説明

溶射皮膜及び溶射用粉末

【課題】溶射皮膜と下地部材の間の熱膨張係数差による溶射皮膜の剥離及びクラックを抑制する。
【解決手段】本発明の溶射皮膜11はサーメットからなり、基材12の表面に設けられる。溶射皮膜11の熱膨張係数を溶射皮膜11の厚さ(単位μm)で除したものを基材12の熱膨張係数でさらに除することにより得られる値は0.15×10−2以上に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーメットからなる溶射皮膜及びその溶射皮膜を得るために用いられる溶射用粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融金属による溶損を防ぐためにダイカスト金型のキャビティ面や溶融メッキ浴中ロールの表面にサーメットからなる溶射皮膜を設けることが従来知られている。特許文献1にはそうした用途に有用な溶射材が開示されている。
【0003】
金属製の下地部材の表面にサーメットからなる溶射皮膜を設けた場合、溶射皮膜の熱膨張係数が下地部材の熱膨張係数に比べて小さいために溶射皮膜の剥離又はクラックが発生し、その結果、下地部材の溶損を十分に防ぐことができない虞がある。
【0004】
こうした溶射皮膜の剥離及びクラックを抑制する手段として、溶射皮膜と下地部材の中間の熱膨張係数を示す中間層を溶射皮膜と下地部材の間に設けることが特許文献2に開示されている。しかしながらこの場合には、中間層を設ける工程が増えることによるコストの増大といった別の問題が生じうる。
【特許文献1】特開平2004−300555号公報
【特許文献2】特開平2004−277828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、溶射皮膜と下地部材の間に中間層を設けなくても溶射皮膜と下地部材の間の熱膨張係数差による溶射皮膜の剥離及びクラックを抑制することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、下地部材の表面に設けられるサーメットからなる溶射皮膜であって、溶射皮膜の熱膨張係数を溶射皮膜の厚さ(単位μm)で除したものを下地部材の熱膨張係数でさらに除することにより得られる値が0.15×10−2以上である溶射皮膜を提供する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、溶射皮膜の気孔率をP(単位%)、溶射皮膜の厚さをt(単位μm)と定義したときに式:t−23e0.3P≧0(ただし0<P≦10)が成立する請求項1に記載の溶射皮膜を提供する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記下地部材が、基材の上に設けられたアンダーコート層である請求項1又は2に記載の溶射皮膜を提供する。
請求項4に記載の発明は、前記サーメットがホウ素、モリブデン、クロム及びコバルトを含むものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶射皮膜を提供する。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の溶射皮膜を得るために用いられる溶射用粉末であって、ホウ素、モリブデン、クロム及びコバルトを含むサーメットからなる溶射用粉末を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、溶射皮膜と下地部材の間に中間層を設けなくても溶射皮膜と下地部材の間の熱膨張係数差による溶射皮膜の剥離及びクラックを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態の溶射皮膜11は下地部材としての基材12の表面に設けられる。溶射皮膜11は基材12の表面に接している。
【0012】
溶射皮膜11は、ホウ素、モリブデン、クロム及びコバルトを含むサーメット、あるいは炭素、タングステン及びコバルトを含むサーメットなどのサーメットからなる。溶融金属に対する耐溶損性の高い溶射皮膜11を得るためには、溶射皮膜11は、ホウ素、モリブデン、クロム及びコバルトを含むサーメットからなることが好ましい。
