説明

湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物、その製造プロセスおよび樹脂組成物を用いる基質接着プロセス

湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物が、少なくとも一つの熱可塑性ポリマー(i)と、酸素および窒素からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する結合基を介してポリマーへと結合する少なくとも一つの加水分解性シリル基を有する少なくとも一つのシリル基含有ポリマー(ii)とを含み、ポリマー(i)および(ii)の各々には、グラフトされるに先立ち少なくとも一つの反応性の炭素−炭素不飽和結合を有する同一のもしくは異なるシラン(iii)の少なくとも一つがそれらへとグラフトされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は湿気硬化型樹脂組成物、その製造方法ならびに湿気硬化型樹脂組成物を用いる、例えば金属シートおよびパネルのような基質接着プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の熱溶解接着剤および封止剤は、典型的には、粘着付与剤、充填剤および他の添加剤を含有する熱可塑性ポリマーである。これらの熱溶解組成物は室温において固体であるが、高温において流体である。組成物は主として架橋されていない熱可塑性成分によって構成されるため、それらはしばしば低モジュラスでありそして静荷重におけるクリープおよび冷流に感受性を持ち、トレーラー・トラックの構造において重金属シートを一緒に接着するために必要とされるように、接着剤接合の強度がきわめて重要である多くの用途に望ましくないようにそれらをする。振動ならびに暑くて湿度の高い気候において太陽に曝される結果生じる周囲環境の熱および湿気が接合における重さと組み合わされることによって、既知の熱溶解接着剤によって作られた接着剤接合を変形させ、そして結局破綻させる。
【0003】
前述の欠点に部分的に取り組んでいる湿気硬化型熱溶解接着剤組成物は当分野において既知である。それらの組成物は、塩素化パラフィン、スチレンブロックコポリマー、ブチルラバーもしくはポリ−アルファ−オレフィン、ならびに、ポリブタジエンを含有するポリオールもしくはポリアミン系、ポリエステル系、アクリル系、ポリカーボナート骨格系もしくはポリチオエーテル骨格系のシリル化ポリウレタンのような熱可塑性成分または可塑剤をしばしば含有する。湿気硬化型熱溶解接着剤組成物は、適用プロセスにおいてシリル化ウレタンが分散し、そして架橋する熱可塑性成分の連続相を含有する。しかしながら、熱可塑性連続相は、静荷重下でクリープおよび冷流に感受性のままである。ここで、湿気硬化型熱溶解樹脂組成物のシリル化ポリウレタン成分はその熱可塑性成分と不適合であり、二者の間で架橋がほとんど起こらず、そして硬化物質の相分離を起こしてしまう。単一の成分と湿気硬化型熱溶解組成物とはそれゆえ、静荷重下での熱可塑性ポリマーのシリル化ポリウレタンからの剥離の結果、不十分な強度とモジュラスを示す。シリル化ポリウレタン相は、所望の接着強度を提供するには弾力がありすぎ、かつモジュラスが低すぎるであろう。
【0004】
熱溶解接着剤組成物はしばしば乏しい「オープンタイム(open time)」を示す。オープンタイムはここでは、接着剤が第一の基質へと塗布されたときに始まり、それが第二の基質へと接着するときまでの接着剤の機能時間について述べる。第一の基質に存在する接着剤がこの時間内に第二の基質へと接合する事が極めて重要である。第一の基質が第二の基質へと接合するより前にオープンタイムを超える場合、接着剤は第二の基質へと接着するその能力を失うであろう。より長い接着オープンタイムは、より高いフレキシビリティ(flexibility)を接着製品の製造やロボット組立機械のような自動装置の使用にもたらす。
【0005】
シリル化アクリルポリマーは当分野に既知であり、例えば米国特許第4,491,650号に開示されており、ここではそれらはプライマーとして使用されている。しかしながらそれらのポリマーはその脆弱性のせいで接着剤としての使用に不適切である。
【0006】
公開された米国特許出願第2006/0173121号は、シリル化ポリオキシアルキレンポリマー、メタクリルオキシシランのコポリマー、アクリル酸アルキルエステルモノマーおよびイオン性界面活性剤を含有する湿気硬化型組成物を記載する。しかしながらこれらのコポリマーはフレキシビリティのために0℃より低くないといけない。これらの湿気硬化型組成物はそれゆえ低いモジュラスを有し、高い接着強度が求められる用途に対して不適切であるようなものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
とりわけ、室温で固体であり、そして高温で流体であって、硬化して静荷重下で著しい冷流もしくはクリープを示さない高いモジュラス産物になる熱溶解接着剤ならびに封止剤において用いるための湿気硬化型樹脂組成物に対する必要性が産業界には存在する。ここにより詳細に記載されるように本発明はそのような組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、少なくとも一つの熱可塑性ポリマー(i)ならびに、酸素および窒素からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する結合基を介してポリマー(ii)へと結合する少なくとも一つの加水分解性シリル基を有する少なくとも一つのシリル基含有ポリマー(ii)を含有する湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物が提供され、ここでポリマー(i)および(ii)の各々には、グラフトされるに先立ち少なくとも一つの反応性の炭素−炭素不飽和結合を有する同一のもしくは異なるシラン(iii)の少なくとも一つがそれらへとグラフトされている。
【0009】
さらに、ここでの発明によると、少なくとも一つの熱可塑性ポリマー(i)へと結合する少なくとも一つの反応性炭素−炭素不飽和結合と、酸素および窒素からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を有する結合基を介してポリマー(ii)へと結合する少なくとも一つの加水分解性シリル基を有する少なくとも一つのシリル基含有ポリマー(ii)を有する少なくとも一つの同一のもしくは異なるシラン(iii)をグラフトすることを含有する、湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を調製するプロセスが提供され、任意選択で湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を湿気硬化することを含有する。
【0010】
本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物は室温で固体であり、高温で流体であり、好適なオープンタイムを示し、そして加水分解と後に続く縮合とを介して硬化して、とりわけ乗用車ならびに他の工業用途における接着剤もしくは封止剤としての使用に好適な優れた強度、クリープおよび接着特性を示す高いモジュラスの樹脂を提供する。
【0011】
実施例以外において、もしくは他に示されていなければ、物質の量、反応条件、時間、物質の定量化された性質などを表す、明細書および請求項に述べられるすべての数字は、すべての場合において言葉「約」によって修飾されていると理解されるべきである。
【0012】
ここで引用されるそれぞれの数字の範囲は、その範囲の中のサブ範囲(sub−range)を含むと理解されるべきである。
【0013】
構造的、構成的ならびに/または機能的に関連した化合物、物質もしくは基質の群に属するとして、明細書に明確にもしくは暗に開示される、ならびに/または請求項に引用される任意の化合物、物質もしくは基質は、その群の個々の要素およびそれらのすべての組み合わせを含むと理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物は、不飽和シラン(iii)を、熱可塑性ポリマー(i)およびシリル基含有ポリマー(ii)へと、好適なグラフト反応条件、たとえばフリーラジカル発生剤の存在下の高温において、グラフトすることによって得られる。
【0015】
本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を調製するプロセスの一実施態様は、
a)少なくとも一つの熱可塑性ポリマー(i)を溶解温度に、もしくは溶解温度以上であるがその分解温度を超えない温度へと加熱して溶解した熱可塑性ポリマーを提供するステップ;
b)ステップ(a)からの溶解した熱可塑性ポリマーを、酸素および窒素からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する結合基を介してポリマー(ii)へと結合する少なくとも一つの加水分解性シリル基を有する少なくとも一つのシリル基含有ポリマー(ii)と混合し、溶解した熱可塑性ポリマー(i)とシリル基含有ポリマーとの実質的に均一な混合物を提供するステップ;
c)ステップ(b)からの溶解した熱可塑性ポリマー(i)とシリル基含有ポリマー(ii)との実質的に均一な混合物と、少なくとも一つの反応性炭素−炭素不飽和結合を有する少なくとも一つのシラン(iii)と少なくとも一つのフリーラジカル発生剤とを、反応性機械加工条件において混合し、湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を提供するステップ;そして
d)任意選択で、ステップ(c)からの湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を湿気硬化するステップ
というステップを含む。
【0016】
上述のプロセスにおいて使用される各々の物質、すなわち、熱可塑性ポリマー(i)、シリル基含有ポリマー、(ii)、不飽和シラン(iii)およびフリーラジカル発生剤(iv)、ならびに種々の任意選択の物質(v)はここに記載されるだろう。
【0017】
熱可塑性ポリマー(i)
熱可塑性ポリマー(i)は、ホモポリマー、二つもしくはそれ以上の共重合可能なモノマー、ならびに二つもしくはそれ以上のそのようなポリマーの混合物を含む付加重合タイプおよび縮合重合タイプの多数のポリマーの任意のものの中から選択され得る。熱可塑性ポリマー(i)は、10分当たり10から500グラムの、好ましくは10分当たり150から450の、そしてより好ましくは10分当たり200から400グラムのメルトフローインデックス(melt flow index)を有利にも有している。好適な熱可塑性(ii)の例は以下のようである:
1. 例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペンと−1−エン、ポリイソプレンもしくはポリブタジエンのようなモノオレフィンとジオレフィンのポリマー、ならびに例えばシクロペンテンもりくはノルボルネンのようなシクロオレフィンのポリマー、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)のような(任意選択で架橋された)ポリエチレン。上述のものようなポリオレフィン、すなわちモノオレフィンのポリマーは、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンであり、ラジカル重合(通常高温高圧で)、ならびに一つもしくはそれ以上の周期表のIVb、Vb、VIbもしくはVIII族の金属を典型的に含有する触媒を使用する触媒重合のような方法で調製され得る。通常、これらの金属は、典型的には、p配位されているかもしくはs配位されているかのいずれかの、酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/もしくはアリールである、一つもしくはそれ以上のリガンドを有している。これらの金属錯体は遊離状態であるか、または基質上、すなわち典型的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナもしくは酸化ケイ素上に固定されていても良い。これらの触媒は重合溶媒中において、可溶性であっても不溶性であっても良い。触媒が重合化中にそれら自体によって用いられ得るかまたは、さらなる活性化剤、すなわち典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属ハロゲン化物、金属アルキル酸化物もしくは金属アルキルオキサン(alkyloxane)が用いられ得、ここで前記金属は周期表のIa、IIAおよび/もしくはIIIa族の元素である。活性化剤はさらにエステル、エーテル、アミンもしくはシリルエーテル基によって便宜的に修飾されていてもよい。これらの触媒システムは通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler(−Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセン(metallocene)もしくはシングルサイト触媒(SSC)と称される。
2. たとえば、ポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(例えば、PP/PDPE、PP/LDPE)、ならびに異なったタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)のような、(1)で述べられるポリマーの混合物。
3. 例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アルキルアクリラートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリラートコポリマー、エチレン/ビニルアセタートコポリマーならびにそれらと一酸化炭素もしくはエチレン/アクリル酸コポリマーならびにそれらの塩(イオノマー)とのコポリマー、ならびにエチレンとプロピレンおよびヘキサジエン、ジシクロペンタジエンもしくはエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−ビニルアセタートコポリマー(EVA)、LDPE/エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAAおよび交互のもしくはランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマーならびにそれらと例えばポリアミドのような他のポリマーとの混合物のようなお互いのおよび上述の(1)で述べられるポリマーとのそのようなコポリマーの混合物のような、モノオレフィンおよびジオレフィンのお互いの、または他のビニルモノマーとのコポリマー。
4. それらの水素化修飾を含む炭化水素樹脂(例えばC.sub5−C.sub.9)およびポリアルキレンとスターチ(starch)との混合物。
5. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(a−メチルスチレン)。
6. 例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/アルキルメタクリラート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリラート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリラート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリラート;高衝撃強度のスチレンコポリマーとポリアクリラート、ジエンポリマーもしくはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーのような他のポリマーの混合物;スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンおよびスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマーのようなスチレンもしくはa−メチルスチレンとジエンもしくはアクリル誘導体とのコポリマー。
7. ポリブタジエン上へのスチレン、ポリブタジエン−スチレンもしくはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上へのスチレン;ポリブタジエン上へのスチレンおよびアクリロニトリル(もしくはメタクリロニトリル)、ポリブタジエン上へのアクリロニトリルおよびメチルメタクリラート;ポリブタジエン上へのスチレンおよび無水マレイン酸;ポリブタジエン上へのスチレン、アクリロニトリルならびに無水マレイン酸もしくはマレイミド;ポリブタジエン上へのスチレンおよびマレイミド;ポリブタジエン上へのスチレンならびにアクリルアクリラートもしくはメタクリラート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上へのスチレンおよびアクリロニトリル;ポリアルキルアクリラートもしくはポリアルキルメタクリラート上へのスチレンおよびアクリロニトリル;アクリラート/ブタジエンコポリマー上へのスチレンおよびアクリロニトリル、ならびに、たとえばABS、MBS、ASAもしくはAESポリマーとして知られるコポリマー混合物のようなそれらと(6)に列挙されるコポリマーとの混合物、のようなスチレンもしくはa−メチルスチレンのグラフトコポリマー。
8. ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化もしくはスルホ塩化ポリエチレン、エチレンと塩化エチレンのコポリマー、エピクロルヒドリンホモおよびコポリマー、特に、塩化ポリビニル、塩化ポリビニリデン、フッ化ポリビニル、フッ化ポリビニリデン、ならびに塩化ビニル/塩化ビニリデンの、塩化ビニル/酢酸ビニルのもしくは塩化ビニリデン/酢酸ビニルのコポリマーのようなそれらのコポリマーのようなハロゲン含有ビニル化合物のポリマーのようなハロゲン含有ポリマー。
9. ポリアクリラートおよびポリメタクリラート、ブチルアクリラート耐衝撃性改質のポリメチルメタクリラート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリルニトリルのようなα,β−不飽和酸およびそれらの誘導体から誘導されるポリマー。
10. アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリラートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリラートまたはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマーもしくはアクリロニトリル/アルキルメタクリラート/ブタジエンターポリマーのような(9)で述べられるモノマーのお互いのもしくは他の不飽和モノマーとのコポリマー。
11. 例えばポリビニルアルコール、酢酸ポリビニル、ステアリン酸ポリビニル、安息香酸ポリビニル、マレイン酸ポリビニル、ポリビニルブチラール、フタル酸ポリアリル、もしくはポリアリルメラミン、ならびにそれらと上の(1)に述べられるもののようなオレフィンとのコポリマーのような、不飽和アルコールおよびアミンまたはそれらのアシル誘導体またはアセタールから誘導されるポリマー。
12. ポリアルキレングリコール、酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレン、およびそれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマーのような環状エーテルのホモポリマーおよびコポリマー。
13. ポリオキシメチレンおよびコモノマーとしての酸化エチレンから誘導されるようなポリオキシメチレン、熱可塑性ポリウレタン、アクリラートもしくはMBSで修飾されたポリアセタールのようなポリアセタール。
14. 酸化ポリフェニレンおよび硫化ポリフェニレン、ならびに酸化ポリフェニレンとスチレンポリマーもしくはポリアミドとの混合物。
15. ヒドロキシル末端ポリエーテル、ポリエステルもしくはポリブタジエンと、脂肪族もしくは芳香族ポリイソシアナートならびにそれらの前駆体との反応より誘導されるポリウレタン。
16. 例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6および12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンおよびアジピン酸から得られる芳香族ポリアミドのようなジアミンおよびジカルボン酸ならびに/またはアミノカルボン酸もしくは対応するラクタムから誘導されるポリアミドおよびコポリアミド;例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド、もしくはポリ−m−フェニレンイソフタルアミドのようなヘキサメチレンジアミン、および重合調整剤としてのエラストマー含有もしくは不含のイソフタル酸または/ならびにテレフタル酸から得られるポリアミド;上述のポリアミドとポリオレチン、オレフィンコポリマー、イオノマー、または化学結合もしくはグラフトエラストマーとのブロックコポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコールとのコポリマー、ならびにEPDMもしくはABSで修飾されたポリアミドもしくはコポリアミド;そして調製中に縮合されるポリアミド(RIMポリアミドシステム)。
17. ポリウレア、ポリアミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン(polyhydantoin)およびポリベンゾイミダゾール。
18. 例えばポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタラートおよびポリヒドロキシベンゾアート、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されるブロックコポリマーエステル;そしてポリカーボネートもしくはMBSによって修飾されるポリエステルのようなジカルボン酸およびジオールから、ならびに/またはヒドロカルボン酸もしくは対応するラクトンから誘導されるポリエステル。
19. ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
20. ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
21. PP/EPDM、ポリアミド/EPDMもしくはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリラート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR,POM/アクリラート、POM/MBS、PPO/HIPS、PRO/PA6.6、ならびにコポリマーであるPA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSもしくはPBT/PET/PCのような上述のポリマー(ポリブレンド(polyblend))の混合物。
【0018】
好適な熱可塑性ポリマー(i)は、10から60重量パーセントの酢酸ビニル含量と10分当たり10から500グラムのメルトインデックスとを有する酢酸エチレンビニルコポリマー、そしてより好ましくは、18から50重量パーセントの酢酸ビニル含量を有する、この範囲のメルトインデックスの酢酸エチレンビニルコポリマーを含む。
【0019】
いくつかの市販の熱可塑性ポリマー(i)の非限定的な代表例は、REXTAC RT2535およびRT2585(Rexene Products Company)を含むREXTACシリーズの商品名ならびにEASTOFLEX E1060(Eastman Chemical Company)を含むEASTOFLEXシリーズの商品名で入手可能なアタクチックポリプロピレンコポリマー;ELVAX420および2609(DuPont)を含むELVAXシリーズの商品名、ならびにULTRATHENE7710(Millennium Petrochemicals)を含むULTRATHENEシリーズの商品名で入手可能な酢酸エチレンビニルコポリマー;OPTEMAシリーズ(Exxon Chemical Company)の商品名で入手可能なエチレンメチルアクリラートコポリマー;LOTRYLシリーズ(Elf Atochem North America)の商品名、酢酸エチレンビニルコポリマーUL7710(Exon Chemical Company)を含むESCORENEシリーズの商品名、およびENATHENEシリーズ(Millennium Petrochemicals)の商品名で入手可能なエチレンn−ブチルアクリラートコポリマー;ELVALOYシリーズ(DuPont)の商品名で入手可能なエチレンn−ブチルアクリラート一酸化炭素ターポリマー;ELAVALOYシリーズ(DuPont)の商品名で入手可能なエチレンアクリルコポリマー;およびELVACITEシリーズ(ICI Acrylics)の商品名で入手可能なアクリルポリマーを含む。
【0020】
熱可塑性ポリマー(i)は、ここでの湿気硬化性グラフト修飾樹脂形成組成物に広く変化する量、たとえば全成分の重量に基づいて1から65、好ましくは10から50、そしてより好ましくは25から50重量パーセントで存在し得る。
【0021】
少なくとも一つの加水分解性シリル基を有するシリル基含有ポリマー(ii)
本発明の湿気硬化性グラフト修飾樹脂組成物は、酸素および窒素からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する結合基を介してポリマーへと結合する少なくとも一つの加水分解性シリル基を有する少なくとも一つのシリル基含有ポリマー(ii)を含む。
【0022】
本発明の一実施態様において、シリル基含有ポリマー(ii)は一般式(1):
【化1】

