説明

溶液を超音波で霧化する超音波霧化機

【課題】複数の超音波振動子で霧化されるミストを効率よく集めて霧化室から排出できる溶液を超音波で霧化する超音波霧化機を提供する。
【解決手段】溶液の超音波霧化機は、溶液を超音波振動させてミストとする。原液を複数の超音波振動子2で超音波振動させてミストに霧化する霧化室4を備える。霧化室4は、複数の区画室5を備えており、この区画室5に超音波振動子2を配設すると共に、区画室5に供給される溶液を超音波振動子2で超音波振動させてミストに霧化して、区画室5から排出する。超音波振動子2で霧化された溶液のミストに搬送気体を供給する供給開口14を区画室5の底部に設けており、供給開口14から供給される搬送気体でもって、霧化されたミストを、区画室5を上方に通過させて外部に排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液を超音波で霧化する超音波霧化機に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、原液を超音波振動させてミストとし、このミストを回収して原液に含まれる目的物質を高濃度とする溶液を分離する装置を開発した。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2001−314724号公報
【0003】
この分離装置は、例えばアルコールを含む原液を超音波振動させて、搬送気体中に微細なミストとし、霧化されたミストを搬送気体から分離、回収して原液よりも高濃度なアルコール溶液を分離できる。この方式の分離装置は、原液を加熱して気化させる装置に比較して、少ないエネルギーで高濃度なアルコールを分離できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
超音波振動でアルコール等の目的物質を高濃度に含む溶液を分離する装置は、処理能力を大きくするために、多数の超音波振動子を使用する必要がある。それは、ひとつの超音波振動子の出力が比較的小さいため、複数の超音波振動子を使用して処理能力を大きくするためである。また、小出力である多数の超音波振動子で液面の多数の部分を超音波振動させて、液を広い液面から効率よくミストに霧化させるためである。超音波分離装置は、たとえば、超音波振動子の総合出力を1kW〜数百kWとし、ひとつの超音波振動子の出力を10Wとすると、100〜数万個と極めて多数の超音波振動子を使用することもある。
【0005】
しかしながら、複数の超音波振動子で原液をミストに霧化する超音波分離装置は、各々の超音波振動子で霧化されたミストを効率よく回収するのが難しい問題点がある。とくに、複数の超音波振動子を霧化室に配設して、これらの超音波振動子で霧化されたミストを霧化室から回収部に移動させて回収する分離装置は、多数の超音波振動子で霧化されたミストを効率よく霧化室から排出できない問題点がある。それは、各超音波振動子で霧化された微細なミストが霧化室から排出される前に、互いに衝突しあって凝集し、ミストの状態で霧化室から排出できなくなるからである。
【0006】
本発明は、このような欠点を解決することを目的として開発されたものである。本発明の第1の目的は、複数の超音波振動子で霧化されるミストを効率よく集めて霧化室から排出できる溶液を超音波で霧化する超音波霧化機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、目的物質を含む溶液を超音波振動させてミストとする。この超音波霧化機は、溶液を複数の超音波振動子2で超音波振動させてミストに霧化する霧化室4を備える。霧化室4は、複数の区画室5を備えており、この区画室5に超音波振動子2を配設すると共に、区画室5に供給される溶液を超音波振動子2で超音波振動させてミストに霧化し、区画室5から排出する。
【0008】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、霧化室4の内部を隔壁8で区画して複数の区画室5を設けることができる。
【0009】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、霧化室4の内部を隔壁8で格子状に区画して、複数の区画室5を縦横に隣接して設けると共に、隣接する区画室5の間に位置する隔壁8の下端部に連通開口9を開口して、霧化室4に供給される溶液を隣接する区画室5間で移動できるようにすることができる。
【0010】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、複数の区画室5を、連通開口9を介して直列に連結することができる。
【0011】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、霧化室4の内部に複数のユニットケース61を配置して、このユニットケース61で区画室5を構成することができる。
【0012】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、超音波振動子2で霧化された溶液のミストに搬送気体を供給する供給開口14を区画室5の底部に設けて、この供給開口14から供給される搬送気体でもって、区画室5を通過させてミストを外部に排出する。
【0013】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、超音波振動子2の上方に、超音波振動子2で超音波振動される溶液を排出してミストに霧化させる開口部12を有する筒体6を設けることができる。
【0014】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、筒体6が内筒6aの外側に外筒6bを備えて、内筒6aと外筒6bとの間に搬送気体のダクト15を設けると共に、このダクト15が、筒体6の開口部12の周縁に供給開口14を開口して、供給開口14から搬送気体を排出することができる。
【0015】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、霧化室4が、複数の超音波ユニット60と、超音波ユニット60を脱着できるように連結している基台90とを備えることができる。超音波ユニット60は、内部に溶液を供給するユニットケース61と、このユニットケース61の底面に設けられた超音波振動子2と、この超音波振動子2で超音波振動される溶液を排出してミストに霧化させる開口部12を有する筒体6とを備えることができる。ユニットケース61は、内部を区画室5とすると共に、筒体6から排出される溶液のミストに搬送気体を供給する供給開口14を設けることができる。この超音波霧化機は、複数の超音波ユニット60を基台90に連結し、基台90から各々のユニットケース61に溶液を供給し、筒体6から排出されるミストを供給開口14に供給する搬送気体で区画室5の外部に排出することができる。
【0016】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、超音波振動子2と筒体6とを一体的に連結してなる脱着ユニット80として、この脱着ユニット80を区画室5の底部に脱着自在に連結することができる。
【0017】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、超音波振動子2に接続されて超音波振動子2に高周波電力を供給して超音波振動子2を超音波振動させる高周波電源3を備え、この高周波電源3と超音波振動子2とを一体的に連結してなる連結ユニット57として、この連結ユニット57を区画室5の底部に脱着自在に連結することができる。
