説明

溶媒ベースの疎水性顔料調製物の電子ディスプレイにおける使用

本発明は、(A)少なくとも1種の有機顔料および/または無機顔料、(B)少なくとも1種の溶媒可溶性または溶媒分散性のポリマー分散剤、(C)少なくとも1種のアルデヒド樹脂またはケトン樹脂、(D)場合によって、溶媒含有顔料調製物を製造するための慣用的な更なる添加剤、および(E)少なくとも1種の疎水性溶媒を含む顔料調製物の、電子ディスプレイにおける光学カラー画像を生成するための着色材としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、溶媒ベースの疎水性顔料調製物および/または分散物を電子ディスプレイの着色に使用すること、とりわけ透過性光学画像(例えば、カラーフィルタの原理に基づいて機能するディスプレイ技術)または反射性光学画像(例えば、電気泳動法のディスプレイ、またはエレクトロウェッティング法の原理に基づいて機能するディスプレイ)の、加法発色および減法発色のための、特に光学カラー画像生成用の着色材として使用することである。
【背景技術】
【0002】
エレクトロウェッティングの原理は、国際公開第2005098524号(特許文献1)に記載されている。この原理は、疎水液に対する疎水性表面をもつポリマー固体の濡れ性に依存する2つの切り替え可能な状態に関連する。疎水性ポリマー固体は、好ましくは白色を呈している。疎水液および固体は、さらに親水液(例えば水)によって取り囲まれている。親水液と疎水性固体との間に印加される電圧により電圧差が発生し、それに起因して疎水液の表面張力に変化が現われ、印加された電位を退ける。それにより、疎水液は、好ましくは白色であるピクセル底部をもはや完全には覆わずに、その一部分だけを覆うようになる。最大電圧が印加された場合および電圧が印加されない場合の表面張力のこの変化が、観察者にはピクセルの「オン」または「オフ」の状態として認識され得る。「オン」状態ではピクセルは白、「オフ」状態ではカラーの光学的印象が生じる。
【0003】
ディスプレイにおけるエレクトロウェッティング技術は、他のディスプレイ技術に比べて少ないエネルギー消費や、ビデオの使用にとって必須である、ピクセル状態の迅速な切り替え時間など、多くの利点を有している。さらに、疎水液中に溶解された着色材によってピクセルの彩色性が保証されるので、ディスプレイのピクセルは様々な色を呈することが可能である。着色材は親水液に不溶でなければならない。それによって、赤、緑、青(“RGB”)および黒を基調にした透過型ディスプレイ、またはシアン、マジェンタ、イエロー(“CMY”)および黒を基調にした反射型ディスプレイを実現できる。
【0004】
疎水液の表面張力の変化は印加電圧に比例する。したがって、電圧に応じてピクセル中に様々なグレースケールを表現することができ、ディスプレイにおいて高品質の画像を生成することができる。
【0005】
エレクトロウェッティングは、ディスプレイの他、光学フィルター、適応レンズ、およびラボオンチップ技術にも利用できる。
【0006】
上述の使用におけるディスプレイ中の着色については、専ら溶媒ベースの疎水性着色材溶液だけが記載されている。しかし、使用媒体中で結晶形態である顔料に比べて、溶液中の着色材は本来低い耐光堅牢度を有する。しかも、これらの着色材溶液は、疎水液中の痕跡量の酸素を排除するために、ディスプレイでの使用前に、費用のかかる脱気を行わなければならない。酸素は、酸化的分解過程を通じて着色材を変色、退色、および破壊することがある。疎水性媒体中で顔料を使用することにより、より高い耐光堅牢度を達成するための脱気のコストが不要になる。
【0007】
例えば国際公開第0167170号(特許文献2)に記載されている電気泳動ディスプレイの技術は、着色材で着色された疎水性媒体中に分散され、印加電圧によって可動な、それにより制御可能な荷電された白色顔料粒子を使用している。白色顔料粒子が印加電圧によりピクセル表面に運ばれると、観察者にはピクセルが白色として現われる。白色顔料粒子が印加電圧によりピクセル底部に運ばれると、ピクセルは、観察者には、疎水性媒体が着色材で着色されている色に見える。この場合も、上述したのと同様に、着色材が粒子状で存在する顔料と同等の耐光堅牢度を有さないという本来的な欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2005098524A1号
【特許文献2】国際公開第0167170号
【特許文献3】欧州特許第1855154号
【特許文献4】国際公開第0234840号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】C. Reichardt, Solvents and Solvent Effects: An Introduction, Organic Process Research & Development 2007, 11, 105 - 113
【非特許文献2】C. Reichardt, Chem. Rev. 1994, 94, 2319−2358
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の課題は、上記の電子ディスプレイシステムへの使用に適した顔料調製物を提供することであった。
【0011】
