説明

溶接冷やし金

【課題】 溶接部の割れを防止し、溶接変形を低減することができ、溶接部近傍ヘの着脱が容易な溶接冷やし金を得る。
【解決手段】 溶接対象の筒状部材の内壁面に配置される溶接冷やし金10において、前記筒状部材の長手軸を中心とした径方向に各々可動な複数ブロックに分割され、各ブロックは前記筒状部材の内壁面に当接する当接面を備えた冷却ブロック11と、個々の前記冷却ブロックの当接面に対向する中心側壁面に当接するテーパ面13を備え、軸方向に移動させることにより中心側壁面を前記テーパ面上で摺動させて個々の当接面を内壁面に押付けるテーパコマ14と、前記テーパコマを軸方向に移動させるテーパコマ移動手段とを備えたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状部材の溶接の際、特に、高速炉燃料集合体を製造する工程の内、ハンドリングヘッドとラッパ管とを溶接する工程において、溶接変形を防止するために用いられる溶接冷やし金に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4は高速炉用燃料集合体の外観を表す説明図である。図に示す通り、高速炉用燃料集合体41は、プルトニウムとウランとの混合酸化物を焼結したペレット44を被覆管43内に充填し、ヘリウムガスとともに密封して燃料ピン42とし、これを正六角形状のラッパ管45と呼ばれるステンレス鋼製の鞘のなかに束ねて収納した構成である。燃料集合体41は上部にはハンドリングヘッド49を、下部にはエン卜ランスノズル46を、燃料ピン42束の下には中性子反射体47を有する。(非特許文献1参照)
【0003】
ラッパ管45内の燃料ピン42の配列は、炉心の出力密度を高くし、増殖性能を向上させるため、稠密な正三角形格子配列としている。燃料ピン42はその下端部のみを固定され、燃料ピン42間隔は燃料ピン1本毎に巻かれたワイヤスペーサ48で保たれている。この方式は構造が簡単であり、中性子照射下での燃料ピン42の寸法変化に対しても、比較的柔軟に対応できる特徴がある。
【0004】
ラッパ管45には、隣接する燃料集合体との間隔を保持するためのスペーサパッド50が中間部に設けられている。ハンドリングヘッド49とラッパ管45には、タングステン不活性ガス溶接法(TIG溶接法)あるいは電子ビーム溶接法(EB溶接法)等により加熱・溶融し接合する方法が一般的である。また、高速実験炉「常陽」の炉心燃料集合体には、ハンドリングヘッド内部に凸部を有する内側燃料集合体と、凸部を有しない外側燃料集合体とがある(非特許文献2参照)
【0005】
【非特許文献1】原子力百科事典ATOMICA、<大項目> 開発中の原子炉および研究炉等、<中項目> 高速増殖炉、<小項目> 高速増殖炉の構造と特徴、<タイトル>高速増殖炉の燃料集合体 (03-01-02-13)、<更新年月> 1996年03月、[平成16年8月11日検索]<URL:http://www-atm.jst.go.jp:/atomica/03010213_1.html>
【非特許文献2】PNC TN1340 97-004, 動燃技報No.104, 1997年12月, 48頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ハンドリングヘッド49とラッパ管45の接合には次のような問題点があった。即ち、第1に溶接部には高い機械的強度が要求されるので、溶け込み深さを確保するために大量の熱を投入する必要があり、溶接変形が大きくなりやすい。第2に溶接変形を防止するためには、溶接部を拘束しながら入熱することが望ましいが、ハンドリングヘッドは内部と比較して入口が狭い構造であり、かつ入口から溶接部までの距離が長いため、拘束治具の着脱が困難となる。
【0007】
本発明では、溶接部の割れを防止し、溶接変形を低減することができ、溶接部近傍ヘの着脱が容易な溶接冷やし金を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明に係る溶接冷やし金は、溶接対象の筒状部材の内壁面に配置される溶接冷やし金において、
