溶接式固定キャップ及び電池モジュール
【課題】金属材質からなる円筒状電池の両端に固着するための溶接式固定キャップを提供すること。
【解決手段】本発明の溶接式固定キャップは、リング形状の側壁120と、前記側壁120の一端から外側へ拡張されて形成されるフランジ面110を含み、前記フランジ面110には溶接の際に溶融される溶接突起112が形成されて、前記側壁120には内部気体を排出するための切開部122が形成され、前記溶接突起112は前記切開部122が存在する側壁120の外側領域に位置することを特徴とする。
【解決手段】本発明の溶接式固定キャップは、リング形状の側壁120と、前記側壁120の一端から外側へ拡張されて形成されるフランジ面110を含み、前記フランジ面110には溶接の際に溶融される溶接突起112が形成されて、前記側壁120には内部気体を排出するための切開部122が形成され、前記溶接突起112は前記切開部122が存在する側壁120の外側領域に位置することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接式固定キャップ及び電池モジュールに関し、特に、電池モジュールを構成するために複数の円筒状電池をケースに挟みこむために円筒状電池の両端に溶接方式で固定される固定キャップ及び電池モジュールに適用して好適である。
【背景技術】
【0002】
現代日常生活において、円筒状構造物が多く使われている。プレオンガスボンベ、ブタンガスボンベ、酸素ガスボンベのような気体の圧力容器として、またはアルカライン乾電池、ニッケル水素電池など、電気エネルギー保存装置として使われるなど、その用途及び内部保存物質は非常に多様である。特に、電池の場合、製造が便利で、十分な強度の確保が容易であることから単位電池として円筒状電池が多く用いられる。
【0003】
一つの単位電池の電圧または電流は一定であるので、十分な電圧または電流を得るためには、複数の円筒状単位電池を直列または並列連結して使うのが一般的である。特に、所定のケースに複数の円筒状電池を実装する作業は、ケースに所定の実装溝を形成して前記実装溝に挟まれるように、前記複数の円筒状電池の両端に固定キャップを付着した後、前記ケースに組立てる方式で遂行することができる。ここで、前記各円筒状電池は一つの単位電池であることもあり、複数の単位電池が直列連結された円筒状直列電池であることもある。
【0004】
図1a及び図1bは、固定キャップを利用した円筒状電池とケース間の結合を簡略的に図示する模式図である。
【0005】
図示したように、ケース40の実装用共域42に容易に挟まれることができるように、前記円筒状電池20は、両端に皿型結合部12が突き出された固定キャップ10を具備するように具現される。すなわち、前記締結方法を適用するためには、図1aに示したように締結しようとする円筒状電池20の両端に前記固定キャップ10,30を付着させなければならず、前記円筒状電池20の外壁が金属材質の場合、金属材質の固定キャップ10,30の付着方法は、接触抵抗を利用した溶接が最も便利でかつ経済的である。このためにまず、円筒状電池の両端に固定キャップを位置させて、前記固定キャップを、接触抵抗を利用した溶接で円筒状電池に付着する。
【0006】
【特許文献1】特開平8−287894号公報
【特許文献2】特開2002−508575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記固定キャップ10,30は、強度維持のためにある程度の厚さを持たなければならないが、厚さを持つ固定キャップは接触抵抗溶接の際溶接用電流が漏洩する経路を提供するという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、十分な強度を持ち、且つ、接触抵抗溶接の際に溶接用電流の漏洩を防止することが可能な、新規かつ改良された溶接式固定キャップ及び電池モジュールを提供することにある。また、本発明の他の目的は、複数の円筒状電池を直列及び/または並列連結させた電池モジュールを具現するにあたって、便利な溶接式固定キャップ及び電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、リング形状の側壁と、前記側壁の一端から外側へ拡張されて形成されるフランジ面を含み、前記フランジ面には溶接の際に溶融される溶接部が形成され、前記側壁には内部気体を排出するための切開部が形成され、前記溶接部は、前記リング形状の側壁の中心に対して、前記切開部が存在する側壁の外側領域に位置することを特徴とする、溶接式固定キャップが提供される。