【0013】
基材12の材質は特に限定されるものではないが通常は金属であり、基材12の熱膨張係数は溶射皮膜11の熱膨張係数よりも大きい。
溶射皮膜11と基材12の間の熱膨張係数差による溶射皮膜11の剥離及びクラックを抑制するためには、溶射皮膜11の熱膨張係数(α1)を溶射皮膜11の厚さ(t:単位μm)で除したものを基材12の熱膨張係数(α2)でさらに除することにより得られる値Cdは0.15×10−2以上であることが必須である。すなわち、式:Cd=α1/t/α2≧0.15×10−2が成立することが必須である。ただし、値Cdが0.2×10−2未満の場合、さらに言えば0.25×10−2未満の場合には、たとえ0.15×10−2以上であっても溶射皮膜11の剥離及びクラックは強く抑制されない。従って、溶射皮膜11の剥離及びクラックを強く抑制するためには、値Cdは0.2×10−2以上であることが好ましく、より好ましくは0.25×10−2以上である。
【0014】
上記の式より溶射皮膜11の厚さ(t)が小さいほど値Cdが大きくなることからも分かるように、溶射皮膜11の剥離及びクラックを抑制するためには、溶射皮膜11の厚さはできるだけ薄いことが好ましい。ただし、溶射皮膜11の厚さが小さくなるにつれて、溶射皮膜11中に貫通気孔が存在する可能性が高くなる。溶射皮膜11中に貫通気孔が存在すると、溶融金属に曝された場合に、貫通気孔を通じて溶融金属が基材12に到達するために溶融金属による基材12の溶損は防止されない。溶射皮膜11中に存在する貫通気孔を低減するという観点からすると、溶射皮膜11の気孔率をP(単位%)、溶射皮膜11の厚さをt(単位μm)と定義したときに式:t−23e0.3P≧0(ただし0<P≦10)が成立することが好ましい。さらに言えば、溶射皮膜11の気孔率は7%以下であることが好ましく、より好ましくは4%以下である。換言すれば、式:t−23e0.3P≧0が成立することを前提にして、溶射皮膜11の気孔率は10%以下であることが好ましく、より好ましくは7%以下、最も好ましくは4%以下である。
【0015】
溶射皮膜11は、サーメット粉末を基材12の表面に溶射して形成される。より具体的には、ホウ素、モリブデン、クロム及びコバルトを含むサーメットからなる溶射皮膜11は、例えば、ホウ化モリブデンとコバルトクロム合金の複合材料であるMoB/CoCrサーメット粉末を溶射して得られる。また、炭素、タングステン及びコバルトを含むサーメットからなる溶射皮膜11は、例えば、炭化タングステンとコバルトを複合化してなるWC/Coサーメット粉末を溶射して得られる。
【0016】
MoB/CoCrサーメット粉末は、例えば、ホウ化モリブデン粉末とコバルトクロム合金粉末の混合物から造粒粉末を作製し、その造粒粉末を焼結してさらに解砕及び分級することにより得られる。あるいは、ホウ化モリブデン粉末とコバルトクロム合金粉末の混合物を圧縮成形してから焼結し、得られた焼結体を粉砕及び分級することにより得られる。WC/Coサーメット粉末は、例えば、炭化タングステン粉末とコバルト粉末の混合物から造粒粉末を作製し、その造粒粉末を焼結してさらに解砕及び分級することにより得られる。あるいは、炭化タングステン粉末とコバルト粉末の混合物を圧縮成形してから焼結し、得られた焼結体を粉砕及び分級することにより得られる。ただし、いずれのサーメット粉末の場合であっても、原料粉末から造粒粉末を作製し、その造粒粉末を焼結する工程を経る造粒−焼結法により製造されることが好ましい。なぜならば、造粒−焼結法により製造されるサーメット粉末は一般に、原料粉末を圧縮成形してから焼結し、得られた焼結体を粉砕する工程を経る焼結−粉砕法などのその他の製法により製造されるサーメット粉末に比べて流動性が良好だからである。しかも造粒−焼結法の場合には、製造過程に粉砕工程を含まないので、粉砕中に不純物が混入する虞もない。
【0017】
