説明

溶接管のコーティング方法

付着性の金属コーティングを溶接管(welded tube)の継ぎ目に行う方法で、非付着性の金属コーティングを溶接継ぎ目(welded seam)の内部および外部に行うことを含む。外部から、溶接管の下部に位置する継ぎ目とともに継ぎ目領域を一般的にコーティングの融点まで加熱して、それから、内部表面上のコーティングを融かすために加熱を続ける間、外側のコーティングを凍らせるため液体の冷却剤を外部表面に当て、最後に急冷する。一つの好ましい実施例において、溶接管は、まず継ぎ目領域をコーティングの融点よりも低い温度で加熱するシームコイル(seam coil)を含む誘導ヒータ(induction heater)で加熱され、それからフルボディコイル(full body coil)で加熱される。冷却剤は、継ぎ目領域に噴霧される冷水または他の冷却剤であってよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮出願番号60/591,660であって、2004年7月29日に出願された仮出願に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、金属溶接管(welded metal tubes)のコーティング方法に関し、特に保護用金属コーティング(protective metal coating)された溶接継ぎ目(welded seam)を含む。保護用金属コーティングは、亜鉛、アルミニウム、およびそれらの合金を含むが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0003】
鉄の金属チューブまたはパイプは、共通して、亜鉛メッキとして参照される亜鉛、アルミニウム、およびBIEC International, inc. の商標であるGalvalume(R)を含む亜鉛及びアルミニウムの合金のような保護用金属コーティングによりコートされている。典型的な用途において、“スケルプ”(skelp)として参照される金属帯(metal strip)は、まず、保護用金属コーティングによりコートされ、金属帯はそれから管状の形状または開放された継ぎ目のチューブとして巻き取られ、開放された継ぎ目(open seam)のチューブの反対の外側縁はそれから連続的なプロセス、典型的には反対側の外側縁を誘導コイルで加熱し、隣接する端を融解することによって溶接され、反対側の外側縁はそれからともに動かされ(driven together)、または鍛造されて、連続的な溶接継ぎ目を形成する。帯が鋼から形成されている場合、たとえば、隣接する開放された継ぎ目のチューブの外側縁は鋼の融点、すなわち2,300°F以上まで加熱されるが、一方保護用金属コーティングの融点は実質的にそれより小さい。たとえば、典型的な亜鉛メッキされたコーティングは約780°Fの融点を有し、アルミニウムは約1,200°Fの融点を有する。それゆえ、溶接継ぎ目の場所およびそれに隣接する場所におけるチューブの保護用金属コーティングは焼け落ちまたは蒸発し、溶接継ぎ目は保護されない状態になる。ほとんどの前もってコート(precoat)された鉄の金属チューブまたはパイプは溶接継ぎ目の腐食によって機能しなくなる。それゆえ、この発明の目的は、付着性の保護用金属コーティングを金属チューブの溶接継ぎ目の内部および外部表面に適用する連続的な方法と、付着性の保護用金属コーティングを伴う溶接継ぎ目領域を含む金属チューブの内部および外部表面をコートする方法と、を提供することにある。
【0004】
この出願の出願人に譲渡された米国特許6,042,659号は、付着性の保護用金属コーティングで溶接継ぎ目をコートする方法であって、フラックス(flux)がまず溶接継ぎ目の外部表面に適用され、継ぎ目領域がそれから予め加熱され、保護用金属コーティングがそれから溶射(thermal spraying)によって溶接継ぎ目の外部表面の真上に適用され、金属チューブとその溶接部とがそれからフルボディ誘導コイル(full body induction coil)において加熱され、保護用金属コーティングの融点以上の温度に溶接継ぎ目が加熱され、保護用金属コーティングが溶接継ぎ目の外部表面の真上で融解する、という方法を開示している。
【0005】
同様にこの出願の出願人に譲渡された米国特許6,290,786号は、金属チューブの溶接継ぎ目の内部表面をコートする方法であって、微粒子または粉状の保護用金属コーティングのペーストと、溶接継ぎ目の内部表面の真上の液体のフラックスと、を適用し、それから溶接継ぎ目を保護用金属コーティングの融点未満の温度に予め加熱し、フルボディ誘導コイルで金属チューブおよび溶接継ぎ目を加熱し、その結果、溶接継ぎ目の内部表面上の保護用金属コーティングがその融点まで加熱され、上述のように溶接継ぎ目の内部表面の真上の保護用金属コーティングが融解する、という方法を開示している。金属チューブはそれから急冷され、保護用金属コーティングを凍らせ、溶接継ぎ目の内部表面上の付着性の保護用金属コーティングを形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上で参照した特許に記載されているように、金属チューブの溶接継ぎ目をコートする方法の問題は、特にこれらを組み合わせて用いるとき、誘導加熱によるように溶接継ぎ目の外部を加熱すると、内部表面上の保護用金属コーティングが融点に達する前に、溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングが融解する結果となる、ということである。溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングは、それから漏れ出し、または重力下でこぼれ落ち、粗い表面を作るようになり、また、溶接継ぎ目の外部表面上のコーティングが不完全なものになるかもしれない。溶接継ぎ目の外部表面からこぼれ落ちた保護用金属コーティングは、また、誘導ヒータ(induction heater)を汚すかもしれず、また清掃を要求する。