説明

湿式石膏硬化促進剤、ならびにこれに関する方法、組成物及び製品

中央粒度が約0.5ミクロン〜約2ミクロンであり、硫酸カルシウム二水和物を含む粉砕品と、水と、(i)有機ホスホン酸化合物、(ii)ホスフェート含有化合物、又は(iii)(i)と(ii)の混合物からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤とを含む湿式石膏硬化促進剤が開示される。湿式石膏硬化促進剤を調製する方法、仮焼石膏を水和することによって硬化石膏のインターロッキングマトリックス、硬化石膏含有組成物及び硬化石膏含有製品を形成する方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、広く、石膏組成物に関する。より詳細には、本発明は、仮焼石膏の硫酸カルシウム二水和物への水和を促進するための湿式石膏硬化促進剤、ならびにこれに関する方法、組成物及び製品に関する。
【0002】
(発明の背景)
硫酸カルシウム二水和物を含む硬化石膏は、通常多様な種類の製品中に含まれているよく知られた材料である。例として、硬化石膏は、通常のプラスターを使用して創生される最終製品、例えば、プラスターで表面塗装した建築物内壁、ならびに建築物の内装壁及び天井の通常の乾式壁構造で用いる石膏ボードの主成分である。加えて、硬化石膏は、石膏/セルロース繊維複合ボード及び製品の主成分であり、石膏ボードの端部間の接合部を充填し、平滑にする製品にも含まれている。
【0003】
通常、こうした石膏含有製品は、仮焼石膏、つまり硫酸カルシウム半水和物及び/又は硫酸カルシウム無水物と水、及び所望により他の成分との混合物を形成することによって調製される。該混合物は、通常、所定の形状に、又は基材の表面上に流延される。仮焼石膏は、水と反応することによって結晶性の水和石膏、すなわち硫酸カルシウム二水和物のマトリックスを形成する。これは、仮焼石膏の所望の水和であり、この水和によって硬化石膏のインターロッキングマトリックスの形成が可能になり、それによって石膏含有製品中の石膏構造に強度が賦与される。一般に、水和速度及び転換割合百分率が、石膏含有製品の最終強度及び生産速度に影響を与えることになろう。穏やかな加熱を使用することによって未反応水を追い出し、乾燥製品を得ることができる。
【0004】
作製される石膏含有製品の種類に拘らず、硬化促進剤を、仮焼石膏及び水を含む混合物中に通常含ませることによって水和の効率が増進し、硬化時間が制御され、製造速度が最大になる。通常、硬化促進剤材料は、一般に「石膏種」と呼称される乾燥微粉砕硫酸カルシウム二水和物を含む。石膏種によって硬化石膏結晶の核生成が増進され、そのために結晶速度が増加する。当技術分野において知られているように、通常の石膏種硬化促進剤材料は、通常の条件下でも時間の経過とともに徐々にその効果を失う。この点において、粉砕中でも硬化促進剤の効果が一部失われ、石膏種は、取扱い中又は保管中に時間とともに効力を失う。通常の硬化促進剤材料での硬化促進効果の喪失は、硬化促進剤を熱及び/又は水分に曝露した場合に加速される。
【0005】
石膏種の効果が時間とともに失われることを防止するために、特に熱及び/又は水分の条件下では、硫酸カルシウム二水和物硬化促進剤材料を、例えば、スクロース、デキストロースなどを含めたショ糖、デンプン、ホウ酸、又は長鎖脂肪酸、及びそれらの塩など、多数の周知の任意の被覆剤で被覆することが普通である。硬化促進剤は例えば水分と接触すると効果が失われるので、通常の耐熱性硬化促進剤材料は、粉砕と供給の両方が乾燥形態で行われる。というのは、硬化促進剤粒子は望ましくない凝集をするから及び/又は石膏と被覆剤はともにその性質上しばしば吸湿性であり、それ故水分を吸収するからである。
【0006】
湿式石膏硬化促進剤(wet gypsum accelerator)は、本願の譲受人に譲渡された米国特許第6409825号において開示された。しかし、優れた特性を備えた湿式石膏硬化促進剤に対する必要性、ならびにそうした硬化促進剤を製造するための新規な技法及びシステムに対する必要性が依然存在している。
【0007】
(発明の簡単な概要)
本発明は、湿式石膏硬化促進剤、湿式石膏硬化促進剤を調製する方法、仮焼石膏を水和することによって硬化石膏のインターロッキングマトリックスを形成する方法、硬化石膏含有組成物、及び硬化石膏含有製品を提供する。
【0008】
本発明の湿式石膏硬化促進剤は、中央粒度(median particle size)が約0.5ミクロン〜約2ミクロンである粉砕品を含み、該粉砕品は、硫酸カルシウム二水和物を含む。湿式石膏硬化促進剤は、水、ならびに、(i)有機ホスホン酸化合物及び(ii)ホスフェート含有化合物から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む。(i)及び(ii)の混合物も使用し得る。湿式石膏硬化促進剤は、湿式粉砕を介して調製される。水、添加剤及び石膏を任意の順序で合わせることによって混合物を形成するが、所望ならば他の任意選択の成分をも加える。水と合わせる場合、石膏は、硫酸カルシウム二水和物の形態でよく、あるいは、石膏の少なくとも一部は、仮焼石膏、つまり硫酸カルシウム半水和物及び/又は硫酸カルシウム無水物の形態でもよい。仮焼石膏は、水の存在下で少なくとも部分的に硫酸カルシウム二水和物に転換される。石膏の湿式粉砕における過剰水は、粉砕を促進するのに望ましい。粉砕を開始するとき、石膏は硫酸カルシウム二水和物の形態であることが好ましいが、仮焼石膏をすべて硫酸カルシウム二水和物に転換する前に、粉砕を開始してもよい。硫酸カルシウム二水和物を添加剤(複数可)の存在下で湿式粉砕することによって湿式石膏硬化促進剤を形成する。
【0009】
本発明による湿式石膏硬化促進剤は、硬化石膏含有組成物を調製するために、及び硬化石膏含有組成物を含む製品のために有用である。詳細には、本発明の湿式石膏硬化促進剤を任意の順序において水及び仮焼石膏と合わせることによって水性混合物を形成することができ、該混合物中で仮焼石膏が水和することによって硬化石膏のインターロッキングマトリックスが形成される。仮焼石膏は、最初に水と混合され、次いで湿式石膏硬化促進剤と混合されるのが好ましい。
【0010】
本発明によれば、湿式石膏硬化促進剤は、粉砕品を含む。粉砕品は、硫酸カルシウム二水和物を含む。粉砕品の中央粒度は、約0.5ミクロン〜約2ミクロンである。上記の湿式石膏硬化促進剤は、仮焼石膏の水和速度を増加させて硬化石膏のインターロッキングマトリックスを形成することによって硬化石膏含有組成物及び製品を作製する効率を改良することが判明した。この改良は、50%水和時間によって測定し得る。本発明は、限定されないが、天井材料、壁ボードなどのボード、プラスター、結合用コンパウンド、床材料、スペシャリティー材料などの、仮焼石膏から形成される多様な任意の硬化石膏含有製品の製造において有用である。
【0011】
