説明

湿度インジケータと乾燥剤パックとの結合ユニット

【課題】 湿度インジケータと乾燥剤パックとの結合ユニットの未使用状態では湿度インジケータを乾燥剤パックに対する待機位置に重ねておくことができ、また包装袋内への封入後は、湿度インジケータと乾燥剤パックとを相互に極力離した状態に保つことができて、袋内部の湿度検知を精度よく的確に行えるようにする。
【解決手段】 湿度インジケータIは、それの一端部が乾燥剤パックDの一端部に接着されていて、その接着部又はその接着部近傍を回動中心として該インジケータIが乾燥剤パックDの一面上に重なる待機位置Iaと、同乾燥剤パックDの一端縁Deより外側に張出す使用位置Ibとの間を反転回動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード状の湿度インジケータと乾燥剤パックとの結合ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記湿度インジケータとしては、吸湿により変色する感湿物質(例えば塩化コバルト)をカード状のベース紙に含浸させてなる湿度判定板の表面に、該感湿物質が露出する湿度判定部としての判定面を設け、この判定面での感湿物質の変色(塩化コバルトの場合は青→ピンク)によりベース紙周辺環境の湿度判定を視覚的に行えるようにした構造のものが従来公知である。
【0003】
このような湿度インジケータは、湿気を嫌う種々の工業製品(例えば、エポキシ系樹脂が湿気吸収によりひび割れの原因となることがある回路基板等の電子部品)の輸送等において、透明な気密性包装袋の内部に前記製品や乾燥剤パックと一緒に封入されて使用される。即ち、そのような使用状態で前記製品を輸送する際には、包装袋内の湿度が規定限界を超えていないか否かを湿度インジケータの湿度判定面の色から目視判定可能であるため、乾燥剤パックの入った包装袋内が適正な湿度状態(乾燥状態)に保たれているかを簡単にチェックできるものであり、そのため、斯かる湿度インジケータは、電子工業界等において従来より広く使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、上記包装袋の内部に製品を封入する際に、乾燥剤パックと湿度インジケータとを別々の専用保管容器より取り出して包装袋内に一緒に入れるようにしており、その際に包装袋内では、袋内部の湿度検知を精度よく的確に行うために乾燥剤パックと湿度インジケータの湿度判定面とを少なくとも一定距離以上離すことが望ましいとされている。そのため、これら乾燥剤パック及び湿度インジケータの保管管理や、包装袋内への封入作業が比較的面倒なものとなっており、また封入後においても、乾燥剤パックと湿度インジケータとが袋内で振動等のために相互に接近移動し、重なり合う虞れがあった。
【0005】
また、従来の湿度インジケータでは、その湿度判定面が外部に剥き出しの状態とされるため、内部が低湿度状態に保たれる専用保管容器や上記のような乾燥剤パック入り包装袋から大気中に出されたときに、その湿度判定面が室内空気との直接接触で比較的速やかに変色してしまい、次のような問題がある。即ち、上記包装袋を開封して中の湿度インジケータを取り出したときに、その湿度判定面が比較的短時間で変色すると、作業者が変色前の色を見落として誤判定を行うことがあり、また未使用の湿度インジケータを専用保管容器より取り出して上記包装袋に移し替える際に、作業がもたつく等して移し替え前に変色が起きた場合に、使用者が当該湿度インジケータを不良品と見誤る等して、種々のトラブルの原因となることがある。
【0006】
さらに従来から湿度インジケータのベース紙は、濾紙(フィルタペーパー)その他の紙で形成されていたが、そのような紙、特に濾紙においては、その外面や切断面から微細なダスト(紙の屑、繊維等)が発生し易く、それが電子部品に付着するとその性能に影響する可能性があるので、上記ベース紙から発生したダストが外部に拡散しないようにすることが望ましい。
【0007】
本発明は、前述の諸事情に鑑みてなされたもので、従来の上記問題を簡単な構造で解決できるようにしたことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、カード状に形成した紙製の湿度判定板の表面に少なくとも1つの湿度判定部が設けられていて、該湿度判定部の吸湿に伴う変色により湿度判定を可能とした湿度インジケータと、湿気を嫌う物品を収納するための包装袋内に該物品と一緒に入れられる乾燥剤パックとの結合ユニットであって、湿度インジケータは、それの一端部が乾燥剤パックの一端部に接着されていて、その接着部又はその接着部近傍を回動中心として該インジケータが乾燥剤パックの一面上に重なる待機位置と、同乾燥剤パックの一端縁より外側に張出す使用位置との間を反転回動可能であることを特徴としており、また請求項2の発明は、カード状に形成した紙製の湿度判定板の表面に少なくとも1つの湿度判定部が設けられていて、該湿度判定部の吸湿に伴う変色により湿度判定を可能とした湿度インジケータと、湿気を嫌う物品を収納するための包装袋内に該物品と一緒に入れられる乾燥剤パックとの結合ユニットであって、湿度インジケータは、それの一端部が乾燥剤パックの一端部に接着されていて、その接着部又はその接着部近傍を回動中心として、該インジケータの少なくとも湿度判定部を乾燥剤パックの一面上に重ねる待機位置と、該インジケータの少なくとも湿度判定部を同乾燥剤パックの一端縁より外側に張出させる使用位置との間を反転回動可能であることを特徴とする。
