説明

湿式煙道ガス脱硫吸収塔内の泡及び空気吹込みスラリーの液面を測定する液面検出装置

【課題】湿式煙道ガス脱硫吸収塔の泡及び空気吹込みスラリーの液面を検出できる液面検出装置の提供。
【解決手段】液面検出装置200は、容器に取付け可能であって、容器212Aにより形成した壁212を貫通して、容器により画定した内部区域214内へ延びることができるスリーブ210を包含し、容器に関して45度よりも小さい角度Aで取付け可能である。液面検出装置200は、スリーブ210の内面218により画定した孔の中に延びている液面検出プローブ230を包含する。この液面検出プローブ230は、容器内の複数の泡及び空気吹込みスラリーの液面を測定するようにしている。コネクタ232,244が、容器の外側212Bに配置されて、孔内に液面検出プローブ230を取外し可能に支持する。液面検出プローブ230は、孔内に延開口254によって前記内部区域と通じている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には液面検出装置、より詳細には、湿式煙道ガス脱硫吸収塔の液体用液面検出器と一緒に、泡及び空気吹込みスラリーの液面を検出する液面検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
幾つかの化石燃料発電所は、蒸気及び電気の製造のために石炭を燃焼せしめる。石炭は、硫黄を含有する。石炭の燃焼の結果として、硫黄の一部分が酸素と反応して二酸化硫黄(SO)を生成し、この二酸化硫黄は燃焼により発生した煙道ガス中に存在する。したがって、幾つかの国は、煙道ガス中の二酸化硫黄の量を制限する環境規則を制定している。煙道ガス中の二酸化硫黄を減少又は取り除く方法のひとつは、煙道ガスを脱硫吸収塔内で処理することである。煙道ガスは、吸収塔内で湿り石灰石(CaCO)と反応して、亜硫酸カルシウム(CaSO)及び硫酸カルシウム(CaSO)を生成する。
【0003】
吸収塔は、典型的に、12m(40フィート)又はそれ以上の石灰石/セッコウスラリーの液面を収容する15〜18m(50〜60フィート)直径の圧力容器である。吸収塔は、一般に、煙道ガスを吸収塔内に導入する入口ダクトと、処理したガスを排出する出口ダクトとを有する。そして、幾つかの例においては、吸出し送風機が吸収塔の直前の入口ダクト内に設けられている。また、自動制御装置が吸収塔内に所定のスラリー液面を維持するために用いられている。
【0004】
吸収塔内の煙道ガス、スラリー及び他の化学物質と、吸収塔の底部上のスラリーに注入される空気との化学反応は、スラリー上に浮ぶ泡及び空気吹込みスラリーを生成せしめる。もしこのような泡及び/又は空気吹込みスラリーが検出されないと、これらの泡及び空気吹込みスラリーは堆積して入口ダクト内へあふれ出て、吸出し送風機を損傷せしめる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示した態様によれば、容器により形成した壁を貫通して前記容器の内部に取付け可能なスリーブを包含する液面検出装置が提供される。前記スリーブは、前記容器の前記壁に関して45度よりも小さい角度で取付け可能である。前記液面検出装置は、前記スリーブにより画定した孔の中に延びている液面検出プローブを包含する。前記液面検出プローブは、前記容器内の複数の泡及び/又は空気吹込みスラリーの液面を測定するようにしている。ひとつ又はそれ以上のコネクタが、前記容器の外側に配置されて、前記孔内に前記液面検出プローブを取外し可能に支持する。前記液面検出プローブは、前記孔内に延びているひとつ又はそれ以上の開口によって前記内部区域と通じている。
【0006】
一実施形態において、前記ひとつ又はそれ以上のコネクタ(例えば、フランジ付きコネクタ又はねじ付きカップリング)と前記液面検出プローブとは、前記内部区域への接近を必要とすることなしに、前記液面検出プローブを前記容器の外側の位置から前記スリーブに取付け又は前記スリーブから取外しできるようにしている。
【0007】
前記液面検出装置は、液体用液面センサと、コンピュータモジュール(例えば、プログラム可能論理コントローラ)とを包含することができる。一実施形態において、前記コンピュータモジュールは前記液体用液面センサと前記液面検出プローブとに接続されている。更に、前記コンピュータモジュールは前記液体用液面センサにより得た液体の液面測定値を前記液面検出プローブにより得た他の液面測定値から差し引くことにより泡及び空気吹込みスラリーの液面の測定を行うようにしたアルゴリズムを包含する。
【0008】