本発明の湿式石膏硬化促進剤は、湿式石膏硬化促進剤を水性仮焼石膏混合物に添加することによって当技術分野で周知の多様な任意の方法により調製される硬化石膏製品の調製において使用し得る。水性石膏混合物に湿式石膏硬化促進剤を導入する適切な一方法は、平行して出願され、共同所有の米国特許出願「METHODS OF AND SYSTEMS FOR ADDING A HIGH VISCOSITY GYPSUM ADDITIVE TO A POST−MIXER AQUEOUS DISPERSION OF CALCINED GYPSUM」(代理人参照番号第234910号)において記載されている。
【0012】
有利には、本発明の湿式石膏硬化促進剤は、非常な長寿命を示し、長期間その有効性を維持するので、作製し、使用前に、保管し、長距離輸送することもできる。その特別な性質のために、湿式石膏硬化促進剤は、高耐熱性及び/又は耐水性の材料であると見なされるので、それらに曝露してもその有効性のすべて又は大部分を維持する。好ましい実施形態では、本発明は、製造コストをも低減する。というのは、添加剤は、好ましくは、比較的少量で提供され、漆喰スラリーの水と漆喰(stucco)の比は、湿式石膏硬化促進剤が使用される場合、乾式石膏硬化促進剤に比較して低減するからである。湿式石膏硬化促進剤は、長期間にわたり、高湿度に曝露してもその高い有効性を維持するので、炭酸カリウムや硫酸アルミニウムなどの第2の硬化促進剤材料を一般に必要としないが、その場合、本発明によって製造費はさらに低減されることになる。それでも、所望であれば第2の硬化促進剤材料を使用し得る。硬化促進剤を、仮焼石膏、及び限定されないが、石膏−セルロース繊維壁ボードなどのある種の硬化石膏含有製品を作製する際に使用する他の成分と湿式で混合することが可能であることによって、本発明は、製造の容易さ及び効率をも増進する。
【0013】
石膏ボード及び繊維パネルを製造するための湿式石膏硬化促進剤は、漆喰水和速度を改良し、漆喰の有効性を改良し、製造コストを低減するために有用である。漆喰の有効性は、転換速度によって測定し得る。
【0014】
本発明のこうした利点及び他の利点、ならびにその他の発明の特徴は、本発明の説明から明らかとなろう。本発明は、好ましい実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解され得る。
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明は、粉砕品を含む湿式石膏硬化促進剤を提供する。粉砕品は、多様な添加剤の存在において硫酸カルシウムという物質を湿式粉砕した製品である。こうした添加剤は、有機ホスホン酸化合物、ホスフェート含有化合物、及び有機ホスホン酸化合物とホスフェート含有化合物の混合物から選択される添加剤を含む。粉砕品の中央粒度の範囲は、約0.5ミクロン〜約2ミクロンであり、粉砕品は、少なくとも硫酸カルシウム二水和物及び水を含み、1つ又は複数の添加剤化合物を、粉砕中を含めてさらに含んでもよい。1種を超える各種の添加剤を本発明の実施において使用し得る。粉砕品の中央粒度は、漆喰の水和の硬化促進効率を犠牲にすることなく連続又はバッチ製造プロセスにおいて利用するのに必要なワーカビリティーを有する石膏湿式スラリーにとって重要である考えられる。
【0016】
発明の湿式石膏硬化促進剤は、中央粒度が約0.5ミクロン〜約2ミクロンである粉砕品を生成するのに十分な条件下で添加剤の存在において硫酸カルシウム二水和物を湿式粉砕することによって好ましくは調製される。一旦調製されると、本発明の湿式石膏硬化促進剤は、硬化石膏含有製品を製造する効率を増進するのに有用である。湿式石膏硬化促進剤を仮焼石膏及び水、ならびに所望の他の成分と合わせることによって混合物を形成し、該混合物を、硬化石膏含有製品を製造する際に所定の形状に、又は基材表面上に流延する。石膏の技術分野ではよく知られているように、仮焼石膏は、水の存在において水和することによって結晶性水和石膏を形成する。水和する仮焼石膏の量が十分存在する場合、硬化石膏のインターロッキングマトリックスが通常形成される。
【0017】
仮焼石膏及び水の混合物中に本発明の湿式石膏硬化促進剤を含ませると、仮焼石膏が水和して所望の硬化石膏含有製品の硫酸カルシウム二水和物になる速度、及びそうなるのに要する時間の予想性が増進する。本発明の湿式石膏硬化促進剤が、生成する硬化石膏インターロッキングマトリックスでの結晶化速度を増加させることによって核生成サイトを供給すると考えられる。本発明の湿式石膏硬化促進剤は、例えば、通常の石膏ボード、又はUSG Corporationから市販されているFIBEROCK(登録商標)複合パネルなどの石膏−セルロース繊維ボード、及び天井材料、床材料、結合用コンパウンド、プラスター、スペシャリティー製品などの、多様な任意の硬化石膏含有製品を作製するのに使用し得る。
【0018】
本発明による湿式石膏硬化促進剤は、顕著な長寿命を示すので、その効力のすべて又は大部分を長期間維持する。好ましくは、本発明の湿式石膏硬化促進剤は、その効力のすべて又は大部分を少なくとも数週間、より好ましくは少なくとも数ヶ月、例えば、3ヶ月、さらにより好ましくは少なくとも6ヶ月又はそれ以上維持する。その結果として、湿式石膏硬化促進剤は、調製され、次いで使用の前に、貯蔵及び/又は輸送することができ、輸送は長距離でもよい。本発明の湿式石膏硬化促進剤は、高温及び/又は高湿度に曝露されても有効性を持続することが好ましい。また、この発明の湿式石膏硬化促進剤は、高湿度に曝露されても長時間効力を維持するので、炭酸カリウムや硫酸アルミニウムなどの第2の硬化促進剤材料は、本発明の実施において必要としないが、所望なら、ある種の用途及び実施向けに第2の硬化促進剤材料を含ませることができる。本発明による湿式石膏硬化促進剤は、乾式又は湿式いずれかの原料供給システムによって調製される硬化石膏含有製品を作製する際に使用し得る。例えば、石膏ボードを製造するための乾式原料供給システム、及び石膏−セルロース繊維複合ボードを作製するための湿式原料供給システムがある。一部の実施形態では、湿式石膏硬化促進剤は、水の存在において製造されるが、一旦製造したら、硬化促進剤は、乾燥してもよい。
【0019】
本発明による湿式石膏硬化促進剤は、湿式粉砕によって調製される。粉砕プロセスにおいて利用される原料石膏材料は、任意の適切な初期中央粒度であればよい。一部の実施形態では、原料石膏材料の初期中央粒度は、50ミクロン以上である。一部の実施形態では、原料石膏材料は、天然石膏であり、初期中央粒度が約20ミクロン〜約30ミクロンである。一部の実施形態では、原料石膏材料は、合成石膏であり、初期中央粒度が約40ミクロン〜約100ミクロンである。本発明によれば、石膏、水及び少なくとも1種の添加剤を合わせることによって混合物を形成する。一部の実施形態では、湿式粉砕用の混合物を形成するのに使用される石膏は、硫酸カルシウム二水和物である。他の実施形態では、石膏は、水と合わせる場合、仮焼石膏の形態でもよい。仮焼石膏である場合、仮焼石膏は、一部の水と水和することによって硫酸カルシウム二水和物を形成すると考えられる。湿式粉砕を開始するとき、石膏が硫酸カルシウム二水和物の形態であることが好ましいが、この時点では、仮焼石膏のすべてが硫酸カルシウム二水和物に転換されていることが必要であるとは限らない。好ましくは仮焼石膏を水和するのに必要とする量を超える十分な水の量を混合物中に含ませることによって、硫酸カルシウム二水和物が形成された後の湿式粉砕ステップに適合させる。こうした場合、添加剤は、好ましくは大部分、より好ましくはすべての硫酸カルシウム二水和物が形成された後に添加することによって、添加剤の硫酸カルシウム二水和物への曝露が最大になる。