【0010】
また、前記溶接部は、2個以上具備されるものであってもよい。
【0011】
また、前記溶接部は、接触抵抗方式により溶接されるものであってもよい。
【0012】
また、前記フランジ面には、隣合う前記溶接部の間の電気的抵抗を増加させるための切開溝が形成されるものであってもよい。
【0013】
また、前記溶接部周りの領域が、前記フランジ面より薄い厚さであるものであってもよい。
【0014】
また、前記切開部と前記フランジ面の間隔は2mm以下であり、前記切開部の円周方向の長さは、前記リング形状の側壁の円周方向の長さの40%〜60%であるものであってもよい。
【0015】
また、前記切開部の中心を基準とする平面上で、前記切開部の境界面と前記溶接部の境界面の共通外接線は、前記フランジ面に対する垂直線に対して20°〜60゜の角度で交わるものであってもよい。
【0016】
また、前記側壁の他端を閉鎖する基底壁をさらに含むものであってもよい。
【0017】
また、前記基底壁の中心部には、溶接による固定対象である円筒状構造体と連結するための外部の扇形構造物が通過可能な連結ホールが形成されたものであってもよい。
【0018】
また、前記連結ホールの内壁側には、前記扇形構造物が固定されるように螺旋状山が形成されたものであってもよい。
【0019】
また、前記溶接部は、前記側壁上での前記各切開ホールに対する2個の接線が前記フランジ面と垂直に交わる2点で、前記フランジ面上に前記側壁に垂直である2つの放射線を引いた時、前記2つの放射線の間に位置するものであってもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の実装ホールが形成されたフレームと、両端に前記実装ホールに結合される固定キャップが溶接された円筒状電池からなり、前記固定キャップは、前記実装ホールに接触して、内部気体を排出するための切開部が形成されたリング形状の側壁と、前記円筒状電池の端面に接触し、前記切開部が存在する側壁の外側領域に溶接の際に溶融される溶接部が形成されたフランジ面と、を含む電池モジュールが提供される。
【0021】
また、前記固定キャップは、上記記載の固定キャップであってもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、十分な強度を有し、且つ、接触抵抗溶接の際に溶接用電流の漏洩を防止することが可能な溶接式固定キャップ及び電池モジュールを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、図面において各構成要素の厚さや大きさは説明の便宜及び明確性のために誇張さている場合がある。
【0024】
図2a乃至図2dは、本発明の一実施形態による溶接用固定キャップを示す模式図である。図示した溶接式固定キャップは、帽子形状をしており、リング形状の側壁120と、前記側壁120の一端を閉鎖する基底壁130と、前記側壁120の他端の外側へ前記側壁120と垂直面に形成されるフランジ面110と、からなる。
【0025】
図示した基底壁130の中心部には固定しようとする円筒状構造体と連結するための外部の扇形構造物が通過することができる連結ホール132が形成されることができ、前記連結ホール132の内壁側には前記扇形構造物が固定されるように螺旋状山134が形成されることができる。前記外部の扇形構造物としては、他の円筒状電池と直列及び/または並列連結のための電力出力ラインが挙げられる。
【0026】
図示したフランジ面110の前記側壁120に対する反対面には接触抵抗溶接のための溶接突起112が形成される。接触抵抗溶接の際、前記溶接突起112に対する前記側壁120の反対面地点に溶接棒が接触された状態で電流が流れるようにする。すると、溶接棒から溶接突起112を経って溶接突起112と触れ合っている固定しようとする円筒型構造体の外壁上の地点へ電流が流れるようになり、前記溶接突起112での接触抵抗によって溶接突起112の一部分が溶融されて前記円筒状構造体の外壁に固着する。
【0027】
前記フランジ面110の前記溶接突起112を円形で囲む形状で、他のフランジ面110の厚さより薄い厚さを持つ溶接突起周り領域111を形成することができる。また、溶接突起間の抵抗を強めるために、前記フランジ面110の互いに隣合う2個の溶接突起112の間に切開溝114を形成することができる。これは溶接の際既に溶接された隣合う他の溶接突起112への電流の流れを防止するためである。