ディスプレイのピクセルの光学的「オン」状態と「オフ」状態の切り替え可能性を保証するためには、顔料調製物は、疎水性媒体中での高い沈殿安定性、および切り替え過程を可能にする粘度を示す必要がある。沈殿安定性および粘度は印加電圧に極力左右されないようにすべきである。
【0012】
低粘度で、高い色強度(Farbstarke)、正確に定義された色調(Farbton)、および高い沈殿安定性を達成するためには、分散液中の顔料粒子が分散剤および添加剤によって非常に良好に安定化されなければならない。分散過程においても、長期間にわたる貯蔵時およびその後の使用においても、フロキュレーション現象、再凝集化、または沈殿が出現しはならない。これらの現象はさらに、調製物の粘度変化をもたらし、場合によっては、色調の変化、および色強度、被覆能力、光沢、均質性、輝度の低下、ならびに色調再現性の悪化をもたらす。さらに、このような現象は、特に透過型および反射型ディスプレイへの使用時には、切り替え可能な状態、特に、ディスプレイ中のピクセルの色表現を可能にする視覚的なカラー印象のスイッチオンおよびスイッチオフ(色のオン/オフ)の停止をもたらす。
【0013】
顔料調製物は、多種多様な疎水性使用媒体とのできる限り相溶性であるべきであり、したがって分散剤および添加剤はそのような系と相溶性でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
驚くべきことに、ディスプレイでの使用時、下記の顔料調製物が沈殿に対する高い安定性、優れた流動性を示し、電界中で十分な安定性を有しており、したがって前記の課題を解決することが分かった。
【0015】
本発明の対象は、
(A)少なくとも1種の有機顔料および/または無機顔料、
(B)少なくとも1種の溶媒可溶性または溶媒分散性のポリマー分散剤、
(C)少なくとも1種のアルデヒド樹脂またはケトン樹脂、
(D)場合によって、溶媒含有顔料調製物を製造するための慣用的な更なる添加剤、および
(E)少なくとも1種の疎水性溶媒、
を含む顔料調製物の、電子ディスプレイにおける光学カラー画像を生成するための着色材としての使用である。
【0016】
本発明に従って使用される顔料調製物は、ディスプレイにおける加法発色および減法発色に適している。
【0017】
加法発色の例としては、例えばカラーフィルタ原理に従って動作する透過型ディスプレイ技術がある。
【0018】
減法発色の例としては、例えば電気泳動法の原理またはエレクトロウェッティング法の原理に従って動作する反射型ディスプレイ技術がある。
【0019】
本発明による使用において好ましい顔料調製物は、前記顔料調製物の全重量にそれぞれ基づいて、
(A)0.1〜80重量%の少なくとも1種の有機顔料および/または無機顔料、
(B)0.1〜30重量%の少なくとも1種の溶媒可溶性または溶媒分散性のポリマー分散剤、
(C)0.1〜80重量%の1種のアルデヒド樹脂またはケトン樹脂、
(D)0〜50重量%の、溶媒含有顔料調製物を製造するための慣用的な更なる添加剤、および
(E)5〜99重量%の疎水性溶媒、
を含む。
【0020】
成分(A)は、微粒子状の有機顔料もしくは無機顔料、または異なった有機顔料および/または無機顔料の混合物である。成分(A)は、本発明に従って用いられる溶媒に不溶であり、そしてこの溶媒中で顔料特性を有する着色材であってもよい。
【0021】
有機顔料としては、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、レーキ化アゾ系顔料、β−ナフトール系顔料、ナフトールAS系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジスアゾ縮合系顔料、アゾ金属錯体系顔料、および多環式系顔料、例えばフタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンタントロン系顔料、アントラキノン系顔料、フラバントロン系顔料、インダントロン系顔料、イソビオラントロン系顔料、ピラントロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、およびジケトピロロピロール系顔料、またはカーボンブラックが挙げられる。
【0022】
その際、特に好ましい有機顔料の例示的な選択肢としては、例えばガスブラックまたはファーネスブラックのようなカーボンブラック顔料、モノアゾ、ジスアゾ顔料、特に、カラーインデックス顔料のピグメントイエロー1、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー81、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー87、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー111、ピグメントイエロー126、ピグメントイエロー127、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー174、ピグメントイエロー176、ピグメントイエロー191、ピグメントイエロー213、ピグメントイエロー214、ピグメントレッド38、ピグメントレッド144、ピグメントレッド214、ピグメントレッド242、ピグメントレッド262、ピグメントレッド266、ピグメントレッド269、ピグメントレッド274、ピグメントオレンジ13、ピグメントオレンジ34またはピグメントブラウン41;β−ナフトール系顔料およびナフトールAS系顔料、特に、カラーインデックス顔料のピグメントレッド2、ピグメントレッド3、ピグメントレッド4、ピグメントレッド5、ピグメントレッド9、ピグメントレッド12、ピグメントレッド14、ピグメントレッド53:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド146、ピグメントレッド147、ピグメントレッド170、ピグメントレッド184、ピグメントレッド187、ピグメントレッド188、ピグメントレッド210、ピグメントレッド247、ピグメントレッド253、ピグメントレッド256、ピグメントオレンジ5、ピグメントオレンジ38、またはピグメントブラウン1;レーキ化アゾ系顔料および金属錯体顔料、特に、カラーインデックス顔料のピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:3、ピグメントレッド48:4、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド257、ピグメントオレンジ68、またはピグメントオレンジ70;ベンズイミダゾリン系顔料、特に、カラーインデックス顔料のピグメントイエロー120、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー175、ピグメントイエロー180、ピグメントイエロー181、ピグメントイエロー194、ピグメントレッド175、ピグメントレッド176、ピグメントレッド185、ピグメントレッド208、ピグメントバイオレット32、ピグメントオレンジ36、ピグメントオレンジ62、ピグメントオレンジ72、またはピグメントブラウン25;イソインドリノン系顔料およびイソインドリン系顔料、特に、カラーインデックス顔料のピグメントイエロー139またはピグメントイエロー173;フタロシアニン系顔料、特に、カラーインデックス顔料のピグメントブルー15、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー16、ピグメントグリーン7またはピグメントグリーン36;アンタントロン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、インダントロン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料およびチオインジゴ系顔料、特に、カラーインデックス顔料のピグメントイエロー196、ピグメントレッド122、ピグメントレッド149、ピグメントレッド168、ピグメントレッド177、ピグメントレッド179、ピグメントレッド181、ピグメントレッド207、ピグメントレッド209、ピグメントレッド263、ピグメントブルー60、ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23またはピグメントオレンジ43;トリアリールカルボニウム系顔料、特に、カラーインデックス顔料のピグメントレッド169、ピグメントブルー56またはピグメントブルー61;ジケトピロロピロール系顔料、特に、カラーインデックス顔料のピグメントレッド254、ピグメントレッド255、ピグメントレッド264、ピグメントレッド270、ピグメントレッド272、ピグメントオレンジ71、ピグメントオレンジ73、ピグメントオレンジ81が挙げられる。
【0023】
適切な無機顔料は、例えば、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マンガン鉄、酸化クロム、ウルトラマリン、チタン−ニッケル−アンチモン酸化物、チタン−クロム−アンチモン酸化物、酸化コバルト、コバルトとアルミニウムの混合酸化物、ルチル型混合相顔料、希土類の硫化物、バナジン酸ビスマスおよび体質顔料である。
【0024】
有機顔料は、カーボンブラックおよび/または二酸化チタンと組み合わせることができる。
【0025】
本発明における適切な着色材は、ポリマー染料、酸性染料、反応性染料、塩基性染料、溶媒染料、媒染染料、直接染料、分散性染料、蛍光染料、硫化染料、建染染料および金属錯体染料からなる群に属することができる。さらに、スルホン酸基および/またはカルボン酸基を含む着色材をCa、Mg、Alでレーキ化したものなど、レーキ化された着色材も適している。
【0026】
成分(B)は、モル質量が500〜500,000g/モル、好ましくは1,000〜500,000g/モルである溶媒可溶性または溶媒分散性のポリマー分散剤である。これらの分散剤は、好ましくはノニオン性化合物を含んでおり、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリオキシメチレン、ポリトリメチレンオキシド、ポリアミド、特に、Lubrizol Inc.のSolsperse(登録商標)11200、ポリアリールアミドおよびそれらのコポリマー;ポリエチレンイミン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメタクリレート、ポリメタクリルアミド、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド、ポリ−N−アクリルグリシンアミド、ポリ−N−メタクリルグリシンアミド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルメチルオキサゾリドンおよびそれらのコポリマー;アルキレンオキシドと脂肪アルコール、脂肪アミン、脂肪酸、フェノール、アルキルフェノール、アリールアルキルフェノールとの反応生成物、例えば、場合によっては置換されているスチレンを場合によっては置換されているフェノールに付加し、そしてエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと反応させることによって得られるようなスチレン/フェノール縮合物、および例えばスルホン酸エステル、硫酸エステル、およびリン酸エステルとして、これらをイオン的に変更させた誘導体、ならびにカルボン酸アミド、天然樹脂である。
