説明

湿潤用器具及び湿潤紙力試験方法

【課題】試験片に対する水の供給量を安定させることができ、湿潤部分の形状が歪にならない湿潤用器具及び湿潤紙力試験方法を提供する。
【解決手段】ピペットの先端に装着された状態で、ピペットを操作することで先端開口から液体を吸引及び吐出し、湿潤時の引張強さが測定される薄葉紙の試験片に対して液体を供給する湿潤用器具1であって、液体を貯留可能な貯留部50と、貯留部50に接続されており、ピペットの先端を挿入可能な挿入口14と、貯留部50に接続されており、形状が細長い線状とされている先端開口70と、を備えている、ことを特徴とする湿潤用器具1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピペットの先端に装着されて使用される湿潤用器具、及びその湿潤用器具が装着されたピペットを用いて薄葉紙の一部分を湿潤させて、薄葉紙の湿潤時における引張強さを測定する湿潤紙力試験方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、使用時において湿潤される状況が想定される薄葉紙の引張強さを測定する場合、乾燥時の引張強さと湿潤時の引張強さとが測定される。湿潤時の引張強さを測定する試験では、短冊状にカットされた薄葉紙の試験片が用いられ、この試験片の長手方向中央部分において、湿潤部分が短手方向を横断するようにして一定幅湿潤される。
【0003】
薄葉紙の試験片を湿潤させるべくして水を供給する方法としては、浸漬用の装置を用いて試験片を水に直截浸す、水に浸した筆で試験片を撫でる、などの方法があった。
その中でも、水に浸した筆で試験片を撫でる方法は、特殊な装置が必要無く手軽に実施できるという利点を有している。
【特許文献1】特開2004−066573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水に浸した筆で試験片を撫でる方法では、表1に係る試験結果からも判るように、試験片に対する水の供給量が、試験員によってばらつきが生じてしまい、引張試験の結果に影響を及ぼしてしまうという問題があった。
【0005】
〔表1に係る試験〕
表1に示される試験は、次のようにして行った。
ティシュー(大王製紙:「エリエールCute」)とペーパータオル(大王製紙:「エルヴェールエコドライ」)とを、長手方向長さ15cm、短手方向長さ2.5cmの矩形状となるよう裁断することによって試験片を形成した。なお、試験片は、短手方向に対してティシュー及びペーパータオルの縦方向及び横方向がそれぞれ沿うように形成した。
このように形成された試験片を、水に1秒間浸した筆(あかしや(紅葉AS−50)細筆8号)で試験片の短手方向に沿って撫で、撫でる前と後とでの試験片の重量を測定し、その差から試験片に供給された水の量を測定した。試験は5人の試験員(A〜E)によって3回ずつ行い、試験員ごとの測定結果の平均値を算出した。なお、表1中の数値の単位は、全てミリリットル(ml)となっている。
【0006】
【表1】

【0007】
また、湿潤された筆の形状は安定しないため、湿潤部分の形状が歪になってしまうという問題もあった。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、試験員に関わらず、試験片に対する水の供給量を安定させることができ、湿潤部分の形状が歪にならない湿潤用器具及び湿潤紙力試験方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、上記課題を解決するための手段とそれらの作用効果を示す。
〔請求項1に記載の発明〕
本請求項に記載の発明は、
ピペットの先端に装着された状態でピペットを操作することによって先端開口から液体を吸引及び吐出可能とされており、湿潤時の引張強さが測定される薄葉紙の試験片に対して液体を供給する湿潤用器具であって、
液体を貯留可能な貯留部と、
貯留部に接続されており、ピペットの先端を挿入可能な挿入口と、
貯留部に接続されており、形状が細長い線状とされている先端開口と、を備えている、ことを特徴とする湿潤用器具である。
【0010】
〔作用効果〕
本請求項に係る発明である湿潤用器具では、貯留部には挿入口と先端開口とが接続されており、結果的に、挿入口と先端開口とは貯留部を介して接続されている。そのため、挿入口に対してピペットの先端を挿入し、ピペットを操作することによって、先端開口から貯留部に液体を吸引する、又は、貯留部内に貯留された液体を先端開口から吐出するようになっている。このように、ピペットを用いて湿潤させるため、液体の供給量を安定させることが可能となる。
