湿式、湿潤または乾式清掃用清掃パッド
【課題】改良された屑吸着性能を示す清掃パッドを提供する。
【解決手段】清掃パッド(28)はベースシート(202)を含む。ベースシート(202)はファイバマット(203)に結合され、液体がパッド(28)もしくは清掃対象面に塗布されると改良された屑保持力を示す。清掃パッド(28)は、流体が清掃対象面に、もしくは直接清掃パッド(28)のファイバマット(203)に、選択的に塗布されるように清掃具(22)と連絡する流体源(30)を含む清掃システムと共に用いられることが望ましい。
【解決手段】清掃パッド(28)はベースシート(202)を含む。ベースシート(202)はファイバマット(203)に結合され、液体がパッド(28)もしくは清掃対象面に塗布されると改良された屑保持力を示す。清掃パッド(28)は、流体が清掃対象面に、もしくは直接清掃パッド(28)のファイバマット(203)に、選択的に塗布されるように清掃具(22)と連絡する流体源(30)を含む清掃システムと共に用いられることが望ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願する出願の参照
本出願は、2005年1月28日に出願された米国特許出願第11/045,204号
の一部継続出願であり、その全開示内容を参照によって本願明細書に援用する。
【0002】
本発明はハンドヘルドダスターやダストモップなどの清掃器具の分野に関する。より詳しくは、本発明は湿式、湿潤または乾式清掃において改良された屑吸着性能を示す清掃パッドに関する。
【背景技術】
【0003】
数十年間にわたり、ハンドヘルド羽ぼうき、雑巾およびその他の清掃用具が、ドレッサー、コーヒーテーブルなどの家具、コンピュータなどの電化製品、照明器具、内壁、まぐさ石(lintel)に付着したダストを除去するための清掃具として使用されてきた。したがって、ダストや汚れが清掃用具に付着するよう、雑巾、クロスまたはその他の清掃用具で表面を擦ることで床、家具、および家庭におけるその他の面からダストや汚れを除去することが一般的に知られている。
【0004】
この半世紀でダスト除去や同様の清掃作業を行う際に個々のを援助する新しい清掃用具が開発された。ハンドヘルドダスターおよびその他の清掃用具は当該技術で概ね知られているが、現行の市販の設計には数多くの欠点が存在する。例えば、米国特許出願公開番号第US2004/0034956Al号、米国特許第6,813,801号、米国特許第5,953,784号および米国特許第6,550,092号(当該参考文献を参照することによって本願明細書に援用する)は、使い捨て清掃パッドを組み込んだ種々のハンドヘルド清掃器具を開示している。これらの装置は、所望の用途によってはある程度適切であるものの、明らかな限界がある。例えば、上記参考文献はいずれも便利な収容構成を提供しない。逆に、ほとんどの従来技術のハンドヘルド清掃用具を保管するために、ハンドルを清掃パッド支持部材から物理的に取り外す必要がある。また、これらの既知の装置の取付け部は圧入された部材を含むことが多いが、このような部材は時間が経つと脆弱化し、清掃中に支持部材がハンドル部から外れる事態を招く。
【0005】
また、ダスト除去またはその他の清掃中に清掃パッドを支持部材上に適切に保持する保持手段は未だ開発されていない。例えば、米国特許出願公開番号第US2004/0034956A1に開示されたハンディモップは、平行な取付けプレートの横側に沿った弓状突起を開示する。アーチ形表面とこれらの突起の間隔は清掃中にダストパッドをプレート上に適切に保持しない場合がある。使用者が通常のダスト除去または清掃作業を行う際、パッドがプレートからずれてしまうことが多い。
【0006】
一般的に、ハンドヘルドダスターおよびモップに対する改良の大部分は清掃器具の基本的な機械的構成要素の改良に関するものであった。これらの改良は乾式ダスト除去または清掃用の廉価で硬質な用具の提供に関連する。しかし、選択的な湿式、湿潤または乾式ダスト除去を可能とするハンドヘルド清掃用具を提供しようとする試みは従来技術にはなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
清掃パッドまたはシステムによっては(some cleaning pads or
systems)水またはその他の清掃用液剤を加えることで、清掃器具がダストおよびその他の屑の吸着効率が向上することが知られている。このことは知られているものの、現在のところ使用者が湿式、湿潤または乾式ダスト除去を片手で切り換えることができる、清掃用具上でアクセス可能な取付け式の水または清掃用流体リザーバを含む、ハンドヘルド清掃システムは存在しない。従来技術のダスト除去および清掃器具では、使用者が湿式ダスト除去または清掃を行おうとする場合、別体のスプレーボトルまたはその他の液体塗布手段を入手することが必要であった。湿式もしくは湿潤式ダスト除去あるいは清掃システムに対する需要に照らして、このようなシステムに関連する清掃用液剤の改良も必要である。
【0008】
湿式もしくは湿潤式ダスト除去あるいは清掃システムに対する需要に照らして、このようなシステムに関連するクロスもしくは清掃パッドの改良も必要である。既知の使い捨てダスト除去または清掃用クロスの多くは水およびダストを十分に吸収しないファブリックを含んでいた。清掃クロスに対する改良が例えば日本のPCT RO−101に開示されており、この全開示内容を参照によって本願明細書に援用する。ダスト除去用クロスに対する改良が当該技術で開示されているものの、清掃システムの液体の利点を最大限に促進しながら、ダスト除去パッドの湿式および乾式吸収量を最大化する改良された清掃ファイバおよび配置に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述のごとく、また本願明細書において実施され広く説明される本発明にしたがい、清掃パッド、ダスト除去パッド、およびダスト除去パッドの使用法が、当業者が本発明を実施し利用できるよう詳細に開示されている。
【0010】
好適な一実施形態において、湿式、湿潤または乾式清掃に用いることのできる清掃パッドは、ファイバと少なくとも1つの不織布シートとの組み合わせを含む。清掃パッドは、液体が塗布されると、改良された屑保持力を示す。ファイバの組み合わせは清掃ファイバマットの形態をとり、シートはベースシートの形態をとる。ファイバマットはベースシートの一面に積層され、中央結合線に沿ってベースシートに結合される。ファイバマットは中央結合線に平行する不連続線を定義するスポット結合領域においてベースシートに結合される。別の実施形態では、清掃パッドは清掃具に動作可能に結合された流体源を含み、流体源は清掃用流体を清掃対象面、もしくは直接清掃パッドのファイバに、選択的に塗布できる。
【0011】
さらに別の好適な実施形態では、不織布シートの重量は10〜200g/m2であり、
厚みは0.01〜0.1mmである。ファイバとシートはファイバマットとシートとを熱溶接すべく伝熱性材料で形成されてもよい。ファイバマットとしてコットン、ウール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル酸が挙げられる。一実施形態において、ファイバマットのファイバは縮れた材料(a crimped material)で形成されてもよい。ファイバマットを構成するファイバの厚みは1〜18デニールであることが望ましい。
【0012】
さらに別の実施形態では、ファイバの組み合わせは2つ以上のファイバマットを結合することで形成される清掃ファイバマットを含む。2つ以上のファイバマットは異なるファイバで形成されてもよい。一実施形態において、第一のファイバマットはポリプロピレンで形成され、第二のファイバマットはポリプロピレンのコアとポリエチレンの外面とからなる二成分のタウファイバで形成されてもよい。別の実施形態では、清掃パッドは清掃具に対する清掃パッドの向きを示す印を含む。
【0013】
一実施形態において、0.1〜0.3g/平方フィートの清掃用流体が清掃対象面もしくは清掃パッドに塗布される。別の実施形態では、清掃パッドのファイバはテーパ状のもの、螺旋状のもの、液体の自発的輸送を可能とするポリマーで構成されるもの、断裂している(lobed)もの、超吸収性ポリマーを含有するもの、あるいは水の吸収性を高めるべく親水性添加剤を含有するものである。別の実施形態では、清掃具は、流体源を収容する内側凹部と、移動自在に取り付けられる清掃パッド支持部とを画定するハンドルを含む。
【0014】
さらに別の実施形態では、ダスト除去パッドは、中央結合線に沿って、および複数のスポット結合領域において、ベースシートの一面に結合されたファイバマットを含む。清掃パッドは、ファイバマットもしくは清掃対象面に清掃用液剤を選択的に放出するため、流体源に動作可能に結合される。ダスト除去パッドは液体がダスト除去パッドに塗布されると、改良されたダスト保持力を示す。
【0015】
別の実施形態では、清掃用液剤は少なくとも水、イソパラフィン炭化水素、シリコーン溶液、ラウリン酸ソルバタン(sorbatan laurate)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(polyoxyethylene sorbitan monolaurate)、ミリスタルコニウムクロリド(myristalkonium
chloride)およびクアタナリウム(quaternarium)の混合物で構成される。さらに別の実施形態では、0.1〜0.3g/平方フィートの清掃用流体が清掃対象面もしくはダスト除去パッドに塗布される。
【0016】
別の実施形態では、清掃ファイバマットは2つ以上のファイバマットを結合することで形成される。2つ以上のファイバマットは異なるファイバで構成される。一実施形態において、第一のファイバマットはポリプロピレンで形成され、第二のファイバマットはポリプロピレンのコアとポリエチレンの外面とからなる二成分のタウファイバで構成される。
【0017】
さらに別の好適な実施形態では、複数のファイバと少なくとも1つの不織布シートとを含むダスト除去パッドを使用する方法は、ダスト除去パッドへのダスト吸着性を向上させるべく清掃用液剤をダスト除去パッドもしくは清掃対象面に選択的に塗布し、清掃対象面上でダスト除去パッドを移動させることを含む。ファイバの組み合わせは清掃ファイバマットを含んでいてもよく、シートはベースシートであってもよい。ファイバマットはベースシートの一面に積層され、中央結合線に沿ってベースシートに結合されていてもよい。一実施形態において、ファイバマットはポリプロピレンで形成される第一のファイバマットと、ポリプロピレンのコアとポリエチレンの外面とからなる二成分のタウファイバで構成される第二のファイバマットとで構成される。一実施形態において、清掃用液剤は水であり、別の実施形態では清掃用液剤は少なくとも水、イソパラフィン炭化水素、シリコーン溶液、ラウリン酸ソルバタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ミリスタルコニウムクロリドおよびクアタナリウムの混合物で構成される。最後の実施形態では、0.1〜0.3g/平方フィートの清掃用液剤がダスト除去対象面もしくは清掃パッドに塗布される。
【0018】
本発明の上記およびその他の態様および目的は、以下の説明と添付の図面とを参照しながらより深く理解される。但し、本発明の好適な実施形態を示す以下の説明はあくまで例示の目的で示されるもので、本発明を限定しない。本発明の精神から逸脱することなく本発明の範囲内で多くの変更や修正を行うことができる。本発明はこれらの修正をすべて含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】清掃システムが第一の清掃位置すなわち9時の位置で示された、湿式または乾式清掃を行うことが可能な、組み立てられた清掃システムの第一の実施形態の斜視図
【図2】図1に示す清掃システムの部品の分解斜視図
【図3】収容位置すなわち3時の位置で示される清掃システムの側面図
【図4】清掃パッド支持部と人間の指を点線で示す、液体塗布位置すなわち5時の位置で示された清掃システムの側面図
【図5】流体収容クレードルの好適な構成を示す、清掃システムの下側の斜視図
【図6】清掃システムの、図1〜図5に示す装置の長手軸に沿った垂直断面図
【図7】図6の線5-5に沿った断面図
【図8】図6の線6-6に沿った断面図
【図9】図6の線7-7に沿った断面図
【図10】清掃システムに取り付けられた清掃パッドの別の実施形態をさらに示す、液体塗布位置における清掃システムの側面図
【図11】図1〜図5に示す本発明の清掃システムの回動アセンブリの部分分解斜視図
【図12】清掃システムの別の実施形態の部品の分解斜視図
【図13】システムの長手軸に沿った、図12に示す別の清掃システムの垂直断面図
【図14】清掃システムの清掃パッドの好適な一実施形態の底面図
【図15】好適な結合領域を図示する清掃パッドのベースシートの平面図
【図16】図14の清掃パッドの線A-Aに沿った断面図
【図17】図14の清掃パッドの線B-Bに沿った断面図
【図18】別の好適な清掃パッドの上面図
【図19】図18の線C-Cに沿った断面図
【図20】図18に示された清掃パッドの底面図
【図21】図18の線D-Dに沿った清掃パッドの端部断面図
【図22】清掃パッドと共に使用される保持シートの一実施形態の上面図
【図23】図22の線G-Gに沿った保持シートの端部断面図
【図24】清掃パッドのベースシートに保持シートを設置するところを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を構成する利点および特徴の明確な概念、ならびに本発明の備える典型的な機構の構成および動作の明確な概念は、添付の、本願明細書の一部を形成する図面に示される例示的実施形態を参照することで、より明白となる。実施形態は本発明を限定しない。複数の図面にわたって同様の参照番号は同一の要素を示す。
【0021】
図面に示される本発明の好適な実施形態を説明するに当たり、明確を期すために特定の専門用語が使用されている。なお、本発明は選択された特定の用語に限定されず、また、各特定の用語は同様の目的を達するために同様に動作する技術的相等物を含む。例えば、単語を接続した用語やそれと同様の用語が多用される。これらの用語は直接接続されることに限定されないが、当業者が相等物であるとみなす他の要素を通じた接続を含む。
【0022】
以下の説明において、実施形態を参照しながら本発明とその各種特徴、利点の詳細をさらに説明する。実施形態は本発明を限定しない。
【0023】
1 システム概観
基本的な形態において、本発明は湿式、湿潤または乾式清掃において改良されたダスト保持力を示す清掃パッドである。一般的に、パッドはファイバと少なくとも1つの不織布シートの組み合わせを含み、液体がパッドに塗布されると、改良された屑保持力を示す。パッドは、清掃対象面、もしくは直接清掃パッドのファイバに、選択的に塗布できるように清掃具に動作可能に結合される流体源を含む清掃システムと共に用いられることが望ましい。
【0024】
2 好適な実施形態の詳細な説明
以下、重要な各種特徴を示すための例を挙げて本発明の特定の実施形態をさらに説明する。例は本発明を限定するものではない。例は本発明の実施方法に関する理解を深め、当業者が本発明を実施できるようにする目的でのみ示される。したがって、以下の例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0025】
まず図1および図2を参照すると、本発明の好適な一実施形態による本発明の清掃システム20が図示されている。清掃システム20は、ハンドル部もしくはハンドル24、および回動可能に取り付けられる清掃パッド支持部材、清掃用具支持部材もしくは清掃媒体支持部26、液体輸送システム、清掃用流体ディスペンサもしくはリザーバ30、および清掃パッド支持部材26を介して清掃具22に取り付けられる清掃パッドもしくは清掃媒体28を含む、清掃具22により概ね構成される。
【0026】
ハンドル部24は、使用者の手の平の内側に快適にフィットすべく構成される、曲面を有する人間工学的(ergonomically)に設計された部材であることが望ましい。ハンドル部24は一体頂部29、第一の側壁21a、第二の側壁21b、後壁23および底部31を含む。ハンドル部24は各種合成樹脂、プラスチックあるいはその他の適切な材料で構成できる。好適な実施形態では、ハンドル部24はポリプロピレンで構成される。ハンドル部24は使用目的に応じて各種サイズに構成できるが、好適な実施形態では、ハンドル部24は長さ約8.5インチ、幅約1.3インチ、高さ約1.7インチである。好適な寸法とすることで、清掃システム20の使用、操作、包装、出荷、および収容が容易となり、全体的にさらに人間工学に基づいた設計とすることができる。ハンドル部24は、美的外観を得る目的で様々に着色して構成できる。透明材料で構成してもよい。
【0027】
以下に詳述するように、ハンドル部24は流体リザーバ収容クレードル、凹部もしくはベイ36を画定する。好適な実施形態では、流体ディスペンサもしくはリザーバ30をクレードル36に挿入すると、ハンドル部24の人間工学に基づいた設計もしくは形状が完成する。使用者の手の平はハンドル部24の頂部29を越えて延出し、使用者の指の少なくとも一部が流体リザーバ30の周囲に延出する。また、ハンドル部24の好適な曲面を有する人間工学に基づいた設計は、回動部材収容キャビティ50により画定される回動点が、クレードル36内の流体リザーバ30により画定される水平面よりも下に位置すべく構成される。このような配置とすることで、後述するように流体塗布を最大限に行うことができる。
【0028】
ハンドル部24の中央近傍には、ハンドル部24を貫通しハンドル部の底部31まで延在する開口部もしくは穴32が設けられている。図示される実施形態では、開口部32はハンドル部24の前端25における回動部材収容キャビティ50から約2.5インチの位置に設けられている。図4に示すように、開口部32を設けることで、使用者はハンドル部24の底部31に画定される流体リザーバ収容クレードル、凹部もしくはベイ36に片手でアクセスできる。ハンドル部24の前端25近傍の回動部材収容キャビティ50上方に、下方向に延出して回動部材収容キャビティ50内に入る、後述する片持ち回動係合タブ38が設けられている。
【0029】
図2は、清掃システム20の流体リザーバ30の好適な一実施形態を図示している。図示される実施形態では、流体リザーバ30は水または専用の流体を保持すべく構成された流体ディスペンサもしくはポンプ式スプレーボトルの形態をとる。流体は様々な既知の製品で構成できる。流体は市販のプレッジマルチサーフェスクリーナ(Pledge(登録商標)Multi-Surface Cleaner)、プレッジウッドアンドガラスク
リーナ(Pledge(登録商標)Wood and Glass Cleaner)、エンドダスト(End Dust(登録商標))、ファンタスティック(Fantastic(登録商標))汎用クリーナ、ウィンデックス(Windex(登録商標))ガラスクリーナ、オースト(Oust(登録商標))またはライソル(Lysol(登録商標))などの抗菌剤、グレード(Glade(登録商標))などの芳香剤、アーマーオール(Armor All(登録商標))などの革またはビニール用トリートメント剤、スコッチガード(Scotch Guard(登録商標))などのファブリック保護剤、S.C.ジョンソン・エンド・サン(S.C.Johnson&Son、Inc.(米国ウィスコンシン州ラシーン))社の製造するファブリックフレッシュナ、もしくはファブリーズ(Fabreze(登録商標))から選択されることが望ましい。あるいは、流体として任意の汎用クリーナ、油又は水ベースのダスト防止剤、静電気防止剤、細菌防止剤、抗菌剤、殺菌剤および脱臭剤、ダスト除去剤、ガラスクリーナ、家具用つや出し剤、革またはビニール用トリートメント剤、その他の清掃剤、ワックス、つや出し剤、柔軟剤、摩擦強化化合物、芳香剤、食器用洗剤、石鹸、防虫剤、エクスフォリエータ(角質や毛穴の汚れを除去する化粧品)あるいはその他のパーソナルケア製品、スポンジ画または他の用途に用いられる絵の具、水なし(water−out)エマルジョン、油なし(oil−out)エマルジョン、ダストダニキラーもしくは忌避剤、研磨クリーナ、靴磨き剤、ペット用衛生製品などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
図2に示すように、好適なスプレーボトルは一体底51、側壁53、第二のセクション55および第三のセクション59を有する略円筒形のボトルである。スプレーキャップもしくはノズル61がスプレーボトル頂部に螺合または圧入される。スプレーキャップ61は、流体リザーバ収容クレードル36のフランジ71a、71bと選択的に係合すべく構成された1対の対向する平坦部63a、63bを含む。あるいは、同様のロック機構を形成すべくタブおよび溝のシステムを用いてもよい。あるいは、スプレーキャップ61は片側のみのフラットボタンまたはテーパ状ボタンを含んでいてもよい。流体リザーバ30は、図示されたスプレーボトルの他にも様々な形態をとることができる。例えば、圧搾、噴射ガンまたは取付け可能なスプレーノズルを備えた可撓性ポーチにより流体をディスペンスする、エアゾールパッケージ、変形可能なハンドルもしくはリザーバの形態をとることができる。図中、流体リザーバ30はハンドル部24のクレードル36内にフィットしているが、流体リザーバが、取り付けられる清掃システム(すなわち回動部材および取付け部材)の上部のみを有するシステムのハンドルを形成する構成も可能である。
【0031】
なお、スプレーキャップ61の対向する平坦部63a、63bはハンドル部24内に密嵌され、さらに清掃システム20内において流体リザーバ30を適切に方向付ける役割を果たす。あるいは、流体リザーバ30は流体リザーバ収容クレードル36内に噛合・密嵌されることを可能とする独特に設計された外形を含んでいてもよい。
【0032】
図5は流体リザーバ収容クレードル36を画定するハンドル部24の底部31を図示している。一般的にクレードル36は、好適な実施形態の流体リザーバ30を収容すべく構成される下部支持部37、ハンドル部側壁21a、21bおよび2つのU字型支持部もしくはレール44、46により画定される。好適な実施形態では、下部支持部37はハンドル部24の後壁23の内側から延出する複数のリブ39からなる。リブ39の前端は流体リザーバ30の底部51を支持すべく構成された下部支持部37を画定する。好適な実施形態では、リブ39は流体リザーバ30の底部の寸法と略等しい長さを有する中央リブ45を含む。残りのリブ39の長さは徐々に短くなり、中央リブ45から離れるにつれテーパ状とされ、流体リザーバ30の円形底部の残りの部分を支持する。図9にわかりやすく示されているように、下部支持部37近傍において1対の三角形の保持タブ42a、42bがクレードル36の対向側から延出している。保持タブ42a、42bは流体リザーバ30の下部側壁53と摩擦係合しこれを保持すべく構成されている。保持タブ42a、42bから前方向に延出する側壁21a、21bは、さらに流体リザーバ収容クレードル36の側部を画定し、流体リザーバ30の側壁53の周囲に密嵌されるべく離間されている。
【0033】
図示された好適な実施形態では、流体リザーバ30はハンドル部24のクレードル36に圧入もしくは摩擦フィットされるが、ハンドル部24内に流体リザーバ30を保持するための別の構成も利用できる。例えば、ハンドル部24内に流体リザーバ30を保持するため、ベルクロ(Velcro(登録商標))またはゴムバンドをハンドル部24のセグメントに含めてもよい。流体リザーバをハンドル部内に保持するための他の支持構造または保持機能を、ヒンジまたは別の方法によりハンドル部に取り付けてもよい。
【0034】
