説明

溶出安定性を有するコーティング固形製剤

【課題】 本発明の目的は、無包装状態での保存による溶出安定性を有するプランルカスト水和物を含有する固形製剤を提供することにある。
【解決手段】 プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤に、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を含み、さらに所望により水溶性物質および/または油脂を含んでなるコーティング剤でコーティングしてなる固形製剤は、防湿性に優れ、かつ胃で容易に崩壊するコーティング層を有し、そして保存による溶出安定性を有するコーティング固形製剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤に、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を含むコーティング剤でコーティングをしてなることを特徴とする、保存による溶出安定性を有するコーティング固形製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
プランルカスト水和物はロイコトリエン拮抗薬として知られており(特許文献1参照)、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療剤として上市されている。また、プランルカスト水和物は強い付着凝集性を有しており、それを低減する方法としてプランルカスト水和物を糖類と共に噴霧乾燥する方法が知られている(特許文献2参照)。
【0003】
一方、プランルカスト水和物を含有するカプセル剤は無包装状態で放置すると、1週間で溶出性が不安定になることが報告されている(「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性情報」(改訂3版、医薬ジャーナル社発行)2003年2月5日、p.136参照)。
【0004】
このような状況下、無包装状態または簡易包装状態での保存によっても溶出性が不安定になることがない、プランルカスト水和物を含有する保存による溶出安定性を有する製剤が求められていた。今までプランルカスト水和物を含有する製剤の溶出性が不安定になる原因については解明されていなかったが、本発明者らは製剤の吸湿が原因の1つであることを見出し、プランルカスト水和物を含有する製剤にコーティングを施すことで前記問題点を解決しようとした。しかし、フィルムコーティングによって防湿効果が現れるまでコーティングを施すと層が厚くなり、胃中でコーティング層が崩壊しにくくなるため、速やかに溶出しないという問題点があった。
【0005】
【特許文献1】特開昭61−050977号公報
【特許文献2】特許第2958863号公報
【非特許文献1】錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性情報(医薬ジャーナル社発行)2003年2月5日、p.136
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、製剤に工夫がなされずに包装体によってのみ防湿した固形製剤ではなく、防湿性に優れ、かつ胃で容易に崩壊するコーティング層を有し、そして無包装状態での保存による溶出安定性を有するプランルカスト水和物を含有する新規なコーティング固形製剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題に鑑み、本発明者らは鋭意検討を行なった結果、驚くべきことにアクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を含んでなるコーティング剤でコーティングすることによって、防湿性に優れ、かつ胃で容易に崩壊するコーティング層を有し、そして無包装状態での保存による溶出安定性を有する固形製剤となることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は
(1)プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤に、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を含み、さらに所望により水溶性物質および/または油脂を含んでなるコーティング剤でコーティングしてなることを特徴とする、保存による溶出安定性を有するコーティング固形製剤、
(2)アクリレート系高分子がアミノアルキルメタアクリレートコポリマーEであり、ポリビニル系高分子がポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートおよびポリビニルアルコールから選ばれる1種または2種であり、水溶性物質が水溶性セルロース類および糖類から選ばれる1種または2種以上であり、油脂がステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびカルナウバロウから選ばれる1種または2種以上である前記(1)に記載の固形製剤、
(3)未コーティング固形製剤100重量部に対して、コーティング層の重量部が約2〜約12重量部である前記(1)に記載の固形製剤、
(4)未コーティング固形製剤100重量部に対して、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、水溶性物質を約0.5〜約8重量部および油脂を0〜約5重量部を含んでなるコーティング剤である前記(1)に記載の固形製剤、
(5)(1)油脂を含まず、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、および水溶性物質を約0.5〜約8重量部含んでなるコーティング剤であるか、あるいは(2)アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、水溶性物質を約0.5〜約8重量部および油脂を約0.5〜約5重量部含んでなるコーティング剤である前記(4)に記載の固形製剤、
(6)未コーティング固形製剤100重量部中に、プランルカスト水和物を約50〜約90重量部含む前記(1)に記載の固形製剤、
(7)プランルカスト水和物100重量部に対して、賦形剤を約5〜約80重量部含む前記(1)に記載の固形製剤、
(8)賦形剤が乳糖および白糖から選ばれる1種または2種である前記(1)に記載の固形製剤、
(9)コーティング固形製剤が、コーティングカプセル剤、コーティング錠剤またはコーティング顆粒剤である前記(1)に記載の固形製剤、
(10)プランルカスト水和物を、1カプセル、1錠または1包あたりそれぞれ約112.5mgまたは約225mg含有する前記(9)に記載の固形製剤、
(11)コーティング層の厚さが、カプセル剤では約7〜約42μmであり、錠剤では約14〜約84μmであり、顆粒剤では約0.3〜約1.8μmである前記(9)に記載の固形製剤、
(12)無包装状態で温度25℃、相対湿度75%条件下で1ヶ月間保存後の溶出率と、保存前の溶出率との差が25%以内である前記(1)に記載の固形製剤、
(13)差が15%以内である前記(12)に記載の固形製剤、
(14)前記(9)に記載のコーティング顆粒剤を充填してなる、保存による溶出安定性を有するカプセル剤、
(15)カプセル剤が未コーティングカプセル剤である前記(14)に記載のカプセル剤、
(16)カプセル剤がコーティングカプセル剤であり、未コーティングカプセル剤100重量部に対して、(1)油脂を含まず、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、および水溶性物質を約0.5〜約8重量部含んでなるコーティング剤であるか、あるいは(2)アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、水溶性物質を約0.5〜約8重量部および油脂を約0.5〜約5重量部含んでなるコーティング剤でコーティングしてなる前記(14)に記載のカプセル剤、
(17)無包装状態で温度25℃、相対湿度75%条件下で1ヶ月間保存後の溶出率と、保存前の溶出率との差が25%以内である前記(14)に記載のカプセル剤、
(18)差が15%以内である前記(17)に記載のカプセル剤、
(19)プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤100重量部に対して、(1)油脂を含まず、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を合計約3.2〜約6.4重量部および水溶性物質を約0.8〜約4.8重量部含んでなるコーティング剤か、(2)アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を合計約3.2〜約6.4重量部、水溶性物質を約0.8〜約4.8重量部および油脂を約0.5〜約4重量部含んでなるコーティング剤でコーティングしてなることを特徴とする、無包装状態で温度25℃、相対湿度75%条件下で1ヶ月間保存後の溶出率と、保存前の溶出率との差が25%以内であるコーティングカプセル剤、コーティング錠剤またはコーティング顆粒剤、
(20)差が15%以内である前記(19)に記載のコーティングカプセル剤、コーティング錠剤またはコーティング顆粒剤、および
(21)プランルカスト水和物を、1カプセル、1錠または1包あたりそれぞれ約112.5mgまたは約225mg含有する前記(19)に記載のコーティングカプセル剤、コーティング錠剤またはコーティング顆粒剤に関する。
【0009】
本発明において、「プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤」とは、プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティングの散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤または用時溶解/懸濁型製剤(ドライシロップ剤等)等を意味する。好ましくは、顆粒剤、錠剤またはカプセル剤である。
【0010】
本発明に用いられるプランルカスト水和物は式(A)
【0011】
【化1】

【0012】
で示される4−オキソ−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]−2−(テトラゾール−5−イル)−4H−1−ベンゾピラン・1/2水和物である。プランルカスト水和物の製造は、例えば、特開昭61−050977号明細書記載に準じて行なうことができる。
【0013】
本発明において賦形剤としては、例えば、糖類(例えば、ぶどう糖、果糖、麦芽糖、乳糖、白糖、異性化乳糖、還元乳糖、蔗糖、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、パラチノース、トレハロース、ソルビトール、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプン等)、結晶セルロース、無水ケイ酸、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、およびケイ酸カルシウムが挙げられ、これらを1種または2種以上適宜配合して用いることができる。好ましくは乳糖または白糖であり、さらに好ましくは乳糖である。また「プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤」において、プランルカスト水和物100重量部に対して、賦形剤を約5〜約80重量部含んでいることが好ましく、より好ましくは約10〜約60重量部であり、特に好ましくは約20〜約45重量部である。
