説明

湿式画像形成装置

【課題】粒状ムラの発生を抑制することが可能な湿式画像形成装置を得る。
【解決手段】記録用紙50上に画像を形成する湿式画像形成装置100であって、像形成手段10により形成されたパッチ画像としてのトナー像の画像濃度を検出する濃度検出手段25と、現像液担持体16上のトナーの帯電量を制御する帯電量制御手段18と、を備え、現像液担持体16に印加される現像バイアスが所定の値に保持された状態で、帯電量制御手段18が現像液担持体16上のトナーの帯電量を順次変化させつつ像形成手段10が複数のパッチ画像を形成し、濃度検出手段25が複数のパッチ画像の各々の画像濃度を検出することによってパッチ画像の画像濃度が略飽和するトナーの帯電量の範囲が検出され、通常の画像形成が行なわれる際のトナーの帯電量は、パッチ画像の画像濃度が略飽和するトナーの帯電量の上記範囲以上となるように設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿式電子写真方式を採用する湿式画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用する画像形成装置は、ファクシミリ、プリンター、複写機、または多機能型プリンター(MFP:Multifunction Printer)などの分野に広く使用されている。近年の画像形成装置は、大量プリント用のオフィスプリンターまたはオンデマンド印刷装置などのように、より高い画質およびより高い解像度が要求される用途にも使用されるようになってきた。
【0003】
近年では、上記のような用途に応えるために、絶縁性のキャリア液中にトナー(トナー粒子ともいう)が分散された現像液を用いる湿式画像形成装置が注目されている(特開2009−015351号公報(特許文献1)および特開2010−204467号公報(特許文献2)参照)。
【0004】
湿式画像形成装置においては、現像液は、現像槽から汲み上げられた後、現像液担持体(現像ローラー)の表面に担持される。現像液担持体に担持された現像液中のトナーは、現像液担持体の回転によって、現像液担持体と像担持体(感光体)とが相互に対向する現像位置にまで搬送され、その後、現像バイアスの印加によって、現像液担持体の表面から像担持体(感光体)上に移送される。像担持体上に形成されていた静電潜像は、現像液中のトナーによって、トナー像として顕像化される。
【0005】
像担持体上のトナー像は、転写バイアスの印加によって、記録用紙上または中間転写ローラーなどの表面に静電転写される(静電転写方式)。中間転写ローラー上にトナー像が転写される場合、中間転写ローラー上に転写されたトナー像は、他の転写バイアスの印加によって記録用紙上にさらに転写される。
【0006】
現像液を用いる湿式画像形成装置においては、乾式画像形成装置に比べて小さな粒径を有するトナー粒子が用いられる。より小さな粒径を有するトナー粒子によって、記録用紙上には、画像の細かな部分まで表現される。したがって現像液を用いる湿式画像形成装置によれば、高画質な画像を記録用紙上に形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−015351号公報
【特許文献2】特開2010−204467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記のようにして顕像化されるトナー像の画像濃度は、現像位置において帯電しているトナーに印加される電界の大きさに依存する。この電界の大きさは、現像バイアス、露光エネルギー、または帯電バイアスなどの変化の影響を受けるため、これらの変化がトナー像の画像濃度に影響して画像品質の低下を招くことがあった。
【0009】
一方で、湿式電子写真方式の現像プロセスにおいては、現像液担持体(現像ローラー)に印加する現像バイアスを大きくし、現像液担持体と像担持体との間の間隙(現像ギャップ)に対して過剰な電圧が印加されると、粒状ムラと呼ばれる画像ムラが生じる。この粒状ムラは、現像効率がほぼ100%に達した後、それ以上に電圧が印加された状態において起こる現象であることが分かっている。
【0010】
画像形成時の画像の濃度を安定させるためには、現像ローラー上に供給されたトナーを全て現像すること(完全現像を行なうこと)が望ましいが、一方で、完全現像させるために現像電位差を大きくしすぎると、粒状ムラが発生して画像ノイズが発生する原因となる。
【0011】