【0009】
また請求項3の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、前記紙製の湿度判定板の表面は外部に露出しており、その湿度判定板の、湿度判定部から離れた一端部外面が乾燥剤パックの一端部外面に接着されることを特徴とする。
【0010】
また請求項4の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、前記湿度インジケータは、前記紙製の湿度判定板の表面を覆う透明な第1樹脂フィルムと、同判定板の裏面を覆う第2樹脂フィルムとを有していて、その両フィルムの外周縁部相互がその全周に亘って、湿度判定板の外周縁より食み出した位置で接着され、その第1樹脂フィルムと湿度判定板の表面との間には、前記湿度判定部の全面を臨ませた扁平な空気層が形成されると共に、この空気層を大気に直接連通させる複数の小孔が相互に間隔をおいて第1樹脂フィルムに形成され、何れかの樹脂フィルムの一端部外面が乾燥剤パックの一端部外面に接着されることを特徴とする。
【0011】
また請求項5の発明は、カード状に形成した紙製の湿度判定板の表面に少なくとも1つの湿度判定部が設けられていて、該湿度判定部の吸湿に伴う変色により湿度判定を可能とした湿度インジケータと、湿気を嫌う物品を収納するための包装袋内に該物品と一緒に入れられる乾燥剤パックとの結合ユニットであって、湿度インジケータは、湿度判定板の表面を覆う透明な第1樹脂フィルムと、同判定板の裏面を覆う第2樹脂フィルムとを有していて、その両フィルムの外周縁部相互がその全周に亘って、湿度判定板の外周縁より食み出した位置で熱接着され、その第1樹脂フィルムと湿度判定板の表面との間には、前記湿度判定部の全面を臨ませた扁平な空気層が形成されると共に、この空気層を大気に直接連通させる複数の小孔が相互に間隔をおいて第1樹脂フィルムに形成され、一方の樹脂フィルムの一端縁部は、これと対応する他方の樹脂フィルムの一端縁部よりも外側に延出していて、その延出部が前記乾燥剤パックの一端部に熱接着されると共に、その熱接着部又はその接着部近傍を回動中心として湿度インジケータが、乾燥剤パックの一面上に重なる待機位置と、同乾燥剤パックの一端縁より外側に張出す使用位置との間を反転回動可能であることを特徴としている。
【0012】
また請求項6の発明は、前記請求項1〜5の何れかの発明の特徴に加えて、前記湿度インジケータは、これが前記待機位置にあるときに、湿度判定部が外側を向くことを特徴とする。
【0013】
また請求項7の発明は、前記請求項4又は5の発明の特徴に加えて、少なくとも前記一方の樹脂フィルムは、外側樹脂層と、この外側樹脂層の内面に一体に接合された内側樹脂層との二層構造とされ、該内側樹脂層が、該外側樹脂層よりも低融点の接着層であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、湿度インジケータと乾燥剤パックとを、その両者を一纏めにユニット化した結合ユニットの状態で保管容器内に保管、管理しておくことができるから、その保管、管理作業が容易である。しかもその結合ユニットの未使用状態では湿度インジケータを乾燥剤パックに対し待機位置に重ねることにより、保管容器内での占有空間を極力小さくでき、その上、保管容器から取り出して包装袋内に入れる直前まで湿度インジケータを乾燥剤パックとの近接状態におくことができるため、該インジケータが不良品か否かを湿度判定部の色から即座に且つ的確に判定可能となる。また上記結合ユニットの包装袋内への封入作業に際しては、湿度インジケータを乾燥剤パックに対して上記待機位置から使用位置まで回動させることで、袋内では湿度インジケータの湿度判定部と乾燥剤パックとを相互に極力離した状態に保つことができて、袋内部の湿度検知を精度よく的確に行うことができ、しかも狭い袋内では該インジケータの、待機位置への戻り回動が効果的に阻止されるから、輸送時の振動等によっても該インジケータが乾燥剤パックに妄りに接近移動する虞れはない。
【0015】
また特に請求項3の発明によれば、紙製の湿度判定板の表裏を樹脂フィルム等で覆う必要がなく、それだけコスト節減が図られる。
【0016】