流体リザーバ収容クレードル36の前端近傍に、第一のU字型ボトルネック収容支持部44が設けられている。第一のボトルネック収容支持部44は好適な実施形態の流体リザーバ30の周囲に圧入され、流体リザーバ30を収容し、保持すべく構成される。図6および図8に示すように、第一のボトルネック収容支持部44はリザーバ30の第二のセクション55と第三の57セクションの結合部59近傍において流体リザーバ30の周囲に圧入されるべく構成されている。
【0035】
第一のボトルネック収容支持部44のやや前部に第二のU字型スプレーキャップ収容支持部46が設けられている。スプレーキャップ収容支持部46は流体リザーバ30のスプレーキャップ61の周囲に圧入され、これを保持し方向付けるべく構成されている。図7からよくわかるように、スプレーキャップ収容支持部46は対向する側壁21a、21bの内側から延出する1対のフランジ71a、71bにより画定される。フランジ71a、71bは、リザーバがクレードル36内部に配置されると、流体リザーバスプレーキャップ61の平坦部63a、63bの周囲に圧入されるべく構成される。フランジ71a、71bと平坦部63a、63bとが密嵌することで、スプレーキャップ61がクレードル36から離れる方向を向くように、スプレーキャップ61が流体リザーバ収容クレードル36内に適切に方向付けられる。開口部32の前には、回動部材収容キャビティ50に向けて前方向に延出する複数の構造的支持リブ48が形成されている。
【0036】
ここで図6および図11を参照すると、ハンドル部24の底部31の前端25に回動部材収容キャビティ50が形成されている。回動部材収容キャビティ50はハンドル部24の前端25に位置する、対向する一体耳49a、49bの間に画定される。耳49a、49bは、組み立ての際に内側キャビティ表面上に円形回動部材82の軸80a、80bと摺動可能に係合すべく構成された対向する溝52a、52bを含む。溝52a、52bの幅は、円形回動部材82の軸80a、80bの寸法と等しいかわずかに広くなっている。なお、溝52a、52bと回動部材収容キャビティ50は、様々な別の清掃パッド支持部材26、または遠位端に取り付けられる回動部材82を有するその他の清掃用具を収容すべく構成されている。
【0037】
溝52a、52bの末端に、円形回動部材82の軸80a、80bを収容し、その回動動作を可能とするほぞ穴54が設けられている。カーブしたスロット83が溝52a、52bから横方向に延在し、回動部材82から延出する円形回動保持タブ85の移動を可能とすべく構成された通路を画定する。回動部材収容キャビティ50の前端の対向する側に、回動部材82上に配置された円形回動保持タブ85と係合しこれを収容すべく構成された円形の回動保持タブ穴87が設けられている。
【0038】
弾性的にバイアスされた半可撓性回動係合タブ38が、ハンドル部24の頂部29から下方向に延出して回動部材収容キャビティ50内に入る。以下に詳述するように、係合タブ38はハンドル部24に取り付けられる第一の端部39と、回動部材82の外面の切欠き102、104、106と係合すべく構成される第二の自由端91とで構成される。
【0039】
ハンドル部24の回動部材収容キャビティ50内には清掃パッド支持部材26が取り付けられている。清掃パッド支持部材26は一体形成された円形回動部材82、連結部93、および全体として参照番号92で示される支持ヘッドからなる。円形回動部材82は横方向の対向側に一体軸80a、80bを含む。図11からよくわかるように、軸80a、80bはほぞ穴54内にフィットすべく構成されるとともに、穴内で回転自在に回動する。回動部材82はさらに円形回動保持タブ95を含む。円形保持タブ95は保持タブ穴87内にフィットすべく構成されるとともに、システムを清掃位置に支持する。回動部材82は清掃パッド支持部材26の選択的位置に対応する3つの切欠きもしくは窪み102、104、106を画定する。清掃位置切欠き102、液体塗布切欠き104および収容位置切欠き106は回動部材82の外面上に画定される。通常、好適な回動アセンブリは回転するために約2〜3lbfの回動力を要する。
【0040】
連結部93および支持ヘッド92が回動部材82と一体形成され、回動部材82から延出する。当該技術で知られているように、好適な実施形態では、清掃パッド支持部材26の支持ヘッド92は清掃パッド28のポケットもしくはスリーブ110a、110bと係合すべく構成された1対の平行な取付け部材もしくは取付け突起108a、108bを含む。取付け部材108a、108bは様々な構成で離間されていてもよいが、好適な実施形態では、取付け部材108a、108bの全幅は対向する外側縁から約1.25インチである。取付け部材108a、108bは長さ約6.75インチ、肉厚約0.75インチ、幅約0.80インチであることが望ましい。取付け部材108a、108bは、清掃パッド28のスリーブ110a、110bへの挿入を容易とすべく構成される丸みを付けた先端107を画定する。なお、好適な実施形態では1対の取付け部材108a、108bを図示しているが、数多くの構成が利用できる。例えば、単一の、幅の広い取付け部材を用いてもよい。あるいは3つ以上の取付け部材を用いてもよい。
【0041】
取付け部材108a、108bは、上面105から突出する複数の離間された清掃パッド保持タブ、突起(barbs)もしくは凸起112を含む。図示される実施形態では、保持タブ112は取付け部材108a、108bの上面から略垂直方向に延出する第一の壁114と、第一の壁114の上縁から取付け部材108a、108bの遠位端に向けて傾斜する第二の傾斜壁116とを有する三角形のタブである。タブ112は取付け部材108a、108bから約0.050インチ上方に位置することが望ましい。保持タブ112の独特の三角形の構成は2つの機能を果たす。傾斜壁116は組み立ての際に清掃パッド28を取付け部材108a、108b上に設置することを容易にし、垂直第一の壁114は清掃動作の際に清掃パッド28を取付け部材108a、108b上に保持する。
【0042】
保持タブ112が独特の構成を有していることに加え、保持タブ112を取付け部材108a、108b上に配置することで、清掃パッド28が取付け部材108a、108b上に保持される。図示される実施形態では、保持タブ112は交互に設けられ、前端タブ115、3つの中間タブ117および後端タブ119を含む。図示される実施形態では、各取付け部材108a、108bは5つの保持タブ112を含む。保持タブ112が相互に等距離離間された場合、好適な実施形態において示される交互構成で配置される場合と比べて保持機能が低下することが試験により示された。好適な実施形態では、第一のタブは1.0インチ、第二のタブは2.0インチ、第三のタブは2.5インチ、第四のタブは3.0インチ、第五のタブは4.0インチ、それぞれ丸みを付けた先端107から離間されている。
【0043】
一実施形態において、取付け部材108a、108bは拡張可能、膨張可能、部分的に膨張可能のいずれであってもよく、あるいは膨張可能部を含んでいてもよい。膨張可能であることにより、清掃パッド28が取付け部材108a、108bにより好適にフィットし、また清掃パッド28を取付け部材108a、108bから手を使わずに容易に取り外すことができる。
【0044】
清掃パッド28は当該技術で概ね知られており、清掃面111を画定するファイバと取付け部113との組み合わせで構成される。清掃パッド28は、例えば、相互に溶接されていてもよい毛羽のある合成樹脂製不織布を複数含んでいてもよい。パッドはPP、PE、PETファイバからなるファイバを様々な重量割合で含んでいてもよい。図示される実施形態では、取付け部113は清掃パッド支持部材26の1対のポケットもしくはスリーブ110a、110bを収容すべく構成される取付け部材108a、108bを画定する。清掃パッド28は、日本のハソ社(Haso Corporation)の製造する、1〜4%の鉱油を含有する20g/sqmスパンレース布であることが望ましい。このような清掃パッドもしくはダスト除去パッドがPCT/JP2004/10507に開示されている(当該特許文献の全文を参照によって本願明細書に援用する)。
【0045】
清掃システム20が使用される際、全ての保持タブ112がスリーブ110a、110b内に位置するよう、スリーブ状清掃パッド28が取付け部材108a、108bに取り付けられる。よって、この構成において保持タブ112は清掃パッド28に完全に包囲され、取付け部材108a、108bがアクセスするデリケートな家具やその他のアイテムに掻き傷をつけることが回避される。
【0046】
清掃パッド28の清掃面111は水性流体の自発的輸送を可能とするポリマーで構成されてもよい。このようなポリマーは、例えば、米国特許第5、723、159号、同第5、972、505号、同第5、200、248号に開示されている(当該特許文献の全開示内容を参照によって本願明細書に援用する)。
【0047】
なお、清掃パッドのポリマーファイバは清掃システム20の各種性能・特性を高める様々な形状とすることができる。当該技術で知られているように、標準的な円形ファイバが利用できる。あるいは、清掃パッドの個々のファイバは緩いタウファイバ状に断裂(断裂して(lobed))していてもよい。独特の断裂構成とすることで個々のファイバ内にチャネルが形成され、個々のファイバの毛管現象が改善され全体的な清掃またはダスト除去表面積が増大し、湿式および乾式ダスト除去の全体効率が向上する。表面積が大きくなると溝もしくはチャネルに吸着する粒子の割合が高まり、断裂ファイバの溝内にダスト粒子が「トラップ」される。断裂ファイバは概ね改善されたダスト保持力を有し、標準的な円形ファイバと比較するとより効率的な湿式ワイピングおよび耐用期間を有する。さらに断裂ファイバは硬質に作製でき、アクセス領域が小さい場合でもワイピング圧力を向上できる。なお、本発明の断裂ファイバは多数のポリマーから構成でき、PP、PEまたはPETは費用効率が最も高い選択肢とみなされている。また、アクリルもしくは生分解性ポリマーを利用できる。
【0048】
さらに別の実施形態では、清掃パッド28は多量のタウファイバに取り付けられる硬質ファイバもしくはストラットファイバを含んでいてもよい。この構成では、硬質ファイバ(通常約0.3mmの範囲)は清掃パッド28にかかる応力の大部分を支持する。タウはファイバの外側端において絡み合うことにより、より強いファイバと結合されてもよい。硬質ファイバにより、使用者にかかる力の感触がより望ましい、弾性のある清掃パッド28が得られる。硬質ファイバは割れ目やブラインド、スクリーンなど、掃除が困難な領域の掃除にも利用できる。硬質ファイバのさらなる利点は、タウ体積を拡張させ、タウファイバに移動するダスト量を増大させる点である。
【0049】
さらに別の実施形態において、清掃パッド28は清掃パッド28の残りのファイバに固着される微粒子状吸収性材料を含んでもよい。吸収性材料は既知の超吸収性ポリマーSAPの形態をとってもよい。SAPは、例えば被覆として直接ファイバに塗布されもしくは変化によりファイバを形成するアクリル系ポリマーであってもよい。市販のSAPの例として、一般的にX連鎖ポリアクリル酸もしくはX連鎖でんぷん−アクリル酸グラフトポリマー、水酸化ナトリウムもしくは苛性カリにより部分的に中和されたカルボキシル基が挙げられる。SAPは溶媒もしくは溶剤重合法、あるいは逆懸濁、乳化重合法などの処理により作製できる。上記SAPは例えば米国特許第6、124、391号に開示されている(当該特許文献の開示内容を参照によって本願明細書に援用する)。
【0050】
吸収性材料はファイバの総吸収量を増大させ、ファイバが纏まって塊となることを防ぎ、ファイバの摩擦を高める。「真珠の数珠(string of pearls)」配置とすることによっても清掃パッド上に高吸収領域を戦略的(strategically)に配置できる。例えば、清掃パッド28の残りの部分と比べ、清掃パッド28の前端により高い吸収性を付与したい場合、前端における微粒子吸収性材料の割合を高めてもよい。
【0051】
清掃パッド28は螺旋状に形成されたファイバを含んでもよい。このようなファイバはファイバ束をブレード上に引き伸ばし、あるいは同軸複合繊維を加熱することにより作製できる。得られる螺旋状(helical)ファイバはより毛羽立ちの多い感触を示し、外観的にも魅力的であり、同時に(ファイバ量が少ないにも関わらず)体積が増大し、ダスターのダスト保持力が高まる。ファイバが螺旋状であることで、ばね効果により粗いファイバが軟らかい感触を有するという利点がある。さらに、ファイバは螺旋状性質を徐々に失うことから、清掃パッドの効果持続期間の表示としても機能する。
【0052】
なお、ファイバ材料または構成は上述のものに限定されない。清掃パッドは各種ファイバとその他の既知のファイバとを戦略的に組み合わせて構成できる。例えば、清掃パッドは25〜100重量%の断裂ファイバから構成できる。
【0053】
同様に、好適な実施形態では単一の清掃面111を開示するが、本発明はこのような単一の清掃面に限定されない。逆に、数多くの別の構成が本発明の範囲に含まれる。例えば、本発明のパッドは各種清掃機能を収容するための別のもしくは同様のファイバ構成を備える多数の清掃面を含んでいてもよい。一実施形態において、清掃パッド28は2面を有してもよい。片側をダスト除去用クロス、もう片側を清掃用清掃パッド28としてもよい。この構成は、パッドを「裏返し」、新しい清掃面を露出させることによっても得られる。あるいは、三角形またはその他の多数の面を有する清掃パッド28も利用できる。円形清掃パッドも本発明の範囲に含まれる。通常、清掃パッド28の様々な形状もしくは構成は、清掃パッド28と選択されたファイバの各種特性を最大化すべく利用される。
【0054】
上述したように、清掃パッド28で使用されるファイバの配置およびタイプには各種選択肢が存在する。例えば、清掃パッド28はポケットもしくはスリーブ110a、110bにより画定される領域の周囲に平坦な中央ストリップを含む概ね毛羽立ったパッドを含んでもよいが、これに限定されない。このような配置により表面積が増大され、効果が高まる。さらに、中央ストリップは清掃パッド28の中央から下方向に延出する吸収ピローまたはチューブを含んでいてもよい。吸収ピロー(pillow)を設けることで清掃パッド28上に吸収量の多い領域が与えられる。この他に、例えば、スポンジ、羽状構造、マイクロファイバもしくはセルロールフォームの各セクションを交互に設けてなる清掃パッドを含む各種組み合わせが考えられる。ウッドパルプが望ましい。
【0055】
清掃パッド28は、水の吸収性を高めるため親水性添加剤を含有する毛羽立った布を含んでもよい。親水性添加剤としてグリセリンおよびグリコールが挙げられるが、これらに限定されない。清掃パッド28はレーヨンなどの吸収性材料のみから構成されてもよい。清掃パッド28は、清掃パッド28の匂いを改善すべく添加される芳香剤を有してもよい。
【0056】
さらに、清掃パッド28もしくは清掃パッド支持部材26はダスト保持力を高めるため、使用の際に清掃パッドに静電電荷を付与する圧電性結晶を含んでいてもよい。このような結晶は一般的に知られており、通常は機械的応力がかけられると電荷を発生する。利用できる材料の例として、ベルリン石(AlPO4)およびオルトリン酸ガリウム(GaP
O4)などの石英類似結晶、ペロブスカイトもしくはタングステン−ブロンズ構造を含有
するセラミック(BaTiO3、KNbO3、LiNbO3、LiTaO3、BiFeO3、
NaxWO3、Ba2NaNb5O5、Pb2KNb5Oi5)が挙げられるが、これらに限定されない。さらにゴム、ウール、ヘア、ウッドファイバ、およびシルクなど、ポリマー材料によってはある程度の圧電性を示し、これらを利用してもよい。また、石英の数倍の圧電性を示すポリマーポリフッ化ビニリデン(−CH2−CF2−)も利用できる。
【0057】
清掃パッド28は、ストークス(Stokes)ほかの米国特許第5、858、112号(1999年1月12日発行)およびヘインズ(Haynes)ほかの米国特許第5、962、112号(1999年10月5日発行)に開示されるような非接着(unbonded)ウェブ材料の一部を含んでもよい。ヴァンダー ウィーラン(Vander Wielan)ほかの米国特許第4、720、415号(1988年1月19日発行)などのその他の材料、あるいはともにニューウェル(Newell)の米国特許第4、995、133号(1991年2月発行)および米国特許第5、638、569号、ホルト(Holt)ほかの米国特許第5、960、508号(1999年10月5日発行)、シェリー(Sherry)ほかの米国特許第6、003、191号(1999年12月21日発行)に記載されるような任意の超吸収性材料を含んでいてもよい。上記特許文献の全開示内容を参照によって本願明細書に援用する。
【0058】
一実施形態において、清掃パッド28は基本重量が1平方メートル当たり約68グラムのスパンボンデッドファイバ不織布ウェブ(spunbond fiber nonwoven web)を含んでいてもよい。スパンボンデッドファイバは、各構成要素がファイバの約50体積%を含む、隣接構成を有する複合繊維を含んでいてもよい。スパンボンデッドファイバは第一および第二のポリプロピレン成分および/またはポリプロピレンを含む第一の成分と、プロピレン−エチレン共重合体を含む第二の成分とを含む。ファイバの不透明性を高めるため、約1%前後の酸化チタンもしくは二酸化チタンをファイバに添加してもよい。スパンボンデッドファイバ不織布ウェブは加熱によりポイント非結合パターン(a point unbonded pattern)を有して結合される。不織布ウェブは1対の逆に回転する(counter−rotating)結合ロール(bonding rolls)により形成されるニップ間を通過することにより、熱と成形圧力の両方を利用して結合される。結合ロールは1つの平坦ロールと1つの彫り込みのあるロールとを含む(comprise)。不織布ウェブの結合領域は彫り込みのあるロールに付与されたパターンに対応する連続パターンを含む。さらに、結合領域はウェブがニップを通過する際にウェブに付与される。結合領域は不織布ウェブの約27%〜約35%の領域にわたって形成され、円形非結合領域の反復する非ランダムパターンを形成する。超吸収ポリマー、粉末、ファイバなどを含む、吸収性強化材料もしくは超吸収性材料を清掃パッド28と組み合わせてもよい。
【0059】
あるいは、パッド28はエアレイド(air-laid)複合体とスパンボンデッドフ
ァイバ不織布ウェブとの積層体(laminate)を含む。不織布ウェブは基本重量が1平方メートル当たり約14グラムのポリプロピレンの一成分スパンボンデッドファイバを含んでいてもよい。エアレイド(air laid)複合体は約85%〜約90%のクラフトパルプによる毛羽立ち(kraft pulp fulff)と約10%〜約15%の短繊維を含んでいてもよい。短繊維はシース-コア構成を有していてもよく、コア構
成要素はポリエチレンテレフタレートからなり、シース構成要素はポリエチレンからなる。エアレイド複合体の基本重量は1平方メートル当たり約200〜約350グラムであり、吸収性はグラム当たり約8〜約11グラムである。
【0060】
清掃パッド28は、磨き掃除に適した親水性ファイバ部分(portion)もしくは側(side)を含んでいてもよい。さらに、湿式で利用される際に摩擦効率を高めるべく、ナイロンファイバを利用してもよい。清掃パッド28の一部はデニール毎フィラメント(dpf)が約1.0以下のマイクロファイバもしくはウルトラマイクロファイバからなっていてもよい。
【0061】
上述したように、清掃パッド28は任意の材料および既知の材料形成工程により作製できる。例えば、織布および不織布材料、ポリマー、ゲル、押出し材料、ラミネート、一体結合されることで共同材料(co−material)を形成する積層材料、溶融材料、押出し材料、エアレイ(air laying)などが挙げられる。
【0062】
あるいは、清掃パッド28はマイクロカプセル、カプセル化された流体、もしくは液剤(agents)を用いることで、清掃用流体の表面への供給を最適化できる。清掃パッド28の強化面は、磨きもしくは研磨品質を備えていてもよい。強化面は機械的スタンピング、結合、加圧、圧縮、押出し、スプレー、スパッタ、ラミネートまたはその他の表面形成もしくは作用工程により形成できる。上述した各種清掃用液剤は、何らかの追加の刺激により選択的に解放されるよう、マイクロカプセル化されて清掃パッドに含まれていてもよい。なお、マイクロカプセル化され清掃パッドに含まれる各種清掃用液剤は、流体リザーバ内の水や他の薬剤、あるいは圧力により起動されうる。溶剤は乾式浸透されてもよい。化学溶液はパッド28内もしくはパッド28上あるいは清掃媒体支持部26上のポケットまたは気泡内にカプセル化されていてもよい。ポケットは適度な圧力が加えられると破裂し、清掃用液剤を解放すべく設計されてもよい。
【0063】
なお、清掃システム20は部品が予め部分的に組み立てられたもしくは組み立てられていない状態で提示されてもよい。清掃システム20の組み立て時もしくは製造時に、上述のように予め形成されたハンドル部24の耳49a、49bは、回動部材82が上述の向きで耳49a、49b間に挿入される際に強制的に互いに外側に湾曲してもよい。軸80a、80bは末端に画定(defined)される回動穴54に到達するまで、溝52a、52bにより画定されるパスに沿って摺動する。軸80a、80bは穴54内にフィットし回動結合部を画定する。清掃パッド28のスリーブ110a、110bは取付け部材108a、108b上に配置され、清掃パッドをシステムに固定する。
【0064】
円形回動部材82は、清掃パッド支持部材26のハンドル部24の長手軸に対する約55°〜65°の回転移動に適合する。好適な範囲は、本発明のシステムの別のファイバ長さおよびクロス形状に適合するに当たり理想的である。特に、約61°の範囲であることが望ましい。清掃パッド支持部材26が清掃位置(図1)において完全に伸張すると、円形保持タブ95は保持タブ穴87内にフィットし、清掃パッド支持部材26を清掃位置に保持する。
【0065】
図1、図3、図4、および図10は交互位置における本発明の清掃システムを示している。図1は清掃位置における清掃システム20を示す。上述したように、清掃位置では清掃パッド支持部材26が前方に伸張し、回動係合タブ38が回動部材82の清掃位置切欠き102に係合し、保持タブ95が保持タブ穴87にフィットする。これらの係合もしくは保持特性により、少なくとも2.5lbfの回動力が発生される。この回動力の大きさは、通常のダスト除去、乾燥、あるいは清掃動作の間に経験されるトルクの大きさに関わらず、清掃パッド支持部材26を完全に伸張した清掃位置に保持するに足る。したがって、清掃位置において、使用者はハンドル部24を介して清掃システム20を操作できる。さらに、使用者は流体リザーバ30に収容された水またはその他の液体を清掃対象面に直接塗布できる。使用者は開口部32から指を入れてスプレーキャップ61を押し下げ、リザーバ30に収容された流体を排出させてもよい。清掃システム20が清掃位置に配置されていることから、例えばコーヒーテーブル上のダストを除去する際にシステムが水平向きであるとき、清掃パッド28の裏側領域において液体が清掃対象面に直接塗布される。あるいは、清掃用液剤が窓枠やドア枠などの垂直清掃対象面にスプレーされてもよい。
【0066】
図4および図10は第二の液体塗布位置における清掃システム20を示す。清掃パッド支持部材26を液体塗布位置へ移動させるには、使用者はハンドル部24を握り、清掃パッド支持部材26を図1に示す清掃位置から移動させるために清掃パッド支持部材26にトルクを付与する必要がある。本発明の係合特性の力を上回る大きさのトルクが付与されると、円形回動部材82は下方向に回転し液体塗布位置に達する。液体塗布位置において、回動係合タブ38は回動部材82の液体塗布切欠き104と係合し、清掃パッド支持部材26を傾斜した液体塗布状態に保持する。図示される実施形態では、液体塗布位置における清掃パッド支持部材26とハンドル部24との間の角度θは45°〜68°であってもよい。清掃パッド支持部材26とハンドル部24との間の角度θは55°〜68°であることが望ましく、63°であることが特に望ましい。この好適な角度は、清掃パッド28の清掃面111の最大表面積に液体塗布を行うため流体リザーバのスプレーパターン(点線で示す)を考慮している。