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであって、粒状ムラの発生を抑制することによって高品質の画像を形成することが可能な湿式画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に基づく湿式画像形成装置は、被転写部材上に画像を形成するため、キャリア液中にトナーが分散された現像液を用いて像担持体上にトナー像を形成する湿式画像形成装置であって、表面に担持した上記現像液を上記像担持体と対向する現像位置に搬送する現像液担持体を含み、上記現像液担持体に現像バイアスが印加されることによって、上記現像液担持体に担持される上記現像液中の上記トナーを上記像担持体に付着させるとともに、上記像担持体上の静電潜像を上記トナーにより顕像化して上記像担持体上に上記トナー像を形成する像形成手段と、上記像形成手段により形成されたパッチ画像としての上記トナー像の画像濃度を検出する濃度検出手段と、上記現像液担持体上の上記トナーの帯電量を制御する帯電量制御手段と、を備え、上記現像液担持体に印加される上記現像バイアスが所定の値に保持された状態で、上記帯電量制御手段が上記現像液担持体上の上記トナーの帯電量を順次変化させつつ上記像形成手段が複数の上記パッチ画像を形成し、上記濃度検出手段が複数の上記パッチ画像の各々の上記画像濃度を検出することによって、上記現像バイアスが上記所定の値に設定された状態で上記パッチ画像の上記画像濃度が略飽和する上記トナーの帯電量の範囲が検出され、上記被転写部材上に上記画像を形成する通常の画像形成が行なわれる際の上記トナーの帯電量は、上記パッチ画像の上記画像濃度が略飽和する上記トナーの帯電量の上記範囲以上となるように設定される。
【0013】
好ましくは、本発明に基づく上記の湿式画像形成装置は、上記現像液担持体上のトナー量を制御するトナー量制御手段をさらに備え、上記トナーの帯電量が上記範囲以上となるように設定される際には、上記パッチ画像の上記画像濃度が飽和するように上記トナーの帯電量が仮の値に設定された状態で上記トナー量の初期値が検出され、上記トナー量制御手段は、上記現像バイアスが上記所定の値に設定された状態で上記パッチ画像の上記画像濃度が略飽和するように、上記現像液担持体上の上記トナー量を上記初期値から調整する。
【0014】
好ましくは、上記トナーの帯電量および上記トナー量が設定された後、上記濃度検出手段は、上記像形成手段により形成された中間調濃度を有する上記パッチ画像の上記画像濃度を検出し、上記濃度検出手段が検出した上記中間調濃度を有する上記パッチ画像の上記画像濃度に応じて上記像担持体における露光条件が調整されることによって、上記通常の画像形成が行なわれる際の中間調の上記トナー像の上記画像濃度が所望の値となるように設定される。好ましくは、上記濃度検出手段は、上記パッチ画像に光を照射し、上記パッチ画像からの反射光を検出することによって上記パッチ画像の上記画像濃度を検出する。
【0015】
好ましくは、上記濃度検出手段は、上記パッチ画像に光を照射し、上記パッチ画像を透過した透過光を検出することによって上記パッチ画像の上記画像濃度を検出する。好ましくは、上記濃度検出手段は、上記像担持体上に形成された上記パッチ画像の上記画像濃度を検出する。
【0016】
好ましくは、上記濃度検出手段は、上記被転写部材上に形成された上記パッチ画像の上記画像濃度を検出する。好ましくは、上記像担持体と上記上記被転写部材との間には中間転写ローラーが配置され、上記濃度検出手段は、上記中間転写ローラー上に形成された上記パッチ画像の上記画像濃度を検出する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、粒状ムラの発生を抑制することによって高品質の画像を形成することが可能な湿式画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態における湿式画像形成装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】実施の形態における湿式画像形成装置がパッチ画像を用いてトナーの帯電量を決定する際のフローを示す図である。
【図3】現像位置における像担持体と現像液担持体との間に設けられる現像電位差の大きさとトナーの付着量との関係を示す図である。
【図4】実施の形態における湿式画像形成装置に用いられる濃度検出手段がパッチ画像の画像濃度を検出する際の様子を示す斜視図である。
【図5】実施の形態における湿式画像形成装置に用いられる他の濃度検出手段がパッチ画像の画像濃度を検出する際の様子を示す斜視図である。
【図6】実施の形態における湿式画像形成装置に用いられるさらに他の濃度検出手段がパッチ画像の画像濃度を検出する際の様子を示す斜視図である。
【図7】実施の形態における湿式画像形成装置がパッチ画像を用いてトナーの帯電量を決定する際の、像担持体と現像液担持体との間の現像電位差の大きさとパッチ画像を形成するトナーの付着量との関係を示す図である。
【図8】実施の形態における湿式画像形成装置がパッチ画像を用いてトナーの帯電量を決定する際の、トナーの帯電量とパッチ画像の画像濃度との関係を示す図である。
【図9】実施の形態の変形例における湿式画像形成装置がパッチ画像を用いてトナーの帯電量を決定し、さらに露光条件を調整することによって中間調のトナー像の画像濃度が所望の値となるように設定する際のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に基づいた実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0020】
[実施の形態]
(湿式画像形成装置100)