また特に請求項4,5の発明によれば、紙製の湿度判定板の表裏が第1、第2樹脂フィルムでそれぞれ覆われ、その両フィルムの外周縁部相互が、それらの全周に亘って湿度判定板の外周縁より食み出した位置で熱接着されるので、湿度判定板のベース紙から微細なダストが発生しても、それが上記各樹脂フィルムで遮られて包装袋内に拡散しにくくなり、包装袋内に封入された製品へのダストの影響を防止できる。また第1樹脂フィルムと湿度判定板の表面との間には、湿度判定部の全面を臨ませた扁平な空気層が形成され、この空気層を大気に直接連通させる複数の小孔が第1樹脂フィルムに形成されるので、内部が低湿度状態に保たれる保管容器や包装袋内から湿度インジケータが大気中に取り出されたときに、その大気の湿度により湿度判定部の変色に至る経過時間を十分に確保可能となり、その時間が短すぎることに伴う誤判定やトラブルの発生防止に有効である。さらに湿度判定部に有害物質が含まれる場合には、その有害物質が身体に触れるのを両フィルムにより防止することができる。
【0017】
また特に請求項5の発明によれば、一方の樹脂フィルムの一端縁部は、これと対応する他方の樹脂フィルムの一端縁部よりも外側に延出していて、その延出部が乾燥剤パックの一端部に熱接着されると共に、その熱接着部又はその接着部近傍を回動中心として湿度インジケータが、乾燥剤パックの一面上に重なる待機位置と、同乾燥剤パックの一端縁より外側に張出す使用位置との間を反転回動可能であるので、上記樹脂フィルムの熱接着性を利用した簡単な熱接着構造で湿度インジケータと乾燥剤パックとの結合ユニットが容易に得られる。
【0018】
また特に請求項6の発明によれば、湿度インジケータは、これが前記待機位置にあるときに、湿度判定部が外側を向くので、その待機位置にある該インジケータが不良品か否かを、外側に露出した湿度判定部の色から難なく判定可能となり、その判定に当たり該インジケータを回動させる必要がない。
【0019】
また特に請求項7の発明によれば、少なくとも前記一方の樹脂フィルムは、外側樹脂層と、この外側樹脂層の内面に一体に接合された内側樹脂層との二層構造とされ、該内側樹脂層が、該外側樹脂層よりも低融点の接着層であるので、該一方の樹脂フィルムを乾燥剤パック側に加熱しつつ押し付ける加熱押付け具によって上記熱接着を行う際に、その加熱押付け具が直接接する外側樹脂層を熱で溶けにくく(従って該加熱押付け具にこびり付きにくく)して、該一方の樹脂フィルムと乾燥剤パック間の熱接着作業を的確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0021】
添付図面において、図1〜図6は、本発明の第1実施例を示すものであって、図1は、電子部品用包装袋の一部破断全体図、図2は、乾燥剤パックに結合される前の湿度インジケータを示す単体平面図と一部拡大図、図3は、図2の3−3線拡大縦断面図、図4は、図3の4矢視部拡大断面図、図5は、湿度インジケータ及び乾燥剤パックの結合ユニットを示す平面図、図6は、図5の6−6線拡大断面図とその一部拡大図である。また図7,図8は本発明の第2実施例を示すものであって、図7は、湿度インジケータ及び乾燥剤パックの結合ユニットを示す平面図(図5対応図)、図8は、図7の8−8線拡大断面図とその一部拡大図(図6対応図)である。さらに図9,図10は本発明の第3実施例を示すものであって、図9は、湿度インジケータ及び乾燥剤パックの結合ユニットを示す平面図(図5対応図)、図10は、図9の10−10線拡大断面図とその一部拡大図(図6対応図)である。
【0022】
先ず、第1実施例について説明する。図1において、透明な気密性の包装袋DPは、湿気を嫌う物品としての回路基板等の電子部品Eを乾燥状態で輸送するために使用される。この包装袋DP内には、電子部品Eを入れる時に、乾燥剤パックD及びカード状の湿度インジケータIが一緒に封入され、その包装袋DPごと電子部品Eの輸送が行われる。その輸送中においては、包装袋DP内の湿度が規定限界を超えていないか否かを湿度インジケータIの湿度判定面M1〜M4の色(変色しているか否か)で目視判定可能であるため、乾燥剤パックD入りの包装袋DP内が輸送時に適正な乾燥状態に保たれているかを簡単にチェックできるようになっている。
【0023】
前記乾燥剤パックDは、通気性及び可撓性を有する合成樹脂又は紙で扁平且つ方形状の袋状に形成された袋本体Dmと、その袋本体Dm内に収納された図示しない乾燥剤とで構成され、この乾燥剤パックDと湿度インジケータIとが後述する結合構造により結合されて単一の結合ユニットUを構成する。
【0024】
次に図2〜図6を併せて参照して上記結合ユニットUの具体的構成を説明する。
【0025】
先ず、湿度インジケータIは、平板状の湿度判定板Pと、これを被覆するカバー体Cとより構成されている。その湿度判定板Pは、吸湿性を有する濾紙等のフィルタペーパーよりなるベース紙Bと、そのベース紙Bに保持した感湿物質としての塩化コバルトCoとを備えており、このベース紙Bは、カード状(図示例では正方形)に形成され、その表面には、塩化コバルトCoが露出する複数の湿度判定部としての湿度判定面M1〜M4が設けられ、この湿度判定面M1〜M4での塩化コバルトCoの変色具合により湿度判定を行えるようにしている。
【0026】