前記液面検出プローブは、前記スリーブから離して間隔を置いた構造で取付けることができる無周波(RE)アドミタンスプローブ、導波レーダプローブ又は他のプローブとすることができる。
【0009】
容器内の泡及び空気吹込みスラリーを検出する方法が、また、本明細書に開示されている。この方法は、前記容器に取付け可能なスリーブであって、前記容器により形成した壁を貫通して前記容器の内部区域内へ延びることができるスリーブを用いることを包含する。前記スリーブは、前記容器の前記壁に関して45度よりも小さい角度で取付け可能である。また、前記スリーブの内面により画定した孔の中に取付け可能である液面検出プローブが用いられる。更に、前記容器に取付け可能であって、前記壁を貫通して前記容器の内部区域内に延びることができる液体用液面センサが用いられる。更に、前記液体用液面センサと前記液面検出プローブとに接続されているコンピュータモジュールが用いられる。前記コンピュータモジュールは、前記液体用液面センサにより得た液体の液面測定値を前記液面検出プローブにより得た他の液面測定値を差し引くことにより泡及び空気吹込みスラリーの液面測定値を得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】内部に設けた泡検出装置を有する容器の概略側面断面図である。
【図2】内部に設けた、図1の泡検出装置を有する容器の一部分の側面断面図である。
【図3】図2の線3−3に沿う泡検出装置の一部分の平面断面図である。
【図4】図2の泡検出装置の他の実施形態を有する容器の一部分の側面断面図である。
【図5】泡検出装置から取外して示されている、図4の液面検出プローブの側面断面図である。
【図6】泡検出装置から取外して示されている、図2の液面検出プローブの側面図である。
【図7】図2の泡検出装置のためのスリーブの側面図であって、液面検出プローブが泡検出装置から取外しされている状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書には、容器、例えば湿式煙道ガス脱硫装置の吸収塔内の泡の液面を測定するための液面検出装置が開示されている。図1及び図2を参照するに、液面検出装置は符号100によって総括的に示されている。液面検出装置100は、第1のトランスミッタ400に接続されている泡/空気吹込みスラリー検出装置200と、第2のトランスミッタ420に接続されている液体検出装置300とを包含する。第1及び第2のトランスミッタ400及び420は、後で一層詳細に述べるように、容器内の泡/空気吹込みスラリーの液面を比較して計算するためのコンピュータモジュール500(例えば、プログラム可能論理コントローラ、コンピュータプログラム又はコントローラ)に接続されている。泡/空気吹込みスラリー検出装置200は、容器212A内の泡、空気吹込みスラリー及び液体の液面の統合液面(Combined Level)を測定する。液体検出装置300は、通常の液面Nよりも下の、容器212Aの部分(例えば、容器の底部262の部分)に設けられ、液体の液面を測定する、例えば差圧センサ又は他の適当なセンサを包含することができる。コンピュータモジュール500は、統合液面(すなわち、泡、空気吹込みスラリー及び液体の液面の統合液面)から液体の液面を差し引いて、容器212A内の泡及び空気吹込みスラリーの液面を得ることを行うアルゴリズムを包含する。コンピュータモジュール500は、表示及び制御モジュールに接続されている。表示及び制御モジュールのスクリーン部分は、容器212A内の泡の液面を表す識別印、例えば、容器212A内の泡及び空気吹込みスラリーの液面を伝える、数値、チャート、グラフ又は同種の手段の形の識別印を表示する。制御モジュールは、コンピュータモジュールからの泡及び空気吹込みスラリーの統合液面信号を受け、この泡及び空気吹込みスラリーの統合液面信号を、制御装置、例えば湿式煙道ガス脱硫装置の防泡試剤及び液面制御弁を制御するための制御信号に変換する。
【0012】
図1及び図2に示されているように、泡/空気吹込みスラリー検出装置200は容器212Aの壁212(例えば、垂直壁)を貫通して容器212Aの内部区域214内へ延びているスリーブ210(例えば、パイプ)を包含する。このスリーブ210は、その最も高い表面210Aでもって、参照線V、すなわち、壁212の外面212Dに関して約15度の角度Aで取付け可能である。泡/空気吹込みスラリー検出装置200は、容器212Aの外側212Bに配置されている、スリーブ210の一端216に取外し可能に取付けられている液面検出プローブ230を包含する。この液面検出プローブ230は、例えば、限定されるものではないが、無線周波(RF)アドミタンスプローブ又は導波レーダプローブである。スリーブ210の末端256は開口254を形成し、その結果、液面検出プローブ230は後述するように内部区域214と通じることができる。一実施形態において、スリーブ210及び液面検出プローブ230は壁212から容器212Aの底部262に向かってほぼ下向きの方向へ延びている。液面検出プローブ230はRFアドミタンスプロ―ブ又は導波レーダプローブであると述べたけれども、他の液面検出プローブを用いることができるものであり、これらの他の液面検出プローブには、限定されるものではないが、スリーブ210から離れて間隔を置いている構成で取付けることができる液面検出プローブが含まれる。