前記筒状部材の長手軸を中心とした径方向に各々可動な複数ブロックに分割され、各ブロックは前記筒状部材の内壁面に当接する当接面を備えた冷却ブロックと、
個々の前記冷却ブロックの当接面に対向する中心側壁面に当接するテーパ面を備え、軸方向に移動させることにより中心側壁面を前記テーパ面上で摺動させて個々の当接面を内壁面に押付けるテーパコマと、
前記テーパコマを軸方向に移動させるテーパコマ移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載された発明に係る高速炉燃料集合体用溶接冷やし金は、高速炉用燃料集合体に用いられる正六角形状のラッパ管とハンドリングヘッドとの溶接の際に用いられる溶接冷やし金において、
ハンドリングヘッド又はラッパ管の長手軸を中心とした径方向に各々可動な複数ブロックに分割され、各ブロックは前記ハンドリングヘッド又はラッパ管の内壁面に当接する当接面を備えた冷却ブロックと、
個々の前記冷却ブロックの当接面に対向する中心側壁面に当接するテーパ面を備え、軸方向に移動させることにより中心側壁面を前記テーパ面上で摺動させて個々の当接面を内壁面に押付けるテーパコマと、
前記テーパコマを軸方向に移動させるテーパコマ移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載された発明に係る高速炉燃料集合体用溶接冷やし金は、請求項2に記載のテーパコマ移動手段が、ねじ機構によるテーパコマの移動を含むことを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載された発明に係る高速炉燃料集合体用溶接冷やし金は、請求項2又は3に記載の冷却ブロックが銅製であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5に記載された発明に係る高速炉燃料集合体用溶接冷やし金は、請求項2から3の何れか1項に記載の冷却ブロック表面に硬質クロムを始めとする金属メッキ皮膜層が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、第1に、冷却速度を速くでき、投入された熱による温度分布の不均一化を低減でき、溶接部の割れを防止すること、溶接変形を低減することができる。第2に、溶接時の温度分布の不均一化による変形を拘束し、溶接変形を防止できる。第3に、溶接冷やし金を組み立てた状態でハンドリングヘッド入口を通過させることができるとともに、溶接部近傍ヘの着脱が容易であるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、溶接対象の筒状部材の内壁面に配置される溶接冷やし金において、前記筒状部材の長手軸を中心とした径方向に各々可動な複数ブロックに分割され、各ブロックは前記筒状部材の内壁面に当接する当接面を備えた冷却ブロックと、個々の前記冷却ブロックの当接面に対向する中心側壁面に当接するテーパ面を備え、軸方向に移動させることにより中心側壁面を前記テーパ面上で摺動させて個々の当接面を内壁面に押付けるテーパコマと、前記テーパコマを軸方向に移動させるテーパコマ移動手段とを備える。これにより、溶接部の割れを防止し、溶接変形を低減することができ、溶接部近傍ヘの着脱が容易な溶接冷やし金を得ることができる。
【0015】
本発明の溶接冷やし金は、特に、高速炉用燃料集合体に用いられる正六角形状のラッパ管とハンドリングヘッドとの溶接のような高い機械的強度が要求される場合に用いられることにより、冷却速度を速くでき、投入された熱による温度分布の不均一化を低減できる。即ち、高速炉用燃料集合体に用いられる正六角形状のラッパ管とハンドリングヘッドとの溶接の際に用いられる溶接冷やし金において、ハンドリングヘッド又はラッパ管の長手軸を中心とした径方向に各々可動な複数ブロックに分割され、各ブロックは前記ハンドリングヘッド又はラッパ管の内壁面に当接する当接面を備えた冷却ブロックと、個々の前記冷却ブロックの当接面に対向する中心側壁面に当接するテーパ面を備え、軸方向に移動させることにより中心側壁面を前記テーパ面上で摺動させて個々の当接面を内壁面に押付けるテーパコマと、前記テーパコマを軸方向に移動させるテーパコマ移動手段とを備える。