図示例において、第1湿度判定面M1は、湿度インジケータIが置かれる雰囲気湿度が5%以下では青色のままであるが、5%を超えて増加するとピンク色に変色するよう予め調整された塩化コバルトCoが露出しており、また第2湿度判定面M2は、雰囲気湿度が10%以下では青色のままであるが、10%を超えて増加するとピンク色に変色するよう予め調整された塩化コバルトCoが露出しており、さらに第3湿度判定面M3は、雰囲気湿度が20%以下では青色のままであるが、20%を超えて増加するとピンク色に変色するよう予め調整された塩化コバルトCoが露出しており、さらに第4湿度判定面M4は、雰囲気湿度が30%以下では青色のままであるが、30%を超えて増加するとピンク色に変色するよう予め調整された塩化コバルトCoが露出している。
【0027】
複数の湿度判定面M1〜M4は、図示例では縦横2個ずつ並列配置されるが、この配列は任意であり、例えば横一列又は縦一列に配置してもよい。
【0028】
また図示例では、湿度判定面M1〜M4に対応した変色特性を各々発揮し得るよう濃度調整された塩化コバルト溶液をベース紙Bに上から滴下、浸透させて該ベース紙Bに保持させるようにしており、その塩化コバルト溶液の滴下位置に対応したベース紙Bの表面が湿度判定面M1〜M4となる。そして、ベース紙Bの表面には、前記溶液の滴下部分の周縁の滲みを体裁よく隠しつつ湿度判定面M1〜M4の境界を明確に表示するための黒字の太腺Lが適宜形状(図示例では四角形)に印刷され、更に各湿度判定面M1〜M4によりチェック可能な限界湿度の表示(5%,10%,20%,30%)が各湿度判定面M1〜M4上又はその近くに印刷されている。尚、以上説明した湿度判定板Pの構造は従来公知である。
【0029】
一方、前記カバー体Cは、湿度判定板Pの表面を覆う第1樹脂フィルムF1と、同判定板Pの裏面を覆う第2樹脂フィルムF2とより構成される。その第1及び第2樹脂フィルムF1,F2は、湿度判定板Pの外周縁からその全周に亘り食み出すように方形状に形成されると共に、その両樹脂フィルムF1,F2の外周縁部相互がその全周に亘り直接、熱接着mされて、全体として扁平な方形の袋状に形成される。
【0030】
各樹脂フィルムF1,F2は、熱接着性を有する透明な合成樹脂製フィルムで形成されており、図示例では、比較的高融点且つ高強度で丈夫な合成樹脂材(例えばポリエステル,ナイロン等)で形成されたベース層としての外側樹脂層1と、比較的低融点の合成樹脂材(例えばポリエチレン,EVA等)で形成された接着層としての内側樹脂層2とを互いに一体に接合した二層構造となっており、両フィルムF1,F2の外周縁部相互の熱接着mは、各々の樹脂フィルムF1,F2の接着層として機能する内側樹脂層2,2相互を直接接触させて加熱状態で圧着させることにより行われる。この場合、熱接着に使用される熱ロール等の加熱押付け機には、各々の樹脂フィルムF1,F2の比較的高融点の外側樹脂層1に直接圧接させるようにしているため、その加熱押付け機に樹脂が強くこびり付かず加工性が良好である。
【0031】
また前記外側樹脂層1には帯電防止処理が施されている。その帯電防止処理の手法としては、例えば外側樹脂層1に帯電防止剤を練り込むようにするか、或いは外側樹脂層1の表面(内側樹脂層2と反対側の面)に帯電防止加工を施すようにする。このような帯電防止処理によれば、湿度判定板P自体が帯電しにくくなる上、ダストが静電気で該樹脂フィルムF1,F2に付着しにくくなり、従って、湿度インジケータIが包装袋DP内に電子部品Eと一緒に封入されても、その電子部品Eへの帯電の影響やダストの影響を極力避けることができる。
【0032】
また第1樹脂フィルムF1と湿度判定板Pの表面との間には、複数の湿度判定面M1〜M4の全面を臨ませた扁平な表側空気層Auが形成される。即ちこの表側空気層Auに対応する領域を除いて第1樹脂フィルムF1が湿度判定板Pの表面に熱圧着されており、その熱圧着がされなかった領域において第1樹脂フィルムF1と湿度判定板Pとの間に生じている小さな隙間が表側空気層Auを構成している。尚、図示例では、前記表側空気層Auが、複数の湿度判定面M1〜M4の全部を臨ませる共通の空気層として、それら湿度判定面M1〜M4の全部を包含するような平面形態に形成される。
【0033】
また、第2樹脂フィルムF2と湿度判定板Pの裏面との間には、該裏面の少なくとも湿度判定面M1〜M4と対応する領域(図示例では該裏面の全面)を臨ませた扁平な裏側空気層Adが形成されている。この裏側空気層Adの形成の仕方は、前記した表側空気層Auの形成の仕方と同様である。
【0034】
第1樹脂フィルムF1には、表側空気層Auを大気に直接連通させる多数の小孔H…が相互に間隔をおいて形成され、また第2樹脂フィルムF2にも、裏側空気層Adを大気に直接連通させる多数の小孔H′…が相互に間隔をおいて形成される。尚、図示例では、加工の便宜上、各樹脂フィルムF1,F2には各空気層Au,Adの対応部分だけでなく、その全面に小孔H…,H′…が穿設される。
【0035】
前記小孔H…の内径は、作業者が湿度インジケータIを手で摘んだときに、各樹脂フィルムF1,F2に接する指が湿度判定面M1〜M4の塩化コバルトCoに直接触れない程度の大きさ(図示例では内径0.8mm)に設定される。しかも前記小孔H…,H′…の分散密度や内径は、低湿度状態の包装袋、密閉収納容器等から湿度インジケータIが大気中に出されたときでも、その大気の湿度に応じて空気層Au,Adの湿度が変化するのに適度なタイムラグが確保されて、湿度判定面M1〜M4の塩化コバルトCoが比較的短時間で変色するのを防止でき、その変色に因る誤判定やトラブルの防止に有効となるように、設定される。