【0018】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、ユニットケース61が、溶液を供給する溶液供給管70と、超音波振動子2に電力を供給する電源コード76とを備え、この溶液供給管70と電源コード76とを脱着できるように基台90に連結して、超音波ユニット6を基台90に連結することができる。
【0019】
本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機は、ユニットケース61が、筒体6のダクト15に搬送気体を供給する気体供給管72を備え、この気体供給管72を脱着できるように基台90に連結して、超音波ユニット6を基台90に連結することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の超音波霧化機は、複数の超音波振動子で霧化されるミストを効率よく集めて霧化室から排出できる特長がある。それは、本発明の超音波霧化機が、溶液を超音波振動させてミストに霧化する霧化室に、複数の区画室を備えており、この区画室に配設される超音波振動子で溶液を超音波振動させてミストに霧化し、区画室から排出するからである。このように、霧化室の内部を複数の区画室に区画して、区画室に超音波振動子を配設する構造は、複数の超音波振動子で霧化されるミストを区画室に沿って移送させて霧化室から排出するので、霧化されたミストを効率よく回収できる。各々の区画室を移動するミストは、互いに干渉しあうことなく移送され、いいかえると搬送途中で気相が乱れることなくスムーズに移送され、また、ミスト同士が互いにぶつかり合って凝集することなく効率よく回収される。したがって、複数の超音波振動子で霧化されるミストを効率よく集めて霧化室から排出できる。
【0021】
とくに、本発明の請求項6の超音波霧化機は、ミストに搬送気体を供給する供給開口を区画室の底部に設けて、この供給開口から供給される搬送気体でもって、霧化されたミストを、区画室を通過させて外部に排出するので、超音波振動子で霧化されたミストを移送する搬送気体の流れを各区画室ごとに制御して、霧化されたミストを理想的に移送させて区画室から排出できる。
【0022】
さらに、本発明の請求項8の超音波霧化機は、超音波振動子の交換を簡単にできる特長がある。それは、本発明の溶液を超音波で霧化する超音波霧化機が、複数の超音波ユニットとこの超音波ユニットを脱着できるように連結している基台とを備えており、この超音波ユニットが内部に溶液を供給するユニットケースと、溶液を超音波振動させる超音波振動子と、超音波振動される溶液を排出してミストに霧化させる開口部を有する筒体とを備え、複数の超音波ユニットを基台に連結し、基台から各々の超音波ユニットのユニットケースに溶液を供給すると共に、ユニットケースから排出されるミストを搬送気体で外部に排出するからである。この構造の超音波霧化機は、各々の超音波ユニットが超音波振動子を備えており、これらの超音波ユニットを基台に連結しているので、超音波振動子を交換するときには、超音波ユニットを基台から取り外して交換して、簡単にできる特長がある。したがって、多数の超音波振動子を備える超音波霧化機において、超音波振動子の交換にかかる手間や時間を極減して、メンテナンスにかかるコストを低減できると共に、装置の稼動効率を向上できる。さらに、本発明の超音波霧化機は、超音波ユニットを多量生産することにより、その拡張を容易にできると共に、生産コストを低減できる特長もある。
【0023】
さらに、本発明の請求項8の超音波霧化機は、基台に連結されるユニットケースに超音波振動子を固定しているので、超音波振動子を理想的な防水構造としながら交換できる特長がある。それは、本発明の超音波霧化機が、従来のように、霧化室のケーシングに手間と時間をかけて超音波振動子を防水構造で固定するのではなく、超音波振動子が理想的な防水構造で固定されたユニットケースを交換するからである。
【0024】
さらに、本発明の請求項8の超音波霧化機は、超音波ユニットのユニットケースに、筒体から排出されるミストに搬送気体を供給する供給開口を設けているので、超音波振動子で霧化されたミストを移送する搬送気体の流れを、各ユニットケースごとに制御できる特長がある。したがって、超音波振動子で霧化されたミストを搬送気体で理想的に移送させてユニットケースから排出できる。
【0025】
さらに、本発明の請求項9の超音波霧化機は、超音波振動子と筒体とを一体的に連結してなる連結ユニットを区画室の底部に脱着自在に連結しているので、超音波振動子の交換を簡単にできる特長がある。
【0026】
さらにまた、本発明の請求項10の超音波霧化機は、高周波電源と超音波振動子とを一体的に連結してなる連結ユニットを区画室の底部に脱着自在に連結しているので、超音波振動子の交換を簡単にできる特長がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための溶液を超音波で霧化する超音波霧化機を例示するものであって、本発明は超音波霧化機を以下のものに特定しない。
【0028】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0029】
溶液の超音波分離装置は、目的物質を含む原液を超音波振動させてミストとし、このミストを回収して原液よりも高濃度の目的物質含有液を回収する。以下に示す溶液の超音波分離装置は、少なくとも2種以上の物質を含む溶液を超音波振動させてミストに霧化し、霧化したミストを凝集して回収して高濃度の特定物質を分離する。超音波分離装置は、溶液の溶媒と溶質を特定するものではないが、溶媒は、主として水である。ただ、水以外にもアルコール等の有機溶媒も使用できる。溶液は、例えば以下のものである。
(1) 清酒、ビール、ワイン、食酢、みりん、スピリッツ、焼酎、ブランデー、ウイスキー、リキュール
(2) ピネン、リナロール、リモネン、ポリフェノール類などの香料、芳香成分ないし香気成分を含む溶液
(3) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合した物質を含む溶液
(4) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をハロゲンによって置き換えた物質を含む溶液
(5) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基を水酸基によって置き換えた物質を含む溶液
(6) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をアミノ基によって置き換えた物質を含む溶液
(7) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をカルボニル基によって置き換えた物質を含む溶液
(8) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をカルボキシル基によって置き換えた物質を含む溶液
(9) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をニトロ基によって置き換えた物質を含む溶液
(10) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をシアノ基によって置き換えた物質を含む溶液
(11) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をメルカプト基によって置き換えた物質を含む溶液