によって表され、
ここで
の各々は独立して一価もしくは多価の500から25,000グラム/モルの数平均分子量を有する有機ポリマーフラグメントであり;
の各々は独立して、二価のアルキレン、アルケニレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子を含有する二価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子を任意選択で少なくとも一つ含有し;
の各々は独立して、二価の酸素(−O−)、硫黄(−S−)もしくは構造(−)NRの置換窒素より選択され、ここでRは水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRは18個までの炭素原子を含有し、そしてaが1でありかつAが酸素もしくは硫黄の時Aは(−)NRであるという条件であり、そしてaが0の時Aは酸素であるという条件であり;
の各々は独立して、二価の酸素(−O−)、硫黄(−S−)もしくは構造(−)NRの置換窒素より選択され、ここでRは水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRは18個までの炭素原子を含有し、そしてAが酸素もしくは硫黄の時Aは(−)NRであるという条件であり;
の各々は独立してRO−、RC(=O)O−、RC=NO−およびRNO−からなる群より選択され、ここでRは独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRは、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;
およびXの各々は独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−およびRからなる群より選択され、ここでRは独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRは、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;そして
下付き文字aおよびbの各々は独立して整数であり、ここでaは0もしくは1であり、かつbは1から6である。
【0023】
ここで用いられるとき、「アルキル」は、直鎖の、分岐の、および環状のアルキル基を含み;「アルケニル」は、一つもしくはそれ以上の炭素−炭素二重結合を含有する任意の直鎖の、分岐の、および環状のアルケニル基であって、ここで置換がもしあるならば、位置が炭素炭素二重結合においてもしくは基内のどこかのいずれでもあり得るものを含み;「アリール」は、そこから一つの水素原子が取り除かれた任意の芳香族炭化水素を含み;「アラルキル」は、その中で一つもしくはそれ以上の水素原子が同じ数の類似のおよび/もしくは異なった(ここで定義されるような)アリール置換基によって置換されている、上述のアルキル基の任意のものを含み;「アレニル」は、一つもしくはそれ以上の水素原子が、同じ数の類似のおよび/もしくは異なった(ここで定義されたような)アルキル置換基によって置換されている、上述のアリール基の任意のものを含む。
【0024】
アルキルの具体例は、メチル、エチル、プロピルおよびイソブチルを含むがそれらには限定されない。アルケニルの具体例は、ビニル、プロペニル、アリル、メタリル、エチリデニルノルボルナン、エチリデンノルボルニル、エチリデニルノルボルネンおよびエチリデンノルボルネニルを含むがそれらには限定されない。アリールの具体例はフェニルおよびナフタレニルを含むがそれらには限定されない。アラルキルの具体例はベンジルおよびフェネチルを含むがそれらには限定されない。アレニルの具体例はトリルおよびキシリルを含むがそれらには限定されない。
【0025】
本発明の一実施態様によると、シリル基含有ポリマー(ii)は、ポリオール反応物の一つもしくは混合物より調製できる。ポリオール反応物の混合物は、湿気硬化型ポリマー樹脂における流動性、引張強度、モジュラスおよび接着強度のような特定の物理特性を達成するためにしばしば用いられる。一実施態様において、ポリオールの数平均分子量は好ましくはモル当たり300から24,000グラムであり、より好ましくはモル当たり1,000から20,000グラムである。これらのポリオールは一つもしくはそれ以上のウレタン、チオウレタン、尿素、ビウレット、エステル、チオエステル、エーテル、チオエーテル、アミドなどのような他の有機官能基を含有していても良い。
【0026】
生じる効果樹脂のTgを下げ、フレキシビリティを上げるために、単一のシリル基を含有するシリル基含有ポリマー(ii)を、二つもしくはそれ以上のシリル基を含有ポリマー(ii)と組み合わせて用いても良い。単一のシリル基を含有するポリマー(ii)は、硬化の際にポリマーネットワークに組み入れられる反応性の可塑剤として機能する。しかしながら、ポリマー(ii)の混合を提供するために用いられるポリオール混合物平均ヒドロキシル官能性が低すぎるならば、ポリマー(iii)の混合物を含有する湿気硬化型樹脂組成物は不十分に硬化する。それゆえ、ポリマー(ii)が適切な方法で硬化するのに反応物のポリオールが十分な平均ヒドロキシル官能性を有することが好ましい。ポリオール反応物混合物の平均ヒドロキシル官能性は、ポリオール分子当たり1.6から6.0ヒドロキシル基、好ましくはポリオール分子当たり1.8から3.0ヒドロキシル基、そしてより好ましくはポリオール分子当たり1.95から2.5ヒドロキシル基の範囲であり得る。
【0027】
低い数平均分子量のポリオール反応物と高い数平均分子量のポリオール反応物とを混合することは、一般的に、破断時の伸び値を保ちつつ、硬化樹脂の低歪み時でのモジュラスを上昇させる。低分子量のポリオールの数平均分子量は、モル当たり300から2,000グラム、好ましくはモル当たり500から1,200グラム、そしてより好ましくはモル当たり800から1,000グラムの範囲であり得る。高分子量のポリオールの数平均分子量はモル当たり2,000から24,000グラム、好ましくはモル当たり4,000から12,000グラム、そしてより好ましくはモル当たり8,000から10,000グラムの範囲であり得る。高分子のポリオールの反応物に対する低分子量のポリオールの反応物の重量比は0.01から3、好ましくは0.05から1、そしてより好ましくは0.2から0.5の範囲であり得る。
【0028】
それからポリマー(ii)が誘導されるポリオールの非限定的な代表例は、ヒドロキシル末端ポリプロピレンオキシド、ヒドロキシル末端ポリエチレンオキシドおよびヒドロキシル末端ポリブチレンオキシドのようなヒドロキシル末端ポリアルキレンオキシド;ポリカプロラクタンジオールおよびトリオール;ヒドロキシル末端ポリブタジエンコポリマーのようなヒドロキシル末端不飽和ゴム;脂肪族飽和二塩基酸ならびにジオールもしくはトリオール、不飽和二塩基酸ならびにジオールもしくはトリオール、飽和ポリ酸およびジオールまたは芳香族二塩基酸ならびにジオールもしくはトリオールなどから作成されるポリエステルジオールおよびポリオール;ポリテトラメチレングリコール;ならびに他の−20℃より低いTgを有するジオールもしくはトリオールを含む。
【0029】
本発明の一実施態様において、ポリオールの反応物は、非常に低いレベルの不飽和を有しており、それに対応して高いレベルの官能性を有している。そのようなポリオールは、典型的にはアルキレンオキシドの重合化のための金属錯体触媒を用いて調製され、低いレベルの末端エチレン系不飽和を有するポリオールを生じる。本発明の一実施態様において、ポリオールの反応物は、ポリオールのグラム当たり0.4ミリグラム当量(meq/g)より少ない、好ましくは0.1ミリグラム当量(meq/g)より少ない、そしてより好ましくは0.02ミリグラム当量(meq/g)より少ない末端エチレン系不飽和を有する。ポリオールの数平均分子量は、モル当たり500から24,000グラム(g/モル)、そしてより好ましくはモル当たり2,000から12,000グラムの範囲であり得る。
【0030】
本発明の他の実施態様において、ポリオールの反応物はヒドロキシル含有アクリラートポリマーである。用語「ヒドロキシル含有アクリラートポリマー」はここでは、少なくとも一つのヒドロキシル基と少なくとも一つのエステル基とを含有する、ペンダントおよび/もしくは末端ヒドロキシル官能性ポリマーおよびコポリマーについて言及する。ヒドロキシル含有ポリマーは、ヒドロキシル基と、任意選択で一つもしくはそれ以上の他のタイプのエチレン系不飽和モノマーをアルファ,ベータエチレン系不飽和カルボン酸エステルの一つもしくはそれ以上から調製される。アルファ,ベータ−エチレン系不飽和モノマーがヒドロキシル基を含有していない時、ヒドロキシル基を含有する他のタイプのエチレン系不飽和モノマーの少なくとも一つがヒドロキシル含有アクリラートポリマーの調製に用いられるべきである。とりわけ、アルファ,ベータエチレン系不飽和カルボン酸エステルは、2−ヒドロキシエチルアクリラート、3−ヒドロキシプロピルアクリラート、6−ヒドロキシヘキシルアクリラート、メチルアクリラート、エチルアクリラート、ブチルアクリラート、2−エチルヘキシルアクリラート、フェニルアクリラートなどのようなアクリル酸のエステル;2−ヒドロキシエチルメタクリラート、3−ヒドロキシプロピルメタクリラート、6−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルメタクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート、フェニルメタクリラートなどのようなメタクリル酸のエステルであり;他のタイプのエチレン系不飽和モノマーは、アリルアルコール、メタリルアルコールなどののようなアルコール;アクリル酸、メタクリル酸、2−プロペン酸、2−ブテン酸、3−ブテン酸、4−ビニル安息香酸などの酸;スチレン、4−ビニルトルエンなどのアリール基を含有するビニル化合物;アクリロニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル;塩化アリル、塩化メタリルなどの置換エチレン系不飽和モノマーなどである。
【0031】
本発明のヒドロキシル含有アクリラートポリマーは、アクリル酸もしくはメタクリル酸のエステルならびに/またはメタクリル酸のエステル、ならびに/またはスチレンモノマー、ならびに/またはアクリロニトリルモノマー、ならびに/また酢酸ビニルモノマーを含むがそれらには限定されない。有用なヒドロキシル含有アクリラートポリマーは、ここで参照によりそのすべての内容を組み入れる米国特許第4,491,650号に開示されるもののような当分野に既知の方法によって調製できる。
【0032】
本発明の一実施態様において、ヒドロキシル含有アクリラートポリマーは一般式(2):
【化2】