【0014】
本発明の「コーティング固形製剤」とは、前記の「プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤」に、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を含み、さらに所望により水溶性物質および/または油脂を含んでなるコーティング剤をコーティングしてなる固形製剤であって、具体的には、コーティングされた散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤または用時溶解/懸濁型製剤(ドライシロップ剤等)を意味する。好ましくは、コーティング顆粒剤、コーティング錠剤またはコーティングカプセル剤である。上記コーティングは、通常の方法、例えばコーティングパン、流動層造粒機、転動流動層造粒機、ワースターコーティング機、遠心流動型転動造粒機等を用いて行われる。
【0015】
本発明におけるコーティング剤としては、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を含んでなる水系および有機溶媒系コーティング剤のいずれも使用できる。前記高分子を溶剤、例えば、水、有機溶媒(例えば、エタノール、アセトン、メタノール、メチレンクロライド)、またはそれらから選ばれる2種以上の混合液に分散させて用いられる。前記高分子に加えて、さらに水溶性物質および/または油脂を含んでなるコーティング剤の場合は、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上および水溶性物質、またはアクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上、水溶性物質および油脂を含んでなる水系および有機溶媒系コーティング剤が用いられる。溶剤は前記と同じものが好ましい。また、本コーティング剤にはその他の添加剤を加えることができ、例えば、可塑剤、着色剤、滑沢剤、流動化剤、懸濁化剤、光沢化剤、付着防止剤等が挙げられる。
【0016】
本発明には、コーティング固形製剤がコーティング顆粒剤である場合、そのコーティング顆粒剤を充填してなる未コーティングのカプセル剤、またはコーティング顆粒剤を打錠してなる未コーティングの錠剤も含まれる。さらに、その未コーティングのカプセル剤または未コーティングの錠剤は、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を含み、さらに所望により水溶性物質および/または油脂を含んでなるコーティング剤でコーティングを施して、それぞれコーティングカプセル剤、またはコーティング錠剤としてもよい。好ましくは、コーティング顆粒剤を充填してなる未コーティングのカプセル剤であり、その未コーティングのカプセル剤にさらにコーティングを施してコーティングカプセル剤にすることも好ましい。
【0017】
本発明においてアクリレート系高分子としては、例えば、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEが挙げられる。
【0018】
本発明においてポリビニル系高分子としては、例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコールが挙げられる。中でも、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートが好ましい。
【0019】
本発明において水溶性物質としては、例えば、水溶性セルロース類および糖類から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。本発明で用いられる水溶性セルロース類とは、セルロースの水酸基の水素原子の一部をメチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシプロピル基またはヒドロキシエチル基等で置換することにより、水素結合を消失させた水溶性高分子である。例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が挙げられる。水溶性セルロース類としてはいずれも好ましいが、特に好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、好適に使用されるヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208等が挙げられ、具体的にはメトローズ90SH、メトローズ65SH、メトローズ60SH、TC−5(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。TC−5としては、例えば、TC−5E、TC−5EW、TC−5R、TC−5RW、TC−5MW、TC−5Sが挙げられる。
【0020】
本発明において糖類としては、例えば、ぶどう糖、果糖、麦芽糖、乳糖、白糖、異性化乳糖、還元乳糖、蔗糖、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、パラチノース、トレハロース、ソルビトール、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプンが挙げられる。中でも、乳糖または白糖が好ましい。
【0021】
本発明において油脂としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびカルナウバロウが挙げられる。中でも、ステアリン酸が好ましい。
【0022】
アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上のみを含んでなるコーティング剤でコーティングした固形製剤に比べ、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上に、さらに水溶性物質を含んでなるコーティング剤でコーティングした固形製剤は、さらにコーティング層の崩壊性が優れ、溶出性に優れたコーティング固形製剤となり得る。また、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を含むコーティング剤に、さらに油脂を加えたコーティング剤でコーティングした固形製剤は、さらにコーティング層の防湿性が高まり、無包装状態での保存による溶出安定性がより高まったコーティング固形製剤となり得る。本発明においては、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上のみを含んでなるコーティング剤、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上および水溶性物質を含んでなるコーティング剤、またはアクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上、水溶性物質および油脂を含んでなるコーティング剤が好ましい。
【0023】
本発明のコーティング固形製剤におけるコーティング層の重量部は、未コーティング固形製剤100重量部に対して、約2〜約12重量部が好ましく、さらに好ましくは約2.4〜約10重量部であり、特に好ましくは約3.2〜約8重量部である。また、その際のコーティング層の厚さは、カプセル剤では約7〜約42μmであり、錠剤では約14〜約84μmであり、顆粒剤では約0.3〜約1.8μmであることが好ましい。本発明の重量部および厚さを有するコーティング層は防湿性に優れ、かつ胃での崩壊性に優れ、保存による溶出安定性を有する。また、本発明における「胃で容易に崩壊するコーティング層」とは、投与から30分以内に崩壊するコーティング層を意味する。
【0024】
本発明のコーティング剤は、未コーティング固形製剤100重量部に対して、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を合計約2〜約9重量部含んでなることが好ましく、さらに好ましくは、約2.4〜約7.2重量部であり、特に好ましくは約3.2〜6.4重量部である。
【0025】
本発明のコーティング剤は、未コーティング固形製剤100重量部に対して、水溶性物質を含んでいないか、あるいは約0.5〜約8重量部含んでなることが好ましく、さらに好ましくは、約0.8〜約5.6重量部含んでなること、特に好ましくは約0.8〜4.8重量部含んでなることである。
【0026】
本発明のコーティング剤は、未コーティング固形製剤100重量部に対して、油脂を含んでいないか、あるいは約0.5〜約5重量部含んでなることが好ましく、さらに好ましくは、含んでいないか、あるいは約0.5〜約4重量部含んでなることである。
【0027】
本発明において、未コーティング固形製剤100重量部に対して、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部を含み、水溶性物質を約0.5〜約8重量部および油脂を0〜約5重量部を含んでなるコーティング剤が好ましい。より好ましくは、(1)油脂を含まず、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、および水溶性物質を約0.5〜約8重量部含んでなるコーティング剤か、あるいは(2)アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、水溶性物質を約0.5〜約8重量部および油脂を約0.5〜約5重量部含んでなるコーティング剤である。
【0028】
本発明における「未コーティング固形製剤100重量部」において、未コーティング固形製剤が未コーティングカプセル剤の場合は、未コーティングカプセル剤の内容物100重量部を意味する。
【0029】
本発明において、「プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤」は、プランルカスト水和物および賦形剤を含有する造粒物から製造することができる。また該造粒物以外に、一般的に使用される添加剤を含んでいてもよく、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤、香料、着色剤、抗酸化剤、隠蔽剤、静電気防止剤、流動化剤、湿潤剤、溶出補助剤を1種または2種以上適宜配合することができる。好ましくは、滑沢剤および/または流動化剤を含んでいる。
【0030】
本発明において、「プランルカスト水和物および賦形剤を含有する造粒物」は、いかなる製造方法によって製造された造粒物であってもよく、例えば、押出し造粒法、撹拌造粒法、混合撹拌造粒法、高速混合撹拌造粒法、流動層造粒法、撹拌流動層造粒法、転動撹拌流動層造粒法、転動造粒法、転動流動層造粒法、乾式(圧縮)造粒法、破砕造粒法、噴霧乾燥造粒法等が挙げられる。「プランルカスト水和物および賦形剤を含有する造粒物」は、賦形剤以外に、一般的に使用される添加剤を含んでいてもよく、例えば、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤、香料、着色剤、抗酸化剤、隠蔽剤、静電気防止剤、流動化剤、湿潤剤および溶出補助剤から選ばれる1種または2種以上を適宜配合することができる。好ましくは、さらに崩壊剤を含んでいる。より好ましくは、さらに崩壊剤および/または結合剤を含んでいる。
【0031】