(12) 前述の(3)〜(11)の溶液に含まれるいずれか一つ以上の原子を金属イオンによって置換した物質を含む溶液
(13) 先述の(3)〜(11)の溶液に含まれる分子のうち任意の水素原子、炭素原子もしくは官能基を(3)〜(11)の分子のうち任意の分子で置き換えた物質を含む溶液
【0030】
2種以上の物質を含む溶液を超音波振動させて溶液からミストを分離し、分離したミストを凝集して回収すると、ミストから回収された溶液と、ミストにならないで残存する溶液とで、含有物質の濃度が異なる。たとえば、アルコール水溶液を超音波振動でミストに霧化し、霧化されたミストを回収すると、ミストにならないで残存するアルコールよりも高濃度なアルコールとなる。ミストを凝集して回収した溶液のアルコール濃度が高いのは、超音波振動によって、アルコールが水よりもミストに霧化されやすいからである。
【0031】
以下、溶液をアルコールとして、アルコールをミストに霧化し、このミストを回収して高濃度なアルコールを分離する超音波分離装置を示す。ただし、超音波分離装置は、分離する溶液をアルコールには特定しない。本発明は、ミストに霧化して分離できる前述した溶液、あるいはその他の溶液の分離に使用できる。
【0032】
図1、図9及び図10に示す溶液の超音波分離装置は、溶液を超音波振動でミストに霧化する超音波霧化機1と、この超音波霧化機1で霧化されたミストを凝集させて回収する回収部40とを備える。これらの図に示す超音波霧化機は、超音波霧化機1で霧化されたミストを、搬送気体を介して回収部40に流入している。図の超音波霧化機は、循環ダクト41を介して超音波霧化機1を回収部40に連結しており、搬送気体をブロア48で超音波霧化機1から回収部40に移送して、ミストを回収部40に流入させている。
【0033】
超音波霧化機1は、原液を複数の超音波振動子2で超音波振動させてミストに霧化する霧化室4を備える。霧化室4は、内部に複数の区画室5を備えている。図1に示す霧化室4は、内部を隔壁8で区画して複数の区画室5を設けている。図9と図10に示す霧化室4は、内部にユニットケース61を配設して、このユニットケース61で区画室5を構成している。霧化室4は、区画室5に超音波振動子2を配設する共に、区画室5に原液を供給しており、超音波振動子2で原液を超音波振動させてミストに霧化し、霧化されたミストを搬送気体で区画室5から排出させて、このミストを回収している。
【0034】
図1に示す超音波霧化機1の霧化室4は、図2に示すように、内部を隔壁8で格子状に区画して、複数の区画室5を設けている。隔壁8で区画される複数の区画室5は、縦横に並ぶ状態で隣接して設けられている。複数の区画室5は、底部に超音波振動子2を配設している。霧化室4は、図3ないし図8に示すように、底板50に貫通孔50Aを開口すると共に、この貫通孔50Aに超音波振動子2を配置している。図に示す霧化室4は、各々の区画室5に超音波振動子2を配設している。ただ、霧化室は、必ずしも全ての区画室に超音波振動子を配置する必要はない。
【0035】
超音波振動子2は、底板50の貫通孔50Aに配置されて固定される。図の超音波霧化機1は、超音波振動子2を、高周波電源3と一体的に連結してなる連結ユニット57として、底板50に固定している。連結ユニット57は、高周波電源3を構成する電子部品をケーシング58に収納して、このケーシング58の上面に超音波振動子2を配設している。超音波振動子2は、電極を高周波電源3に接続しており、高周波電源3から供給される電力で超音波振動される。高周波電源3は、リード線27を介して超音波振動子2に接続されて、超音波振動子2に高周波出力を出力する。連結ユニット57は、ケーシング58の底部に高周波電源3を構成する電子部品を配設し、ウレタン樹脂やフェノール樹脂等の絶縁樹脂56にポッティングして埋設している。図の連結ユニット57は、ケーシング58の両端部を連結具46を介して底板50に連結して定位置に固定している。ただ、超音波振動子は、連結ユニットとすることなく底板に固定し、高周波電源を外部に配設することもできる。この構造は、超音波振動子を必ずしも水密構造で固定する必要はない。さらに、図に示す連結ユニット57は、高周波電源3に電力を供給する電源コード76をケーシング58から引き出している。図示しないが、この電源コードが、電源に接続されて高周波電源に電力が供給される。
【0036】
霧化室4は、供給機構7を介して内部に原液が供給される。霧化室4は、図1に示す原液の供給機構7に連結されており、この供給機構7でもって、区画室5の内部に原液を供給している。図に示す供給機構7は、溶液ポンプ10と溶液タンク11である。図に示す霧化室4は、一方の側面に原液の供給管42を連結すると共に、他方の側面に原液の排出管43を設けており、供給管42から供給される原液を、霧化室4の内部を通過させて、排出管43から外部に排出する構造としている。霧化室4に供給される原液は、図3に示すように、各々の区画室5の底部に満たされて、各区画室5に配置された超音波振動子2を浸漬させる。霧化室4は、全ての区画室5の内部に原液を供給するために、隣接する区画室5の境界となる隔壁8に連通開口9を開口して設けている。連通開口9は、図3に示すように、互いに隣接する区画室5の間に位置する隔壁8の下端部に開口して設けている。縦横に配設される複数の区画室5は、この連通開口9を介して、霧化室4に供給される原液を隣接する区画室5間で移動できるようにしている。図に示す連通開口9は、開口部の上端縁を区画室5に供給される原液の液面レベルよりも低くしている。ただ、連通開口は、開口部の上端縁を、液面レベルよりも高く開口することもできる。
【0037】
さらに、図2に示す霧化室4は、図の鎖線で示すように、連通開口9を介して複数の区画室5を直列に連結している。この霧化室4は、原液の供給部である供給管42から排出部である排出管43に向かって一本の道筋ができるように、複数の区画室5を連通開口9で連結している。この構造は、供給管42から供給される原液を、ひとつの道筋に沿って流動させて排出管43から排出するので、供給される全ての原液を部分的に淀ませることなく流動させながら霧化できる特長がある。ただ、霧化室は、複数の区画室を必ずしも連通開口で直列に接続する必要はなく、複数の区画室を複数の流路で連結することもできる。
【0038】
さらに、図に示す霧化室4は、超音波振動子2の上方に、超音波振動子2で超音波振動される原液を排出してミストに霧化させる開口部12を有する筒体6を設けている。筒体6は、区画室5の底部であって、超音波振動子2の上方に配設しており、超音波振動子2で超音波振動される溶液から効率よくミストを飛散させる。筒体6は、先端を細くする円錐筒状として、上端に開口部12を開口している。さらに、図に示す筒体6は、内筒6aの外側に外筒6bを配設して、内筒6aと外筒6bとの間に搬送気体のダクト15を設けている。ダクト15は、下端をリングプレート52で閉塞すると共に、筒体6の上端の開口部12の周囲に供給開口14を開口しており、ダクト15に供給される搬送気体を供給開口14から排出するようにしている。筒体6は、搬送気体を漏れないようにダクト15に供給できる構造で霧化室4に連結している。図に示す筒体6は、ゴム状のパッキンである連結リング51を介して霧化室4の底板50に連結して固定している。図の筒体6は、リングプレート52の下面から突出する連結ロッド44を備え、この連結ロッド44を、連結リング51と底板50とに貫通させて固定している。図に示す連結ロッド44は、表面に雄ネジを設けており、連結リング51の貫通部51Bと、底板50の連結孔50Cとを貫通させると共に、先端部にナット45をねじ込んで筒体6を底板50に固定している。さらに、筒体6は、区画室5に供給される原液を、筒体6の下端の内側であって超音波振動子2の上方に位置する霧化領域53に流入できるように、連結リング51に流入部51Xを設けている。