によって表され、
ここで、
の各々は独立して、水素、またはアルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々は独立して、水素、またはアルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々は、共有結合、またはアルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々は独立して、アルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有し;
10の各々は、アルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々は独立して、カルボキシ(−C(=O)OH)、シアノ(−CN)、ヒドロキシル(−OH)、ハロ(Cl−、BrおよびI−)、フェニル(−C)およびビニル(−C(R)=CH)からなる群より選択される有機官能基であり、ここでRは前述の意味を有し;
m、n、oおよびpの各々は、整数であり、ここでmは0から500であり、nは0から500であり、oは0から500であり、pは0から500であり、ただしoとpの合計が1より大きく、かつnとpの合計が1より大きいという条件である。
【0033】
シリル基含有ポリマー(ii)は、ここでの湿気硬化型グラフト修飾樹脂形成組成物中に、全組成物重量に基づいて、1から40、好ましくは2から30、そしてより好ましくは5から20重量パーセントの量で存在できる。
【0034】
シリル基含有ポリマー(ii)は、この下に記載されるものを含むいくつかの合成プロセスのうち任意のものによって調製され得る。
【0035】
合成プロセス1:ポリオールとポリイソシアナートとの反応であってイソシアナート末端プレポリマーを提供し、これはその後、少なくとも一つの活性水素官能基を含有する加水分解性シランと反応してシリル基含有ポリマー(ii)を提供する
合成プロセス1の第一のステップにおいて、一つもしくはそれ以上の上述のヒドロキシル官能性ポリオールは、当分野に周知のように典型的には触媒の存在下で過剰量の一つもしくはそれ以上のポリイソシアナートとの反応によってイソシアナート末端プレポリマーへと転換される。生じるイソシアナート末端プレポリマーは一般式(3):
【化3】

によって表されてもよく、
ここで、Rおよびbは上述の意味を有し、aは1である。一価および多価の有機ポリマーフラグメントRは、ヒドロキシル基とイソシアナート基との反応の結果として少なくとも一つのウレタン基を含有することは理解されよう。本発明の一実施態様によると、イソシアナート末端プレポリマーは、1.1から2.0、好ましくは1.4から1.9、そしてより好ましくは1.6から1.8の範囲の−NCO対−OH比におけるジイソシアナートとポリオールとの反応によって調製される。
【0036】
好適なポリイソシアナートは、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート異性体の混合物、4,4’−ジフェニル−メタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート、2,2−および2,4−の異性体の混合物を含有する様々な溶液のジフェニルメタン−ジイソシアナートなどおよびそれらの混合物のようなジイソシアナートを含む。本発明の一実施態様において、用いられるイソシアナート官能性モノマーは、BayerからDesmodur ID230の商標名で入手可能なイソホロンジイソシアナート(IPDI)である。
【0037】
触媒はイソシアナート末端プレポリマーの調製に用いられても良い。好適な触媒は、例えばトリスネオデカン酸ビスマスおよび他のカルボン酸ビスマスのようなビスマス塩;ジルコニウムキレートおよびアルミニウムキレートのようなジルコニウム化合物もしくはアルミニウム化合物;ジブチルスズジラウレートおよびジブチルスズアセタートのようなジアルキルスズジカルボキシラート;第三級アミン;ならびに、オクチル酸スズ、酢酸スズのようなカルボン酸のスズ塩のような金属塩および塩基を含む。
【0038】
合成プロセス1の第二ステップにおいて、一般式(3)のイソシアナート末端プレポリマーは少なくとも一つの活性水素官能基を有するシランと反応しシリル基含有ポリマー(ii)を提供する。有用なシランは一般式(4):
HY−R−SiX (4)
によって表され、
ここで、R、X、XおよびXは上述の意味を有し、Yの各々は独立して、酸素(−O−)、硫黄(−S−)、(−)NR、−NR(C=O)NR−、−NR(C=O)O−および−NR(C=O)S−からなる群より選択され、ここでRは、水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRは18個までの炭素原子を含有する。
【0039】
ここでのシリル化反応は、例えばここで参照によりそのすべての内容が組み入れられる米国特許第5,990,257号および6,197,912号から当分野に周知である。
【0040】
本発明の一実施態様において、活性水素有機官能性シランは、例えば第一級および第二級アミノアルコキシシラン、ウレイドアルコキシシラン、カルバマトシラン、チオカルバマトシラン、メルカプトアルコキシシランおよびヒドロキシルアルコキシシランを含む。好適なシランの代表例は、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランのマレイン酸ジブチル付加物、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシランのマレイン酸ジブチル付加物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチル(メチルエチルオキシマト)シラン、N−メチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルジエトキシメチルシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリエトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−(N−メチル−2−アミノ−1−メチル−1−エトキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、ビス−(3−トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)アミン、N−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルメチルジメトキシシランおよびO−(3−トリメトキシシリルプロピル)カルバマートを含む。
【0041】
合成プロセス2:式(3)のイソシアナート末端プレポリマーは活性水素官能性基を含有するエチレン系不飽和化合物と反応してプレポリマーにエチレン系不飽和を導入し、それはその後、Si−H基を含有するシランと反応してシリル基含有ポリマー(ii)を提供する
合成プロセス2の第一のステップにおいて、上述のような一般式(3)の少なくとも一つのイソシアナート末端プレポリマーは、一般式(5):
【化4】

によって表される、活性水素官能基を含有する少なくとも一つの不飽和化合物と反応し、
ここで、Rの各々は、二価のアルキレン、アルケニレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される10個までの炭素原子の二価のヒドロカルビル基であって、任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは窒素原子を含有し;Rの各々は独立して、水素、またはアルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される9個の炭素原子までの一価のヒドロカルビルであって、ただし、RとR中の炭素原子の合計は10を超えないという条件であり;そして、Yの各々は独立して、酸素(−O−)、置換窒素(−)NR、−NR(C=O)NR−および−NR(C=O)O−からなる群より選択され、ここで、Rは水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アラルキルもしくは−RSiX基であって、ここで水素以外のそれぞれのRは18個までの炭素原子を含有する。
【0042】
生じる少なくとも一つのエチレン系不飽和基を含有する中間体は、一般式(6):
【化5】

によって表され得、
ここで、R、R、Rおよびbは上述の意味を有し、AとAの各々は独立して、酸素、または構造(−)NRの置換窒素から選択され、ここでRは水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキルもしくは基−RSiXであり、ここで水素以外のそれぞれのRは18個までの炭素原子を含有し、ただしAが酸素の時、Aが(−)NRであり、かつaが1であるという条件である。
【0043】
式(6)のエチレン系不飽和プレポリマーを産生するのに使用できる反応条件は、イソシアナート末端プレポリマーの調製のために上に述べられた触媒の任意のものの使用、低温、周囲温度もしくは高温、非プロトン性溶媒の使用、ならびに減圧、周囲圧もしくは高圧を含める事ができる。好適な温度は0から150℃、好ましくは25から100℃、そしてより好ましくは60から90℃の範囲である。好適な圧力は、13.3Pa(0.1mmHg)から1000kPa(10バール)、好ましくは、1.33kPa(10mmHg)から200kPa(2バール)、そしてより好ましくは80kPa(600mmHg)から100kPa(1バール)の範囲である。典型的な非プロトン性溶媒の非限定的な代表例は、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、ヘキサンおよびシクロヘキサンを含む。
【0044】
合成プロセス2の第二のステップにおいて、式(6)のエチレン系不飽和プレポリマーは、一般式(7):
HSiX (7)
のSi−H基を含有するシラン、すなわちヒドリドシランの少なくとも一つによってヒドロシリル化され、
ここで、X、XおよびXは上述の意味を有する。典型的なヒドロシリル化触媒は硫黄含有物質によって有毒化されるので、そのような触媒が用いられるときは式(6)のプレポリマーおよびヒドリドシラン(7)はどちらも硫黄原子が不含であるべきである。炭素−炭素二重結合を含有する中間体のヒドロシリル化のための条件は、たとえばB. Marciniec編集「Comprehensive Handbook of Hydrosilylation」、Pergamon Press、New York(1992)に記載されるように当分野に周知である。
【0045】
有用なヒドリドシランはH−Si(OCH、H−Si(OCHCH、H−SiCH(OCH、H−SiCH(OCHCH、H−Si(CHOCH、H−(CHOCHCHなどを含む。
【0046】
合成プロセス3:シリル基含有ポリマー(ii)を提供するポリオールとイソシアナート官能基を含有する加水分解性シランとの反応
上述のもののようなヒドロキシル官能性ポリオールは、典型的には好適な触媒の存在下で、イソシアナート官能性シラン、すなわちイソシアナトシランとの、同量より少ないかもしくは同量よりも少し多いイソシアナトシランによる反応によってシリル基含有ポリマー(ii)へと転換される。一実施態様において、−NCO対−OH比は、0.5から1.1、好ましくは0.8から1、そしてより好ましくは0.95から0.99の範囲であり得る。−NCO対−OH比が1より小さい時、ポリマー(ii)は残余のヒドロキシル基を有し、場合によっては基質への接着を向上し、硬化樹脂のモジュラスを低下させる点において有利であり得る。
【0047】
シリル基含有ポリマー(ii)を調製するための好適なイソシアナトシランは一般式(8):
OCN−R−SiX (8)
によって表され、
ここで、X、XおよびXは上述の意味を有し、
は独立して、二価のアルキレン、アルケニレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子を含有する二価のヒドロカルビル基であって、酸素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有する。
【0048】
式(8)のイソシアナトシランの具体例は、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトイソプロピルトリメトキシシラン、4−イソシアナトブチルトリメトキシシラン、2−イソシアナト−1,1−ジメチルエチルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトイソプロピルトリエトキシシラン、4−イソシアナトブチルトリエトキシシラン、2−イソシアナト−1,1−ジメチルエチルトリエトキシシラン、2−チオシアナトエチルトリメトキシシラン、3−チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアナトイソプロピルジメチルメトキシシラン、4−イソシアナトブチルフェニルジメトキシシラン、2−(4−イソシアナトフェニル)エチルメチルジメトキシシランなどを含む。
【0049】
合成プロセス4:ポリオールはエチレン系不飽和ハロゲン化物と反応してエチレン系不飽和プレポリマーを提供し、これはその後、ヒドリドシランと反応してシリル基含有ポリマー(ii)を提供する。
合成プロセス4の第一のステップにおいて、上述のものの任意のもののようなポリオールは、例えば典型的には好適な触媒の存在下で同量より少ないエチレン系不飽和ハロゲン化物との反応によってエチレン系不飽和プレポリマーへと転換される。生じるエチレン系不飽和プレポリマーは、一般式(9):
【化6】

によって表され得、
ここでR、R、R、Aおよびbは上述の意味を有し、Aは酸素であり、かつaは0である。
【0050】
式9のプレポリマーの調製に用いられるエチレン系不飽和ハロゲン化物は一般式(10):
【化7】