【0011】
また、先端開口の形状が、細長い線状とされているため、貯留部内部に貯留された液体は、先端開口全体から染み出すようにして吐出される。そのため、液体の供給形態を安定させることができ、その結果、湿潤部分の形状が歪になることがない。
また、先端開口の長手方向長さを、薄葉紙の試験片の短手方向長さと同一に設計することで、先端開口を短手方向に沿うように薄葉紙の試験片に対して押しつけながら液体を供給するだけで、試験片の短手方向を横断するようにして一定幅湿潤することができるようになる。
【0012】
さらに、本請求項に係る発明である湿潤用器具によって薄葉紙の試験片を湿潤を行うと、JIS P 8135に規定される浸せき用附属装置によって薄葉紙の試験片を湿潤した場合と引張強さについて同様の数値結果を得ることができる。
【0013】
〔請求項2に記載の発明〕
本請求項に記載の発明は、貯留部における先端開口と接続されている部分及びその近傍が、平板状の空間となっている、請求項1に記載の湿潤用器具である。
【0014】
〔作用効果〕
本請求項に係る発明では、貯留部における先端開口と接続されている部分及びその近傍が、平板状の空間となっているため、ピペットによって貯留部内部の液体が押し出される際に、平板状の空間に圧が掛かりやすくなる。そのため、貯留部内部に貯留された液体を、先端開口から確実に押し出すことが可能となる。
【0015】
〔請求項3に記載の発明〕
本請求項に記載の発明は、透水性を有するフェルトが、先端開口を塞ぐようにして設置されている、請求項1或いは請求項2に記載の湿潤用器具である。
【0016】
〔作用効果〕
本請求項に係る発明の様に、透水性を有するフェルトが、先端開口を塞ぐようにして設置されていることによって、貯留部内部に貯留された液体は、フェルトを通じて滲み出るようになるため、先端開口全体から均一に液体を吐出することができるようになる。
【0017】
本請求項に記載の発明は、貯留部における先端開口近傍には、凹型の溝が、フェルトに接するよう配置されて切られている、請求項3に記載の湿潤用器具である。
【0018】
〔作用効果〕
本請求項に係る発明の様に、貯留部における先端開口近傍には、複数の凹型の溝が、フェルトに接するよう配置されて切られていることによって、フェルトに遊びを持たせることができるようになるため、フェルトに対して均一に液体を供給することができるようになり、その結果、より確実に、先端開口全体から均一に液体を吐出することができるようになる。
【0019】
〔請求項5に記載の発明〕
本請求項に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の湿潤用器具が装着されたピペットを用いて薄葉紙の試験片の一部分を湿潤させて、薄葉紙の湿潤時における引張強さを測定する、ことを特徴とする湿潤紙力試験方法である。
【0020】
〔作用効果〕
本請求項に係る湿潤紙力試験方法では、請求項1乃至請求項4に係る湿潤用器具を用いているため、請求項1乃至請求項4に係る発明と同様の作用を奏する。
【発明の効果】
【0021】
以上に示したように、本発明によれば、試験員に関わらず、試験片に対する水の供給量を安定させることができ、湿潤部分の形状が歪にならない湿潤用器具及び湿潤紙力試験方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明に係る湿潤用器具の第1実施形態と、本実施形態に係る湿潤用器具を用いて薄葉紙の湿潤時における引張強さを測定する湿潤紙力試験方法の実施形態とを、添付図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図3に示すように、本実施形態に係る湿潤用器具1は、本体部10と、本体部10に取り付けられた底面部30とから主に構成されている。
【0023】
本体部10は、硬質且つ透明なアクリル材から形成されており、内部が透けて見えるようになっている。図1に示すように、本体部10の形状は、角形状とされており、その底面11から底面11と対向する上面12に向かって窄むような形状となっている。
【0024】
図3に示すように、底面11の一部は平板な三角形状に削り取られていることによって窪み13が形成されている。この窪み13は、その一端縁が底面11の一端縁と接し、その他の端縁は底面11の端縁と接さないよう配置されている。