サーメット粉末の平均粒子径は5〜50μmであることが好ましい。サーメット粉末の平均粒子径が5μm未満の場合には、溶射時にサーメット粉末の溶融物が溶射機のノズル先端に付着するスピッティングと呼ばれる現象が起こりやすくなる。一方、サーメット粉末の平均粒子径が50μmを超える場合には、溶射皮膜11の気孔率が高くなりやすく、溶射皮膜11中に貫通気孔が存在する虞が高くなる。サーメット粉末の平均粒子径は、例えば(株)堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒度測定機“LA−300”を用いて測定される。
【0018】
溶射皮膜11を形成するべくサーメット粉末を溶射する方法は、プラズマ溶射、フレーム溶射又は高速フレーム溶射(HVOF)のいずれであってもよいし、それ以外の溶射法であってもよい。ただし、緻密度の高い溶射皮膜11を得るためには、高速フレーム溶射が好ましい。
【0019】
本実施形態によれば以下の利点が得られる。
・ 本実施形態によれば、溶射皮膜11の熱膨張係数を溶射皮膜11の厚さ(単位μm)で除したものを基材12の熱膨張係数でさらに除することにより得られる値Cdが0.15×10−2以上に設定されているため、溶射皮膜11と基材12の間の熱膨張係数差による溶射皮膜11の剥離及びクラックが抑制される。従って、溶融金属に曝されても溶融金属による基材12の溶損を溶射皮膜11によって好適に防止することができる。
【0020】
・ 式:t−23e0.3P≧0(ただし0<P≦10)が成立するように溶射皮膜11の気孔率と厚さを設定した場合には、溶射皮膜11中に存在する貫通気孔が低減されるため、溶融金属による基材12の溶損を溶射皮膜11によってさらに好適に防止することができる。
【0021】
・ 本実施形態の溶射皮膜11はセラミックではなくサーメットからなる。一般にサーメットからなる溶射皮膜は、セラミックからなる溶射皮膜に比べて、靭性及び耐熱衝撃性が高く、溶射皮膜中の気孔が少ない。これらの特徴は、溶融金属による基材12の溶損を防ぐ目的で基材12の表面に設けられる溶射皮膜11にとって有利である。
【0022】
・ 溶射皮膜11がホウ素、モリブデン、クロム及びコバルトを含むサーメットからなる場合には、溶融金属に対する溶射皮膜11の耐溶損性が向上する。従って、ホウ素、モリブデン、クロム及びコバルトを含むサーメットからなる溶射皮膜11は溶融金属に曝される用途に特に適する。
【0023】
前記実施形態を次のように変更してもよい。
・ 溶射皮膜11は、窒化処理や炭化処理などにより表面改質された基材12の表面に設けられてもよい。この場合には、溶射皮膜11の熱膨張係数(α1)を溶射皮膜11の厚さ(t:単位μm)で除したものを基材12の表面部分の熱膨張係数(α2)でさらに除することにより得られる値Cdが0.15×10−2以上、好ましくは0.2×10−2以上、より好ましくは0.25×10−2以上に設定される。
【0024】
・ 図2に示すように、溶射皮膜11と基材12の間にアンダーコート層としての中間層13を設けてもよい。この場合には、下地部材は基材12ではなく中間層13であり、溶射皮膜11の熱膨張係数(α1)を溶射皮膜11の厚さ(t:単位μm)で除したものを中間層13の熱膨張係数(α2)でさらに除することにより得られる値Cdが0.15×10−2以上、好ましくは0.2×10−2以上、より好ましくは0.25×10−2以上に設定される。中間層13の熱膨張係数は、溶射皮膜11と基材12の中間であることが好ましい。中間層13の厚さは特に限定されないが、20〜800μmであることが好ましい。中間層13は、サーメット、金属、又はサーメットと金属の混合物を溶射して形成される溶射皮膜であってもよいし、メッキなどの非溶射皮膜であってもよい。
【0025】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1〜7,10〜14及び比較例1,4では、MoB/CoCrサーメット粉末を溶射することにより基材の表面に溶射皮膜を形成した。なお、溶射条件は、実施例1〜3,10,12及び比較例1については表1中の溶射条件A、実施例4〜7,14については表1中の溶射条件B、実施例11,13及び比較例4については表1中の溶射条件Cである。