によって表され得、
ここで、RおよびRは上述の意味を有し、Yの各々は独立して、Cl−、Br−およびI−からなる群より選択されるハロ原子である。この反応のための条件は、例えばここでの参照によりそのすべての内容を組み込む米国特許第3,951,888号および第3,971,751号に開示されるように、当分野に周知である。
【0051】
式(10)のエチレン系不飽和ハロゲン化物の非限定的な代表例は、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリル、塩化メタリル、臭化メタリル、塩化6−ヘキセニル、クロロメチルスチレンなどを含む。
【0052】
合成プロセス4の第二のステップにおいて、式(9)のエチレン系不飽和プレポリマーは、少なくとも一つの上記の式(7)のヒドリドシランによってヒドロシリル化され、これの具体例は上述のものの任意のものであり得る。上述のようにヒドロキシル化触媒は硫黄含有物質のによって有毒化されるので、そのような触媒が用いられるとき、エチレン系不飽和プレポリマー(9)は硫黄原子が不含であるべきである。上述のヒドロキシル化反応のための条件は、たとえば上に引用されるB. Marciniec編集「Comprehensive Handbook of Hydrosilylation」、Pergamon Press、New York(1992)に記載されるように当分野に周知である。
【0053】
式(1)のシリル基含有ポリマー(ii)において、Rは、例えばモル当たり500から25,000グラム、好ましくはモル当たり1,000から20,000グラム、そしてより好ましくはモル当たり4,000から12,000グラムの数平均分子量と−20から−80℃、好ましくは−25から−40℃、そしてより好ましくは−30から−35℃のTgを有するポリマーフラグメントであり得;Rは6個までの炭素原子の、好ましくは1から3個の炭素原子の、そしてより好ましくは3個の炭素原子のアルキレンもしくはアリーレンであり得;Aは、酸素もしくは構造(−)NRの置換窒素であり得、ここでRは水素、アルキルもしくはアリールであり、ここで水素以外のそれぞれのRは、10個までの炭素原子を、そして好ましくは1から6個の炭素原子を含有し;Aは構造(−)NRの置換窒素であり得、ここでRは水素、アルキルもしくはアリールであり、ここで水素以外のそれぞれのRは10個までの炭素原子を、そして好ましくは1から6個の炭素原子を含有し;XとXはメトキシ、エトキシもしくはプロポキシであり得;そしてXはメチル、メトキシ、エトキシもしくはプロポキシであり得る。
【0054】
他の実施態様において、シリル基含有ポリマー(ii)は、酸素もしくは窒素のヘテロ原子へと結合するカルボニル結合基を介してアクリルポリマーフラグメントへと結合している加水分解性シリル基を少なくとも一つ含有するヒドロキシル含有アクリラートポリマーより調製され得る。これらのポリマーは、アクリラートポリマーフラグメントが硬化樹脂へと高いモジュラスを授けるため、高い強度が求められる用途に好ましい。ヒドロキシル含有アクリラートポリマーより作製されるシリル基含有ポリマーは、一般式(11):
【化8】

によって表され得、
ここで、
の各々は独立して、水素、またはアルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々は独立して、水素、またはアルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々は、共有結合、またはアルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々は独立して、カルボキシ(−C(=O)OH)、シアノ(−CN)、ヒドロキシル(−OH)、ハロ(Cl−、BrおよびI−)、フェニル(−C)およびビニル(−C(R)=CH)からなる群より選択される有機官能基であり、ここでRは前述の意味を有し;
の各々は独立して、エステル結合基を含有する一価のヒドロカルビル基−C(=O)O−Rであり、ここでRの各々は独立して、アルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々は独立して、ヒドロキシル基とエステル結合基とを含有する一価のヒドロカルビル基−C(=O)O−R10−OHであり、ここでR10の各々は独立して、アルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々は独立して、加水分解性シリル基とウレタン結合基を含有する一価のヒドロカルビル基であって、一般式(12):
【化9】

によって表され、
ここでR、X、XおよびXは上述の意味を有し;
11はアルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される18個までの炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;Aは酸素であり;AおよびAは−NH−であり、それぞれのAは二価の酸素、硫黄もしくは構造(−)NRの置換窒素であり、ここでRは水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRは18個までの炭素原子を有し、そしてcが0のとき、Aが−NH−という条件であり;
の各々は独立して、加水分解性シリル基、ウレタン基およびエステル結合基を含有する一価のヒドロカルビル基であって、一般式(13):
【化10】

によって表されるようなものであり、
ここで、R、R11、X、XおよびXは上述の意味を有し;R10の各々はアルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビル基であり、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;Aは酸素であり;AおよびAは−NH−であり;それぞれのAは二価の酸素、硫黄もしくは構造(−)NRの置換窒素であり、ここでRは水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRは、18個までの炭素原子を含有し、そしてdが0のとき、Aが−NH−であるという条件であり;そして、
c、d、m、n、o、p、qおよびrの各々は整数であり、ここでcは0もしくは1であり、dは0もしくは1であり、mは0から500であり、nは0から500であり、oは0から500であり、pは0から500であり、qは0から500であり、rは0から500であり、ただしqとrの合計が1より大きく、qがnと等しいかもしくはそれより小さく、かつrがpと等しいかもしくはそれより小さいという条件である。
【0055】
本発明のさらに他の実施態様において、式(11)のシリル基含有ポリマー(ii)中、Rは水素もしくはメチルであり、そしてより好ましくは水素であり;Rは共有結合であり;Rは10個までの炭素原子の、好ましくは2から8個の炭素原子の、そしてより好ましくは3から6個の炭素原子のアルキルもしくはアリール基であり;R10は12個までの炭素原子の、好ましくは2から8個の炭素原子の、そしてより好ましくは3から6個の炭素原子のアルキレン基であり;Xはフェニル、シアノ、クロロもしくはカルボキシル(−C(C=O)OH)であり;mは0から300、好ましくは10から100、そしてより好ましくは25から50であり;nは0から300、好ましくは10から100、そしてより好ましくは25から50であり;oは0から300、好ましくは10から100、そしてより好ましくは25から50であり;pは0から300、好ましくは10から100、そしてより好ましくは25から50であり;qは0から200、好ましくは1から100、そしてより好ましくは5から50であり;そしてrは0から200、好ましくは1から100、そしてより好ましくは5から50であり、ただし、qとrの合計は1と等しいかもしくはそれより大きいという条件である。
【0056】
式(11)のシリル基含有ポリマー(ii)は、以下に記載されるものを含有する様々な合成プロセスの任意のものによって調製され得る。
【0057】
合成プロセス5:ヒドロキシル含有アクリラートポリマーは、式(8)のイソシアナトシランと反応し、式(11)のシリル基含有ポリマー(ii)を提供する
本発明の具体的な実施態様によると、式(11)のシリル基含有ポリマー(ii)は、上述のものの任意のもののようなヒドロキシル含有ポリマーの少なくとも一つと少なくとも一つの式(8)のイソシアナトシランとを反応させて得られ、後者は典型的に化学量論的な量より少ないか、それと等しいかもしくはそれより少し多く存在する。他の実施態様によると、−NCO対−OHの比は0.5から1.1、好ましくは0.8から1、そしてより好ましくは0.95から0.99の範囲であり得る。NCO対−OHの比が1より小さいとき、ポリマー(ii)は、残余のヒドロキシル基を有し、それは場合によると、硬化樹脂の基体への接着を向上させ、そのモジュラスを低減させる点で有利である。
【0058】
本発明の一実施態様によると、ポリマー(ii)の作製に有用なヒドロキシル含有アクリラートポリマーは、0℃より大きいTgを、他の実施態様において10℃より大きいTgを有する。ヒドロキシル含有アクリルポリマーの数平均分子量は、モル当たり1,000から50,000グラム、そして好ましくはモル当たり2,500から15,000グラムの範囲であり得る。本発明の一実施態様において、ヒドロキシル含有アクリルポリマーのヒドロキシル当量分子量は、モル当たり200から2,000グラム、そして好ましくはモル当たり400から1,000グラムの範囲であり得る。
【0059】
シリル基含有ポリマー(ii)の作製に有用なヒドロキシル含有アクリルポリマーの非限定的な代表例は、G−Cure114BL80、G−Cure196BL80、G−Cure192BL80、G−Cure869PWF50およびG−Cure109A75(Cognis);AcryloidAU−608、ParaloidUCD685HS、ParaloidAU1166およびParaloidAU608S(Rohm&Haas);AcryflowA−90、AcryflowA140およびAcryflowM100(Lyondell);ならびにAcrylamacHS232−2350、AcrylamacHS232−2314およびAcrylamacHS232−2365(Hexion)などを含む。
【0060】
本発明の硬化樹脂組成物における所望のTgを達成するために異なるモノマーの組み合わせを式(2)のヒドロキシル含有アクリラートポリマーの調製に用いる事ができる。高いTgのモノマーの使用は、硬化樹脂のモジュラスと硬度とを増加させる傾向がある一方で、低いTgのモノマーの使用は堅牢性とフレキシビリティーをそれへと授ける傾向がある。
【0061】
任意選択で、シリル基含有ポリマー(ii)、特にヒドロキシル含有アクリラートポリマーより調製されるものは、たとえばそれの40重量パーセントまでの、そして好ましくは20重量パーセントまでの量の一つもしくはそれ以上の溶媒を含有することが出来る。溶媒はシリル基含有ポリマー(ii)は熱可塑性ポリマー(i)との親和性を向上させるのを助ける事が出来る。好適な溶媒の非限定的な例は、n−酢酸ブチル、n−酢酸ブチル、メチルn−アミルケトン、メチルエチルケトン、DowanolPM(DowChemicalCompany)、アセタート、キシレン、エチルベンゼン、AromaticSolvent100(ExxonChemicals)、HiSol10(AshlandChemicalCo.)、トルエン、AliphaticSolvent90(BannerChemicalsGroup)などを含む。
【0062】
少なくとも一つの反応性炭素−炭素不飽和結合を有するシラン(iii)
少なくとも一つの反応性炭素−炭素不飽和結合を有するシラン(iii)は湿気(水)と反応して、後に縮合してシロキサン(Si−O−Si)結合を形成するか、もしくは例えば、鉄、鉄鋼およびアルミニウム、シリカ、ガラス、セラミックなどのような無機表面に存在するヒドロキシル基と反応して共有結合性のケイ素−酸素表面結合を形成する、シラノール(Si−OH)を形成できる。シラン(iii)の炭素−炭素不飽和結合は、少なくとも一つのフリーラジカル発生剤の存在下で反応性機械加工条件において、熱可塑性ポリマー(i)とシリル基含有ポリマー(ii)上にグラフトする。
【0063】
ポリマー(i)および(ii)へとグラフトされる前のシラン(iii)は一般式(14):
【化11】