【0036】
例えば、本実施例では、40mm四方の正方形の樹脂フィルムF1,F2に各々560個の内径0.8mmの小孔H…,H′…が等間隔に穿設され、その分散密度は35個/cmとなっている。この場合において、塩化コバルトCoが青からピンクに完全に変色するまでの変色所要時間を測定すると、そのときの周囲の雰囲気湿度にもよるが、第1湿度判定面(限界湿度5%)で概ね5〜7分、第2湿度判定面(限界湿度10%)で概ね15〜20分、第3湿度判定面(限界湿度20%)で概ね30〜35分、第4湿度判定面(限界湿度30%)で概ね45〜50分程度となっている。これに対して、同じ湿度判定板Pをカバー体Cで覆わずに剥き出し状態のままで使用した場合の変色所要時間は、第1湿度判定面(限界湿度5%)で概ね4〜5分、第2湿度判定面(限界湿度10%)で概ね10〜15分、第3湿度判定面(限界湿度20%)で概ね20〜25分、第4湿度判定面(限界湿度30%)で概ね35〜40分程度となっており、本実施例品の方が変色所要時間が適度に長くなっていることが判る。なお、図3においては、理解し易くするために前記空気層Au,Adや樹脂フィルムF1,F2の厚みを実際の縮尺よりも多少誇張して描いてある。
【0037】
また第1及び第2樹脂フィルムF1,F2のうちの何れか一方(図示例では第1樹脂フィルムF1)の一端縁部F1eは、これと対応する他方の樹脂フィルム(図示例では第2樹脂フィルムF2)の一端縁部F2eよりも外側に延出していて、その延出部10が乾燥剤パックDの可撓性を有する一側端部Deに熱接着m′されており、その熱接着部m′又はその接着部近傍を回動中心として湿度インジケータIは、その全体が乾燥剤パックDの一面上に重なる待機位置Iaと、その大部分が同乾燥剤パックDの一端縁より外側に張出す使用位置Ibとの間を回動可能である。上記熱接着m′は、乾燥剤パックDを図示しない加工台上に載せ、その乾燥剤パックDの一面の一端縁部に上記フィルムF1の延出部10における内側樹脂層2を重合、接触させた状態で、図示しない加熱押付け機によって該延出部10の外側から乾燥剤パックD側に加熱状態で圧着させることで行われる。
【0038】
次に前記第1実施例の作用を説明する。本実施例の湿度インジケータIと乾燥剤パックDとの結合ユニットUは、湿気を嫌う回路基板等の電子部品Eの輸送の際に、図1に例示するように透明な気密性の包装袋DPの内部に電子部品Eと一緒に封入されて使用され、その包装袋DPごと電子部品Eの輸送が行われる。その輸送中においては、包装袋DP内の湿度が規定限界を超えていないか否かを湿度インジケータIの湿度判定面M1〜M4の色で目視判定することにより、乾燥剤パックD入りの包装袋DP内が輸送時に適正な乾燥状態に保たれているかを簡単にチェックすることができる。
【0039】
上記の輸送後、包装袋DPを開封してこれから電子部品Eを取り出す際には、作業者が湿度インジケータI及び乾燥剤パックDの結合ユニットUを手で摘んで袋より取り出してインジケータIの湿度判定面M1〜M4の色をチェックするが、インジケータIの湿度判定板Pの表裏が第1及び第2樹脂フィルムF1,F2で覆われているので、湿度判定面M1〜M4の有害な塩化コバルトCoが手に付着するのを効果的に防止でき、作業者は安心してインジケータIを取り扱うことができる。また、湿度判定板Pのベース紙Bから微細なダスト(紙の屑、繊維等)が発生しても、それが上記各樹脂フィルムF1,F2で遮られて外部に拡散しにくい構造であるため、ダストを嫌う電子部品Eと一緒に包装袋DP内に封入されても、ダストの電子部品Eへの悪影響を効果的に防止できる。
【0040】
ところで乾燥剤パックDと湿度インジケータIとは前述のように相互に結合された結合ユニットUを構成しているが、その結合手段として、第1及び第2樹脂フィルムの一方(図示例では第1樹脂フィルムF1)の熱接着性を利用した簡単な熱接着構造が採用されており、これにより、湿度インジケータIと乾燥剤パックDとの結合ユニットUが容易且つ低コストで得られ、それらの取り扱いや保管管理も頗る簡便である。
【0041】
しかもその結合ユニットUの未使用状態では湿度インジケータIを乾燥剤パックDに対する待機位置Iaに重ねておくことにより、保管容器内での占有空間を極力小さくでき、その上、保管容器から取り出して包装袋DP内に入れる直前まで湿度インジケータIを乾燥剤パックDとの重合状態(従って最接近状態)に保つことができるため、保管容器から取り出した該インジケータIが不良品か否かを湿度判定面M1〜M4の色から即座に且つ的確に判定可能となる。この場合、湿度インジケータIは、これが前記待機位置Iaにあるときに、湿度判定面M1〜M4が外側を向いているため、その待機位置IaにあるインジケータIが不良品か否かを、外側に露出した湿度判定面M1〜M4の色から難なく判定可能である。
【0042】