この問題を減らすために、低い周波数の誘導ヒータを用いることで、ドウェル時間またはソーク時間(dwell or soak time)を減らし、それゆえこぼれ落ちを減らすようにするという試みがなされてきた。誘導ヒータの周波数が高くなれば、金属チューブを通しての熱の浸透(penetration)が低くなる。たとえば、3,000Hzの周波数を持つ誘導ヒータは金属チューブを0.042インチの“深さ”まで加熱する結果となり、一方、1,000Hzの周波数を持つ誘導ヒータは0.073インチの深さまで加熱し、500Hzの周波数を持つ誘導ヒータは0.10インチの深さまで加熱する。それゆえ、誘導ヒータの周波数を低くすることが望ましく、特に誘導周波数に基づく浸透を超える肉厚を有する金属チューブまたはパイプにおいて望ましい。最後に、誘導加熱を含む溶接継ぎ目の外部からの加熱は、ドウェル時間またはソーク時間が増えるとともに、溶接継ぎ目からの熱の拡散が増える結果となり、溶接継ぎ目に隣接する金属パイプの外部表面からの保護用金属コーティングを大きく損失することになる。
【0007】
それゆえ、金属チューブまたはパイプの内部および外部表面に付着性の保護用金属コーティングを適用する方法に関連する問題を消去するという長年の必要性が存在する。特に、上述の問題を解決する溶接継ぎ目を含む。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述したように、この発明は金属チューブまたはパイプの内部および外部表面に対して付着性の保護用金属コーティングを適用する連続的な方法に関し、特に、溶接継ぎ目の内部および外部表面に対するものを含む。チューブまたはパイプは、任意の金属から形成されていてもよく、特に、鋼鉄のような鉄類を含むが、これらに限定されない。当業者には理解できるであろうが、保護用金属コーティングは用途に依存するであろう。たとえば、保護用金属コーティングは、亜鉛メッキまたは亜鉛コーティング、アルミニウムまたは亜鉛とアルミニウムの合金であって55重量%のアルミニウムを有するGalvalume(R)を含むアルミニウムおよび亜鉛の合金、であってもよいが、しかし、別の保護用コーティングであってもよい。インラインの(In-line)亜鉛メッキおよびコーティングまたは塗装(painting)のプロセスであって、保護用金属コーティングをチューブまたはパイプに適用するプロセスもまた、よく知られている。金属帯は、形成および溶接の前に亜鉛メッキされていてもまたは一方または両方の表面に塗装されていてもよいが、上述したように、溶接のプロセス中に溶接の外部表面上の亜鉛コーティングが融解または蒸発するという結果となる。チューブの外側の表面は、また、インラインプロセスにおいて外部表面だけをコートする溶接を行い、チューブを亜鉛浴に浸して溶接した後にコートされてもよい。しかし、この発明の連続的な方法は、亜鉛浴の要求を消去する。この発明の方法の好ましい一実施例において、金属帯の反対の側は、まず、保護用金属コーティングでコートされる。金属帯は、それから、連続的に外側縁を持つ開放された継ぎ目のチューブとして巻き取られ、帯の端はそれから、開放された継ぎ目のチューブの反対側の外側縁を金属チューブの融点まで誘導ヒータで加熱し、端を連続的なプロセスにおいて動かすことによって“鍛造”されるといった従来の方法によって溶接され、溶接継ぎ目を持つ金属チューブを形成する。上で参照された米国特許に記載されているように、金属チューブの端は、好ましくは、溶接エリアに隣接するところから保護用金属コーティングをはがすために溶接する前にスカーフされ(scarfed)、またプロセスは、溶接領域が酸化物や金属チューブの合金や保護用金属コーティングで汚染されるのを防ぐために、好ましくは無酸化雰囲気(non-oxidizing atmosphere)またはより好ましくは“還元性雰囲気”(reducing atmosphere)で行われる。それゆえ上述したように、溶接された金属チューブの内部および外部表面にコーティングする方法は従来のものであってもよい。さらに、上述の特許で述べられたように、金属チューブの溶接継ぎ目は、この発明の方法により溶接継ぎ目の内部および外部表面に対して適用される保護用金属コーティングが融解の後に溶接継ぎ目から下へ流れ出さないようにするために、溶接の前または後に、好ましくはチューブの低い位置にある。
【0009】
この発明の溶接継ぎ目の内部または外部表面に対して付着性の保護用金属コーティングを行う方法は、それから、連続的に動く金属チューブの溶接継ぎ目の外部表面に第1の保護用金属コーティングを行うことと、連続的に動く金属チューブの溶接継ぎ目の内部表面に第2の保護用金属コーティングを行うことと、を含む。当業者に理解されるであろうように、溶接継ぎ目の内部および外部表面に対して行う保護用金属コーティングは、好ましくは、しかし必ずしも必要ではないが、この発明の方法が溶接継ぎ目の内部または外部表面を含む溶接された金属チューブの内部および外部表面全体をカバーする連続的な付着性の保護用金属コーティングを形成するように、金属帯の表面に適用したのと同じ保護用金属コーティングである。さらに、上記で参照された米国特許に記載されたように、保護用金属は好ましくはチューブに結合された付着性のコスティング(costing)として適用される。
【0010】
