により作られたいわゆる混合領域を持ったマルチプレックスアレーを概略的に示している。
【図8】毛細管のオーバーラップ接触により、流体装置から流体装置へのサンプル移送を示している。
【図9】追加の位置決めエレメントの使用による、2つの流体エレメントのあいだへの流体移送を概略的に斜視図で示している。
【図10】両面からエッチングされ、そこから発明の構造を生産するために、針形状の流体エレメントを湾曲できるスチールCDの例を平面図で示している。
【図11】図10のCDから製造された構造を側面から斜視図で示している。
【図12】図11中に示された構造に類似のさらなる構造を示している。
【図13】平面図でのCD上に配置された弾性フラットスプリング状流体エレメントを、サンプル分配用の作動エレメントの使用により作動されるのと同様の側面から見た断面図で示している。
【図14】本発明による構造の生産用の平らなスプリングにおける機械的伝導装置の例を示している。
【図15】湾曲した“面外”マイクロ構造のみならず従来法で製造された平面状のマイクロ構造を示している。
【図16】本発明の流体エレメント中の流体経路の製造用の可能なバージョンを示している。
【図17a】湾曲した間隔エレメントを持ったマイクロ流体装置を示している。
【図17b】図17a中に示された複数のマイクロ流体構造の堆積体を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノリットルおよびマイクロリットル範囲で流体媒体をサンプリング、移送および/または分配するための装置であって、
基板面内において、少なくとも1つの縦に延びたストリップ状部分が基板面から曲げられ、該ストリップ状部分には開放または閉じられた溝あるいは毛細管がそれぞれ設けられ、基板面外の少なくとも1つの位置から正確に曲げられることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記溝または経路がそれぞれ開放され、前記曲げられた位置の内部表面に配置されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記溝または経路がそれぞれ開放され、前記曲げられた位置に沿った外部表面に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記溝または経路がそれぞれ開放され、前記曲げられた位置の内部表面ならびに外部表面に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つのストリップ状部分が、前記開放されたまたは閉じられた毛細管状液体溝または経路のそれぞれがその中に延びた少なくとも一端からなり、該端部は、その応用または用途によって、たとえば針状、直線状、チップ状、少なくとも略半円形状、円形状などに形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記基板および/または針の少なくとも1つの部分が、たとえば、金属または弾性あるいは可塑性ポリマーなどの可塑性成形材料からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
曲げ角度が、0〜180°の範囲、好ましくは60〜120°の範囲、さらに好ましくはおよそ90°であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
位置決めエレメントが、サンプルのサンプリングまたはサンプルの分配のそれぞれの調整あるいは整列を可能にするために設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
複数のストリップ状部分が装置中または装置上に設けられ、少なくとも1つの溝または経路のそれぞれからなり、また少なくともその一部が装置の基板の面外で曲げられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
それぞれナノリットルおよびマイクロリットル範囲の少なくとも開放されたまたは閉じられた経路または溝からなる針状ピペットおよび/またはチップ状ストリップ部分が、ナノリットルまたはマイクロリットル装置の基板面から0〜180°の範囲、好ましくは60〜120°の範囲、さらに好ましくはおよそ90°の曲げ角度で曲げられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
ピーク状端、針状端またはチップ状端からなる複数の湾曲部分または機器が設けられ、その結果、所定の位置で接触または係合するさらなる装置または構造において液体サンプルをサンプリングすることができ、分配することができあるいは移送することができることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記装置またはその基板が、少なくとも略円形、正方形、6角形および/またはディスク状であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
ストリップ状部分のチップ状端、針状端あるいはピーク状端が、前記装置の基板中あるいは上に、弾性的に圧縮応力をかけて配置されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
開放されたまたは閉じられた溝または経路のそれぞれを持った少なくとも1つのストリップ状部分からなる流体媒体のサンプリング、移送および/あるいは分配用装置の請求項1〜13のいずれか1項に記載の少なくとも1つの流体装置を含む構造であって、少なくとも1つの装置の少なくとも1つのストリップ状部分が、少なくとも1つの位置で曲げられ、その結果該部分が各装置の基板面外で曲げられることを特徴とする構造。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の流体装置および/またはサンプル採取のために設けられている媒体源として、2つ以上の個々の好ましくは直線状、あるいは円状の開放された溝(23、23’)を持ったパネルまたはディスク状プレート(21、21’)からなる請求項14記載の構造を用いて、流体媒体をサンプリングするための配置。
【請求項16】
少なくとも1つの個々の縦に延びたエレメントまたはストリップ状部分を、エッチング、打ち抜きなどにより基板内にそれぞれ製造する工程と、
少なくとも1つの経路または毛細管状の開放または閉じられた溝それぞれを、リソグラフィーあるいはエッチングにより、少なくとも1つのエレメントまたは少なくとも1つのストリップ状部分に沿って同時にまたはさらなる工程で製造する工程と、
いわゆる面外装置および/または構造を製造するために、可塑性、弾性あるいは機械的形成により、少なくとも1つの位置において、少なくともエレメントの一部または基板の面外の部分を曲げる工程とからなることを特徴とする3D流体装置または構造の製造方法。
【請求項17】
一端において基板に接続され反対側の端部において基板から接続を断たれた複数の縦に延びたエレメントまたはストリップ状部分が製造され、
少なくとも大抵のエレメントあるいはストリップ状部分において、基板から接続を断たれた部分のエレメントの端まで延伸する縦に延びた溝または経路が製造され、
エレメントまたは部分の少なくとも1つ位置において、少なくとも大抵のエレメントが基板の面外に曲げられ、その結果これらのエレメントまたは部分が少なくとも基板の面外の位置において曲げられまたは弓形状になり、いわゆる面外装置および/または構造を製造することを特徴とする請求項16記載の製造方法。
【請求項18】
前記エレメントまたは部分の曲げ手法が、ローラー状エレメントまたは曲げツールの縁部に沿って前記エレメントまたは部分を引くことにより行われることを特徴とする請求項16または17記載の製造方法。
【請求項19】
前記エレメントまたは部分が、エレメントまたはストリップ状部分の製造により、あるいは溝または経路それぞれの製造において非対称に縁をつけられ、その結果、エレメントまたは部分が、張力によって基板の面外に曲げられることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項20】
医療、医薬、化学または生物化学的処理における診断および/または分析目的のための流体サンプルのサンプリングまたは流体サンプルの分配のための請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置、請求項14記載の構造または請求項15記載の配置の用途。
【請求項21】
いわゆる3D構造またはいわゆる面外構造の製造のための請求項16〜19のいずれか1項に記載の製造方法の用途。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2008−520978(P2008−520978A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541630(P2007−541630)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000688
【国際公開番号】WO2006/053461
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】