図1を参照して、実施の形態における湿式画像形成装置100の全体構成について説明する。図1に示すように、湿式画像形成装置100は、記録用紙50などの被転写部材上に画像を形成する。本実施の形態における記録用紙50は、中間転写ローラー26(詳細は後述する)および転写ローラー31(詳細は後述する)の間を、所定の搬送方向AR50に沿って搬送される。
【0021】
湿式画像形成装置100においては、現像液Wが図示しない供給装置により供給され、現像槽11内に貯留される。現像液Wは、キャリア液である絶縁性液体と、静電潜像を現像するトナーと、トナーをキャリア液中に分散させる分散剤とを主要成分としている。
【0022】
現像槽11内の現像液Wに接触するように、供給ローラー12が設けられる。供給ローラー12が矢印AR12方向に回転することによって、現像液Wは供給ローラー12の表面に汲み上げられる。現像液Wは、供給ローラー12の表面上に担持されるとともに、供給ローラー12の回転によって、供給ローラー12と受け渡しローラー14とが相互に対向している部分に向かって搬送される。
【0023】
供給ローラー12の表面上の現像液Wは、ドクターブレード13によって余剰の分量が掻き落とされた状態で、供給ローラー12から受け渡しローラー14に受け渡される。現像液Wは、受け渡しローラー14の表面上に担持されるとともに、受け渡しローラー14が矢印AR14方向に回転することによって、受け渡しローラー14と現像ローラー16とが相互に対向している部分に向かって搬送される。
【0024】
その後、受け渡しローラー14の表面上の現像液Wは、受け渡しローラー14から矢印AR16方向にカウンター回転している現像ローラー16に受け渡される。現像液Wは、現像ローラー16の表面上に担持されるとともに、現像ローラー16の回転によって現像位置24に向かって搬送される。なお、受け渡しローラー14の表面に残留した現像液Wは、クリーニングブレード15によって受け渡しローラー14の表面から除去される。
【0025】
以上のような工程を経て、現像ローラー16の表面上には膜厚が長手方向において均一になるように調整された現像液Wが担持される。現像液Wは、現像ローラー16の表面上において薄層を形成する。薄層を形成した現像液W中のトナー粒子は、帯電器18(帯電量制御手段)によってたとえば正極性に帯電される。詳細な動作は後述されるが、現像ローラー16には、現像バイアス電源装置70および制御装置71が接続される。
【0026】
現像ローラー16に接触するように、像担持体であるドラム状の感光体21が設けられる。感光体21としては、たとえば正帯電性を有するアモルファスシリコン製の感光体が用いられる。感光体21は、矢印AR21方向に回転する。感光体21の周辺には、感光体21の回転方向(矢印AR21方向)に沿って、帯電器22、露光装置23、上述の現像ローラー16(現像位置24)、濃度検出手段25、中間転写ローラー26(1次転写部30)、クリーニングブレード28、および除電器29(イレーサーランプ)が順に配置される。
【0027】
感光体21の表面は、帯電器22によって所定の表面電位V0に一様に帯電される。その後、露光装置23により感光体21の表面は所定の画像情報に基づいて露光される。感光体21の表面には、静電潜像が形成される。本実施の形態においては、静電潜像の電位を画像部電位Viとして以下説明する。
【0028】
詳細は後述されるが、本実施の形態における露光装置23は、通常の画像情報に基づいて露光量、露光範囲、および露光のタイミング等が制御されることに加えて、パッチ画像を形成するために必要な露光量、露光範囲、および露光のタイミング等の各値によっても制御される。露光装置23がこのように制御されることによって、感光体21の表面には、パッチ画像(詳細は後述する)に対応する静電潜像が形成される。
【0029】
同様に詳細は後述されるが、濃度検出手段25は、像形性手段(像形成手段10)によって感光体21の表面上に形成されたパッチ画像としてのトナー像の画像濃度を検出する。本実施の形態における像形性手段10は、トナー像(およびパッチ画像)を感光体21上に形成するものとして、現像ローラー16、帯電器18、露光装置23、および現像バイアス電源装置70などを含む。
【0030】
一方で、現像バイアス電源装置70によって現像ローラー16には所定の現像バイアスが印加され、現像ローラー16と感光体21との間に形成された現像電位差によって、現像ローラー16と感光体21との間には電界が形成される。感光体21上の現像位置24にまで静電潜像が搬送された際、現像ローラー16に担持される現像液W中のトナー粒子は、現像バイアス電源装置70によって形成された電界の作用により、現像ローラー16の表面から感光体21の表面に静電移動する。この際、トナー粒子だけでなく、キャリア液も感光体21の表面に付着する。感光体21の表面に形成されていた静電潜像は、トナー像(または後述するパッチ画像)として顕像化される。
【0031】
この際、現像ローラー16に印加される現像バイアスは、後述する設定シーケンスS1(図2参照)によって最適な値に一意に決定されてその状態が保持されているか、若しくは、後述する濃度検出手段25による濃度検知の結果を受けて制御装置71によって適切な値となるように制御される。
【0032】