また包装袋DP内への封入作業に際しては、湿度インジケータIを乾燥剤パックDに対して上記待機位置Iaから使用位置Ibまで反転回動させる。これにより、包装袋DP内では湿度インジケータIと乾燥剤パックDとを相互に極力離した状態に保つことができて、袋内部の湿度検知を精度よく的確に行うことができる。しかも狭い袋内ではインジケータIの、待機位置Iaへの戻り回動が効果的に阻止されるから、輸送時の振動等によってもインジケータIが乾燥剤パックDに妄りに接近移動する虞れはない。
【0043】
また、第1樹脂フィルムF1と湿度判定板Pの表面との間には、第1〜第4湿度判定面M1〜M4の全面を臨ませた扁平な表側空気層Auが形成され、この空気層Auを大気に直接連通させる多数の小孔H…が第1樹脂フィルムF1に相互に間隔をおいて形成されている。このため、低湿度状態に保たれる前記包装袋DP等から湿度インジケータIが大気中に取り出されたときに、その大気の湿度に応じて空気層の湿度が変化するのに適度なタイムラグが確保され、従って、湿度判定面M1〜M4の塩化コバルトCoが比較的短時間で変色するのを防止でき、即ち各湿度判定面M1〜M4の変色に至る経過時間(変色所要時間)を過不足なく適度に設定可能となるため、例えばその時間が比較的短いことに起因した誤判定やトラブルの発生防止に有効である。しかも上記タイムラグ(従って変色所要時間)の長さは、上記小孔H…の分散密度や内径等を適宜設定することで、使用目的や作業環境等に応じて容易に調整可能である。
【0044】
ところで前記小孔H…に対し仮に湿度判定面M1〜M4を直接(即ち表側空気層Auを介さずに)臨ませた場合には、湿度判定面M1〜M4の、各小孔H…に対応する部分の塩化コバルトCoだけが部分的に変色して、体裁を損なうばかりか判定作業も行い辛くなる等の問題があるが、本実施例のように各小孔H…と湿度判定面M1〜M4との間に上記表側空気層Auを介在させることにより、湿度判定面M1〜M4の、小孔対応部分だけでなくその全面を一様に変色させることができ、上記問題が解消される。
【0045】
また特に第1及び第2樹脂フィルムF1,F2は湿度判定板Pの外周縁から食み出すように形成されると共に、その各樹脂フィルムF1,F2の外周縁部相互が直接、熱接着mされている。このため、ベース紙Bの外周縁部を第1及び第2樹脂フィルムF1,F2で完全に覆うことができるから、ベース紙Bの外周切断面からのダスト発生も確実に防止でき、また樹脂フィルムF1,F2相互の直接接合は、比較的容易で且つ確実に行えることから、工程簡素化が図られる。
【0046】
さらに第2樹脂フィルムF2と湿度判定板Pの裏面との間には、該裏面の少なくとも湿度判定面M1〜M4と対応する領域を臨ませた扁平な裏側空気層Adが形成されており、この裏側空気層Adを大気に直接連通させる複数の小孔H′…が第2樹脂フィルムF2に相互に間隔をおいて形成されている。このため、湿度インジケータIが包装袋DP等から大気中に出されたときに、その大気中の湿気がベース紙Bの裏側から裏側空気層Ad及び該ベース紙B内を通してその表側空気層Auへも伝わるようになり、従ってその表側の湿度判定面M1〜M4の湿度変化に対する感度をより高めることができる。
【0047】
次に本発明の第2実施例を、図7及び図8を参照して説明する。この実施例では、湿度インジケータIの構造だけが第1実施例と相違する。即ち、この実施例では、湿度インジケータIが、平板状の湿度判定板Pのみより構成され、第1実施例のようなカバー体C(即ち第1,第2樹脂フィルムF1,F2)に覆われず、その全体が外部に露出している。その湿度判定板Pの構成は、第1実施例のそれと基本的に同じものであり、カバー体Cが省略される分だけ湿度インジケータIのコスト節減が図られる。
【0048】
そして上記湿度判定板Pの、湿度判定面M1〜M4から離れた一側端部の一面(図示例では裏面)が、乾燥剤パックDの可撓性を有する一側端部Deの一面に熱接着m″されており、その熱接着部m″又はその接着部近傍を回動中心として湿度インジケータIは、その全体が乾燥剤パックDの一面上に重なる待機位置Iaと、その大部分が同乾燥剤パックDの一端縁より外側に張出す使用位置Ibとの間を回動可能である。尚、前記熱接着m″は、例えば、湿度判定板Pの一側端部と乾燥剤パックDの一側端部Deとの相対向面の少なくとも一方にホットメルト材を予め塗布しておき、その相対向面を熱ロール等の加熱押付け機により加熱、圧接することにより行われる。
【0049】
而して、この実施例では、樹脂フィルムF1,F2によるカバー効果を除いて、基本的に第1実施例と同様の効果を達成できる。
【0050】
次に本発明の第3実施例を、図9及び図10を参照して説明する。この実施例では、湿度インジケータIの構造(特にカバー体Cの構造)だけが第1実施例と相違する。即ち、この実施例では、湿度インジケータIのカバー体Cを構成する第1,第2樹脂フィルムF1,F2は、同一寸法・同一形状に形成され、従って、第1樹脂フィルムF1の一端縁部F1eには、第1実施例のような延出部10は存在しない。
【0051】