【0067】
ダスト除去時または清掃時、使用者は必要に応じて清掃パッド支持部材26を清掃位置から液体塗布位置へ繰り返し回転させてもよい。あるいは、上述したように、使用者は、単に、清掃システム20を清掃位置で使用しながら清掃対象面へ液体を直接付与してもよい。
【0068】
図3は清掃システムの収容位置を図示している。図3に示すように、収容位置では清掃パッド支持部材26はハンドル部24の長手軸により画定される平面と略平行となるよう後方に回転される。収容位置において、係合タブ38は収容位置切欠き106と係合し、清掃パッド支持部材26を折り畳んだ位置に保持する。収容位置にあるとき、清掃システム20は台所の引き出しやキャビネットなど様々なスペース容易に保管できる。あるいは、システムはハンドル部24内の開口部32を利用して壁に掛けることもできる。
【0069】
上記説明よりわかるように、本発明は清掃パッド支持部材26を調節する新規な方法を含む。まず、清掃システム20を用意する。ハンドル部(ことが望ましいハンドル部のみ)を握り、清掃パッド支持部材26を対象物(例えば壁や床)に押し付け、ハンドル部24に対して清掃支持部材26を回転させる。別の実施形態において、回動部材は使用者の手を煩わすことなく清掃支持部材26を清掃位置に戻すためのねじりばねまたはその他の付勢手段を含んでいてもよい。
【0070】
図10は本発明の清掃パッド128の別の実施形態を図示している。清掃パッド128は上述したものと同様であるが、パッド128は清掃面111上にテーパ状ファイバ129を含む。図10に示すように、ファイバ129はハンドル部24に最も近いファイバ129が最も短くなるようテーパ状とされている。ハンドル部24から離れるにつれファイバ129は徐々に長くなる。ファイバの長さをテーパ状とすることで、流体塗布位置における清掃面111の清掃用流体塗布表面積を最大化するよう清掃システム20を適合させる。
【0071】
図12および図13は清掃システムの追加の別の実施形態を図示している。図12および図13に示されるように、前出の実施形態の清掃用流体リザーバ30に代えて可撓性ポーチ130が設けられている。別の実施形態では、前述したように、傾斜した浸漬管140を備えるスプレーノズルもしくはキャップ134がハンドル部24に保持されてもよい。使用者はポンプ式浸漬管140を備えるポーチの予め形成された位置138においてシールに穿孔してもよい。あるいは、使用者はスプレーキャップ134をねじ切りしたポーチ装備品151に螺合させてもよく、スプレーキャップ134は補充作業の際にポーチ130に直接係留されてもよい。図12および図13に示すように、前出の実施形態のクレードルの代わりに、リビングヒンジ141を介してハンドル部24に取り付けられるスナップフィットカバー142が設けられている。カバー142はポーチ130を清掃システム20内に固定する。
【0072】
b.湿式、湿潤または乾式ダスト除去に用いられる清掃パッドの好適な実施形態
図14〜図24には、本発明の清掃システム22と共に用いることのできる清掃パッド28の好適な実施形態が示されている。図示された好適な実施形態では、一般的に清掃パッド28はベースシート202の一面に積層された清掃ファイバマット203から構成される。ファイバマット203は、ファイバマット203の長さ方向において、ベースシート202の中心に沿って連続的に延出する中央結合線204に沿ってベースシート202に結合されることが望ましい。さらに、ファイバマット203は中央結合線204に平行する不連続な線を定義するスポット結合領域207においてベースシート202に結合される。以下に詳述するように、清掃パッド28のファイバマット203を定義するファイバのサイズは用途に応じて変更できるが、ファイバサイズは1〜18デニールであることが望ましい。
【0073】
最初に図14から図16を参照すると、本発明の清掃パッド28の第一の好適な実施形態が示されている。清掃パッド28はファイバマット203をベースシート202の一面に積層することにより形成される。ベースシート202は不織布シートもしくは当該技術で知られているその他の等価物で構成されることが望ましい。ベースシート202とファイバ203は中央結合線204に沿って相互に結合されていることが望ましい。図示された実施形態では、中央結合線204は第一のベースシートの端部212cから対向する第二のベースシートの端部212dにかけて延出している。
【0074】
図15に示されるように、中央結合領域204に加え、ファイバマット203とベースシート202は複数のスポット結合領域207において結合されている。一般的に、スポット結合領域207は不連続の平行な破線205a、205b、206aおよび206bを画定(define)する。図示された実施形態では、破線205a、205b、206aおよび206bは中央結合線204に平行である。
【0075】
図16および図17に示す断面図により、ファイバマット203の結合領域がより明確に示されている。一般的に、ファイバマット203のファイバは中央結合線204とベースシート202の端部212a、212bとの間に自由に延出するが、ファイバマット203の一部は上記スポット結合領域207(図16参照)においてベースシート202に断続的に結合される。あるいは、図17にはスポット結合領域207において結合されず、中央結合線204からファイバ231aの端部にかけて自由に延出するファイバマット203の部分が図示されている。スポット結合領域207の向きに関わらず、図示された実施形態では、ファイバマット203の端部231aおよび231bはベースシート202に結合されず、自由に延出する。したがって、清掃パッド28はファイバマット203のファイバが中央結合線204もしくはスポット結合領域207から端部331aおよび331bまでの長さに沿って自由に移動するように設計されている。ファイバマット203とベースシート202との間の(中央結合領域204間の不連続のスポット結合領域207により特徴付けられる)独特の結合パターンにより、個々のファイバのもつれが低減され、布は全体として毛羽立ちの多い外観を呈する。
【0076】
図15に最も明確に示されているように、スポット結合領域207は中央結合線204に平行な線205a、205b、206aおよび206bを概ね定義する。個々のスポット結合領域207は不連続な線形に断続的に形成されている。個々のスポット結合領域207は円、長円、楕円形、直線などを含む各種形状に形成できる。スポット結合領域207はスポット結合領域207の形状が均一となるように形成されてもよく、あるいは、上記形状は上記形状の各種組み合わせにより形成されてもよい。
【0077】
個々のスポット結合領域207の(ファイバの長さに沿った)幅は0.5〜5mmであ
ることが望ましく、(中央結合領域の長さ方向に沿った)長さは2〜15mmであることが望ましい。各スポット係合領域207は5〜50mm離間されていることが望ましい。当然ながら、個々のスポット結合領域207の間はスポット結合領域207全体にわたり均等に離間されていてもよく、各種パターンで離間されていてもよい。
【0078】
スポット結合領域207の上記向きに加え、スポット結合領域207は、各スポットが平行な線を中心としてベースシート202の幅方向(ファイバの長さ方向)に沿ってわずかに左右に交互に配置されるように位置していてもよい。これにより平行な線が中心線を定義し、スポット結合領域207が左右にジグザグパターンで配置される。したがって、スポット結合領域7は平行な線205a、205b、206a、206b上に線形配置される必要はない。
【0079】
当然ながら、スポット結合領域207はこの他の構成で作製されてもよく、上記構成に限定されない。例えば、スポット結合領域207は中央結合線204と端部212aの間に1本の平行な線を定義し、中央結合線204と対向する端部212bとの間に1本の平行な線を定義し、これらの線が2本の平行な線(例えば205aと205b)のみを定義してもよい。
【0080】
あるいは、スポット結合領域207は、清掃パッド28全体にわたり合計6本の平行な線が形成されるように中央結合線204、端部212aおよび212bの間に3本の平行な線を定義してもよい。用途に応じて任意の数の線を形成できる。
【0081】
様々なスポット結合領域207はファイバマット203のファイバの長さ方向において重複せず、したがって1つのファイバの長さに沿った多数の部位における結合は発生しない。この結果、ファイバマット203のファイバの長さの大部分は自由である。ファイバマット203は戦略的妨害を受けないため、ファイバマット203のファイバのもつれが効果的に防止されると同時に、向上した異物トラッピング性能および保持性能がより長い時間持続する。
【0082】
ファイバマット203のファイバの長さは様々に設定できるが、好適な実施形態では、中央結合領域204からファイバ端部に至るファイバの長さ方向におけるファイバの長さは、中央結合領域204からベースシート202の端部(212aもしくは212b)に至る長さの50〜100%であることが望ましい。好適な一実施形態において、清掃パッ
ドは幅300mm、長さ200mmのベースシート202を含む。中央結合領域204からベースシート202の端部までの長さは100mmであることが望ましく、ファイバマット203のファイバの長さは50〜100mmであることが望ましい。
【0083】
図16および図17に示されるように、ファイバマット203のファイバの長さ方向におけるファイバ端部231aおよび231bはベースシート202に結合されず、ファイバマット203のファイバの端部231aもしくは231bから結合領域までの自由移動が可能なファイバの長さはスポット結合領域における約10〜40mmから中央結合線に沿ってのみ結合されたファイバの約50〜100mmの範囲で変動する。スポット結合領域207により定義される線はベースシート202の端部(202aもしくは202b)から10〜40mmの範囲にあることが望ましい。
【0084】
上述したように、ベースシート202の材料は不織布シート、紙、合成樹脂シート、またはその他の既知の材料とすることができる。図示された実施形態では、ベースシート202は各種タイプの異物をトラッピング可能な不織布シートであることが望ましい。ベースシート202に使用される不織布の重量は10〜200g/m2、厚みは0.01〜0.
1mmであることが望ましい。
【0085】
好適な実施形態において、ファイバマット203に熱溶接ファイバが使用された場合、ベースシート202がファイバマット203との結合に対する伝熱性を持つ、熱溶接能力を有することが望ましい。同様に、不織布シートが用いられる場合、不織布シートはファイバマット203に熱溶接可能であることが望ましい。上述したように、このような熱溶接可能な短ファイバの例としてポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、レーヨンおよびその他のファイバ、あるいはファイバが芯鞘型構造もしくは並列構造で存在し、複合ファイバを形成する材料が挙げられる。
【0086】
ベースシート202として使用される不織布シートは、スパンレス(spunless)不織布、スパンボンデッド不織布、熱により結合された不織布、エアスルー(air‐through)結合不織布、スポット係合不織布などとすることができる。好適な実施形態では、スパンレス不織布もしくは熱により結合された不織布が使用される。不織布シートは単一のシートから形成でき、あるいは同一もしくは異なるタイプの多数のシートを積層することで形成できる。
【0087】
清掃パッド28に使用されるファイバマット203は、多数のファイバが同一方向となるように多数のファイバを重ね合わせることで作製でき、あるいはファイバ集合体から形成することができる。ファイバマット203はシート形状をとることが望ましい。さらに、ファイバマット203は各種ファイバ間で溶接などの手段により部分的に結合されてもよい。ファイバマット203はすべて均一のファイバを含んでもよいし、多数のタイプのファイバからなってもよい。
【0088】
ファイバマット203は同一の厚みもしくは様々な厚みのファイバから製造できる。同様に、ファイバマット203は構成するファイバの厚みおよびタイプが同一であるか異なっているかに関わらず異なる色のファイバが用いられた集合体から形成されてもよい。
【0089】
上述したように、多種多様なファイバがファイバマット203に利用でき、その例としてコットン、ウールおよびその他の天然ファイバ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル酸、ポリエステル、レーヨンおよびその他の合成ファイバ、芯鞘型ファイバ、海島タイプのファイバ、並列ファイバおよびその他の複合ファイバが挙げられる。合成ファイバおよび複合ファイバは熱溶接特性を有するため好適である。好適な一実施形態において、タウ(tow)は、鞘の融点よりも高い融点を有する芯からなる二成分のファイバである。例えば、一実施形態においてタウはポリプロピレンの芯とポリエチレンの外面すなわち鞘とからなる二成分のファイバである。これは、両方の物質が熱溶接特性に優れることから特に望ましい。さらに、ファイバマット203に用いられるファイバは機械的捲縮もしくは熱捲縮により作製される捲縮材料で形成されてもよい。
【0090】
好適な一実施形態において、ファイバマット203はポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、レーヨンもしくは同様の材料から製造される、通常「タウ」と呼ばれる長尺ファイバマットであってもよい。ファイバマット203を構成するファイバの厚みは1〜18デニールであることが望ましい。さらに、ファイバマット203の重量はファイバの厚みが約2デニールであるとき5〜30g/m2であることが望ましい。
【0091】
本発明の清掃パッド28はベースシート202の表面にファイバマット203を積層し、両者を上述の如く中央結合線204およびスポット結合領域207に沿って結合することにより得られる。結合は熱溶接、超音波溶接、接合、接触、またはその他の既知の方法により行うことができる。
【0092】
好適な実施形態において、ベースシート202とファイバマット203とは熱溶接可能な材料で形成され、ベースシート202とファイバマット203の積層体はホットロールにより加熱・加圧され、両表面が結合される。あるいは、ベースシート202またはファイバマット203が溶接可能でない場合、ホットメルト接着剤などの熱により結合可能な材料を両者の間に積層してもよく、あるいは接着剤を2つの層の間に直接塗布することにより結合してもよい。
【0093】
上述したように、ファイバマット203またはベースシート202は異物トラッピング性能を向上させるために化学物質で被覆されていてもよい。このような化学物質の例として液体パラフィンおよびその他の鉱物油、シリコーン油および非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0094】
好適な清掃パッドが好適な清掃システム22に組み込まれると、ファイバマット203はベースシート202の一方側に積層され、中央結合領域204において結合される。さらに、結合は、中央結合領域4に平行に、2つの端部212a、212b間の平行な線に沿って不連続に形成されたスポット結合領域207において行われる。したがって、ファイバマット203のファイバの長さ方向の2つの端部がベースシート202に結合されない清掃パッド28が形成される。
【0095】
図18、図19および図21に示されるように、清掃パッド28のポケットもしくはスリーブ110がベースシート202の背面(ファイバマット203と反対側の面)に保持シート221を積層・結合することにより形成され、これにより清掃具22の取付け部材108a、108bのアームが挿入され保持されうる空間を構成する保持開口部222が形成される。一実施形態において、保持シート221はファイバマット203をベースシート202に結合するために使用される中央結合線204およびスポット結合領域207に沿ってベースシートに結合され、2つのスリーブ110a、110bを画定する。保持シート221はファイバマットと同一の線に沿って結合される必要はなく、保持開口部222を画定するものであれば各種構成とすることができる。
【0096】
図18に最も明確に示されているように、清掃パッド28のベースシート202はファイバマット203のファイバの長さ方向と同じ方向に切り込まれた多数の切込もしくはフリンジ225を有していてもよい。フリンジ225は清掃パッド28の表面積を増大させ、ダスト吸着性を向上させる。
【0097】
図19〜図21には、ファイバマット203が、異なるタイプの構成ファイバ、異なるファイバサイズもしくは異なる色から構成される2つ以上のファイバマット203a、203bを重ね合わせることにより形成される清掃パッド28の別の好適な実施形態が図示されている。様々なファイバマットを重ね合わせることで、異なる特性をもつ清掃パッド28が得られる。好適な一実施形態において、厚いファイバのファイバマット203aと薄いファイバのファイバマット203bとを交互に設ける。例えば0.01〜0.05mmのサイズのファイバマットは薄いマット203aに適しており、0.06mm〜0.3mmのサイズのファイバマットは厚いマット203bに適している。さらに、厚いファイバマット203bにはポリプロピレンまたはナイロンなどのステム強度の高いファイバを用いることが望ましい。厚いファイバマット203bは引き出されたポリプロピレンテープを引出方向に割裂させることにより形成される結束ファイバから構成されることが望ましい。厚いポリプロピレンファイバマット203bは中央結合線204のみにおいて、ポリプロピレンのコアとポリエチレンの外面とからなる二成分のタウファイバで形成される好適な薄いマット203bに結合されることが望ましい。したがって、図21に示されるように、厚いファイバマット203bは清掃パッド28から自由に垂下する。この結果、ファイバパッドは嵩が大きく、毛羽立ちの多い外観を呈する。
【0098】
図14〜図17を参照しながら説明したように、二重のファイバマット203は、薄いシート203aをベースシート202に積層することにより作製されてもよい。次いで、厚いファイバマット203bが薄いファイバマット203に積層され、両者が中央結合線204に沿って結合される。
【0099】
ファイバマットの交互の(alternative)ファイバの積層は各種方法で行うことができるが、図示された実施形態では厚いファイバ203bが外側(清掃対象面側)にある。このような配置は、コンピュータのキーボードのように細かい間隙を含む清掃面や器具に特に適している。薄いファイバ203aは本体を有さず、間隙に進入しにくい。しかし、対照的に厚いファイバ203bはステム強度が大きいため間隙に進入しやすく、ダスト、汚れおよびその他の異物を清掃対象面から持ち上げることができる。さらに、厚いファイバ203bは細いファイバのもつれを防ぎ、表面に固着した屑を除去するための粗い表面を提供する。
【0100】
図示された実施形態では、厚いファイバマット203bのファイバの長さ方向における長さは、薄いファイバマット203aの長さよりも幾分短いことが望ましいが、長さは用途に応じて変更できる。
【0101】
図22〜図24は清掃パッド28の別の好適な実施形態、詳細には保持シートを図示している。清掃パッド28の保持シート221は不織布221aと221bの2つのシートを積層し、ヒートシールし、中央と3つの側を結合して挿入開口部223を画定することにより作製される。取付け部材108a、108bを挿入・保持する空間からなるサック形状の保持部222は、2つの不織布221aおよび221bの間に形成される。
【0102】
図23に示されるように、保持シート221の挿入開口部223が形成される。図25に示される保持シート221は、1枚の不織布を2つに折り曲げ、規定の箇所をシールし、挿入開口部223を形成することによって作製されてもよい。上側の不織布221aは、シール領域228の端部において上方に自由に湾曲可能であり、したがって下側の不織布221bに結合されない境界229として機能するように形成される。
【0103】
好適な一実施形態において、挿入領域223の向きを示す着色領域もしくはその他の印224を境界229の端部に設けてもよい。これにより上側の不織布221aが下側の不織布221bよりも長く形成され、境界29が設けられる場合、取付け部材108a、108bの挿入は容易且つスムーズに行われる。
【0104】
保持シート221の境界229に印244として着色部分を設ける代わりに、同位置に盛り上がったパターンを提供すべくエンボス加工処理を行ってもよい。保持シート221の挿入開口部側223に印を設けることで、取付け部材108が挿入される領域が容易に識別できる。
【0105】
図24に示されるように、保持シート221はホットメルト接着剤227をベースシート中央に塗布し、保持シート221とベースシートとを加熱もしくは加圧溶接などの手段により積層・加熱することによりベースシート202に取り付けられる。接着剤もしくは感圧接着剤、およびホットメルト接着剤を用いて保持シート221を清掃パッド28に付着させることができる。
【0106】
清掃パッドは、取付け部材110が保持部222に保持されるように、取付け部材110a、110bを保持シート221の挿入開口部223に挿入することにより、取付け部材110に取り付けられる。清掃パッド28が汚れた場合、アーム取付け部材110が挿入開口部223から引き抜かれ、未使用の清掃パッド28が取り付けられる。
【0107】
ファイバマット203の中央結合領域204への結合とスポット結合領域207への結合を組み合わせることにより、またファイバマット203のファイバの長さ方向端部がベースシート202に結合されないことから、開示されたファイバマット203のファイバは従来技術の清掃パッドと比べて毛羽立ちが大きく、ファイバの嵩張った領域の形成が可能となる。このことは従来技術の嵩の小さい布と比べ、著しい利点を提供する。シートのファイバマット203の長さ方向両端部は下方向に垂下し、ファイバ両端部におけるファイバ先端はベースシートから解放され、移動自在である。このため、開示されたファイバマット203は、長尺のファイバフィラメントを切断して表面を毛羽立たせ、あるいは2枚の担体シート間に挟んだ清掃用具用の従来のシートと比べて、ダスト、汚れおよび各種タイプの異物に対する優れたトラッピング性能と保持能力を有する。
【0108】
清掃パッド28の上記好適な実施形態は、湿式、湿潤または乾式清掃もしくはダスト除去を行うことのできる本発明のシステム20に特に適している。既知の従来技術の清掃パッド、より詳しくはダスト除去パッドは疎水性であった。このため従来技術の清掃パッドは低レベルの液体製品を利用する場合、本発明の利点を利用できない。
【0109】
本発明の清掃パッドは本発明の湿式、湿潤もしくは乾式ダスト除去方法を可能とする。特に本発明のシステム20はダスト除去性能を向上させるべく乾式ダスト除去もしくは清掃パッド28と組み合わせて低レベルの液体製品を利用する。好適な実施形態において、使用される液体レベルは0.01〜0.3g/平方フィートである。あるいは、清掃パッドに塗布される好適な液体レベルは80〜500マイクロリットルである。120〜130マイクロリットルの範囲が特に好適である。本願明細書を通じて記載するように液体として水、溶剤もしくは乳化ベースの中間体が使用できる。
【0110】
c.使用方法および清掃方法