感光体21は、表面に形成されたトナー像を担持しつつ、トナー像を1次転写部30に向かって移動させる。現像ローラー16から感光体21に転移せずに現像ローラー16上に残留した現像液Wは、クリーニングブレード17によって現像ローラー16の表面から掻き取られた後、回収される。
【0033】
上述のとおり、中間転写ローラー26は、感光体21に対向するように配置される。中間転写ローラー26は、矢印AR26方向に回転する。感光体21と中間転写ローラー26との間に、1次転写部30が形成される。中間転写ローラー26と感光体21との間には、所定の転写バイアスが印加されることによって、電界が形成される。
【0034】
感光体21に担持され1次転写部30に搬送されたトナー像は、電界の作用によって、感光体21の表面から中間転写ローラー26の表面に1次転写される。1次転写されずに感光体21の表面上に残留したトナーおよび感光体21の表面上の汚れ等は、クリーニングブレード28によって感光体21の表面から掻き取られ、回収される。感光体21の表面に残留している電荷は、除電器29により除去される。
【0035】
中間転写ローラー26と転写ローラー31との間には、2次転写部40が形成される。矢印AR26方向に回転する中間転写ローラー26および矢印AR31方向に回転する転写ローラー31によって、記録用紙50は、搬送方向AR50に沿って2次転写部40を通過する。
【0036】
1次転写部30において感光体21の表面から中間転写ローラー26の表面にトナー像が1次転写された後、中間転写ローラー26は、表面に転写されたトナー像(または後述するパッチ画像)を担持しつつ、トナー像を2次転写部40に向かってさらに移動させる。中間転写ローラー26と記録用紙50との間には、所定の転写バイアスが印加されることによって、電界が形成される。
【0037】
中間転写ローラー26に担持され2次転写部40に搬送されたトナー像は、電界の作用によって、中間転写ローラー26の表面から記録用紙50の表面に2次転写される。2次転写されずに中間転写ローラー26の表面上に残留したトナーおよび中間転写ローラー26の表面上の汚れ等は、クリーニングブレード27によって中間転写ローラー26の表面から掻き取られ、回収される。
【0038】
記録用紙50は、2次転写された後、定着装置(図示せず)内に送られる。記録用紙50に転写されたトナー像の中のトナー粒子は、定着装置によって加熱および加圧される。記録用紙50に転写されたトナー像は、この加熱および加圧によって、記録用紙50の表面に定着される。その後、記録用紙50は排紙装置(図示せず)を通して外部に排出される。以上のようにして、湿式画像形成装置100における通常の画像形成動作が完了する。なお、上記構成に関し、現像ローラー16および中間転写ローラー26は、本実施の形態においてはローラー状に構成されるが、ベルト状に構成されてもよい。
【0039】
(トナー帯電量の設定シーケンスS1)
湿式画像形成装置100においては、記録用紙50上に通常の画像が形成された際に、粒状ムラが発生したりこれに起因する画像濃度の低下が発生したりすることを抑制するために、以下に説明するトナー帯電量の設定シーケンスS1(図2参照)が実施される。トナー帯電量の設定シーケンスS1においては、現像液Wに含まれるトナーの帯電量が、所定の値に設定される。
【0040】
トナー帯電量の設定シーケンスS1は、たとえば、湿式画像形成装置100の電源が投入された直後、湿式画像形成装置100によって所定の枚数の画像が形成された後、およびまたは、湿式画像形成装置100によって画像が形成されてから所定の時間が経過した後に実施される。
【0041】
トナー帯電量の設定シーケンスS1が実施されるタイミングは、湿式画像形成装置100内のたとえば主制御部(図示せず)に接続されたメモリー(図示せず)内に記憶される。所定の条件が満足されたことを主制御部が判断し、主制御部は、湿式画像形成装置100を構成する各機器に対してトナー帯電量の設定シーケンスS1を実施するための信号を送出する。
【0042】
図1および図2を参照して、トナー帯電量の設定シーケンスが実施される際、まず、露光装置23に接続された制御部(図示せず)が、感光体21上に複数のパッチ画像を形成するために必要な露光量、露光範囲、および露光のタイミング等に関する情報を、この制御に接続されたメモリー(図示せず)から読み出す。当該情報に基づいて制御部によって制御された露光装置23は、感光体21上に、たとえば中間調(ハーフ)の濃度を有する複数のパッチ画像に対応する複数の静電潜像を順次形成する。
【0043】
複数の静電潜像は、現像位置24に搬送される。現像バイアス電源装置70によって印加された現像バイアスによって、複数の静電潜像は、現像位置24において顕像化される。感光体21の表面には、現像位置24よりも下流側であって1次転写部30よりも上流側の部分において、複数のパッチ画像が形成される。
【0044】
ここで、図3は、現像ローラー16と感光体21との間に形成された現像電位差に対する感光体21へのトナーの付着量の変化を示す図である。たとえば、現像バイアスVbの増加により現像電位差ΔVをV1からV2にまで増加させると、それに伴って発生電界の強さも増加することから、現像ローラー16から感光体21へのトナー付着量もT1からT2に上昇する。
