説明

溶液処理薄膜および積層体、薄膜および積層体を備えた装置、その使用および製造方法

【課題】ハフニウムおよび/もしくはジルコニウムオキシヒドロキシ化合物を備える薄膜または積層構造体を有する装置およびかかる装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ハフニウムおよびジルコニウム化合物は、通常ランタンのような他の金属でドープすることができる。電子装置またはそれを作製し得る構成材の例には、限定することなく、絶縁体、トランジスタおよびコンデンサがある。ポジ型もしくはネガ型レジストまたは装置の機能的構成材としての材料を用いて装置をパターン化する方法、例えば、インプリントリソグラフィー用のマスタープレートを作製することができ、腐食バリアを有する装置の製造方法の実施形態。光学基板およびコーティングを備える光学的装置の実施形態であり、電子顕微鏡を用いて寸法を正確に測定する物理的ルーラーの実施形態。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子および光学用途を含む目的用の空間的に定義された構造体を構築するのに有用な無機金属酸化物材料を備えた作品および装置の実施形態と、その製造および使用方法の実施形態とに関するものである。
【0002】
(政府支援の承認)
本発明の実施形態は、DARPA認可番号HR0011−06−1−0045で連邦政府の補助金を用いて開発した。米国政府は、本発明における特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
電子装置は、材料の逐次的な堆積およびエッチングのような反復プロセス工程を用いて現在形成されている。無機材料を有する装置に関して、金属−有機前駆体が無機酸化物の溶液系堆積用に広く用いられてきた。有機部分の存在は、有機材料を除去するための高温焼却工程を必要とする。この工程は、大きな体積変化、結晶化および「泥割れ」現象を生起する場合がある。それに関連した欠陥が、かかる材料のコーティングとしての装置内での機能を阻害する。
【0004】
電子装置用途に対する材料を溶液処理する方法が特許された。例えば、「有機薄膜トランジスタ構造体および回路用の予備パターン化基板およびその製造方法」の名称の特許文献1には、基板の表面に所望の回路構造を形成して、有機薄膜タランジスタ(OTFT)構造の形成および導電性通路の相互連結に有用な材料を受け取る領域を予備パターン化することが開示されている。特許文献1によると、OTFT材料が、インクジェット印刷のような印刷技術を用いて予備パターン化領域に堆積される。
【0005】
特許文献2には、薄膜材料を溶液処理してトランジスタを製造することが開示されている。特許文献2は、導電性の溶液処理した薄膜材料接点と、半導体の溶液処理した薄膜材料活性領域と、誘電体の溶液処理した薄膜材料アイソレーションを順次配置して形成し、トランジスタ操作が可能な溶液処理した薄膜構造を形成することを開示する。
【0006】
特許文献3は、本願明細書に参照して援用するもので、電子用途に有用なハフニウムおよびジルコニウム化合物に関する。特許文献3は、Douglas Keszler博士が発明者であり、本明細書で開示する実施形態の発明者でもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6946677号明細書
【特許文献2】米国特許第6927108号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0242330号明細書
【発明の概要】
【0008】
特許文献3は、先行技術の欠陥を解決するような化合物および無機化合物の溶液堆積を開示する。例えば、本発明に係る溶液堆積は、金属−無機堆積技術に必要な有機材料を用いることを回避し、従って有機物焼却および焼却に伴うクラッキングの問題も回避する。
【0009】
本発明の一つの実施形態は、電子装置のような装置に関するもので、少なくとも1つのハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ硫酸塩(MO2−x−z/2(OH)(SO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシタングステン酸塩(MO2−x−z/2(OH)(WO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシホウ酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(BO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシリン酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(PO)化合物及び/又はハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシケイ酸塩(MO2−2x−z/2(OH)(SiO)化合物で、Mがハフニウムまたはジルコニウム、xおよびzが固定もしくは可変である化合物を備える薄膜または積層構造体を有する。xは約0.1〜約3.5/(多原子イオン電荷)の範囲のいずれかの値を有することができる。例えば、xはオキシヒドロキシ硫酸塩化合物のような2価の電荷を有する多原子イオンに対して約0.1〜約1.75の範囲のいずれかの値を取ることができる。zは0.0〜約3.8の範囲のいずれかの値を取ることができる。
【0010】
特定の実施形態は、式(MO2−x−z/2(OH)(SO)を有するハフニウムもしくはジルコニウムオキシヒドロキシ硫酸塩化合物を備える薄膜または積層体に関するもので、Mはハフニウムもしくはジルコニウム、xおよびzは固定もしくは可変で、xが約0.1〜約1.75の範囲、zが0.0〜約3.8の範囲の任意の値を取るものとする。かかる化合物はまた、HafSOxおよびZircSOxとも呼ぶ。また、ハフニウムおよびジルコニウム化合物を通常カルシウム、セリウム、ランタンまたはそれらの組合せのような他の金属でドーピングすることができる。ある実施形態では、ランタンをドーパントとして用いて式M1−xLa2−x−z/2−y/2(OH)(SO(MSOx:La)で、その組成および化学量論は上述の通りである化合物を生成する。ランタンをドーピングした化合物の特定例は、Hf0.68La0.321.48(SO0.36である。他の例としては、HafSOx:La,ZircSOx:La,HafSOx:CeまたはZircSOx:Caがある。ある実施形態においては、硫酸塩をその後水性塩基でのイオン交換を介して除去して、M(OH)またはMO膜をもたらす。適当な水性塩基には、I族金属の水酸化物、II族金属の水酸化物、III族金属の水酸化物、ランタノイドの水酸化物、水酸化アンモニウムおよび/または特に水性第3アミンがある。M(OH)における有機物成分の不在は、例えばマイクロ波およびランプ乾燥によってまたはレーザー処理によってなどの適切な技術を用いた、低温での金属酸化物MOへの特異な変換および脱水を可能にする。