この発明の方法は、それから、好ましくは誘導加熱により、溶接継ぎ目を外部から加熱することを含むが、しかし他の方法も用いてよい。上述したように、溶接継ぎ目の外部加熱は、まず、溶接継ぎ目の外部表面上の第1の保護用金属コーティングをその融点まで加熱し、溶接継ぎ目の外部表面の真上で第1の保護用金属コーティングが融解し、それから水のような冷却液(fluid coolant)を溶接継ぎ目の外部表面上の第1の保護用金属コーティングに、外部から溶接継ぎ目を加熱し続け、それから第1の保護用金属コーティングが溶接継ぎ目の外部表面上で凍り、溶接継ぎ目の外部表面上で付着性の保護用金属コーティングを形成する間、かける。理解されるように、溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングが凍ると、外部表面上の保護用金属コーティングが漏れ出したりこぼれ落ちたりしなくなり、溶接継ぎ目の継続した外部加熱のためのより長いソークまたはドウェル時間の利用ができるようになってその結果溶接継ぎ目の内部表面上の第2の保護用金属コーティングが融解し、またはより低い周波数を有する誘導ヒータを用いることと、この発明の方法が肉厚0.065インチを超える金属チューブまたはパイプに使えるようになることと、ができるようになる。しかし、当業者に理解できるであろうように、誘導ヒータの好ましい周波数はチューブの肉厚に依存するであろうし、それゆえ、この発明は肉厚に制限されない。
【0011】
この発明の方法は、外部から溶接継ぎ目を加熱し続け、それで溶接継ぎ目の内部表面上の第2の保護用金属コーティングを加熱し、第2の保護用金属コーティングが溶接継ぎ目の内部表面の真上で融解し、それから金属チューブを急冷することを含み、その結果溶接継ぎ目の内部表面上の保護用金属コーティングが凍り、溶接継ぎ目の内部および外部表面の両方上に良い付着性のコーティングを形成し、それは金属チューブに金属結合されている。この発明の方法の好ましい実施例において、溶接継ぎ目が誘導加熱により加熱され、溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングが凍ってから起きるその継続した誘導加熱は、チューブの壁を通して熱を誘導し、溶接継ぎ目の内部表面上の保護用金属コーティングを融解させる結果となる。
【0012】
上述のように、溶接継ぎ目を外部から加熱する一つの好ましい方法は、溶接継ぎ目の外部表面の誘導加熱によるものである。しかし、上で参照された米国特許に記載されているように、この発明の一つの好ましい方法は、まず、溶接継ぎ目を誘導シームコイル(seam coil)で外部から加熱または予め加熱し、保護用金属コーティングの融点未満の第1の温度まで加熱し、それから外部から金属チューブを囲うフルボディ誘導コイルで溶接継ぎ目を加熱する、ことを含む。上述したように、しかし、この発明の方法は、より低い周波数を有する誘導ヒータを用いてもよく、また、フルボディ誘導コイルの長さを増加させることで、“ソーク”時間を増加させ、それによってこの発明の方法をたとえば0.065インチを超える肉厚を持つ金属パイプに利用することを許し、この方法に関連づけられる問題であって、溶接継ぎ目の内部表面上の保護用金属コーティングが融解し、こぼれ落ちることを含む問題を消去してもよい。冷却液は任意の適した冷却液であってよく、用いられる保護用金属コーティングに依存してもよい。亜鉛メッキまたは亜鉛コーティングにおいて、たとえば、冷水が好まれてもよく、溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングが融解してからフルボディ誘導コイルのコイルの間から1以上のノズルで冷水が噴霧されてもよく、その結果、溶接継ぎ目の内部表面上の保護用金属コーティングの融点までフルボディ誘導コイルのコイル内の溶接継ぎ目を含む金属チューブを外部から加熱し続ける間、溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングを凍らせる。誘導コイルの長さが増加すると、その結果ドウェル時間が増加し、また低周波数は、この発明の方法によって、溶接継ぎ目の内部および外部表面上に優れた付着性の保護用金属コーティングを作り、特に、0.065インチを超える厚さを持つ金属パイプの場合を含む。低周波数の誘導ヒータを用いることまたは誘導加熱の長さを増加させることは、代替のソリューションであり、それゆえ単独で用いてもよいことは理解されるべきである。
【0013】
上で参照された米国特許に記載されているように、保護用金属コーティングを溶接継ぎ目の外部表面に適用する好ましい方法は、溶接継ぎ目を誘導コイルの継ぎ目ヒータ(seam heater)で初期加熱または予め加熱した後に保護用金属コーティングの融解液滴を溶接継ぎ目の外部表面上に溶射することによるものであり、継ぎ目はまず保護用金属コーティングの融点よりも低い温度に加熱される。しかし、記載されたように、保護用金属コーティングを溶接継ぎ目の外部表面に当てるこの方法は、たとえばフルボディ誘導コイルを利用した場合のような、保護用金属コーティングをその融点まで加熱することなしに溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングが金属結合するということにはならない。また、複数のフルボディコイルが用いられてもよい。保護用金属コーティングを溶接継ぎ目の内部表面に当てる好ましい方法は、保護用金属コーティングの粉状または微粒子状のコーティングを、好ましくは液体フラックス(liquid flux)を用いて当てて、微粒子の保護用金属コーティングおよびフラックスのペーストを形成することである。しかし、融解する前に保護用金属コーティングを溶接継ぎ目の内部および外部表面に対して当てる方法は、上で参照された特許に記載されている方法に限られない。
【0014】
この方法の金属チューブの内部および外部表面に対してコーティングする方法は、溶接継ぎ目の内部および外部表面を含むが、それゆえ先行技術に関連する問題点、特に上述の溶接継ぎ目の内部表面上の保護用金属コーティングを融解する前に溶接継ぎ目の外部表面上の外部表面上の保護用金属コーティングが融解するという問題点を含むが、これらの問題点を消去する。この発明の方法の一つの好ましい実施例を、図面を参照して今から記載する。しかし、当業者には理解できるであろうように、この発明の方法は開示された実施例に限られず、様々な修正が追加された請求項の範囲内でなされてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