【0039】
連結リング51は、筒体6と底板50とを密着状態に連結するゴム製のパッキンである。連結リング51は、中心に中心孔51Aを開口すると共に、この中心孔51Aの両側に、円弧状の貫通部51Bを設けている。この貫通部51Bは、リングプレート52の通気孔52Bを底板50の通気孔50Bに連通すると共に、リングプレート52に設けた連結ロッド44を通過させる貫通孔に併用している。筒体6のリングプレート52は、図4に示すように、下面から突出する連結ロッド44の両側に、通気孔52Bを開口している。したがって、連結リング51の貫通部51Bは、連結ロッド44とその両側に位置する通気孔52Bに対向する位置に開口している。ただ、連結リングは、連結ロッドを挿通する貫通部と通気孔に対向する貫通部とを別々に設けることもできる。さらに、連結リング51は、区画室5に供給される原液を中心孔51Aの内側に流入させる流入部51Xを設けている。図4に示す連結リング51は、中心孔51Aの両側であって、貫通部51Bの間に位置する下面に、中心孔51Aから外周面まで半径方向に延びる凹部を設けて原液の流入部51Xとしている。凹部である流入部は、連結リングの上面に設けることもできる。さらに、連結リングは、半径方向に貫通する貫通孔を設けて流入部とすることもできる。
【0040】
筒体6は、霧化領域53に供給される原液に、超音波振動子2から開口部12に向かって超音波振動を与えて、開口部12からミストに霧化して飛散させる。図の超音波振動子2は、上方に超音波を放射する。したがって、筒体6は、超音波振動子2の上方に、垂直な姿勢で固定している。この筒体6は、超音波振動子2の振動を、連結リング51の中心孔51Aとリングプレート52の中心孔52Aとを通過させて、内筒6aの内部に伝達し、霧化領域53の原液に超音波振動を与えてミストに霧化する。この筒体6は、超音波振動子2で超音波振動される原液から効率よくミストを飛散させる。図の筒体6は、上端に向かって次第に細くなる円錐ホーンである。ただし、筒体は、内面の形状をエクスポーネンシャルカーブとするエクスポーネンシャルホーンとすることもできる。円錐ホーンやエクスポーネンシャルホーンの筒体6は、内部に効率よく超音波振動を伝達させて、溶液を能率よくミストに霧化できる特徴がある。ただ、本発明は、筒体を、円筒形状、楕円筒状、多角筒状とすることもできる。
【0041】
筒体6は、内筒6aの下端の内形を、超音波振動を効率よく内部に伝達できるように、超音波振動子2の外形より大きくして、超音波振動が内面に沿って上昇するようにしている。図3ないし図6に示すように、筒体6の下方に超音波振動子2を配設する構造は、内筒6aの下端の内形を超音波振動子2の外形より大きくする。たとえば、内筒6aの下端の内形は、超音波振動子2の外径の100〜500%、好ましくは150〜300%とする。
【0042】
筒体6の開口部12の大きさは、筒体6に供給される溶液が液柱Pとして開口部12から突出するときの液柱Pの太さ、すなわち液柱Pの断面積を特定する。断面積の大きい液柱は、表面積が広くなるので超音波振動によって気体中に効率よくミストに霧化できる。ただ、断面積が大きすぎると、液柱の表面から霧化するのに必要な超音波振動子のエネルギーが大きくなる。反対に、断面積を小さくすると、霧化するのに必要な超音波振動子のエネルギーを小さくできるが、液柱の表面積が小さくなるので超音波振動によってミストに霧化する効率が低下する。したがって、筒体6の開口部12の大きさは、これらのことを考慮しながら、超音波振動子2の大きさ、出力、周波数等によって最適値に設計される。
【0043】
筒体6の開口部12で霧化されたミストは、搬送気体で移送されて区画室5から排出される。区画室5は、筒体6から排出されるミストに搬送気体を供給する供給開口14を底部に設けている。図の筒体6は、内筒6aと外筒6bとの間に搬送気体のダクト15を設けており、このダクト15の上端を、搬送気体を噴出する噴射口である供給開口14としている。供給開口14は、筒体6の上端の周囲に、スリット状に開口されている。スリット状の供給開口14は、気体をリング状に排気する。リング状に排気される気体の内側に溶液が噴出されて、噴出される溶液の表面からミストが放出される。この構造の筒体6は、開口部から突出する液柱Pの表面に新鮮な気体を供給するので、液柱Pの表面から効率よくミストに霧化できる。ミストが溶液濃度の低い気体中に霧化されるからである。
【0044】
さらに、図に示す霧化室4は、筒体6に設けたダクト15に搬送気体を供給する気体供給路54を設けている。気体供給路54は、筒体6のダクト15と、霧化室4の底板50の下方に設けた気体供給室55とを連通している。図に示す気体供給路54は、ダクト15の下端を閉塞するリングプレート52に開口した通気孔52Bと、連結リング51に開口した貫通部51Bと、霧化室4の底板50に開口した通気孔50Bとを連結して設けている。ゴム状のパッキンである連結リング51は、筒体6のリングプレート52と底板50とを密着状態に連結して、気体供給室55からダクト15に搬送気体を漏れないように供給できるようにしている。気体供給室55は、搬送気体の供給源に連結されて、搬送気体が供給される。気体供給室55に供給される搬送気体は、図8の矢印で示すように、底板50の通気孔50Bから気体供給路54を通過して、筒体6のダクト15内に供給され、供給開口14から排出される。図1に示す分離装置は、回収部40の排出側を気体供給室55に連結しており、回収部40から排出される搬送気体を霧化室4に供給する構造としている。この構造は、搬送気体を循環させてミストを分離できる。ただ、分離装置は、搬送気体を循環させることなく、気体供給室に加圧気体源を連結して、筒体のダクトに強制送風することもできる。
【0045】
以上の構造の筒体6は、開口部12の周囲に設けた供給開口14から搬送気体を排出するので、筒体6の開口部12で霧化されるミストに搬送気体を供給して、効率よく区画室5の外部に排出できる特長がある。ただ、本発明の超音波霧化機は、必ずしも筒体の開口部の周囲に供給開口を設ける必要はない。供給開口は、たとえば、区画室の下部に開口して設けて、筒体の開口部から気体中に霧化されるミストに供給して、ミストを区画室から排出することもできる。
【0046】
図9と図10に示す超音波霧化機1は、複数の超音波ユニット60と、これらの超音波ユニット60を脱着できるように連結している基台90とを備える。図に示す超音波霧化機1は、複数の超音波ユニット60と基台90とを密閉構造の霧化室4に配設している。この超音波霧化機は、複数の超音波ユニット60を基台90に連結し、基台90から各々の超音波ユニット60に原液を供給すると共に、供給される溶液を超音波ユニット60でミストに霧化して霧化室4から排出し、排出されるミストを回収部40で回収して溶液を回収する。
【0047】
超音波ユニット60は、図11ないし図13に示すように、内部を区画室5とすると共に、底部に原液が供給されるユニットケース61と、このユニットケース61に設けられて、原液を超音波振動させる超音波振動子2と、この超音波振動子2で超音波振動される原液を排出してミストに霧化させる開口部12を有する筒体6とを備える。
【0048】
ユニットケース61は、底面を閉塞した筒状で、基台90の所定の位置に脱着自在に装着している。図に示すユニットケース61は、水平断面の形状を正方形とする角筒状としている。ただ、筒状のユニットケースは、断面形状を三角形や五角形以上の多角形状とすることも、円形や楕円形状とすることもできる。筒状のユニットケース61は、底面を底板62で閉塞している。底面を閉塞してなるユニットケース61は、底面に超音波振動子2を固定すると共に、この超音波振動子2の上方に位置して、筒体6を配設している。