【0028】
図示した側壁120にはラウンディング処理された直四角形形状で切開部122を形成するが、前記切開部122は溶接される円筒状電池がニッケル-水素バッテリーの場合発生される廃ガスや、リチウム-イオンバッテリーの損傷の時発生する高圧ガスなどの内部ガスを外部へ排出するための役目を遂行する。
【0029】
前記溶接突起112の位置をより厳密に規定すれば、図2aに示すように、前記側壁120上での前記各切開部122に対する2個の接線H,Iが前記フランジ面110と垂直に交差する2地点J,Kで、前記フランジ面110上に前記側壁120に垂直である2つの放射線L,Mを引いた時、前記2つの放射線L,Mの間のフランジ面110上に位置する。
【0030】
より望ましくは、図2cに示したように前記切開部122の中心を切断する垂直面VLが前記溶接突起112を含むように切開部122を形成することができる。
【0031】
図2cでは、前記切開部122の中心を基準とした平面上で、前記切開部122の境界面と前記溶接突起112の境界面の共通外接線CL1,CL2が、前記フランジ面110に対する垂直線VLに対して成す角度φを現わしている。前記共通外接線CL1,CL2と前記フランジ面110に対する垂直線VLの間の角度は20°〜60゜の角度を維持することが望ましく、特に、25°〜35゜の角度を維持するのが最適の性能を現わす。前記角度が小くなれば溶接性能が悪くなり、前記角度が大きくなれば固定キャップの機械的強度が低くなる。
【0032】
また、前記切開部122の規格を他の観点から規定すれば、切開部122と前記フランジ面110の図2cの断面図上での距離gは2mm以下であり、図2dに示した円周方向から観察した時、すべての切開部122の円周方向長さの総合(p+q+r+s)は、側壁120の円周長さの40%〜60%になるように具現することが望ましい。ここで、図2dは、切開部122の幅方向の中心線を含む面に沿った断面面である。
【0033】
図3a及び図3bは、前記切開部122による抵抗の増加を説明する図面である。図3aは本実施形態の思想に沿っていない場合を図示しており、互いに対向される2個の溶接突起112−a,112−bの間の電流経路はAになるが、前記経路Aは厚さ及び幅が十分であり電気抵抗は大きくない。したがって、溶接の際、溶接棒から供給される電流の相当部分が既に溶接されていて、対向する溶接突起112を通じて漏洩して溶接性能を落とすことになる。
【0034】
一方、本実施形態の思想による図3bの場合、互いに対向される2個の溶接突起112−c、112−dの間の電流経路はBになるが、前記経路Bは切開部122によって迂回されてフランジ面110を通るため、経路の幅が小さくなるとともに経路の長さも長くなるので、電気抵抗が大きくなることになる。したがって、溶接の際溶接棒から供給される電流が既に溶接されている対向する溶接突起を通じて漏洩することが緩和されて、溶接性能が向上する。
【0035】
図3cは、前記溶接突起周り領域111による抵抗の増加を説明するための図面である。図示したように、溶接突起周り領域111の厚さT2は、前記フランジ面の厚さT3より薄く具現し、この場合、前記溶接突起周り領域111の抵抗が、薄くなった厚さの分大きくなって、溶接棒から流入される電流の漏洩を防止することができる。
【0036】
図4は、本発明一実施形態による溶接式固定キャップ100を付着した複数の円筒状電池がケース80に実装される構造を示している。ここで、図示した複数の円筒状電池それぞれは、一つの単位電池であることもあり得るし、複数の単位電池が直列連結された円筒状直列電池であることも可能である。
【0037】
前記各円筒状電池の両端には本実施形態の思想による固定キャップが接触抵抗溶接によって付着している。一方、ケース80の図示した上部蓋90及び下部底(図示せず)には、円形の実装ホール98が形成されている。前記各円筒状電池の両端に位置する固定キャップ10の皿型結合部が前記実装ホール98に挟まれる方式でケース80に複数の円筒状電池を実装することができるようになる。
【0038】
前記ケース80に複数の円筒状電池架実装された後、実装された各円筒状電池の固定キャップ10の連結ホールに導線を連結して適切な配線を遂行し、各円筒状電池の直列及び/または並列連結構造を構成することができる。
【0039】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1a】円筒状構造体と固定キャップを結合した様子を示した断面図である。