上で参照された米国特許に開示されたように、この開示はここで参照として組み込まれるが、典型的なチューブ形成ミル(tube forming mill)内で、鋼鉄または鉄のような鉄類から形成される金属帯のような平坦な金属帯またはスケルプがミルによって受け止められる。しかし、この発明の方法は鉄類のチューブに限られず、真鍮や銅を含む任意の金属チューブを含んでもよい。金属帯は、典型的に、支払い(payout)リール(図示せず)上に置かれた帯の状態で(in coils)チューブ形成ミルに供給され、それは従来の手段で扱われ、洗浄され、巻き取られて開放された継ぎ目のチューブ20となる。しかし、図1に示すように、従来のチューブ形成ミルにおいて、チューブの開放端は開放された継ぎ目のチューブの最上部に位置し、底部というよりはむしろ最上部に位置する継ぎ目が溶接される。この発明の方法の好ましい実施例において、帯はまず両方の表面が保護用金属コーティングでコートされたものであり、保護用金属コーティングは、それから、好ましくは上記の理由および上で参照された米国特許に記載された理由により、溶接の前に、帯の外側縁に隣接するところからはがされる。
【0016】
この発明のコーティング方法の好ましい一実施例において、開放された継ぎ目20は、無酸化雰囲気または還元性雰囲気において溶接され、溶接継ぎ目の内部表面の真上の保護用金属コーティングのリフロー(reflow)を促進させるためにチューブ内部で無酸化雰囲気を維持することは有利なことである。これは、囲い32内の溶接エリアを囲うことおよび無酸化ガスまたは還元性ガスをチューブの内部に注入することにより達成されてもよい。ここで用いられるように、無酸化ガスまたは雰囲気は、たとえばアルゴンのような、チューブの融解した端やコーティングを含む融解した金属の酸化を消去し、妨げ、抑制するガスや雰囲気を参照する。無酸化ガスは水素のような還元性ガスもまた含んでいてもよく、還元性ガスは高温(elevated temperature)における金属帯上に形成された金属酸化物と反応し、それゆえ、金属コーティングのリフローの準備のために帯の表面から酸化物を効果的に取り除く。無酸化ガスもまた、高温において金属酸化物が形成されるのを妨げるようにしてもよい。それゆえ、無酸化ガスまたは雰囲気は、窒素のような比較的不活性なもの、またはアルゴンのような不活性ガスであってもよく、しかしまた、水素のような還元性ガスを含んでいてもよく、水素は無酸化ガスとして用いられてもよい。典型的な無酸化ガスはそれゆえアルゴンまたは水素単体、または組み合わせたものを含んでもよい。囲い32の雰囲気は無酸化ガスが囲いから逃げること、好ましくは帯の開放端が通り過ぎる(past)こと、による許すことによる化学的平衡に到達するのもまた妨げるべきである。
【0017】
この発明の方法の開示された実施例において、開放された継ぎ目のチューブ20は、摩擦の弾力剤(a friction resilient material)から形成されてもよい内部プラグ(inner plug)(図示せず)を有するガスシール34を通して受け取られる。ガスポート36は、無酸化ガスを開放された継ぎ目のチューブ20内に注入する出口を有するプラグボディ(plug body)の支持部(support portion)から延びている。ライン38は無酸化ガスをソース(source)40から受け取る。ライン42もまた無酸化ガスのソース40に接続され、囲い32の中に無酸化ガスを注入する。最後に、無酸化ガスはインピーダ(impeder)44の内部にライン46を通して注入されてもよい。それゆえ、器具の開示された実施例において、チューブ20の内部および外部は、溶接の間、無酸化ガス雰囲気に維持される。溶接管22の外部もまた、無酸化雰囲気内に囲われていても(図示せず)よい。
【0018】
開放された継ぎ目のチューブは、記載したように好ましくは無酸化雰囲気を維持する間、任意の従来の溶接方法で溶接されてもよい。開示された実施例において、溶接器具は高周波数の交流電源(図示せず)に接続されたワークコイル48を含む。ワークコイル48は、ワークコイル48に隣接した開放された継ぎ目のチューブ20内において、交代で電流を誘導する強い磁場を作る。開示された実施例において、インピーダ44は開放された継ぎ目のチューブ20の反対の隣接した端の間に、上の方向に延びる。従来の誘導溶接インピーダは、典型的には1以上のフェライトロッド(ferrite rods)で囲まれた非金属のチューブからなる。水またはミル冷却剤(coolant)は、典型的には、磁気ヒステリシスおよび渦電流損を生み出す熱を取り除くために、フェライトロッドを通り過ぎて(over and past)循環される。誘導溶接(induction welding)に共通して用いられる周波数(典型的には200から800kHz)において、電流はチューブの周りおよび開放された継ぎ目のチューブ20の近づいている端により形成される“V字形”(Vee)に沿って流れ、端を、当該端が少なくとも部分的に融解する高温の鍛造温度に加熱する。当業者には理解されるであろうように、鉄類のチューブはまた、60kHzまでのより低い周波数で溶接される。周波数が低くなるほど、チューブが加熱される範囲は広くなり、それゆえ、コーティングの損を減らすためにコーティングの融点以上に加熱される範囲を限定することは好ましい。端は、それから共に絞りロール(squeeze roll)50によって鍛造され、そのうちの1つが図1に示されるが、その結果、溶接のバリを含む全体の(integral)溶接継ぎ目22が形成される。帯が鋼鉄である場合、たとえば、帯の端の温度は、溶接中は2,300°Fから2,600°Fまで、またはそれを超える温度に到達し、その結果、溶接領域またはその近傍において約780°Fの融点を有する亜鉛、アルミニウムおよびそれらの合金といった任意の保護用金属コーティングを融解または蒸発させる。さらに、上述したように、金属チューブの合金および保護用金属コーティングは、溶接継ぎ目の領域上の付着性の保護用金属コーティングの形成を阻害する溶接の間、形成されていてもよく、また、それゆえ、上述したように、溶接の前に金属帯の外側縁から保護用金属コーティングをはがしておくことが望ましい。