【0049】
超音波振動子2は、ユニットケース61の底面に固定される。底面に固定される超音波振動子2は、下面に設けている電極を高周波電源3に接続して、高周波電源3から供給される電力で超音波振動される。高周波電源3は、リード線27を介して超音波振動子2に接続されて、超音波振動子2に高周波出力を出力する。図の超音波ユニット60は、高周波電源3を構成する電子部品をユニットケース61の底面に設けた収納室64に収納し、この収納室64の開口部に超音波振動子2を固定している。
【0050】
ユニットケース61は、底面である底板62に上方開口の収納室64を設けている。図の超音波ユニット60は、ユニットケース61の底板62に収納ケース63を連結し、この収納ケース63の内部に凹部形状の収納室64を設けている。収納ケース63は、底を閉塞する筒形としている。図の超音波ユニット60は、底板62と収納ケース63を一体構造としている。収納ケース63は、収納室64の底部に高周波電源3を構成する電子部品を配設し、ウレタン樹脂やフェノール樹脂等の絶縁樹脂56にポッティングして埋設している。さらに、収納ケース63は、超音波振動子2を開口部に固定するために、開口縁の内面に段差部65を設けている。この段差部65にパッキン28を介して超音波振動子2を水密構造で配置している。ここに固定される超音波振動子2は、絶縁樹脂56との間に隙間を設けている。超音波振動子2を絶縁樹脂に接触させないで振動させるためである。段差部65の上方開口は、底板62の上面に固定する固定部66で閉塞している。固定部66は、パッキン28の内径に等しい開口部67を有し、パッキン28の上面に密着されて超音波振動子2を水密構造に段差部65に固定する。固定部66は、ネジ止めされて底板62に固定される。以上のユニットケース61は、収納室64に高周波電源3を収納しているが、ユニットケースは、高周波電源を外部に配設することもできる。このユニットケースは、超音波振動子を必ずしも水密構造で固定する必要はない。
【0051】
筒体6は、ユニットケース61の底部であって、超音波振動子2の上方に配設しており、超音波振動子2で超音波振動される溶液から効率よくミストを飛散させる。筒体6は、先端を細くする円錐筒状として、上端に開口部12を開口している。筒体6は、下端をユニットケース61の底板62に固定している。図の超音波ユニット60は、筒体6の下端を底板62で閉塞しており、ユニットケース61に供給される溶液を、筒体6の内部に供給する構造としている。筒体6は、内部に原液を供給するために、筒体6の内部とユニットケース61の外部とを連通する溶液供給管70を連結している。図の溶液供給管70は、ユニットケース61の底板62を貫通して配設している。溶液供給管70は、一端を筒体6の内部に、他端をユニットケース61の外部に配設している。溶液供給管70は、図1と図2に示す溶液の供給機構7に連結されており、この供給機構7でもって、筒体6の内部に原液を供給している。これらの図に示す供給機構7は、溶液ポンプ10と溶液タンク11である。さらに、図3ないし図5に示す溶液供給管70は、ユニットケース61の外部に配設される端部を、脱着コネクタ71を介して溶液の供給機構7に連結している。この連結構造は、簡単かつ速やかに、しかも脱着自在に溶液供給管70を供給機構7に連結できる。
【0052】
筒体6は、内部に供給される溶液に、超音波振動子2から開口部12に向かって超音波振動を与えて、開口部12からミストに霧化して飛散させる。この筒体6も、前述の筒体と同様に、超音波振動子で超音波振動される原液から効率よくミストを飛散できるように上端に向かって次第に細くなる円錐ホーンとしている。さらに、筒体6の下端の内形は、図11ないし図13に示すように、超音波振動子2の外形より大きくして超音波振動を効率よく内部に伝達できるようにしている。また、筒体6の開口部12の大きさは、超音波振動子2の大きさ、出力、周波数等によって最適値に設計される。
【0053】
筒体6の開口部12で霧化されたミストは、搬送気体で移送されて区画室5であるユニットケース61から排出される。ユニットケース61は、筒体6から排出されるミストに搬送気体を供給する供給開口14を設けている。図の筒体6は、開口部12の周囲に搬送気体を噴出する噴射口である供給開口14を開口して設けている。図の筒体6も、内筒6aの外側に外筒6bを配設して、内筒6a外筒6bとの間に搬送気体のダクト15を設けている。ダクト15は、筒体6の上端の開口部12の周囲に供給開口14を開口しており、ダクト15に供給される搬送気体を供給開口14から排出するようにしている。供給開口14は、筒体6上端の周囲に、スリット状に開口されている。スリット状の供給開口14は、気体をリング状に排気する。リング状に排気される気体の内側に溶液が噴出されて、噴出される溶液の表面からミストが放出される。この構造の筒体6は、開口部から突出する液柱Pの表面に新鮮な気体を供給するので、液柱Pの表面から効率よくミストに霧化できる。ミストが溶液濃度の低い気体中に霧化されるからである。
【0054】
さらに、図に示す超音波ユニット60は、筒体6に設けたダクト15に搬送気体を供給する気体供給管72を設けている。図に示す気体供給管72は、ユニットケース61の底板62を貫通して配設している。気体供給管72は、一端を筒体6のダクト15の内部に、他端をユニットケース61の外部に配設している。気体供給管70は、搬送気体の供給源に連結されて、搬送気体が供給される。図9と図10に示す分離装置は、回収部40の排出側を気体供給管72に連結しており、回収部40から排出される搬送気体をユニットケース61に供給する構造としている。この構造は、搬送気体を循環させてミストを分離できる。ただ、分離装置は、搬送気体を循環させることなく、気体供給管に加圧気体源を連結して、筒体のダクトに強制送風することもできる。図11ないし図14に示す気体供給管72は、ユニットケース61の外部に配設される端部を、脱着コネクタ73を介して搬送気体の供給源に連結している。この連結構造も、簡単かつ速やかに、気体供給管72を供給源に連結できる。
【0055】
以上の構造の筒体6は、開口部12の周囲に設けた供給開口14から搬送気体を排出するので、筒体6の開口部12で霧化されるミストに搬送気体を供給して、効率よくユニットケース61の外部に排出できる特長がある。ただ、本発明の超音波霧化機は、必ずしも筒体の開口部の周囲に供給開口を設ける必要はない。供給開口は、たとえば、ユニットケースの下方に設けて、筒体の開口部から気体中にミストに霧化される溶液を外部に排出することもできる。
【0056】
さらに、ユニットケース61は、筒体6の上端の開口部12からオーバーフローして排出された溶液をユニットケース61の外部に排出する構造としている。図のユニットケース61は、筒体6の周囲に溜まった溶液を排出するために、ユニットケース61の内部と外部を連通する溶液排出管74を連結している。溶液排出管74は、ユニットケース61の底板62を貫通して配設している。溶液排出管74は、一端を筒体6の外側であってユニットケース61の底部に、他端をユニットケース61の外部に配設している。図3ないし図5に示す溶液排出管74は、ユニットケース61の外部に配設される端部を、脱着コネクタ75を介して溶液の排出機構(図示せず)に連結している。
【0057】