【0025】
図1乃至図3、及び図5に示すように、本体部10には、本体部10の上面12に開口する挿入口14が設けられている。この挿入口14は、図6に示すように、ピペット100の先端を挿入可能となっている。挿入口14の先端側は、窪み13における底面11の端縁と接していない頂点及びその近傍に接続されていて、この結果、挿入口14と後述する貯留部50とは連通している。挿入口14の形状は、ピペット100の先端と略同形とされており、挿入口14にピペット100の先端を挿入した際に、ピペット100によって挿入口14の上面12側が隙間無く塞がるようになっている。
【0026】
図3乃至図5に示すように、本体部10の底面11には、底面部30が複数のネジ40によって固定されている。底面部30は、平板状とされており、底面部30の上面32には、その一部が窪み13よりも薄い平板な三角形状に突出することで、突出部33が形成されている。図4に示すように、この突出部33における後述する先端開口70側には、深さ0.05〜0.1mm、幅0.05〜0.1mm、長さ0.1〜0.3mmとされた20〜60個の凹型の溝35が、先端開口70に沿ってそれぞれが等間隔に離間するよう間欠的に設けられている。
【0027】
以上のように構成された本体部10及び底面部30は、図1及び図3に示すように、本体部10の窪み13と底面部30の突出部33とが重なるようにして合わせられ、前述したようにネジ40によって相互に固定される。このとき、図1乃至図3に示すように、窪み13と突出部33とに囲まれる平板状の空間によって貯留部50が形成される。貯留部50の厚みは、0.5〜1.0mm程度とされている。
【0028】
貯留部50は、図2に示すように、一端縁側が外側に向かって開口して先端開口70を形成しており、この先端開口70は、形状が細長い線状となっていて、貯留部50の断面と同形とされている。また、図1乃至図3、及び図5に示すように、貯留部50の先端開口70には不織布から成るフェルト60が、本体部10と突出部33とに挟まれるようにして設置されており、先端開口70はフェルト60によって塞がれている。フェルト60は、貯留部50の先端開口70から0.5〜1.0mm程度せり出すようにして設置されている。フェルト60の厚みは、貯留部50よりも若干厚くなっていて、本体部10と突出部33とに挟まれてズレ落ちないようになっている。
【0029】
このフェルト60として用いられる不織布は、透水性を有するものであれば特に限定されないが、例を挙げるなら、コットン、天然繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等の原料繊維をエアスルー、ヒートロールによるサーマルボンド、ニードルパンチ、スパンレース、エアレイド等の製法で製造されたものを適用することができる。この不織布の坪量としては、30g/m2以上100g/m2以下とするのが好ましい。更に好ましくは40g/m2以上80g/m2以下である。坪量が小さすぎると、強度不足となるとともに吸水性が低下する。逆に、坪量が大きすぎると水の透過を阻害してしまう。
【0030】
次に、本実施の形態に係る湿潤用器具1の使用方法を説明する。
以上のように構成された湿潤用器具1は、図6に示すように、挿入口14にピペット100の先端が挿入された状態で水に浸され、ピペット100を操作することによって、挿入口14と連通する貯留部50に圧が掛かり、貯留部50の先端開口70からフェルト60を通過して貯留部50内に水が供給される。この供給によって貯留部50内に貯留された水は、ピペット100を再度操作することによって、フェルト60を通過して貯留部50の先端開口70から排出される。
【0031】
次に、本実施の形態に係る湿潤用器具1の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る湿潤用器具1では、貯留部50には挿入口14と先端開口70とが接続されており、結果的に、挿入口14と先端開口70とは貯留部50を介して接続されている。そのため、挿入口14に対してピペット100の先端を挿入し、ピペット100を操作することによって、先端開口70から貯留部50に水を吸引する、又は、貯留部50内に貯留された水を先端開口70から吐出するようになっている。このように、ピペット100を用いるようになっているため、水の供給量を安定させることが可能となる。
【0032】