【0013】
第1のコネクタ232が、ロックキング部材234(例えば、ねじ付きカップリング又は圧縮管継手)により液面検出プローブ230に取付けられている。この第1のコネクタ232は、例えば、限定されるものではないが、フランジ付きジョイント、ねじ付きカップリング又は差込み継手である。第1のコネクタ232は、スリーブ210に取付けた第2のコネクタ244(例えば、フランジ付きジョイント、ねじ付きカップリング又は差込み継手)によりスリーブ210に取外し可能に取付けられている。第1及び第2のコネクタ232及び244は、それぞれ、容器212Aの外側212Bに配置され、液面検出プローブ230をスリーブ210の内壁218により画定した孔の中に位置させるように互いに組み合う。液面検出プローブ230は剛性を有し、その結果、液面検出プローブ230は内壁218から離れて間隔を置いて維持され、例えばスリーブ210内に実質的に同心的に配置される。したがって、液面検出プローブ230は、参照線V、例えば垂直壁212から約15度の角度Aで取付け可能及び作動可能である。液面検出プローブ230は、第1及び第2のコネクタ232及び244によって、液面検出プローブ230の自由端237に地点Rでロッキング部材234から片持ちばり構造で支持されている。したがって、容器212Aの内部区域214内に配置した、液面検出プローブ230の部分はこの部分に取付けられる支持部材を有していない。液面検出プローブ230の他方の端は、ハウジング236内に収容され、そして適当な伝送装置238(例えば、ワイヤリング又はワイヤレス伝送装置)によって第1のトランスミッタ400に接続されている。第1のトランスミッタ400は、コンピュータモジュール500に接続されている。スリーブ210及び液面検出プローブ230は参照線Vに関して15度の角度Aで取付け可能であると述べたけれども、他の角度もまた用いることができ、参照線Vに関して45度よりも小さい角度、例えば、約14度と約16度との間の角度で取付け可能であるスリーブ210も、また、本明細書に開示した広い実施形態から逸脱することなしに用いることができるものである。
【0014】
参照線V、例えば容器212Aの壁212から約15度、約14度と約16度との間の角度、又は45度よりも小さい他の角度Aでの液面検出プローブ230の取付けは、プローブ23を容器212Aの中央部分から離して置く。容器212Aの中央部分では、スラリーが壁に隣接する区域における速度よりも速い速度で動く。このような高速でのスラリーの動きは、まちがった液面測定を生じせしめるプローブ230の損傷を導く。更に、角度Aが45度を越えて大きくされたときには、液面検出プローブ230は曲がりがちとなり、スリーブ210内で非同心となり、これにより不正確な液面測定を生じせしめる。
【0015】
図2に示されているように、スリーブ210は取付け部分240と測定部分250とを包含する。これらの取付け部分240及び測定部分250は、コネクタ220、例えば一対のフランジ242及び252、ねじ付きカップリング又は差込み継手によって互いに取外し可能に取り付けられている。取付け部分240は、例えば溶接継手222によって壁212に取付け可能である。取付け部分246の一端246及び測定部分250は、容器212Aの内部区域214内に位置させられ、かつ参照線V、例えば垂直壁212から約15度、約14度と約16度との間の角度、又は45度よりも小さい他の角度Aで配置されている。取付け部分240は、容器212Aの金属又は合金と同等の金属又は合金から作られている。
【0016】