【0026】
実施例8,9では、MoB/CoCrサーメット粉末を表1中の溶射条件Aで溶射することにより、基材の上に設けられた中間層の表面に溶射皮膜を形成した。なお、中間層は表1中の溶射条件Cで形成された溶射皮膜である。
【0027】
実施例15,16及び比較例2,3,5,6では、WC/Coサーメット粉末を表1中の溶射条件Aで溶射することにより基材の表面に溶射皮膜を形成した。
比較例7では、アルミナ(Al)粉末を表1中の溶射条件Dで溶射することにより基材の表面に溶射皮膜を形成した。
【0028】
比較例8では、92モル%のジルコニアと8モル%のイットリアからなる部分安定化ジルコニア粉末を表1中の溶射条件Dで溶射することにより基材の表面に溶射皮膜を形成した。
【0029】
実施例1〜16及び比較例1〜8における溶射皮膜、基材及び中間層の詳細は表2に示すとおりである。
表2の“溶射皮膜の厚さ”欄には、各例の溶射皮膜の厚さを測定した結果を示す。
【0030】
表2の“溶射皮膜の熱膨張係数”欄には、各例の溶射皮膜の熱膨張係数を以下の方法で測定した結果を示す。すなわち、アルミナグリット#40による粗面化処理及び脱脂処理済みのSS400鋼板製の基材(70mm×50mm×2.3mm)の表面に厚さ500μmの各例の溶射皮膜を形成し、100〜750℃の温度範囲における溶射皮膜の熱膨張係数を測定した。より具体的には、基材から剥ぎ取った20mm×3mmの大きさの溶射皮膜の切片を用いて、アルゴン雰囲気において20K/minの加熱速度で室温から1000℃まで加熱しながら株式会社リガク製の“TMA8310”を用いて溶射皮膜の熱膨張係数を測定した。
【0031】
表2の“溶射皮膜の気孔率”欄には、各例の溶射皮膜の気孔率を以下の方法で測定した結果を示す。すなわち、各例の溶射皮膜をその上面に直交する面で切断し、その切断面を鏡面研磨した後に、エヌサポート社製の画像解析処理装置“NSFJ1−A”を用いて、切断面における溶射皮膜の気孔率を測定した。
【0032】
表2の“基材の材質”欄には、各例の基材の材質を示す。同欄中、“SUS316L”及び“SUS410”はそれぞれステンレス鋼の一種であり、“SKD61”は合金工具鋼の一種である。
【0033】
表2の“基材の熱膨張係数”欄には、各例の基材の熱膨張係数を“TMA8310”を用いて測定した結果を示す。
表2の“中間層の材質”欄には、各例の中間層の材質を示す。同欄中、“Stellite#6”はコバルトを主成分とする合金であり、“SUS440C”はステンレス鋼の一種である。
【0034】
表2の“中間層の熱膨張係数”欄には、各例の中間層の熱膨張係数を“TMA8310”を用いて測定した結果を示す。
表2の“値Cd”欄には、溶射皮膜の熱膨張係数を溶射皮膜の厚さ(単位μm)で除したものを下地部材(基材又は中間層)の熱膨張係数でさらに除することにより得られる各例における値Cdを示す。
【0035】
表2の“値K”欄には、溶射皮膜の気孔率をP(単位%)、溶射皮膜の厚さをt(単位μm)と定義したときに式:K=t−23e0.3Pで表される各例における値Kを示す。
【0036】
表2の“耐クラック性”欄及び“耐剥離性”欄には、各例の溶射皮膜の耐クラック性及び耐剥離性を以下の方法で評価した結果を示す。すなわち、直径19mm×高さ200mmの丸棒状の基材の上に、実施例1〜7,10〜16及び比較例1〜8の場合は中間層を設けることなく、実施例8,9の場合は中間層を設けた後に、溶射皮膜を設けることにより供試体を作製した。この供試体を大気中で750℃に2時間加熱した。その後、室温まで自然冷却してから供試体を切断し、切断面を樹脂埋めした後に鏡面研磨した。そして、その切断面を光学顕微鏡を用いて200倍の倍率で観察し、その観察結果に基づいて各例の溶射皮膜の耐クラック性及び耐剥離性を評価した。具体的には、耐クラック性に関しては、切断面中に溶射皮膜を貫通する貫通クラックがあった場合には不良(×)、貫通クラックはないが溶射皮膜を貫通しない非貫通クラックが二つ以上あった場合には可(△)、貫通クラックはないが非貫通クラックが一つだけあった場合には良(○)、いずれのクラックもなかった場合には優(◎)と評価した。耐剥離性に関しては、切断面において溶射皮膜と下地部材の間の界面に隙間があるか、あるいは溶射皮膜の剥離があった場合には不良(×)、溶射皮膜の剥離がなく、切断面において溶射皮膜と下地部材の間の界面に隙間もなかった場合には良(○)と評価した。