【0045】
現像ローラー16から感光体21へのトナー付着量は、現像電位差ΔVがV2に到達した時点でほぼ飽和し、V3によって示される現像電位差ΔV以上の範囲(変曲点P1以降の範囲RB)では、トナーの付着量がT3で飽和する。この範囲RBで形成したトナー像の画像濃度は、現像バイアスVb、帯電バイアス、露光エネルギーなどの画像形成条件が多少変動しても、殆ど変化しないこととなる。
【0046】
ここで、「トナー付着量がほぼ飽和する」とは、現像電位差ΔVが変動しても静電潜像の顕像化に寄与するトナー量が殆ど変化しないことを意味しており、現像ローラー16上の現像液W中に含まれる全てのトナーが感光体21上に付着する場合が含まれるのは勿論、図3中の範囲RAに示されるように、感光体21や各種ローラーの特性変化によって現像電位差ΔVが変化しても現像ローラー16上の現像液Wの所定比率(例えば90%や95%)のトナーが感光体21に付着する状態で殆ど変化しないような場合も含まれる。
【0047】
図1および図2を再び参照して、感光体21上に形成された複数のパッチ画像は、感光体21の回転によって濃度検出手段25と感光体21とが相互に対向する部分に向かって移動する。複数のパッチ画像が濃度検出手段25の検出範囲を順次通過する際、濃度検出手段25は、複数のパッチ画像の各々の画像濃度を検出する。濃度検出手段25は、画像濃度が飽和しているパッチ画像が検出された際のそのパッチ画像中に含まれるトナーのトナー量を飽和トナー量として検出する(シーケンスST1)。ここで、トナーの帯電量としては、現像バイアスが所定の値に保持された状態において現像トナー量が飽和値となるよう、予め低めに設定されている。パッチ画像の画像濃度が飽和しない状況であれば、トナーの帯電量を徐々に低い値に離散的または連続的に変更しつつ、パッチ画像の画像濃度が飽和するようにするとよい。
【0048】
図4に示すように、濃度検出手段25は、パッチ画像の画像濃度を検出するために、発光部と受光部とを有する光学センサーから構成されるとよい。濃度検出手段25から照射されたレーザー光25Lは、パッチ画像N1〜N3に反射して、濃度検出手段25はその反射光を検出する。濃度検出手段25は、反射光の強度などに基づいて、パッチ画像の画像濃度を検出することができる。図4においては発光部と受光部とが一体的に構成されるように図示されるが、これらは別体として構成されてもよい。
【0049】
上述の場合においては濃度検出手段25は感光体21と対向するように配置され、濃度検出手段25は感光体21上のパッチ画像の画像濃度を検出するが、濃度検出手段25は中間転写ローラー26上に感光体21から転写されたパッチ画像の画像濃度を検出してもよい。
【0050】
図5を参照して、この場合、中間転写ローラー26は全部または一部が透明の部材から構成されてもよい。レーザー光25Lが濃度検出手段25からパッチ画像N1〜N3の各々に向かって照射され、パッチ画像N1〜N3の各々を挟んで発光部とは反対側に配置された受光部25Aは、パッチ画像N1〜N3を透過した透過光を検出する。濃度検出手段25は、透過光の強度などに基づいて、パッチ画像の画像濃度を検出することができる。
【0051】
図6を参照して、濃度検出手段25は、中間転写ローラー26から記録用紙50(被転写部材)上に転写されたパッチ画像の画像濃度を検出してもよい。この場合、図6に示すように、濃度検出手段25は2次転写部40よりも下流に位置する記録用紙50の記録面に対向配置される。濃度検出手段25は、記録媒体50からの反射光の強度などに基づいて、パッチ画像の画像濃度を検出することができる。
【0052】
図2を再び参照して、濃度検出手段25が、画像濃度が飽和しているトナーのトナー量を検出した後、パッチ画像を形成している現像液W中のトナーが所望のトナー濃度からずれているような場合は、その時点で必要に応じてトナー量が制御される(シーケンスST2,ST3)ように構成されるとよい。
【0053】
トナー量を制御するためには、現像ローラー16に受け渡される現像液Wの量は、供給ローラー12、および受け渡しローラー14の周速比に比例するため、供給ローラー12、受け渡しローラー14、および現像ローラー16の周速比を変化させることにより、トナー量は容易に調整されることができる。すなわち、供給ローラー12、受け渡しローラー14、および現像ローラー16の周速比を変化させることによって現像ローラー16上のトナー量を制御する場合、供給ローラー12および受け渡しローラー14がトナー量制御手段に相当する。供給ローラー12または受け渡しローラー14の一方を用いて現像ローラー16との周速比を変化させる場合、その一方がトナー量制御手段に相当する。
【0054】
ここで、図2および図7(A),(B)を参照して、初期値としてのトナー量が検出された後(シーケンスST1の後)、シーケンスST2,3によってトナー量が制御されることによって、パッチ画像を形成するために感光体21上に付着するトナーの付着量は、T10からT20に減少する。上述のとおり、現像特性の飽和値に達した場合のトナーの付着量は、上述した供給ローラー12から現像ローラー16に至るまでの薄層形成過程において、現像ローラー16上に形成された薄層(現像液W)中のトナー量によって一意に決定されている。