によって表され、
ここで、
11、R12およびR13の各々は独立して、水素、またはアルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子を含有する一価のヒドロカルビル基であり;
14の各々は独立して、アルキレン、アルケニレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であって、少なくとも一つの酸素へテロ原子を任意選択で含有し;
の各々は独立して、化学結合、二価の酸素(−O−)もしくは構造(−)NR15の置換窒素であり、ここで、R15は水素、アルキル、アレニル、アリール、アラルキルもしくは−R14SiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのR15は12個までの炭素原子を含有し;
10の各々は独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−およびRNO−からなる群より選択され、ここでそれぞれのRは独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールもしくはアラルキルであり、ここで水素以外のRは、18個までの炭素原子を含有し、任意選択で少なくとも一つの酸素原子を含有し;
11およびX12の各々は独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−およびRからなる群より選択され、ここでRは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールもしくはアラルキルであり、ここで水素以外のそれぞれのRは18個までの炭素原子を含有し、そして任意選択で少なくとも一つの酸素もしくは硫黄原子を含有し;そしてrは0もしくは1である。
【0064】
11、R12およびR13のいくつかの非限定的な具体例は水素;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、エチルシクロヘキシル、ノルボルニル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、そして好ましくはメチルもしくはエチルのようなアルキル;フェニルおよびナフタレニルのようなアリール;ベンジルおよびフェネチルのようなアラルキル;ならびにトリルおよびキシリルのようなアレニルを含む。ここでのR11、R12およびR13基は、ポリマー(i)および/もしくは(iii)へとグラフト可能な部分、例えば不飽和炭素−炭素結合のような部分をまったく含有していない。もし、R11、R12もしくはR13がポリマー(i)および/もしくは(iii)へとグラフト可能な部分を含有している場合、シランは反応性機械加工条件において結合を形成する少なくとも二つの反応性基を有し、少なくとも一つのフリーラジカル発生剤(iv)の存在下で、本発明の湿気硬化型樹脂組成物による、しばしばスコーチと言及される早期の架橋を生じる。
【0065】
ここでの使用に好適である反応性の不飽和炭素−炭素結合を含有する具体的な加水分解性シラン(iii)は例えば式(14)によって表され、6−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−2−メチル−ヘキシ−1−エン−3−オン;6−(トリメトキシ−シラニル)−2−メチル−ヘキシ−1−エン−3−オン;7−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−2,3−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−オン;2−メチル−アクリル酸2−(トリメトキシ−シラニル)−エチルエステル;2−メチル−アクリル酸−2−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−エチルエステル;2−メチル−アクリル酸3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;2−メチル−アクリル酸3−(トリエトキシ−シラニル)−プロピルエステル;2−メチル−アクリル酸3−(フェニル−ジメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;N−[3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピル]−2−メチル−アクリルアミド;N−[3−(トリエトキシ−シラニル)−プロピル]−2−メチル−アクリルアミド;N−[1−(トリメトキシ−シラニル)−メチル]−2−メチル−アクリルアミド;N−[3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピル]−アクリルアミド;アクリル酸3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;アクリル酸3−(トリメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;メチル−ジメトキシ−ビニル−シラン;トリメトキシ−ビニル−シラン;フェニル−ジメトキシ−ビニル−シラン;トリプロポキシ−ビニル−シラン;メチル−ジエトキシ−ビニル−シラン;トリエトキシ−ビニル−シラン;およびそれらの混合物を含む。
【0066】
シラン(ii)は、ここでの湿気硬化型グラフト修飾樹脂形成組成物中において、全組成物の重量に基づいて、0.1から10、そして好ましくは1から5重量パーセントの量で存在できる。
【0067】
フリーラジカル発生剤(iv)
フリーラジカル発生剤(iv)は、本発明のプロセスのステップ(c)における成分(i)、(ii)および(iii)との混合においてフリーラジカルを発生するアゾ化合物、ペルオキシド、電子ビーム開始剤(electron beam initiator)、紫外線光開始剤(ultra−violet light initiator)およびせん断発生開始剤(shear−generated initiator)のような既知で汎用のフリーラジカル発生剤の任意のものから選択できる。
【0068】
ペルオキシド−タイプのフリーラジカル発生剤の中でここで有用なものは、80℃から190℃の、好ましくは90℃から155℃の、そしてより好ましくは100℃から135℃の温度での0.1時間の半減期を有するものである。ここに示される具体的なペルオキシドの0.1時間半減温度は、www.arkema−inc.com/index.cfm?pag=353のウェブサイトアドレスにおいて、前記ウェブページ上の「DownloadHalf−LifeSelectionGuide」としてハイライトされているリンクをダウンロードし、Half−LifeSelectionGuide中の「DataおよびCionfigure」と題されるページにおいて個々のペルオキシドに与えられる活性エネルギー(Ea(kcal/gmol))および定数(A(1/sec))のためのデータを共に用いて、Half−LifeSelectionGuide中の「ClassicalPlot」ページにおいて6分(0.1時間)半減として識別されるセルのために提示されている公式を用いて、ダウンロード可能なArkema表計算ソフトに提供されるデータと公式を用いて計算された。公式中で特定のペルオキシドのための適切な活性エネルギーと定数とのデータを用いることによって、表計算ソフトのDataとConfigureにおける個別の溶媒におけるペルオキシドの0.1時間半減温度の値を得るであろう。ここでのペルオキシドの好ましくも与えられる0.1時間半減温度を決定するために用いられる公式は、前記Half−LifeSelectionGuide中の「ClassicalPlot」ページとして6分(0.1時間)半減として識別されるセルに対して識別され、そして:
(活性エネルギー/0.001987/LN((360が乗じられた定数)/0.693))−273.15
である。特定のペルオキシドの0.1時間半減のための他の汎用で既知の方法を個々のペルオキシドの個々の0.1時間半減温度を得るために用いる事が出来る。LNは自然対数であるとして理解される。
【0069】
アゾタイプのフリーラジカル発生剤の中でここで有用なものは、2,2’アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、1,1’アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)である。ペルオキシドの非限定的な具体例は、tert−ブチルペルオキシピバラート、tert−ブチル−2−エチルヘキサノアート、ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、tert−ブチルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノアート、tert−ブチルペルオキシアセタート、ジ−tert−アミルペルオキシド、ビス−(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルオキシアセタート、ジ−tert−アミルペルオキシド、ビス−(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ−tert−ブチルペルオキシドおよびそれらの混合物である。
【0070】
フリーラジカル発生剤(iv)は、効率的なグラフト反応を実施するための、例えば、全組成物の重量に基づいて0.01から2重量パーセント、そして好ましくは0.1から1重量パーセントの量で、ここでの湿気硬化型グラフト修飾樹脂形成組成物に組み入れられる。
【0071】
任意選択の成分(v)
本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物へと組み入れることのできる任意選択の成分は、粘着付与剤、充填剤、紫外線安定剤、抗酸化剤、触媒、接着促進剤、硬化促進剤、レオロジー調整剤、腐食防止剤、加水分解性ケイ素化合物、難燃剤、ワックス、湿気除去剤、顔料、染料、界面活性剤、溶媒、殺生物剤などのような既知で汎用の物質を含み、既知で汎用の量で用いられる。
【0072】
任意選択の成分(v)はここでの湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物へと、それの製造における好適なステージにおいて、例えば、ステップ(a)におけるそれの溶解温度かもしくはそれより高い温度へのポリマー(i)の加温の前ならびに/またはその最中での熱可塑性ポリマー(i)との混合において、ステップ(b)における溶解熱可塑性ポリマー(ii)およびシリル基含有ポリマー(ii)とを混合する前、その最中および/もしくはその後において、そして/またはステップ(c)におけるシラン(iii)および/もしくはフリーラジカル発生剤の添加の前、その最中および/もしくはその後において、添加できる。例えば任意選択の成分(v)が反応性の粘着付与剤であるかそれを含むとき、シラン(iii)とフリーラジカル発生剤(iv)とが反応性機械加工条件において導入されグラフト反応へと硬化をもたらすステップ(c)の間に剤が存在するように、ステップ(a)もしくはステップ(b)においてその剤を添加するのが好ましい。
【0073】
粘着付与剤(v)は、その初期粘着力と長期粘着力の範囲を改善するために接着剤組成物へと添加しても良い基質である。粘着付与剤の好ましい群は、6から10,000個の炭素原子を含有し、任意選択で少なくとも一つの酸素原子を含有し、そして、70から120℃、そして好ましくは80から100℃の環球法による軟化点を有する炭化水素である。ここでの好適な粘着付与剤は、脂肪族の、脂環式の、芳香族の、脂肪族−芳香族の芳香族−修飾脂環式のおよび脂環式の炭化水素樹脂およびそれらの水素化誘導体;テルペン、ポリテルペンおよびフェノール修飾テルペン樹脂のような修飾テルペンならびにそれらの水素化誘導体;天然および修飾ロジン、水素化ロジン、二量体化ロジンおよび多量体化ロジン;天然および修飾ロジンのグリセロールおよびペンタエリトリトールエステル、脂肪有機酸ウッドロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、多量体化ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリトリトールエステルおよびロジンのフェノール修飾ペンタエリトリトールエステルのようなロジンエステル;アルファ−メチルスチレン樹脂およびそれらの水素化誘導体;ならびに、低分子ポリ乳酸である。他の有用な粘着付与剤は、ここで参照によりそのすべての内容をここに組み入れる米国特許第6,355,317号に開示されるものである。
【0074】
ここで使用できる具体的な粘着付与剤の非限定的な代表例は、最も少なく水素化したもの(E)からもっとも多く水素化したもの(W)までの異なる水素化のレベルを有するE、R、LおよびWのグレードでのEASTOTACH−100、H−115、H−130およびH−142のようなEASTOTACシリーズの商品名、ESCOREZ5300およびESCOREZ5400(ExxonChemicalCompany)のようなESCOREZシリーズの商品名、ならびにHERCOLITE2100の商品名(Hercules)で入手可能な部分的に水素化した脂環式石油炭化水素樹脂;ESCOREZ5600(ExxonChemicalCompany)の商品名で入手可能な部分的に水素化した芳香族修飾石油炭化水素樹脂;WINGTACK EXTRA(GoodyearChemicalCompany)の商品名で入手可能な脂肪族−芳香族石油炭化水素樹脂;ZONATAC105LITE(ArizonaChemicalCompany)の商品名で入手可能なd−リモネンから作製されるスチレン化テルペン樹脂;そして、REGAL−REZ1094(Hercules)の商品名で入手可能な芳香族水素化炭化水素樹脂;さらに、KRISTALEX3070、3085および3100(Hercules)の商品名で入手可能なアルファ−メチルスチレン樹脂を含む。
【0075】
熱可塑性ポリマー(i)がエチレンビニルアセタートコポリマーである本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物に対し、粘着付与剤は、好ましくは、コポリマーのビニルアセタート含量に基づいて選択される。少なくとも28重量パーセントのビニルアセタート含量を有するエチレンビニルアセタートコポリマーに対して、粘着付与剤は好ましくは、70から120℃の環球法による軟化点を有する芳香族もしくは脂肪族樹脂である。
【0076】
用いられるとき、選択される粘着付与剤は、本発明の湿気硬化型樹脂組成物において、既知で汎用の量、例えば全組成物の1から60、好ましくは5から30重量パーセントの量で存在できる。
【0077】
本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物に含まれるのに好適な典型的な充填剤は、例えばヒュームドシリカ、沈降シリカ、炭酸カルシウムなどの強化充填剤を含む。本発明の湿気硬化型樹脂組成物は、さまざまな揺変剤(Thixotropic agent)もしくは垂れ防止剤(anti−sagging agent)を含んでも良い。さまざまなカストールワックス、処理粘度およびポリアミドはこのクラスの添加剤を象徴する。本発明の湿気硬化型樹脂組成物へと組み入れることの出来る安定化剤は、例えば、ヒンダードアミンおよびジアルキルジヒドロキシアミンを含む。例えば、アルコキシシラン接着促進剤のような接着促進剤は本発明の湿気硬化型組成物において有用である。湿気硬化型シリル化ポリマー樹脂組成物の適時の硬化(架橋)のための好適な硬化触媒は、さまざまな酸、塩基、金属塩、スズ、チタニウム、ジルコニウムなどの金属錯体の使用によって達成される。
【0078】
本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物は、貯蔵におけるシランのグラフトおよび/もしくは架橋を阻害することのできる一つもしくはそれ以上の成分、例えばフリーラジカル阻害剤、フリーラジカル安定化剤および/もしくはフリーラジカル除去剤を含む事が出来る。いくつかの具体的なフリーラジカル阻害剤は、トリス−2,4−ジ−tert−(ブチルフェニル)ホスファイト、トリス−[2,4−ジ−(1,1−ジメチルプロピル)フェニル]ホスファイト、トリス−(2−フェニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)ホスファイト;2,6−ジ−tert−ブチル−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノールのような単独の2,6−ジアルキルフェノール;2,2’−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−[4−メチル−6−(アルファ−メチルシクロヘキシル)フェノール]、1,1−ビス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,2−ビス−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなビスフェノール;および1,3,5−トリ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメトキシベンゼン、ジオクタデシル2,2−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート、ペンタエリトリリル[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、ステアリル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートのようなヒドロキシフェニル芳香族化合物である。他のフリーラジカル阻害剤は、ここでの参照によりそのすべての内容を組み入れる米国特許第4,187,212号に開示されるものである。いくつかの具体的なフリーラジカル除去剤はペンタエリトリリル[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、ステアリル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートおよびトリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェートである。ここでの他の実施態様において、ここでの組成物は、ここで示されるように存在し得る湿気をさらに含有する。
【0079】
シランの架橋触媒として機能する広い範囲の物質は本分野において基地であり、任意のそのような物質はここで用いられ得る。架橋触媒のいくつかの非限定的例は、ジブチルスズジラウレート、酢酸スズ、オクタン酸スズ、ナフテン酸鉛、オクタン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸鉄およびナフテン酸コバルトのような金属炭酸塩;チタンエステルおよびキレートのような有機金属化合物、例えば、テトラブチルチタナート、テトラノニルチタナートおよびビス−(アセチルアセトニル)ジ−イソプロピルチタナート;エチルアミン、ヘキシルアミン、ジブチルアミンおよびピペリジンのような有機塩基;ならびに鉱酸および脂肪酸のような酸を含む。具体的な架橋触媒はジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセタートおよびジブチルスズジオクタノアートのような有機スズ化合物である。