本発明の「プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤」は、例えば、
(1)プランルカスト水和物、賦形剤、流動化剤および結合剤を含有してなる未コーティング固形製剤であり、例えば、プランルカスト水和物、賦形剤(乳糖、白糖等)および流動化剤(軽質無水ケイ酸等)を(高速)撹拌造粒機に投入し、結合剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等)の水溶液または水および有機溶媒(エタノール等)との混合溶液を投入し練合し、押出し造粒機により造粒し、球形整粒機等で整粒後、乾燥して製造した造粒物から製造されるものである;
(2)プランルカスト水和物、賦形剤、流動化剤、および結合剤を含有してなる未コーティング固形製剤であり、例えば、これはプランルカスト水和物、賦形剤(乳糖、白糖、D−マンニトール等)および流動化剤(軽質無水ケイ酸等)を混合して流動層造粒機に投入し、結合剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等)の水溶液または水および有機溶媒(エタノール等)との混合溶液を噴霧して製造した造粒物から製造されるものである。また所望により、さらに崩壊剤を添加して造粒物を製造してもよい;
(3)プランルカスト水和物、賦形剤および崩壊剤、さらに所望により流動化剤を含有してなる未コーティング固形製剤であり、例えば、これはプランルカスト水和物、賦形剤(乳糖、白糖、D−マンニトール等)、崩壊剤(低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)、および所望により流動化剤(軽質無水ケイ酸等)を撹拌造粒機に投入し、所望により結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等)の水溶液または水および有機溶媒(エタノール等)との混合溶液を添加して湿性品を製造し、流動層造粒機で乾燥後、整粒して製造した造粒物から製造されるものである。また、この造粒物はプランルカスト水和物1重量部に対して、崩壊剤を約0.02〜約0.30重量部および賦形剤を約0.05〜約0.45重量部含むものが好ましい;
(4)プランルカスト水和物、および1種またはそれ以上の賦形剤(糖類)、さらに1種またはそれ以上の水溶性高分子および/または1種またはそれ以上の界面活性剤を含有する噴霧乾燥造粒物を含有してなる未コーティング固形製剤であり、例えば、これはプランルカスト水和物および糖類(乳糖、D−マンニトール、白糖等)と、さらに水溶性高分子(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等)および/または界面活性剤(ポリソルベート等)を適当な溶媒(水または水とアルコール等の有機溶媒混合液)に懸濁し、この懸濁液をスプレードライヤーで噴霧乾燥することにより製造した造粒物から製造されるものである;
(5)プランルカスト水和物、賦形剤(糖類)および水溶性セルロース類を含有してなる未コーティング固形製剤であり、例えば、プランルカスト水和物、糖類(乳糖、マンニトール、白糖等)、水溶性セルロース類(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、および必要に応じて他の添加剤(賦形剤、結合剤、崩壊剤、矯味剤、界面活性剤、香料、滑沢剤、着色剤、抗酸化剤、隠蔽剤、静電気防止剤、流動化剤、湿潤剤、矯臭剤、溶出補助剤等)を混合するか、もしくは公知の造粒法(例えば、押出し造粒法、混合撹拌造粒法、高速混合撹拌造粒法、流動層造粒法、転動撹拌流動層造粒法、転動造粒法、乾式(圧縮)造粒法、破砕造粒法、噴霧乾燥造粒法等)に付すことによって製造した造粒物から製造されるものである。また、該造粒物は、造粒物1重量部中にプランルカスト水和物を0.70〜0.98重量部含むものが好ましく、より好ましくは0.75〜0.87重量部であり、プランルカスト水和物1重量部に対して、糖類が0.05〜0.30重量部であるものが好ましく、より好ましくは0.10〜0.25重量部である;
(6)プランルカスト水和物、賦形剤および水溶性セルロースを含有してなる未コーティング固形製剤であり、例えば、これはプランルカスト水和物、賦形剤(乳糖等)および水溶性セルロース(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等)を撹拌造粒機、撹拌流動層造粒機または撹拌転動流動層造粒機に投入し、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース等)の水溶液を添加して湿性品を製造し、流動層造粒機で乾燥後、整粒して製造した造粒物から製造されるものである。該造粒物は、プランルカスト水和物100重量部に対して、水溶性セルロース類を約0.1〜30重量部含むものが好ましい;が挙げられる。
【0032】
本発明において「プランルカスト水和物」としては、プランルカスト水和物、プランルカスト水和物含有固体分散体、プランルカスト水和物含有複合粒子、またはプランルカスト水和物含有微細粒子等を用いることができる。例えば、以下のものが挙げられる。
(1)プランルカスト水和物は、例えば特開昭61−050977号明細書記載の方法および/または公知の方法を組み合わせることによって製造されたものが用いられる。また、本発明に用いられるプランルカスト水和物はどのような粒子径のものでもよい。
(2)プランルカスト水和物含有固体分散体とは、プランルカスト水和物が担体中に微細結晶状態および/または非晶質状態で分散した固体を意味する。微細結晶とは、平均粒子径が約0.01〜1.0μmである微細な結晶である。非晶質とは、プランルカスト水和物分子が規則正しい空間配置をもつ結晶を作らずに集合した固体状態を意味する。
【0033】
プランルカスト水和物含有固体分散体に含まれるプランルカスト水和物に対する、プランルカスト水和物の微細結晶の割合として好ましくは約60〜100%であり、より好ましくは約70〜100%であり、さらに好ましくは約80〜100%である。また、プランルカスト水和物100重量部に対して、担体が10〜1000重量部であるものが好ましく、より好ましくは25〜750重量部、さらに好ましくは50〜500重量部である。プランルカスト水和物含有固体分散体は、例えば溶媒法、溶融法、溶融−溶媒法および混合粉砕法等によって製造される。中でも混合粉砕法が好ましく、例えば、ボールミル(例えば、遊星ボールミルなど)、ロッドミル、振動ミルなどの装置を用いて、約1〜18時間処理する方法が挙げられる。好ましい処理時間は約1.5〜17時間であり、より好ましくは約2〜16時間である。担体としては、例えば、水溶性高分子や非水溶性高分子などが挙げられる。水溶性高分子としては、例えば、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アラビアゴム、デキストリン、ゼラチンなどが挙げられる。非水溶性高分子としては、例えば、架橋結合ポリビニルピロリドン(例えば、クロスポピドンなど)、アミノアルキルメタアルキレートコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、メタクリル酸コポリマー(例えば、メタクリル酸コポリマーLなど)、セラックなどが挙げられる。中でも、セルロース誘導体が好ましく、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、セルロースアセテートフタレート、結晶セルロースなどが挙げられる。中でもヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、クロスカルメロースナトリウムが好ましく、より好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースであり、さらに好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
(3)プランルカスト水和物含有複合粒子とは、平均粒子径が0.01〜2.0μmのプランルカスト水和物、および水溶性賦形剤を含有する平均粒子径が0.5〜50μmである複合粒子を意味する。プランルカスト水和物1質量部に対して水溶性賦形剤2〜50質量部である複合粒子が好ましい。水溶性賦形剤としては、糖あるいは糖アルコール類等が挙げられ、具体的はグルコース、ラクトース、スクロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール等が、水溶性の多糖類としては、デンプン、デキストラン、シクロデキストリン等が挙げられる。該複合粒子は、例えば、プランルカスト水和物を含有するスプレー液および水溶性賦形剤を含有するスプレー液を調製し、該スプレー液を4流体ノズル噴霧乾燥装置(MDL−050、藤崎電気社製)の2つの液体流路から別々に送液して、2つの気体流路からでる圧縮空気によってスプレー液を流体流動面で薄く引き伸ばし、4流体ノズルのエッジ先端の焦点で生じる強い衝撃波によって微小ミストを生成させた後に乾燥することにより製造することができる。スプレー液に用いられる溶媒としては、例えば、水、アセトン、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等)、酢酸エチル、クロロホルム、ジオキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタンなどが用いられる。異なる流路からのスプレー液に用いられる溶媒の組み合わせとしては、水とエタノール、水とアセトン、水とメタノール、水とメタノール・アセトン混液、エタノールとアセトン、エタノールとメタノール、メタノールとアセトン、メタノールと酢酸エチル、メタノールとジクロロメタンなどが好ましい。
(4)プランルカスト水和物含有微細粒子とは、プランルカスト水和物および高分子担体を含有してなる、平均粒子径が0.1〜15μmである球形の微細粒子を意味する。該微細粒子はプランルカスト水和物1重量部に対し、高分子担体が1〜8重量部であることが好ましい。高分子担体としては、水溶性セルロース類(ヒドロキシメチルセルロース等)、合成高分子類(ポリビニルピロリドン等)および軽質無水ケイ酸が挙げられる。該微細粒子は、例えば、プランルカスト水和物および高分子担体を水および有機溶媒(エタノール等)から選択される1種以上に溶解または懸濁後、該溶液または懸濁液をパルス瞬間乾燥法によって破砕乾燥させることにより製造することができる。パルス瞬間乾燥法とは、パルス燃焼器(ハイパルコン(パルテック(株)製))によって生じるパルス衝撃波(超音波と熱風)中に、プランルカスト水和物および高分子担体の溶液または懸濁液を噴霧し、その衝撃波と熱により、瞬間的に固体と液体を分離・乾燥させる方法である。また、該微細粒子は、平均円形度が0.9〜1.0のものが好ましい。
【0034】
本発明において、「コーティング顆粒剤を充填してなる未コーティングのカプセル剤」または「コーティング顆粒剤を打錠してなる未コーティングの錠剤」は、コーティング顆粒剤以外に、一般的に使用される添加剤を含んでいてもよく、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤、香料、着色剤、抗酸化剤、隠蔽剤、静電気防止剤、流動化剤、湿潤剤、溶出補助剤を1種または2種以上適宜配合することができる。
【0035】