【0020】
水と合わせた、又は水中で仮焼石膏から形成された後の硫酸カルシウム二水和物は、添加剤成分の存在において湿式粉砕されることによって湿式石膏硬化促進剤を形成する。一般に、生成した粉砕品の中央粒度が小さいほど、硬化石膏含有組成物及び製品を作製する際の硬化促進効果が良好である。しかし、中央粒度が減少するにつれて、湿式石膏硬化促進剤スラリーの粘度が増加するので、該スラリーの取扱い及び加工が益々困難になる。高粘度のスラリーは、粉砕後、又は粉砕の次の経路で追加の水又は水溶液により希釈することによって取扱い及び加工をより容易にすることが可能である。したがって、硫酸カルシウム二水和物の粒度は、硬化石膏を効率的に生成するのに所望の大きさにすることができる。追加の希釈ステップを実施しない一部の実施形態では、十分大きい粒度を用いることによって、スラリーポンプ及び他の加工機械が、粉砕及び硬化石膏形成プロセスでスラリーを効率的に取り扱うことが可能になるのに十分な低さの粘度を有する湿式石膏硬化促進剤スラリーを製造し得る。他の実施形態では、小さい粒度を維持し、スラリーを使用する前に希釈する。
【0021】
硫酸カルシウム二水和物、水及び添加剤を含む混合物は、好ましくは、粉砕品の中央粒度が約0.5ミクロン〜約2ミクロンであるスラリーを提供するのに十分な条件下で粉砕される。好ましくは、粉砕品の中央粒度は、約1ミクロン〜約1.7ミクロンである。より好ましくは、粉砕品の中央粒度は、約1ミクロン〜約1.5ミクロンである。望ましくは、硫酸カルシウム二水和物粒子に対する粒度分布の標準偏差は、5ミクロン未満である。好ましくは、標準偏差は、3ミクロン未満である。湿式石膏硬化促進剤の粒度は、レーザー散乱分析及び/又は他の適切な技法を用いて測定し得る。適切なレーザー散乱装置は、Horiba、Microtrack及びMalvernから入手可能である。実施例の節に記載した測定にはHoribaの装置を用いた。
【0022】
あるいは、硫酸カルシウム二水和物、水及び添加剤を含む混合物は、望ましくは、室温〜約150°Fの範囲の温度で粘度が約1000cP以上の範囲であるスラリーを提供するのに十分な条件下で粉砕される。通常、湿式石膏硬化促進剤の粘度は、約1000cP〜約5000cPの範囲である。好ましくは、湿式石膏硬化促進剤の粘度は、約2000cP〜約4000cPの範囲である。より好ましくは、湿式石膏硬化促進剤の粘度は、約2500cP〜約3500cPの範囲である。一部の実施形態では、粘度範囲は、約2800cP〜約3200cPである。上記の粘度範囲は、粘度又はその測定値に対して顕著な効果を有することのある分散剤又は他の化学添加剤がない場合に測定された範囲である。
【0023】
粉砕プロセスの粉砕品は、形状が非常に不規則であり、非晶質であることが判明した。通常の湿式粉砕プロセスによって形成された硫酸カルシウム二水和物は、通常結晶性が高い。添加剤の存在における湿式粉砕では、明確な結晶性の石膏粒子を形成するための再結晶化が阻害される。したがって、粉砕品は、実質的に非晶質であり、これは、粉砕品がほとんど又はまったく明確な結晶形状を含まないことを意味する。通常、粉砕品の約60%以上が非晶質である。好ましくは、粉砕品の約75%以上が非晶質である。より好ましくは、粉砕品の約90%以上が非晶質である。
【0024】
粉砕品の表面積は、レーザー散乱分析によって水中で測定された場合、約20,000cm/g以上である。好ましくは、粉砕品の表面積は、約30,000cm/g以上、又は40,000cm/g以上である。一般に、粉砕品の表面積は、約100,000cm/g以下である。好ましい実施形態では、粉砕品の表面積は、約20,000cm/g〜約80,000cm/g、又は約40,000cm/g〜約80,000cm/gである。
【0025】
本発明によれば、硫酸カルシウム二水和物、水及び添加剤の混合物は、ミルアセンブリにおいて湿式粉砕される。第1番目に、硫酸カルシウム二水和物、水及び添加剤を任意の順序で合わせ、次いでミルアセンブリまでポンプ輸送する。ミルアセンブリは、任意の適切なミルアセンブリでよい。通常、ミルアセンブリは、ディスク及びスペーサーを備えたミルシャフトと、複数のビーズとを含む粉砕室を備える。ディスク及びスペーサーは、任意の適切な材料を含み、例えば、ディスク及びスペーサーは、ステンレス鋼、PREMALLOY(登録商標)、ナイロン、セラミック及びポリウレタンのうちの少なくとも1種を含む。ディスク及びスペーサーは、好ましくは、PREMALLOY(登録商標)を含む。粉砕室において使用するために選択されたディスクは、任意の適切な形状でよい。通常、ディスクは、標準の平板ディスク又はピンディスクであり、具体的には、ミル内の媒体の軸流を改良するように設計されたピンディスクである。ミルシャフト及び対応する粉砕室は、水平又は垂直方向でよい。好ましい実施形態では、ミルシャフトは、水平方向である。通常、粉砕室は、水冷ができるようにジャケットが備えてある。好ましくは、粉砕室は、水冷することによって粉砕温度を一定に維持する。
【0026】
ミルアセンブリは、任意の適切なビーズ、例えば、ボール及び/又は球を含んでよい。ビーズは、任意の適切な材料を含んでよい、例えば、ビーズは、1つ又は複数の金属、あるいは1つ又は複数のセラミックを含んでよい。適切な金属として、ステンレス鋼、炭素鋼、クロム合金鋼などが挙げられる。適切なセラミック材料として、ジルコニア、アルミナ、セリア、シリカ、ガラスなどが挙げられる。実験室での試験が示すように、硫酸カルシウム二水和物の硫酸基は、ミル内に腐食環境を生成する。したがって、耐食性であるビーズを使用することが好ましい。耐食性ビーズとして、ステンレス鋼ビーズ、又は耐食材料で被覆した鋼ビーズ、及びセラミックビーズが挙げられる。特に好ましい実施形態では、ビーズは、20%のセリアと80%のジルコニアを含むセリア安定化ジルコニア、例えば、Jyoti Ceramic Inds.,Nashik,Indiaから市販されているZIRCONOX(登録商標)ビーズを含む。
【0027】