そして上記湿度インジケータIの、湿度判定面M1〜M4から離れた一側端部の一面(図示例では第2樹脂フィルムF2の裏面)が、乾燥剤パックDの可撓性を有する一側端部Deの一面に熱接着m″されており、その熱接着部m″又はその接着部近傍を回動中心として湿度インジケータIは、その全体が乾燥剤パックDの一面上に重なる待機位置Iaと、その大部分が同乾燥剤パックDの一端縁より外側に張出す使用位置Ibとの間を回動可能である。尚、前記熱接着m″は、例えば、第2樹脂フィルムF2の一側端部F2eの外面と乾燥剤パックDの一側端部Deとの相対向面の少なくとも一方にホットメルト材を予め塗布しておき、その相対向面を熱ロール等の加熱押付け機により加熱、圧接することにより行われる。
【0052】
而して、この実施例では、前記延出部10による効果を除いて、基本的に第1実施例と同様の効果を達成できる。
【0053】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0054】
例えば、前記実施例では、雰囲気湿度がそれぞれ4段階の限界湿度(5%,10%,20%,30%)以上に増加したときに変色する4つの四角形状の湿度判定面M1〜M4をベース紙Bの表面に縦横に並べて湿度判定部としたものを示したが、本発明では湿度判定面の限界湿度、個数、配列、形状等は任意であり、前記実施例のものに限定されない。
【0055】
また前記実施例では、表側空気層Auは複数の湿度判定面M1〜M4の全部を臨ませる共通の空気層として、それら湿度判定面M1〜M4の全部を包含するような平面形態に形成されているが、本発明では、個々の湿度判定面毎に、或いは幾つかの湿度判定面毎に表側空気層Auを形成するようにしてもよい。尚、この点は、裏側空気層Adについても同様である。
【0056】
また前記実施例では、湿度判定板Pの表側と裏側にそれぞれ空気層Au,Adを形成したものを示したが、第2の空気層としての裏側空気層Adは省略可能である。
【0057】
また前記実施例では、湿度インジケータIが待機位置Iaにあるときに、湿度判定部としての湿度判定面M1〜M4が外側を向いているが、本発明では、湿度判定面M1〜M4が内側、即ち乾燥剤パックD側を向くようにしてもよく、その場合は、湿度判定面M1〜M4をより乾燥剤パックDに近づけることができるから、該インジケータIが不良品か否かの判定がより確実に行えるようになる。
【0058】
また前記実施例では、湿度判定部としての湿度判定面M1〜M4を形成する感湿物質として塩化コバルトを例示したが、本発明では、吸湿により変色する他の感湿物質を用いて湿度判定面M1〜M4を形成するようにしてもよい。この場合、前記他の感湿物質は、人体に有害でない感湿物質であってもよい。
【0059】
また前記実施例では、接着手段として熱接着手段を利用したが、本発明(請求項1〜4)では、接着部を加熱しない接着手段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】 本発明の第1実施例を示す電子部品用包装袋の一部破断全体図
【図2】 乾燥剤パックに結合される前の湿度インジケータを示す単体平面図と一部拡大図
【図3】 図2の3−3線拡大縦断面図
【図4】 図3の4矢視部拡大断面図
【図5】 湿度インジケータ及び乾燥剤パックの結合ユニットを示す平面図
【図6】 図5の6−6線拡大断面図とその一部拡大図
【図7】 本発明の第2実施例に係る湿度インジケータ及び乾燥剤パックの結合ユニットを示す平面図(図5対応図)
【図8】 図7の8−8線拡大断面図とその一部拡大図(図6対応図)
【図9】 本発明の第3実施例に係る湿度インジケータ及び乾燥剤パックの結合ユニットを示す平面図(図5対応図)
【図10】 図9の10−10線拡大断面図とその一部拡大図(図6対応図)
【符号の説明】
【0061】
Au・・・表側側空気層
D・・・・乾燥剤パック
DP・・・包装袋
E・・・・湿気を嫌う物品としての電子部品
F1・・・第1樹脂フィルム
F2・・・第2樹脂フィルム
H・・・・小孔
I・・・・湿度インジケータ
Ia・・・待機位置
Ib・・・使用位置
M1〜M4・・第1〜第4湿度判定面(湿度判定部)
m,m′,m″・・熱接着(接着)
P・・・・湿度判定板
U・・・・結合ユニット
1・・・・外側樹脂層
2・・・・内輪樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード状に形成した紙製の湿度判定板(P)の表面に少なくとも1つの湿度判定部(M1〜M4)が設けられていて、該湿度判定部(M1〜M4)の吸湿に伴う変色により湿度判定を可能とした湿度インジケータ(I)と、
湿気を嫌う物品(E)を収納するための包装袋(DP)内に該物品(E)と一緒に入れられる乾燥剤パック(D)との結合ユニット(U)であって、
湿度インジケータ(I)は、それの一端部が乾燥剤パック(D)の一端部に接着されていて、その接着部又はその接着部近傍を回動中心として該インジケータ(I)が乾燥剤パック(D)の一面上に重なる待機位置(Ia)と、同乾燥剤パック(D)の一端縁(De)より外側に張出す使用位置(Ib)との間を反転回動可能であることを特徴とする、湿度インジケータと乾燥剤パックとの結合ユニット。