測定部分250は、スラリー、空気吹込みスラリー及び泡の腐食属性に耐えることが材料から作られている。一実施形態において、測定部分250は一片のパイプである。このパイプは、例えば、限定されるものではないが、ファイバーガラス補強パイプ、プラスチックパイプ又はステンレス鋼パイプである。プラスチックパイプ及びファイバー補強パイプは、コストを低減しかつ製作及び組立てを簡単にするために用いることができる。測定部分250は、その末端256の開口254を有する。測定部分250は、また、この測定部分を貫通して延びている複数の通路258を有する。図2及び図3に示されているように、これらの通路258は容器212Aの底部262に面している、測定部分250の第1の区域260、例えば地点B,C及びDにわたって180度よりも小さい弧を画定する区域BCDに設けられている。開口254及び通路258は、スラリー、空気吹込みスラリー及び泡が測定部分250内に入り、液面検出プローブ230と通じるのを許す。容器212Aの頂部266に面している、測定部分250の第2の区域264、例えば区域BEDは連続して延びている部分であり、この部分を貫通して延びる通路を有していない。したがって、第2の区域264は液面検出プローブ230が容器212A内を循環して下向きに落ちるスラリーと衝突するのを防止する。
【0017】
一実施形態において、液面検出プローブ230はプローブロッド272を包含する。このプローブロッド272は、例えば、スラリー、空気吹込みスラリー及び泡に適合する材料、例えば、限定されるものではないが、炭素鋼により作られている中実の円筒形シャフトである。一実施形態において、プローブロッド272は約2.13cm(約0.84インチ)の外径Dを有し、この外径Dにはプローブロッド272上に施すことができる耐食コーティング又は絶縁材料の厚さが含まれる。耐食コーティング又は絶縁材料は、また、スラリー、空気吹込みスラリー及び泡がプローブロッド272上に堆積するのを最少にする。プローブロッド272の長さLは、約210〜600cm(約7〜20フィート)である。一実施形態において、プローブロッド272は耐食絶縁材料、例えば、限定されるものではないが、熱可塑性フッ素樹脂(例えば、Kynar(登録商標))、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって被覆されている。一実施形態において、スリーブ210は約8.89〜約11.43cm(約3.5〜約4.5インチ)の内径を有する。プローブロッド272は直径が約2.13cm(約0.84インチ)及び長さが約210〜600cm(約7〜20フィート)である、被覆した中実の円筒形シャフトであると述べたけれども、他の寸法及び断面も用いることができるものであり、これには、限定されるものではないが、四角形、三角形、又は長円形の断面及び任意の直径及び寸法のロッドが含まれる。
【0018】
図4及び図5の泡/空気吹込みスラリー検出装置600は、図1,図2及び図3に示した泡/空気吹込みスラリー検出装置200と類似している。したがって、類似する要素は、その類似する要素を示す符号の百桁の数字「2」を「6」に代えて示されている。液面検出プローブ630は、この液面検出プローブ630を支持する働きをすることができる環状のスペーサ670を包含する。このスペーサ670は、取付け部分640の実質的に全部を通して、測定部分650の一部分内に延びている。一実施形態において、スペーサ670はフランジ652から測定して、測定部分650内の約10.16cm(約4インチ)の地点Tにまで延びている。スペーサ670は、例えば、限定されるものではないが、テトラフルオロエチレンの合成フッ素樹脂又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、Teflon(登録商標))から作られて、液面検出プローブ630に取付けられている。スペーサ670は、スラリーが取付け部分640内に堆積するのを最少にする。液面検出プローブ630は、第1及び第2のコネクタ632及び644、取付け部分640、測定部分650の一部分及びスペーサ670によって、地点Tから液面検出プローブ630の自由端637にまで、片持ちばりの構造で支持されている。したがって地点Tから自由端637までの、液面検出プローブ630の部分は、この部分に取付けられる支持部材を有していない。
【0019】
図6及び図7に示されているように、液面検出プローブ230は、第1及び第2のコネクタ232及び244を互いから離し、液面検出プローブ230を矢印Fにより示した方向へ引き上げることにより、スリーブ210から取外すことができる。したがって、液面検出プローブ230は、内部区域214への接近を必要とすることなしに、容器212Aの外側212Bの位置からスリーブ210に取付け又はスリーブ210から取外すことができる。
【0020】