【0011】
ある実施形態は、2個またはそれ以上の金属との錯体組成物を備える酸化物の薄膜または積層体に関するものである。金属カチオンの少なくとも一つは3以上の電荷を有し、3以上の電荷を有するカチオンの全濃度が対象酸化物における金属カチオンの50モル%を越える。溶解塩およびある量の水を含む非水溶液を調製する。水の量は、非水溶媒に対し20モル%未満である。かかる溶液のpHは、塩基を加えることによるか、または酸化還元機構を介した遊離プロトンの反応によって、最初の溶液に対し増大させる。最終溶液のpHは、用いた金属カチオンに依存するが、一般に約2〜9の範囲となる。増大したpHは、カチオンに結合した水分子の加水分解および生成したヒドロキソカチオンの濃縮をもたらす。溶媒を蒸発し、生成した固体を水に溶解または分散し、その後基板に液膜として塗布する。次いで、液膜を約100〜600℃の温度で約5〜240分間熱硬化する。
【0012】
本発明に従って作製し得る電子装置、または該装置の構成材の例としては、限定することはないが、電界効果トランジスタにおけるゲート絶縁体のような絶縁体、電界効果トランジスタのようなトランジスタ、MIMコンデンサのようなコンデンサがある。本実施形態に従って作製した薄膜および積層体は、約9〜約12の範囲の誘電率と、少なくとも3MVcm−1から約6MVcm−1までの破壊電界と、1MVcm−1の電界強度で1nAcm−2近くの漏洩電流とを有する。ZircSOx:Caを用いて作製した装置は、約3.6MVcm−1の破壊電界と、約50nAcm−2未満、より一般的には約10nAcm−2未満の漏洩電流とを有する。
【0013】
電界効果トランジスタは、HafSOx:Laおよび/またはZircSOx:Laをゲート絶縁体材料として用いて作製することができる。ある開示された実施形態では、酸化亜鉛インジウムおよび/または酸化亜鉛スズをチャネルとして用いる。特定の電界効果トランジスタは、10を超えるオンオフ比およびnAcm−2のゲート漏洩電流を有する。
【0014】
本発明の他の実施形態は、無機フォトレジストを用いる装置のパターン化方法に関する。この方法の特定の実施形態は、パターン化すべき構造体をまず用意することを備える。この構造体は、通常半導体材料、金属、ガラス、ポリマー材料またはこれらの組合せのような基板と、シリカのようなパターン化用材料層と、レジスト層とを備える。このレジスト層は、通常ここに開示したハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ化合物を含む。前記構造体を、電子ビームまたは光のようなエネルギー源、特定例では紫外光線に曝す。その後、材料を除去して装置をパターン化するか、または装置の活性なパターン化構成材として保有する。
【0015】
レジストは、ポジレジストでもネガレジストでもよい。例えば、前記方法は、レジスト層をエネルギー源に曝して、レジスト層x材料を現像液に可溶な材料に変換することを備えることができる。次いで、現像液に可溶な材料を、現像剤を用いて除去する。適切な現像剤には、酸、塩基および/または特に超音波攪拌がある。再度一例として、本方法は、エネルギー源に曝したレジスト層材料を除去することを備えることができる。本発明を特定の動作理論に限定することなく、少なくともある実施形態に関しては、エネルギー源へ露出してレジスト層を重合し、エネルギー源への露出前よりも現像液に溶解しにくくすることができる。
【0016】
ポジレジストの一つの実施形態は、二重層からなる。二重層の第1層は、ハフニウム酸化物硫酸塩(HafSOx)膜上に堆積した蟻酸銅膜を備える。この蟻酸銅膜は酸に溶解し、非ドープのHafSOx膜は酸に溶解しない。二重層をマスクを介して光に露出するか、または集束電子ビームに露出して二つの膜を露出領域で相互拡散し、これにより予め非ドープのHafSox膜を可溶性にする。
【0017】
レジストを作製するための二重層法の他の実施形態は、1個またはそれ以上の金属原子を含有する固形の酸または塩基から成る第1層を基板に堆積することを備える。蟻酸銅のような酸化物前駆体を含む液体懸濁液を前記第1層上に所望のパターンで塗布する。加熱条件下で、前駆体が酸化物に分解する。その後、酸化物が第1層と反応し、相互拡散して、パターンを示すのにエッチングし得る生成物を形成する。代案の実施形態は、加熱または加熱することなく酸化物粒子を第1層上に堆積し、直接反応してエッチングし得る生成物を形成することを備える。さらなる実施形態は、酸化物前駆体の薄層を第1層上に堆積することを備える。次いで、その後、フォトマスクを介した露光、または集束レーザーもしくは電子ビームでの直接書刻によって活性化前駆体のパターンを形成する。
【0018】
本発明の他の実施形態は、インプリントリソグラフィー用のマスタープレートに関する。該マスタープレートは、フレキシブル基板またはガラス基板のような基板と、少なくとも1個のここに開示したハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ化合物を有する薄膜または積層体の少なくとも一つの層とを備える。マスタープレートの特定実施形態は、基板上に堆積したHafSOx層と、ZircSOx:Cu層のような第2層とを有する。このマスタープレートを、マスクを介した光または電子ビームへの露出のようなエネルギー源への露出によってパターン化して、2つの膜を露出領域で相互拡散させることができる。これは、予め非ドープのHafSOx膜を可溶性にし、これを除去してマスタープレートの印刷特性を少なくとも部分的に画成する。
【0019】
他の実施形態においては、本発明の膜を単一層法に用いてマスクまたはテンプレートを製造することができる。固体酸または塩基のような無機前駆体の薄膜を過酸化物または類似のアニオンと組み合わせて基板上に堆積する。この膜を加熱して構造的に硬い膜を生成する。次いで、フォトマスクを通して、またはレーザーもしくは電子ビームを介して暴露して露出領域に濃縮/架橋結合を誘導する。露出領域の溶解性は、非露出領域に対して減少する。次いで、非露出領域を選択的にエッチングし、膜内にネガティブトーン画像を形成する。また、ポジティブトーン画像は、露出前に膜を高温に予熱することによって形成することができる。いくつかの実施形態において、HafSOxのような膜を水酸化ナトリウムおよび過酸化水素の混合物で処理することによってM(OH)/H膜を形成する。次いで、生成した膜を光または電子ビームに露出することによってパターン化する。
【0020】