【0019】
外側のバリは、それから、図1に示すようにスカーフィングツール(scarfing tool)56で取り除かれ、それは、示されたように、バックアップローラー(backup roller)58を従来含む。典型的な用途において、溶接領域が比較的高温の間にチューブの外部上のバリ54はスカーフィングツールによってより容易にはがされてもよく、チューブはそれからより低い温度に急冷されてもよく(図示せず)、保護用金属コーティングの融点未満に急冷されることが好ましい。急冷に対する要求は、ラインの速さおよび長さに依存するであろう。しかし、溶接管の温度は好ましくは保護用金属コーティングの融点未満の温度に減らされ、また、追加の保護用金属コーティングおよびリフローの用途にとって弊害があるかもしれない潜在的に酸化されている金属の追加の層を取り除くワイヤーブラシ60によってワイヤーブラッシングする前に室温に下げてもよい。ワイヤーブラシ60はまた、酸化層を取り除くために、示されたように、反時計回りに回転されてもよく、また、溶接管は上述したように無酸化雰囲気内で囲まれていてもよい(図示せず)。
【0020】
非付着性の保護用金属コーティングは、それから、任意の適した手段によって、溶接継ぎ目の内部または外部表面および溶接領域に当てられる。上で参照した米国特許6,042,659号に開示されているように、スプレーノズル64は適したフラックス(flux)の細かい霧を溶接領域の外部表面上に向けるために使われてもよい。フラックス64は、液体フラックスのソース66に接続されている。適したフラックスは、Zaclon Companyから入手できるZaclon fluxのような塩化亜鉛を含む。フラックスは、たとえば細かいスプレーまたは霧を作る空気または好ましくは無酸化ガスで当該フラックスを吹き飛ばすように、溶接継ぎ目の外部表面または隣接する領域上にスプレーされ、または曇らせる。フラックスは溶接継ぎ目の外部表面にある任意の酸化物を減らし、より容易に金属コーティングがなされる表面を提供する。それについては以下に続く。
【0021】
この発明の方法の開示された実施例において、溶接領域の外部表面は、それから、従来の誘導継ぎ目ヒータのような誘導ヒータまたはシームコイル68によって、保護用金属コーティングの融点よりも低い温度まで加熱され、または予熱される。開示された方法において、溶接領域は、好ましくは、亜鉛から形成される保護用金属コーティングのために、200°Fから600°Fまたはより好ましくは500°Fと600°Fとの間のような、
溶接領域を予熱するための保護用金属コーティングの融点未満の温度まで好ましくは予熱される。温度は、保護用金属コーティングの融点が、たとえばアルミニウムや亜鉛アルミニウム合金のような亜鉛の融点より高いものの場合、より高くしてもよい。溶接継ぎ目を予熱しておくことが好ましいが、この発明の方法においてはまた任意である。
【0022】
非付着性の保護用金属コーティングはまた、溶接継ぎ目の外部表面に霧化された(atomized)溶解した金属を溶射することにより、予熱された溶接継ぎ目領域の外部表面上に当てられる。この発明の方法の開示された実施例において、また、上で参照された米国特許6,042,659号に記載されたように、溶射器(thermal spray apparatus)70は従来の二線式の(two wire)アーク溶射器であり、コーティング金属の消耗電極が溶射銃(thermal spray gun)に送り込まれ、電気アークは電極の近づいてくる端を横切ってぶつかり、電極の端を溶解し、また、ガスは溶射銃を通して送り込まれ、溶解した金属を霧化し、霧化された金属はそれから溶接継ぎ目の領域の外部表面上にスプレーされる。従来のこのタイプの二線式のアーク溶射器は商業的に多数の供給元から利用できる。しかし、他の溶射器もまたこの方法に適していると考えられる。
【0023】
上記の通り、非付着性の保護用金属コーティングはまた、上で参照された米国特許に開示された方法により、特に上で参照された米国特許6,290,786号に開示された方法により当てられてもよい溶接継ぎ目の内部表面にも当てられる。開示された実施例において、微粒子または細かい粉末状の金属コーティング材料はワンド(wand)80を通して溶接囲い32の下流に位置するノズル82に運ばれる。ワンド80は粉末状のコーティング材料86のソースにラインで接続されている。一つの好ましい実施例において、粉末状のコーティング材料は、液体フラックスと混合されて、上で参照された米国特許6,290,786号に詳細に開示してあるように、溶接継ぎ目の内部表面の真上にあるフラックスと粉末状のコーティング材料とのペーストを形成する。
【0024】
溶接継ぎ目の内部および外部表面に付着性の保護用金属コーティングを当てる方法の次のステップは、まず外部から溶接継ぎ目を、溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングの融点まで加熱することである。この発明の方法のこの実施例において、上述したように、溶接継ぎ目は誘導シームコイル70によって予熱され、それからフルボディ誘導コイル78を通すように溶接管が向けられ、その結果溶接継ぎ目が保護用金属コーティングの融点まで加熱される。しかし、上述したように、フルボディ誘導コイル78はまず、溶接継ぎ目の内部表面上の保護用金属コーティングが融解する前に溶接継ぎ目の外部表面をその融点まで加熱すると、溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングの損失、溶解継ぎ目の外部表面上の融解した保護用金属コーティングの漏れだしやこぼれ落ち、粗い表面の形成といった結果となる。
【0025】