【0037】
表2の“貫通気孔”欄には、各例の溶射皮膜中に存在する貫通気孔の程度を塩水噴霧試験により評価した結果を示す。すなわち、アルミナグリット#40による粗面化処理及び脱脂処理済みのSS400鋼板製の基材(70mm×50mm×2.3mm)の表面に、中間層を設けることなく、各例の溶射皮膜を設けることにより供試体を作成し、JIS Z2371に準じてこの供試体を塩水噴霧試験に供した。塩水噴霧試験は、試験槽(噴霧室)内温度:35±1℃、空気飽和器温度:47±1℃、噴霧量:1〜2ml/hr、噴霧圧力:0.098±0.002MPaの条件で行った。そして塩水噴霧試験後の錆の発生状況に基づいて各例の溶射皮膜中に存在する貫通気孔の程度を評価した。具体的には、24時間の塩水噴霧後に錆が確認された場合には不良(×)、24時間の塩水噴霧後には錆が確認されなかったが48時間の塩水噴霧後には錆が確認された場合は可(△)、48時間の塩水噴霧後には錆が確認されなかったが72時間の塩水噴霧後には錆が確認された場合は良(○)、72時間の塩水噴霧後にも錆が確認されなかった場合は優(◎)と評価した。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

表2に示すように、実施例1〜16においては耐クラック性及び耐剥離性に関して実用上満足できる結果が得られたのに対し、比較例1〜8においては耐クラック性及び耐剥離性のうち少なくとも耐剥離性に関して実用上満足できる結果が得られなかった。また、実施例1〜16においては貫通気孔に関する評価についてもいずれも可以上と良好であった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態における基材の表面に設けられた溶射皮膜の断面図。
【図2】本発明の別の実施形態における基材の上に設けられた溶射皮膜の断面図。
【符号の説明】
【0041】
11…溶射皮膜、12…基材、13…中間層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地部材の表面に設けられるサーメットからなる溶射皮膜であって、溶射皮膜の熱膨張係数を溶射皮膜の厚さ(単位μm)で除したものを下地部材の熱膨張係数でさらに除することにより得られる値が0.15×10−2以上であることを特徴とする溶射皮膜。
【請求項2】
溶射皮膜の気孔率をP(単位%)、溶射皮膜の厚さをt(単位μm)と定義したときに式:t−23e0.3P≧0(ただし0<P≦10)が成立することを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜。
【請求項3】
前記下地部材が、基材の上に設けられたアンダーコート層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶射皮膜。
【請求項4】
前記サーメットがホウ素、モリブデン、クロム及びコバルトを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶射皮膜。
【請求項5】
請求項4に記載の溶射皮膜を得るために用いられる溶射用粉末であって、ホウ素、モリブデン、クロム及びコバルトを含むサーメットからなることを特徴とする溶射用粉末。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−211293(P2007−211293A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−32481(P2006−32481)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(000236702)株式会社フジミインコーポレーテッド (126)
【Fターム(参考)】