また、装置の製造方法を開示し、これは基板、パターン化用材料層、ここに開示したハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ化合物を含む金属酸化物層を備えるパターン化すべき構造体を用意することを備える。この構造体をパターン化し、その後エネルギー源に露出して、構造体のパターン化によって生成した所望のパターンを有する耐久材料を形成する。この方法に従って作製した装置の一実施形態は、マイクロまたはナノチャンネルアレイのようなチャンネルアレイを含むことができる。かかる実施形態に関する装置の製造方法は、所定寸法規模の単位構成を半固体のハフニウムまたはジルコニウム化合物に刻印してスタンプ層を形成することを備えることができる。
【0021】
腐食バリアを有する装置の製造方法の実施形態も開示する。この方法の開示した実施形態は、装置を用意し、少なくとも1個の腐食バリアを該装置上に形成することを備える。腐食バリアは、通常ここに開示したハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ化合物を含む金属酸化物層からなる。この方法はまた、前記化合物をエネルギー源に露出して腐食バリアを形成することを備えることができる。かかる装置を例示すると、金属および金属/セラミック系の熱保護システム、有機系のディスプレイおよび電子機器、太陽電池、高放射率コーティング、酸化物系セラミックマトリックスシステム用の界面コーティング、りん光体上の保護コーティング、金属およびセラミック系システム用の環境障壁コーティング、複合体およびファイバーレーザ用の繊維、溶融金属処理における腐食保護、熱絶縁用のモノリシック材料及び触媒担体がある。
【0022】
繊維の製造方法の実施形態も開示する。ここに開示したハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ化合物を有する溶液を形成する。次いで、該溶液を繊維にする。該繊維を、加水分解、アニーリング、大気中での熱分解およびその組み合わせのような任意適当な方法によって固形の安定した形に転換することができる。
【0023】
光学装置の実施形態も開示する。この装置の特定の開示した実施形態は、光学基板と、ここに開示したハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ化合物を有する基板コーティングとを備える。層は反射防止コーティングとすることができる。光学基板およびコーティングは、例えば、誘電体反射鏡、X線反射鏡、干渉フィルター、回折格子および/または導波管を画成することができる。光学装置はまた、視覚的に透明又は紫外光に透明であるような透明な層を含むことができる。かかる層を選択的にドーピングして、Mn2+,Sb3+,Sn2+,Bi3+,Eu3+,Tb3+,Eu2+,Gd3+,Tm3+,およびその組合せから選択した発光イオンを有するドーピング層を付与することができる。この層のドーピングを用いて発光層を形成する。
【0024】
物理的ルーラーの製造方法の実施形態も開示する。ある実施形態は、ここに開示したハフニウムおよび/ジルコニウムオキシヒドロキシ化合物の溶液堆積によって、少なくとも一つの酸可溶性層を形成することを備える。少なくとも一つの酸不溶性層を前記酸可溶性層に隣接して形成し、該酸不溶性層をここに開示したハフニウムおよび/ジルコニウムオキシヒドロキシ化合物の溶液堆積によって形成する。これらステップを繰り返して交代層を形成し、前記方法は、交代酸不溶および酸可溶性層の幅を正確に決定することを含む。幅の決定は、X線反射率のような任意適当な方法を用いて達成することができる。さらに、少なくとも一つの層をエッチングして、対象物を測定するための指状の二次基準パターンを画成する。かかる装置のある実施形態は、電子顕微鏡を用いて寸法を正確に測定するのに有効である。
【0025】
本発明の前述した、および他の物、特徴および利点は、添付図面を参照して、以下の詳細な説明からより明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】様々な予備処理およびN(気体)を10℃/分の速度で流しながら加熱したサンプルによるHafSOx(x=0.70)に関する熱重量分析(相対質量対温度)(TGA)を示す。
【図2】上述した以外空気中所定温度で1時間加熱後のHafSOx粉末に対するXRDパターンを示す。
【図3】上述した以外所定温度で1時間加熱後のHafSOx:32%Laの粉末に対するXRDパターンを示す
【図4】31.8°および45.6°での非常に小さい構成が基板に起因する空気中所定温度で5分間加熱後のHafSOx膜に対するXRDパターンを示す。
【図5】空気中所定温度で5分間加熱後のHafSOx:24%La薄膜に対するXRDパターンを示す。
【図6】HafSOx膜に対する絶縁破壊特性を示す。
【図7】二酸化ケイ素基板上のタンタル(Ta)金属上に堆積したHafSOxの一実施形態を示すSEMである。
【図8】Ta上に堆積したHafSOx:24%Laに対するSEMである。
【図9】17.6nmの二重層厚を有する14個の交代層(7個の二重層)を備えるHafSOx/ZircSOx多層薄膜に対するXRRパターンを示す。
【図10】ポジ型またはネガ型フォトレジスト処理を示す概略図である。
【図11】二重層システムを用いたポジ型レジストを示す概略図で、図示形態は硫酸酸化ハフニウム(HafSOx)膜上に堆積したCuドープ硫酸酸化ジルコニウム(Cu:ZircSOx)膜を備える。
【図12】基板上にパターン化酸化物を生成するための二重層処理を示す概略図である。
【図13】基板上にパターン化酸化物を生成するための二重層処理を示す概略図である。
【図14】基板上にパターン化膜を生成するための単一層処理を示す概略図である。
【図15】熱的前処理した単一層膜に対する厚さ対エッチング時間のグラフである。
【図16】電子ビームによってパターン化膜を示す。
【図17】有機ポリマーに対しより高い機械的強度と、化学的安定性と、独特の電気および光学特性を有する本明細書で開示した半固体形態の化合物を用いるための熱エンボス加工リソグラフィーを示す概略図である。
【図18】電子顕微鏡のような用途で測定を規格化するのに用いるための物理的ルーラーを作製する一つの方法を示す概略図である。
【図19】シリカ上に堆積した未交換のHafSOx膜のAFM画像である。
【図20】HafSOxのイオン交換および850℃の熱処理が続くHfOのTEM画像である。
【図21】シリカ上に堆積し、700℃以上で加熱後にHafSOx熱分解デ形成したHfO膜のAFM画像である。
【図22】シリカ上に堆積し、0.1MNaOHで処理し、450℃に10分間加熱したHafSOx膜のAFM画像である。
【図23】シリカ上に堆積し、0.1MNaOHで処理し、850℃に10分間加熱したHfOのAFM画像である。
【図24】未処理の酸化ハフニウム膜のXRDプロットである。
【図25】処理した酸化ハフニウム膜のXRDプロットである。
【図26】未処理のジルコニア膜のXRDプロットである。
【図27】処理したジルコニア膜のXRDプロットである。
【図28】シリカ上に堆積した酸化インジウムガリウム亜鉛半導体のSEM画像である。
【図29】インクジェット印刷および無機拡散反応を介して生成した線パターンを示す。