この問題点は、今から記載するように、溶接継ぎ目の内部表面上の保護用金属コーティングを融解させるために溶接継ぎ目の加熱を続ける間、溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングが融解するときに冷却液を溶接継ぎ目の外部表面に当てるというこの発明の方法により解決される。開示された実施例において、図2に示すように、たとえば冷水のような冷却剤は、ソース90からノズル92を通して溶接継ぎ目の外部表面上にスプレーされ、フルボディ誘導コイル78で溶接継ぎ目を加熱し続け、また、図2に示すように、溶接継ぎ目96の内部表面上の保護用金属コーティング98が融解し、溶接継ぎ目96の内部表面の真上を流れるまで溶接継ぎ目を加熱し続ける間、溶接継ぎ目96の外部表面上の保護用金属コーティング94を凍らせる。この発明の方法の好ましい一実施例において、最後の加熱ステップはフルボディ誘導コイル78内で行われ、冷却剤はノズル92または複数のノズル(図示せず)で、図1に示すようにフルボディコイル78のコイルの間からスプレーされる。冷却剤は溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングが融解してから任意の手段で溶接継ぎ目の外部表面に当ててもよいが、もっとも容易なのはスプレーによるものである。図1に示すように、冷却剤は、溶接管22の下部またはその近傍に位置する溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティングが融解した後に、ノズル92のそばからスプレーされてもよいが、しかしフルボディ誘導コイルの終端から離れてもよい。器具はまた、複数のノズル92を含んでいてもよいが、これは用途に依存する。溶接継ぎ目が初期はチューブの最上部に位置してもよいが、しかしチューブは、コーティングの間チューブの底部近傍に溶接を位置させるためにそれから回転したりねじられたりしてもよいことは理解されるであろう。
【0026】
図2に示されるように、溶接管22は、上述したように、溶接管22の外部表面上の保護用金属コーティング24と、成形され溶接される前に金属帯に対して適用されてもよい溶接管22の内部表面上の保護用金属コーティング26と、を含む。また、上述したように、溶接継ぎ目96の外部表面に当てられた保護用金属コーティング94および溶接継ぎ目96の内部表面に当てられた保護用金属コーティング98は、必須ではないが好ましくは、同一の保護用金属コーティングであり、また、保護用金属コーティングが溶接管22の内部または外部上の連続したコーティングを形成するために、帯の外部および内部表面に当てられた同一の保護用金属コーティング24、26である。
【0027】
開示された実施例において、この発明の方法の最後のステップは、図1に示したようにコートされた金属チューブを急冷することである。急冷タンク100は、たとえば水のような従来の急冷用液体(quenching liquid)を含んでいてもよく、また、好ましくは当業者に知られるようにシール104を含む。コートされたチューブ22の急冷は、溶接継ぎ目96の内部上の保護用金属コーティング98を凍らせる。非付着性の保護用金属コーティングをその融点まで加熱し、コーティングを所定位置で凍らせることによって、保護用金属コーティングと金属チューブ22との間でよい金属結合が得られることがわかった。さらに、この発明の方法は、たとえばフルボディコイル78のような、500から1000Hzの周波数のような低い周波数を持つ誘導ヒータの利用を許し、それゆえ溶接継ぎ目96の外部表面上の保護用金属コーティング94を損失する結果に終わることなく、誘導加熱の熱浸透を向上させる。なぜならばこの方法は記載されたようにコーティングを凍らせる結果となるからである。代わりに、または組み合わせて、フルボディ誘導コイル78の長さは増加されてもよく、または複数の誘導コイルが誘導コイル内のチューブのドウェル時間を増加させるために用いられてもよい。これは大いにこの発明の方法の適用を増加させるものであり、誘導ヒータの周波数浸透(frequency penetration)を超える厚さを持つ金属チューブまたはパイプにこの発明の方法を利用することを含む。開示された実施例において、フルボディ誘導コイル78の周波数は1000Hzまたは500Hzまたはそれ未満に落とされてもよく、その結果、よりよい熱浸透を得て、実質的により大きい厚さを持つ金属チューブで溶接継ぎ目96の内部表面上の保護用金属コーティング98を融解することになる。開示された実施例において、誘導継ぎ目ヒータ68は、たとえば15インチと20インチとの間の長さを持ってもよく、フルボディ誘導ヒータ78は、たとえば40インチと60インチとの間の長さを持ってもよく、または複数のフルボディ誘導コイルが用いられてもよい。その結果、溶接継ぎ目96の内部表面上の保護用金属コーティング98の効率よい加熱へとつながる。
【0028】
当業者には理解できるであろうように、様々な変形が追加されたクレームの範囲内でこの発明の方法に対してなされてよい。すなわち、金属チューブの溶接継ぎ目領域を外部から加熱するのに、誘導加熱以外の、特に誘導継ぎ目ヒータ68およびフルボディコイル78の組み合わせ以外の様々な手段が用いられてもよい。一つの誘導コイルまたはシームコイルまたは双方の複数が、たとえば、溶接継ぎ目を外部から加熱するのに用いられてもよい。さらに、様々な冷却剤、たとえば液化炭酸ガスまたは液化炭酸ガスに近いものを含むものが、溶接継ぎ目の外部表面上の保護用金属コーティング94に当てられてもよい。他のガス状のまたは液体の冷却剤もまた使われてもよく、好ましい冷却剤は用途に依存してもよい。さらに、上記の通り、開放された継ぎ目のチューブ20の継ぎ目を溶接する任意の適した方法が用いられてもよい。このチューブの溶接されたチューブの内部および外部表面をコーティングする方法の好ましい実施例を記載したので、本発明は今、以下の通りクレームされる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の方法を実施するための器具を側面から見た概略図である。