【0080】
本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物は、接着剤および封止剤の用途において典型的に用いられる他の添加剤を含み得る。これらの添加剤は溶媒、含量もしくは他の着色剤、染料、界面活性剤、防カビ剤ならびに殺生物剤を含む。そのような成分は汎用の量で用いられる。コーティング剤配合物は、湿気硬化型シリル化ポリマー樹脂組成物について記載された添加剤を、封止剤もしくは接着剤配合物とは異なった割合においてであるが含んでよく、そして、典型的には実施例のように溶媒および消泡剤を含む。
【0081】
反応性機械加工条件
ここでの「反応性機械加工条件」という表現は、押出機、高せん断ミキサー、噛合いミキサー、接線型ミキサーなどのような機械加工装置中での上述のフリーラジカル発生剤(iv)の活性化とシラン(iii)の熱可塑性ポリマー(i)上、シリル基含有ポリマー(ii)上およびもし存在するなら任意選択の反応性粘着付与剤上へのグラフトをもたらすこととを含む反応性加工をもたらすに十分な滞在時間と高温の条件を意味すると理解されよう。
【0082】
本発明のプロセスによる一実施態様において、本発明のプロセスのステップ(c)において達成される、熱可塑性ポリマー(i)、シリル基含有ポリマー(ii)、シラン(iii)および任意選択の粘着付与剤の間のグラフト反応は、例えばスクリュータイプ押出機、インターナル(internal)バンバリーミキサーもしくはロールミルのような任意の好適な機械加工装置を用いて実施され、当然、装置の通常の操作は所望のグラフトを提供するという条件である。特に有利な機械加工装置は、その内容物に対する混練作用もしくは配合作用をもたらす押出機である。そのような押出機装置は、押出機バレル(barrel)および真空ポートに産生される熱を増加し、それによって任意の反応しないシランおよび/もしくは他のペルオキシドの分解産物、アルコールなどの揮発性の物質が容易に除去され得る、ヒートジャケットのような任意選択の特徴を含む。
【0083】
シラン(iii)が装置中に導入され、熱可塑性ポリマー(i)の表面に分散して反応が起こり、それは装置中で直接に測定される。フリーラジカル発生剤(iv)は、熱可塑性ポリマー(i)表面へとあらかじめ適用されて、および/もしくは、もし可能ならシラン(iii)へと溶解して、導入できる。シラン(iii)および/もしくはフリーラジカル発生剤(iv)は、機械加工装置へと「乾燥」物質として、すなわちシラン(iii)および/もしくはフリーラジカル発生剤(iv)の少なくとも一部分が一つもしくはそれ以上の任意選択の通常は液体物質(v)を含んでもしくは不含で、一つもしくはそれ以上の好適な物質および/もしくは粒子充填剤または脱水シリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラック、有機ポリマー、発泡ポリオレフィンなどのような担体へと吸収されて、導入される。乾燥して遊離した流体組成物は、シラン(iii)を混合物中に一つもしくはそれ以上の上述の担体物質と共に、シラン(iii)と担体の重量に基づいて0.1から約60重量パーセントの重量比で含有する。シリカのような担体のBET表面面積は大きく変動し、一実施態様において100m/gから300m/gで変動し得る。発泡ポリオレフィンのような多孔性の担体は、100グラム当たり10mlから250ml(9から70重量パーセント)のシラン(iii)を有利にも吸着できる。充填剤は、カーボンブラックもしくは有機ポリマーの場合のように、それが混合されるシランに対して非反応性である。
【0084】
熱可塑性ポリマー(i)、シリル基含有ポリマー(ii)、シラン(iii)および例えば反応性粘着付与剤のような任意の反応性の任意選択の成分の間の反応は、熱可塑性ポリマー(i)の溶解温度と分解温度の間の任意の好適な温度において実施される。用いられる実際の反応温度は、通常は用いられる機械加工装置のタイプ、必要に応じて装置へのパワー入力および化合物粘度プロフィール、を考慮して決定される。熱可塑性ポリマーがポリエチレンのようなポリオレフィンの時、グラフト反応を、ポリオレフィンの加工に通常用いられるのと同様の温度と時間、例えばここに記載されるような温度と時間で行うことが望ましい。
【0085】
任意の既知で汎用の操作が、熱可塑性ポリマー(i)、シリル基含有ポリマー(ii)、およびもし存在するなら任意選択の反応性粘着付与剤(v)へとシラン(iii)をグラフトするのに用いられ得る。特に有用な一つの方法は反応性押出機において、熱可塑性ポリマー(i)および任意選択の反応性粘着付与剤(v)をシリル基含有ポリマー(ii)と少なくとも125℃のバレル温度において、そしてその後、フリーラジカル発生剤(iv)およびシラン(iii)と押出機の第一のステージにおいて、混合することを含む。押出機は、一軸スクリュー押出機、例えば長さ/直径比が少なくとも25:1、好ましくは少なくとも30:1、そしてより好ましくは少なくとも38:1のものであり得る。グラフト条件は、ここでの特定の湿気硬化型樹脂組成物によって大きく変動し得る。溶解温度は、選択された滞在時間と用いられるフリーラジカル発生剤のタイプに依存して160℃から240℃、好ましくは210℃から230℃、そしてより好ましくは200℃から220℃の範囲であり得る。グラフト反応が完了すると、本発明の湿気硬化型樹脂組成物はペレット化されるかもしくはリボンもしくは他の形状へと押出され、最終的な用途へ向けて適切に保管される。反応性押し出し装置およびその操作に関するさらなる詳細のために、ここで参照によりそのすべての内容を組み入れる、G.H.Huらの「Reactive Modifiers for Polymers」第一版、Blackie Academic&Professional、Imprint of Chapman&Hall、London1997、第1章、1〜97ページを参照できる。
【0086】
本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物は2から90の、そして好ましくは3から75のオープンタイムを、そして湿気硬化に続いて、750から10,000psi(5MPaから7MPa)の、そして好ましくは1,000から7,500psi(7MPaから52MPa)の引張応力を、ならびに7から1,000lbf(311Nから4,450N)の、そして好ましくは100から500lff(445Nから2,225N)の接着強度を有し得る。
【0087】
本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物は、そのさまざまな用途の中で、二つの基質を互いにその互いに反対の表面において接着するための湿気硬化型接着剤としての用途に特に有利である。このように、本発明のこの様相によると、基質を接着するプロセスが提供され、それは:
a)接着性の結合を形成する量の流体の状態へと加熱された本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を第一の基質へと塗布するステップ;
b)第二の基質を湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物の露出した表面に、前記樹脂組成物が流体の状態にある間に、塗布するステップ;および
c)湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を湿気硬化し、第一の基質を第二の基質へと接着結合する湿気硬化樹脂を提供するステップ;
を含有する。
【0088】
第一のおよび第二の基質は、例えば、金属、金属合金、熱可塑性物質、熱硬化性樹脂、ガラス、セラミック、セメント、石、木、セルロース、前述のものの複合品および積層品などの広範囲の物質の任意のものによって作られていてもよい。基質は同一のもしくは異なった物質によって作られていてよく、同一のもしくは異なった機械的性質を有しており、同一のもしくは異なった構造的性質、大きさなどを有している。ここでの湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を、その互いに接着する表面が反応性の官能性、例えばヒドロキシル基をその上に有している基質の接着に用いることが特に有利であり、樹脂組成物によって作成されるシラノール基と硬化中に反応し、それによって、結合する基質表面へと硬化樹脂を化学的に固定し、結合強度を増加する共有結合を形成する。本発明の一実施態様において、その表面が互いに接合される、例えば乗用車のトレーラーの組み立ての重ね継ぎを形成するためのコートされたもしくはコートされていないアルミニウムシートもしくはパネルは、湿気硬化しているグラフト修飾樹脂組成物のシラノール基と反応するヒドロキシル基を有し、それによって接着する表面の反応性の官能性を実質的に排した基質によって得られるものよりもより強い結合強度を達成する。
【実施例】
【0089】
以下の実施例のうち、実施例1〜49は本発明の例示であり、比較例1〜8は比較の目的で提示された。以下の表中に提示された成分のデータにおいて、成分のすべての量はグラム単位である。
【0090】
実施例1
シリル基含有ポリマー(ii)は、4,000グラム/モルの数平均分子量および27.9のヒドロキシル数を有する低不飽和ポリ(オキシプロピレン)ジオール(Bayer)であるAcclaim4200(280グラム、0.007モル)および2,000グラム/モルの数平均分子量および55.4のヒドロキシル数(BASF)を有するポリテトラヒドロフランである、PolyTHFPolyether(120グラム、0.06モル)を樹脂ケトル(kettle)へと充填し、湿気含量が200ppmもしくはそれより少なくなるまで攪拌しながら80℃で窒素を噴霧することによって作製された。ケトルの温度はそののち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、MondurM(45.1グラム、0.18モル;Bayer)の添加に際して、45±5℃へとさまされた。触媒ジブチルスズジラウレート、FomrezSUL−4(スズに基づいて5.5ppm;Chemtura Co.)が5分後に添加された。混合物はその後、加熱され、縮合反応のために窒素雰囲気生成装置中で攪拌しつつ75±5℃で保たれた。NCO含量は、n−ジブチルアミン滴定法によって測定され、おおよそ0.5時間毎に観測された。NCO含量が0.97パーセントに達した後、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、SilquestA−Link15(24.36グラム、0.11モル;Momentive Performance Materials)が添加され、滴定によって完了したことが測定されるまで同じ温度で反応が続けられた。
【0091】
実施例2
シリル基含有ポリマー(ii)はポリ(オキシプロピレン)ジオール、PPG1000(200グラム、0.20モル、ヒドロキシル数112.4;Arcol)を樹脂ケトルへと充填し、湿気含量が200ppmもしくはそれより少なく減少するまで、80℃で攪拌しつつ、窒素を散布することによって調製された。ケトルの温度はそののち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、MondurM(100.2グラム、0.40モル)の添加に際して、45±5℃へとさまされた。触媒FomrezSUL−4(スズに基づいて5.5ppm)が5分後に添加された。混合物はその後、加熱され、縮合反応のために窒素雰囲気生成装置中で攪拌しつつ75±5℃で保たれた。NCO含量は、n−ジブチルアミン滴定法によって測定され、おおよそ0.5時間毎に観測された。NCO含量が5.04パーセントに達した後、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、SilquestA−Link15(93.0グラム、0.42モル)が63℃で混合物へと添加され、滴定によって完了したことが測定されるまで同じ温度で反応が続けられた。生じたポリマー(ii)の粘度は25℃で250,000cpsであった。
【0092】
実施例3
シリル基含有ポリマー(ii)は、PPG1000(200グラム、0.20モル)を樹脂ケトルへと充填し、湿気含量が200ppmもしくはそれより少なく減少するまで、80℃で攪拌しつつ、窒素を散布することによって調製された。ケトルの温度はそののち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、MondurM(100.2グラム、0.40モル;Bayer)の添加に際して、45±5℃へとさまされた。触媒FomrezSUL−4(スズに基づいて5.5ppm)が5分後に添加された。混合物はその後、加熱され、縮合反応のために窒素雰囲気生成装置中で攪拌しつつ75±5℃で保たれた。NCO含量は、n−ジブチルアミン滴定法によって測定され、おおよそ0.5時間毎に観測された。NCO含量が5.61パーセントに達した後、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、SilquestA−Link15(93.0グラム、0.42モル)が63℃で混合物へと添加され、滴定によって完了したことが測定されるまで同じ温度で反応が続けられた。
【0093】
実施例4
シリル基含有ポリマー(ii)は、Acclaim8200(280グラム、0.035モル)およびPolyTH Polyether(120グラム、0.06モル)を樹脂ケトルへと充填し、湿気含量が200ppmもしくはそれより少なく減少するまで、80℃で攪拌しつつ、窒素を散布することによって調製された。ケトルの温度はそののち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、MondurM(33.1グラム、0.133モル)の添加に際して、45±5℃へとさまされた。触媒FomrezSUL−4が5分後に添加された。混合物はその後、加熱され、縮合反応のために窒素雰囲気生成装置中で攪拌しつつ75±5℃で保たれた。NCO含量は、n−ジブチルアミン滴定法によって測定され、おおよそ0.5時間毎に観測された。NCO含量が0.73パーセントに達した後、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、SilquestA−Link15(17.8グラム、0.08モル)が添加され、滴定によって完了したことが測定されるまで同じ温度で反応が続けられた。生じたポリマー(ii)の粘度は25℃で390,000cpsであった。
【0094】
実施例5
シリル基含有ポリマー(ii)は、ヒドロキシル含有アクリルポリマーG−Cure 114LB80(400グラム、0.42モルのOH基当量;Cognis)、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランSilquest A−Link 25(54.66グラム、0.22モル;Momentive Performance Materials)およびCoscat83(0.125ml;Caschem)を三口反応ケトルへと充填し、ケトルの内容物を80℃へと加熱し、窒素雰囲気生成装置中で4時間この温度を維持する事によって調製された。生じたシリル基含有アクリルポリマー(ii)は滴定によって測定される検出可能なイソシアナート(−NCO)がまったく存在せず、25℃で67,470cpsの粘度を有していた。
【0095】
実施例6
シリル基含有ポリマー(ii)は、ヒドロキシル含有アクリルポリマーG−Cure 114LB80(1200グラム、1.27モルのOH基当量;Cognis)、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランSilquest A−Link 25(164グラム、0.66モル)およびCoscat83(0.125ml)を三口反応ケトルへと充填し、ケトルの内容物を80℃へと加熱し、窒素雰囲気生成装置中で5時間この温度を維持し、その後Irganox1135(6.8グラム)を添加する事によって調製された。生じたシリル基含有アクリルポリマー(ii)は滴定によって測定される検出可能なイソシアナート(−NCO)がまったく存在せず、25℃で24,715cpsの粘度を有していた。
【0096】
実施例7
シリル基含有ポリマー(ii)は、Stepanpol* PH−56(280グラム、0.145モル、ヒドロキシル数57.4;Stepan)およびPolyTHF 2000 Polyether(120グラム、0.06モル、ヒドロキシル数56.4;BASF)を樹脂ケトルへと充填し、湿気含量が200ppmもしくはそれより少なく減少するまで、ケトルの内容物を80℃に加熱して攪拌しつつ、窒素を散布することによって調製された。ケトルの温度はそののち、Desmodur W(85.4グラム、0.325モル;Bayer)の添加に際して、45±5℃へとさまされた。触媒FomrezSUL−4(スズに基づいて5.5ppm)が5分後に添加された。混合物はその後、加熱され、縮合反応のために窒素雰囲気生成装置中で攪拌しつつ75±5℃で保たれた。NCO含量は、n−ジブチルアミン滴定法によって測定され、おおよそ0.5時間毎に観測された。NCO含量が2.11パーセントに達した後、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、SilquestA−Link15(57.16グラム、0.25モル)が添加され、滴定によって完了したことが測定されるまで同じ温度で反応が続けられた。生じたシリル基含有ポリマー(ii)の粘度は25℃で125,000cpsであった。
【0097】
実施例8〜14;比較例1〜3
実施例8〜14は本発明による湿気硬化型樹脂組成物の調製を、比較例1〜3の単一成分熱溶解接着樹脂組成物との比較のために例示する。
【0098】
熱可塑性樹脂(i)、粘着付与剤およびフリーラジカル安定剤は、混合ボウルローラーブレードミキサー(mixing bowl roller blade mixer)で15〜30分、170℃の温度で、分当たり120回転(RPM)のロータースピードで混合された。混合ボウルはBrabender Plasticorderへと接続された。よく混合されると、シリル基含有ポリマー(ii)が添加され、15〜30分間混合された。シラン(iii)およびフリーラジカル発生剤(iv)がそののち添加され15〜30分間、170℃で、120RPMのロータースピードで混合された。他の任意選択の成分は、もしあれば、この時に添加された。
【0099】
実施例8〜14および比較例1〜3の接着形成樹脂組成物は表1に提示され、それらから得られる接着剤の物理特性が表2に提示される。
【0100】
熱可塑性ポリマー(i)Escorne Polyvinylacetate UL7710(Exxon Mobil Chemical Company)は10分当たり420グラムのメルトインデックス、0.941g/cmの密度、26.7重量パーセントの酢酸ビニル含量および232psiの破断時の張力を有する。粘着付与剤Escorez2394芳香族修飾脂肪族樹脂およびEscorez1304脂肪族炭化水素樹脂(どちらもExxonMobil Chemical Company)は、それぞれ9℃および100℃の軟化点を有する。
【0101】
表2のデータは、本発明の硬化型組成物(実施例8〜14)中のシラン(iii)およびフリーラジカル発生剤(iv)の存在から生じる、引張り強度および接着面引張強度(lap shear strength)におけるかなりの改善を示す。
【0102】
【表1】