【0055】
したがって、トナー量が制御されることによって、付着量がT10である場合には現像電位差ΔVがV10の際に変曲点P10を有していた現像特性L10が、付着量がT20である場合には現像電位差ΔVがV10の際に変曲点P20を有する現像特性L20へと変化することとなる。なお、本実施の形態においては、現像バイアスが所定の値に保持されていることによって、現像電位差ΔVはV30の値で一定(固定値)とされる。付着量がT10である現像特性L10において、現像電位差ΔVがV30の際には、点P11に示されるようにトナーの付着量としては飽和している。
【0056】
次に、図2に示すシーケンスST4,ST5のように、パッチ画像を形成するトナーの帯電量が、現像ローラー16に対向配置された帯電器18によって制御される。帯電器18が現像ローラー16上のトナーの帯電量を順次変化させつつ(大きくさせつつ)、像形性手段10(現像ローラー16等)によって、感光体21上には複数のパッチ画像が形成される。トナーの帯電量が順次大きくなるように変化される場合、複数のパッチ画像の各々が有する現像特性としては、たとえば図7(A)の現像特性L20に示すような現像特性から、たとえば図7(A)の現像特性L30に示すような現像特性に徐々に近づくものとなる。
【0057】
トナーの帯電量がさらに大きくなるように変化された場合、その際のパッチ画像としては、たとえば図7(A)の現像特性L40に示すような現像特性を有することとなる。現像特性L40を有するパッチ画像の形成のために設定されたトナーの帯電量は、現像特性L30を有するパッチ画像の形成のために設定されたトナーの帯電量よりも大きい。現像特性L40を有するパッチ画像としては、現像電位差V30による電界の作用の下では、トナー付着量T40を持って感光体21上に現像されたものとなる。トナー付着量T40は、トナー付着量T20よりも低い値である。ここでは、トナー付着量T40は、パッチ画像の画像濃度(トナー付着量)としてはほぼ飽和しているものとする。
【0058】
すなわち、濃度検出手段25が、感光体21(または中間転写ローラー26若しくは記録用紙50)上に形成された複数のパッチ画像の各々の画像濃度を検出することによって、現像バイアスが所定の値(本実施の形態においては、図7(A)中の現像電位差V30)に設定された状態で、パッチ画像の画像濃度(トナー付着量)が略飽和するトナーの帯電量の範囲(本実施の形態においては、パッチ画像が図7(A)中の現像特性L30を有する際のトナーの帯電量の値から、パッチ画像が図7(A)中の現像特性L40を有する際のトナーの帯電量の値までの範囲)が検出される。
【0059】
上述のとおり、ここでいう「パッチ画像の画像濃度(トナー付着量)がほぼ飽和する」とは、現像電位差ΔVが変動しても静電潜像の顕像化に寄与するトナー量が殆ど変化しないことを意味しており、現像ローラー16上の現像液W中に含まれる全てのトナーが感光体21上に付着する場合が含まれるのは勿論、図3中の範囲RAに示されるように、感光体21や各種ローラーの特性変化によって現像電位差ΔVが変化しても現像ローラー16上の現像液Wの所定比率(例えば90%や95%)のトナーが感光体21に付着する状態で殆ど変化しないような場合も含まれる。
【0060】
トナーの帯電量を順次変化させる(大きくさせる)ことによってパッチ画像の画像濃度(トナー付着量)が略飽和するトナーの帯電量の範囲(本実施の形態においては、パッチ画像が図7(A)中の現像特性L30を有する際のトナーの帯電量の値から、パッチ画像が図7(A)中の現像特性L40を有する際のトナーの帯電量の値までの範囲)が検出された後、湿式画像形成装置100としては、通常の画像形成時に用いられるトナーの帯電量を、パッチ画像の画像濃度が略飽和するトナーの帯電量の範囲以上となるように設定する。
【0061】
すなわち、トナーの帯電量を大きくしていくと、現像電位差ΔVに対する現像効率の傾きは穏やかになり、現像特性L20は、現像特性L30、および現像特性L40へと順次変化することとなる。これは、感光体21の表面上の静電潜像が形成された部分に対して現像バイアスVbと同極性に帯電したトナーが付着することにより、潜像電位を埋める(キャンセルする)ことによるものである。
【0062】
上述のとおり、通常の画像形成時の画像の濃度を安定させるためには、現像ローラー16上に供給されたトナーを全て現像すること(完全現像を行なうこと)が望ましいが、一方で、完全現像させるために現像電位差ΔVを大きくしすぎると、粒状ムラが発生して画像ノイズが発生する原因となる。
【0063】
また、中間調(ハーフ)等の濃度を有する静電潜像を精度良く現像することを考えた場合、この現像特性の傾きは寝ている方が好ましい(変化率が小さい方が好ましい)。すなわち、図7(B)に示すように、現像バイアスVbと画像部電位Viとの幅Hはできるだけ大きい方がよい。なぜならば、現像電位差ΔVが多少変動した場合でも、現像効率が寝ていれば(変化率が小さければ)、現像電位差ΔVの変動による影響が少なくなるからである。