【0027】
さらに、Lubrizol社のSolsperse(登録商標)16000タイプの分散剤を使用することも好ましい。
【0028】
成分(C)としては、好ましくは尿素−アルデヒド樹脂またはアルデヒド−ケトン樹脂が使用され、アルデヒドとしては、好ましくはC〜Cのアルデヒド、特に好ましくはホルムアルデヒド、または脂肪族ジアルデヒド、好ましくはグリオキサールが挙げられる。本発明の趣旨における樹脂とは、例えば商品名Laropal(登録商標)(BASF AG)(好ましくはLaropal K80タイプのシクロヘキサノン重縮合物)、または商品名Synthetic resin TC(登録商標)(Evonik Indusries)より市場から入手可能である。これらの樹脂は、尿素と脂肪族アルデヒドとの、または脂肪族アルデヒドとケトンとの低分子量縮合生成物からなる。これらの樹脂の軟化点は70〜110℃である。
【0029】
成分(D)としては、顔料の濡れ性を促進させ(湿潤剤)、成分(B)および(C)の化合物とは異なる、例えばカチオン性、アニオン性、両性、またはノニオン性、好ましくはノニオン性の化合物が使用される。また、増粘剤、保存料、粘度安定剤、粉砕助剤、充填剤、および保持剤も使用される。
【0030】
その他の慣用的に用いられる添加剤は、沈殿防止剤、光保護剤、酸化防止剤、殺生物剤、脱気剤/消泡剤、発泡抑制剤、ベーキング防止剤、ならびに粘性およびレオロジー特性に好影響を及ぼす添加剤であってよい。
【0031】
粘度調整剤としては、例えばポリビニルアルコールおよびセルロース誘導体が考慮される。溶媒可溶性の天然樹脂または合成樹脂並びにポリマーが、被膜形成剤として、および/または粘着強度および耐磨耗強度を高めるためのバインダーとして同様に考慮される。pH調整剤としては、有機系または無機系の塩基および酸が使用される。好ましい有機系塩基はアミン類、例えば脂肪アミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、アミノメチルプロパノールまたはジメチルアミノメチルプロパノールである。好ましい無機系塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、またはアンモニアである。その他、慣用的に用いられる添加剤は、植物由来または動物由来の油脂であることもでき、例えば牛脂、パーム核油、ココナッツ油、ナタネ油(Rapsoel)、ひまわり油、亜麻仁油、パーム油、醤油油(Sohaoel)、落花生油およびクジラ油、綿実油、トウモロコシ油、ケシ油、オリーブ油、ひまし油、コルザ油(Rueboel)、ベニバナ油、ダイズ油(Sojabohnenoel)、ひまわり油、ニシン油、イワシ油などに相当し得る。飽和および不飽和高級脂肪酸もまた慣用的な添加剤であり、例えばパルミチン酸、キプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、カプロン酸、カプリル酸、アラキジン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、リシノール酸、並びにそれらの塩がある。
【0032】
本発明による顔料調製物の製造には、疎水性溶媒である成分(E)が使用される。本発明における疎水性溶媒とは、27kcal/モルより大きく、50kcal/モルより小さいReichardt数(Reichardt−Zahl)E(30)によって特徴付けられる。Reichardt数は次の文献に定義されている。C. Reichardt, Solvents and Solvent Effects: An Introduction, Organic Process Research & Development 2007, 11, 105 - 113(非特許文献1)およびC. Reichardt, Chem. Rev. 1994, 94, 2319−2358(非特許文献2)。
【0033】
Reichardt数が27kcal/モルよりも大きく50kcal/モルよりも小さい疎水性溶媒には、直鎖状および/または分枝状または環状のC〜C30−アルカン、好ましくは、ペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、メチルシクロへキサン、特に好ましくは、デカンおよびウンデカンまたはこれらの任意の比率の混合物;
直鎖状および/または分枝状および/または環状のC〜C30−ハロアルカン、好ましくはジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロシクロヘキサン、およびそれらの位置異性体;