【0103】
【表2】

【0104】
実施例15〜21; 比較例4
実施例15〜21および比較例4の接着形成樹脂組成物は実施例8のように調製された。樹脂組成物の配合は表3に提示され、それらから得られる接着剤の物理特性は表4に提示される。
【0105】
表3および4のデータは、本発明の湿気硬化型組成物(実施例15〜21)中のシラン(iii)およびフリーラジカル発生剤(iv)の存在から生じる、引張り強度および接着面引張強度におけるかなりの改善を示す。
【0106】
【表3】

【0107】
【表4】

【0108】
実施例22〜28;比較例5
実施例22〜28および比較例5の接着形成樹脂組成物は実施例8のように調製された。樹脂組成物の配合は表5に提示され、それらから得られる接着剤の物理特性は表6に提示される。
【0109】
表5および6のデータは、本発明の湿気硬化型組成物(実施例22〜28)中のシラン(iii)およびフリーラジカル発生剤(iv)の存在から生じる、引張り強度および接着面引張強度におけるかなりの改善を示す。
【0110】
【表5】

【0111】
【表6】

【0112】
実施例29〜35;比較例6
実施例29〜35および比較例6の接着形成樹脂組成物は実施例8のように調製された。樹脂組成物の配合は表7に提示され、それらから得られる接着剤の物理特性は表8に提示される。
【0113】
表7および8のデータは、本発明の湿気硬化型組成物(実施例29〜35)中のシラン(iii)およびフリーラジカル発生剤(iv)の存在から生じる、引張り強度および接着面引張強度におけるかなりの改善を示す。
【0114】
【表7】

【0115】
【表8】

【0116】
実施例36〜42;比較例7
実施例36〜42および比較例7の接着形成樹脂組成物は実施例8のように調製された。樹脂組成物の配合は表9に提示され、それらから得られる接着剤の物理特性は表10に提示される。
【0117】
表9および10のデータは、本発明の湿気硬化型組成物(実施例36〜42)中のシラン(iii)およびフリーラジカル発生剤(iv)のレベルが増加するに伴う、引張り強度および接着面引張強度におけるかなりの改善を示す。
【0118】
【表9】

【0119】
【表10】

【0120】
実施例43〜49;比較例8
実施例43〜49および比較例8の接着形成樹脂組成物は実施例8のように調製された。樹脂組成物の配合は表11に提示され、それらから得られる接着剤の物理特性は表12に提示される。
【0121】
表11および12のデータは、本発明の硬化型組成物(実施例43〜49)中のシリル基含有ポリマー(ii)のレベルが増加するのに伴う、オープンタイムにおけるかなりの改善を示す。
【0122】
【表11】

【0123】
【表12】

【0124】
本発明の他の実施態様は、本明細書もしくはここに開示される発明の実施の検討より、当業者にとって明らかである。明細書および実施例は例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および精神は以下の請求項によって定義されることが意図されている。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物であって、少なくとも一つの熱可塑性ポリマー(i)と、酸素および窒素からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する結合基を介してポリマー(ii)へと結合している少なくとも一つの加水分解性シリル基を有する少なくとも一つのシリル基含有ポリマー(ii)とを含有し、ポリマー(i)および(ii)のそれぞれはそれらへと、グラフトされる前に少なくとも一つの反応性の炭素−炭素不飽和結合を有している同一かもしくは異なるシラン(iii)の少なくとも一つをグラフトしている、湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項2】
熱可塑性樹脂(i)が10分当たり150から450グラムのメルトフローインデックスを有する、請求項1に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項3】
熱可塑性樹脂(i)が10分当たり150から450グラムのメルトフローインデックスを有する、請求項1に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項4】
熱可塑性樹脂(i)が10分当たり200から400グラムのメルトフローインデックスを有する、請求項1に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項5】
熱可塑性樹脂(i)が10から60重量パーセントの酢酸ビニル含量を有するエチレン−酢酸ビニルコポリマーである、請求項2に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項6】
前記エチレン−酢酸ビニルコポリマーが18から50パーセントの酢酸ビニル含量を有する、請求項2に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項7】
前記シリル基含有ポリマー(ii)が一般式(1):
【化12】

によって表され、
ここで、
の各々が独立して、500から25,000グラム/モルの数平均分子量を有する、一価のもしくは多価の有機ポリマーフラグメントであり;
の各々が独立して、二価のアルキレン、アルケニレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子を含有する二価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子を任意選択で少なくとも一つ含有し;
の各々が独立して、二価の酸素(−O−)、硫黄(−S−)もしくは構造(−)NRの置換窒素より選択され、ここでRは水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRは18個までの炭素原子を含有し、そしてaが1でありかつAが酸素もしくは硫黄の時、Aは(−)NRであるという条件であり、そしてaが0の時Aは酸素であるという条件であり;
の各々が独立して、二価の酸素(−O−)、硫黄(−S−)もしくは構造(−)NRの置換窒素より選択され、ここでRは水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRは18個までの炭素原子を含有し、そしてAが酸素もしくは硫黄の時Aは(−)NRであるという条件であり;
の各々が独立してRO−、RC(=O)O−、RC=NO−およびRNO−からなる群より選択され、ここでそれぞれのRは独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRは、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;
およびXの各々が独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−およびRからなる群より選択され、ここでそれぞれのRは独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRは、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;そして
下付き文字aおよびbの各々が独立して整数であり、ここでaが0もしくは1であり、かつbが1から6である、
請求項1に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項8】
シリル基含有ポリマー(ii)が、一般式(11):
【化13】

で表されるアクリルポリマーであって、
ここで、
の各々が独立して、水素、またはアルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が独立して、水素、またはアルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が、共有結合、またはアルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が独立して、カルボキシ(−C(=O)OH)、シアノ(−CN)、ヒドロキシル(−OH)、ハロ(Cl−、BrおよびI−)、フェニル(−C)およびビニル(−C(R)=CH)からなる群より選択される有機官能基であり、ここでRが前述の意味を有し;
の各々が独立して、エステル結合基を含有する一価のヒドロカルビル基−C(=O)O−Rであり、ここでRの各々が独立して、アルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が独立して、ヒドロキシル基とエステル結合基とを含有する一価のヒドロカルビル基−C(=O)O−R10−OHであり、ここでR10の各々が独立して、アルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が独立して、加水分解性シリル基とウレタン結合基を含有する一価のヒドロカルビル基であって、一般式(12):
【化14】

によって表され、
ここでRが、二価のアルキレン、アルケニレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子を含有する二価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子を任意選択で少なくとも一つ含有し;Xが、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−およびRNO−からなる群より選択され、ここでRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRが、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;XおよびXが独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−およびRからなる群より選択され、ここでRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRが、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;R11がアルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される18個までの炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;Aが酸素であり;AおよびAが−NH−であり、それぞれのAが二価の酸素、硫黄もしくは構造(−)NRの置換窒素であり、ここでRが水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRが18個までの炭素原子を有し、そしてcが0のとき、Aが−NH−という条件であり;
の各々が独立して、加水分解性シリル基、ウレタン基およびエステル結合基を含有する一価のヒドロカルビル基であって、一般式(13):
【化15】

によって表されるようなものであり、
ここで、R、R11、X、XおよびXが上述の意味を有し;R10の各々がアルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビル基であり、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;Aが酸素であり;AおよびAが−NH−であり;それぞれのAが二価の酸素、硫黄もしくは構造(−)NRの置換窒素であり、ここでRが水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRが、18個までの炭素原子を含有し、そしてdが0のとき、Aが−NH−であるという条件であり;そして、
c、d、m、n、o、p、qおよびrの各々が整数であり、ここでcは0もしくは1であり、dは0もしくは1であり、mは0から500であり、nは0から500であり、oは0から500であり、pは0から500であり、qは0から500であり、rは0から500であり、ただしqとrの合計が1より大きく、qがnと等しいかもしくはそれより小さく、かつrがpと等しいかもしくはそれより小さいという条件である、
請求項1に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項9】
シリル基含有アクリルポリマー(ii)において、Rが水素もしくはメチルであり;Rが共有結合であり;Rが10個までの炭素原子のアルキルもしくはアリール基であり;R10が12個までの炭素原子のアルキレン基であり;Xはフェニル、シアノ、クロロもしくはカルボキシル(−C(C=O)OH−)であり;mが0から300であり;nが0から300であり;oが0から300であり;qが0から200であり;そしてrが0から200であり、ただしqとrの合計が1と等しいかもしくはそれより大きいという条件である、請求項8に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項10】
シリル基含有アクリルポリマー(ii)において、Rが水素であり;Rが8個までの炭素原子のアルキルもしくはアリール基であり;R10が8個までの炭素原子のアルキレン基であり;mが10から100であり;nが10から100であり;oが10から100であり;qが1から100であり;そしてrが1から100である、請求項9に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項11】
シリル基含有アクリルポリマー(ii)において、Rが6個までの炭素原子のアルキルもしくはアリール基であり;R10が3から6個の炭素原子のアルキレン基であり;mが25から50であり;nが25から50であり;oが25から50であり;pが25から50であり;qが5から50であり;そしてrが5から50である、請求項10に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項12】
ポリマー(i)および(iii)へとグラフトされる前のシラン(iii)が一般式(14):
【化16】

によって表され、
ここで、
11、R12およびR13の各々が独立して、水素、またはアルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子を含有する一価のヒドロカルビル基であり;
14の各々が独立して、アルキレン、アルケニレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であって、少なくとも一つの酸素へテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が独立して、化学結合、二価の酸素(−O−)もしくは構造(−)NR15の置換窒素であり、ここで、R15が水素、アルキル、アレニル、アリール、アラルキルもしくは−R14SiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのR15が12個までの炭素原子を含有し;
の各々が独立してRO−、RC(=O)O−、RC=NO−およびRNO−からなる群より選択され、ここでそれぞれのRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールもしくはアラルキルであり、ここで水素以外のそれぞれのRが、18個までの炭素原子と、そして任意選択で少なくとも一つの酸素原子とを含有し;
およびXの各々が独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−およびRからなる群より選択され、ここでそれぞれのRは独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールもしくはアラルキルであり、ここで水素以外のそれぞれのRは、18個までの炭素原子と、そして任意選択で少なくとも一つの酸素もしくは硫黄原子とを含有し;
10の各々が独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−およびRNO−からなる群より選択され、ここでそれぞれのRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のRが、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;
11およびX12の各々が独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−およびRからなる群より選択され、ここでRが独立して、水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRが18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;そしてrが0もしくは1である、
請求項1に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項13】
シラン(iii)が、6−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−2−メチル−ヘキシ−1−エン−3−オン;6−(トリメトキシ−シラニル)−2−メチル−ヘキシ−1−エン−3−オン;7−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−2,3−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−オン;2−メチル−アクリル酸2−(トリメトキシ−シラニル)−エチルエステル;2−メチル−アクリル酸−2−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−エチルエステル;2−メチル−アクリル酸3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;2−メチル−アクリル酸3−(トリエトキシ−シラニル)−プロピルエステル;2−メチル−アクリル酸3−(フェニル−ジメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;N−[3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピル]−2−メチル−アクリルアミド;N−[3−(トリエトキシ−シラニル)−プロピル]−2−メチル−アクリルアミド;N−[1−(トリメトキシ−シラニル)−メチル]−2−メチル−アクリルアミド;N−[3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピル]−アクリルアミド;アクリル酸3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;アクリル酸3−(トリメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;メチル−ジメトキシ−ビニル−シラン;トリメトキシ−ビニル−シラン;フェニル−ジメトキシ−ビニル−シラン;トリプロポキシ−ビニル−シラン;メチル−ジエトキシ−ビニル−シラン;およびトリエトキシ−ビニル−シランからなる群より選択される少なくとも一要素である、請求項12に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項14】
ステップ(a)、(b)および(c)の少なくとも一つの前に、もしくはそれらの後に添加される粘着付与剤、充填剤、強化剤、紫外線安定剤、抗酸化剤、耐オゾン剤、触媒、接着促進剤、硬化促進剤、レオロジー調整剤、溶媒、界面活性剤、腐食防止剤、加水分解性ケイ素化合物、難燃剤、ワックス、湿気除去剤、顔料、染料、顔料、着色剤、界面活性剤、溶媒、防カビ剤、殺生物剤、フリーラジカル阻害剤、フリーラジカル安定剤およびフリーラジカル除去剤からなる群より選択される少なくとも一つの任意選択の成分(v)をさらに含有する、請求項1に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項15】
2から90秒のオープンタイムを有する、請求項1に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項16】
3から75秒のオープンタイムを有する、請求項1に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物。
【請求項17】
請求項1に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物の湿気硬化より得られる湿気硬化樹脂。
【請求項18】
750から10,000psiの引張り強度および70から1000lbfの接着強度を有する、請求項17に記載の湿気硬化樹脂。
【請求項19】
1,000から7,500psiの引張り強度および100から500lbfの接着強度を有する、請求項17に記載の湿気硬化樹脂。
【請求項20】
少なくとも一つの反応性の炭素−炭素不飽和結合を有する少なくとも一つの同一のもしくは異なるシラン(iii)を、少なくとも一つの熱可塑性ポリマー(i)ならびに、酸素および窒素からなる群より選択されるヘテロ原子を少なくとも一つ含有している結合基を介してポリマー(ii)へと結合している少なくとも一つの加水分解性シリル基を有する少なくとも一つのシリル基含有ポリマー(ii)へとグラフトして、湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を提供するステップと、任意選択で湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を湿気硬化するステップとがある、湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を調製するプロセス。
【請求項21】
a)少なくとも一つの熱可塑性ポリマー(i)を溶解温度もしくはそれ以上であって、しかしながらそれの分解温度を超えない温度へと加熱して溶解熱可塑性ポリマー(i)を提供するステップ;
b)ステップ(a)からの溶解熱可塑性ポリマー(i)を、酸素および窒素からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する結合基を介してポリマー(ii)へと結合する少なくとも一つの加水分解性シリル基を有する少なくとも一つのシリル基含有ポリマー(ii)と混合して、溶解熱可塑性物(i)とシリル基含有ポリマーとの実質的に均一な混合物を提供するステップ;
c)ステップ(b)からの溶解熱可塑性ポリマー(i)とシリル基含有ポリマー(ii)との実質的に均一な混合物を、少なくとも一つの反応性の炭素−炭素不飽和結合を有している少なくとも一つのシラン(iii)、および少なくとも一つのフリーラジカル発生剤(iv)と反応性機械加工条件において混合し、湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を提供するステップ;そして
d)ステップ(c)からの湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を任意選択で湿気硬化するステップ;
を含有する、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
熱可塑性樹脂(i)が10分当たり150から450グラムのメルトフローインデックスを有する、請求項20に記載のプロセス。
【請求項23】
熱可塑性樹脂(i)が10分当たり150から450グラムのメルトフローインデックスを有する、請求項20に記載のプロセス。
【請求項24】
熱可塑性樹脂(i)が10分当たり200から400グラムのメルトフローインデックスを有する、請求項20に記載のプロセス。
【請求項25】
熱可塑性樹脂(i)が10から60重量パーセントの酢酸ビニル含量を有するエチレン−酢酸ビニルコポリマーである、請求項20に記載のプロセス。
【請求項26】
前記エチレン−酢酸ビニルコポリマーが18から50パーセントの酢酸ビニル含量を有する、請求項20に記載のプロセス。
【請求項27】
シリル基含有ポリマー(ii)が一般式(1):
【化17】