作動中、泡/空気吹込みスラリー検出装置200は、約57℃(約135°F)〜約63℃(約145°F)の温度で湿式煙道ガス脱硫装置の容器212A内の複数の泡、空気吹込みスラリー及び/又はスラリーの液面を測定する。泡/空気吹込みスラリー検出装置200は、液面検出範囲S、例えば、約120〜180cm(約4〜6フィート)を有する。液面検出プローブ230は容器212A内に配置され、通常のスラリー液面Nは液面検出範囲S内である。一実施形態において、液面検出プローブ230はREアドミタンスプローブであり、このREアドミタンスプローブは無線周波を使用し、プローブと容器212Aの壁212との間に位置している誘電材料、例えば、泡及びスラリーの静電容量及び抵抗を測定する。一実施形態において、液面検出プローブ230は導波レーダプローブである。液面検出プローブ230は、コンピュータモジュール500に伝送するための第1の液面信号を発生するための適当な電子素子を包含する。更に、液体検出装置300は、第2のトランスミッタ420及びその後コンピュータモジュール500に伝送するための液体の液面信号を発生する。コンピュータモジュール500は、第1の液面信号から液体の液面信号を差し引いて泡及び空気吹込みスラリーの液面測定値を得るようにしているアルゴリズムを包含する。泡及び空気吹込みスラリーの液面は、表示装置に表示することができ、及び/又は制御装置、例えば湿式煙道ガス脱硫装置の防泡試剤及び液面制御弁を制御するための制御モジュールによって用いられることができる。
【0021】
容器内の泡及び空気吹込みスラリーを測定する方法が、また、本明細書に開示されている。この方法は、容器に取付け可能であって、前記容器により形成されている壁を貫通して前記容器の内部区域内へ延びることができるスリーブを用いることを包含する。このスリーブは、前記容器の壁に関して45度よりも小さい角度で取付け可能である。また、液面検出プローブが用いられ、この液面検出プローブは前記スリーブの内面によって画定されている孔の中に取付け可能である。更に、液体用液面センサが用いられ、この液体用液面センサは前記容器に取付け可能であって、前記容器の壁を貫通して前記容器の内部区域内へ延びることができる。更に、前記液体用液面センサと前記液面検出プローブとに接続されているコンピュータモジュールが用いられる。このコンピュータモジュールは、前記液体用液面センサにより得た液体の液面測定値を前記液面検出プローブにより得た他の液面測定値から差し引くことにより、泡及び空気吹込みスラリーの液面測定値を得る。
【0022】
以上本発明を種々の例示的な実施形態を参照して詳述したけれども、本発明の範囲から逸脱することなしに、種々の変形を行うことができると共に、本発明の特定の要素のために等価物を代用できることは当業者には理解されるであろう。更に、本発明の本質的な範囲を逸脱することなしに、種々の変更が特定の状態又は材料を本発明の教示に適応させるために行うことができるものである。したがって、本発明は本発明を実施するためになされた最適な形態として上述された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は特許請求の範囲に記載した範囲内にあるすべての実施形態を包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液面検出装置において、
容器に取付け可能であって、前記容器により形成した壁を貫通して、前記容器により画定した内部区域内へ延びることができるスリーブであって、前記容器の前記壁に関して45度よりも小さい角度で取付け可能であるスリーブと、
前記容器内の複数の泡及び空気吹込みスラリーの液面を測定するようにした液面検出プローブであって、前記スリーブの内面により画定した孔の中に延びている液面検出プローブと、
前記容器の外側に配置されて、前記孔内に前記液面検出プローブを取外し可能に支持するようにした、少なくともひとつのコネクタと、
を包含し、
前記液面検出プローブが前記孔内に延びている、前記スリーブの少なくともひとつの開口によって前記内部区域と通じている液面検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の液面検出装置において、前記少なくともひとつのコネクタと前記液面検出プローブとが、前記内部区域への接近を必要とすることなしに、前記液面検出プローブを前記容器の外側の位置から前記スリーブに取付け又は前記スリーブから取外しできるようにしている液面検出装置。
【請求項3】
請求項1記載の液面検出装置において、前記液面検出プローブが剛性を有し、その結果、前記液面検出プローブが前記スリーブの前記内面から離れて間隔を置いている液面検出装置。
【請求項4】
請求項1記載の液面検出装置において、前記液面検出プローブが約57℃(約135°F)〜約63℃(約145°F)の温度で湿式煙道ガス脱硫吸収塔内で作動するようにしている液面検出装置。