〜C22−芳香族化合物、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、またはこれらの任意の比率の混合物;あるいは水素添加されたC10〜C22−芳香族化合物、好ましくは、テトラリン、シス−デカリンおよびトランス−デカリン、またはこれらの任意の比率の混合物、特に好ましくは、シス−デカリンおよびトランス−デカリン;
ハロゲン化C〜C22−芳香族化合物、好ましくは、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはジフルオロベンゼン、トリクロロベンゼンまたはトリフルオロベンゼン、クロロナフタレンまたはフルオロナフタレン、およびそれらの位置異性体;
直鎖状および/または分枝状および/または環状のC〜C22−アルコール、好ましくは、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、またはシクロオクタノール、およびそれらの位置異性体;
直鎖状および/または分枝状および/または環状のエーテル、好ましくは、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、tert−アミルメチルエーテル、tert−アミルエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジグリム、トリグリム、フラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロメチルフラン、ジオキソラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、メトキシベンゼン、メチルチオベンゼン、エトキシベンゼン、およびそれらの位置異性体;
直鎖状および/または分枝状および/または環状のケトン、好ましくは、アセトン、トリクロロアセトン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、ヘプタノン、オクタノン、ノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、アセチルアセトン、およびそれらの位置異性体;
直鎖状および/または分枝状および/または環状のニトロアルカン、好ましくは、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロシクロへキサン、およびそれらの位置異性体;
〜C22−ニトロ芳香族化合物、好ましくはニロベンゼン;
直鎖状および/または分枝状および/または環状のアミン、好ましくは、tert−ブチルアミン、ジアミノエタン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルアニリン、およびN,N−ジメチルアニリン、およびそれらの位置異性体;
または上記溶媒の任意の比率での混合物が包含される。
【0034】
疎水性溶媒として特に好ましいのは、デカン、デカリン、テトラリン、またはそれらの混合物、またはそれらの物質を主成分として含むものである。
【0035】
本発明に従って使用される顔料調製物は、粉末、顆粒、または水性のプレスケークの形態の、好ましくは予備乾燥させたプレスケークの成分(A)を、疎水性溶媒(E)および成分(B)の存在下で分散させ、引き続き、場合によってさらなる疎水性溶媒(E)、並びに(C)および場合によって(D)を混合し、そして得られた顔料分散物を疎水性溶媒(E)で所望の濃度に調節することによって製造することができる。好ましくは、成分(B)、(C)、および場合によって(D)を最初に混合、均一化し、それから成分(A)を得られたこの混合物中へ撹拌して加え、その際、顔料はペースト化され予分散される。使用される顔料の粒子硬度に応じて、続いて、場合によって冷却しながら、ミルもしくは分散装置を用いて微分散または微細化される。そのために、撹拌器、ディゾルバー(鋸歯撹拌器)、ローターステーターミル、ボールミル、撹拌ボールミル、例えばサンドミルやビーズミル、高速ミキサー、混練機、ロールスタンド、または高性能ビーズミルなどを使用することができる。顔料微分散あるいは粉砕は、所望の粒度分布が得られるまで行われ、そして0〜100℃、合目的的に10〜70℃、好ましくは20〜60℃の温度範囲内で行うことができる。微分散に引き続いて、顔料調製物は疎水性溶媒(E)でさらに希釈することができる。
【0036】
本発明に従って使用される疎水性顔料調製物は、低粘度において、高い色強度および画定された色調を有しており、それは顔料粒子の分散液中での良好な安定化が前提となっている。分散過程においても貯蔵時にも、フロキュレーション現象、再凝集化または沈殿が、全くあるいはごく僅かしか生じない。高い貯蔵安定性は、例えば、室温での3週間の期間内に沈殿の発生が観察されないことからわかる。
【0037】
本発明の対象はまた、
(A)0.1〜80重量%、好ましくは1〜40重量%の少なくとも1種の有機顔料および/または無機顔料、
(B)0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%の少なくとも1種の溶媒可溶性または溶媒分散性のポリマー分散剤、
(C)0.1〜80重量%、好ましくは1〜50重量%のアルデヒド樹脂またはケトン樹脂、とりわけ、尿素と脂肪族アルデヒドとの縮合生成物、又は脂肪族アルデヒドとケトンとの縮合生成物;