本発明において結合剤としては、例えば、水溶性セルロース(ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))、ポビドン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール、部分α化デンプン、α化デンプン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、アラビアゴム末、およびゼラチンが挙げられ、これらを1種または2種以上適宜配合して用いることができる。
【0036】
本発明において崩壊剤としては、例えば、アジピン酸、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、カンゾウ末、カンテン末、グァーガム、クエン酸カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、合成ケイ酸アルミニウム、コムギデンプン、コメデンプン、酢酸フタル酸セルロース、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル40、精製白糖、セスキオレイン酸ソルビタンゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、タルク、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、デヒドロ酢酸ナトリウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、ハチミツ、バレイショデンプン、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910、部分アルファー化デンプン、フマル酸一ナトリウム、ポビドン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリソルソルベート40、ポリソルベート80、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000、D−マンニトール、無水クエン酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、およびリン酸二水素カルシウムが挙げられ、これらを1種または2種以上適宜配合して用いることができる。より好ましくは、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチまたはトウモロコシデンプンである。
【0037】
本発明において滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、蔗糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、およびポリエチレングリコールが挙げられ、これらを1種または2種以上適宜配合して用いることができる。
【0038】
本発明において付着防止剤としては、例えばタルクが挙げられる。
【0039】
本発明において矯味剤としては、例えば、白糖、D−ソルビトール、キシリトール、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、グルタミン酸ナトリウム、5’−イノシン酸ナトリウム、および5’−グアニル酸ナトリウムが挙げられ、これらを1種または2種以上適宜配合して用いることができる。
【0040】
本発明において界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80等)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合物、およびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられ、これらを1種または2種以上適宜配合して用いることができる。
【0041】
本発明において香料としては、例えば、レモン油、オレンジ油、メントール、およびはっか油が挙げられる。
【0042】
本発明において着色剤としては、例えば、酸化チタン、食用黄色5号、食用青色2号、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄等が挙げられる。
【0043】
本発明において抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、L−システイン、亜硫酸ナトリウム、ビタミンE等が挙げられる。
【0044】
本発明において隠蔽剤としては、例えば、酸化チタンが挙げられる。
【0045】
本発明において静電気防止剤としては、例えば、タルク、酸化チタンが挙げられる。
【0046】
本発明において流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素が挙げられる。
【0047】
本発明において湿潤剤としては、例えば、ポリソルベート80、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が挙げられる。
【0048】
本発明において溶出補助剤としては、例えば、乾燥メタクリル酸コポリマーLD、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートが挙げられる。
【0049】
本発明において、上記以外にも、公知の文献、例えば薬事日報社2005年刊「医薬品添加物辞典」(日本医薬品添加剤協会編集)等に記載されているような添加剤を用いてもよい。
【0050】
一般的に、保存の時間経過による溶出率の変化が大きく、溶出性が不安定な製剤は、生体内投与後における生物学的利用能の変化が生じることになり、薬効発現が不十分になったり、副作用を伴ったりするおそれがあるため好ましくない。
【0051】
本発明において「保存による溶出安定性」とは、保存前のコーティング固形製剤の溶出率に比べて、加温および/または加湿条件下で一定時間保存後のコーティング固形製剤の溶出率に遅延や加速が起こりにくいことを意味する。例えば、コーティング固形製剤の(i)保存前の溶出率と、無包装状態で(ii)室温保存、(iii)加速試験、または(iv)苛酷試験に付した後の溶出率の差が少ないことである。その差は、例えば後記する溶出性試験に付して算出される。詳しくは、後記する溶出試験において、コーティング固形製剤の(i)保存前の溶出率と、無包装状態で(ii)室温で3年間、(iii)温度25℃または40℃、相対湿度75%条件下の恒温恒湿器内で7日間または1ヶ月間、または(iv)温度60℃条件下の恒温器内で7日間保存後の溶出率の差が25%以内であることを意味する。好ましくは20%以内であり、より好ましくは15%以内であり、特に好ましくは10%以内である。
【0052】
本発明において、プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤100重量部に対して、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を合計約3.2〜約6.4重量部、水溶性物質約0.8〜約4.8重量部および油脂0〜約4重量部を含んでなるコーティング剤でコーティングをしてなることを特徴とする、無包装状態で温度25℃、相対湿度75%条件下で1ヶ月間保存後の溶出率と、保存前の溶出率との差が25%以内であるコーティングカプセル剤、コーティング錠剤またはコーティング顆粒剤が好ましい。差が好ましくは20%以内であり、より好ましくは15%以内であり、特に好ましくは10%以内である。溶出試験は、後記する溶出試験で行われることが好ましい。
【0053】
その際、プランルカスト水和物を、1カプセル、1錠または1包あたり約112.5mgまたは約225mg含有するコーティングカプセル剤、コーティング錠剤またはコーティング顆粒剤がより好ましい。
【0054】
また、(1)油脂を含まず、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を合計約3.2〜約6.4重量部および水溶性物質を約0.8〜約4.8重量部含んでなるコーティング剤か、(2)アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を合計約3.2〜約6.4重量部、水溶性物質を約0.8〜約4.8重量部および油脂を約0.5〜約4重量部含んでなるコーティング剤であることが特に好ましい。
【0055】
本発明のコーティング固形製剤中のプランルカスト水和物含量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、本発明の所望の効果が得られるように製することが好ましい。例えば、成人1日当たりのプランルカスト水和物の投与量として好ましくは約25mg〜2500mg、より好ましくは約112.5mg〜450mgである。具体的には、約50mg、約70mg、約100mg、約112.5mg、約140mg、約200mg、約225mg、約280mgまたは約450mgが好ましい。
【0056】
本発明のコーティング固形製剤に含まれるプランルカスト水和物の量は、未コーティング固形製剤100重量部中に、約50〜約90重量部含まれていることが好ましく、さらに好ましくは約50〜約80重量部であり、特に好ましくは約55〜約70重量部である。また、本発明のコーティング固形製剤に含まれるプランルカスト水和物の含量としては、1製剤中、つまり1カプセル中、1錠剤中、または顆粒剤の場合は1包あたり約112.5mg〜450mgが好ましく、より好ましくは約112.5mgまたは約225mgである。
【0057】
また、本発明のコーティング固形製剤を小児に対して投与するには、コーティングされた散剤、顆粒剤またはドライシロップ剤として用いるのが好ましい。小児患者の体重1kg当たりの1日当たりのプランルカスト水和物の投与量としては、約2mg〜約10mgが好ましく、より好ましくは約5mg〜約8mgであり、さらに好ましくは約7mgである。また、体重12kg以上18kg未満の小児患者に対しては、プランルカスト水和物を1日当たり約50mg〜約100mg投与するのが好ましく、より好ましくは約50mgまたは約100mgである。体重18kg以上25kg未満の小児患者に対しては、プランルカスト水和物を1日当たり約70mg〜約140mg投与するのが好ましく、より好ましくは約70mgまたは約140mgである。体重25kg以上35kg未満の小児患者に対しては、プランルカスト水和物を1日当たり約100mg〜約200mg投与するのが好ましく、より好ましくは約100mgまたは約200mgである。体重35kg以上45kg未満の小児患者に対しては、プランルカスト水和物を1日当たり約140mg〜約280mg投与するのが好ましく、より好ましくは約140mgまたは約280mgである。
【0058】
本発明の固形製剤のうち、例えば錠剤としては、服用する患者に負担を与えない形状や大きさのものが好ましい。例えば、円形錠や異形錠(例えば、カプレット錠等)等が挙げられる。錠剤の形状は特に限定されないが、円柱状で曲率面を有することが好ましい。また、カプセル剤としては、その大きさが1号、2号、3号または4号カプセルであることが好ましい。例えば、プランルカスト水和物を225mg含有する2号カプセル剤または3号カプセル剤、もしくはプランルカスト水和物を112.5mg含有する3号カプセル剤または4号カプセル剤等が、服用患者のコンプライアンスの観点から好ましい。カプセルの材皮としては、通常用いられる材皮であればいかなるものでもよいが、例えば、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、ポリエチレングリコール配合ゼラチン、コラーゲン、デンプン、寒天、ペクチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルランが挙げられる。特にゼラチンが好ましい。