【図30】二重層膜をUV光に露出することによって生成したパターンを示す。
【図31】電子ビーム書刻によってパターン化した膜を示す。
【図32】電子ビーム書刻によってパターン化した膜を示す。
【図33】写真的にパターン化した膜を示す。
【図34】写真的にパターン化した膜を示す。
【図35】電子ビームによってパターン化したHfO2−x(SO膜を示す。
【図36】電子ビームによってパターン化したHfO2−x(SO膜を示す。
【図37】電子ビームによってパターン化したHfO2−x(SO膜を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明で開示した実施形態は、電子装置または電子装置の構成材を含む装置に関するもので、無機材料の溶液堆積によって作製することができる。本明細書中での単数用語の不定冠詞及び定冠詞は、特記しない限り複数形も含む。同様に、用語“or”は特記しない限り“and”を含むことを意図する。用語「含む」は、「備える」を意味する。本明細書に列挙した百分率は、明示しない限り、原子パーセントである。本明細書において挙げた特許文献および先行技術文献は、特記しない限り、その全てをここに参照して援用する。不一致の場合、用語の説明を有する本発明の明細書は、制御するものとする。本明細書において列挙した材料、方法、および実施例は、実例のためのみであり、限定するものではない。
【0028】
I.一般的および特許文献3に記載の金属酸化物硫酸塩材料
本発明の開示は、無機材料の溶液堆積、通常電子用途に有用な金属酸化物硫酸塩無機材料の溶液堆積の方法の実施形態に関するものである。これらの材料の実施形態は、特許文献3に開示されている。この特許文献3の段落009から段落014を以下に言い換える。この言い換えた文書における図の参照は、特許文献3と共に発行された図を参照する。
「図1は、誘電性前駆体材料の製造プロセスの一実施形態を示す。プロセス10は、一般に金属含有カチオンのような第1の反応体12を用意し、多原子アニオンのような第2の反応体14を用意し、次いで多原子アニオンおよび金属含有カチオンを反応させることを備える。金属含有カチオンおよび多原子アニオンは、一緒に反応させる際、水溶液のような溶液内にあるものとする。一実施形態においては、ハフニウムオキシ塩化物(HfOCl(aq))のようなハフニウムオキシハロゲン化物の水溶液を用いて金属含有カチオンを付与することができる。硫酸(HSO(aq))水溶液を用いて硫酸塩(SO2−)のような多原子アニオンを付与することができる。所定材料を作製するのに適した方法及び相対量を用いてこれら2個の反応体を一緒に混合することができる。混合物を加熱してもよい。
反応は、前駆体溶液16を生成することができる。前駆体溶液16は、基板に塗布することによるように、所望に応じてすぐに使用することができる。随意的には、前駆体溶液16を少なくとも部分脱水し、次いで塗布する場合がある。上述した例において、前駆体溶液16はその後ハフニウムオキシヒドロキシ硫酸塩(HfO2−x−2/z(OH)(SO)を形成することができる。この式における変数に関して、xおよびzは固定または可変であり、いかなる値も取ることができる。例えば、xの値は通常約0.1〜約1.9であり、zの値は0.0〜約2.0である。一つの実施形態に対する値は、x=0.5およびz=0であった。水酸基が金属含有カチオンの一部であり、前記化合物がハフニウムオキシヒドロキシ硫酸塩(HfO2−x−2/z(OH)(SO)からなる場合がある。
他の実施形態において、多原子アニオンは、1個またはそれ以上の硫酸塩(SO2−)、ホウ酸塩(BO3−)、リン酸塩(PO3−)、タングステン酸塩(WO2−)およびケイ酸塩(SiO4−)を含むことができる。金属含有カチオンは、金属亜酸化物からなる場合があり、1個またはそれ以上のハフニウム(Hf4+)、チタニウム(Ti4+)、ジルコニウム(Zr4+)、セリウム(Ce4+)、スズ(Sn4+)、タンタル(Ta5+)、ニオブ(Nb4+)、イットリウム(Y3+)、モリブデン(Mo4+)、タングステン(W6+)、アルミニウム(Al3+)、ガリウム(Ga3+)、亜鉛(Zn2+)、クロム(Cr3+)、鉄(Fe3+)、ビスマス(Bi3+)、ランタニド類、ハフニウムオキシ水酸化物(HfO(OH)(4−2y−z)+)、ジルコニウムオキシ水酸化物(ZrO(OH)(4−2y−z)+)、チタニウムオキシ水酸化物(TiO(OH)(4−2y−z)+)、タンタルオキシ水酸化物(TaO(OH)(5−2y−z)+)、イットリウムオキシ水酸化物(YO(OH)(3−2y−z)+)、ニオブオキシ水酸化物(NbO(OH)(4−2y−z)+)、モリブデンオキシ水酸化物(MoO(OH)(4−2y−z)+)、タングステンオキシ水酸化物(WO(OH)(6−2y−z)+)、アルミニウムオキシ水酸化物(AlO(OH)(3−2y−z)+)、ガリウムオキシ水酸化物(GaO(OH)(3−2y−z)+)、亜鉛オキシ水酸化物(ZnO(OH)(2−2y−z)+)、クロムオキシ水酸化物(CrO(OH)(3−2y−z)+)、鉄オキシ水酸化物(FeO(OH)(3−2y−z)+)、ビスマスオキシ水酸化物(BiO(OH)(3−2y−z)+)、およびランタニド系列のオキシ水酸化物を含むことができる。yの値は、金属カチオンの電荷と、金属カチオンに結合する水酸化物および他の多原子アニオンの量に関係する。
ここに開示した多原子アニオンおよび金属含有カチオンを用いた方法の実施形態は、錯体を形成するための有機物を用いるのを必要としない誘電性前駆体材料、すなわち有機物を含有しないアニオンおよびカチオンの源を形成することになる場合がある。しかし、ある実施形態に対しては所望又は所要に応じて有機材料を用いることができる。例えば、エタノールのような非錯化有機物を前駆体溶液における部分溶媒として用いることができる。錯化有機物が前駆体材料に含まれない場合、該前駆体溶液を基板に塗布したら、前駆体溶液は通常400℃またはそれ以上の高温度で加熱またはアニーリングしてあらゆる有機材料を分解/燃焼する必要がない。加熱および/または乾燥による前駆体溶液の重合は、多結晶材料でなくアモルファス膜の形成をもたらし、これにより基板上への誘電体材料の溶液を基にした塗布が可能になる。
一般に、本明細書記載の方法の実施形態は、空気中大気圧のような周囲条件で行うことができる。したがって、真空処理は必要ないが、所要に応じて利用し得る。この方法は、約80℃〜約850℃のような大気以上の温度、通常約80℃から最高350℃、しばしば最高100℃で行うことができる。これら低圧低温処理は、開示した方法用のエネルギー必要条件を低減することができる。誘電体膜を処理するのに有用な低温により、膜をプラスチック基板のような低温基板上で処理するか、または溶液として塗布する。生成したアモルファスの非晶質誘電性前駆体溶液は、ウエハのような基板上への前駆体溶液の等角被覆を可能にする。該溶液はまた、インクジェット印刷を用いるなどして所定の特別なパターンで塗布することができるので、マスキングまたはエッチング工程を用いることはない。したがって、本明細書の方法は、基板上のフォトリソグラフィー処理の間材料の形成および除去に用いる危険もしくは有害な材料の利用を撤廃または減少することができる。すなわち、本方法は、既知の方法に対し時間効率が良く環境に優しい。さらに、本明細書の一実施形態に用いるハフニウム酸化物および硫酸塩材料は、有毒材料ではない。