(D)0〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%の、溶媒含有顔料調製物を製造するための慣用的な更なる添加剤、および
(E)5〜99重量%、好ましくは40〜95重量%のデカン、テトラリン、デカリン、またはそれらの混合物、
を含む顔料調製物であり、上記成分のそれぞれは該顔料調製物の全重量に基づく、上記顔料調製物である。
【0038】
本発明による顔料調製物は、上述した用途のほかに、欧州特許第1855154号(特許文献3)に記載されている電気泳動技術の基礎であるトナーの着色にも適している。この場合、電気泳動によって移動するトナーは、印加電圧により、液状ではなくガス状の媒体によって動かされる。
【0039】
本発明による顔料調製物は、上述した用途のほかに、カラーフィルタ用着色材として、および例えば、テレビのスクリーン、LCD(液晶ディスプレイ)、電荷結合素子、プラズマディスプレイ、またはエレクトロルミネセントディスプレイ(これは、アクティブ(TN;ねじれネマチック)強誘電性ディスプレイ、パッシブ(STN;超ねじれネマチック)強誘電性ディスプレイ、または発光ダイオードでよい)などの電気光学システムにおけるような加法発色および減法発色用の着色材として;並びに、ねじれネマチック液晶と双安定状態、すなわち外部からのエネルギー供給なしに安定な状態を特色とするBiNem(登録商標)技術用の着色材としても適している。
【0040】
本発明による顔料調製物は、溶媒をベースとするインクジェット用インキの着色材としても使用することができる。溶媒としては、例えばエステル、ケトン、アセテート、アルコール、アミドおよびエーテルが考慮される。好ましいのは、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸i−ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸n−ブチル、酢酸プロピル、酢酸(1−メトキシ−2−プロピル)、プロパン酸−2−ヒドロキシ−ブチルエステル、2−ブトキシエタノール−アセテート、2−ブトキシエチノール、1−メトキシ−2−プロパノール、および2−メチル−2,4−ペンタンジオールである。
【実施例】
【0041】
顔料調製物の製造:
顔料を、粉末、顆粒、あるいはプレスケークのいずれかとして、分散剤及びその他の添加物と一緒に適当な溶媒中でペースト化し、それからディゾルバー(例えば、VMA Getzmann GmbH製のタイプAE3−M1(Type AE3−M1))、又はその他適切な装置で均一化して予分散させた。引き続く微分散化は、ビードミル(例えば、Eiger社のMini Motormill 250 MkII M250/100 VSE−EXDタイプ)またはその他適当な分散装置を用いて行い、その際、粉砕は、d=1mmの大きさを有するシリクアーザイトビード(Siliquarzitperlen)や、ジルコニウム混合酸化物ビードを用いて、冷却下で所望の色強度及び色特性(Coloristik)になるまで行った。引き続いて、分散物を所望する顔料最終濃度まで適当な溶媒(E)で、あるいは必要に応じて溶媒(E)中の成分(B)、(C)および、場合によって(D)の溶液で調節し、粉砕用物体を除去し、顔料調合物を分離した。
【0042】
以下の例で説明する顔料調製物は前述した方法に従って製造し、その際、それぞれの顔料調合物が100部生成されるように、成分は所与の量で使用された。次の例において、部は重量部を意味する。
【0043】
例1
33部 C.I.ピグメントバイオレット19(成分A)、
13部 Solsperse(登録商標)11200(成分B)、
19部 Laropal(登録商標)K80(BASF AG、成分C)、
残部 デカリン(成分E)
【0044】
この顔料調製物は高い色強度を有しており、そしてフロキュレーション安定である。この顔料調製物は非常に良好なレオロジー特性を有しており、良好に流動的であり、かつ貯蔵安定であることがわかる。製造後の粘度は414mPa・sである。
【0045】
希釈例1a〜d
例1で製造された顔料調製物を、例1の顔料調製物の顔料含有量が5部(例1a)、10部(例1b)、15部(例1c)または20部(例1d)になるまで、デカリン中のLaropal(登録商標)K80の50%濃度溶液で希釈した。例1a〜dの粘度を表1にまとめる。これらの顔料調製物は非常に良好なレオロジー特性を有し、良好に流動的であり、かつ貯蔵安定であることがわかる。
【0046】
希釈例1e〜h
例1で製造された顔料調製物を、例1の顔料調製物の顔料含有量が5部(例1e)、10部(例1f)、15部(例1g)または20部(例1h)になるまでデカリンで希釈した。例1e〜hの粘度を表1にまとめた。
【0047】
比較例1i
20部 C.I.ピグメントバイオレット19(成分A)、
15部 Laropal(登録商標)K80(BASF AG、成分C)、
残部 デカリン(成分E)
【0048】
この顔料調製物は高い色強度を有してはいるが、フロキュレーション安定ではない。この顔料調製物は、沈殿が生じ、それゆえ貯蔵安定でもないため、良好なレオロジー特性を有さない。
【0049】
例2
33部 C.I.ピグメントバイオレット19(成分A)、
13部 Solsperse(登録商標)16000(Lubrizol、成分B)、