ミルアセンブリとともに使用されるビーズは、任意の適切な大きさ及び密度でよい。通常、ビーズの大きさ及び密度は、硫酸カルシウム二水和物の大きさ、及びしたがって、粉砕プロセスによって生成する湿式石膏硬化促進剤の粘度を、少なくとも部分的に決定することになろう。中央粒度が約0.5ミクロン〜約2ミクロンである硫酸カルシウム二水和物を実現するために、平均ビーズ径が約0.5mm〜約3mmであるビーズを使用することが望ましい。好ましくは、ビーズの平均ビーズ径は、約1mm〜約2mmである。望ましくは、ビーズの密度は、約2.5g/cm以上である。好ましくは、ビーズの密度は、約4g/cm以上である。より好ましくは、ビーズの密度は、約6g/cm以上である。特に好ましい実施形態では、ビーズは、中央粒度が約1.2mm〜約1.7mmで、密度が約6.1g/cm以上であるZIRCONOX(登録商標)セラミックビーズである。望ましくは、ビーズは、ミルアセンブリ中に約70容積%以上の量において存在する。好ましくは、約70容積%〜約90容積%のビーズが、ミルアセンブリ中に存在する。より好ましくは、約75容積%〜約85容積%のビーズが、ミルアセンブリ中に存在する。
【0028】
本発明の湿式石膏硬化促進剤は、バッチ操作又は連続操作において製造し得る。壁ボードの用途向けの通常の湿式石膏硬化促進剤を製造するシステムでは、第1番目に、硫酸カルシウム二水和物、水及び添加剤を原料供給タンク内で混合する。一部の実施形態では、この混合は、約8分間実施される。混合時間は、部分的に、バッチの大きさ及び原料供給速度によって決まる。一部の実施形態では、自動供給システムを介して硫酸カルシウム二水和物をミルアセンブリに添加することが望ましい。次いで、供給ポンプによって、生成混合物を水冷ミルアセンブリまで運ぶ。混合物を、連続粉砕し、約10分間以上、閉回路再循環系内を再循環させる。実際の粉砕時間は、硫酸カルシウム二水和物粒子に対して所望の最終中央粒度及び/又は湿式石膏硬化促進剤スラリーに対して所望の粘度、ならびに硫酸カルシウム二水和物粒子を粉砕するのに使用する粉砕ビーズの大きさ及び密度によって、少なくとも部分的に決定される。通常、混合物は、約15分間〜約50分間粉砕される。好ましくは、混合物は、約20分間〜約40分間粉砕される。より好ましくは、混合物は、約25分間〜約35分間粉砕される。一旦所望の中央粒度が得られたら、混合物をミルアセンブリから排出する。一部の実施形態では、約0.5ミクロン〜約2ミクロンの中央粒度が得られる。バッチ操作では、混合物は、保留タンクに輸送される。バッチ操作を実施する場合、通常、混合物は、閉回路系を介して粉砕アセンブリ内を複数回通過して粉砕される。一部の実施形態では、約10〜15ガロン/分の流速で約4〜5回の通過が行われる。連続操作モードでは、混合物は、ボードミキサーに直接輸送される。連続操作を実施する場合、通常、混合物は、約2〜3ガロン/分の流速で1回の通過で粉砕される。
【0029】
本発明の湿式石膏硬化促進剤は、仮焼石膏混合物が硬化石膏に転換する速度を促進及び/又は制御するのに有効な量において、望ましくは仮焼石膏の水性混合物に添加される。通常、水和速度は、「50%水和時間」に基づいて評価される。より多量の硬化促進剤を使用することによって、50%水和時間を短縮し得る。石膏硬化促進剤は、核生成サイトを提供するので、より多数の二水和物結晶が形成され、より多数のより薄い石膏結晶が得られる。炭酸カリウム、硫酸アルミニウムなどの他の硬化促進剤は、存在している石膏結晶をより急速に成長させ、より数の少ないより太った結晶が生成する。多数のより薄い石膏結晶は、より数の少ないより太った結晶に比較して、より強いより良好なマトリックスを作製する。
【0030】
仮焼石膏の硬化石膏への水和は、発熱プロセスであるので、水和によって引き起こされる温度上昇を求め、次いで温度上昇をもたらすのに必要とする時間数を測定することによって50%水和時間を計算し得る。時間における中間点が、50%水和時間に対応することが判明したが、これは当業者には周知である。好ましくは、本発明による湿式石膏硬化促進剤では、仮焼石膏の50%水和時間は約8分間以下、より好ましくは6分間以下になる。さらにより好ましくは、本発明による湿式石膏硬化促進剤を使用すると、仮焼石膏の50%水和時間は約5分以下〜約4分以下になる。50%水和時間は、硬化促進剤の使用量、硫酸カルシウム半水和物及び水の使用量、スラリーの初期温度、混合中に使用される混合エネルギーなどの多数の異なる因子の影響を受け得る。水和を測定する場合、WGAの量や種類などの試験対象の変数を除く変数を固定した対照を使用し得る。この手順によって、多様な種類の一般の硬化促進剤、及び特定の種類のWGAを比較することができる。
【0031】
仮焼石膏の水性混合物に添加する湿式石膏硬化促進剤の量は、硬化遅延剤、分散剤、泡、でんぷん、紙繊維などの含有量など、仮焼石膏の水性混合物の成分で決まることになろう。例として、発明の湿式石膏硬化促進剤は、仮焼石膏の約0.05重量%〜約3重量%の量、より好ましくは、仮焼石膏の約0.5重量%〜約2重量%の量において供給し得る。
【0032】
本発明の湿式石膏硬化促進剤中に含まれる硫酸カルシウム二水和物を調製するために使用する仮焼石膏は、硫酸カルシウムα半水和物、硫酸カルシウムβ半水和物、水溶性硫酸カルシウム無水物、又はこのような多様な形態の硫酸カルシウム半水和物及び無水物の混合物の形態でよい。仮焼石膏は、繊維状でも非繊維状でもよい。さらに、本発明の湿式石膏硬化促進剤を使用することによって、任意のこのような形態の硫酸カルシウム半水和物及び無水物、ならびに繊維状及び非繊維状形態の仮焼石膏などの多様な形態の硫酸カルシウム半水和物及び無水物の混合物の水和を促進し得る。
【0033】
いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、粉砕すると、本発明による所望の添加剤は、硫酸カルシウム二水和物の生成した新鮮な外表面に結合することによって、硫酸カルシウム二水和物を少なくとも部分的に被覆すると考えられる。添加剤は、硫酸カルシウム二水和物の粉砕された新鮮な表面の活性サイトに強く、直ちに吸着すると考えられ、もしそうでなければ、望ましくない再結晶化が行われる恐れがあろう。結果として、そうした活性サイトに吸着することによって、添加剤は、活性サイトの大きさ及び形状を保護することによって粉砕石膏が水及び熱に曝露されて再結晶することを防止し、粉砕プロセス自体の実施中において粉砕石膏の活性サイトを保護すると考えられる。
【0034】
本発明の湿式石膏硬化促進剤において使用するのに適した有機ホスホン酸化合物は、少なくとも1個のRPO官能基を含み、式中、Mは、カチオン、リン又は水素であり、Rは、有機基である。例として、有機ホスホネート及びホスホン酸が挙げられる。有機ポリホスホン酸化合物が好ましいが、有機モノホスホン酸化合物も本発明に従って利用し得る。好ましい有機ポリホスホン酸化合物は、少なくとも2個のホスホン酸塩基もしくはホスホン酸イオン基、少なくとも2個のホスホン酸基、又は少なくとも1個のホスホン酸塩基もしくはホスホン酸イオン基と少なくとも1個のホスホン酸基を含む。本発明によるモノホスホン酸化合物は、1個のホスホン酸塩基もしくはホスホン酸イオン基、又は少なくとも1個のホスホン酸基を含む。
【0035】
有機ホスホン酸化合物の有機基は、リン原子に直接結合している。本発明において使用するのに適した有機ホスホン酸化合物として、限定されないが、以下の構造を特徴とする化合物が挙げられる。
【化1】