【0059】
本発明の固形製剤は、所望によって任意の包装が施される。固形製剤がカプセル剤または錠剤である場合の包装は、例えば、個別に包装されていない非単位包装(例えば、バルク包装)等であってもよい。また、固形製剤がカプセル剤、錠剤または顆粒剤である場合の包装は、例えば、PTP(Press Through Package)包装、SP(Strip Package)包装、スティック包装、分包包装(三方シール、四方シール)、オブラート包装またはアルミニウム箔包装等であってよいが、特に、カプセル剤および錠剤の場合はPTP包装が好ましい。材質としては、プラスチックシート、アルミシート、防水シート等が挙げられる。プラスチックシートとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、無延伸ポリプロピレン(CPPまたはIPP)、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、無延伸ナイロン(CNy)、二軸延伸ナイロン(ONy)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、硬質塩化ビニル(VSC)、ポリエチレンテレフタラート、ポリアクリロニトリル共重合体(PAN)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエステル(PET)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー(IO)、ポリアミド(PAまたはNy)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)等が挙げられる。これらは2種以上を適宜組み合わせた複合体を用いてもよい。シートは、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機物を蒸着した蒸着フィルム、紙、アルミ箔、セロファンフィルム等の通常の包装材料として用いられているものの中から2種以上を、適宜組み合わせて貼り合わせて用いてもよい。
【0060】
さらに本発明の固形製剤は、前記のPTP包装やSP包装等を施した後、その一定数量を缶、ビン、袋(カートナー包装、シュリンク包装、ピロー包装等)で二次包装してもよい。袋の場合の材質は、アルミフィルム、ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、高密度ポリエチレンラミネート紙、ポリ塩化ビニリデンラミネート、セロハン等が挙げられる。好ましくはアルミフィルム製のピロー包装である。さらに、チャック(シングルチャック、ダブルチャック等)を有する袋であってもよい。さらに、二次包装体中に乾燥剤を入れて、包装体中の湿度が調節されたものも好ましい。乾燥剤としては、一般的に医薬品の保存時に用いられるものであれば特に限定されないが、そのような乾燥剤としては、酸化アルミニウム、カルシウム、塩化カルシウム、水素化カルシウム、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸銅、水素化リチウムアルミニウム、マグネシウム、酸化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、合成ゼオライト(モレキュラーシーブ等)、天然ゼオライト、五酸化二リン、炭酸カリウム、水酸化カリウム、シリカゲル、シリカアルミナゲル、ナトリウム、水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、活性炭等が挙げられる。これらは、必要に応じて、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、乾燥剤の形態としては、粒状、もしくはフィルム状、プレート状およびシート状に成形したもの、または粒状のものを通気性のある袋に充填したもの等が挙げられ、その形態は特に限定されない。好ましくは、シート状に成形したもの等である。
[医薬品への適用]
本発明の製剤はプランルカスト水和物を有効成分として含有するため、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、慢性閉塞性肺疾患、メニエール病、偏頭痛、咳嗽、滲出性中耳炎、月経困難症等の種々の疾患等の予防および/または治療薬として有用である。
[毒性]
本発明が提供するプランルカスト水和物を含有するコーティング固形製剤は低毒性であり、医薬として使用するために十分に安全である。
【発明の効果】
【0061】
本発明のプランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤に、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を含み、さらに所望により水溶性物質および/または油脂を含んでなるコーティング剤でコーティングした固形製剤は、防湿性に優れ、かつ胃で容易に崩壊するコーティング層を有し、そして保存による溶出安定性を有するコーティング固形製剤である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明をよく理解するためのものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
製剤例1
プランルカスト水和物、乳糖(賦形剤;FONTERRA社)、軽質無水ケイ酸(流動化剤;フロイント産業(株))を高速撹拌造粒機(SPG−2;不二パウダル(株)製)に投入して混合し、ポリビニルピロリドン(結合剤;BASF武田ビタミン(株))およびポリエチレングリコール(結合剤;日本油脂(株))の6%水溶液を投入して練合する。これを押出し造粒機(MG−55;不二パウダル(株)製)に投入して造粒した顆粒を、球形整粒機(Q−230T;不二パウダル(株)製)で整粒する。これを70℃で30分間乾燥し、プランルカスト水和物を含有する未コーティング顆粒剤を製造する。
[未コーティング顆粒剤(173mg中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
製剤例2
プランルカスト水和物、乳糖、軽質無水ケイ酸をポリエチレン袋内で混合し、流動層造粒機(STREA;パウレック(株)製)に投入する。ポリビニルピロリドンおよびポリエチレングリコールの6%水溶液を噴霧して、給気温度約70℃、排気温度約30℃の条件で造粒する。造粒物を70℃で乾燥して、1mmの篩を用いて篩過して、プランルカスト水和物を含有する造粒物を得る。
【0063】
ボーレコンテナミキサー(コトブキ技研工業(株)製)に、前記で得られる造粒物、ステアリン酸マグネシウム(滑沢剤;太平化学産業(株))を入れて混合した後、カプセル充填機(LIQFIL F40;シオノギクオリカプス(株)製)を用いて3号カプセルに充填して、以下の処方のプランルカスト水和物を含有する未コーティングカプセル剤を製造する。
[未コーティングカプセル剤(1カプセル剤中175mg):220.4mg(カプセルの重量込み)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
製剤例3
プランルカスト水和物、乳糖および低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)を撹拌造粒機(VG25;パウレック(株)製)に入れて混合し、ポリビニルピロリドンおよびポリエチレングリコールの6%水溶液を添加して撹拌造粒法にて造粒する。造粒物を70℃で30分間乾燥し、32メッシュ篩を通して、プランルカスト水和物を含有する造粒物を得る。
【0064】
ボーレコンテナミキサー(コトブキ技研工業(株)製)に、前記で得られる造粒物、ステアリン酸マグネシウムおよび軽質無水ケイ酸を入れて混合し、杵径7.5mmの打錠機(VIRG;菊水(株)製)により打錠し、以下の処方のプランルカスト水和物を含有する未コーティング錠剤を製造する。
[未コーティング錠剤(1錠中):計175mg]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例4(1)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(3.2g;水溶性物質;TC−5E(信越化学工業(株))を水(122g)に溶解し、そこにアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(28.8g;アクリレート系高分子;オイドラギッドE100(DEGUSSA社))のエタノール(486g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(1)を製造する。
【0065】
製剤例1で製造する未コーティング顆粒剤(400g)をコーティング機(NQ125;不二パウダル(株)製)に仕込み、以下の条件で、コーティング剤(1)を噴霧して、コーティング顆粒剤を製造する。
(コーティング条件)
ローター回転数:200rpm
風量:1.0m/分
吸気温度:排気温度30℃に調整
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:7.2重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
製剤例4(2)〜4(13)
製剤例1で製造した未コーティング顆粒剤(400g)に、コーティング剤(1)の代わりに、以下のコーティング剤(2)〜(13)を用いて、製剤例4(1)と同様にコーティングすることによって、以下のコーティング顆粒剤を製造する。
製剤例4(2)
コーティング剤(2):ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E;9.6g)を水(122g)に溶解し、そこにアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(オイドラギッドE100;22.4g)のエタノール(486g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(2)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.4重量部
製剤例4(3)
コーティング剤(3):ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E;16g)を水(122g)に溶解し、そこにアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(オイドラギッドE100;16g)のエタノール(486g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(3)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:4重量部
製剤例4(4)