さらに、図に示す超音波ユニット60は、高周波電源3に電力を供給する電源コード76を収納ケース65から引き出しており、この電源コード76をユニットケース61の外部において電源に接続するようにしている。図に示す基台90は、電源コード76を電源59に接続するコンセント77を設けている。この超音波ユニット60は、電源コード76の連結プラグ78をコンセント77に接続して電源59に接続され、電源59から電力が供給される。この構造は、高周波電源3を極めて簡単に電源59に電気接続できる特長がある。
【0058】
図11に示す超音波ユニット60は、ユニットケース61の底板62に超音波振動子2と筒体6とを固定している。この構造の超音波ユニット60は、ユニットケース61を交換して、超音波振動子2及び筒体6を交換できる。さらに、図12と図13に示す超音波ユニット60は、超音波振動子2と筒体6とを一体的に連結してなる脱着ユニット80として、脱着ユニット80をユニットケース61に脱着自在に連結している。この超音波ユニット60は、ユニットケース61を交換することなく脱着ユニット80のみを交換して、超音波振動子2及び筒体6を交換できる。
【0059】
脱着ユニット80は、ユニットケース61の底板62に開口して設けている円形の連結開口部68に脱着できるように連結される。底板62は、連結開口部68の内周面に、脱着ユニット80の外周面に設けた雄ネジ82をねじ込む雌ネジ69を設けている。脱着ユニット80は、ユニットケース2の底板62となる円形状の連結プレート81の外周を連結開口部68に挿入できる外形として、連結プレート81の外周面に雄ネジ82を設けている。脱着ユニット80は、連結プレート81の雄ネジ82を連結開口部68の雌ネジ69にねじ込んでユニットケース61に連結される。連結開口部68はユニットケース61の内部に連通しているので、脱着ユニット80はユニットケース61の底板62に液密な構造で連結する必要がある。このため、底板62の連結開口部68の内面と脱着ユニット80の外周面との間にOリング30を挟着している。Oリング30は、連結開口部68と脱着ユニット80との間を液密な状態で連結して、連結開口部68を脱着ユニット80の連結プレート81で液密に閉塞する。
【0060】
さらに、ユニットケースは、図14に示す構造で底板62に超音波振動子2を固定することもできる。この図のユニットケースは、超音波振動子2と高周波電源3を収納してなる収納ケース65を連結ユニット57として底板62に脱着自在に連結している。図の収納ケース65は、上方を開口する収納室64に高周波電源3を構成する電子部品を収納して絶縁樹脂56に埋設すると共に、開口縁部に超音波振動子2を配置している。この収納ケース65は、底板62の下端に、下方に開口して設けている連結凹部83に脱着できるように連結している。連結凹部83は、内面に雌ネジ84を設けている。収納ケース65は、連結凹部83に挿入できる外形として、連結凹部83の雌ネジ84にねじ込む雄ネジ85を上部の外周に設けている。この収納ケース65は、雄ネジ85を雌ネジ84にねじ込んで、連結凹部83に連結される。連結凹部83は、底部を開口しており、この開口部67から超音波振動子2を筒体6の内部に表出させている。連結凹部83は、筒体6の内部に連通しているので、収納ケース65と連結凹部83は、水密な構造で連結する必要がある。このため、連結凹部83の内面と収納ケース65の外周との間にOリング30を挟着して、これらを水密構造で連結している。図の連結ユニット57は、収納ケース65に、超音波振動子2と高周波電源3を内蔵するので、連結ユニット57のみを交換して、これらを簡単に交換できる特徴がある。
【0061】
基台90は、複数の超音波ユニット60のユニットケース61を脱着自在に装着できるように、上面に複数の装着凹部91を形成している。装着凹部91は、ユニットケース61の下部を装着できる凹部で、この凹部にユニットケース61の下部を嵌着させて、所定の位置に保持できるようにしている。図の基台90は、ユニットケース61の外周に沿う筒状の隔壁892を設けており、この隔壁892の内側に装着凹部91を設けている。装着凹部91は、内面に段差部93を設けており、この段差部93でユニットケース61の底面を支持して所定の位置に連結できるようにしている。さらに、図に示す装着凹部91は、ユニットケース61を位置ずれすることなく連結できるように、隔壁92の内面に弾性支持体94を備えている。図の弾性支持体94はゴム状弾性体からなるパッキンで、装着凹部91の内面とユニットケース61の外面とに密着してユニットケース61を所定の位置に保持できるようにしている。ただ、弾性支持体は必ずしも必要ではない。
【0062】
さらに、装着凹部91は、段差部93より下側に、超音波ユニット60との連結部を配設するための収納室95を設けている。この収納室95には、超音波ユニット60に溶液や搬送気体、電力を供給し、あるいは、溶液を排出するための配管や配線を配設している。装着凹部91に装着される超音波ユニット60は、収納室65の内部において、溶液供給管70を供給機構7に連結し、気体供給管72を搬送気体の供給源に連結し、高周波電源3を電源に接続し、さらに、溶液排出管74を排出機構に連結する。
【0063】
さらに、図に示す基台90は、装着凹部91の周囲に貯水槽96を設けて、この貯水槽93に水を貯溜している。図の貯水槽95は、ユニットケース61の周囲に設けた隔壁92を周壁としており、この隔壁892で区画される領域を貯水槽96として水を貯溜している。この貯水槽96は、装着凹部91の隔壁92の外側であって、隣接する装着凹部91の隔壁92との間に形成している。このように、超音波ユニット60の周囲に水を貯溜して、言い換えると液中に超音波ユニット60のユニットケース61を配設する構造は、超音波ユニット60から霧化されるアルコール等のミストが爆発を起こすのを有効に防止する、すなわち防爆の効果がある。したがって、貯水槽96は、有効に防爆できるように、所定の面積および貯水量となるように設計して設けられる。
【0064】
以上の構造の超音波霧化機は、霧化室4の内部において、複数の超音波ユニット60を基台90に連結して超音波霧化機1としている。複数の超音波ユニット60は、基台90に連結される状態で、供給機構7から筒体6の内部に溶液が供給されると共に、筒体6の内部の溶液に超音波振動子2から超音波振動が与えられて、筒体6の開口部12からミストに霧化される。さらに、複数の超音波ユニット60で霧化されたミストは、供給開口14から供給される搬送気体でもって、ユニットケース61の外部に排出される。
【0065】
以上の実施例の超音波霧化機は、区画室に筒体を配設している。ただ、本発明は、必ずしも区画室に筒体を配置する必要はない。筒体のない超音波霧化機は、区画室の底面に配設される超音波振動子で液面を超音波振動させて、原液をミストに霧化することができる。さらに、以上の実施例の超音波霧化機は、ひとつの区画室にひとつの超音波振動子を配置している。ただ、本発明は、ひとつの区画室に複数の超音波振動子を配置することもできる。
【0066】
さらに、図1と図9に示す超音波霧化機1は、区画室5から排出されるミストを一次的に回収するデミスタ97を備える。図1の超音波霧化機1は、霧化室4を区画する隔壁8の上端に、図9の超音波霧化機1は、各超音波ユニット60のユニットケース61の上端にそれぞれデミスタ97を連結しており、区画室5から排出される搬送気体に含まれるミストをデミスタ97で回収している。これらの超音波霧化機1は、デミスタ97で一次的にミストが回収された搬送気体を霧化室4から排出する。
【0067】