【図1b】図1aの固定キャップを結合した円筒状構造体がフレームに設置された状態を示した斜視図である。
【図2a】本発明の一実施例による溶接式固定キャップを示した斜視図である。
【図2b】本発明の一実施例による溶接式固定キャップを示した断面図である。
【図2c】図2aの溶接式固定キャップの切開部の規格を示した断面図である。
【図2d】図2aの溶接式固定キャップを上部で示した断面図である。
【図3a】本発明の思想に沿っていない溶接式固定キャップの溶接電流漏洩経路を示した斜視図である。
【図3b】本発明の一実施例による溶接式固定キャップの溶接電流漏洩経路を示した斜視図である。
【図3c】図2aの溶接式固定キャップの溶接突起周り領域の厚さを示した断面図である。
【図4】本発明の一実施例による溶接式固定キャップを円筒状電池に溶接付着し、電池モジュールを構成した状態を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
110 フランジ面
111 溶接突起周り領域
112 溶接突起
114 切開溝
120 側壁
122 切開部
130 基底壁
132 連結ホール
134 螺旋山
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接式固定キャップ及び電池モジュールに関し、特に、電池モジュールを構成するために複数の円筒状電池をケースに挟みこむために円筒状電池の両端に溶接方式で固定される固定キャップ及び電池モジュールに適用して好適である。
【背景技術】
【0002】
現代日常生活において、円筒状構造物が多く使われている。プレオンガスボンベ、ブタンガスボンベ、酸素ガスボンベのような気体の圧力容器として、またはアルカライン乾電池、ニッケル水素電池など、電気エネルギー保存装置として使われるなど、その用途及び内部保存物質は非常に多様である。特に、電池の場合、製造が便利で、十分な強度の確保が容易であることから単位電池として円筒状電池が多く用いられる。
【0003】
一つの単位電池の電圧または電流は一定であるので、十分な電圧または電流を得るためには、複数の円筒状単位電池を直列または並列連結して使うのが一般的である。特に、所定のケースに複数の円筒状電池を実装する作業は、ケースに所定の実装溝を形成して前記実装溝に挟まれるように、前記複数の円筒状電池の両端に固定キャップを付着した後、前記ケースに組立てる方式で遂行することができる。ここで、前記各円筒状電池は一つの単位電池であることもあり、複数の単位電池が直列連結された円筒状直列電池であることもある。
【0004】
図1a及び図1bは、固定キャップを利用した円筒状電池とケース間の結合を簡略的に図示する模式図である。
【0005】
図示したように、ケース40の実装用共域42に容易に挟まれることができるように、前記円筒状電池20は、両端に皿型結合部12が突き出された固定キャップ10を具備するように具現される。すなわち、前記締結方法を適用するためには、図1aに示したように締結しようとする円筒状電池20の両端に前記固定キャップ10,30を付着させなければならず、前記円筒状電池20の外壁が金属材質の場合、金属材質の固定キャップ10,30の付着方法は、接触抵抗を利用した溶接が最も便利でかつ経済的である。このためにまず、円筒状電池の両端に固定キャップを位置させて、前記固定キャップを、接触抵抗を利用した溶接で円筒状電池に付着する。
【0006】
【特許文献1】特開平8−287894号公報
【特許文献2】特開2002−508575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記固定キャップ10,30は、強度維持のためにある程度の厚さを持たなければならないが、厚さを持つ固定キャップは接触抵抗溶接の際溶接用電流が漏洩する経路を提供するという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、十分な強度を持ち、且つ、接触抵抗溶接の際に溶接用電流の漏洩を防止することが可能な、新規かつ改良された溶接式固定キャップ及び電池モジュールを提供することにある。また、本発明の他の目的は、複数の円筒状電池を直列及び/または並列連結させた電池モジュールを具現するにあたって、便利な溶接式固定キャップ及び電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、リング形状の側壁と、前記側壁の一端から外側へ拡張されて形成されるフランジ面を含み、前記フランジ面には溶接の際に溶融される溶接部が形成され、前記側壁には内部気体を排出するための切開部が形成され、前記溶接部は、前記リング形状の側壁の中心に対して、前記切開部が存在する側壁の外側領域に位置することを特徴とする、溶接式固定キャップが提供される。