【0016】
本発明による溶接冷やし金の原理を図1に示す。本発明の溶接冷やし金10は、ハンドリングヘッド9の長手軸を中心とした径方向に各々可動な複数ブロックに分割された冷却ブロック11と、個々の冷却ブロック11に内側から当接するテーパ面15を備えたテーパコマ14と、テーパコマ14を軸方向に移動させるテーパコマ移動手段16から主に構成されている。
【0017】
冷却ブロック11の各ブロックにはハンドリングヘッド9の内壁面9aに当接する当接面12と、その当接面12の対応する中心側にはテーパコマ14に当接するテーパ当接面13とを備える。テーパコマ14は、テーパコマ移動手段によって軸方向に移動されることによりテーパ面15上にテーパ当接面13を摺動させて個々の当接面12をハンドリングヘッド9の内壁面9aに押付ける。
【0018】
より具体的には、テーパコマ14のテーパ面15上に複数に分割された冷却ブロック11をほぼ均等に配置し、ハンドリングヘッド9内部に挿入する。ここで、冷却ブロック11のテーパコマ14と接するテーパ当接面13は、テーパコマ14のテーパ面15の角度と同一の角度としている。ここで、テーパコマ14および冷却ブロック11のテーパ角度は10〜50°とするのが好ましい。
【0019】
何故なら、テーパ角度が小さすぎると、テーパコマ14を移動させる際の抵抗は小さくなるが、移動させる距離を大きくしなければならず、効率的ではなく、テーパ角度が大きすぎると、テーパコマ14を移動させる距離は小さくできるが、移動させる際の抵抗が大きくなり、移動させることが困難となるからである。
【0020】
その後、適当な方法で冷却ブロック11の軸方向位置を溶接部近傍に固定した状態で、テーパコマ移動手段16によりテーパコマ14を左側に移動させると、冷却ブロック11はテーパコマ14のテーパ面上を滑りながら径方向に広がってハンドリングヘッド9内壁の溶接部近傍に密着する。
【0021】
冷却ブロック11がハンドリングへッド9内壁に密着しているので、溶接部近傍の体積が実質的に増加し、許容熱容量が増加することとなるため、溶接による熱により溶接部近傍の温度が上昇し難くなる。また、冷却速度を速くでき、投入された熱による温度分布の不均一が低減する。更に、冷却ブロックにより溶接部近傍は内側から押し広げられているので、溶接変形を防止できる。
【0022】
溶接部及びその近傍が十分に冷却された後、テーパコマ移動手段16によりテーパコマ14を右側に移動させると、冷却ブロック11は径方向に縮みハンドリングヘッド9から離れるので、ハンドリングヘッド9から抜き取ることができる。この際、分割された冷却ブロック11同士をばね等で連結しておくことにより、冷却ブロック11が径方向ヘ縮む動作をより確実にすることができる。尚、図1に示した例では、冷却ブロック11をハンドリングヘッド9の内壁面に当接する例を示したが、ラッパ管5の内壁面に当接させてもよい。その場合には、冷却ブロック11の当接面12の形状をラッパ管5の内壁面形状とする。
【0023】
本発明の溶接冷やし金のテーパコマ移動手段としては、テーパコマを軸方向に移動させるものであればよく、移動形態は限定されない。例えば、油圧あるいは空気圧シリンダによる駆動を始めとして、ねじ機構によるテーパコマの移動を含むものである。
【0024】
本発明の溶接冷やし金の冷却ブロックとしては、溶接部近傍に密着して溶接部近傍の体積を実質的に増加させ、許容熱容量を増加させ、溶接による熱による溶接部近傍の温度を上昇し難くするものであればよい。従って、好ましくは熱伝導性のよい金属、より好ましくは熱伝導性のもっともよい金属の一つである銅製が選択される。
【0025】
本発明の溶接冷やし金は、より好ましい態様としては、冷却ブロック表面に硬質クロムを始めとする金属メッキ皮膜層を設ける。これにより、硬度が向上し耐摩耗性が向上するため、耐久性を向上させることができる。
【実施例】
【0026】