コーティング剤(4):ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E;22.4g)を水(122g)に溶解し、そこにアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(オイドラギッドE100;9.6g)のエタノール(486g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(4)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:2.4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:5.6重量部
製剤例4(5)
コーティング剤(5):乳糖(3.2g;水溶性物質)を水(118g)に溶解し、そこにステアリン酸(16g;油脂;日本油脂(株))を加えて懸濁する。懸濁液に、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(オイドラギッドE100;28.8g;アクリレート系高分子)のエタノール(474g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(5)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:12重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:7.2重量部
乳糖:0.8重量部
ステアリン酸:4重量部
製剤例4(6)
コーティング剤(6):ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E;3.2g;水溶性物質)を水(122g)に溶解し、そこにポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(28.8g;ポリビニル系高分子;AEA(三共(株)))のエタノール(486g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(6)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:7.2重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
製剤例4(7)
コーティング(7):ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E;9.6g)を水(122g)に溶解し、そこにポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(AEA;22.4g)のエタノール(486g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(7)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.4重量部
製剤例4(8)
コーティング剤(8):ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E;16g)を水(122g)に溶解し、そこにポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(AEA;16g)のエタノール(486g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(8)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:4重量部
製剤例4(9)
コーティング剤(9):ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E;22.4g)を水(122g)に溶解し、そこにポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(AEA;9.6g)のエタノール(486g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(9)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:2.4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:5.6重量部
製剤例4(10)
コーティング剤(10):乳糖(3.2g;水溶性物質)を水(118g)に溶解し、そこにステアリン酸(16g;油脂)を加えて懸濁する。懸濁液に、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(AEA;28.8g;ポリビニル系高分子)のエタノール(474g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(6)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:12重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:7.2重量部
乳糖:0.8重量部
ステアリン酸:4重量部
製剤例4(11)
コーティング剤(11):ポリビニルアルコール(22.4g;ポリビニル系高分子;オパドライAMB(COLORCON社))およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E;9.6g;水溶性物質)を水(453g)に溶解し、そこにタルク(15g;付着防止剤;MERCK社)を加え懸濁して、コーティング剤(11)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:11.75重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.4重量部
タルク:3.75重量部
製剤例4(12)
コーティング剤(12):ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E;3.2g)を水(90.8g)に溶解し、そこにアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(オイドラギッドE100;16g)のエタノール(340g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(12)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:4.8重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
製剤例4(13)
コーティング剤(13):ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5E;3.2g)を水(100.4g)に溶解し、そこにアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(オイドラギッドE100;22.4g)のエタノール(386g)溶液を添加し混合して、コーティング剤(13)を製造する。
[コーティング層の重量部]
・未コーティング顆粒剤100重量部に対するコーティング層の重量部:6.4重量部
・未コーティング顆粒剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
製剤例5(1)
ボーレコンテナミキサー(コトブキ技研工業(株)製)に、製剤例4(1)で製造するコーティング顆粒剤(432g)およびステアリン酸マグネシウムを入れて混合し、カプセル充填機(LIQFIL F40;シオノギクオリカプス(株)製)を用いてカプセルに充填して、コーティング顆粒剤含有の未コーティングカプセル剤を製造する。
コーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(2)〜5(13)
製剤例4(1)のコーティング顆粒剤の代わりに、それぞれ製剤例4(2)〜4(13)のコーティング顆粒剤を用いて、製剤例5(1)と同様に操作することによって、以下のコーティング顆粒剤含有の未コーティングカプセル剤を製造する。
製剤例5(2):製剤例4(2)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(3):製剤例4(3)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(4):製剤例4(4)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(5):製剤例4(5)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(6):製剤例4(6)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(7):製剤例4(7)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(8):製剤例4(8)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(9):製剤例4(9)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(10):製剤例4(10)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(11):製剤例4(11)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(12):製剤例4(12)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例5(13):製剤例4(13)のコーティング顆粒剤を含有する未コーティングカプセル剤(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
製剤例6(1)
製剤例2で製造する未コーティングカプセル剤(503.7g)をコーティング機(ハイコーターラボ;フロイント産業(株)製)に仕込み、以下の条件で前記のコーティング剤(1)を噴霧して、コーティングされたカプセル剤を製造する。
(コーティング条件)
ローター回転数:20rpm
風量:0.5m/分
吸気温度:排気温度30℃に調整
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 12.6mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.4mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:7.2重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
製剤例6(2)〜6(13)
製剤例2で製造する未コーティングカプセル剤(503.7g)に、コーティング剤(1)の代わりに、前記のコーティング剤(2)〜(13)を用いて、製剤例6(1)と同様にコーティングすることによって、以下のコーティングカプセル剤を製造する。
製剤例6(2):コーティング剤(2)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 9.8mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4.2mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.4重量部