上記開示よりわかるように好適な清掃具22は様々な表面の清掃・ダスト除去に利用できる。清掃具22が独特の構成を有することから、使用者は湿式、湿潤または乾式清掃もしくはダスト除去の間を適宜切り換えられる。なお、本発明の構成部品は特定の清掃タスクに応じて手元で適宜交換できる。例えば、開示された清掃パッド28の中には開示された清掃用液剤と共に使用したり、乾式ダスト除去に使用したりすることが適しているものもある。同様に、清掃パッド28の中には別の清掃タスク用に構成された別の面を含むものもある。同様に、使用される清掃溶液剤は所望の用途に応じて変更できる。
【0111】
使用者は好適な清掃具22を含む上記清掃システム20を乾式ダスト除去用に入手してもよい。使用者は手のひらでハンドル部24を囲むように清掃具22を把持する。好適な実施形態において、使用者の手のひらはハンドル部24の頂部29の端部を越えて延出し、使用者の指が流体リザーバ30回りに少なくとも部分的に延出する。なお、乾式ダスト除去タスクを実行する際、流体リザーバ30はなくてもよい。図示された実施形態では、使用者の手は通常、人差し指をハンドル部24に延在する穴32に差し込める向きである。
【0112】
使用者は清掃具22を入手すると、清掃パッド28を清掃パッド支持部材26に設置する。上述の如く清掃具は各種清掃パッド28と共に用いられてもよい。好適な実施形態において、スリーブ状清掃パッド28は、全ての保持タブ112がスリーブ110a、110b内にあるように取付け部材108a、108b上に取り付けられる。清掃パッド28が固定されると、使用者は清掃パッド28を清掃対象面上に置き、清掃パッド28を清掃対象面上で移動させる。清掃対象面上で清掃パッド28を移動させることで、ダストもしくはその他の屑が清掃パッド28により収集される。図示された実施形態では、ダストもしくはその他の屑は清掃パッド28の清掃面111により収集される。使用者は、清掃対象面に応じて清掃パッド支持部材28を回動させ、届きにくい場所に対応してもよい。例えば、使用者が頭上のまぐさのダストを除去したい場合、清掃パッド支持部材26をハンドル部24に対し約90°回動させることができる。
【0113】
好適なダスト除去もしくは清掃パターンは、清掃対象セクションの左上(または右上)から開始され、左右に拭取り動作を続けながら清掃対象面全体に拭取りパターンを進行させる、左右の重複動作からなる。別の好適な拭取りパターンは上下方向の拭取り動作からなる。好適な拭取りパターンとすることで、清掃パッド28が汚れやダストを緩め、よりよい仕上がりとすることができる。上記拭取りパターンの別の利点は、(湿式ダスト除去において)液剤の散布を改良した結果としてすじの発生を最小化する点にある。
【0114】
なお、湿式ダスト除去もしくは清掃は乾式ダスト除去とは別々に、あるいは組み合わせて、または追加して行うことができる。例えば、使用者は最初に乾式ダスト除去を行い、次いで湿式ダスト除去もしくは清掃を行ってもよい。湿式清掃もしくはダスト除去の場合、同様の工程が上述の乾式ダスト除去の場合にも行われる。但し清掃用流体リザーバ30は必要に応じて最初に流体リザーバ収容クレードル36に挿入される。流体リザーバ30はハンドル部側壁21a、21bの間、2つのU字型支持体もしくはレール44、46内に挿入される。流体リザーバ30は、三角形の保持タブ42a、42bが摩擦係合し、流体リザーバ30の下部側壁53を保持するようにクレードルに圧入される。リザーバは、第一のボトルネック収容支持部44がリザーバ30の第二のセクション55と第三のセクション57との結合部59近傍で流体リザーバ30周囲にフィットするように圧入される必要がある。第二のU字型スプレーキャップ受け支持部46は流体リザーバ30のスプレーキャップ61の周囲にフィットされ、スプレーキャップ61を保持し方向付ける。スプレーキャップ受け支持部フランジ71a、71bは、リザーバがクレードル36内に配置されると流体リザーバスプレーキャップ61平坦部63a、63bの周囲に圧入される。フランジ71a、71bおよび平坦部63a、63bにより定義されるタイトなフィットはスプレーキャップ61を流体リザーバ収容クレードル36内に、スプレーキャップ61がクレードル36から離反する向きとなるように適宜方向付ける役目を有する。
【0115】
湿式ダスト除去もしくは清掃の際、表面を湿らせて清掃対象面上で清掃パッド28を移動させる、清掃パッド28を湿らせて清掃対象面上で清掃パッド28を移動させる、またはこの両者の組み合わせ、を組み合わせた各種技術が利用できる。
【0116】
図1には、清掃用液剤が表面に直接塗布される、湿式清掃用に構成された清掃位置にある清掃システム20が示されている。上述の如く、清掃位置において清掃パッド支持部材26は前方向に延出し、回動係合タブ38が回動部材82の清掃位置切欠き102と係合し、保持タブ95が保持タブ穴87内にフィットする。この位置において、使用者は流体リザーバ30内に収容された水もしくはその他の液体を清掃対象面に直接塗布してもよい。使用者は開口部32から指を差し込み、スプレーキャップ61を押し下げ、リザーバ30に収容された液体を放出させてもよい。
【0117】
図4には、第二の液体塗布位置における清掃システム20が示されている。清掃パッド支持部材26を第二の液体塗布位置に移動させるためには、使用者はハンドル部24を把持し、清掃パッド支持部材26にトルクを加えて清掃パッド支持部材26を図1に示す清掃位置から移動させる。本発明の係合特性の力を上回るトルクが与えられると、円形回動部材82は液体塗布位置まで下方向に回転する。第二の液体塗布位置において、回動係合タブ38は回動部材82の液体塗布切欠き104と係合し、清掃パッド支持部材26を角度をつけた液体塗布状態に保持する。この位置において、使用者は流体リザーバ30内に収容された水もしくはその他の液体を清掃パッド28の清掃面111に直接塗布してもよい。上述したように、各種清掃位置は交換可能に使用できる。ダスト除去もしくは清掃の際、使用者は必要に応じて清掃パッド支持部材26を清掃位置から液体塗布位置へ繰り返し回転させることができる。湿式ダスト除去もしくは清掃の際、使用者は上述の清掃パターンを利用できる。
【0118】
清掃もしくはダスト除去が終了すると、使用者は清掃パッド28を取り外して処分し、清掃システム22を収容位置(図3参照)に配置してもよい。清掃システム22を収容位置に配置するためには、清掃パッド支持部材26はハンドル部24の長手軸により画定される平面に略平行となるよう、逆方向に回転される。
【0119】
上述したように、各種清掃用液剤が本発明の清掃システムと共に使用できる。軽い清掃もしくはダスト除去の一つの好適な方法において、水道水を96.30重量%、イソパラ
フィン炭化水素を1%、シリコーン溶液を1%、ラウリン酸ソルバタンを0.5%、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルバタンを0.5%、ミリスタルコニウムクロリドを0.15
5、クアタナリウムを14、タカサゴ(takasago)TN-7962を0.30%お
よびホルムアルデヒドを0.25%含む液剤が使用される。この組成物はダスト除去ジョブに適用されるのが理想的である。好適な液剤を本発明の清掃用液剤と共に使用することで、ダストおよびアレルゲン保持力が高まり、清掃対象面に改良されたつやを与えることができる。指紋やしみ、その他の汚れが容易に除去される。
【0120】
別の好適な実施形態では、清掃用液剤は脱イオン水を96.5125重量%、無水プロ
パン-2-オールを1.75%、エチレングリコールモノブチルエーテルを0.40%、エチレングリコールn-ヘキシルエーテルを0.40%、プロピレングリコールを0.125%、
モノエタノールアミンを0.10%、ビネガー(白色、蒸留された300グレイン)を0.
30%、界面活性剤を少量、およびその他の成分を含む。
【0121】
別の好適な実施形態では、清掃用液剤は脱イオン水を97%、無水プロパン-2-オール
を1.50%、エチレングリコールN-ヘキシルエーテルを0.30%、インダストリアルグ
レードのプロピレングリコールを0.13%、界面活性剤を0.08%、Mackamを0.
30%、モノエタノールアミンを0.10%、界面活性剤を少量、およびその他の成分を含
む。
【0122】
さらに別の好適な実施形態では、清掃用液剤は脱イオン水を91.8%、イソパラフィン炭化水素を5.0%、ELFUGIN AKTを0.25%、ナトリウム‐ココイルサルコシナート(sodiumn n-cocoyl sarcosinate)を0.15%、シ
リコーン溶液を2.0%、ソルビタンモノオレアート(sorbitanmono oleate)を0.15%、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルバタンを0.15%、低フリーズグレード(low freeze grade)トリエタノールアミンを0.15%、ホルムアルデヒドを0.15%、およびその他の成分を少量含む。
【0123】
別の実施形態では、清掃用液剤は脱イオン水を92.32%、イソパラフィン炭化水素を5%、シリコーン溶液を2%、ソルビタンモノオレアートを0.15%、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルバタンを0.15%、トリエタノールアミンを0.03%、ホルムアルデヒドを0.15%およびその他の成分を少量含む。
【0124】
清掃用液剤の用量および範囲を制御することは重要である。好適な一実施形態において、清掃面に塗布することにより好適な清掃パッドと共に用いられるべき液体レベルは0.
01〜0.3g/平方フィートである。あるいは、清掃パッドに直接塗布される好適な液
体レベルは80〜500マイクロリットルである。120〜130マイクロリットルの範囲であることが特に望ましい。最良の結果を得るためには、製品は上記推奨された用量で処理面もしくは清掃パッド28に塗布され、次いで清掃パッド28が表面上を移動してダストを集め、清掃面に直接塗布された場合は清掃用液剤を吸収する。清掃システムの用法説明書には、好適な塗布パターンおよび用量を詳述した図画および/または説明を含んでもよい。上述の如く本発明の好適な組成物はマイルドでありほとんどの面に対する損害を最小化する。
【0125】
上述したように、湿式ダスト除去の場合、清掃用液剤は流体リザーバ30を用いて散布できる。必要に応じて、さらに便利にするため、追加の組成物を予め湿らせた清掃パッド28の形態で輸送してもよい。
【0126】
必要に応じて、最も望ましくは、上述の使い捨て清掃パッド28で構成されるシステムを利用することで利便性および性能を最大化できる。パッドは上述の清掃パッド28のいずれかで構成できる。
【0127】
この清掃システム22および使用方法は従来の清掃モードに対して数多くの利点をもたらす。清掃パッドがより多い量のダストを保持し好適な清掃用液剤が指紋、しみ、その他表面上に形成された跡を除去するため、清掃またはダスト除去にかかる時間が短くなる。別体のダスト除去用液剤もしくは清掃用液剤を持ち運ぶ必要がなくなる。パッドが高吸収性を有することから、特に好適な清掃用液剤と併用された場合、パッドは汚れやダストを吸収・固着し、単一のパッド28が大きい表面積を清掃できる。
【0128】
さらに、毎回未使用のパッド28を使用できるため、細菌や汚れがトラップされ、除去・投棄され、衛生上優れている。再利用可能な従来のダスト除去具は、汚れや細菌を集積させ、家庭の至る所に拡散させる可能性があった。操作者が用量を制御することで汚れがより効果的に除去され、仕上がり結果が良好となる。
【0129】
さらに、清掃プロセスは、従来の清掃システムと比べて大幅に短い時間にわたって(例えば、本発明では別体の清掃用液剤を塗布し清掃具を把持する複数の工程が組み合わされている)、低レベルの液剤を清掃対象面に接触させて使用することを含むため、システムおよび方法のデリケートな表面に対する表面安全性が向上されている。
【0130】
清掃パッド28は多様な清掃および多様な表面に用いられることから用途が広い。各パッドは平均的な屑またはダストが集積された少なくとも1つの平均サイズの表面を清掃すべく設計されている。パッドは表面が平均よりも広い場合や、汚れが特にひどい場合、すぐに交換できる。パッドの交換が必要か否かを決定するには、清掃パッドの清掃面の裏側を見て、清掃面がダストおよび/または汚れで飽和しているか否かを確認する。
【0131】
各種清掃およびダスト除去タスクの相乗効果を最大化するため、本発明の方法は各種実施および用法説明書を用いて実施できる。一実施形態において、異なる清掃タスク用の複数の清掃パッドと液剤とを有するキットを提供してもよい。ある液剤と清掃パッドは表面清掃用、別の液剤とパッドはダスト除去用であってもよい。各種製品を併用することの利点を説明するため、各使用されるキットに通知と説明を記載してキットを別々に販売してもよい。
【0132】
なお、上述した本発明のシステム20の部品は別々に製造・販売されてもよいし、清掃システムまたはキットの形で包括的に製造・販売されてもよい。また、本発明はハンドル部24の回動部材収容キャビティ50内への取付けが可能な追加の各種構成および部品を考慮している。上記清掃パッド支持部材26に変えて各種交換可能な別の清掃用具を利用してもよい。別の清掃用具は、好適なハンドル部24と交換して使用できるように、汎用回動部材もしくは好適な実施形態で説明したその他の取付け部材を含む、モジュール設計された支持部材を含むことが望ましい。例えば、他の清掃用具として窓、鏡面またはその他のガラス構造体を掃除するためのスキージ、リントローラなどの軟らかい表面用クリーナ、ガラスクリーナ、インデックス補給ロール、虫たたき、犬用ブラシまたはその他のグルーミング用具、洗いブラシまたはその他の清掃用具などが挙げられるが、これらに限定されない。数多くの他の回動自在もしくは移動可能に取り付けられる清掃用具も本発明の範囲に含まれる。
【0133】
さらに、好適な実施形態では清掃パッド支持部26に回動可能に取り付けられるハンドル部24を例示したが、本発明はかかる構成に限定されない。例えば、本発明の清掃システム20は清掃用流体の表面へのスプレーのみを可能とする単一の非可動部品として構成されてもよい。同様に、清掃パッド支持部は好適な実施形態において記述したようにハンドル部に回動可能に取り付けられなくてもよい。ハンドル部に対して清掃パッド支持部26を移動できる多くの他の実施形態が本発明の範囲に含まれる。あるいは、清掃パッド支持部材26とハンドル部24とは摺動自在に接続され、ヒンジにより接続され、湾曲または他の方法にて各種所望の配置に移動可能に接続される。清掃パッド支持部材26の180°回転を可能とするため、ばねを備えたロックスイッチを利用してもよい。清掃パッド支持部材26は360°回転を可能とする、中央に配置される回動部材を含んでいてもよい。あるいは、ハンドル部は清掃パッド支持部材26に対し360°回転可能であってもよい。さらに、ハンドル部24は、通常の使用者の届く範囲の外側にある領域のダスト除去または清掃を可能とする一体型もしくは取付け可能な入れ子式伸張部を含んでいてもよい。
【0134】
さらに、上述のハンドル部を設置しなくてもよく、流体リザーバが清掃システムのハンドルを形成すべく構成されてもよい。回動可能な取付け部材は流体リザーバの上端に取り付けられる。さらに、上述のスプレーボトルは物理的に別体のモジュールであるが、スプレーボトルが関連するハンドル部に直接組み込まれ、あるいはハンドル部を形成してもよいことは明白である。リザーバは流体が充填される際に取り外せるプラグを有していてもよい。
【0135】
あるいは、清掃パッド支持部はねじ接続によりハンドル部に接続されていてもよい。このような配置とすることで本発明の範囲内の多くの他の清掃用具の着脱が容易となる。あるいは、清掃パッド支持部は、各種清掃機能に適合すべく垂直方向または水平方向に回転するよう構成されていてもよい。さらに、清掃システムは、さらなる効果を発揮し、且つ消費者の手を煩わせないための電動回転ヘッドを含んでいてもよい。
【0136】
流体リザーバを例に挙げて清掃用流体輸送システムを説明したが、清掃対象面または清掃媒体に清掃用流体を輸送するための他の構成も本発明の範囲に含まれる。例えば、流体リザーバは清掃用流体が清掃パッドまたはクロスの背面にスプレーもしくは塗布され、ウィッキング作用によりクロスに浸透移動することが可能であるように構成されてもよい。あるいは、清掃システムの取付け部材もしくは歯108a、108bは、清掃用流体が取付け部材108a、108bを通じて清掃パッド28上に排出されうるよう、清掃用流体リザーバと流体的に連通してもよい。このような輸送システムは取付け部材の先端、底部、頂部あるいは横側を通して清掃用流体を輸送できる。あるいは、液体輸送システムは清掃用流体を清掃媒体上にスプレーすべく構成されたフリップアウトノズル(flip out nozzle)もしくはリザーバを含んでいてもよい。このような構成とすることで回動支持部材が不要となる。
【0137】
本発明を実施するための、発明者らにより考慮された最良の形態を開示したが、本発明の実施はこれらに限定されない。本発明の概念の基礎をなす精神から逸脱することなく本発明の特徴の追加、修正および再配置を行えることは明らかである。
【0138】
さらに、本願を通じて述べたように、個々の構成要素は開示された形状で作製される必要はなく、また開示された構成で組み立てられなくてもよい。清掃用具−支持部に取り付けられる清掃用流体リザーバを含む清掃システムを提供するため、実質上あらゆる形状で提供でき、実質上あらゆる構成で組み立てることができる。開示された各実施形態の開示されたあらゆる特徴は、これらの特徴が相互に相容れない場合を除き、他の開示された実施形態の開示された特徴と組み合わされたり置き換えられたりすることができる。
【0139】
添付の請求の範囲はこれらの追加、修正、再配置を全て含むことが意図されている。本発明の目的にかなった実施形態は添付の請求の範囲により区別される。
【技術分野】
【0001】
関連出願する出願の参照
本出願は、2005年1月28日に出願された米国特許出願第11/045,204号
の一部継続出願であり、その全開示内容を参照によって本願明細書に援用する。
【0002】
本発明はハンドヘルドダスターやダストモップなどの清掃器具の分野に関する。より詳しくは、本発明は湿式、湿潤または乾式清掃において改良された屑吸着性能を示す清掃パッドに関する。
【背景技術】
【0003】
数十年間にわたり、ハンドヘルド羽ぼうき、雑巾およびその他の清掃用具が、ドレッサー、コーヒーテーブルなどの家具、コンピュータなどの電化製品、照明器具、内壁、まぐさ石(lintel)に付着したダストを除去するための清掃具として使用されてきた。したがって、ダストや汚れが清掃用具に付着するよう、雑巾、クロスまたはその他の清掃用具で表面を擦ることで床、家具、および家庭におけるその他の面からダストや汚れを除去することが一般的に知られている。
【0004】
この半世紀でダスト除去や同様の清掃作業を行う際に個々のを援助する新しい清掃用具が開発された。ハンドヘルドダスターおよびその他の清掃用具は当該技術で概ね知られているが、現行の市販の設計には数多くの欠点が存在する。例えば、米国特許出願公開番号第US2004/0034956Al号、米国特許第6,813,801号、米国特許第5,953,784号および米国特許第6,550,092号(当該参考文献を参照することによって本願明細書に援用する)は、使い捨て清掃パッドを組み込んだ種々のハンドヘルド清掃器具を開示している。これらの装置は、所望の用途によってはある程度適切であるものの、明らかな限界がある。例えば、上記参考文献はいずれも便利な収容構成を提供しない。逆に、ほとんどの従来技術のハンドヘルド清掃用具を保管するために、ハンドルを清掃パッド支持部材から物理的に取り外す必要がある。また、これらの既知の装置の取付け部は圧入された部材を含むことが多いが、このような部材は時間が経つと脆弱化し、清掃中に支持部材がハンドル部から外れる事態を招く。
【0005】
また、ダスト除去またはその他の清掃中に清掃パッドを支持部材上に適切に保持する保持手段は未だ開発されていない。例えば、米国特許出願公開番号第US2004/0034956A1に開示されたハンディモップは、平行な取付けプレートの横側に沿った弓状突起を開示する。アーチ形表面とこれらの突起の間隔は清掃中にダストパッドをプレート上に適切に保持しない場合がある。使用者が通常のダスト除去または清掃作業を行う際、パッドがプレートからずれてしまうことが多い。
【0006】
一般的に、ハンドヘルドダスターおよびモップに対する改良の大部分は清掃器具の基本的な機械的構成要素の改良に関するものであった。これらの改良は乾式ダスト除去または清掃用の廉価で硬質な用具の提供に関連する。しかし、選択的な湿式、湿潤または乾式ダスト除去を可能とするハンドヘルド清掃用具を提供しようとする試みは従来技術にはなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
清掃パッドまたはシステムによっては(some cleaning pads or
systems)水またはその他の清掃用液剤を加えることで、清掃器具がダストおよびその他の屑の吸着効率が向上することが知られている。このことは知られているものの、現在のところ使用者が湿式、湿潤または乾式ダスト除去を片手で切り換えることができる、清掃用具上でアクセス可能な取付け式の水または清掃用流体リザーバを含む、ハンドヘルド清掃システムは存在しない。従来技術のダスト除去および清掃器具では、使用者が湿式ダスト除去または清掃を行おうとする場合、別体のスプレーボトルまたはその他の液体塗布手段を入手することが必要であった。湿式もしくは湿潤式ダスト除去あるいは清掃システムに対する需要に照らして、このようなシステムに関連する清掃用液剤の改良も必要である。
【0008】
湿式もしくは湿潤式ダスト除去あるいは清掃システムに対する需要に照らして、このようなシステムに関連するクロスもしくは清掃パッドの改良も必要である。既知の使い捨てダスト除去または清掃用クロスの多くは水およびダストを十分に吸収しないファブリックを含んでいた。清掃クロスに対する改良が例えば日本のPCT RO−101に開示されており、この全開示内容を参照によって本願明細書に援用する。ダスト除去用クロスに対する改良が当該技術で開示されているものの、清掃システムの液体の利点を最大限に促進しながら、ダスト除去パッドの湿式および乾式吸収量を最大化する改良された清掃ファイバおよび配置に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述のごとく、また本願明細書において実施され広く説明される本発明にしたがい、清掃パッド、ダスト除去パッド、およびダスト除去パッドの使用法が、当業者が本発明を実施し利用できるよう詳細に開示されている。
【0010】
好適な一実施形態において、湿式、湿潤または乾式清掃に用いることのできる清掃パッドは、ファイバと少なくとも1つの不織布シートとの組み合わせを含む。清掃パッドは、液体が塗布されると、改良された屑保持力を示す。ファイバの組み合わせは清掃ファイバマットの形態をとり、シートはベースシートの形態をとる。ファイバマットはベースシートの一面に積層され、中央結合線に沿ってベースシートに結合される。ファイバマットは中央結合線に平行する不連続線を定義するスポット結合領域においてベースシートに結合される。別の実施形態では、清掃パッドは清掃具に動作可能に結合された流体源を含み、流体源は清掃用流体を清掃対象面、もしくは直接清掃パッドのファイバに、選択的に塗布できる。
【0011】
さらに別の好適な実施形態では、不織布シートの重量は10〜200g/m2であり、
厚みは0.01〜0.1mmである。ファイバとシートはファイバマットとシートとを熱溶接すべく伝熱性材料で形成されてもよい。ファイバマットとしてコットン、ウール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル酸が挙げられる。一実施形態において、ファイバマットのファイバは縮れた材料(a crimped material)で形成されてもよい。ファイバマットを構成するファイバの厚みは1〜18デニールであることが望ましい。
【0012】