また、先端開口70の形状が、細長い線状とされているため、貯留部50内部に貯留された水は、先端開口70全体から染み出すようにして吐出される。そのため、水の供給形態を安定させることができ、その結果、湿潤部分の形状が歪になることがない。
また、先端開口70の長手方向長さを、薄葉紙の試験片110の短手方向長さと同一に設計することで、先端開口70を短手方向に沿うように薄葉紙の試験片110に対して押しつけながら水を供給するだけで、試験片の短手方向を横断するようにして一定幅湿潤することができるようになる。
【0033】
本実施の形態に係る湿潤用器具1では、貯留部50における先端開口70と接続されている部分及びその近傍が、平板状の空間となっているため、ピペット100によって貯留部50内部の水が押し出される際に、平板状の空間に圧が掛かりやすくなる。そのため、貯留部50内部に貯留された水を、先端開口70から確実に押し出すことが可能となる。
【0034】
本実施の形態に係る湿潤用器具1の様に、透水性を有するフェルト60が、先端開口70を塞ぐようにして設置されていることによって、貯留部50内部に貯留された水は、フェルト60を通じて滲み出るようになるため、先端開口70全体から均一に液体を吐出することができるようになる。
【0035】
本実施の形態に係る湿潤用器具1の様に、貯留部50における先端開口70近傍には、複数の凹型の溝35が、フェルト60に接するよう配置されて切られていることによって、フェルト60に遊びを持たせることができるようになるため、フェルト60に対して均一に水を供給することができるようになり、その結果、より確実に、先端開口70全体から均一に水を吐出することができるようになる。
【0036】
薄葉紙の湿潤時における引張強さを測定する湿潤紙力試験方法では、本実施形態に係る湿潤用器具1は、次のようにして使用される。
まず、貯留部50の先端開口70の長手方向長さと短手方向長さがほぼ同じ長さである薄葉紙の試験片110を用意する。次に、ピペット100を操作して貯留部50内に水を貯留し、貯留部50の先端開口70を試験片110の幅方向に沿うようにして試験片110に当て、ピペット100を操作して、試験片110に貯留部50内の水を供給する。
【0037】
さらに、本実施の形態に係る湿潤用器具1によって薄葉紙の試験片を湿潤を行うと、JIS P 8135に規定される浸せき用附属装置によって薄葉紙の試験片を湿潤した場合と引張強さについて同様の数値結果を得ることができる。
【0038】
〔他の実施形態〕
次に、本発明に係る湿潤用器具の第2実施形態について、図7を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と共通する部分に関しては、同一の符号を付し説明を省略する。
本実施形態に係る湿潤用器具2は、断面がL字状の本体部10と、本体部10の上部に取り付けられた円筒状の挿入部15とから構成されている。
【0039】
本体部10の内部は、本体部10の外観の形状を縮小した形状を成す空間である貯留部(図示しない)が形成されており、その両端は開口しており、一方の開口は、外側に向かって開口する先端開口70とされている。この先端開口70は、形状が細長い線状となっており、厚さが0.2mm程度とされている。先端開口70には、第1実施形態に係る湿潤用器具1とは異なり、先端開口70にはフェルトなどの部材は取り付けられておらず、先端開口70は湿潤用器具2の外側に対して素の状態となっている。
この一方、貯留部の他方の開口は、挿入部15が接続されており、挿入口14が形成されている。
【0040】
本実施形態に係る湿潤用器具2は、第1実施形態に係る湿潤用器具1と同様の方法で使用され、貯留部が本体部10の外観の形状を縮小した形状を成す空間とされており、且つ、本体部10に直截挿入口14が設けられているため、第1実施形態に係る湿潤用器具1よりも貯留部内部に貯留可能な液体の量が多い。そのため、より多くの液体を供給する必要のある試験に好適に用いることができる。
【実施例】
【0041】
次に、第1実施形態に係る湿潤用器具1を用いて行った湿潤紙力試験方法の実施例を比較例と共に示す。
〔表2に係る試験〕
試験方法は、次のようにして実施した。
実施例においては、第1実施形態に係る湿潤用器具1を用いて試験片(ペーパータオルから成る試験片に対しては30μl、ティシューから成る試験片に対しては15μl)に水を供給した後、JIS P 8113に準じて引張強さ(kN/m)を縦及び横とそれぞれ計測し、比較例においては、水に1秒間浸した筆(あかしや(紅葉AS−50)細筆8号)で試験片の短手方向に沿って試験片を撫でた後に、JIS P 8113に準じて引張強さ(kN/m)を計測した。