図2及び図3に本発明を高速実験炉「常陽」炉心燃料集合体のハンドリングヘッドとラッパ管との溶接に適用した例を示す。尚、前述の通り、高速実験炉「常陽」炉心燃料集合体には、ハンドリングヘッド内部に凸部を有する内側燃料集合体と、凸部を有しない外側燃料集合体とがあり(非特許文献2参照)、内側燃料集合体に本発明による溶接冷やし金を適用した例を図2に、外側燃料集合体に本発明による溶接冷やし金を適用した例を図3に示す。
【0027】
図2の溶接冷やし金20は、2つのテーパコマ24を3つの冷却ブロック21ではさみ、3つの冷却ブロック21が分離しないように2つのリング状のスプリング29で冷却ブロック21をまとめている。ハンドリングヘッド内部に凸部9bを有するため、冷却ブロック11は凸部9bに合致するように凹部28が形成されている。
【0028】
2つのテーパコマ24は対向して配置され、各々のテーパ面25が冷却ブロック21のテーパ当接面23に当接される。テーパコマ24同士はハンドリングヘッド9の軸心上に配置された雄ネジ棒26で連結されており、図に示す左側のテーパコマ24は雄ネジ棒26が貫通されて雌ネジ棒27内部に螺合して配される。従って、テーパコマ移動手段として雄ネジ棒26に対して雌ネジ棒27を回動することにより、2つのテーパコマ24間の距離が伸縮する。
【0029】
ハンドリングヘッド9内部に溶接冷やし金20を挿入する際には、2つのテーパコマ24の距離を離すことにより、スプリング29で個々の冷却ブロック21を近づかせて外接円径を小さくしておき、ハンドリングヘッド9に挿入した後に右側のテーパコマ24を左側に移動させることにより冷却ブロック21の外接円径を大きくして冷却ブロック21の当接面22をハンドリングヘッド9の内壁面9aに密着させる。
【0030】
図3の溶接冷やし金は、1つのテーパコマ34の周囲に6つの冷却ブロック31を配置し、冷却ブロック31の端部に設けた摺動凸部39を冷却ブロック支持部37に設けた摺動凹部38に嵌合させて冷却ブロック31を支持する構造としている。
【0031】
テーパコマ34のテーパ面35が冷却ブロック31の各々のブロックのテーパ当接面33に当接される。テーパコマ34は冷却ブロック支持部37の端部からハンドリングヘッド9の軸心上に螺合されたネジ36で端部が連結されている。従って、テーパコマ移動手段としてネジ36を回動することにより、テーパコマ34が冷却ブロック支持部材37に対して出入りすることにより、個々の冷却ブロック31が径方向に伸縮する。
【0032】
ハンドリングヘッド9内部に溶接冷やし金30を挿入する際にはテーパコマ34を図に示す右側に押し出すことにより冷却ブロックの外接円径を小さくしておき、ハンドリングヘッド9に挿入した後にテーパコマ34を左側に移動させることにより冷却ブロック31の外接円径を大きくして冷却ブロック31の当接面32をハンドリングヘッド9の内壁面9aに密着させる。
【0033】
図2及び図3の溶接冷やし金20,30を用いて、図の矢印で示したハンドリングヘッド9とラッパ管5との接合部をEB溶接法により接合した結果、定められた溶け込み深さを確保しつつ、矯正が不要な程度に溶接変形を減少させることができた。また、溶接冷やし金の着脱も容易であった。
【0034】
尚、本実施例では、冷却ブロックを3あるいは6に分割したが、分割数はこれに限定されない。必要に応じて分割数を変化させることができる。また、冷却ブロック21,31の材質は、冷却速度を早くするという観点から銅製とするのがよい。その際、冷却ブロック21,31がハンドリングヘッド9とこすれてハンドリングへッド9に銅が付着することを防止するため、またテーパコマのテーパ上をすべることによつて磨耗することを防止するため、冷却ブロック表面には硬質クロムメッキ等の適当な皮膜を付けることが望ましい。
【0035】
また、実施例ではねじの締結力を利用してテーパコマを移動させたが、移動方法はこれに限定されない。例えば、油圧あるいは空気圧シリンダによる駆動方法も有効である。
【0036】
本発明による効果は次の通りである。
1 冷却ブロックがハンドリングヘッド内壁に密着しているので、溶接部近傍の体積が増加、冷却速度を速くでき、投入された熱による温度分布の不均一化を低減できる。このため、溶接部の割れを防止すること、溶接変形を低減することができる。