6部 Laropal(登録商標)K80(BASF AG、成分C)、
残部 デカリン(成分E)
【0050】
この顔料調製物は高い色強度を有しており、そしてフロキュレーション安定である。この顔料調製物は非常に良好なレオロジー特性を有しており、中程度から良好に流動的であり、かつ貯蔵安定であることがわかる。製造後の粘度は512mPa・sである。
【0051】
例3
33部 C.I.ピグメントバイオレット19(成分A)、
13部 国際公開第0234840号(特許文献4)の例1に記載の分散剤(成分B)、
19部 Laropal(登録商標)K80(BASF AG、成分C)、
残部 デカリン(成分E)
【0052】
この顔料調製物は高い色強度を有しており、そしてフロキュレーション安定である。この顔料調製物は非常に良好なレオロジー特性を有しており、良好に流動的であり、かつ貯蔵安定であることがわかる。製造後の粘度は426mPa・sである。
【0053】
例4
22部 C.I.ピグメントブラック7(成分A)、
13部 Solsperse(登録商標)16000(Lubrizol、成分B)、
40部 Laropal(登録商標)K80(BASF AG、成分C)、
残部 デカリン(成分E)
【0054】
この顔料調製物は高い色強度を有しており、そしてフロキュレーション安定である。この顔料調製物は非常に良好なレオロジー特性を有しており、良好に流動的であり、かつ貯蔵安定であることがわかる。製造後の粘度は124mPa・sである。
【0055】
希釈例4a〜c
例4で製造された顔料調製物を、例4の顔料調製物の顔料含有量が5部(例4a)、10部(例4b)および15部(例4c)となるまでデカリン中のLaropal(登録商標)K80の50%濃度溶液で希釈した。例4a〜cの粘度を表1にまとめる。これらの顔料調製物は非常に良好なレオロジー特性を有し、良好に流動的であり、かつ貯蔵安定であることがわかる。
【0056】
希釈例4d〜f
例4で製造された顔料調製物を、例4の顔料調製物の顔料含有量が5部(例4d)、10部(例4e)および15部(例4f)となるまでデカリンで希釈した。例4d〜fの粘度を表1にまとめる。
【0057】
例5a
22部 C.I.ピグメントブラック7(成分A)、
13部 Solsperse(登録商標)16000(Lubrizol、成分B)、
40部 Synthetic Resin TC(登録商標)(Evonik Industries、成分C)、
残部 デカリン(成分E)
【0058】
この顔料調製物は高い色強度を有し、フロキュレーション安定性である。この顔料調製物は非常に良好なレオロジー特性を有し、良好に流動的であり、かつ貯蔵安定であることがわかる。製造後の粘度は55mPa・sである。
【0059】
例5b
22部 C.I.ピグメントブラック7(成分A)、
13部 Solsperse(登録商標)16000(Lubrizol、成分B)、
40部 Synthetic Resin TC(登録商標)(Evonik Industries、成分C)、
残部 デカン(成分E)
【0060】
この顔料調製物は高い色強度を有し、フロキュレーション安定性である。この顔料調製物は非常に良好なレオロジー特性を有し、良好に流動的であり、かつ貯蔵安定であることがわかる。製造後の粘度は19mPa・sである。
【0061】
顔料調製物の粘度:
粘度は、Haake社製の円錐−平板型粘度計(Roto Visco 1)を用いて、20℃で測定し(チタン円錐:径60mm、1°)、その際、0〜200s−1の範囲内のせん断速度への粘度の依存性を調べた。粘度は、60s−1のせん断速度時に測定した。
【0062】
分散物の貯蔵安定性の評価のために、調合物の製造直後に、そして室温(RT)での3週間の貯蔵後、および<0℃の空調室中での貯蔵後に粘度を測定した。
【0063】
本発明による顔料調製物を、均質性について顕微鏡下で品質的に調べた。顕微鏡下で認識できる凝集塊と相分離がなく、分散物が均質に見え、そしてろ過試験でフィルターの目詰まりなく、短いろ過時間が示されれば、分散は良好である。
【0064】
ろ過試験
顔料調製物200mlを、室温で、Sartorius glass−fiber filter(glass microfiber GMF4、Ser. No. FT−3−1104−047)を通して減圧下でろ過した。例1〜5で挙げた全ての顔料調製物について、ろ過時間を秒単位で測定した。ろ過中にフィルターが目詰まりする、すなわち、もはやろ液が採集されない場合は、目的の品質に達していない。
【0065】
例1〜5の顔料調製物の、製造後並びに3週間の室温貯蔵後における粘度測定、ろ過時間、顔料調製物および沈殿の目視評価の結果が表1に見られる。
【0066】
顔料調製物を、タイプRenolit MLの特殊紙上へのドローダウン(drawdown)後、下記の基準に従って1〜4の指数で目視評価した。
【0067】
指数1 − ドローダウンに印刷後(nach Drucken im drawdown)に高い安定性または非常に良好な色印象を有する、非常に微細で均一な分布顔料調製物
指数2 − ドローダウンに印刷後に良好な安定性または良好な色印象を有する、微細で均一な分布顔料調製物
指数3 − ドローダウンに印刷後に目に見える粒子、制限された安定性または許容できない色印象を有する不均質な顔料調製物