このような構造では、Rは、リン原子Pに直接結合した少なくとも1個の炭素原子を含む有機部分を指し、nは、約1〜約1,000、好ましくは、約2〜約50の数である。
【0036】
有機ホスホン酸化合物として、例えば、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ならびに例えば、上記の任意の酸の、五ナトリウム塩、四ナトリウム塩、三ナトリウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩又はマグネシウム塩などの任意の適切な塩、あるいは上記の塩及び/又は酸の組合せが挙げられる。一部の実施形態では、Solutia,Inc.,St.Louis,Missouriから市販されているDEQUEST(登録商標)ホスホネートが、本発明において利用される。DEQUEST(登録商標)ホスホネートの例として、DEQUEST(登録商標)2000、DEQUEST(登録商標)2006、DEQUEST(登録商標)2016、DEQUEST(登録商標)2054、DEQUEST(登録商標)2060S、DEQUEST(登録商標)2066Aなどが挙げられる。適切な有機ホスホン酸化合物の他の例は、例えば、米国特許第5788857号に存在する。
【0037】
本発明の利点を提供する任意の適切なホスフェート含有化合物を利用し得る。例として、ホスフェート含有化合物は、オルトホスフェートでも、ポリホスフェートでもよく、さらに、ホスフェート含有化合物は、イオン、塩又は酸の形態でよい。
【0038】
本発明によるホスフェートの適切な例は、当業者には明らかであろう。例えば、限定されないが、リン酸モノアンモニウム、リン酸モノナトリウム、リン酸モノカリウム、又はそれらの組合せなどの一塩基性リン酸塩を含めた任意の適切なオルトホスフェート含有化合物を本発明の実施において利用し得る。好ましい一塩基性リン酸塩は、リン酸モノナトリウムである。多塩基性オルトホスフェートも本発明に従って利用し得る。
【0039】
同様に、任意の適切なポリホスフェートも本発明に従って使用し得る。ポリホスフェートは、環式でも非環式でもよい。環式ポリホスフェートの例として、複塩、つまり、2個のカチオンを有するトリメタリン酸塩を含めたトリメタリン酸塩が挙げられる。トリメタリン酸塩は、例えば、トリメタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸カリウム、トリメタリン酸カルシウム、トリメタリン酸ナトリウムカルシウム、トリメタリン酸リチウム、トリメタリン酸アンモニウム、トリメタリン酸アルミニウムなど、及びそれらの組合せから選択し得る。トリメタリン酸ナトリウムが、好ましいトリメタリン酸塩である。任意の適切な非環式ポリリン酸塩も本発明に従って利用し得る。好ましくは、非環式ポリリン酸塩は、少なくとも2個のリン酸塩単位を有する。例として、本発明による適切な非環式ポリリン酸塩として、限定されないが、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、約6〜約27個の反復リン酸塩単位を有するヘキサメタリン酸ナトリウム、約6〜約27個の反復リン酸塩単位を有するヘキサメタリン酸カリウム、約6〜約27個の反復リン酸塩単位を有するヘキサメタリン酸アンモニウム、及びそれらの組合せが挙げられる。本発明による好ましい非環式ポリリン酸塩は、Solutia,Inc.,St.Louis,MOからCALGON(登録商標)として市販されており、それは、約6〜約27個の反復リン酸塩単位を有するヘキサメタリン酸ナトリウムである。加えて、ホスフェート含有化合物は、任意の上記の塩の酸形態でもよい。酸は、例えば、リン酸でもポリリン酸でもよい。
【0040】
好ましくは、ホスフェート含有化合物は、ピロリン酸四カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムカリウム、6〜約27個のリン酸塩単位を有するヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸アンモニウム、トリメタリン酸ナトリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0041】
本発明の湿式石膏硬化促進剤中の成分は、任意の適切な量において供給し得る。例えば、硫酸カルシウム二水和物は、硬化促進剤の少なくとも約20重量%、好ましくは、硬化促進剤の少なくとも約30重量%の量において供給し得る。硫酸カルシウム二水和物は、例えば、硬化促進剤の約35重量%〜約45重量%の量において、より好ましくは、硬化促進剤の約38重量%〜約42重量%の量において存在し得る。一般に、固体含量がより低いと、効率はより高いが、粉砕時間が著しく増加し、処理量及び/又は生産速度が減少する。
【0042】
添加剤は、コストを最小にし、一方では、湿式石膏硬化促進剤が、長期間その効果を維持し、水及び熱への曝露に耐えることによって長寿命の増進という所望の利点をなお実現するために、好ましくは、可能な限り少ない量において供給される。好ましくは、添加剤成分は、単一添加剤でも添加剤の組合せでも、硫酸カルシウム二水和物の約0.1重量%〜約10重量%の量において、より好ましくは、硫酸カルシウム二水和物の約0.1重量%〜約2重量%の量において、さらにより好ましくは、硫酸カルシウム二水和物の約0.1重量%〜約1重量%の量において供給される。
【0043】
好ましい実施形態では、少なくとも1種の有機ホスホン酸化合物が、添加剤として利用される。有機ホスホン酸化合物は、比較的少量含む場合でも、硬化促進剤の効果を増進する点で優れている。より好ましくは、少なくとも1種のホスフェート含有化合物は、少なくとも1種の有機ホスホン酸化合物と組み合わせて使用される。例えば、多様な活性サイトの大きさ及び形状の応じて、有機ホスホン酸化合物は、一部の活性サイトにおける核生成を増進し得、一方ホスフェート含有化合物は、組合せが好ましい他のサイトにおいて作用すると考えられる。さらに、好ましい実施形態では、ホスフェート含有化合物、特に、少なくとも1種のイオン及び/又は塩を含めたトリメタホスフェート化合物などの環式化合物を有機ホスホン酸化合物と一緒に加えることによって経時劣化耐性が増進する。ホスフェート含有化合物を含むと、硬化促進剤の湿潤強度が安定化し、維持されることによって湿式石膏硬化促進剤の経時劣化特性が改良される。
【0044】
1種を超える添加剤を含む本発明の実施形態では、添加剤はそれぞれ、好ましくは、長寿命及び/又は所望の50%水和時間を実現するのに適した量において含まれるが、好ましくは、添加剤の合計量は、上記の範囲内に収まる。例えば、少なくとも1種のホスフェート含有化合物を少なくとも1種の有機ホスホン酸化合物と組み合わせて使用する実施形態では、有機ホスホン酸化合物は、好ましくは、硫酸カルシウム二水和物の約0.05%〜9.95重量%の量において含まれ、ホスフェート含有化合物は、同様に、硫酸カルシウム二水和物の約0.05%〜9.95重量%の量において好ましくは存在する。一部の実施形態では、添加剤は、硫酸カルシウム二水和物の最大10重量%まで存在する。一部の実施形態では、添加剤は、硫酸カルシウム二水和物の約0.05%〜約4.95重量%存在する。特に好ましい実施形態では、添加剤は、硫酸カルシウム二水和物の約0.5重量%のアミノトリ(メチレンホスホン酸)五ナトリウム塩と、硫酸カルシウム二水和物の約0.5重量%のトリメタリン酸ナトリウムの混合物である。