【0010】
また、前記溶接部は、2個以上具備されるものであってもよい。
【0011】
また、前記溶接部は、接触抵抗方式により溶接されるものであってもよい。
【0012】
また、前記フランジ面には、隣合う前記溶接部の間の電気的抵抗を増加させるための切開溝が形成されるものであってもよい。
【0013】
また、前記溶接部周りの領域が、前記フランジ面より薄い厚さであるものであってもよい。
【0014】
また、前記切開部と前記フランジ面の間隔は2mm以下であり、前記切開部の円周方向の長さは、前記リング形状の側壁の円周方向の長さの40%〜60%であるものであってもよい。
【0015】
また、前記切開部の中心を基準とする平面上で、前記切開部の境界面と前記溶接部の境界面の共通外接線は、前記フランジ面に対する垂直線に対して20°〜60゜の角度で交わるものであってもよい。
【0016】
また、前記側壁の他端を閉鎖する基底壁をさらに含むものであってもよい。
【0017】
また、前記基底壁の中心部には、溶接による固定対象である円筒状構造体と連結するための外部の扇形構造物が通過可能な連結ホールが形成されたものであってもよい。
【0018】
また、前記連結ホールの内壁側には、前記扇形構造物が固定されるように螺旋状山が形成されたものであってもよい。
【0019】
また、前記溶接部は、前記側壁上での前記各切開ホールに対する2個の接線が前記フランジ面と垂直に交わる2点で、前記フランジ面上に前記側壁に垂直である2つの放射線を引いた時、前記2つの放射線の間に位置するものであってもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の実装ホールが形成されたフレームと、両端に前記実装ホールに結合される固定キャップが溶接された円筒状電池からなり、前記固定キャップは、前記実装ホールに接触して、内部気体を排出するための切開部が形成されたリング形状の側壁と、前記円筒状電池の端面に接触し、前記切開部が存在する側壁の外側領域に溶接の際に溶融される溶接部が形成されたフランジ面と、を含む電池モジュールが提供される。
【0021】
また、前記固定キャップは、上記記載の固定キャップであってもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、十分な強度を有し、且つ、接触抵抗溶接の際に溶接用電流の漏洩を防止することが可能な溶接式固定キャップ及び電池モジュールを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、図面において各構成要素の厚さや大きさは説明の便宜及び明確性のために誇張さている場合がある。
【0024】
図2a乃至図2dは、本発明の一実施形態による溶接用固定キャップを示す模式図である。図示した溶接式固定キャップは、帽子形状をしており、リング形状の側壁120と、前記側壁120の一端を閉鎖する基底壁130と、前記側壁120の他端の外側へ前記側壁120と垂直面に形成されるフランジ面110と、からなる。
【0025】
図示した基底壁130の中心部には固定しようとする円筒状構造体と連結するための外部の扇形構造物が通過することができる連結ホール132が形成されることができ、前記連結ホール132の内壁側には前記扇形構造物が固定されるように螺旋状山134が形成されることができる。前記外部の扇形構造物としては、他の円筒状電池と直列及び/または並列連結のための電力出力ラインが挙げられる。
【0026】
図示したフランジ面110の前記側壁120に対する反対面には接触抵抗溶接のための溶接突起112が形成される。接触抵抗溶接の際、前記溶接突起112に対する前記側壁120の反対面地点に溶接棒が接触された状態で電流が流れるようにする。すると、溶接棒から溶接突起112を経って溶接突起112と触れ合っている固定しようとする円筒型構造体の外壁上の地点へ電流が流れるようになり、前記溶接突起112での接触抵抗によって溶接突起112の一部分が溶融されて前記円筒状構造体の外壁に固着する。
【0027】