2 冷却ブロックにより溶接部近傍は内側から押し広げられているので、溶接時の温度分布の不均一化による変形を拘束し、溶接変形を防止できる。
3 冷却ブロックをテーパコマのテーパ上をすべらせることによって冷却ブロックの外接円径を増減できるので、溶接冷やし金を組み立てた状態でハンドリングヘッド入口を通過させることができるとともに、溶接部近傍ヘの着脱が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の溶接冷やし金の概念を表す図であり、a図は冷却ブロックがハンドリングヘッドに密着した状態を表し、b図は冷却ブロックがハンドリングヘッドから離れた状態を表した図である。
【図2】本発明の溶接冷やし金の一実施例の構成を示す説明図であり、内部に凸部を有するハンドリングへッドに適した形状の溶接冷やし金である。
【図3】本発明の溶接冷やし金の別の実施例の構成を示す説明図であり、内部に凸部を有しないハンドリングヘッドに適した形状の溶接冷やし金である。
【図4】高速炉燃料集合体の外観を表す図である。
【符号の説明】
【0038】
5…ラッパ管、
9…ハンドリングヘッド、
9a…内壁面、
9b…凸部、
10、20、30…溶接冷やし金、
11、21、31…冷却ブロック、
12、22、32…当接面、
13、23、33…テーパ当接面、
14、24、34…テーパコマ、
15、25、35…テーパ面、
16 …ネジ機構(テーパコマ移動手段)、
26 …雄ネジ棒(テーパコマ移動手段)、
27 …雌ネジ棒(テーパコマ移動手段)、
28 …凹部、
29 …スプリング、
36…ネジ(テーパコマ移動手段)、
37…冷却ブロック支持部材、
38…摺動凹部、
39…摺動凸部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接対象の筒状部材の内壁面に配置される溶接冷やし金において、
前記筒状部材の長手軸を中心とした径方向に各々可動な複数ブロックに分割され、各ブロックは前記筒状部材の内壁面に当接する当接面を備えた冷却ブロックと、
個々の前記冷却ブロックの当接面に対向する中心側壁面に当接するテーパ面を備え、軸方向に移動させることにより中心側壁面を前記テーパ面上で摺動させて個々の当接面を内壁面に押付けるテーパコマと、
前記テーパコマを軸方向に移動させるテーパコマ移動手段とを備えたことを特徴とする溶接冷やし金。
【請求項2】
高速炉用燃料集合体に用いられる正六角形状のラッパ管とハンドリングヘッドとの溶接の際に用いられる溶接冷やし金において、
ハンドリングヘッド又はラッパ管の長手軸を中心とした径方向に各々可動な複数ブロックに分割され、各ブロックは前記ハンドリングヘッド又はラッパ管の内壁面に当接する当接面を備えた冷却ブロックと、
個々の前記冷却ブロックの当接面に対向する中心側壁面に当接するテーパ面を備え、軸方向に移動させることにより中心側壁面を前記テーパ面上で摺動させて個々の当接面を内壁面に押付けるテーパコマと、
前記テーパコマを軸方向に移動させるテーパコマ移動手段とを備えたことを特徴とする高速炉燃料集合体用溶接冷やし金。
【請求項3】
前記テーパコマ移動手段が、ねじ機構によるテーパコマの移動を含むことを特徴とする請求項2に記載の高速炉燃料集合体用溶接冷やし金。
【請求項4】
前記冷却ブロックが銅製であることを特徴とする請求項2又は3に記載の高速炉燃料集合体用溶接冷やし金。
【請求項5】
前記冷却ブロツク表面に硬質クロムを始めとする金属メッキ皮膜層が設けられていることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の高速炉燃料集合体用溶接冷やし金。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−231342(P2006−231342A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−45370(P2005−45370)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(000165697)原子燃料工業株式会社 (278)
【Fターム(参考)】