製剤例6(3):コーティング剤(3)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 7.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 7.0mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:4重量部
製剤例6(4):コーティング剤(4)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 4.2mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 9.8mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:2.4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:5.6重量部
製剤例6(5):コーティング剤(5)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 12.6mg
乳糖 1.4mg
ステアリン酸 7.0mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:12重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:7.2重量部
乳糖:0.8重量部
ステアリン酸:4重量部
製剤例6(6):コーティング剤(6)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 12.6mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.4mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:7.2重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
製剤例6(7):コーティング剤(7)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 9.8mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4.2mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.4重量部
製剤例6(8):コーティング剤(8)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 7.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 7.0mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:4重量部
製剤例6(9):コーティング剤(9)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 4.2mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 9.8mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:2.4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:5.6重量部
製剤例6(10):コーティング剤(10)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 12.6mg
乳糖 1.4mg
ステアリン酸 7.0mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:12重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:7.2重量部
乳糖:0.8重量部
ステアリン酸:4重量部
製剤例6(11):コーティング剤(11)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアルコール 9.8mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4.2mg
タルク 6.5mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:11.75重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアルコール:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.4重量部
タルク:3.75重量部
製剤例6(12):コーティング剤(12)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 7.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.4mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:4.8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
製剤例6(13):コーティング剤(13)を使用。
[コーティングカプセル剤(1カプセル中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 9.8mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.4mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:6.4重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
製剤例7(1)
製剤例3で製造する未コーティング錠剤(400g)をコーティング機(ハイコーターラボ;フロイント産業(株)製)に仕込み、以下の条件で前記したコーティング剤(1)を噴霧して、コーティング錠剤を製造する。
(コーティング条件)
ローター回転数:20rpm
風量:0.5m/分
吸気温度:排気温度30℃に調整
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 12.6mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.4mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:7.2重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
製剤例7(2)〜7(13)
製剤例3で製造する未コーティング錠剤(400g)に、コーティング剤(1)に代えて、前記のコーティング剤(2)〜(13)を製剤例7(1)と同様にコーティングすることによって、以下のコーティング錠剤を製造する。
製剤例7(2):コーティング剤(2)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 9.8mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4.2mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.4重量部
製剤例7(3):コーティング剤(3)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 7.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 7.0mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:4重量部
製剤例7(4):コーティング剤(4)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 4.2mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 9.8mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:2.4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:5.6重量部
製剤例7(5):コーティング剤(5)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 12.6mg
乳糖 1.4mg
ステアリン酸 7.0mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:12重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:7.2重量部
乳糖:0.8重量部
ステアリン酸:4重量部
製剤例7(6):コーティング剤(6)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 12.6mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.4mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:7.2重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
製剤例7(7):コーティング剤(7)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 9.8mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4.2mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.4重量部
製剤例7(8):コーティング剤(8)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 7.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 7.0mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:4重量部
製剤例7(9):コーティング剤(9)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 4.2mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 9.8mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:2.4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:5.6重量部
製剤例7(10):コーティング剤(10)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 12.6mg
乳糖 1.4mg
ステアリン酸 7.0mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:12重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート:7.2重量部