前記フランジ面110の前記溶接突起112を円形で囲む形状で、他のフランジ面110の厚さより薄い厚さを持つ溶接突起周り領域111を形成することができる。また、溶接突起間の抵抗を強めるために、前記フランジ面110の互いに隣合う2個の溶接突起112の間に切開溝114を形成することができる。これは溶接の際既に溶接された隣合う他の溶接突起112への電流の流れを防止するためである。
【0028】
図示した側壁120にはラウンディング処理された直四角形形状で切開部122を形成するが、前記切開部122は溶接される円筒状電池がニッケル-水素バッテリーの場合発生される廃ガスや、リチウム-イオンバッテリーの損傷の時発生する高圧ガスなどの内部ガスを外部へ排出するための役目を遂行する。
【0029】
前記溶接突起112の位置をより厳密に規定すれば、図2aに示すように、前記側壁120上での前記各切開部122に対する2個の接線H,Iが前記フランジ面110と垂直に交差する2地点J,Kで、前記フランジ面110上に前記側壁120に垂直である2つの放射線L,Mを引いた時、前記2つの放射線L,Mの間のフランジ面110上に位置する。
【0030】
より望ましくは、図2cに示したように前記切開部122の中心を切断する垂直面VLが前記溶接突起112を含むように切開部122を形成することができる。
【0031】
図2cでは、前記切開部122の中心を基準とした平面上で、前記切開部122の境界面と前記溶接突起112の境界面の共通外接線CL1,CL2が、前記フランジ面110に対する垂直線VLに対して成す角度φを現わしている。前記共通外接線CL1,CL2と前記フランジ面110に対する垂直線VLの間の角度は20°〜60゜の角度を維持することが望ましく、特に、25°〜35゜の角度を維持するのが最適の性能を現わす。前記角度が小くなれば溶接性能が悪くなり、前記角度が大きくなれば固定キャップの機械的強度が低くなる。
【0032】
また、前記切開部122の規格を他の観点から規定すれば、切開部122と前記フランジ面110の図2cの断面図上での距離gは2mm以下であり、図2dに示した円周方向から観察した時、すべての切開部122の円周方向長さの総合(p+q+r+s)は、側壁120の円周長さの40%〜60%になるように具現することが望ましい。ここで、図2dは、切開部122の幅方向の中心線を含む面に沿った断面面である。
【0033】
図3a及び図3bは、前記切開部122による抵抗の増加を説明する図面である。図3aは本実施形態の思想に沿っていない場合を図示しており、互いに対向される2個の溶接突起112−a,112−bの間の電流経路はAになるが、前記経路Aは厚さ及び幅が十分であり電気抵抗は大きくない。したがって、溶接の際、溶接棒から供給される電流の相当部分が既に溶接されていて、対向する溶接突起112を通じて漏洩して溶接性能を落とすことになる。
【0034】
一方、本実施形態の思想による図3bの場合、互いに対向される2個の溶接突起112−c、112−dの間の電流経路はBになるが、前記経路Bは切開部122によって迂回されてフランジ面110を通るため、経路の幅が小さくなるとともに経路の長さも長くなるので、電気抵抗が大きくなることになる。したがって、溶接の際溶接棒から供給される電流が既に溶接されている対向する溶接突起を通じて漏洩することが緩和されて、溶接性能が向上する。
【0035】
図3cは、前記溶接突起周り領域111による抵抗の増加を説明するための図面である。図示したように、溶接突起周り領域111の厚さT2は、前記フランジ面の厚さT3より薄く具現し、この場合、前記溶接突起周り領域111の抵抗が、薄くなった厚さの分大きくなって、溶接棒から流入される電流の漏洩を防止することができる。
【0036】
図4は、本発明一実施形態による溶接式固定キャップ100を付着した複数の円筒状電池がケース80に実装される構造を示している。ここで、図示した複数の円筒状電池それぞれは、一つの単位電池であることもあり得るし、複数の単位電池が直列連結された円筒状直列電池であることも可能である。
【0037】
前記各円筒状電池の両端には本実施形態の思想による固定キャップが接触抵抗溶接によって付着している。一方、ケース80の図示した上部蓋90及び下部底(図示せず)には、円形の実装ホール98が形成されている。前記各円筒状電池の両端に位置する固定キャップ10の皿型結合部が前記実装ホール98に挟まれる方式でケース80に複数の円筒状電池を実装することができるようになる。
【0038】