【請求項5】
請求項1記載の液面検出装置において、前記液面検出プローブの長さが約210〜600cm(約7〜20フィート)である液面検出装置。
【請求項6】
請求項1記載の液面検出装置において、前記液面検出プローブがその上に施されている耐食コーティングを包含している液面検出装置。
【請求項7】
請求項1記載の液面検出装置において、前記液面検出プローブが無線周波アドミタンスプローブである液面検出装置。
【請求項8】
請求項1記載の液面検出装置において、前記少なくともひとつのコネクタが前記スリーブに取付けられている第1のフランジと前記液面検出プローブに取付けられている第2のフランジとを包含し、前記第1及び第2のフランジが互いに取外し可能に接続されている液面検出装置。
【請求項9】
請求項1記載の液面検出装置において、前記スリーブが前記容器の前記壁に関して約14度〜約16度の角度で取付け可能である液面検出装置。
【請求項10】
請求項1記載の液面検出装置において、前記液面検出プローブが前記容器の前記壁に関して約14度〜約16度の角度で取付け可能及び作動可能である液面検出装置。
【請求項11】
請求項1記載の液面検出装置において、前記スリーブ及び前記液面検出プローブが前記容器の前記壁から前記容器の底部分に向かって延びている液面検出装置。
【請求項12】
請求項1記載の液面検出装置において、前記スリーブが前記容器の前記壁に取付けられている取付け部分と前記容器内の前記取付け部分に取外し可能に接続されている測定部分とを包含し、前記取付け部分が金属材料とされ、また前記測定部分がスラリー、空気吹込みスラリー及び泡を前記液面検出プローブに接触できるようにしている液面検出装置。
【請求項13】
請求項12記載の液面検出装置において、前記測定部分がプラスチック又は他の非金属材料から作られている液面検出装置。
【請求項14】
請求項12記載の液面検出装置において、前記測定部分がこの測定部分を貫通して延びている複数の通路を包含している液面検出装置。
【請求項15】
請求項7記載の液面検出装置において、前記無線周波アドミタンスプローブが無線周波信号を使用して、前記無線周波アドミタンスプローブと前記容器の前記壁との間に位置している材料の静電容量及び抵抗を測定するようにしている液面検出装置。
【請求項16】
請求項1記載の液面検出装置において、更に、液体用液面センサを包含している液面検出装置。
【請求項17】
請求項16記載の液面検出装置において、更に、前記液体用液面センサと前記液面検出プローブとに接続されているコンピュータモジュールを包含し、前記コンピュータモジュールが前記液体用液面センサにより得た液体の液面測定値を前記液面検出プローブにより得た他の液面測定値から差し引くことにより泡及び空気吹込みスラリーの液面の測定を行うようにしたアルゴリズムを包含している液面検出装置。
【請求項18】
請求項1記載の液面検出装置において、前記液面検出プローブが前記スリーブの前記内面から離れて間隔を置いていると共に前記孔内に実質的に同心的に配置されている液面検出装置。
【請求項19】
請求項1記載の液面検出装置において、前記液面検出プローブが導波レーダプローブである液面検出装置。
【請求項20】
容器内の泡及び空気吹込みスラリーを検出する方法において、
前記容器により形成した壁に関して45度よりも小さい角度で前記容器に取付けられているスリーブであって、前記壁を貫通して前記容器の内部区域内へ延びているスリーブの内面により画定した孔の中に取付けられている液面検出プローブを用いて、液体、泡及び空気吹込みスラリーの液面を測定すること、
前記容器に取付けられ、前記壁を貫通して前記容器の内部区域内へ延びている液体用液面センサを用いて、液体の液面を測定すること、及び
前記液体用液面センサと前記液面検出プローブとに接続されているコンピュータモジュールを用いて、前記液体用液面センサにより得た液体の液面測定値を前記液面検出プローブにより得た他の液面測定値から差し引くことにより泡及び空気吹込みスラリーの液面を決定すること、
を包含する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−61341(P2013−61341A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−203153(P2012−203153)
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5400 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】