【0064】
また、画像部以外の領域にトナーが付着してしまうこと(いわゆるカブリ現象)を防ぐために、被画像部にはカブリマージンM1(感光体の表面電位V0と画像部電位Viとの差)と呼ばれる、トナーの帯電と同極性の電位差が設定される。感光体21の特性より、感光体21の表面電位V0および現像バイアスVbの最大値は一意に決定され、トナーの帯電量を大きくしすぎると、感光体21の限界能力を超えて感光体21の表面において放電が開始されてしまい、100%現像することが不可能となる。
【0065】
以上のことを総合的に勘案して、本実施の形態における湿式画像形成装置100は、トナーの帯電量を制御することによって、付着量がT20である場合には現像電位差ΔVがV10の際に変曲点P20を有していた現像特性L20を、付着量がT20である場合には現像電位差ΔVがV30(本実施の形態において設定された現像バイアスの値)の際に変曲点P30を有する現像特性L30へと変化させるとともに、さらに、現像電位差ΔVがV30の際にほぼ飽和したトナー付着量T40を有する現像特性L40へと変化させる。これにより、パッチ画像の画像濃度(トナー付着量)が略飽和するトナーの帯電量の範囲が検出される。ここで、現像特性L40は、現像電位差ΔVがV30である場合におけるトナーの付着量が略飽和する範囲の臨界点である。
【0066】
そして、通常の画像形成時に用いられるトナーの帯電量を、パッチ画像の画像濃度が略飽和するトナーの帯電量の範囲以上となるように設定する。パッチ画像の画像濃度が略飽和するトナーの帯電量の範囲の下限としては、変曲点P30を有する現像特性L30が形成される際のトナーの帯電量である。好ましくは、パッチ画像の画像濃度が略飽和するトナーの帯電量の範囲の上限としては、現像電位差ΔVがV30の際にほぼ飽和したトナー付着量T40を有する現像特性L40が形成される際のトナーの帯電量として設定されるとよい。上述のとおり、現像特性L40は、現像電位差ΔVがV30である場合におけるトナーの付着量が略飽和する範囲の臨界点である。
【0067】
トナーの帯電量を制御するためには、現像ローラー16への流れ込み電流を順に離散的(または連続的)に変化させつつ、パッチ画像を形成することが挙げられる。濃度検出手段25が検出するパッチ画像の画像濃度の情報が、像形成手段10にフィードバックされる。また、トナーの帯電量を制御するためには、トナー層の電位を直接測定し、その結果によって帯電器18の出力を制御しても良い。
【0068】
図8を参照して、トナーの帯電量が低い場合(帯電量<C1)、設定された現像バイアスVbにおいて、現像効率は濃度Q1で飽和しており、パッチ画像の画像濃度は変化しない。トナーの帯電量を高めることにより、現像特性の傾きは現像電位差ΔVに対して穏やかとなり、ある点で飽和濃度より濃度の低いパッチ画像が現れる(言い換えれば、現像特性の変曲点Pが検出される)。この点付近(たとえば飽和している際の濃度Q1に対して、Q2=Q1×95%〜Q3=Q1×90%の範囲に対応する帯電量C2〜C3)をトナーの設定帯電量とすることにより、前述したような粒状ムラの発生なく、安定して良質なトナー像を得るための現像特性が得られることとなる。
【0069】
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態の湿式画像形成装置100においては、トナーの帯電量が、上述の設定シーケンスST1〜ST5を経て設定される。過剰な電圧を印加することによる粒状ムラの発生を抑制することが出来、また画像濃度が安定する現像条件において画像形成を行うことが可能となる。また、印刷途中の画像濃度を検知する際において、設定トナー量と実際のトナー量とがずれているようなことが生じた場合には、再度、上述の設定シーケンスST1〜ST5を経てトナーの帯電量が設定されるとよい。
【0070】
[変形例]
図9に示すトナー帯電量の設定シーケンスS2ように、中間調(ハーフ)の濃度を有する画像調整を行う場合、露光条件(露光量)を制御するとよい。この場合、先ず、上述の実施の形態と同様にトナー量を制御した後(シーケンスST1の後)、トナーの帯電量を調整して現像特性を調整する(シーケンスST2〜5)。
【0071】
その後、シーケンスST6,ST7に示すように、露光量を調整して、中間調におけるトナー像が目的の濃度になるように調整する。上述の飽和トナー量を制御する場合と同様に、印刷途中の画像濃度を検出する際において、中間調の設定トナー量と実際のトナー量とがずれているようなことが有れば、再度、上述の設定シーケンスST1〜ST5を経た上で、露光量が調整されるとよい。
【0072】
また、上述の実施の形態および変形例においては、現像電位差ΔVが種々の誤差により変動し、変曲点よりも高くなり、結果として粒状ムラが発生してしまうような場合を考慮して、現像電位差に適切なマージンをとっても良い。具体的には、前述の設定シーケンスS1,S2によって最適な現像特性に調整した後、制御装置71などを用いて現像特性の変曲点より低めに現像電位差を設定する。この時、最適な現像特性としては、傾きがシステム許容範囲において最大限に寝ている状態であるため、よりいっそう濃度ムラを抑えつつ、粒状ムラの発生を抑制することが可能となる。