【図2】矢印2−2の方向から見た、側面から見た図1の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
付着性の保護用金属コーティング(protective metal coating)を、金属チューブの溶接継ぎ目(welded seam)の内部および外部表面に当てる連続的な方法であって、
第1の保護用金属コーティングを、連続的に動く金属チューブの溶接継ぎ目の外部表面に貼り付けることと、
第2の保護用金属コーティングを、前記連続的に動く金属チューブの前記溶接継ぎ目の内部表面に貼り付けることと、
外部から前記溶接継ぎ目を加熱して、まず、前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記第1の保護用金属コーティングをその融点まで加熱し、前記第1の保護用金属コーティングを前記溶接継ぎ目の前記外部表面の真上で融解することと、
外部から前記溶接継ぎ目を加熱している間、前記溶接継ぎ目の外部表面上の前記第1の保護用金属コーティングに、冷却液(fluid coolant)を当て、それから前記溶接継ぎ目の外部表面上の第1の保護用金属コーティングを凍らせ、前記金属継ぎ目の前記外部表面上の付着性の保護用コーティングを形成することと、
外部から前記溶接継ぎ目を加熱することを継続し、前記溶接継ぎ目の前記内部表面上の前記第2の保護用金属コーティングを加熱し、前記溶接継ぎ目の前記内部表面の真上にある前記第2の保護用金属コーティングを融解することと、
前記金属チューブを急冷することと、
から上記ステップが構成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
誘導ヒータ(induction heater)により外部から前記継ぎ目を加熱する、
ことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
まず外部から前記溶接継ぎ目を誘導継ぎ目コイルで前記第1および第2の保護用金属コーティングの融点よりも低い第1の温度に加熱し、それから前記金属チューブと前記溶接継ぎ目とを、前記金属チューブを囲むフルボディ(full body)誘導コイルで外部から加熱し、前記フルボディ誘導コイル内で前記溶接継ぎ目が加熱されている間、前記冷却液を前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記第1の保護用金属コーティングに当てる、
ことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フルボディ誘導コイルのコイルを通して前記冷却液を噴霧する、
ことを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記冷却液を、前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記第1の保護用金属コーティング上に噴霧する、
ことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記溶接継ぎ目の前記外部表面上に、融解された第1の保護用金属コーティングを溶射(thermal spraying)することで前記第1の保護用金属コーティングを行う、
ことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記溶接継ぎ目の前記内部表面に、微粒子型の金属を当てることによって前記第2の保護用金属コーティングを行う、
ことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
微粒子の金属のペーストと液体フラックス(liquid flux)とを前記溶接継ぎ目の前記内部表面にあてて、前記第2の保護用金属コーティングのペーストと液体フラックスとを形成する、
ことを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記金属チューブの低い位置に位置する前記溶接継ぎ目に対して行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
金属チューブの溶接継ぎ目の内部および外部表面に対して付着性の保護用金属コーティングを行う方法であって、
第1の保護用金属コーティングを、前記金属チューブの低い位置に位置する前記溶接継ぎ目を持つ連続的に動く金属チューブの溶接継ぎ目の外部表面に行うことと、
第2の保護用金属コーティングを、前記連続的に動く金属チューブの前記溶接継ぎ目に行うことと、
誘導ヒータによって前記溶接継ぎ目を外部から加熱し、まず、前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記第1の保護用金属コーティングをその融点まで加熱し、前記溶接継ぎ目の前記外部表面の真上で前記第1の保護用金属コーティングを融解することと、
誘導ヒータで前記溶接継ぎ目を外部から加熱し続けている間、前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記第1の保護用金属コーティングに対して冷却液を当て、それから前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記第1の保護用金属コーティングを凍らせ、前記溶接継ぎ目の前記外部表面上に付着性の保護用金属コーティングを形成することと、
誘導ヒータで前記溶接継ぎ目を外部から加熱し続け、前記溶接継ぎ目の前記内部表面上の前記第2の保護用金属コーティングを加熱し、前記溶接継ぎ目の前記内部表面の真上の前記第2の保護用金属コーティングを融解することと、
前記金属チューブを急冷し、それによって前記溶接継ぎ目の前記内部表面上の前記第2の保護用金属コーティングを凍らせ、前記溶接継ぎ目の前記内部表面上に付着性の保護用金属コーティングを形成することと、