前記ケース80に複数の円筒状電池架実装された後、実装された各円筒状電池の固定キャップ10の連結ホールに導線を連結して適切な配線を遂行し、各円筒状電池の直列及び/または並列連結構造を構成することができる。
【0039】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1a】円筒状構造体と固定キャップを結合した様子を示した断面図である。
【図1b】図1aの固定キャップを結合した円筒状構造体がフレームに設置された状態を示した斜視図である。
【図2a】本発明の一実施例による溶接式固定キャップを示した斜視図である。
【図2b】本発明の一実施例による溶接式固定キャップを示した断面図である。
【図2c】図2aの溶接式固定キャップの切開部の規格を示した断面図である。
【図2d】図2aの溶接式固定キャップを上部で示した断面図である。
【図3a】本発明の思想に沿っていない溶接式固定キャップの溶接電流漏洩経路を示した斜視図である。
【図3b】本発明の一実施例による溶接式固定キャップの溶接電流漏洩経路を示した斜視図である。
【図3c】図2aの溶接式固定キャップの溶接突起周り領域の厚さを示した断面図である。
【図4】本発明の一実施例による溶接式固定キャップを円筒状電池に溶接付着し、電池モジュールを構成した状態を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
110 フランジ面
111 溶接突起周り領域
112 溶接突起
114 切開溝
120 側壁
122 切開部
130 基底壁
132 連結ホール
134 螺旋山
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング形状の側壁と、
前記側壁の一端から外側へ拡張されて形成されるフランジ面を含み、
前記フランジ面には溶接の際に溶融される溶接部が形成され、前記側壁には内部気体を排出するための切開部が形成され、
前記溶接部は、前記リング形状の中心に対して、前記切開部の外側の領域に位置することを特徴とする、溶接式固定キャップ。
【請求項2】
前記溶接部は、2個以上具備されることを特徴とする、請求項1に記載の溶接式固定キャップ。
【請求項3】
前記溶接部は、接触抵抗方式により溶接されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶接式固定キャップ。
【請求項4】
前記フランジ面には、
隣合う前記溶接部の間の電気的抵抗を増加させるための切開溝が形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の溶接式固定キャップ。
【請求項5】
前記溶接部周りの領域が、前記フランジ面より薄い厚さであることを特徴とする、請求項1記載の溶接式固定キャップ。
【請求項6】
前記切開部と前記フランジ面の間隔は2mm以下であり、
前記切開部の円周方向の長さは、前記リング形状の側壁の円周方向の長さの40%〜60%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の溶接式固定キャップ。
【請求項7】
前記切開部の中心を基準とする平面上で、前記切開部の境界面と前記溶接部の境界面の共通外接線は、前記フランジ面に対する垂直線に対して20°〜60゜の角度で交わることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の溶接式固定キャップ。
【請求項8】
前記側壁の他端を閉鎖する基底壁をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の溶接式固定キャップ。
【請求項9】
前記基底壁の中心部には、溶接による固定対象である円筒状構造体と連結するための外部の扇形構造物が通過可能な連結ホールが形成されたことを特徴とする、請求項8に記載の溶接式固定キャップ。
【請求項10】
前記連結ホールの内壁側には、前記扇形構造物が固定されるように螺旋状山が形成されたことを特徴とする、請求項9に記載の溶接式固定キャップ。
【請求項11】
前記溶接部は、
前記側壁上での前記各切開ホールに対する2個の接線が前記フランジ面と垂直に交わる2点で、前記フランジ面上に前記側壁に垂直である2つの放射線を引いた時、前記2つの放射線の間に位置することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の溶接式固定キャップ。
【請求項12】
複数の実装ホールが形成されたフレームと、