さらに別の実施形態では、ファイバの組み合わせは2つ以上のファイバマットを結合することで形成される清掃ファイバマットを含む。2つ以上のファイバマットは異なるファイバで形成されてもよい。一実施形態において、第一のファイバマットはポリプロピレンで形成され、第二のファイバマットはポリプロピレンのコアとポリエチレンの外面とからなる二成分のタウファイバで形成されてもよい。別の実施形態では、清掃パッドは清掃具に対する清掃パッドの向きを示す印を含む。
【0013】
一実施形態において、0.1〜0.3g/平方フィートの清掃用流体が清掃対象面もしくは清掃パッドに塗布される。別の実施形態では、清掃パッドのファイバはテーパ状のもの、螺旋状のもの、液体の自発的輸送を可能とするポリマーで構成されるもの、断裂している(lobed)もの、超吸収性ポリマーを含有するもの、あるいは水の吸収性を高めるべく親水性添加剤を含有するものである。別の実施形態では、清掃具は、流体源を収容する内側凹部と、移動自在に取り付けられる清掃パッド支持部とを画定するハンドルを含む。
【0014】
さらに別の実施形態では、ダスト除去パッドは、中央結合線に沿って、および複数のスポット結合領域において、ベースシートの一面に結合されたファイバマットを含む。清掃パッドは、ファイバマットもしくは清掃対象面に清掃用液剤を選択的に放出するため、流体源に動作可能に結合される。ダスト除去パッドは液体がダスト除去パッドに塗布されると、改良されたダスト保持力を示す。
【0015】
別の実施形態では、清掃用液剤は少なくとも水、イソパラフィン炭化水素、シリコーン溶液、ラウリン酸ソルバタン(sorbatan laurate)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(polyoxyethylene sorbitan monolaurate)、ミリスタルコニウムクロリド(myristalkonium
chloride)およびクアタナリウム(quaternarium)の混合物で構成される。さらに別の実施形態では、0.1〜0.3g/平方フィートの清掃用流体が清掃対象面もしくはダスト除去パッドに塗布される。
【0016】
別の実施形態では、清掃ファイバマットは2つ以上のファイバマットを結合することで形成される。2つ以上のファイバマットは異なるファイバで構成される。一実施形態において、第一のファイバマットはポリプロピレンで形成され、第二のファイバマットはポリプロピレンのコアとポリエチレンの外面とからなる二成分のタウファイバで構成される。
【0017】
さらに別の好適な実施形態では、複数のファイバと少なくとも1つの不織布シートとを含むダスト除去パッドを使用する方法は、ダスト除去パッドへのダスト吸着性を向上させるべく清掃用液剤をダスト除去パッドもしくは清掃対象面に選択的に塗布し、清掃対象面上でダスト除去パッドを移動させることを含む。ファイバの組み合わせは清掃ファイバマットを含んでいてもよく、シートはベースシートであってもよい。ファイバマットはベースシートの一面に積層され、中央結合線に沿ってベースシートに結合されていてもよい。一実施形態において、ファイバマットはポリプロピレンで形成される第一のファイバマットと、ポリプロピレンのコアとポリエチレンの外面とからなる二成分のタウファイバで構成される第二のファイバマットとで構成される。一実施形態において、清掃用液剤は水であり、別の実施形態では清掃用液剤は少なくとも水、イソパラフィン炭化水素、シリコーン溶液、ラウリン酸ソルバタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ミリスタルコニウムクロリドおよびクアタナリウムの混合物で構成される。最後の実施形態では、0.1〜0.3g/平方フィートの清掃用液剤がダスト除去対象面もしくは清掃パッドに塗布される。
【0018】
本発明の上記およびその他の態様および目的は、以下の説明と添付の図面とを参照しながらより深く理解される。但し、本発明の好適な実施形態を示す以下の説明はあくまで例示の目的で示されるもので、本発明を限定しない。本発明の精神から逸脱することなく本発明の範囲内で多くの変更や修正を行うことができる。本発明はこれらの修正をすべて含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】清掃システムが第一の清掃位置すなわち9時の位置で示された、湿式または乾式清掃を行うことが可能な、組み立てられた清掃システムの第一の実施形態の斜視図
【図2】図1に示す清掃システムの部品の分解斜視図
【図3】収容位置すなわち3時の位置で示される清掃システムの側面図
【図4】清掃パッド支持部と人間の指を点線で示す、液体塗布位置すなわち5時の位置で示された清掃システムの側面図
【図5】流体収容クレードルの好適な構成を示す、清掃システムの下側の斜視図
【図6】清掃システムの、図1〜図5に示す装置の長手軸に沿った垂直断面図
【図7】図6の線5-5に沿った断面図
【図8】図6の線6-6に沿った断面図
【図9】図6の線7-7に沿った断面図
【図10】清掃システムに取り付けられた清掃パッドの別の実施形態をさらに示す、液体塗布位置における清掃システムの側面図
【図11】図1〜図5に示す本発明の清掃システムの回動アセンブリの部分分解斜視図
【図12】清掃システムの別の実施形態の部品の分解斜視図
【図13】システムの長手軸に沿った、図12に示す別の清掃システムの垂直断面図
【図14】清掃システムの清掃パッドの好適な一実施形態の底面図
【図15】好適な結合領域を図示する清掃パッドのベースシートの平面図
【図16】図14の清掃パッドの線A-Aに沿った断面図
【図17】図14の清掃パッドの線B-Bに沿った断面図
【図18】別の好適な清掃パッドの上面図
【図19】図18の線C-Cに沿った断面図
【図20】図18に示された清掃パッドの底面図
【図21】図18の線D-Dに沿った清掃パッドの端部断面図
【図22】清掃パッドと共に使用される保持シートの一実施形態の上面図
【図23】図22の線G-Gに沿った保持シートの端部断面図
【図24】清掃パッドのベースシートに保持シートを設置するところを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を構成する利点および特徴の明確な概念、ならびに本発明の備える典型的な機構の構成および動作の明確な概念は、添付の、本願明細書の一部を形成する図面に示される例示的実施形態を参照することで、より明白となる。実施形態は本発明を限定しない。複数の図面にわたって同様の参照番号は同一の要素を示す。
【0021】
図面に示される本発明の好適な実施形態を説明するに当たり、明確を期すために特定の専門用語が使用されている。なお、本発明は選択された特定の用語に限定されず、また、各特定の用語は同様の目的を達するために同様に動作する技術的相等物を含む。例えば、単語を接続した用語やそれと同様の用語が多用される。これらの用語は直接接続されることに限定されないが、当業者が相等物であるとみなす他の要素を通じた接続を含む。
【0022】
以下の説明において、実施形態を参照しながら本発明とその各種特徴、利点の詳細をさらに説明する。実施形態は本発明を限定しない。
【0023】
1 システム概観
基本的な形態において、本発明は湿式、湿潤または乾式清掃において改良されたダスト保持力を示す清掃パッドである。一般的に、パッドはファイバと少なくとも1つの不織布シートの組み合わせを含み、液体がパッドに塗布されると、改良された屑保持力を示す。パッドは、清掃対象面、もしくは直接清掃パッドのファイバに、選択的に塗布できるように清掃具に動作可能に結合される流体源を含む清掃システムと共に用いられることが望ましい。
【0024】
2 好適な実施形態の詳細な説明
以下、重要な各種特徴を示すための例を挙げて本発明の特定の実施形態をさらに説明する。例は本発明を限定するものではない。例は本発明の実施方法に関する理解を深め、当業者が本発明を実施できるようにする目的でのみ示される。したがって、以下の例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0025】
まず図1および図2を参照すると、本発明の好適な一実施形態による本発明の清掃システム20が図示されている。清掃システム20は、ハンドル部もしくはハンドル24、および回動可能に取り付けられる清掃パッド支持部材、清掃用具支持部材もしくは清掃媒体支持部26、液体輸送システム、清掃用流体ディスペンサもしくはリザーバ30、および清掃パッド支持部材26を介して清掃具22に取り付けられる清掃パッドもしくは清掃媒体28を含む、清掃具22により概ね構成される。
【0026】
ハンドル部24は、使用者の手の平の内側に快適にフィットすべく構成される、曲面を有する人間工学的(ergonomically)に設計された部材であることが望ましい。ハンドル部24は一体頂部29、第一の側壁21a、第二の側壁21b、後壁23および底部31を含む。ハンドル部24は各種合成樹脂、プラスチックあるいはその他の適切な材料で構成できる。好適な実施形態では、ハンドル部24はポリプロピレンで構成される。ハンドル部24は使用目的に応じて各種サイズに構成できるが、好適な実施形態では、ハンドル部24は長さ約8.5インチ、幅約1.3インチ、高さ約1.7インチである。好適な寸法とすることで、清掃システム20の使用、操作、包装、出荷、および収容が容易となり、全体的にさらに人間工学に基づいた設計とすることができる。ハンドル部24は、美的外観を得る目的で様々に着色して構成できる。透明材料で構成してもよい。
【0027】
以下に詳述するように、ハンドル部24は流体リザーバ収容クレードル、凹部もしくはベイ36を画定する。好適な実施形態では、流体ディスペンサもしくはリザーバ30をクレードル36に挿入すると、ハンドル部24の人間工学に基づいた設計もしくは形状が完成する。使用者の手の平はハンドル部24の頂部29を越えて延出し、使用者の指の少なくとも一部が流体リザーバ30の周囲に延出する。また、ハンドル部24の好適な曲面を有する人間工学に基づいた設計は、回動部材収容キャビティ50により画定される回動点が、クレードル36内の流体リザーバ30により画定される水平面よりも下に位置すべく構成される。このような配置とすることで、後述するように流体塗布を最大限に行うことができる。
【0028】
ハンドル部24の中央近傍には、ハンドル部24を貫通しハンドル部の底部31まで延在する開口部もしくは穴32が設けられている。図示される実施形態では、開口部32はハンドル部24の前端25における回動部材収容キャビティ50から約2.5インチの位置に設けられている。図4に示すように、開口部32を設けることで、使用者はハンドル部24の底部31に画定される流体リザーバ収容クレードル、凹部もしくはベイ36に片手でアクセスできる。ハンドル部24の前端25近傍の回動部材収容キャビティ50上方に、下方向に延出して回動部材収容キャビティ50内に入る、後述する片持ち回動係合タブ38が設けられている。
【0029】
図2は、清掃システム20の流体リザーバ30の好適な一実施形態を図示している。図示される実施形態では、流体リザーバ30は水または専用の流体を保持すべく構成された流体ディスペンサもしくはポンプ式スプレーボトルの形態をとる。流体は様々な既知の製品で構成できる。流体は市販のプレッジマルチサーフェスクリーナ(Pledge(登録商標)Multi-Surface Cleaner)、プレッジウッドアンドガラスク
リーナ(Pledge(登録商標)Wood and Glass Cleaner)、エンドダスト(End Dust(登録商標))、ファンタスティック(Fantastic(登録商標))汎用クリーナ、ウィンデックス(Windex(登録商標))ガラスクリーナ、オースト(Oust(登録商標))またはライソル(Lysol(登録商標))などの抗菌剤、グレード(Glade(登録商標))などの芳香剤、アーマーオール(Armor All(登録商標))などの革またはビニール用トリートメント剤、スコッチガード(Scotch Guard(登録商標))などのファブリック保護剤、S.C.ジョンソン・エンド・サン(S.C.Johnson&Son、Inc.(米国ウィスコンシン州ラシーン))社の製造するファブリックフレッシュナ、もしくはファブリーズ(Fabreze(登録商標))から選択されることが望ましい。あるいは、流体として任意の汎用クリーナ、油又は水ベースのダスト防止剤、静電気防止剤、細菌防止剤、抗菌剤、殺菌剤および脱臭剤、ダスト除去剤、ガラスクリーナ、家具用つや出し剤、革またはビニール用トリートメント剤、その他の清掃剤、ワックス、つや出し剤、柔軟剤、摩擦強化化合物、芳香剤、食器用洗剤、石鹸、防虫剤、エクスフォリエータ(角質や毛穴の汚れを除去する化粧品)あるいはその他のパーソナルケア製品、スポンジ画または他の用途に用いられる絵の具、水なし(water−out)エマルジョン、油なし(oil−out)エマルジョン、ダストダニキラーもしくは忌避剤、研磨クリーナ、靴磨き剤、ペット用衛生製品などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
図2に示すように、好適なスプレーボトルは一体底51、側壁53、第二のセクション55および第三のセクション59を有する略円筒形のボトルである。スプレーキャップもしくはノズル61がスプレーボトル頂部に螺合または圧入される。スプレーキャップ61は、流体リザーバ収容クレードル36のフランジ71a、71bと選択的に係合すべく構成された1対の対向する平坦部63a、63bを含む。あるいは、同様のロック機構を形成すべくタブおよび溝のシステムを用いてもよい。あるいは、スプレーキャップ61は片側のみのフラットボタンまたはテーパ状ボタンを含んでいてもよい。流体リザーバ30は、図示されたスプレーボトルの他にも様々な形態をとることができる。例えば、圧搾、噴射ガンまたは取付け可能なスプレーノズルを備えた可撓性ポーチにより流体をディスペンスする、エアゾールパッケージ、変形可能なハンドルもしくはリザーバの形態をとることができる。図中、流体リザーバ30はハンドル部24のクレードル36内にフィットしているが、流体リザーバが、取り付けられる清掃システム(すなわち回動部材および取付け部材)の上部のみを有するシステムのハンドルを形成する構成も可能である。
【0031】
なお、スプレーキャップ61の対向する平坦部63a、63bはハンドル部24内に密嵌され、さらに清掃システム20内において流体リザーバ30を適切に方向付ける役割を果たす。あるいは、流体リザーバ30は流体リザーバ収容クレードル36内に噛合・密嵌されることを可能とする独特に設計された外形を含んでいてもよい。
【0032】
図5は流体リザーバ収容クレードル36を画定するハンドル部24の底部31を図示している。一般的にクレードル36は、好適な実施形態の流体リザーバ30を収容すべく構成される下部支持部37、ハンドル部側壁21a、21bおよび2つのU字型支持部もしくはレール44、46により画定される。好適な実施形態では、下部支持部37はハンドル部24の後壁23の内側から延出する複数のリブ39からなる。リブ39の前端は流体リザーバ30の底部51を支持すべく構成された下部支持部37を画定する。好適な実施形態では、リブ39は流体リザーバ30の底部の寸法と略等しい長さを有する中央リブ45を含む。残りのリブ39の長さは徐々に短くなり、中央リブ45から離れるにつれテーパ状とされ、流体リザーバ30の円形底部の残りの部分を支持する。図9にわかりやすく示されているように、下部支持部37近傍において1対の三角形の保持タブ42a、42bがクレードル36の対向側から延出している。保持タブ42a、42bは流体リザーバ30の下部側壁53と摩擦係合しこれを保持すべく構成されている。保持タブ42a、42bから前方向に延出する側壁21a、21bは、さらに流体リザーバ収容クレードル36の側部を画定し、流体リザーバ30の側壁53の周囲に密嵌されるべく離間されている。
【0033】
図示された好適な実施形態では、流体リザーバ30はハンドル部24のクレードル36に圧入もしくは摩擦フィットされるが、ハンドル部24内に流体リザーバ30を保持するための別の構成も利用できる。例えば、ハンドル部24内に流体リザーバ30を保持するため、ベルクロ(Velcro(登録商標))またはゴムバンドをハンドル部24のセグメントに含めてもよい。流体リザーバをハンドル部内に保持するための他の支持構造または保持機能を、ヒンジまたは別の方法によりハンドル部に取り付けてもよい。
【0034】
流体リザーバ収容クレードル36の前端近傍に、第一のU字型ボトルネック収容支持部44が設けられている。第一のボトルネック収容支持部44は好適な実施形態の流体リザーバ30の周囲に圧入され、流体リザーバ30を収容し、保持すべく構成される。図6および図8に示すように、第一のボトルネック収容支持部44はリザーバ30の第二のセクション55と第三の57セクションの結合部59近傍において流体リザーバ30の周囲に圧入されるべく構成されている。
【0035】
第一のボトルネック収容支持部44のやや前部に第二のU字型スプレーキャップ収容支持部46が設けられている。スプレーキャップ収容支持部46は流体リザーバ30のスプレーキャップ61の周囲に圧入され、これを保持し方向付けるべく構成されている。図7からよくわかるように、スプレーキャップ収容支持部46は対向する側壁21a、21bの内側から延出する1対のフランジ71a、71bにより画定される。フランジ71a、71bは、リザーバがクレードル36内部に配置されると、流体リザーバスプレーキャップ61の平坦部63a、63bの周囲に圧入されるべく構成される。フランジ71a、71bと平坦部63a、63bとが密嵌することで、スプレーキャップ61がクレードル36から離れる方向を向くように、スプレーキャップ61が流体リザーバ収容クレードル36内に適切に方向付けられる。開口部32の前には、回動部材収容キャビティ50に向けて前方向に延出する複数の構造的支持リブ48が形成されている。
【0036】
ここで図6および図11を参照すると、ハンドル部24の底部31の前端25に回動部材収容キャビティ50が形成されている。回動部材収容キャビティ50はハンドル部24の前端25に位置する、対向する一体耳49a、49bの間に画定される。耳49a、49bは、組み立ての際に内側キャビティ表面上に円形回動部材82の軸80a、80bと摺動可能に係合すべく構成された対向する溝52a、52bを含む。溝52a、52bの幅は、円形回動部材82の軸80a、80bの寸法と等しいかわずかに広くなっている。なお、溝52a、52bと回動部材収容キャビティ50は、様々な別の清掃パッド支持部材26、または遠位端に取り付けられる回動部材82を有するその他の清掃用具を収容すべく構成されている。
【0037】
溝52a、52bの末端に、円形回動部材82の軸80a、80bを収容し、その回動動作を可能とするほぞ穴54が設けられている。カーブしたスロット83が溝52a、52bから横方向に延在し、回動部材82から延出する円形回動保持タブ85の移動を可能とすべく構成された通路を画定する。回動部材収容キャビティ50の前端の対向する側に、回動部材82上に配置された円形回動保持タブ85と係合しこれを収容すべく構成された円形の回動保持タブ穴87が設けられている。
【0038】
弾性的にバイアスされた半可撓性回動係合タブ38が、ハンドル部24の頂部29から下方向に延出して回動部材収容キャビティ50内に入る。以下に詳述するように、係合タブ38はハンドル部24に取り付けられる第一の端部39と、回動部材82の外面の切欠き102、104、106と係合すべく構成される第二の自由端91とで構成される。
【0039】
ハンドル部24の回動部材収容キャビティ50内には清掃パッド支持部材26が取り付けられている。清掃パッド支持部材26は一体形成された円形回動部材82、連結部93、および全体として参照番号92で示される支持ヘッドからなる。円形回動部材82は横方向の対向側に一体軸80a、80bを含む。図11からよくわかるように、軸80a、80bはほぞ穴54内にフィットすべく構成されるとともに、穴内で回転自在に回動する。回動部材82はさらに円形回動保持タブ95を含む。円形保持タブ95は保持タブ穴87内にフィットすべく構成されるとともに、システムを清掃位置に支持する。回動部材82は清掃パッド支持部材26の選択的位置に対応する3つの切欠きもしくは窪み102、104、106を画定する。清掃位置切欠き102、液体塗布切欠き104および収容位置切欠き106は回動部材82の外面上に画定される。通常、好適な回動アセンブリは回転するために約2〜3lbfの回動力を要する。
【0040】
連結部93および支持ヘッド92が回動部材82と一体形成され、回動部材82から延出する。当該技術で知られているように、好適な実施形態では、清掃パッド支持部材26の支持ヘッド92は清掃パッド28のポケットもしくはスリーブ110a、110bと係合すべく構成された1対の平行な取付け部材もしくは取付け突起108a、108bを含む。取付け部材108a、108bは様々な構成で離間されていてもよいが、好適な実施形態では、取付け部材108a、108bの全幅は対向する外側縁から約1.25インチである。取付け部材108a、108bは長さ約6.75インチ、肉厚約0.75インチ、幅約0.80インチであることが望ましい。取付け部材108a、108bは、清掃パッド28のスリーブ110a、110bへの挿入を容易とすべく構成される丸みを付けた先端107を画定する。なお、好適な実施形態では1対の取付け部材108a、108bを図示しているが、数多くの構成が利用できる。例えば、単一の、幅の広い取付け部材を用いてもよい。あるいは3つ以上の取付け部材を用いてもよい。
【0041】
取付け部材108a、108bは、上面105から突出する複数の離間された清掃パッド保持タブ、突起(barbs)もしくは凸起112を含む。図示される実施形態では、保持タブ112は取付け部材108a、108bの上面から略垂直方向に延出する第一の壁114と、第一の壁114の上縁から取付け部材108a、108bの遠位端に向けて傾斜する第二の傾斜壁116とを有する三角形のタブである。タブ112は取付け部材108a、108bから約0.050インチ上方に位置することが望ましい。保持タブ112の独特の三角形の構成は2つの機能を果たす。傾斜壁116は組み立ての際に清掃パッド28を取付け部材108a、108b上に設置することを容易にし、垂直第一の壁114は清掃動作の際に清掃パッド28を取付け部材108a、108b上に保持する。
【0042】
保持タブ112が独特の構成を有していることに加え、保持タブ112を取付け部材108a、108b上に配置することで、清掃パッド28が取付け部材108a、108b上に保持される。図示される実施形態では、保持タブ112は交互に設けられ、前端タブ115、3つの中間タブ117および後端タブ119を含む。図示される実施形態では、各取付け部材108a、108bは5つの保持タブ112を含む。保持タブ112が相互に等距離離間された場合、好適な実施形態において示される交互構成で配置される場合と比べて保持機能が低下することが試験により示された。好適な実施形態では、第一のタブは1.0インチ、第二のタブは2.0インチ、第三のタブは2.5インチ、第四のタブは3.0インチ、第五のタブは4.0インチ、それぞれ丸みを付けた先端107から離間されている。
【0043】
一実施形態において、取付け部材108a、108bは拡張可能、膨張可能、部分的に膨張可能のいずれであってもよく、あるいは膨張可能部を含んでいてもよい。膨張可能であることにより、清掃パッド28が取付け部材108a、108bにより好適にフィットし、また清掃パッド28を取付け部材108a、108bから手を使わずに容易に取り外すことができる。
【0044】