本明細書の方法に用いる材料の実施例には、ハフニウムオキシヒドロキシ硫酸塩(HfO2−x−z/2(OH)(SO)、ハフニウムオキシヒドロキシタングステン酸塩(HfO2−x−z/2(OH)(WO)、ハフニウムオキシヒドロキシホウ酸塩(HfO2−x−z/2(OH)(BO)、ハフニウムオキシヒドロキシリン酸塩(HfO2−x−z/2(OH)(PO)およびハフニウムオキシヒドロキシケイ酸塩(HfO2−x−z/2(OH)(SiO)を含む一群の化合物がある。これら材料は、80℃程の低温で重合し、約740℃まで、さらには1200℃までアモルファスを保持することができる。材料の重合は、加熱速度の調整、共溶媒の使用、他の適切な方法、およびこれらの方法のすべての組み合わせにより制御することができる。本明細書のアモルファス膜は、粒界での欠陥形成を減少することができ、またアモルファス−結晶転移によりクラック形成を減少することができる。さらに、本明細書の誘電体膜は、適度に高い誘電定数、すなわち有機化合物の誘電定数よりも高い誘電定数を有する。インクジェット印刷の適用のような溶液系処理による高品質の誘電体を形成する能力は、電界効果トランジスタまたはコンデンサのような低コスト電子部品を形成することができる。
図2は、前駆体溶液16を塗布して誘電体材料を形成する方法の一実施形態を概略的に示す。ハフニウムオキシ硫酸塩のような前駆体溶液16を塗布器20によってウエハのような基板18に塗布する。一実施形態において、塗布器20はノズル22を有するインクジェットプリンタとすることができる。前駆体水溶液16をインクジェットプリンタのノズル22を通して噴出する。他の実施形態において、塗布器20は、前駆体溶液の塗布方法がそれぞれスピンコーティング、ディップコーティングまたはスプレーコーティングからなるようにスピン塗装機、ディップ塗装機またはスプレー塗装機とすることができる。前駆体溶液16のアモルファスな溶液特性により、前駆体溶液16を塗布した際に、良好な等角被覆を可能にする。基板表面または基板上に堆積した一枚もしくは複数枚の膜上に一度塗布したら、ヒータ24での加熱によって、もしくは他の脱水デバイスによって前駆体溶液を脱水して、前駆体溶液中の水分を除去または減少させることができる。この脱水工程は、ハフニウムオキシ硫酸塩薄膜のようなアモルファス誘電体材料のウエハ18上への沈殿をもたらすことができる。
図3は、誘電体材料前駆体溶液16の一実施態様(図1参照)、特に硫酸(HSO)とオキシ塩化ハフニウム(HfOCl)との反応に対して前駆体濃度を異ならせるために可能な溶液濃度を示すグラフである。特に、図3は、全硫酸塩濃度(モル濃度(M))対全ハフニウム濃度(M)のグラフを示す。領域28は、透明な溶液、すなわち、目で見える沈殿物がない溶液を示し、この場合領域28は過剰な硫酸(HSO)の領域である。領域30は、透明な溶液、すなわち、目で見える沈殿物がない溶液を示す。領域30は、過剰なオキシ塩化ハフニウム(HfOCl)の領域である。ライン32は、硫酸およびオキシ塩化ハフニウムがそれぞれ1対1の比(1:1の化学量論的比)である化学量論ラインである。領域34は、沈殿領域、すなわち目で見える沈殿物を有する溶液を示す。したがって、領域34またはその一部は、インクジェット印刷の適用によって滑らかで実質的に欠陥のない膜を形成するのに最適でないが、その用途を除外しない溶液を示す場合がある。したがって、前駆体溶液16(図2参照)をインクジェットプリンタ適用装置20(図2参照)により塗布する場合、第1および第2反応体の濃度が領域28または30の内に入るが、固体領域34に入らないことが望ましいばあいがある。領域34の溶液に存在する固体は、ノズル22をふさぐか、又は滑らかでない膜を形成するか、さもなければ好ましくない前駆体溶液の塗布をもたらす場合がある。換言すれば、領域28および30の溶液は、インクジェットプリントヘッドを通して、または滴下方法によって塗布し得る可能な前駆体溶液「インク」を示す。」
【0029】
II.一般的考察
新しい薄膜誘電体およびナノ積層体が、溶液堆積、通常滑らかで高密度な膜の水溶液堆積を用いて開発されてきた。溶液堆積技術には、スピンコーティングおよびインクジェット印刷がある。溶液堆積に続いて適度な熱処理(T<325℃)を行うことができる。
【0030】
さまざまな分析技術を用いて、本発明に従って作製した材料の化学特性を粉末および膜の両方として定義した。膜の品質および機能は、X線反射率、電子顕微鏡検査法および電子装置における性能によって分析されてきた。誘電特性は、実施形態に関して決定され、約9〜約12の範囲をカバーする誘電率値と、少なくとも6MVcm−1までの破壊電界と、電界強度1MVcm−1で1nAcm−2近くの漏洩電流とを含む。膜の表面滑らかさおよび間隙のない性質は、少なくとも約2ナノメーター程度の薄い個々の層を有する独特なナノ積層構造体の製造を容易にする。比較的高い誘電率の膜は、本発明の開示した実施形態を用いて実現できるが、薄膜の金属−絶縁体−金属(MIM)コンデンサおよび薄膜トランジスタ(TFT)に高い破壊強度および低い漏洩電流を付与することもできる。絶縁膜の例外的な特性も、独特なナノ積層構造体の形成を可能にする。
【0031】
アモルファス材料は、薄膜誘電体としての使用に望ましく、粒界を有さず、したがって、微結晶に伴なう粗度および電荷伝導に影響されにくい。ハフニウムおよびジルコニウムの多くの酸化物、例えば簡単な二成分、ケイ酸塩およびアルミン酸塩を、高い誘電率の誘電体用途の候補として検討した。多成分材料においては、誘電率を犠牲にし得るが、結晶化を抑制して純な2成分酸化物に対しより頑丈な破壊特性を生成することができる。これら誘電膜は、しばしば、様々な金属―有機物または金属―塩の前駆体と、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、ゾル−ゲル処理、またはその組み合わせのような技術とを用いて形成される。しかし、溶液堆積法によって高密度でアモルファスである有用な誘電体膜を形成するには、堆積およびその後の処理中に結晶化およびクラッキングを抑制する必要がある。
【0032】
本発明に開示したある実施形態は、金属酸化物膜の開発に関するものである。金属酸化物は、それぞれ式HfO2−x(SOおよびZrO2−x(SOを有し、それぞれ0.1≦x≦1.5であるハフニウムおよびジルコニウム硫酸塩系を参照することによって通常例示される。これら化合物は、ここにそれぞれ頭文字HafSOおよびZircSOで表さす。これら系の化学的および物理的特性を定義するため、HafSOおよびそのLa置換誘導体HafSO:Laのようなドーピングされた類似物を、粉末および薄膜として両方作製する。HafSO、ZircSOおよびその選択した誘導体の薄膜誘電特性は、コンデンサおよびTFTを組み立てることにより評価される。これら分析によって、高品質で高密度の膜が生成し得ることが示された。混合HafSO/ZircSOナノ積層体の膜厚および製作は、現在スピンコーティング法によって制御し得る。