【0045】
本発明の追加の利点としては、湿式石膏硬化促進剤は、予備処理として有機ホスホン酸化合物及び/又は無機ホスフェート化合物を供給する手段として利用することによって、生成した硬化石膏含有組成物及び製品、例えば、壁ボード、天井などの、例えば、強度、寸法安定性、耐永久変形などの多様な特性を増進し得る。これらの点については、本願の譲受人に譲渡された米国特許出願08/916058号(放棄)、ならびに本願の譲受人に譲渡された米国特許第6,342,284号、第6,409,824号及び第6,632,550号において記載されており、それらは、その全体の参照により本明細書に組み込まれている。
【0046】
以下の実施例は、本発明をさらに例示するものであるが、いかなる点においてもその範囲を限定するものではない。
【0047】
実施例1:水和速度
本実施例は、湿式石膏硬化促進剤の調製を例示し、本発明の湿式石膏硬化促進剤を使用することに由来する、乾式石膏硬化促進剤と比較した仮焼石膏の水和速度及び効果の増進を実際に示すものである。
【0048】
湿式石膏硬化促進剤(WGA)をそれぞれ調製するために、PREMALLOY(登録商標)ディスク及びスペーサーを備えたPremier HM−5湿式ビーズミルを使用して、United States Gypsum Company’s Galena Park 工場からの硫酸カルシウム二水和物を、1つ又は複数の添加剤の存在下で最初に湿式粉砕した。硫酸カルシウム二水和物出発材料の初期の中央粒度は、約55ミクロンであった。具体的には、工程水50ガロン、硫酸カルシウム二水和物400ポンド、ならびに硫酸カルシウム二水和物に対してそれぞれ0.5重量%のアミノトリ(メチレンホスホン酸)、五ナトリウム塩(Dequest(登録商標)2006)及びトリメタリン酸ナトリウム(NaTMP)を合わせ、直径が1.2mm〜1.7mmで、密度が6.1g/cmであるZIRCONOX(登録商標)セラミックビーズを75〜82体積%含むスパイラル溝付ステンレス鋼粉砕室において流速13〜15ガロン/分、再循環4〜5回通過で、それぞれ10分間、20分間及び25分間粉砕した。WGA組成物の粉砕時間が長いほど、粉砕品の中央粒度は小さい。WGA組成物それぞれの生成の中央粒度を表1に示す。
【0049】
次いで、WGA試料をそれぞれ試験することによって水和速度を求めた。それぞれの試験において、United States Gypsum Company’s Southard工場からの硫酸カルシウム半水和物300gを水道水(70°F)300mlと合わせた。乾燥基準で1gのWGAを、硫酸カルシウム半水和物スラリーに加え、スラリーを10秒間浸漬した後、Waringブレンダーを用いて低速で7秒間混合した。生成したスラリーをポリスチレン発泡カップ内に注ぎ、次いで、それを断熱スタイロホーム容器内に入れることによって水和反応中の周囲への熱損失を最小にした。測温プローブをスラリーの中心部に入れ、5秒ごとに温度を記録した。硬化反応は発熱であるので、反応の程度を温度上昇によって測定した。50%水和時間を、試験中に記録された最低及び最高温度の間の中間の温度に到達するまでの時間として求めた。
結果を表1に示す。
【表1】

【0050】
表1の結果は、50%水和時間が減少し、Galena Parkの通常の乾式耐熱硬化促進剤の効果(HRAの)に対する百分率として示された硬化促進効果が、硫酸カルシウム二水和物の中央粒度の減少につれて増加することを実際に示す。中央粒度の標準偏差が大きいことは、粒度分布が大きい(広い範囲)ことを意味し、中央粒度の標準偏差が小さいことは、粒度分布が小さい(狭い範囲)ことを意味する。原材料は、範囲が狭い合成石膏(〜50ミクロン)であるので、WGA製品の中央粒度は、通常、粒度分布が大きく、標準偏差が大きくなろう。一般に、粉砕時間が長くなるほど、WGA製品の最終粒度分布が狭く、標準偏差は小さくなる。
【0051】
実施例2:水和速度
本実施例は、WGAの調製を例示し、本発明のWGAを使用することに由来する水和速度の増進を実際に示す。
【0052】
WGAをそれぞれ調製するために、Premier HML−1.5湿式ビーズミル(実験室用スーパーミル)を使用して、United States Gypsum Company工場からの硫酸カルシウム二水和物の8種の異なる供給物を、1つ又は複数の添加剤の存在下で最初に湿式粉砕した。硫酸カルシウム二水和物出発材料の不純物は、高不純物の採掘した石膏から、高純度の合成石膏まで変動した。具体的には、水道水4000ml、硫酸カルシウム二水和物(固体43%)3000グラム、ならびに硫酸カルシウム二水和物に対してそれぞれ0.75重量%のアミノトリ(メチレンホスホン酸)、五ナトリウム塩(Dequest(登録商標)2006)及びトリメタリン酸ナトリウム(NaTMP)を合わせ、直径が1.2mm〜1.7mmで、密度が6.1g/cmであるZIRCONOX(登録商標)セラミックビーズを75〜82体積%含むスパイラル溝付ステンレス鋼粉砕室において0.6ガロン/分、4〜5回通過で粉砕した。湿式石膏硬化促進剤のそれぞれの配合物について、粉砕時間と粘度の関係を表2に示す。
【表2】

【0053】
次いで、WGA配合物のそれぞれを、試験することによって水和速度を求めた。それぞれの試験において、United States Gypsum Company’s Southard工場からの硫酸カルシウム半水和物300gを水道水(70°F)300mlと合わせた。乾燥基準で1gのWGAを、硫酸カルシウム半水和物スラリーに加え、スラリーを10秒間浸漬した後、Waringブレンダーを用いて低速で7秒間混合した。生成したスラリーをポリスチレン発泡カップ内に注ぎ、次いで、それを断熱スタイロホーム容器内に入れることによって水和反応中の周囲への熱損失を最小にした。測温プローブをスラリーの中心部に入れ、5秒ごとに温度を記録した。硬化反応は発熱であるので、反応の程度を温度上昇によって測定した。50%水和時間を、試験中に記録された最低及び最高温度の間の中間の温度に到達するまでの時間として求めた。
結果を表3に示す。
【表3】

【0054】
表1〜3の結果は、粘度が増加し、粉砕品の中央粒度が減少するにつれて、50%及び98%水和時間が減少することを明白に示す。一般に、粉砕時間が長くなるにつれて、WGA粉砕品の中央粒度は小さくなり、WGAの粘度が高いほど、硬化促進効果は大きくなろう。
【0055】
実施例3:効果
本実施例は、WGAの調製を例示し、本発明のWGAを使用することに由来する効果の増進を示す。
【0056】