乳糖:0.8重量部
ステアリン酸:4重量部
製剤例7(11):コーティング剤(11)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
ポリビニルアルコール 9.8mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4.2mg
ステアリン酸マグネシウム 6.5mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:11.75重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
ポリビニルアルコール:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.4重量部
タルク:3.75重量部
製剤例7(12):コーティング剤(12)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 7.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.4mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:4.8重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:4重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
製剤例7(13):コーティング剤(13)を使用。
[コーティング錠剤(1錠中)]
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 30mg
L−HPC 10mg
ポリビニルピロリドン 6mg
ポリエチレングリコール 4mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
軽質無水ケイ酸 10.5mg
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE 9.8mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.4mg
[コーティング層の重量部]
・未コーティングカプセル剤100重量部に対するコーティング層の重量部:6.4重量部
・未コーティングカプセル剤100重量部に対する各コーティング組成の重量部
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE:5.6重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.8重量部
比較例1
ポリエチレングリコール(45.2g、日本油脂(株))を精製水(1027mL)に溶解し、さらに乳糖(210.8g;FONTERRA社)およびプランルカスト水和物(450g)を加えて懸濁液とした。この懸濁液をスプレードライヤー(給気(入り口)温度:180℃、排気温度:100〜110℃、送液速度:30〜40g/分、アトマイザー回転速度:12000rpm)で噴霧乾燥し、プランルカスト水和物の噴霧乾燥造粒物を得た。この噴霧乾燥造粒物に、ステアリン酸マグネシウム(14.4g;太平化学産業(株))を添加し、混合して、カプセルに充填した。
比較例1の処方(1カプセル中)
プランルカスト水和物 112.5mg
乳糖 52.7mg
ポリエチレングリコール 11.3mg
ステアリン酸マグネシウム 3.6mg
溶出性試験1
本発明の製剤および比較例1で製造した製剤について、0.5%ポリソルベート80のリン酸緩衝液(pH6.8)を用いる崩壊試験器を用いて、溶出性試験を行なった。試験開始45分後に、溶出試験液を採取し、ろ過して試料溶液とした。試料溶液を吸光度法(測定波長350nm)で測定し、試験開始45分後の溶出率を算出した。
溶出性試験2
本発明の製剤および比較例1で製造した製剤を、無包装状態で温度25℃、相対湿度75%条件下の恒温恒湿器内に保存した。1ヶ月間保存後、上記溶出性試験1と同様に溶出率を測定した。
【0066】
その結果、比較例1で製造した製剤は、溶出性試験1、つまり保存前の溶出試験開始45分後の溶出率は91.2%であり、溶出性試験2、つまり保存後のそれは36.4%であった。このように比較例1で製造した製剤は、溶出試験開始45分後において、温度25℃、相対湿度75%条件下で1ヶ月間保存後の溶出率が低く、保存前との差は50%以上もあり、保存による溶出率の差が大変大きかった。それに対し、本発明の製剤は、溶出性試験1および溶出性試験2において溶出率が高く、そして保存前と保存後の溶出率の差が少なく、保存による溶出安定性を有する製剤である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のプランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤に、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を含み、さらに所望により水溶性物質および/または油脂を含んでなるコーティング剤でコーティングしてなる固形製剤は、防湿性に優れ、かつ胃で容易に崩壊するコーティング層を有し、そして保存による溶出安定性を有する製剤である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤に、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を含み、さらに所望により水溶性物質および/または油脂を含んでなるコーティング剤でコーティングしてなることを特徴とする、保存による溶出安定性を有するコーティング固形製剤。
【請求項2】
アクリレート系高分子がアミノアルキルメタアクリレートコポリマーEであり、ポリビニル系高分子がポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートおよびポリビニルアルコールから選ばれる1種または2種であり、水溶性物質が水溶性セルロース類および糖類から選ばれる1種または2種以上であり、油脂がステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびカルナウバロウから選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載の固形製剤。
【請求項3】
未コーティング固形製剤100重量部に対して、コーティング層の重量部が約2〜約12重量部である請求項1に記載の固形製剤。
【請求項4】
未コーティング固形製剤100重量部に対して、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、水溶性物質を約0.5〜約8重量部および油脂を0〜約5重量部を含んでなるコーティング剤である請求項1に記載の固形製剤。
【請求項5】
(1)油脂を含まず、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、および水溶性物質を約0.5〜約8重量部含んでなるコーティング剤であるか、あるいは(2)アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、水溶性物質を約0.5〜約8重量部および油脂を約0.5〜約5重量部含んでなるコーティング剤である請求項4に記載の固形製剤。
【請求項6】
未コーティング固形製剤100重量部中に、プランルカスト水和物を約50〜約90重量部含む請求項1に記載の固形製剤。
【請求項7】
プランルカスト水和物100重量部に対して、賦形剤を約5〜約80重量部含む請求項1に記載の固形製剤。
【請求項8】
賦形剤が乳糖および白糖から選ばれる1種または2種である請求項1に記載の固形製剤。
【請求項9】
コーティング固形製剤が、コーティングカプセル剤、コーティング錠剤またはコーティング顆粒剤である請求項1に記載の固形製剤。
【請求項10】
プランルカスト水和物を、1カプセル、1錠または1包あたりそれぞれ約112.5mgまたは約225mg含有する請求項9に記載の固形製剤。
【請求項11】
コーティング層の厚さが、カプセル剤では約7〜約42μmであり、錠剤では約14〜約84μmであり、顆粒剤では約0.3〜約1.8μmである請求項9に記載の固形製剤。
【請求項12】
無包装状態で温度25℃、相対湿度75%条件下で1ヶ月間保存後の溶出率と、保存前の溶出率との差が25%以内である請求項1に記載の固形製剤。
【請求項13】
差が15%以内である請求項12に記載の固形製剤。
【請求項14】
請求項9に記載のコーティング顆粒剤を充填してなる、保存による溶出安定性を有するカプセル剤。
【請求項15】
カプセル剤が未コーティングカプセル剤である請求項14に記載のカプセル剤。
【請求項16】
カプセル剤がコーティングカプセル剤であり、未コーティングカプセル剤100重量部に対して、(1)油脂を含まず、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、および水溶性物質を約0.5〜約8重量部含んでなるコーティング剤であるか、あるいは(2)アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上の合計を約2〜約9重量部、水溶性物質を約0.5〜約8重量部および油脂を約0.5〜約5重量部含んでなるコーティング剤でコーティングしてなる請求項14に記載のカプセル剤。
【請求項17】
無包装状態で温度25℃、相対湿度75%条件下で1ヶ月間保存後の溶出率と、保存前の溶出率との差が25%以内である請求項14に記載のカプセル剤。
【請求項18】
差が15%以内である請求項17に記載のカプセル剤。
【請求項19】
プランルカスト水和物および賦形剤を含有してなる未コーティング固形製剤100重量部に対して、(1)油脂を含まず、アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を合計約3.2〜約6.4重量部および水溶性物質を約0.8〜約4.8重量部含んでなるコーティング剤か、(2)アクリレート系高分子およびポリビニル系高分子から選ばれる1種または2種以上を合計約3.2〜約6.4重量部、水溶性物質を約0.8〜約4.8重量部および油脂を約0.5〜約4重量部含んでなるコーティング剤でコーティングしてなることを特徴とする、無包装状態で温度25℃、相対湿度75%条件下で1ヶ月間保存後の溶出率と、保存前の溶出率との差が25%以内であるコーティングカプセル剤、コーティング錠剤またはコーティング顆粒剤。
【請求項20】
差が15%以内である請求項19に記載のコーティングカプセル剤、コーティング錠剤またはコーティング顆粒剤。
【請求項21】
プランルカスト水和物を、1カプセル、1錠または1包あたりそれぞれ約112.5mgまたは約225mg含有する請求項19に記載のコーティングカプセル剤、コーティング錠剤またはコーティング顆粒剤。

【公開番号】特開2007−211006(P2007−211006A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4056(P2007−4056)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】