【0033】
多くの相および結晶構造体が、HfO−SO−HOよびZrO−SO−HO系の検討から報告されている。いくつかの構造体は、水和度並びに金属原子、硫酸塩基および水の凝縮に伴った構造的次元の変動を示す式Hf(SO・nHOまたはZr(SO・nHOの簡単な水和物として特徴付けられる。硫酸塩に対し金属が豊富な既知の材料としては、Zr(OH)(SO・4HOと;Hf(OH)SOおよびその水和物と;Hf1810(OH)26(SO13・33HOおよびZr18(OH)38.8(SO12.6・33HOと;Zr(SO13およびその水和物とがある。これら構造体の全て(可能であればZrSOは除く)は、室温および水素の結合又は脱水の変化をもたらす温和な加熱下の両方で大気に施した際に不安定になりがちである。これによって、脱水及び凝縮処理を用いてアモルファス膜を開発するのが可能になる。
【0034】
ハフニウムに対する硫酸塩の選択した画分(変数x)を有する水溶液から出発して、HafSOx沈殿物を加熱によって生起する。図1は、風乾したHafSOx沈殿物の熱重量分析(TGA)である。TGAは、サンプルの重量(質量)の変化を温度の関数として測定するのに用いる温度分析技術である。風乾したHafSOx沈殿物を加熱すると、3つの領域に質量損失を生じる。同様の特徴が、他のHafSOx誘導体においても観察される。約200℃の温度以下での大きな質量損失は、結合した水の損失に起因する。約200℃〜約700℃の温度範囲における質量損失は、主に水としてより強固に結合したヒドロキシル基の排除に起因する。約700℃以上で開始する急な質量損失は、SO(g)→SO+1/2O(g)に従う硫酸塩分解に起因する。脱水HafSOx粉末が700℃から950℃の間でHfOに完全に転換すると仮定すると、硫酸塩画分は、質量損失から計算できる。サンプルの質量損失を決定することにより、母溶液における硫酸塩の増大レベルが、沈殿物における硫酸塩の増大レベルをもたらすことがわかった。とくに、硫酸塩対ハフニウムの比が、それぞれHfO1.54(SO0.46およびHfO1.29(SO0.71の脱水式に対し約46%〜約71%まで変化した。HSO(aq)または(NHSO(aq)を硫酸塩源として使用していても、同じ最大量の硫酸塩組成物が沈殿したが、46%未満の硫酸塩レベルを有する生成物は検討しなかった。熱重量プロファイルにおいていくらかばらつきが観察されたが、硫酸塩損失の開始は、すべてのサンプルで720℃以上で起こった。誘導体に対するこれら加熱曲線の定義し得る値としてのピーク位置は、試験したサンプルでは793℃から817℃間での分解を示した。最高分解温度は、硫酸塩源としてHSO(aq)を用いて最大硫酸塩含有量を有するサンプルで観察された。
【0035】
再び図1を参照するに、最大硫酸塩含有量のサンプルもTGA測定の前に加熱した。水と関連した質量損失を減じ、予熱したサンプルおよび規格のサンプルの両方で算出した硫酸塩含有量は類似していた。この70〜71%硫酸塩含有量は、報告した結晶Zr18(OH)38.8(SO12.633HOおよび;Hf1810(OH)26(SO13S・33HOの組成を再現する。TGA研究より、Ahmed,Fjellvag,およびKjekshus(Acta Chem.Scand.,53,24(1999))もまた、Hf1823(SO13およびZr1823(SO13に対する硫酸塩分解が、この研究内においてHfおよびZr二硫酸塩に対するものよりも高く、また他者により報告された基本の硫酸塩Hf(OH)(SO)・HOおよびZrSOに対するものよりも高い温度で起こることを見い出した。増大した熱安定性に加えて、約13:18の硫酸塩対金属の比が、この系内で特別な安定性を示す。また、この組成が溶液処理および加熱を要求する目的に関して適切な場合がある。
【0036】
硫酸塩LaSOは、1300℃を超える分解温度を有する。ランタン(La)をHafSOx母溶液に加えて、修正した脱水特性および、一例として熱安定性である熱的特性のような修飾した物理的性質を有する付加的な化合物を生成する。混合金属システム、すなわちHf1−zLa2−x−z/2(SO(HafSOx:La)は、かかる化合物を例示する。かかる化合物を生成するためには、前駆体材料および23%La(全金属)を含む溶液を加熱して沈殿物を形成する。化学分析は、わずか3%のLaが生成物に見い出されることを示された。TGAから、71%の硫酸塩対金属の比が認められ、820℃での分解(誘導体ピークとして)が、最大硫酸塩含有量と一致することを見い出した。次いで、NH(aq)を、32%La含有構成種の塩溶液に加えることによって共沈澱を誘導した。生成物の化学組成を分析して、母溶液に存在するものと同じLa画分を示した。この式に対する熱分解は、未ドーピングのHafSOxと著しく異なった。毎分2℃/分の緩徐な速度で加熱する場合でも、加熱特性は急変せず、一定質量が1000℃までの加熱で達成されないが、硫酸塩に起因した質量欠損が700℃以上で明白である。この加熱速度に関して、分解(誘導体ピークとして)が約870℃で起こるが、この値は加熱条件による。酸化物への完全分解は、1500℃まで加熱して、乾燥沈殿物用の式Hf0.68La0.321。48(SO0.36を得ることにより達成される。
【0037】
XRDデータを沈殿したHafSOx粉末に対して収集して、結晶質相に対する温度範囲を確立する。風乾後、複雑な回折パターンを最大硫酸塩含有量および硫酸塩源としてのHSO(aq)を有するサンプルに対して記録し、他のサンプルは該パターンを示さないか、または拡散回折を示した。HafSOx(x=0.70)に対するXRDデータを図2に示す。サンプルを約100℃〜約700℃で1時間加熱風乾後、該物質はアモルファスとなった。単斜晶HfOの結晶ピーク特性が、750℃およびそれ以上で1時間加熱後に観察される。硫酸塩損失の開始がTGAによって720℃で起こるので、結晶化が硫酸塩損失と一致することがわかった。3%Laの含有は、1000℃までの温度に対して類似の回折プロファイルを発生する。
【0038】
HafSOx:32%Laに対するXRDデータを図3に示す。沈澱物および700℃まで加熱した沈殿物は共にX線アモルファスである。未置換のHafSOxと同様に、検出可能な結晶質相が700℃〜750℃(1時間加熱)で形成され、これは硫酸塩が分解し始める温度間隔である。32%Laで置換しても、単斜晶HfOは検出される相ではない。むしろ、回折プロファイルは立方晶(または正方晶)HfOと一致し、HfOの相がランタニド原子包含によってしばしば安定化される。高温加熱は、適切な状態図の考察から予想した通り、HfLaおよび単斜晶HfOを生成する。中間温度酸化物相は、10〜37%のランタンが900℃で立方晶ジルコニアを安定化し、1050℃で相分離が起こることを発見したZhang,Kershaw,DwightおよびWold(J.Solid State Chem.,72,131(1988))によるZrO−La系での研究と一致した。