WGAをそれぞれ調製するために、Premier HML−1.5湿式ビーズミル(実験室用スーパーミル)を使用して、United States Gypsum Company工場からの硫酸カルシウム二水和物を1つ又は複数の添加剤の存在下で最初に湿式粉砕した。具体的には、(1)固体43%、(2)固体33%、(3)固体22%を含む3種のWGA配合物を試験した。配合物(1)は、水道水4000ml、硫酸カルシウム二水和物3000グラム、ならびに硫酸カルシウム二水和物に対してそれぞれ0.75重量%のアミノトリ(メチレンホスホン酸)、五ナトリウム塩(Dequest(登録商標)2006)及びトリメタリン酸ナトリウム(NaTMP)を含んでいた。配合物(2)は、水道水4690ml、硫酸カルシウム二水和物2310グラム、ならびに硫酸カルシウム二水和物に対してそれぞれ0.5重量%のアミノトリ(メチレンホスホン酸)、五ナトリウム塩(Dequest(登録商標)2006)及びトリメタリン酸ナトリウム(NaTMP)を含んでいた。配合物(3)は、水道水5460ml、硫酸カルシウム二水和物1540グラム、ならびに硫酸カルシウム二水和物に対してそれぞれ0.5重量%のアミノトリ(メチレンホスホン酸)、五ナトリウム塩(Dequest(登録商標)2006)及びトリメタリン酸ナトリウム(NaTMP)を含んでいた。
【0057】
WGA配合物をそれぞれ合わせ、直径が1.2mm〜1.7mmで、密度が6.1g/cmであるZIRCONOX(登録商標)セラミックビーズを75〜82体積%含むスパイラル溝付ステンレス鋼粉砕室において0.6ガロン/分、4〜5回通過で、指定の時間粉砕することによって、粘度測定及び効果試験のためのWGA試料を採取した。WGAのそれぞれの配合物について、粉砕時間、粘度、水和時間及び効果の間の関係を表4に示す。
【表4】

【0058】
表4の結果は、固体含量が低い本発明に従ったWGAの配合物が、スラリーのワーカビリティーを犠牲にすることなく大きな効果を示し得ることを実際に示す。しかし、WGA生産のための処理量は、固体含量が低くなると著しく減少する。したがって、WGAの生産速度、性能効果及びワーカビリティーを最適にするためには、少なくとも約30%の固体含量が望ましい。一部の実施形態では、固体含量は、約38%〜約42%である。
【0059】
特許、特許出願及び出版物を含めた、本明細書において引用された参考文献はすべて、参照により本明細書にその全体が組み込まれている。
【0060】
好ましい実施形態に重点を置いて本発明を説明したが、好ましい実施形態の変形形態を使用することができ、本明細書において具体的に説明した以外で本発明を実施することができることが意図されていることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲内に包含されるすべての改変形態を含むものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)中央粒度が約0.5ミクロン〜約2ミクロンであり、硫酸カルシウム二水和物を含む粉砕品と、
(b)水と、
(c)(i)有機ホスホン酸化合物、
(ii)ホスフェート含有化合物、及び
(iii)(i)と(ii)の混合物
からなる群から選択される添加剤と、
を含む湿式石膏硬化促進剤。
【請求項2】
前記粉砕品が、実質的に非晶質である、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項3】
前記粉砕品の中央粒度が、約1ミクロン〜約1.7ミクロンである、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項4】
前記粉砕品の中央粒度が、約1ミクロン〜約1.5ミクロンである、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項5】
前記添加剤が、前記硫酸カルシウム二水和物の約0.1重量%〜約10重量%の量において存在する、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項6】
前記添加剤が、少なくとも1種の有機ホスホン酸化合物と少なくとも1種のホスフェート含有化合物の混合物であり、前記有機ホスホン酸化合物が、前記硫酸カルシウム二水和物の約0.05重量%〜約9.95重量%の量において存在し、前記ホスフェート含有化合物が、前記硫酸カルシウム二水和物の約0.05重量%〜約9.95重量%の量において存在する、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項7】
前記添加剤が、前記硫酸カルシウム二水和物の約0.5重量%のアミノトリ(メチレンホスホン酸)五ナトリウム塩と、前記硫酸カルシウム二水和物の約0.5重量%のトリメタリン酸ナトリウムの混合物である、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項8】
前記硫酸カルシウム二水和物が、前記硬化促進剤の少なくとも約20重量%の量において存在する、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項9】
前記硫酸カルシウム二水和物が、前記硬化促進剤の約35重量%〜約45重量%の量において存在する、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項10】
前記湿式石膏硬化促進剤の粘度が、約1000cP〜約5000cPである、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項11】
前記湿式石膏硬化促進剤の粘度が、約2000cP〜約4000cPである、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項12】
前記有機ホスホン酸化合物が、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、上記の任意の酸の、五ナトリウム塩、三ナトリウム塩、四ナトリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、カリウム塩、カルシウム塩又はマグネシウム塩、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項13】
前記ホスフェート含有化合物が、オルトホスフェート、ポリホスフェート及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項14】
ホスフェート含有化合物が、ピロリン酸四カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムカリウム、6〜約27個のホスフェート単位を有するヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸アンモニウム、トリメタリン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項15】