試験片は、実施例及び比較例共に、ティシュー(大王製紙:「エリエールCute」)とペーパータオル(大王製紙:「エルヴェールエコドライ」)とを、長手方向長さ15cm、短手方向長さ2.5cmの矩形状となるよう裁断することによって形成した。なお、試験片は、短手方向に対してティシュー及びペーパータオルの縦方向及び横方向がそれぞれ沿うように形成した。
引張強さについては、ティシュー及びペーパータオル共に、縦方向及び横方向の両方を計測した。また、筆を用いての試験は7人の試験員(A〜G)によって、湿潤用器具1を用いての試験は5人の試験員(A〜E)によって行った。
本実施例で用いた湿潤用器具1では、貯留部50の厚みが0.5mm、先端開口70の長さが25mm、溝の深さ及び幅が0.1mm、溝の長さが0.2mm、溝の個数が50個とされ、フェルト60として、ポリプロピレンから成る原料繊維を用いてサーマルボンドで製造されたものを適用した。
なお、表2中には、縦方向の引張強さと横方向の引張強さとの最大値、最小値、平均値、標準偏差をそれぞれ記した。
【0042】
【表2】

【0043】
以上の試験結果から明らかなように、本発明に係る湿潤用器具によれば、筆と比較して、試験員に関わらず湿潤時の引張強さの計測結果が大きく異なってしまうことがない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、ピペットの先端に装着されて使用される湿潤用器具、及びその湿潤用器具が装着されたピペットを用いて薄葉紙の一部分を湿潤させて、薄葉紙の湿潤時における引張強さを測定する湿潤紙力試験方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る湿潤用器具の第1実施形態を示す図である。
【図2】本発明に係る湿潤用器具の第1実施形態のフェルトを省略した状態を示す図である。
【図3】本発明に係る湿潤用器具の第1実施形態の分解状態を示す図である。
【図4】本発明に係る湿潤用器具の第1実施形態の底面部と、その一部を拡大した状態とを示す図である。
【図5】本発明に係る湿潤用器具の第1実施形態を上側から見た状態を示す図である。
【図6】本発明に係る湿潤用器具の第1実施形態の使用状態を示す図である。
【図7】本発明に係る湿潤用器具の第2実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 湿潤用器具
14 挿入口
35 溝
50 貯留部
60 フェルト
70 先端開口
100 ピペット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピペットの先端に装着された状態でピペットを操作することによって先端開口から液体を吸引及び吐出可能とされており、湿潤時の引張強さが測定される薄葉紙の試験片に対して液体を供給する湿潤用器具であって、
液体を貯留可能な貯留部と、
貯留部に接続されており、ピペットの先端を挿入可能な挿入口と、
貯留部に接続されており、形状が細長い線状とされている先端開口と、を備えている、ことを特徴とする湿潤用器具。
【請求項2】
貯留部における先端開口と接続されている部分及びその近傍が、平板状の空間となっている、請求項1に記載の湿潤用器具。
【請求項3】
透水性を有するフェルトが、先端開口を塞ぐようにして設置されている、請求項1或いは請求項2に記載の湿潤用器具。
【請求項4】
貯留部における先端開口近傍には、複数の凹型の溝が、フェルトに接するよう配置されて切られている、請求項3に記載の湿潤用器具。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の湿潤用器具が装着されたピペットを用いて薄葉紙の試験片の一部分を湿潤させて、薄葉紙の湿潤時における引張強さを測定する、ことを特徴とする湿潤紙力試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−127867(P2010−127867A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305605(P2008−305605)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】