指数4 − ドローダウンに印刷後に肉眼で直ぐに目に見える粒子または不均質な色印象、紙上への印刷後に目に見える顔料粒子を有する、不均質な顔料調製物。
【0068】
1〜5の指数による沈殿の光学的評価:
指数1 − 全くないか、または見えない沈殿
指数2 − 非常に僅かで、殆ど見えない沈殿
指数3 − 軽度の見える沈殿
指数4 − かなりの、十分に見える沈殿
指数5 − 非常に多量に見える沈殿
【0069】
【表1】

【0070】
LaropalはBASF AGの登録商標であり、SolsperseはLubrizolの登録商標であり、Synthetic Resin TCはEvonik Industriesの登録商標である。
【0071】
使用例
例1iを除き例1〜6のもとで製造された顔料調製物を、国際公開第2005098524A1号(特許文献1)に類似の、エレクトロウェッティング法の原理に従って機能するディスプレイにおける着色材として使用した。ディスプレイは、ピクセルの制御に関する非常に短い切り替え時間、およびブリリアントな色印象の際の高いコントラスト値を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも1種の有機顔料および/または無機顔料、
(B)少なくとも1種の溶媒可溶性のまたは溶媒分散可能なポリマー分散剤、
(C)少なくとも1種のアルデヒド樹脂またはケトン樹脂、
(D)場合によって、溶媒含有顔料調製物を製造するための慣用的な更なる添加剤、および
(E)少なくとも1種の疎水性溶媒、
を含む顔料調製物の、電子ディスプレイにおける光学カラー画像を生成するための着色材としての使用。
【請求項2】
エレクトロウェッティング法の原理で動作するディスプレイにおける着色材としての請求項1に記載の使用。
【請求項3】
電気泳動法で動作するディスプレイにおける着色材としての請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記顔料調製物が、前記顔料調製物の全重量にそれぞれ基づいて、
(A)0.1〜80重量%の少なくとも1種の有機顔料および/または無機顔料、
(B)0.1〜30重量%の少なくとも1種の溶媒可溶性のまたは溶媒分散可能なポリマー分散剤、
(C)0.1〜80重量%の1種のアルデヒド樹脂またはケトン樹脂、
(D)0〜50重量%の、溶媒含有顔料調製物を製造するための慣用的な更なる添加剤、および
(E)5〜99重量%の疎水性溶媒、
を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記有機顔料が、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、レーキ化アゾ系顔料、β−ナフトール系顔料、ナフトールAS系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジスアゾ縮合系顔料、アゾ金属錯体系顔料からなる群からの顔料、またはフタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンタントロン系顔料、アントラキノン系顔料、フラバントロン系顔料、インダントロン系顔料、イソビオラントロン系顔料、ピラントロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、およびジケトピロロピロール系顔料からなる群からの多環式系顔料、またはカーボンブラックであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記疎水性溶媒(E)が、27kcal/モルより大きく50kcal/モルより小さいReichardt数E(30)によって特徴付けられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記疎水性溶媒(E)が、デカン、デカリンもしくはテトラリン、またはそれらの混合物であるか、またはそれらを主成分として含んでいることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
(A)0.1〜80重量%の少なくとも1種の有機顔料および/または無機顔料、
(B)0.1〜30重量%の少なくとも1種の溶媒可溶性のまたは溶媒分散可能なポリマー分散剤、
(C)0.1〜80重量%のアルデヒド樹脂またはケトン樹脂、
(D)0〜50重量%の、溶媒含有顔料調製物を製造するための慣用的な更なる添加剤、および
(E)5〜99重量%のデカン、テトラリン、デカリン、またはそれらの混合物、
を含む顔料調製物であり、上記成分のそれぞれは該顔料調製物の全重量に基づく、上記顔料調製物。
【請求項9】
前記成分(C)が、尿素と脂肪族アルデヒドとの縮合生成物、または脂肪族アルデヒドとケトンとの縮合生成物であることを特徴とする、請求項8に記載の顔料調製物。

【公表番号】特表2011−510336(P2011−510336A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541705(P2010−541705)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010186
【国際公開番号】WO2009/086868
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】