硬化石膏のインターロッキングマトリックスを形成するために使用される仮焼石膏及び水を含む混合物に硬化促進剤を加えた場合、該硬化促進剤が仮焼石膏の50%水和時間を約6分間以下にする、請求項1に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項16】
硬化石膏のインターロッキングマトリックスを形成するために使用される仮焼石膏及び水を含む混合物に硬化促進剤を加えた場合、該硬化促進剤が仮焼石膏の50%水和時間を約5分以下にする、請求項13に記載の湿式石膏硬化促進剤。
【請求項17】
(a)硫酸カルシウム二水和物、水、ならびに(i)有機ホスホン酸化合物、(ii)ホスフェート含有化合物、及び(iii)(i)と(ii)の混合物からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を湿式粉砕するステップと、
(b)中央粒度が約0.5ミクロン〜約2ミクロンである粉砕品を含む湿式石膏硬化促進剤を形成するように前記湿式石膏硬化促進剤を形成するために添加剤の存在下で石膏を湿式粉砕するステップと
を含む、湿式石膏硬化促進剤を調製する方法。
【請求項18】
ミルシャフト及びビーズを含み、該ビーズは、平均ビーズ径が約0.5mm〜約3mmであり、密度が約2.5g/cm以上であるミルアセンブリを提供するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ビーズの平均ビーズ径が、約1mm〜約2mmである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ビーズが、セラミックビーズである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ビーズが、セリア安定化ジルコニアを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
自動供給システムを介して前記硫酸カルシウム二水和物をミルアセンブリに加える、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
湿式粉砕をビーズミルアセンブリの1回通過で実施する、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
湿式粉砕をビーズミルアセンブリの複数回通過で実施する、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記湿式石膏硬化促進剤が、実質的に非晶質である粉砕品を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記湿式石膏硬化促進剤が、約1ミクロン〜約1.7ミクロンの中央粒度を有する粉砕品を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記湿式石膏硬化促進剤が、約1ミクロン〜約1.5ミクロンの中央粒度を有する粉砕品を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
硫酸カルシウム二水和物が、前記硬化促進剤の約35重量%〜約45重量%の量において存在する、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記有機ポリホスホン酸化合物が、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、上記の任意の酸の、五ナトリウム塩、三ナトリウム塩、四ナトリウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩又はマグネシウム塩、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
前記ホスフェート含有化合物が、オルトホスフェート、ポリホスフェート及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項31】
前記ホスフェート含有化合物が、ピロリン酸四カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムカリウム、6〜約27個のホスフェート単位を有するヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸アンモニウム、トリメタリン酸ナトリウム、ナトリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記添加剤が、硫酸カルシウム二水和物の約0.5%のアミノトリ(メチレンホスホン酸)の五ナトリウム塩と硫酸カルシウム二水和物の約0.5重量%のトリメタリン酸ナトリウムとの混合物からなる、請求項17に記載の方法。
【請求項33】
硬化石膏のインターロッキングマトリックスを形成するために仮焼石膏を水和する方法であって、
仮焼石膏、水及び湿式石膏硬化促進剤の混合物を形成するステップを有し、前記湿式石膏硬化促進剤が、約0.5ミクロン〜約2ミクロンの中央粒度を有する粉砕品を含み、前記粉砕品が、硫酸カルシウム二水和物を含み、硬化促進剤が、水と、
(i)有機ホスホン酸化合物、
(ii)ホスフェート含有化合物、及び
(iii)(i)と(ii)の混合物
からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤と、をさらに含む方法。
【請求項34】
前記仮焼石膏の50%水和時間が、約6分間以下である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記仮焼石膏の50%水和時間が、約5分間以下である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも、仮焼石膏、水、ならびに中央粒度が約0.5ミクロン〜約2ミクロンである硫酸カルシウム二水和物と、水と、
(i)有機ホスホン酸化合物、
(ii)ホスフェート含有化合物、及び
(iii)(i)と(ii)の混合物
からなる群から選択される添加剤と、を含む硬化促進剤から形成される硬化石膏のインターロッキングマトリックスを含む硬化石膏含有組成物。
【請求項37】
請求項36に記載の組成物を含む硬化石膏含有製品。
【請求項38】
ボード又はパネルである、請求項36に記載の硬化石膏含有製品。

【公表番号】特表2008−539157(P2008−539157A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508809(P2008−508809)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/014503
【国際公開番号】WO2006/115496
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(596172325)ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー (100)
【Fターム(参考)】