【0073】
以上、本発明に基づいた実施の形態および変形例について説明したが、今回開示された実施の形態および変形例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0074】
12 供給ローラー、13 ドクターブレード、14 受け渡しローラー、15,17,27,28 クリーニングブレード、16 現像ローラー(現像液担持体)、18 帯電器(帯電量制御手段)、21 感光体、22 帯電器、23 露光装置、24 現像位置、25 濃度検出手段、25A 受光部、25L レーザー光、26 中間転写ローラー、29 除電器、30 1次転写部、31 転写ローラー、40 2次転写部、50 記録用紙、70 現像バイアス電源装置、71 制御装置、100 湿式画像形成装置、AR50 搬送方向、L10,L20,L30 現像特性、M1 カブリマージン、N1〜N3 パッチ画像、V0 表面電位、Vb 現像バイアス、Vi 画像部電位、W 現像液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被転写部材上に画像を形成するため、キャリア液中にトナーが分散された現像液を用いて像担持体上にトナー像を形成する湿式画像形成装置であって、
表面に担持した前記現像液を前記像担持体と対向する現像位置に搬送する現像液担持体を含み、前記現像液担持体に現像バイアスが印加されることによって、前記現像液担持体に担持される前記現像液中の前記トナーを前記像担持体に付着させるとともに、前記像担持体上の静電潜像を前記トナーにより顕像化して前記像担持体上に前記トナー像を形成する像形成手段と、
前記像形成手段により形成されたパッチ画像としての前記トナー像の画像濃度を検出する濃度検出手段と、
前記現像液担持体上の前記トナーの帯電量を制御する帯電量制御手段と、を備え、
前記現像液担持体に印加される前記現像バイアスが所定の値に保持された状態で、前記帯電量制御手段が前記現像液担持体上の前記トナーの帯電量を順次変化させつつ前記像形成手段が複数の前記パッチ画像を形成し、
前記濃度検出手段が複数の前記パッチ画像の各々の前記画像濃度を検出することによって、前記現像バイアスが前記所定の値に設定された状態で前記パッチ画像の前記画像濃度が略飽和する前記トナーの帯電量の範囲が検出され、
前記被転写部材上に前記画像を形成する通常の画像形成が行なわれる際の前記トナーの帯電量は、前記パッチ画像の前記画像濃度が略飽和する前記トナーの帯電量の前記範囲以上となるように設定される、
湿式画像形成装置。
【請求項2】
前記現像液担持体上のトナー量を制御するトナー量制御手段をさらに備え、
前記トナーの帯電量が前記範囲以上となるように設定される際には、
前記パッチ画像の前記画像濃度が飽和するように前記トナーの帯電量が仮の値に設定された状態で前記トナー量の初期値が検出され、
前記トナー量制御手段は、前記現像バイアスが前記所定の値に設定された状態で前記パッチ画像の前記画像濃度が略飽和するように、前記現像液担持体上の前記トナー量を前記初期値から調整する、
請求項1に記載の湿式画像形成装置。
【請求項3】
前記トナーの帯電量および前記トナー量が設定された後、前記濃度検出手段は、前記像形成手段により形成された中間調濃度を有する前記パッチ画像の前記画像濃度を検出し、
前記濃度検出手段が検出した前記中間調濃度を有する前記パッチ画像の前記画像濃度に応じて前記像担持体における露光条件が調整されることによって、前記通常の画像形成が行なわれる際の中間調の前記トナー像の前記画像濃度が所望の値となるように設定される、
請求項2に記載の湿式画像形成装置。
【請求項4】
前記濃度検出手段は、前記パッチ画像に光を照射し、前記パッチ画像からの反射光を検出することによって前記パッチ画像の前記画像濃度を検出する、
請求項1〜3のいずれかに記載の湿式画像形成装置。
【請求項5】
前記濃度検出手段は、前記パッチ画像に光を照射し、前記パッチ画像を透過した透過光を検出することによって前記パッチ画像の前記画像濃度を検出する、
請求項1〜3のいずれかに記載の湿式画像形成装置。
【請求項6】
前記濃度検出手段は、前記像担持体上に形成された前記パッチ画像の前記画像濃度を検出する、
請求項1から4のいずれかに記載の湿式画像形成装置。
【請求項7】
前記濃度検出手段は、前記被転写部材上に形成された前記パッチ画像の前記画像濃度を検出する、
請求項1から4のいずれかに記載の湿式画像形成装置。
【請求項8】
前記像担持体と前記前記被転写部材との間には中間転写ローラーが配置され、
前記濃度検出手段は、前記中間転写ローラー上に形成された前記パッチ画像の前記画像濃度を検出する、
請求項1から5のいずれかに記載の湿式画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−92602(P2013−92602A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233726(P2011−233726)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】