図10に示す超音波霧化機1は、区画室5である各ユニットケース61の上端を開口しており、これらの開口部からミストを含む搬送気体を排出している。各区画室5から排出される搬送気体は、集合されて霧化室4から排出される。図に示す超音波霧化機1は、各ユニットケース61の上端開口部の周囲を閉塞蓋98で閉塞しており、霧化されたミストの搬送路を貯水槽96から分離している。
【0068】
複数の区画室5で霧化されて霧化室4から排出されるミストは、搬送気体を介して回収部40に流入される。ミストを回収部40に流入させるために、図1、図9及び図10に示す超音波分離装置は、回収部40を循環ダクト41で超音波霧化機1に連結している。図の超音波分離装置は、搬送気体をブロア48で回収部40と超音波霧化機1とに循環させる構造としている。これらの超音波分離装置は、超音波霧化機1から回収部40に移送されて、ミスト成分が分離された搬送気体を超音波霧化機1に環流している。この超音波分離装置は、好ましくは、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性なガス、又は水素を搬送気体とすることができる。この超音波分離装置は、不活性ガスによって、超音波霧化機1や回収部40における溶液の変質が防止される。このため、より高品質な状態で高濃度の溶液を得ることができる。ただし、搬送気体には空気も使用できる。
また、搬送気体をヘリウム、又は水素とすることで霧化効率を高くできる。それは、ヘリウムと水素の飽和蒸気圧が空気に比較して極めて大きいからである。飽和蒸気圧の高いヘリウムや水素は、単位体積に多量の目的物質を含むことができるので、溶液をミストに霧化しやすい。このため、搬送気体をヘリウムや水素とする装置は、搬送気体を空気とする装置に比較して、超音波振動子の出力を同じとして、霧化量を数倍にできる特徴がある。
ちなみに、搬送気体を空気としてアルコール溶液を霧化する状態に比較して、搬送気体をヘリウムとして霧化量を空気の約2.5倍に増加でき、さらに搬送気体を水素として霧化量を空気の約4.4倍に増加できる。
【0069】
以上の構造の超音波霧化機で霧化されたミストは、搬送気体で回収部に搬送されて、回収部で搬送気体から分離されて回収される。回収部40は、微細なミストを凝集させて、原液よりも高濃度の溶液として回収する。したがって、この回収部には、微細なミストを凝集させて回収できるすべての構造であって、現在すでに開発され、あるいは今後開発されるすべての構造が使用できる。ミストは、気体ではないので、必ずしも冷却しないで凝集させて回収できる。ただ、ミストを冷却して速やかに回収できる。回収部は、たとえば、ミストを冷却して凝集させる冷却用熱交換器を内蔵して、回収部に流入されるミストを冷却しながら大きく凝集させて溶液として回収することができる。
【0070】
さらに、回収部は、図示しないが、気体に含まれる目的物質であるアルコール等の蒸気を吸着剤に吸着させて回収することもできる。この回収部は、たとえば、加熱された回収気体で吸着剤に吸着されたアルコールを排出し、回収気体を冷却して排出されたアルコールを結露させて回収することができる。この回収部は、たとえば、空隙に吸着剤を設けているローターと、このローターを回転させる回転駆動機構とで構成することができる。ローターは、回転軸の方向に気体を通過できる空隙を有するハニカムローターである。吸着剤には、たとえば、ゼオライト、活性炭、酸化リチウム、シリカゲルのいずれか、もしくはこれらの混合物が使用できる。この回収部は、回転駆動機構でローターを所定の速度で回転させて、蒸気を吸着させる吸着領域と、吸着した蒸気を排出する再生領域とに移動させる。ローターが吸着領域に移動されると、目的物質であるアルコールの蒸気を含む気体が空隙に通過されて、気体に含まれる目的物質のアルコールが吸着剤に吸着される。ローターが回転して再生領域に移動されると、吸着した目的物質のアルコールを排出する。排出された目的物質のアルコールは、回収気体を冷却して回収される。ローターの吸着領域を通過した気体は、再び霧化室に移動される。
さらに、霧化されたミストの搬送気体をヘリウム又は水素とする装置は、搬送気体を空気とする装置に比較して、吸着剤で目的物質を効率よく吸着できる特徴がある。それは、ヘリウムの分子量が空気の分子量の1/7、水素の分子量が空気の約1/15と極めて小さいことから、大きさも空気に比べて相当に小さいからである。吸着剤は、特定の大きさの目的物質を吸着して搬送気体から分離するように設計されるが、この吸着剤は、極めて小さいヘリウムや水素を目的物質と一緒に吸着することがなく、目的物質のみを効率よく吸着して搬送気体から分離する。
【0071】
さらに、回収部は、閉鎖チャンバーに、溶液を散水するノズルを設けて、このノズルから溶液を噴霧して、搬送気体に含まれるミストを回収することもできる。さらに、回収部は、内部に複数枚の邪魔板を配設して、この邪魔板の表面にミストを衝突させて付着する溶液を自然に流下させて回収することもできる。この邪魔板は、表面を凹凸面として、ミストをより効率よく接触させて回収することができる。さらにまた、回収部は、ミストを強制送風して撹拌するファンを設けて、回収部のミストを撹拌して互いに衝突させて凝集させることもできる。凝集するミストは、速やかに落下させて回収することができる。
【0072】
さらにまた、回収部は、ミストを振動して互いに衝突する確率を高くするミスト振動器を設けることもできる。ミスト振動器は、回収部の気体を振動させる電気振動−機械振動変換器と、この電気振動−機械振動変換器を駆動する振動電源とを備え、電気振動−機械振動変換器から可聴周波数の音や、可聴周波数よりも高い超音波を放射して、ミストを激しく振動させて効率よく衝突させて、速やかに回収することもできる。
【0073】
さらにまた、超音波分離装置は、回収部に、溶液を噴霧するノズルと、ミストを撹拌するファンと、ミストを振動させる振動器の全てを内蔵させて、最も効率よくミストを凝集できる。また、ミストを凝集させるふたつの装置を内蔵して、ミストを効率よく凝集させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施例にかかる超音波霧化機を備える超音波分離装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す超音波霧化機の霧化室の水平断面図である。
【図3】図2に示す霧化室のA−A線断面図である。
【図4】筒体を底板区に連結する構造を示す分解斜視図である。
【図5】図1に示す超音波霧化機の区画室の底面図である。
【図6】筒体と底板の連結構造を示す断面図であって、図5のA−A線断面に相当する図である。
【図7】筒体と底板の連結構造を示す断面図であって、図5のB−B線断面に相当する図である。
【図8】筒体と底板の連結構造を示す断面図であって、図5のC−C線断面に相当する図である。
【図9】本発明の他の実施例にかかる超音波霧化機を備える超音波霧化機の概略構成図である。
【図10】本発明の他の実施例にかかる超音波霧化機を備える超音波霧化機の概略構成図である。
【図11】超音波ユニットの一例を示す断面図である。
【図12】超音波ユニットの他の一例を示す断面図である。
【図13】図12に示す超音波ユニットの断面斜視図である。
【図14】超音波振動子の連結構造の他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1…超音波霧化機
2…超音波振動子
3…高周波電源
4…霧化室
5…区画室
6…筒体 6a…内筒
6b…外筒
7…供給機構
8…隔壁
9…連通開口
10…溶液ポンプ
11…溶液タンク
12…開口部
14…供給開口
15…ダクト
27…リード線
28…パッキン
30…Oリング
40…回収部
41…循環ダクト
42…供給管
43…排出管
44…連結ロッド