両端に前記実装ホールに結合される固定キャップが溶接された円筒状電池からなり、
前記固定キャップは、
前記実装ホールに接触して、内部気体を排出するための切開部が形成されたリング形状の側壁と、
前記円筒状電池の端面に接触し、前記切開部が存在する側壁の外側領域に溶接の際に溶融される溶接部が形成されたフランジ面と、を含むことを特徴とする電池モジュール。
【請求項13】
前記固定キャップは、
請求項1〜11のいずれかに記載の固定キャップであることを特徴とする、請求項12に記載の電池モジュール。
【請求項1】
リング形状の側壁と、
前記側壁の一端から外側へ拡張されて形成されるフランジ面を含み、
前記フランジ面には溶接の際に溶融される溶接部が形成され、前記側壁には内部気体を排出するための切開部が形成され、
前記溶接部は、前記リング形状の中心に対して、前記切開部の外側の領域に位置することを特徴とする、溶接式固定キャップ。
【請求項2】
前記溶接部は、2個以上具備されることを特徴とする、請求項1に記載の溶接式固定キャップ。
【請求項3】
前記溶接部は、接触抵抗方式により溶接されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶接式固定キャップ。
【請求項4】
前記フランジ面には、
隣合う前記溶接部の間の電気的抵抗を増加させるための切開溝が形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の溶接式固定キャップ。
【請求項5】
前記溶接部周りの領域が、前記フランジ面より薄い厚さであることを特徴とする、請求項1記載の溶接式固定キャップ。
【請求項6】
前記切開部と前記フランジ面の間隔は2mm以下であり、
前記切開部の円周方向の長さは、前記リング形状の側壁の円周方向の長さの40%〜60%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の溶接式固定キャップ。
【請求項7】
前記切開部の中心を基準とする平面上で、前記切開部の境界面と前記溶接部の境界面の共通外接線は、前記フランジ面に対する垂直線に対して20°〜60゜の角度で交わることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の溶接式固定キャップ。
【請求項8】
前記側壁の他端を閉鎖する基底壁をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の溶接式固定キャップ。
【請求項9】
前記基底壁の中心部には、溶接による固定対象である円筒状構造体と連結するための外部の扇形構造物が通過可能な連結ホールが形成されたことを特徴とする、請求項8に記載の溶接式固定キャップ。
【請求項10】
前記連結ホールの内壁側には、前記扇形構造物が固定されるように螺旋状山が形成されたことを特徴とする、請求項9に記載の溶接式固定キャップ。
【請求項11】
前記溶接部は、
前記側壁上での前記各切開ホールに対する2個の接線が前記フランジ面と垂直に交わる2点で、前記フランジ面上に前記側壁に垂直である2つの放射線を引いた時、前記2つの放射線の間に位置することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の溶接式固定キャップ。
【請求項12】
複数の実装ホールが形成されたフレームと、
両端に前記実装ホールに結合される固定キャップが溶接された円筒状電池からなり、
前記固定キャップは、
前記実装ホールに接触して、内部気体を排出するための切開部が形成されたリング形状の側壁と、
前記円筒状電池の端面に接触し、前記切開部が存在する側壁の外側領域に溶接の際に溶融される溶接部が形成されたフランジ面と、を含むことを特徴とする電池モジュール。
【請求項13】
前記固定キャップは、
請求項1〜11のいずれかに記載の固定キャップであることを特徴とする、請求項12に記載の電池モジュール。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【公開番号】特開2008−192590(P2008−192590A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144933(P2007−144933)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
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