【0039】
約200ナノメートル〜約300ナノメートルの厚さを有するHafSOxおよびHafSOx:La薄膜を、材料特性のために作製した。かかる膜に関する組成を、Hf,La,ClおよびSの相対濃度に基づく電子プローブ微小分析(EPMA)で画定した。酸素レベルは、この方法では正確ではないので、脱水した式で表した。325℃で加熱(5分間)した2個の代表的なHafSOx膜は、ハフニウムに対し67%および85%の硫酸塩を示すHfO0.985(SO0.67Cl0.69およびHfO0.915(SO0.85Cl0.47と画定した。85%硫酸塩膜をさらに650℃に加熱(5分間)し、HfO1.275(SO0.71Cl0.03と画定した。また、330℃で加熱(5分間)したHafSOx:La膜は、Hf0.76La0.240.73(SO0.96Cl0.38と画定した。650℃に加熱したHafSOxに関して、硫酸塩比を71%まで減ずると、最大硫酸塩を有する加熱沈殿したHafSOx粉体の組成と一致する。HafSOx:Laに関して、La(24%)の測定画分は、前駆体溶液における23%La濃度とよく一致する。
【0040】
HafSOx(x〜0.67及び0.85)およびHafSOx:La膜に対する透過フーリエ変換赤外(FTIR)分析は、所定温度で5分間加熱した後収集された。FTIRスペクトルを用いて2個の官能基を主として検出した。3000〜3600cm−1の範囲における吸収がヒドロキシル基に帰属され、1000〜1200cm−1の範囲における吸収が硫酸塩基に帰属される。加熱すると、ヒドロキシル吸収が約325℃〜約600℃の範囲にわたり減少する一方、硫酸塩ストレッチが、HafSOx膜に対して約650℃〜700℃の間で、またHafSOx:La膜に対して約700℃〜750℃でほぼ消失する。(硫酸塩からのSiOは同じようなエネルギーで吸収するため、硫酸塩吸収に対するプロファイルが僅かに歪曲されるが、スペクトルは定性的に正しい。)
【0041】
薄膜XRDデータは、それぞれ図4および図5に示したような所定の温度でそれぞれ5分間加熱した後、HafSox(x〜0.67及び0.85)およびHafSOx:24%La膜に対して収集された。両HafSOx組成物に対し、膜は約325℃〜約650℃でX線アモルファスである。単斜晶HfOを約700℃およびそれ以上で検出する。HafSOx:La膜は、約330℃〜約700℃でアモルファスである一方、立方晶相が約750℃から約1000℃で検出される。立方晶相は、単斜晶HfOおよびHfLa相への分離が開始するので、1100℃で明らかに不安定である。HafSOxおよびHafSOx:La膜に関して、硫酸塩の損失が酸化物の結晶化と直接的に相関させることができ、これは粉体の挙動と一致する。
【0042】
HafSOx,ZircSOxおよびその誘導体の膜を、誘電体として使用するのにスピンコーティングによって堆積した。MIMコンデンサを試験して、1kHzでの誘電率および損失正接のパラメータと、電界破壊強度を画定した。「破壊」は、電流密度が10μAcm−1を超える電界として定義する。同様の試験をHafSOx,HafSOx/La,ZircSOx,ZIrcSOx:La,HafSOx:CeおよびZircSOx:Caに対して行った。図6は、アルミニウムドット接触が0.011cmの面積を示すHafSOx誘電体膜に関する誘電体破壊特性を示す。HafSOxおよびZircSOx膜は、4〜6MVcm−1の破壊電界を有する。3.6MVcm−1の破壊電界がZircSOx:Caで見られた。1MVcm−1の印加電界で、6個すべてのものが50nAcm−2未満の漏洩電流を示し、10nAcm−2未満の漏洩電流が多くの組成物で観察された。約9〜約12の誘電率値および1%未満の損失正接がすべてのもので測定された。
【0043】
HafSOx:LaまたはZircSox:Laをゲート誘電体として、また酸化亜鉛インジウムまたは酸化亜鉛スズをチャネルとして用いて電界効果トランジスタ(FETs)を製造した。電流変調が達成され、ドレイン対ソース電流がドレイン対ソース電圧の増加で飽和され、10を超えるオンオフ比が付与され、また、ゲート漏洩電流がpAcm−2の範囲である。これらの結果は、HafSOx:LaおよびZircSOx:La膜がデバイス集積に関して十分に強固で、誘電体/チャネル界面品質の必要性も満たしていることを明確に示す。
【0044】
新しいクラスのアモルファス多成分酸化物誘電体膜として、HafSOx,ZircSOxおよびその誘導体を、他の混合系、特に(MO1−x(Alおよび(MO1−x(SiOとして表わされ、M=HfまたはZrであるアルミン酸塩およびケイ酸塩と比較することができる。これらの系のそれぞれに対する様々な膜組成物を従来の気相技術によって堆積させた。20〜50モル%のAlまたはSiO(誘電体用途に共通な組成として)を有するHfまたはZrのアルミン酸塩およびケイ酸塩の場合、結晶化が通常約800℃〜約1000℃で相凝離と同時に起こる。試験したHafSOx粉体および膜に関して、硫酸塩が分解するので、結晶化が約700℃で起こる。誘電体として、これらアルミン酸塩およびケイ酸塩は10〜15の誘電率値を示し、HafSOxおよびZircSOxに関しては9〜12の値である。この新しいクラスの酸化物硫酸塩材料は、アモルファスで、中間温度で、中間の誘電率の誘導体であると見做すことができる。
【0045】
走査型電子顕微鏡(SEM)およびX線反射性(XRR)を用いて膜品質をさらに検討する。HafSOxおよびHafSOx:La膜のSEM画像を図7および図8に示す。これらの画像は、誘電体試験に通常用いられるような約150〜約300ナノメートルの厚さを有する膜に対して、滑らかで高密度の均一な断面を示す。図7は、SiO基板710と、その上に堆積したTa金属の506nm層712および160nmのHafSOx膜714とを示す。図8は、SiO基板810と、その上に堆積したTa金属の512nm層812および192nmのHafSOx/La膜814とを示す。
【0046】
より薄い膜製造に関する再現性の厳格な目安として、HafSOx/ZircSox繰り返しモチーフを有する多層構造体を堆積し、XRRで分析した。一つのXRR走査による干渉パターンを図9に示す。定常波調波の典型であるピーク最大値の位置を用いて、繰り返し二重層の厚さを求めた。HafSOxおよびZirxSOxの厚さを独立して系統的に変化させることによって、個々の層の厚さを画定した。ナノ積層体スタック内において、約3ナノメートル程薄い単一層を測定した。回折パターンにおける高次の反射を観察すると、各二重層を粗度を含む0.5未満のばらつきで堆積した。