清掃パッド28は当該技術で概ね知られており、清掃面111を画定するファイバと取付け部113との組み合わせで構成される。清掃パッド28は、例えば、相互に溶接されていてもよい毛羽のある合成樹脂製不織布を複数含んでいてもよい。パッドはPP、PE、PETファイバからなるファイバを様々な重量割合で含んでいてもよい。図示される実施形態では、取付け部113は清掃パッド支持部材26の1対のポケットもしくはスリーブ110a、110bを収容すべく構成される取付け部材108a、108bを画定する。清掃パッド28は、日本のハソ社(Haso Corporation)の製造する、1〜4%の鉱油を含有する20g/sqmスパンレース布であることが望ましい。このような清掃パッドもしくはダスト除去パッドがPCT/JP2004/10507に開示されている(当該特許文献の全文を参照によって本願明細書に援用する)。
【0045】
清掃システム20が使用される際、全ての保持タブ112がスリーブ110a、110b内に位置するよう、スリーブ状清掃パッド28が取付け部材108a、108bに取り付けられる。よって、この構成において保持タブ112は清掃パッド28に完全に包囲され、取付け部材108a、108bがアクセスするデリケートな家具やその他のアイテムに掻き傷をつけることが回避される。
【0046】
清掃パッド28の清掃面111は水性流体の自発的輸送を可能とするポリマーで構成されてもよい。このようなポリマーは、例えば、米国特許第5、723、159号、同第5、972、505号、同第5、200、248号に開示されている(当該特許文献の全開示内容を参照によって本願明細書に援用する)。
【0047】
なお、清掃パッドのポリマーファイバは清掃システム20の各種性能・特性を高める様々な形状とすることができる。当該技術で知られているように、標準的な円形ファイバが利用できる。あるいは、清掃パッドの個々のファイバは緩いタウファイバ状に断裂(断裂して(lobed))していてもよい。独特の断裂構成とすることで個々のファイバ内にチャネルが形成され、個々のファイバの毛管現象が改善され全体的な清掃またはダスト除去表面積が増大し、湿式および乾式ダスト除去の全体効率が向上する。表面積が大きくなると溝もしくはチャネルに吸着する粒子の割合が高まり、断裂ファイバの溝内にダスト粒子が「トラップ」される。断裂ファイバは概ね改善されたダスト保持力を有し、標準的な円形ファイバと比較するとより効率的な湿式ワイピングおよび耐用期間を有する。さらに断裂ファイバは硬質に作製でき、アクセス領域が小さい場合でもワイピング圧力を向上できる。なお、本発明の断裂ファイバは多数のポリマーから構成でき、PP、PEまたはPETは費用効率が最も高い選択肢とみなされている。また、アクリルもしくは生分解性ポリマーを利用できる。
【0048】
さらに別の実施形態では、清掃パッド28は多量のタウファイバに取り付けられる硬質ファイバもしくはストラットファイバを含んでいてもよい。この構成では、硬質ファイバ(通常約0.3mmの範囲)は清掃パッド28にかかる応力の大部分を支持する。タウはファイバの外側端において絡み合うことにより、より強いファイバと結合されてもよい。硬質ファイバにより、使用者にかかる力の感触がより望ましい、弾性のある清掃パッド28が得られる。硬質ファイバは割れ目やブラインド、スクリーンなど、掃除が困難な領域の掃除にも利用できる。硬質ファイバのさらなる利点は、タウ体積を拡張させ、タウファイバに移動するダスト量を増大させる点である。
【0049】
さらに別の実施形態において、清掃パッド28は清掃パッド28の残りのファイバに固着される微粒子状吸収性材料を含んでもよい。吸収性材料は既知の超吸収性ポリマーSAPの形態をとってもよい。SAPは、例えば被覆として直接ファイバに塗布されもしくは変化によりファイバを形成するアクリル系ポリマーであってもよい。市販のSAPの例として、一般的にX連鎖ポリアクリル酸もしくはX連鎖でんぷん−アクリル酸グラフトポリマー、水酸化ナトリウムもしくは苛性カリにより部分的に中和されたカルボキシル基が挙げられる。SAPは溶媒もしくは溶剤重合法、あるいは逆懸濁、乳化重合法などの処理により作製できる。上記SAPは例えば米国特許第6、124、391号に開示されている(当該特許文献の開示内容を参照によって本願明細書に援用する)。
【0050】
吸収性材料はファイバの総吸収量を増大させ、ファイバが纏まって塊となることを防ぎ、ファイバの摩擦を高める。「真珠の数珠(string of pearls)」配置とすることによっても清掃パッド上に高吸収領域を戦略的(strategically)に配置できる。例えば、清掃パッド28の残りの部分と比べ、清掃パッド28の前端により高い吸収性を付与したい場合、前端における微粒子吸収性材料の割合を高めてもよい。
【0051】
清掃パッド28は螺旋状に形成されたファイバを含んでもよい。このようなファイバはファイバ束をブレード上に引き伸ばし、あるいは同軸複合繊維を加熱することにより作製できる。得られる螺旋状(helical)ファイバはより毛羽立ちの多い感触を示し、外観的にも魅力的であり、同時に(ファイバ量が少ないにも関わらず)体積が増大し、ダスターのダスト保持力が高まる。ファイバが螺旋状であることで、ばね効果により粗いファイバが軟らかい感触を有するという利点がある。さらに、ファイバは螺旋状性質を徐々に失うことから、清掃パッドの効果持続期間の表示としても機能する。
【0052】
なお、ファイバ材料または構成は上述のものに限定されない。清掃パッドは各種ファイバとその他の既知のファイバとを戦略的に組み合わせて構成できる。例えば、清掃パッドは25〜100重量%の断裂ファイバから構成できる。
【0053】
同様に、好適な実施形態では単一の清掃面111を開示するが、本発明はこのような単一の清掃面に限定されない。逆に、数多くの別の構成が本発明の範囲に含まれる。例えば、本発明のパッドは各種清掃機能を収容するための別のもしくは同様のファイバ構成を備える多数の清掃面を含んでいてもよい。一実施形態において、清掃パッド28は2面を有してもよい。片側をダスト除去用クロス、もう片側を清掃用清掃パッド28としてもよい。この構成は、パッドを「裏返し」、新しい清掃面を露出させることによっても得られる。あるいは、三角形またはその他の多数の面を有する清掃パッド28も利用できる。円形清掃パッドも本発明の範囲に含まれる。通常、清掃パッド28の様々な形状もしくは構成は、清掃パッド28と選択されたファイバの各種特性を最大化すべく利用される。
【0054】
上述したように、清掃パッド28で使用されるファイバの配置およびタイプには各種選択肢が存在する。例えば、清掃パッド28はポケットもしくはスリーブ110a、110bにより画定される領域の周囲に平坦な中央ストリップを含む概ね毛羽立ったパッドを含んでもよいが、これに限定されない。このような配置により表面積が増大され、効果が高まる。さらに、中央ストリップは清掃パッド28の中央から下方向に延出する吸収ピローまたはチューブを含んでいてもよい。吸収ピロー(pillow)を設けることで清掃パッド28上に吸収量の多い領域が与えられる。この他に、例えば、スポンジ、羽状構造、マイクロファイバもしくはセルロールフォームの各セクションを交互に設けてなる清掃パッドを含む各種組み合わせが考えられる。ウッドパルプが望ましい。
【0055】
清掃パッド28は、水の吸収性を高めるため親水性添加剤を含有する毛羽立った布を含んでもよい。親水性添加剤としてグリセリンおよびグリコールが挙げられるが、これらに限定されない。清掃パッド28はレーヨンなどの吸収性材料のみから構成されてもよい。清掃パッド28は、清掃パッド28の匂いを改善すべく添加される芳香剤を有してもよい。
【0056】
さらに、清掃パッド28もしくは清掃パッド支持部材26はダスト保持力を高めるため、使用の際に清掃パッドに静電電荷を付与する圧電性結晶を含んでいてもよい。このような結晶は一般的に知られており、通常は機械的応力がかけられると電荷を発生する。利用できる材料の例として、ベルリン石(AlPO4)およびオルトリン酸ガリウム(GaP
O4)などの石英類似結晶、ペロブスカイトもしくはタングステン−ブロンズ構造を含有
するセラミック(BaTiO3、KNbO3、LiNbO3、LiTaO3、BiFeO3、
NaxWO3、Ba2NaNb5O5、Pb2KNb5Oi5)が挙げられるが、これらに限定されない。さらにゴム、ウール、ヘア、ウッドファイバ、およびシルクなど、ポリマー材料によってはある程度の圧電性を示し、これらを利用してもよい。また、石英の数倍の圧電性を示すポリマーポリフッ化ビニリデン(−CH2−CF2−)も利用できる。
【0057】
清掃パッド28は、ストークス(Stokes)ほかの米国特許第5、858、112号(1999年1月12日発行)およびヘインズ(Haynes)ほかの米国特許第5、962、112号(1999年10月5日発行)に開示されるような非接着(unbonded)ウェブ材料の一部を含んでもよい。ヴァンダー ウィーラン(Vander Wielan)ほかの米国特許第4、720、415号(1988年1月19日発行)などのその他の材料、あるいはともにニューウェル(Newell)の米国特許第4、995、133号(1991年2月発行)および米国特許第5、638、569号、ホルト(Holt)ほかの米国特許第5、960、508号(1999年10月5日発行)、シェリー(Sherry)ほかの米国特許第6、003、191号(1999年12月21日発行)に記載されるような任意の超吸収性材料を含んでいてもよい。上記特許文献の全開示内容を参照によって本願明細書に援用する。
【0058】
一実施形態において、清掃パッド28は基本重量が1平方メートル当たり約68グラムのスパンボンデッドファイバ不織布ウェブ(spunbond fiber nonwoven web)を含んでいてもよい。スパンボンデッドファイバは、各構成要素がファイバの約50体積%を含む、隣接構成を有する複合繊維を含んでいてもよい。スパンボンデッドファイバは第一および第二のポリプロピレン成分および/またはポリプロピレンを含む第一の成分と、プロピレン−エチレン共重合体を含む第二の成分とを含む。ファイバの不透明性を高めるため、約1%前後の酸化チタンもしくは二酸化チタンをファイバに添加してもよい。スパンボンデッドファイバ不織布ウェブは加熱によりポイント非結合パターン(a point unbonded pattern)を有して結合される。不織布ウェブは1対の逆に回転する(counter−rotating)結合ロール(bonding rolls)により形成されるニップ間を通過することにより、熱と成形圧力の両方を利用して結合される。結合ロールは1つの平坦ロールと1つの彫り込みのあるロールとを含む(comprise)。不織布ウェブの結合領域は彫り込みのあるロールに付与されたパターンに対応する連続パターンを含む。さらに、結合領域はウェブがニップを通過する際にウェブに付与される。結合領域は不織布ウェブの約27%〜約35%の領域にわたって形成され、円形非結合領域の反復する非ランダムパターンを形成する。超吸収ポリマー、粉末、ファイバなどを含む、吸収性強化材料もしくは超吸収性材料を清掃パッド28と組み合わせてもよい。
【0059】
あるいは、パッド28はエアレイド(air-laid)複合体とスパンボンデッドフ
ァイバ不織布ウェブとの積層体(laminate)を含む。不織布ウェブは基本重量が1平方メートル当たり約14グラムのポリプロピレンの一成分スパンボンデッドファイバを含んでいてもよい。エアレイド(air laid)複合体は約85%〜約90%のクラフトパルプによる毛羽立ち(kraft pulp fulff)と約10%〜約15%の短繊維を含んでいてもよい。短繊維はシース-コア構成を有していてもよく、コア構
成要素はポリエチレンテレフタレートからなり、シース構成要素はポリエチレンからなる。エアレイド複合体の基本重量は1平方メートル当たり約200〜約350グラムであり、吸収性はグラム当たり約8〜約11グラムである。
【0060】
清掃パッド28は、磨き掃除に適した親水性ファイバ部分(portion)もしくは側(side)を含んでいてもよい。さらに、湿式で利用される際に摩擦効率を高めるべく、ナイロンファイバを利用してもよい。清掃パッド28の一部はデニール毎フィラメント(dpf)が約1.0以下のマイクロファイバもしくはウルトラマイクロファイバからなっていてもよい。
【0061】
上述したように、清掃パッド28は任意の材料および既知の材料形成工程により作製できる。例えば、織布および不織布材料、ポリマー、ゲル、押出し材料、ラミネート、一体結合されることで共同材料(co−material)を形成する積層材料、溶融材料、押出し材料、エアレイ(air laying)などが挙げられる。
【0062】
あるいは、清掃パッド28はマイクロカプセル、カプセル化された流体、もしくは液剤(agents)を用いることで、清掃用流体の表面への供給を最適化できる。清掃パッド28の強化面は、磨きもしくは研磨品質を備えていてもよい。強化面は機械的スタンピング、結合、加圧、圧縮、押出し、スプレー、スパッタ、ラミネートまたはその他の表面形成もしくは作用工程により形成できる。上述した各種清掃用液剤は、何らかの追加の刺激により選択的に解放されるよう、マイクロカプセル化されて清掃パッドに含まれていてもよい。なお、マイクロカプセル化され清掃パッドに含まれる各種清掃用液剤は、流体リザーバ内の水や他の薬剤、あるいは圧力により起動されうる。溶剤は乾式浸透されてもよい。化学溶液はパッド28内もしくはパッド28上あるいは清掃媒体支持部26上のポケットまたは気泡内にカプセル化されていてもよい。ポケットは適度な圧力が加えられると破裂し、清掃用液剤を解放すべく設計されてもよい。
【0063】
なお、清掃システム20は部品が予め部分的に組み立てられたもしくは組み立てられていない状態で提示されてもよい。清掃システム20の組み立て時もしくは製造時に、上述のように予め形成されたハンドル部24の耳49a、49bは、回動部材82が上述の向きで耳49a、49b間に挿入される際に強制的に互いに外側に湾曲してもよい。軸80a、80bは末端に画定(defined)される回動穴54に到達するまで、溝52a、52bにより画定されるパスに沿って摺動する。軸80a、80bは穴54内にフィットし回動結合部を画定する。清掃パッド28のスリーブ110a、110bは取付け部材108a、108b上に配置され、清掃パッドをシステムに固定する。
【0064】
円形回動部材82は、清掃パッド支持部材26のハンドル部24の長手軸に対する約55°〜65°の回転移動に適合する。好適な範囲は、本発明のシステムの別のファイバ長さおよびクロス形状に適合するに当たり理想的である。特に、約61°の範囲であることが望ましい。清掃パッド支持部材26が清掃位置(図1)において完全に伸張すると、円形保持タブ95は保持タブ穴87内にフィットし、清掃パッド支持部材26を清掃位置に保持する。
【0065】
図1、図3、図4、および図10は交互位置における本発明の清掃システムを示している。図1は清掃位置における清掃システム20を示す。上述したように、清掃位置では清掃パッド支持部材26が前方に伸張し、回動係合タブ38が回動部材82の清掃位置切欠き102に係合し、保持タブ95が保持タブ穴87にフィットする。これらの係合もしくは保持特性により、少なくとも2.5lbfの回動力が発生される。この回動力の大きさは、通常のダスト除去、乾燥、あるいは清掃動作の間に経験されるトルクの大きさに関わらず、清掃パッド支持部材26を完全に伸張した清掃位置に保持するに足る。したがって、清掃位置において、使用者はハンドル部24を介して清掃システム20を操作できる。さらに、使用者は流体リザーバ30に収容された水またはその他の液体を清掃対象面に直接塗布できる。使用者は開口部32から指を入れてスプレーキャップ61を押し下げ、リザーバ30に収容された流体を排出させてもよい。清掃システム20が清掃位置に配置されていることから、例えばコーヒーテーブル上のダストを除去する際にシステムが水平向きであるとき、清掃パッド28の裏側領域において液体が清掃対象面に直接塗布される。あるいは、清掃用液剤が窓枠やドア枠などの垂直清掃対象面にスプレーされてもよい。
【0066】
図4および図10は第二の液体塗布位置における清掃システム20を示す。清掃パッド支持部材26を液体塗布位置へ移動させるには、使用者はハンドル部24を握り、清掃パッド支持部材26を図1に示す清掃位置から移動させるために清掃パッド支持部材26にトルクを付与する必要がある。本発明の係合特性の力を上回る大きさのトルクが付与されると、円形回動部材82は下方向に回転し液体塗布位置に達する。液体塗布位置において、回動係合タブ38は回動部材82の液体塗布切欠き104と係合し、清掃パッド支持部材26を傾斜した液体塗布状態に保持する。図示される実施形態では、液体塗布位置における清掃パッド支持部材26とハンドル部24との間の角度θは45°〜68°であってもよい。清掃パッド支持部材26とハンドル部24との間の角度θは55°〜68°であることが望ましく、63°であることが特に望ましい。この好適な角度は、清掃パッド28の清掃面111の最大表面積に液体塗布を行うため流体リザーバのスプレーパターン(点線で示す)を考慮している。
【0067】
ダスト除去時または清掃時、使用者は必要に応じて清掃パッド支持部材26を清掃位置から液体塗布位置へ繰り返し回転させてもよい。あるいは、上述したように、使用者は、単に、清掃システム20を清掃位置で使用しながら清掃対象面へ液体を直接付与してもよい。
【0068】
図3は清掃システムの収容位置を図示している。図3に示すように、収容位置では清掃パッド支持部材26はハンドル部24の長手軸により画定される平面と略平行となるよう後方に回転される。収容位置において、係合タブ38は収容位置切欠き106と係合し、清掃パッド支持部材26を折り畳んだ位置に保持する。収容位置にあるとき、清掃システム20は台所の引き出しやキャビネットなど様々なスペース容易に保管できる。あるいは、システムはハンドル部24内の開口部32を利用して壁に掛けることもできる。
【0069】
上記説明よりわかるように、本発明は清掃パッド支持部材26を調節する新規な方法を含む。まず、清掃システム20を用意する。ハンドル部(ことが望ましいハンドル部のみ)を握り、清掃パッド支持部材26を対象物(例えば壁や床)に押し付け、ハンドル部24に対して清掃支持部材26を回転させる。別の実施形態において、回動部材は使用者の手を煩わすことなく清掃支持部材26を清掃位置に戻すためのねじりばねまたはその他の付勢手段を含んでいてもよい。
【0070】
図10は本発明の清掃パッド128の別の実施形態を図示している。清掃パッド128は上述したものと同様であるが、パッド128は清掃面111上にテーパ状ファイバ129を含む。図10に示すように、ファイバ129はハンドル部24に最も近いファイバ129が最も短くなるようテーパ状とされている。ハンドル部24から離れるにつれファイバ129は徐々に長くなる。ファイバの長さをテーパ状とすることで、流体塗布位置における清掃面111の清掃用流体塗布表面積を最大化するよう清掃システム20を適合させる。
【0071】
図12および図13は清掃システムの追加の別の実施形態を図示している。図12および図13に示されるように、前出の実施形態の清掃用流体リザーバ30に代えて可撓性ポーチ130が設けられている。別の実施形態では、前述したように、傾斜した浸漬管140を備えるスプレーノズルもしくはキャップ134がハンドル部24に保持されてもよい。使用者はポンプ式浸漬管140を備えるポーチの予め形成された位置138においてシールに穿孔してもよい。あるいは、使用者はスプレーキャップ134をねじ切りしたポーチ装備品151に螺合させてもよく、スプレーキャップ134は補充作業の際にポーチ130に直接係留されてもよい。図12および図13に示すように、前出の実施形態のクレードルの代わりに、リビングヒンジ141を介してハンドル部24に取り付けられるスナップフィットカバー142が設けられている。カバー142はポーチ130を清掃システム20内に固定する。
【0072】
b.湿式、湿潤または乾式ダスト除去に用いられる清掃パッドの好適な実施形態
図14〜図24には、本発明の清掃システム22と共に用いることのできる清掃パッド28の好適な実施形態が示されている。図示された好適な実施形態では、一般的に清掃パッド28はベースシート202の一面に積層された清掃ファイバマット203から構成される。ファイバマット203は、ファイバマット203の長さ方向において、ベースシート202の中心に沿って連続的に延出する中央結合線204に沿ってベースシート202に結合されることが望ましい。さらに、ファイバマット203は中央結合線204に平行する不連続な線を定義するスポット結合領域207においてベースシート202に結合される。以下に詳述するように、清掃パッド28のファイバマット203を定義するファイバのサイズは用途に応じて変更できるが、ファイバサイズは1〜18デニールであることが望ましい。
【0073】
最初に図14から図16を参照すると、本発明の清掃パッド28の第一の好適な実施形態が示されている。清掃パッド28はファイバマット203をベースシート202の一面に積層することにより形成される。ベースシート202は不織布シートもしくは当該技術で知られているその他の等価物で構成されることが望ましい。ベースシート202とファイバ203は中央結合線204に沿って相互に結合されていることが望ましい。図示された実施形態では、中央結合線204は第一のベースシートの端部212cから対向する第二のベースシートの端部212dにかけて延出している。
【0074】
図15に示されるように、中央結合領域204に加え、ファイバマット203とベースシート202は複数のスポット結合領域207において結合されている。一般的に、スポット結合領域207は不連続の平行な破線205a、205b、206aおよび206bを画定(define)する。図示された実施形態では、破線205a、205b、206aおよび206bは中央結合線204に平行である。
【0075】
図16および図17に示す断面図により、ファイバマット203の結合領域がより明確に示されている。一般的に、ファイバマット203のファイバは中央結合線204とベースシート202の端部212a、212bとの間に自由に延出するが、ファイバマット203の一部は上記スポット結合領域207(図16参照)においてベースシート202に断続的に結合される。あるいは、図17にはスポット結合領域207において結合されず、中央結合線204からファイバ231aの端部にかけて自由に延出するファイバマット203の部分が図示されている。スポット結合領域207の向きに関わらず、図示された実施形態では、ファイバマット203の端部231aおよび231bはベースシート202に結合されず、自由に延出する。したがって、清掃パッド28はファイバマット203のファイバが中央結合線204もしくはスポット結合領域207から端部331aおよび331bまでの長さに沿って自由に移動するように設計されている。ファイバマット203とベースシート202との間の(中央結合領域204間の不連続のスポット結合領域207により特徴付けられる)独特の結合パターンにより、個々のファイバのもつれが低減され、布は全体として毛羽立ちの多い外観を呈する。
【0076】
図15に最も明確に示されているように、スポット結合領域207は中央結合線204に平行な線205a、205b、206aおよび206bを概ね定義する。個々のスポット結合領域207は不連続な線形に断続的に形成されている。個々のスポット結合領域207は円、長円、楕円形、直線などを含む各種形状に形成できる。スポット結合領域207はスポット結合領域207の形状が均一となるように形成されてもよく、あるいは、上記形状は上記形状の各種組み合わせにより形成されてもよい。
【0077】
個々のスポット結合領域207の(ファイバの長さに沿った)幅は0.5〜5mmであ
ることが望ましく、(中央結合領域の長さ方向に沿った)長さは2〜15mmであることが望ましい。各スポット係合領域207は5〜50mm離間されていることが望ましい。当然ながら、個々のスポット結合領域207の間はスポット結合領域207全体にわたり均等に離間されていてもよく、各種パターンで離間されていてもよい。
【0078】