45…ナット
46…連結具
48…ブロア
50…底板 50A…貫通孔
50B…通気孔
50C…連結孔
51…連結リング 51A…中心孔
51B…貫通部
51X…流入部
52…リングプレート 52A…中心孔
52B…通気孔
53…霧化領域
54…気体供給路
55…気体供給室
56…絶縁樹脂
57…連結ユニット
58…ケーシング
59…電源
60…超音波ユニット
61…ユニットケース
62…底板
63…収納ケース
64…収納室
65…段差部
66…固定部
67…開口部
68…連結開口部
69…雌ネジ
70…溶液供給管
71…脱着コネクタ
72…気体供給管
73…脱着コネクタ
74…溶液排出管
75…脱着コネクタ
76…電源コード
77…コンセント
78…連結プラグ
80…脱着ユニット
81…連結プレート
82…雄ネジ
83…連結凹部
84…雌ネジ
85…雄ネジ
90…基台
91…装着凹部
92…隔壁
93…段差部
94…弾性支持体
95…収納室
96…貯水槽
97…デミスタ
98…閉塞蓋
P…液柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液を超音波振動させてミストとする超音波霧化機であって、
溶液を複数の超音波振動子(2)で超音波振動させてミストに霧化する霧化室(4)を備え、
霧化室(4)に複数の区画室(5)を設けて、この区画室(5)に超音波振動子(2)を配設すると共に、区画室(5)に供給される溶液を超音波振動子(2)で超音波振動させてミストに霧化し、
さらに、超音波振動子(2)で霧化された溶液のミストに搬送気体を供給する供給開口(14)を区画室(5)の底部に設けており、この供給開口(14)から供給される搬送気体でもって、霧化されたミストを、区画室(5)を上方に通過させて外部に排出するようにしてなる溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項2】
霧化室(4)の内部を隔壁(8)で区画して複数の区画室(5)を設けてなる請求項1に記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項3】
霧化室(4)の内部を隔壁(8)で格子状に区画して、複数の区画室(5)を縦横に隣接して設けており、さらに、隣接する区画室(5)の間に位置する隔壁(8)の下端部に連通開口(9)を開口して、霧化室(4)に供給される溶液を隣接する区画室(5)間で移動できるようにしてなる請求項2に記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項4】
複数の区画室(5)を、連通開口(9)を介して直列に連結してなる請求項3に記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項5】
霧化室(4)の内部に複数のユニットケース(61)を配置しており、このユニットケース(61)で区画室(5)を構成している請求項1に記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項6】
超音波振動子(2)の上方に、超音波振動子(2)で超音波振動される溶液を排出してミストに霧化させる開口部(12)を有する筒体(6)を設けている請求項1ないし5のいずれかに記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項7】
筒体(6)が、内筒(6a)の外側に外筒(6b)を備えており、内筒(6a)と外筒(6b)との間に搬送気体のダクト(15)を設けており、ダクト(15)は筒体(6)の開口部(12)の周縁に供給開口(14)を開口して、供給開口(14)から搬送気体を排出するようにしている請求項5と6に記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項8】
霧化室(4)が、複数の超音波ユニット(60)と、超音波ユニット(60)を脱着できるように連結している基台(90)とを備え、超音波ユニット(60)は、内部に溶液を供給するユニットケース(61)と、このユニットケース(61)の底面に設けられた超音波振動子(2)と、この超音波振動子(2)で超音波振動される溶液を排出してミストに霧化させる開口部(12)を有する筒体(6)とを備え、ユニットケース(61)は、内部を区画室(5)とすると共に、筒体(6)から排出される溶液のミストに搬送気体を供給する供給開口(14)を設けており、
複数の超音波ユニット(60)を基台(90)に連結し、基台(90)から各々のユニットケース(61)に溶液を供給し、筒体(6)から排出されるミストを供給開口(14)に供給する搬送気体で区画室(5)の外部に排出し、各々の超音波ユニット(60)から排出するようにしてなる請求項1に記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項9】
超音波振動子(2)と筒体(6)とを一体的に連結してなる脱着ユニット(80)としており、この脱着ユニット(80)を区画室(5)の底部に脱着自在に連結してなる請求項6ないし8のいずれかに記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項10】
超音波振動子(2)に接続されて超音波振動子(2)に高周波電力を供給して超音波振動子(2)を超音波振動させる高周波電源(3)を備えており、この高周波電源(3)と超音波振動子(2)とを一体的に連結してなる連結ユニット(57)としており、この連結ユニット(57)を区画室(5)の底部に脱着自在に連結している請求項1ないし9のいずれかに記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項11】
ユニットケース(61)が、溶液を供給する溶液供給管(70)と、超音波振動子(2)に電力を供給する電源コード(76)とを備え、この溶液供給管(70)と電源コード(76)とを脱着できるように基台(90)に連結して、超音波ユニット(60)を基台(90)に連結している請求項8に記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項12】
ユニットケース(61)が、筒体(6)のダクト(15)に搬送気体を供給する気体供給管(72)を備え、この気体供給管(72)を脱着できるように基台(90)に連結して、超音波ユニット(60)を基台(90)に連結している請求項8に記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項13】
搬送気体がヘリウムである請求項1、7、8、12のいずれかに記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。
【請求項14】
搬送気体が水素である請求項1、7、8、12のいずれかに記載される溶液を超音波で霧化する超音波霧化機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−187580(P2012−187580A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−93438(P2012−93438)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2007−169587(P2007−169587)の分割
【原出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(503268143)ナノミストテクノロジーズ株式会社 (20)
【Fターム(参考)】