【請求項2】
カード状に形成した紙製の湿度判定板(P)の表面に少なくとも1つの湿度判定部(M1〜M4)が設けられていて、該湿度判定部(M1〜M4)の吸湿に伴う変色により湿度判定を可能とした湿度インジケータ(I)と、
湿気を嫌う物品(E)を収納するための包装袋(DP)内に該物品(E)と一緒に入れられる乾燥剤パック(D)との結合ユニット(U)であって、
湿度インジケータ(I)は、それの一端部が乾燥剤パック(D)の一端部に接着されていて、その接着部又はその接着部近傍を回動中心として、該インジケータ(I)の少なくとも湿度判定部(M1〜M4)を乾燥剤パック(D)の一面上に重ねる待機位置(Ia)と、該インジケータ(I)の少なくとも湿度判定部(M1〜M4)を同乾燥剤パック(D)の一端縁(De)より外側に張出させる使用位置(Ib)との間を反転回動可能であることを特徴とする、湿度インジケータと乾燥剤パックとの結合ユニット。
【請求項3】
前記紙製の湿度判定板(P)の表面は外部に露出しており、その湿度判定板(P)の、湿度判定部(M1〜M4)から離れた一端部外面が乾燥剤パック(D)の一端部外面に接着されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の湿度インジケータと乾燥剤パックとの結合ユニット。
【請求項4】
前記湿度インジケータ(I)は、前記紙製の湿度判定板(P)の表面を覆う透明な第1樹脂フィルム(F1)と、同判定板(P)の裏面を覆う第2樹脂フィルム(F2)とを有していて、その両フィルム(F1,F2)の外周縁部相互がその全周に亘って、湿度判定板(P)の外周縁より食み出した位置で接着され、
その第1樹脂フィルム(F1)と湿度判定板(P)の表面との間には、前記湿度判定部(M1〜M4)の全面を臨ませた扁平な空気層(Au)が形成されると共に、この空気層(Au)を大気に直接連通させる複数の小孔(H)が相互に間隔をおいて第1樹脂フィルム(F1)に形成され、
何れかの樹脂フィルム(F1,F2)の一端部外面が乾燥剤パック(D)の一端部外面に接着されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の湿度インジケータと乾燥剤パックとの結合ユニット。
【請求項5】
カード状に形成した紙製の湿度判定板(P)の表面に少なくとも1つの湿度判定部(M1〜M4)が設けられていて、該湿度判定部(M1〜M4)の吸湿に伴う変色により湿度判定を可能とした湿度インジケータ(I)と、
湿気を嫌う物品(E)を収納するための包装袋(DP)内に該物品(E)と一緒に入れられる乾燥剤パック(D)との結合ユニット(U)であって、
湿度インジケータ(I)は、湿度判定板(P)の表面を覆う透明な第1樹脂フィルム(F1)と、同判定板(P)の裏面を覆う第2樹脂フィルム(F2)とを有していて、その両フィルム(F1,F2)の外周縁部相互がその全周に亘って、湿度判定板(P)の外周縁より食み出した位置で熱接着(m)され、
その第1樹脂フィルム(F1)と湿度判定板(P)の表面との間には、前記湿度判定部(M1〜M4)の全面を臨ませた扁平な空気層(Au)が形成されると共に、この空気層(Au)を大気に直接連通させる複数の小孔(H)が相互に間隔をおいて第1樹脂フィルム(F1)に形成され、
一方の樹脂フィルム(F1)の一端縁部(F1e)は、これと対応する他方の樹脂フィルム(F2)の一端縁部(F2e)よりも外側に延出していて、その延出部(10)が前記乾燥剤パック(D)の一端部に熱接着されると共に、その熱接着部又はその接着部近傍を回動中心として湿度インジケータ(I)は、乾燥剤パック(D)の一面上に重なる待機位置(Ia)と、乾燥剤パック(D)の一端縁(De)より外側に張出す使用位置(Ib)との間を反転回動可能であることを特徴とする、湿度インジケータと乾燥剤パックとの結合ユニット。
【請求項6】
前記湿度インジケータ(I)は、これが前記待機位置(Ia)にあるときに、湿度判定部(M1〜M4)が外側を向くことを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の湿度インジケータと乾燥剤パックとの結合ユニット。
【請求項7】
少なくとも前記一方の樹脂フィルム(F1)は、外側樹脂層(1)と、この外側樹脂層(1)の内面に一体に接合された内側樹脂層(2)との二層構造とされ、
該内側樹脂層(2)が、外側樹脂層(1)よりも低融点の接着層であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の湿度インジケータと乾燥剤パックとの結合ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−322408(P2007−322408A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−177245(P2006−177245)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(507170310)APテック有限会社 (1)
【Fターム(参考)】