スポット結合領域207の上記向きに加え、スポット結合領域207は、各スポットが平行な線を中心としてベースシート202の幅方向(ファイバの長さ方向)に沿ってわずかに左右に交互に配置されるように位置していてもよい。これにより平行な線が中心線を定義し、スポット結合領域207が左右にジグザグパターンで配置される。したがって、スポット結合領域7は平行な線205a、205b、206a、206b上に線形配置される必要はない。
【0079】
当然ながら、スポット結合領域207はこの他の構成で作製されてもよく、上記構成に限定されない。例えば、スポット結合領域207は中央結合線204と端部212aの間に1本の平行な線を定義し、中央結合線204と対向する端部212bとの間に1本の平行な線を定義し、これらの線が2本の平行な線(例えば205aと205b)のみを定義してもよい。
【0080】
あるいは、スポット結合領域207は、清掃パッド28全体にわたり合計6本の平行な線が形成されるように中央結合線204、端部212aおよび212bの間に3本の平行な線を定義してもよい。用途に応じて任意の数の線を形成できる。
【0081】
様々なスポット結合領域207はファイバマット203のファイバの長さ方向において重複せず、したがって1つのファイバの長さに沿った多数の部位における結合は発生しない。この結果、ファイバマット203のファイバの長さの大部分は自由である。ファイバマット203は戦略的妨害を受けないため、ファイバマット203のファイバのもつれが効果的に防止されると同時に、向上した異物トラッピング性能および保持性能がより長い時間持続する。
【0082】
ファイバマット203のファイバの長さは様々に設定できるが、好適な実施形態では、中央結合領域204からファイバ端部に至るファイバの長さ方向におけるファイバの長さは、中央結合領域204からベースシート202の端部(212aもしくは212b)に至る長さの50〜100%であることが望ましい。好適な一実施形態において、清掃パッ
ドは幅300mm、長さ200mmのベースシート202を含む。中央結合領域204からベースシート202の端部までの長さは100mmであることが望ましく、ファイバマット203のファイバの長さは50〜100mmであることが望ましい。
【0083】
図16および図17に示されるように、ファイバマット203のファイバの長さ方向におけるファイバ端部231aおよび231bはベースシート202に結合されず、ファイバマット203のファイバの端部231aもしくは231bから結合領域までの自由移動が可能なファイバの長さはスポット結合領域における約10〜40mmから中央結合線に沿ってのみ結合されたファイバの約50〜100mmの範囲で変動する。スポット結合領域207により定義される線はベースシート202の端部(202aもしくは202b)から10〜40mmの範囲にあることが望ましい。
【0084】
上述したように、ベースシート202の材料は不織布シート、紙、合成樹脂シート、またはその他の既知の材料とすることができる。図示された実施形態では、ベースシート202は各種タイプの異物をトラッピング可能な不織布シートであることが望ましい。ベースシート202に使用される不織布の重量は10〜200g/m2、厚みは0.01〜0.
1mmであることが望ましい。
【0085】
好適な実施形態において、ファイバマット203に熱溶接ファイバが使用された場合、ベースシート202がファイバマット203との結合に対する伝熱性を持つ、熱溶接能力を有することが望ましい。同様に、不織布シートが用いられる場合、不織布シートはファイバマット203に熱溶接可能であることが望ましい。上述したように、このような熱溶接可能な短ファイバの例としてポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、レーヨンおよびその他のファイバ、あるいはファイバが芯鞘型構造もしくは並列構造で存在し、複合ファイバを形成する材料が挙げられる。
【0086】
ベースシート202として使用される不織布シートは、スパンレス(spunless)不織布、スパンボンデッド不織布、熱により結合された不織布、エアスルー(air‐through)結合不織布、スポット係合不織布などとすることができる。好適な実施形態では、スパンレス不織布もしくは熱により結合された不織布が使用される。不織布シートは単一のシートから形成でき、あるいは同一もしくは異なるタイプの多数のシートを積層することで形成できる。
【0087】
清掃パッド28に使用されるファイバマット203は、多数のファイバが同一方向となるように多数のファイバを重ね合わせることで作製でき、あるいはファイバ集合体から形成することができる。ファイバマット203はシート形状をとることが望ましい。さらに、ファイバマット203は各種ファイバ間で溶接などの手段により部分的に結合されてもよい。ファイバマット203はすべて均一のファイバを含んでもよいし、多数のタイプのファイバからなってもよい。
【0088】
ファイバマット203は同一の厚みもしくは様々な厚みのファイバから製造できる。同様に、ファイバマット203は構成するファイバの厚みおよびタイプが同一であるか異なっているかに関わらず異なる色のファイバが用いられた集合体から形成されてもよい。
【0089】
上述したように、多種多様なファイバがファイバマット203に利用でき、その例としてコットン、ウールおよびその他の天然ファイバ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル酸、ポリエステル、レーヨンおよびその他の合成ファイバ、芯鞘型ファイバ、海島タイプのファイバ、並列ファイバおよびその他の複合ファイバが挙げられる。合成ファイバおよび複合ファイバは熱溶接特性を有するため好適である。好適な一実施形態において、タウ(tow)は、鞘の融点よりも高い融点を有する芯からなる二成分のファイバである。例えば、一実施形態においてタウはポリプロピレンの芯とポリエチレンの外面すなわち鞘とからなる二成分のファイバである。これは、両方の物質が熱溶接特性に優れることから特に望ましい。さらに、ファイバマット203に用いられるファイバは機械的捲縮もしくは熱捲縮により作製される捲縮材料で形成されてもよい。
【0090】
好適な一実施形態において、ファイバマット203はポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、レーヨンもしくは同様の材料から製造される、通常「タウ」と呼ばれる長尺ファイバマットであってもよい。ファイバマット203を構成するファイバの厚みは1〜18デニールであることが望ましい。さらに、ファイバマット203の重量はファイバの厚みが約2デニールであるとき5〜30g/m2であることが望ましい。
【0091】
本発明の清掃パッド28はベースシート202の表面にファイバマット203を積層し、両者を上述の如く中央結合線204およびスポット結合領域207に沿って結合することにより得られる。結合は熱溶接、超音波溶接、接合、接触、またはその他の既知の方法により行うことができる。
【0092】
好適な実施形態において、ベースシート202とファイバマット203とは熱溶接可能な材料で形成され、ベースシート202とファイバマット203の積層体はホットロールにより加熱・加圧され、両表面が結合される。あるいは、ベースシート202またはファイバマット203が溶接可能でない場合、ホットメルト接着剤などの熱により結合可能な材料を両者の間に積層してもよく、あるいは接着剤を2つの層の間に直接塗布することにより結合してもよい。
【0093】
上述したように、ファイバマット203またはベースシート202は異物トラッピング性能を向上させるために化学物質で被覆されていてもよい。このような化学物質の例として液体パラフィンおよびその他の鉱物油、シリコーン油および非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0094】
好適な清掃パッドが好適な清掃システム22に組み込まれると、ファイバマット203はベースシート202の一方側に積層され、中央結合領域204において結合される。さらに、結合は、中央結合領域4に平行に、2つの端部212a、212b間の平行な線に沿って不連続に形成されたスポット結合領域207において行われる。したがって、ファイバマット203のファイバの長さ方向の2つの端部がベースシート202に結合されない清掃パッド28が形成される。
【0095】
図18、図19および図21に示されるように、清掃パッド28のポケットもしくはスリーブ110がベースシート202の背面(ファイバマット203と反対側の面)に保持シート221を積層・結合することにより形成され、これにより清掃具22の取付け部材108a、108bのアームが挿入され保持されうる空間を構成する保持開口部222が形成される。一実施形態において、保持シート221はファイバマット203をベースシート202に結合するために使用される中央結合線204およびスポット結合領域207に沿ってベースシートに結合され、2つのスリーブ110a、110bを画定する。保持シート221はファイバマットと同一の線に沿って結合される必要はなく、保持開口部222を画定するものであれば各種構成とすることができる。
【0096】
図18に最も明確に示されているように、清掃パッド28のベースシート202はファイバマット203のファイバの長さ方向と同じ方向に切り込まれた多数の切込もしくはフリンジ225を有していてもよい。フリンジ225は清掃パッド28の表面積を増大させ、ダスト吸着性を向上させる。
【0097】
図19〜図21には、ファイバマット203が、異なるタイプの構成ファイバ、異なるファイバサイズもしくは異なる色から構成される2つ以上のファイバマット203a、203bを重ね合わせることにより形成される清掃パッド28の別の好適な実施形態が図示されている。様々なファイバマットを重ね合わせることで、異なる特性をもつ清掃パッド28が得られる。好適な一実施形態において、厚いファイバのファイバマット203aと薄いファイバのファイバマット203bとを交互に設ける。例えば0.01〜0.05mmのサイズのファイバマットは薄いマット203aに適しており、0.06mm〜0.3mmのサイズのファイバマットは厚いマット203bに適している。さらに、厚いファイバマット203bにはポリプロピレンまたはナイロンなどのステム強度の高いファイバを用いることが望ましい。厚いファイバマット203bは引き出されたポリプロピレンテープを引出方向に割裂させることにより形成される結束ファイバから構成されることが望ましい。厚いポリプロピレンファイバマット203bは中央結合線204のみにおいて、ポリプロピレンのコアとポリエチレンの外面とからなる二成分のタウファイバで形成される好適な薄いマット203bに結合されることが望ましい。したがって、図21に示されるように、厚いファイバマット203bは清掃パッド28から自由に垂下する。この結果、ファイバパッドは嵩が大きく、毛羽立ちの多い外観を呈する。
【0098】
図14〜図17を参照しながら説明したように、二重のファイバマット203は、薄いシート203aをベースシート202に積層することにより作製されてもよい。次いで、厚いファイバマット203bが薄いファイバマット203に積層され、両者が中央結合線204に沿って結合される。
【0099】
ファイバマットの交互の(alternative)ファイバの積層は各種方法で行うことができるが、図示された実施形態では厚いファイバ203bが外側(清掃対象面側)にある。このような配置は、コンピュータのキーボードのように細かい間隙を含む清掃面や器具に特に適している。薄いファイバ203aは本体を有さず、間隙に進入しにくい。しかし、対照的に厚いファイバ203bはステム強度が大きいため間隙に進入しやすく、ダスト、汚れおよびその他の異物を清掃対象面から持ち上げることができる。さらに、厚いファイバ203bは細いファイバのもつれを防ぎ、表面に固着した屑を除去するための粗い表面を提供する。
【0100】
図示された実施形態では、厚いファイバマット203bのファイバの長さ方向における長さは、薄いファイバマット203aの長さよりも幾分短いことが望ましいが、長さは用途に応じて変更できる。
【0101】
図22〜図24は清掃パッド28の別の好適な実施形態、詳細には保持シートを図示している。清掃パッド28の保持シート221は不織布221aと221bの2つのシートを積層し、ヒートシールし、中央と3つの側を結合して挿入開口部223を画定することにより作製される。取付け部材108a、108bを挿入・保持する空間からなるサック形状の保持部222は、2つの不織布221aおよび221bの間に形成される。
【0102】
図23に示されるように、保持シート221の挿入開口部223が形成される。図25に示される保持シート221は、1枚の不織布を2つに折り曲げ、規定の箇所をシールし、挿入開口部223を形成することによって作製されてもよい。上側の不織布221aは、シール領域228の端部において上方に自由に湾曲可能であり、したがって下側の不織布221bに結合されない境界229として機能するように形成される。
【0103】
好適な一実施形態において、挿入領域223の向きを示す着色領域もしくはその他の印224を境界229の端部に設けてもよい。これにより上側の不織布221aが下側の不織布221bよりも長く形成され、境界29が設けられる場合、取付け部材108a、108bの挿入は容易且つスムーズに行われる。
【0104】
保持シート221の境界229に印244として着色部分を設ける代わりに、同位置に盛り上がったパターンを提供すべくエンボス加工処理を行ってもよい。保持シート221の挿入開口部側223に印を設けることで、取付け部材108が挿入される領域が容易に識別できる。
【0105】
図24に示されるように、保持シート221はホットメルト接着剤227をベースシート中央に塗布し、保持シート221とベースシートとを加熱もしくは加圧溶接などの手段により積層・加熱することによりベースシート202に取り付けられる。接着剤もしくは感圧接着剤、およびホットメルト接着剤を用いて保持シート221を清掃パッド28に付着させることができる。
【0106】
清掃パッドは、取付け部材110が保持部222に保持されるように、取付け部材110a、110bを保持シート221の挿入開口部223に挿入することにより、取付け部材110に取り付けられる。清掃パッド28が汚れた場合、アーム取付け部材110が挿入開口部223から引き抜かれ、未使用の清掃パッド28が取り付けられる。
【0107】
ファイバマット203の中央結合領域204への結合とスポット結合領域207への結合を組み合わせることにより、またファイバマット203のファイバの長さ方向端部がベースシート202に結合されないことから、開示されたファイバマット203のファイバは従来技術の清掃パッドと比べて毛羽立ちが大きく、ファイバの嵩張った領域の形成が可能となる。このことは従来技術の嵩の小さい布と比べ、著しい利点を提供する。シートのファイバマット203の長さ方向両端部は下方向に垂下し、ファイバ両端部におけるファイバ先端はベースシートから解放され、移動自在である。このため、開示されたファイバマット203は、長尺のファイバフィラメントを切断して表面を毛羽立たせ、あるいは2枚の担体シート間に挟んだ清掃用具用の従来のシートと比べて、ダスト、汚れおよび各種タイプの異物に対する優れたトラッピング性能と保持能力を有する。
【0108】
清掃パッド28の上記好適な実施形態は、湿式、湿潤または乾式清掃もしくはダスト除去を行うことのできる本発明のシステム20に特に適している。既知の従来技術の清掃パッド、より詳しくはダスト除去パッドは疎水性であった。このため従来技術の清掃パッドは低レベルの液体製品を利用する場合、本発明の利点を利用できない。
【0109】
本発明の清掃パッドは本発明の湿式、湿潤もしくは乾式ダスト除去方法を可能とする。特に本発明のシステム20はダスト除去性能を向上させるべく乾式ダスト除去もしくは清掃パッド28と組み合わせて低レベルの液体製品を利用する。好適な実施形態において、使用される液体レベルは0.01〜0.3g/平方フィートである。あるいは、清掃パッドに塗布される好適な液体レベルは80〜500マイクロリットルである。120〜130マイクロリットルの範囲が特に好適である。本願明細書を通じて記載するように液体として水、溶剤もしくは乳化ベースの中間体が使用できる。
【0110】
c.使用方法および清掃方法
上記開示よりわかるように好適な清掃具22は様々な表面の清掃・ダスト除去に利用できる。清掃具22が独特の構成を有することから、使用者は湿式、湿潤または乾式清掃もしくはダスト除去の間を適宜切り換えられる。なお、本発明の構成部品は特定の清掃タスクに応じて手元で適宜交換できる。例えば、開示された清掃パッド28の中には開示された清掃用液剤と共に使用したり、乾式ダスト除去に使用したりすることが適しているものもある。同様に、清掃パッド28の中には別の清掃タスク用に構成された別の面を含むものもある。同様に、使用される清掃溶液剤は所望の用途に応じて変更できる。
【0111】
使用者は好適な清掃具22を含む上記清掃システム20を乾式ダスト除去用に入手してもよい。使用者は手のひらでハンドル部24を囲むように清掃具22を把持する。好適な実施形態において、使用者の手のひらはハンドル部24の頂部29の端部を越えて延出し、使用者の指が流体リザーバ30回りに少なくとも部分的に延出する。なお、乾式ダスト除去タスクを実行する際、流体リザーバ30はなくてもよい。図示された実施形態では、使用者の手は通常、人差し指をハンドル部24に延在する穴32に差し込める向きである。
【0112】
使用者は清掃具22を入手すると、清掃パッド28を清掃パッド支持部材26に設置する。上述の如く清掃具は各種清掃パッド28と共に用いられてもよい。好適な実施形態において、スリーブ状清掃パッド28は、全ての保持タブ112がスリーブ110a、110b内にあるように取付け部材108a、108b上に取り付けられる。清掃パッド28が固定されると、使用者は清掃パッド28を清掃対象面上に置き、清掃パッド28を清掃対象面上で移動させる。清掃対象面上で清掃パッド28を移動させることで、ダストもしくはその他の屑が清掃パッド28により収集される。図示された実施形態では、ダストもしくはその他の屑は清掃パッド28の清掃面111により収集される。使用者は、清掃対象面に応じて清掃パッド支持部材28を回動させ、届きにくい場所に対応してもよい。例えば、使用者が頭上のまぐさのダストを除去したい場合、清掃パッド支持部材26をハンドル部24に対し約90°回動させることができる。
【0113】
好適なダスト除去もしくは清掃パターンは、清掃対象セクションの左上(または右上)から開始され、左右に拭取り動作を続けながら清掃対象面全体に拭取りパターンを進行させる、左右の重複動作からなる。別の好適な拭取りパターンは上下方向の拭取り動作からなる。好適な拭取りパターンとすることで、清掃パッド28が汚れやダストを緩め、よりよい仕上がりとすることができる。上記拭取りパターンの別の利点は、(湿式ダスト除去において)液剤の散布を改良した結果としてすじの発生を最小化する点にある。
【0114】
なお、湿式ダスト除去もしくは清掃は乾式ダスト除去とは別々に、あるいは組み合わせて、または追加して行うことができる。例えば、使用者は最初に乾式ダスト除去を行い、次いで湿式ダスト除去もしくは清掃を行ってもよい。湿式清掃もしくはダスト除去の場合、同様の工程が上述の乾式ダスト除去の場合にも行われる。但し清掃用流体リザーバ30は必要に応じて最初に流体リザーバ収容クレードル36に挿入される。流体リザーバ30はハンドル部側壁21a、21bの間、2つのU字型支持体もしくはレール44、46内に挿入される。流体リザーバ30は、三角形の保持タブ42a、42bが摩擦係合し、流体リザーバ30の下部側壁53を保持するようにクレードルに圧入される。リザーバは、第一のボトルネック収容支持部44がリザーバ30の第二のセクション55と第三のセクション57との結合部59近傍で流体リザーバ30周囲にフィットするように圧入される必要がある。第二のU字型スプレーキャップ受け支持部46は流体リザーバ30のスプレーキャップ61の周囲にフィットされ、スプレーキャップ61を保持し方向付ける。スプレーキャップ受け支持部フランジ71a、71bは、リザーバがクレードル36内に配置されると流体リザーバスプレーキャップ61平坦部63a、63bの周囲に圧入される。フランジ71a、71bおよび平坦部63a、63bにより定義されるタイトなフィットはスプレーキャップ61を流体リザーバ収容クレードル36内に、スプレーキャップ61がクレードル36から離反する向きとなるように適宜方向付ける役目を有する。
【0115】
湿式ダスト除去もしくは清掃の際、表面を湿らせて清掃対象面上で清掃パッド28を移動させる、清掃パッド28を湿らせて清掃対象面上で清掃パッド28を移動させる、またはこの両者の組み合わせ、を組み合わせた各種技術が利用できる。
【0116】
図1には、清掃用液剤が表面に直接塗布される、湿式清掃用に構成された清掃位置にある清掃システム20が示されている。上述の如く、清掃位置において清掃パッド支持部材26は前方向に延出し、回動係合タブ38が回動部材82の清掃位置切欠き102と係合し、保持タブ95が保持タブ穴87内にフィットする。この位置において、使用者は流体リザーバ30内に収容された水もしくはその他の液体を清掃対象面に直接塗布してもよい。使用者は開口部32から指を差し込み、スプレーキャップ61を押し下げ、リザーバ30に収容された液体を放出させてもよい。
【0117】
図4には、第二の液体塗布位置における清掃システム20が示されている。清掃パッド支持部材26を第二の液体塗布位置に移動させるためには、使用者はハンドル部24を把持し、清掃パッド支持部材26にトルクを加えて清掃パッド支持部材26を図1に示す清掃位置から移動させる。本発明の係合特性の力を上回るトルクが与えられると、円形回動部材82は液体塗布位置まで下方向に回転する。第二の液体塗布位置において、回動係合タブ38は回動部材82の液体塗布切欠き104と係合し、清掃パッド支持部材26を角度をつけた液体塗布状態に保持する。この位置において、使用者は流体リザーバ30内に収容された水もしくはその他の液体を清掃パッド28の清掃面111に直接塗布してもよい。上述したように、各種清掃位置は交換可能に使用できる。ダスト除去もしくは清掃の際、使用者は必要に応じて清掃パッド支持部材26を清掃位置から液体塗布位置へ繰り返し回転させることができる。湿式ダスト除去もしくは清掃の際、使用者は上述の清掃パターンを利用できる。
【0118】
清掃もしくはダスト除去が終了すると、使用者は清掃パッド28を取り外して処分し、清掃システム22を収容位置(図3参照)に配置してもよい。清掃システム22を収容位置に配置するためには、清掃パッド支持部材26はハンドル部24の長手軸により画定される平面に略平行となるよう、逆方向に回転される。
【0119】
上述したように、各種清掃用液剤が本発明の清掃システムと共に使用できる。軽い清掃もしくはダスト除去の一つの好適な方法において、水道水を96.30重量%、イソパラ
フィン炭化水素を1%、シリコーン溶液を1%、ラウリン酸ソルバタンを0.5%、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルバタンを0.5%、ミリスタルコニウムクロリドを0.15
5、クアタナリウムを14、タカサゴ(takasago)TN-7962を0.30%お
よびホルムアルデヒドを0.25%含む液剤が使用される。この組成物はダスト除去ジョブに適用されるのが理想的である。好適な液剤を本発明の清掃用液剤と共に使用することで、ダストおよびアレルゲン保持力が高まり、清掃対象面に改良されたつやを与えることができる。指紋やしみ、その他の汚れが容易に除去される。
【0120】
別の好適な実施形態では、清掃用液剤は脱イオン水を96.5125重量%、無水プロ
パン-2-オールを1.75%、エチレングリコールモノブチルエーテルを0.40%、エチレングリコールn-ヘキシルエーテルを0.40%、プロピレングリコールを0.125%、
モノエタノールアミンを0.10%、ビネガー(白色、蒸留された300グレイン)を0.