から上記ステップが構成されることを特徴とする方法。
【請求項11】
まず、外部から前記第1および第2の保護用金属コーティングの融点より低い第1の温度まで、誘導シームコイル(seam coil)で前記溶接継ぎ目を外部から加熱し、それから外部から前記金属チューブおよび前記溶接継ぎ目を、前記金属チューブを囲むフルボディ誘導コイルで加熱し、前記金属チューブと前記溶接継ぎ目とを前記フルボディ誘導コイルで加熱し続ける間、前記第1の保護用金属コーティングに前記冷却液を当てる、
ことを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記冷却液を前記フルボディ誘導コイルのコイルを通して前記冷却液を噴霧する、
ことを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記溶接継ぎ目を外部から加熱しながら、前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記第1の保護用金属コーティング上に前記冷却液を噴霧する、
ことを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記溶接継ぎ目の前記外部表面上に融解した保護用金属コーティングを溶射することで、前記第1の保護用金属コーティングを行う、
ことを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
微粒子の金属のペーストと液体フラックスとを前記溶接継ぎ目の前記内部表面にあてて、前記第2の保護用金属コーティングを形成する、
ことを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
溶接継ぎ目を含む溶接金属管(welded metal tube)の内部および外部をコーディングする方法であって、
保護用の金属コーティングを金属帯(metal strip)の双方の側に行うことと、
前記金属帯を巻き取り、チューブおよび前記チューブの溶接される反対に位置する端を形成し、溶接継ぎ目を形成することと、
前記溶接継ぎ目の外部表面の真上に前記保護用金属コーティングを行うことと、
前記溶接継ぎ目の内部表面の真上に前記保護用金属コーティングを行うことと、
前記チューブの低い場所に位置する前記溶接継ぎ目とともに前記溶接継ぎ目を誘導ヒータで外部から加熱し、まず前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記保護用金属コーティングを前記保護用金属コーティングの融点まで加熱し、前記溶接継ぎ目の前記外部表面の真上の前記保護用金属コーティングを融解することと、
前記溶接継ぎ目を外部から加熱している間、前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記保護用金属コーティングに冷却液を当てて、それから前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記保護用金属コーティングを凍らせ、前記溶接継ぎ目の前記外部表面上で付着性の保護用金属コーティングを形成することと、
誘導ヒータで前記溶接継ぎ目を加熱し続け、前記溶接継ぎ目の前記内部表面上の前記保護用金属コーティングを加熱し、前記溶接継ぎ目の前記内部表面上の前記保護用金属コーティングを融解することと、
前記チューブを急冷し、それによって前記溶接継ぎ目の前記内部表面上の前記保護用金属コーティングを凍らせ、前記溶接継ぎ目の前記内部表面上に付着性の保護用金属コーティングを形成することと、
から上記ステップが構成されることを特徴とする方法。
【請求項17】
まず、外部から前記保護用金属コーティングの融点より低い第1の温度まで、誘導シームコイルで前記溶接継ぎ目を外部から加熱し、それから外部から前記溶接継ぎ目を、前記金属チューブを囲むフルボディ誘導コイルで加熱して前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記保護用金属コーティング上に冷却液を当て、前記フルボディ誘導コイルで前記チューブと前記溶接継ぎ目とを外部から加熱し続ける間に前記溶接継ぎ目の前記外部表面上の前記保護用金属コーティングを凍らせる、
ことを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
融解した保護用金属コーティングを前記溶接継ぎ目の前記外部表面上に溶射することで、前記金属継ぎ目の前記外部表面上に前記保護用金属コーティングを行う、
ことを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
微粒子状の金属を用いて、前記溶接継ぎ目の前記内部表面上の前記保護用金属コーティングを行う、
ことを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
微粒子の金属のペーストと液体フラックスとを前記溶接継ぎ目の前記内部表面にあてて、前記保護用金属コーティングを前記溶接継ぎ目の前記内部表面の真上に形成する、
ことを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−508487(P2008−508487A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523734(P2007−523734)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/026512
【国際公開番号】WO2006/014970
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(507030302)アイドッド システムス、エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】