によって表され、
ここで、
の各々が独立して、500から25,000グラム/モルの数平均分子量を有する、一価のもしくは多価の有機ポリマーフラグメントであり;
の各々が独立して、二価のアルキレン、アルケニレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子を含有する二価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子を任意選択で少なくとも一つ含有し;
の各々が独立して、二価の酸素(−O−)、硫黄(−S−)もしくは構造(−)NRの置換窒素より選択され、ここでRは水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRは18個までの炭素原子を含有し、そしてaが1でありかつAが酸素もしくは硫黄の時、Aは(−)NRであるという条件であり、そしてaが0の時Aは酸素であるという条件であり;
の各々が独立して、二価の酸素(−O−)、硫黄(−S−)もしくは構造(−)NRの置換窒素より選択され、ここでRは水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRは18個までの炭素原子を含有し、そしてAが酸素もしくは硫黄の時Aは(−)NRであるという条件であり;
の各々が独立してRO−、RC(=O)O−、RC=NO−およびRNO−からなる群より選択され、ここでそれぞれのRは独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRは、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;
およびXの各々が独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−およびRNO−からなる群より選択され、ここでそれぞれのRは独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRは、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;そして
下付き文字aおよびbの各々が独立して整数であり、ここでaが0もしくは1であり、かつbが1から6である;
請求項20に記載のプロセス。
【請求項28】
シリル基含有ポリマー(ii)が、一般式(11):
【化18】

で表されるアクリルポリマーであって、
ここで、
の各々が独立して、水素、またはアルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が独立して、水素、またはアルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であり、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が、共有結合、またはアルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が独立して、カルボキシ(−C(=O)OH)、シアノ(−CN)、ヒドロキシル(−OH)、ハロ(Cl−、BrおよびI−)、フェニル(−C)およびビニル(−C(R)=CH)からなる群より選択される有機官能基であり、ここでRが前述の意味を有し;
の各々が独立して、エステル結合基を含有する一価のヒドロカルビル基−C(=O)O−Rであり、ここでRの各々が独立して、アルキル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子の一価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が独立して、ヒドロキシル基とエステル結合基とを含有する一価のヒドロカルビル基−C(=O)O−R10−OHであり、ここでR10の各々が独立して、アルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が独立して、加水分解性シリル基とウレタン結合基を含有する一価のヒドロカルビル基であって、一般式(12):
【化19】

によって表され、
ここでRが、二価のアルキレン、アルケニレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子を含有する二価のヒドロカルビル基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子を任意選択で少なくとも一つ含有し;Xが、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−およびRNO−からなる群より選択され、ここでRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRが、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;XおよびXが独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−およびRからなる群より選択され、ここでRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRが、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;R11がアルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される18個までの炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であって、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;Aが酸素であり;AおよびAが−NH−であり、それぞれのAが二価の酸素、硫黄もしくは構造(−)NRの置換窒素であり、ここでRが水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRが18個までの炭素原子を有し、そしてcが0のとき、Aが−NH−という条件であり;
の各々が独立して、加水分解性シリル基、ウレタン基およびエステル結合基を含有する一価のヒドロカルビル基であって、一般式(13):
【化20】

によって表されるようなものであり、
ここで、R、R11、X、XおよびXが上述の意味を有し;R10の各々がアルキレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビル基であり、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を任意選択で含有し;Aが酸素であり;AおよびAが−NH−であり;それぞれのAが二価の酸素、硫黄もしくは構造(−)NRの置換窒素であり、ここでRが水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキルもしくは−RSiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのRが、18個までの炭素原子を含有し、そしてdが0のとき、Aが−NH−であるという条件であり;そして、
c、d、m、n、o、p、qおよびrの各々が整数であり、ここでcは0もしくは1であり、dは0もしくは1であり、mは0から500であり、nは0から500であり、oは0から500であり、pは0から500であり、qは0から500であり、rは0から500であり、ただしqとrの合計が1より大きく、qがnと等しいかもしくはそれより小さく、かつrがpと等しいかもしくはそれより小さいという条件である;
請求項20に記載のプロセス。
【請求項29】
シリル基含有アクリルポリマー(ii)において、Rが水素もしくはメチルであり;Rが共有結合であり;Rが10個までの炭素原子のアルキルもしくはアリール基であり;R10が12個までの炭素原子のアルキレン基であり;Xはフェニル、シアノ、クロロもしくはカルボキシル(−C(C=O)OH−)であり;mが0から300であり;nが0から300であり;oが0から300であり;qが0から200であり;そしてrが0から200であり、ただしqとrの合計が1と等しいかもしくはそれより大きいという条件である、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
シリル基含有アクリルポリマー(ii)において、Rが水素であり;Rが8個までの炭素原子のアルキルもしくはアリール基であり;R10が8個までの炭素原子のアルキレン基であり;mが10から100であり;nが10から100であり;oが10から100であり;qが10から100であり;そしてrが1から100である、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
シリル基含有アクリルポリマー(ii)において、Rが6個までの炭素原子のアルキルもしくはアリール基であり;R10が3から6個の炭素原子のアルキレン基であり;mが25から50であり;nが25から50であり;oが25から50であり;pが25から50であり;qが5から50であり;そしてrが5から50である、請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
シラン(iii)が一般式(14):
【化21】

によって表され、
ここで、
11、R12およびR13の各々が独立して、水素、またはアルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される12個までの炭素原子を含有する一価のヒドロカルビル基であり;
14の各々が独立して、アルキレン、アルケニレン、アレニレン、アリーレンおよびアラルキレンからなる群より選択される12個までの炭素原子の二価のヒドロカルビレン基であって、少なくとも一つの酸素へテロ原子を任意選択で含有し;
の各々が独立して、化学結合、二価の酸素(−O−)もしくは構造(−)NR15の置換窒素であり、ここで、R15が水素、アルキル、アレニル、アリール、アラルキルもしくは−R14SiX基であり、ここで水素以外のそれぞれのR15が12個までの炭素原子を含有し;
の各々が独立してRO−、RC(=O)O−、RC=NO−およびRNO−からなる群より選択され、ここでそれぞれのRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールもしくはアラルキルであり、ここで水素以外のそれぞれのRが、18個までの炭素原子と、そして任意選択で少なくとも一つの酸素原子とを含有し;
およびXの各々が独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−およびRからなる群より選択され、ここでそれぞれのRは独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールもしくはアラルキルであり、ここで水素以外のそれぞれのRは、18個までの炭素原子と、そして任意選択で少なくとも一つの酸素もしくは硫黄原子とを含有し;
10の各々が独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−およびRNO−からなる群より選択され、ここでそれぞれのRが独立して水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のRが、18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;
11およびX12の各々が独立して、RO−、RC(=O)O−、RC=NO−、RNO−およびRからなる群より選択され、ここでRが独立して、水素、アルキル、アルケニル、アレニル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され、ここで水素以外のそれぞれのRが18個までの炭素原子と、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の酸素および/もしくは硫黄原子とを含有し;そしてrが0もしくは1である;
請求項20に記載のプロセス。
【請求項33】
シラン(iii)が、6−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−2−メチル−ヘキシ−1−エン−3−オン;6−(トリメトキシ−シラニル)−2−メチル−ヘキシ−1−エン−3−オン;7−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−2,3−ジメチル−ヘプト−2−エン−4−オン;2−メチル−アクリル酸2−(トリメトキシ−シラニル)−エチルエステル;2−メチル−アクリル酸−2−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−エチルエステル;2−メチル−アクリル酸3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;2−メチル−アクリル酸3−(トリエトキシ−シラニル)−プロピルエステル;2−メチル−アクリル酸3−(フェニル−ジメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;N−[3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピル]−2−メチル−アクリルアミド;N−[3−(トリエトキシ−シラニル)−プロピル]−2−メチル−アクリルアミド;N−[1−(トリメトキシ−シラニル)−メチル]−2−メチル−アクリルアミド;N−[3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピル]−アクリルアミド;アクリル酸3−(メチル−ジメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;アクリル酸3−(トリメトキシ−シラニル)−プロピルエステル;メチル−ジメトキシ−ビニル−シラン;トリメトキシ−ビニル−シラン;フェニル−ジメトキシ−ビニル−シラン;トリプロポキシ−ビニル−シラン;メチル−ジエトキシ−ビニル−シラン;およびトリエトキシ−ビニル−シランからなる群より選択される少なくとも一要素である、請求項32に記載のプロセス。
【請求項34】
ステップ(a)、(b)および(c)の少なくとも一つの前に、もしくはそれらの後に、粘着付与剤、充填剤、強化剤、紫外線安定剤、抗酸化剤、耐オゾン剤、触媒、接着促進剤、硬化促進剤、レオロジー調整剤、溶媒、界面活性剤、腐食防止剤、加水分解性ケイ素化合物、難燃剤、ワックス、湿気除去剤、顔料、染料、顔料、着色剤、界面活性剤、溶媒、防カビ剤、殺生物剤、フリーラジカル阻害剤、フリーラジカル安定剤およびフリーラジカル除去剤からなる群より選択される少なくとも一つの任意選択の成分(V)添加するステップをさらに含有する、請求項20に記載のプロセス。
【請求項35】
請求項20に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物の湿気硬化によって得られる、湿気硬化型グラフト修飾樹脂。
【請求項36】
湿気硬化型グラフト修飾樹脂形成組成物であって、
(i)少なくとも一つの熱可塑性ポリマー;
(ii)酸素および窒素からなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する結合基を介してポリマーへと結合する少なくとも一つの加水分解性シリル基を有する少なくとも一つのシリル基含有ポリマー;
(iii)少なくとも一つの反応性の炭素−炭素不飽和結合を有している少なくとも一つのシラン;
(iv)少なくとも一つのフリーラジカル発生剤;
(v)任意選択で一つもしくはそれ以上の追加の成分;
を含有する、湿気硬化型グラフト修飾樹脂形成組成物。
【請求項37】
請求項36に記載の湿気硬化型グラフト修飾樹脂形成組成物より得られる湿気硬化型グラフト修飾組成物。
【請求項38】
基質を接着するプロセスであって:
a)接着性の結合を形成する量の流体の状態へと加熱された本発明の湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を第一の基質へと塗布するステップ;
b)第二の基質を湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物の露出した表面に、前記樹脂組成物が流体の状態にある間に、塗布するステップ;および
c)湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を湿気硬化し、第一の基質を第二の基質へと接着結合する湿気硬化樹脂を提供するステップ
を含有するプロセス。
【請求項39】
湿気硬化型グラフト修飾樹脂組成物を塗布する第一の基質および/もしくは第二の基質の表面がシラノール基と反応性の官能基を有する、請求項38に記載のプロセス。
【請求項40】
前記第一の基質および/もしくは第二の基質がヒドロキシル基を有する金属表面を有する、請求項39に記載のプロセス。
【請求項41】
前記金属表面がアルミニウムもしくはアルミニウム合金の一つである、請求項40に記載のプロセス。
【請求項42】
請求項38に記載のプロセスより得られる接着した基質。
【請求項43】
請求項39に記載のプロセスより得られる接着した基質。
【請求項44】
請求項40に記載のプロセスより得られる接着した基質。
【請求項45】
請求項41に記載のプロセスより得られる接着した基質。


【公表番号】特表2010−529279(P2010−529279A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512175(P2010−512175)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/007292
【国際公開番号】WO2008/156611
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】