30%、界面活性剤を少量、およびその他の成分を含む。
【0121】
別の好適な実施形態では、清掃用液剤は脱イオン水を97%、無水プロパン-2-オール
を1.50%、エチレングリコールN-ヘキシルエーテルを0.30%、インダストリアルグ
レードのプロピレングリコールを0.13%、界面活性剤を0.08%、Mackamを0.
30%、モノエタノールアミンを0.10%、界面活性剤を少量、およびその他の成分を含
む。
【0122】
さらに別の好適な実施形態では、清掃用液剤は脱イオン水を91.8%、イソパラフィン炭化水素を5.0%、ELFUGIN AKTを0.25%、ナトリウム‐ココイルサルコシナート(sodiumn n-cocoyl sarcosinate)を0.15%、シ
リコーン溶液を2.0%、ソルビタンモノオレアート(sorbitanmono oleate)を0.15%、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルバタンを0.15%、低フリーズグレード(low freeze grade)トリエタノールアミンを0.15%、ホルムアルデヒドを0.15%、およびその他の成分を少量含む。
【0123】
別の実施形態では、清掃用液剤は脱イオン水を92.32%、イソパラフィン炭化水素を5%、シリコーン溶液を2%、ソルビタンモノオレアートを0.15%、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルバタンを0.15%、トリエタノールアミンを0.03%、ホルムアルデヒドを0.15%およびその他の成分を少量含む。
【0124】
清掃用液剤の用量および範囲を制御することは重要である。好適な一実施形態において、清掃面に塗布することにより好適な清掃パッドと共に用いられるべき液体レベルは0.
01〜0.3g/平方フィートである。あるいは、清掃パッドに直接塗布される好適な液
体レベルは80〜500マイクロリットルである。120〜130マイクロリットルの範囲であることが特に望ましい。最良の結果を得るためには、製品は上記推奨された用量で処理面もしくは清掃パッド28に塗布され、次いで清掃パッド28が表面上を移動してダストを集め、清掃面に直接塗布された場合は清掃用液剤を吸収する。清掃システムの用法説明書には、好適な塗布パターンおよび用量を詳述した図画および/または説明を含んでもよい。上述の如く本発明の好適な組成物はマイルドでありほとんどの面に対する損害を最小化する。
【0125】
上述したように、湿式ダスト除去の場合、清掃用液剤は流体リザーバ30を用いて散布できる。必要に応じて、さらに便利にするため、追加の組成物を予め湿らせた清掃パッド28の形態で輸送してもよい。
【0126】
必要に応じて、最も望ましくは、上述の使い捨て清掃パッド28で構成されるシステムを利用することで利便性および性能を最大化できる。パッドは上述の清掃パッド28のいずれかで構成できる。
【0127】
この清掃システム22および使用方法は従来の清掃モードに対して数多くの利点をもたらす。清掃パッドがより多い量のダストを保持し好適な清掃用液剤が指紋、しみ、その他表面上に形成された跡を除去するため、清掃またはダスト除去にかかる時間が短くなる。別体のダスト除去用液剤もしくは清掃用液剤を持ち運ぶ必要がなくなる。パッドが高吸収性を有することから、特に好適な清掃用液剤と併用された場合、パッドは汚れやダストを吸収・固着し、単一のパッド28が大きい表面積を清掃できる。
【0128】
さらに、毎回未使用のパッド28を使用できるため、細菌や汚れがトラップされ、除去・投棄され、衛生上優れている。再利用可能な従来のダスト除去具は、汚れや細菌を集積させ、家庭の至る所に拡散させる可能性があった。操作者が用量を制御することで汚れがより効果的に除去され、仕上がり結果が良好となる。
【0129】
さらに、清掃プロセスは、従来の清掃システムと比べて大幅に短い時間にわたって(例えば、本発明では別体の清掃用液剤を塗布し清掃具を把持する複数の工程が組み合わされている)、低レベルの液剤を清掃対象面に接触させて使用することを含むため、システムおよび方法のデリケートな表面に対する表面安全性が向上されている。
【0130】
清掃パッド28は多様な清掃および多様な表面に用いられることから用途が広い。各パッドは平均的な屑またはダストが集積された少なくとも1つの平均サイズの表面を清掃すべく設計されている。パッドは表面が平均よりも広い場合や、汚れが特にひどい場合、すぐに交換できる。パッドの交換が必要か否かを決定するには、清掃パッドの清掃面の裏側を見て、清掃面がダストおよび/または汚れで飽和しているか否かを確認する。
【0131】
各種清掃およびダスト除去タスクの相乗効果を最大化するため、本発明の方法は各種実施および用法説明書を用いて実施できる。一実施形態において、異なる清掃タスク用の複数の清掃パッドと液剤とを有するキットを提供してもよい。ある液剤と清掃パッドは表面清掃用、別の液剤とパッドはダスト除去用であってもよい。各種製品を併用することの利点を説明するため、各使用されるキットに通知と説明を記載してキットを別々に販売してもよい。
【0132】
なお、上述した本発明のシステム20の部品は別々に製造・販売されてもよいし、清掃システムまたはキットの形で包括的に製造・販売されてもよい。また、本発明はハンドル部24の回動部材収容キャビティ50内への取付けが可能な追加の各種構成および部品を考慮している。上記清掃パッド支持部材26に変えて各種交換可能な別の清掃用具を利用してもよい。別の清掃用具は、好適なハンドル部24と交換して使用できるように、汎用回動部材もしくは好適な実施形態で説明したその他の取付け部材を含む、モジュール設計された支持部材を含むことが望ましい。例えば、他の清掃用具として窓、鏡面またはその他のガラス構造体を掃除するためのスキージ、リントローラなどの軟らかい表面用クリーナ、ガラスクリーナ、インデックス補給ロール、虫たたき、犬用ブラシまたはその他のグルーミング用具、洗いブラシまたはその他の清掃用具などが挙げられるが、これらに限定されない。数多くの他の回動自在もしくは移動可能に取り付けられる清掃用具も本発明の範囲に含まれる。
【0133】
さらに、好適な実施形態では清掃パッド支持部26に回動可能に取り付けられるハンドル部24を例示したが、本発明はかかる構成に限定されない。例えば、本発明の清掃システム20は清掃用流体の表面へのスプレーのみを可能とする単一の非可動部品として構成されてもよい。同様に、清掃パッド支持部は好適な実施形態において記述したようにハンドル部に回動可能に取り付けられなくてもよい。ハンドル部に対して清掃パッド支持部26を移動できる多くの他の実施形態が本発明の範囲に含まれる。あるいは、清掃パッド支持部材26とハンドル部24とは摺動自在に接続され、ヒンジにより接続され、湾曲または他の方法にて各種所望の配置に移動可能に接続される。清掃パッド支持部材26の180°回転を可能とするため、ばねを備えたロックスイッチを利用してもよい。清掃パッド支持部材26は360°回転を可能とする、中央に配置される回動部材を含んでいてもよい。あるいは、ハンドル部は清掃パッド支持部材26に対し360°回転可能であってもよい。さらに、ハンドル部24は、通常の使用者の届く範囲の外側にある領域のダスト除去または清掃を可能とする一体型もしくは取付け可能な入れ子式伸張部を含んでいてもよい。
【0134】
さらに、上述のハンドル部を設置しなくてもよく、流体リザーバが清掃システムのハンドルを形成すべく構成されてもよい。回動可能な取付け部材は流体リザーバの上端に取り付けられる。さらに、上述のスプレーボトルは物理的に別体のモジュールであるが、スプレーボトルが関連するハンドル部に直接組み込まれ、あるいはハンドル部を形成してもよいことは明白である。リザーバは流体が充填される際に取り外せるプラグを有していてもよい。
【0135】
あるいは、清掃パッド支持部はねじ接続によりハンドル部に接続されていてもよい。このような配置とすることで本発明の範囲内の多くの他の清掃用具の着脱が容易となる。あるいは、清掃パッド支持部は、各種清掃機能に適合すべく垂直方向または水平方向に回転するよう構成されていてもよい。さらに、清掃システムは、さらなる効果を発揮し、且つ消費者の手を煩わせないための電動回転ヘッドを含んでいてもよい。
【0136】
流体リザーバを例に挙げて清掃用流体輸送システムを説明したが、清掃対象面または清掃媒体に清掃用流体を輸送するための他の構成も本発明の範囲に含まれる。例えば、流体リザーバは清掃用流体が清掃パッドまたはクロスの背面にスプレーもしくは塗布され、ウィッキング作用によりクロスに浸透移動することが可能であるように構成されてもよい。あるいは、清掃システムの取付け部材もしくは歯108a、108bは、清掃用流体が取付け部材108a、108bを通じて清掃パッド28上に排出されうるよう、清掃用流体リザーバと流体的に連通してもよい。このような輸送システムは取付け部材の先端、底部、頂部あるいは横側を通して清掃用流体を輸送できる。あるいは、液体輸送システムは清掃用流体を清掃媒体上にスプレーすべく構成されたフリップアウトノズル(flip out nozzle)もしくはリザーバを含んでいてもよい。このような構成とすることで回動支持部材が不要となる。
【0137】
本発明を実施するための、発明者らにより考慮された最良の形態を開示したが、本発明の実施はこれらに限定されない。本発明の概念の基礎をなす精神から逸脱することなく本発明の特徴の追加、修正および再配置を行えることは明らかである。
【0138】
さらに、本願を通じて述べたように、個々の構成要素は開示された形状で作製される必要はなく、また開示された構成で組み立てられなくてもよい。清掃用具−支持部に取り付けられる清掃用流体リザーバを含む清掃システムを提供するため、実質上あらゆる形状で提供でき、実質上あらゆる構成で組み立てることができる。開示された各実施形態の開示されたあらゆる特徴は、これらの特徴が相互に相容れない場合を除き、他の開示された実施形態の開示された特徴と組み合わされたり置き換えられたりすることができる。
【0139】
添付の請求の範囲はこれらの追加、修正、再配置を全て含むことが意図されている。本発明の目的にかなった実施形態は添付の請求の範囲により区別される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のファイバと少なくとも1つの不織布シートと、を含み、
前記複数のファイバは清掃ファイバマットを含み、前記シートはベースシートを含み、
前記ファイバマットが、前記ベースシートの一面に沿って積層されて中央結合線に沿って前記ベースシートに結合され
前記ファイバマットの一部がスポット結合領域で前記ベースシートに結合され、
前記スポット結合領域が前記中央結合線に平行な不連続線を画定する
清掃パッド。
【請求項2】
清掃具に動作可能に結合される流体源をさらに含み、前記流体源は清掃用流体を清掃対象面、もしくは直接清掃パッドのファイバ、の少なくとも一方に選択的に塗布する、請求項1記載の清掃パッド。
【請求項3】
前記不織布シートの重量が10〜200g/m2であり、厚みが0.01〜0.1mmで
ある請求項1または請求項2に記載の清掃パッド。
【請求項4】
前記ファイバおよび前記シートは熱溶接され得るように伝熱性材料で構成される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項5】
前記ファイバはコットン、ウール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル酸およびレーヨンのうち少なくとも1つで構成される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項6】
前記ファイバは縮れた材料で形成される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項7】
前記ファイバの厚みが1〜18デニールである請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項8】
前記ファイバは、2つ以上のファイバマットを結合することで形成される清掃ファイバマットを形成する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項9】
前記2つ以上のファイバマットはそれぞれ異なるファイバで構成される請求項8記載の清掃パッド。
【請求項10】
第一のファイバマットはポリプロピレンで形成され、第二のファイバマットはポリプロピレンのコアとポリエチレンの外面との複合要素からなるタウファイバで構成される請求項8記載の清掃パッド。
【請求項11】
第一のファイバマットはポリプロピレンで形成され、第二のファイバマットは外面の融点よりも高い融点を有するコアファイバの複合要素からなるタウファイバで構成される請求項8記載の清掃パッド。
【請求項12】
清掃具に対する清掃パッドの向きを示す印をさらに含む請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項13】
前記清掃パッドの前記ファイバがテーパ状とされている請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項14】
前記ファイバが非円筒形である請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項15】
前記ファイバが螺旋状である請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項16】
前記ファイバが水様の液体の自発的輸送を可能とするポリマーで構成される請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項17】
前記ファイバが断裂している請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項18】
前記ファイバは、吸収性を高める親水性添加剤を含む請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項19】
前記流体源を収容する内側凹部を画定するハンドルであって、前記ハンドルに移動可能に前記清掃パッド支持部が取り付けられ、前記ハンドルと共に前記清掃パッドが用いられる、請求項2に記載の清掃パッド。
【請求項20】
請求項1に記載の清掃パッドを使用する方法であって、
前記方法は、前記清掃パッドへのダスト吸着性を向上させるように清掃パッドと共に清掃用液剤を選択的に用い、
清掃対象面上で前記清掃パッドを移動させることを含む、
方法。
【請求項21】
二成分のタウファイバで構成されるファイバマットを使用することをさらに含む請求項20記載の方法。
【請求項22】
0.01〜0.3g/平方フィートの前記清掃用液剤を前記清掃対象面に付与することをさらに含む請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項23】
80〜500マイクロリットルの前記清掃用液剤を前記清掃パッドに付与することをさらに含む請求項20から請求項22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
複数のファイバと少なくとも1つの不織布シートと、を含み、
前記複数のファイバは清掃ファイバマットを含み、前記シートはベースシートを含み、
前記ファイバマットが、前記ベースシートの一面に沿って積層されて中央結合線に沿って前記ベースシートに結合され
前記ファイバマットの一部がスポット結合領域で前記ベースシートに結合され、
前記スポット結合領域が前記中央結合線に平行な不連続線を画定する
清掃パッド。
【請求項2】
清掃具に動作可能に結合される流体源をさらに含み、前記流体源は清掃用流体を清掃対象面、もしくは直接清掃パッドのファイバ、の少なくとも一方に選択的に塗布する、請求項1記載の清掃パッド。
【請求項3】
前記不織布シートの重量が10〜200g/m2であり、厚みが0.01〜0.1mmで
ある請求項1または請求項2に記載の清掃パッド。
【請求項4】
前記ファイバおよび前記シートは熱溶接され得るように伝熱性材料で構成される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項5】
前記ファイバはコットン、ウール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル酸およびレーヨンのうち少なくとも1つで構成される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項6】
前記ファイバは縮れた材料で形成される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項7】
前記ファイバの厚みが1〜18デニールである請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項8】
前記ファイバは、2つ以上のファイバマットを結合することで形成される清掃ファイバマットを形成する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項9】
前記2つ以上のファイバマットはそれぞれ異なるファイバで構成される請求項8記載の清掃パッド。
【請求項10】
第一のファイバマットはポリプロピレンで形成され、第二のファイバマットはポリプロピレンのコアとポリエチレンの外面との複合要素からなるタウファイバで構成される請求項8記載の清掃パッド。
【請求項11】
第一のファイバマットはポリプロピレンで形成され、第二のファイバマットは外面の融点よりも高い融点を有するコアファイバの複合要素からなるタウファイバで構成される請求項8記載の清掃パッド。
【請求項12】
清掃具に対する清掃パッドの向きを示す印をさらに含む請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項13】
前記清掃パッドの前記ファイバがテーパ状とされている請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項14】
前記ファイバが非円筒形である請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項15】
前記ファイバが螺旋状である請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項16】
前記ファイバが水様の液体の自発的輸送を可能とするポリマーで構成される請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項17】
前記ファイバが断裂している請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項18】
前記ファイバは、吸収性を高める親水性添加剤を含む請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の清掃パッド。
【請求項19】
前記流体源を収容する内側凹部を画定するハンドルであって、前記ハンドルに移動可能に前記清掃パッド支持部が取り付けられ、前記ハンドルと共に前記清掃パッドが用いられる、請求項2に記載の清掃パッド。
【請求項20】
請求項1に記載の清掃パッドを使用する方法であって、
前記方法は、前記清掃パッドへのダスト吸着性を向上させるように清掃パッドと共に清掃用液剤を選択的に用い、
清掃対象面上で前記清掃パッドを移動させることを含む、
方法。
【請求項21】
二成分のタウファイバで構成されるファイバマットを使用することをさらに含む請求項20記載の方法。
【請求項22】
0.01〜0.3g/平方フィートの前記清掃用液剤を前記清掃対象面に付与することをさらに含む請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項23】
80〜500マイクロリットルの前記清掃用液剤を前記清掃パッドに付与することをさらに含む請求項20から請求項22のいずれか1項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−35107(P2012−35107A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230584(P2011−230584)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【分割の表示】特願2008−510231(P2008−510231)の分割
【原出願日】平成18年5月5日(2006.5.5)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【分割の表示】特願2008−510231(P2008−510231)の分割
【原出願日】平成18年5月5日(2006.5.5)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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