【0047】
装置寸法の縮小は、薄く、高い漏洩電流のSiOをSi CMOS技術において誘電体として代替する必要性を導いた。この代替誘電体は、高い誘電率を示さなければならず、より厚い層が低い漏洩電流の同じ装置電気容量を示すことを可能にする。HfOおよびZrOは、その望ましい誘電体特性および熱的特性のために、代替ゲート誘電体として非常に注目されている。HfOおよびZrO誘電体に対する挑戦の一つは、13nm以下の厚さを有する滑らかで、高密度で、ピンホールがない超薄膜を製造することである。以前は、超薄膜が、原子層堆積(ALD)を用いて形成されていた。ALDによるいくつかの期待できる結果にも関わらず、この処理は長い堆積時間(1Å/分)を有する真空を用いることを必要とし、これは高いコストで低い処理量となる。これは、HfOおよびZrOの溶液系堆積に対しいくつかの研究を促進した。今まで、これらの膜は、ALD膜と同じ均一性および密度に達していない。
【0048】
交換反応を用いて、ALDの品質に匹敵し、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)およびSi CMOS(相補型金属酸化膜半導体)技術に用いるのに適した超薄M(OH)およびMO膜を製造することができる。開示した実施形態に関しては、スピンコーティングを用いる無機凝縮を介して膜を硫酸塩形態で堆積する。例えば、半固体膜をMO・HCl・HSOの組成で形成することができる。硫酸塩は、水酸化ナトリウム水溶液を用いるイオン交換によって除去される。
MO・HCl・HSO+OH(aq)→M(OH)2x+Cl(aq)+SO2−(aq)
【0049】
生成したヒドロキソおよび/または酸化物膜は、滑らかで、高密度で、ピンホールがない。例えば、約2ナノメートルの厚さを有するHfO膜を、HafSOx膜から製造することができる。交換した膜に約800℃まで熱処理を約10秒〜10分間施して約0.1ナノメートルの膜表面粗さをもたらす。高価な原子層堆積処理を低コストのスピンオンまたはミスト技術と交換する一方、上記膜特性がCMOSおよび関連する技術における金属−誘電体ゲートの要件を満たす。
【0050】
堆積した半固体の水和ヒドロキソ膜は、膜形態を破壊することなくアニオン交換をすることができる。例えば、SO2−,WO2−,PO3−,AsO3−,SiO4−,VO3−,AlO5−,GaO5−のようなオキソアニオンおよびそのプロトン化物、例えばHPO2−,HPO並びにハロゲン化物F,Cl,BrおよびIは、膜を金属塩浴、例えばNaSO2−(aq)中に置くことによって選択的に交換させることができる。これは、電子用途と、イオン交換クロマトグラフィおよび濾過のような他の用途のための膜機能を最適化する機会を提供する。
【0051】
酸化物膜のいくつかの実施形態に関して、基板に直接塗布して複雑な組成、例えば2個またはそれ以上の金属原子を提供し得る単一源の前駆体懸濁液を生成するのが困難である。以下の方法が、かかる懸濁液の生成およびその装置用途に適した品質の膜の堆積用の単一源の前駆体としての使用を可能にする。
【0052】
前駆体水溶液を合成し、該前駆体を用いて金属酸化物膜を堆積するための一般的な方法を下記に開示する。前駆体水溶液は、非水極性溶媒中での加水分解により凝縮し、続いて堆積用の水性環境に転換されたポリマーまたはオリゴマーの金属ヒドロキソ化合物を備えることに特色を示す。有利な薄膜の電気的および光学的特性と、処理温度は、有害な有機汚染なしに金属水酸化物を濃密な固体酸化物に凝縮することにより達成される。ここに開示した合成方法の実施形態は、一般的な手法、すなわち1)金属塩の極性溶媒への溶解、2)加水分解および凝縮、3)溶媒蒸発、4)HOへの溶解、5)溶液堆積および硬化に従う。
【0053】
金属カチオン(Ma+)および1個以上のアニオン(Xb−)を備える1個またはそれ以上の可溶性塩を、脂肪族アルコールまたはニトリルのような非錯化で非水の極性溶媒、特にメタノール、エタノール、アセトニトリルもしくはその混合物のような低級(10炭素原子もしくはそれ以下)アルキルアルコールおよびニトリルに溶解する。多くの溶媒系が可能である。特定の用途に適した溶媒は、沸点(通常150℃未満)と、低毒性と、所望の溶液相反応に適合し得る酸―塩基およびレドックス特性とを考慮することによって選択することができる。金属源には、簡単なイオンもしくは分子塩(Zn(NO,SnCl,など);オキシもしくはヒドロキシ塩(ZrO(NO,ZnOHCl,など);または潜在的に有機塩(Fe(CHCO,Cu(CHOO),など)がある。金属カチオンの少なくとも一つは、3以上の形式電荷を有さなければならず、また、このイオン(a≧3のMa+)の全濃度は、目的酸化物中の金属カチオンの50モル%を越えるべきである。同時に、ある量のHOが、上述した金属塩の水和物として溶液に純粋な液体または以下で説明する塩基溶液として導入される。水の量は選択したカチオンによって画定される。すなわち、水の典型的な量は、非水極性溶媒の20モル%を越えない。
【0054】
次いで、溶液のpHが、適切な塩基の添加によるか、または酸化還元機構を介した遊離プロトンの反応によって、最初のpHに対し上昇される。上昇したpHは、酸性カチオン(a≧3)により結合したHO配位子の加水分解および生成するヒドロキソカチオンの凝縮を起こす。最終溶液のpHは、用いた金属カチオンに依存するが、通常約2〜9の範囲内にある。これは、以下の技術の一つ、またはそのいくつかもしくはすべての組み合わせを用いて達成することができる。
a)NHOH,(NHPO,CsOHまたは類似化合物を含有する塩基性水溶液の添加。特定の化合物(NHOH)を選択して、その後の処理の間に分解または揮発することができる。最終酸化物膜の一部を構成して脱水を伴う独特の形態学的、光学的もしくは電気的な特性を達成することを意図する場合、他のカチオン(例えばCs)または多原子アニオン(例えばPO3−)を用いることができる。
b)最終酸化物膜における介在物の類似目安でCaOまたはSrOのような少量の塩基性酸化物の添加および溶解
c)HO中で塩基性溶液を形成するNHまたは他のガス状化合物の添加
d)Hへの直接還元によるか、又はNOの還元のような他のプロトン消費酸化還元処理の一部としてプロトンを消費し得るZn,AlまたはFeのような電気陽性金属還元剤の添加。然る後、生成したカチオン種を最終酸化物膜に入れ込む。
e)プロトンを消費するか又は対イオンを分解する目的であるが、最終酸化物膜に介在することなく液体形態若しくは可溶性塩としてのN,HCO又はHのような水性またはガス状酸化剤または還元剤の添加。
【0055】
前記溶液を室温で攪拌し、加熱するか、またはソルボサーマル条件に曝して、所望の最終組成に応じた熱分解および凝縮を促進させることができる。適切な反応時間の後、該溶液は1個またはそれ以上の可溶性オリゴマーまたはポリマーの金属−ヒドロキソカチオン種を含有する。これら種は、実際ホモまたはヘテロ金属とすることができる。凝縮の程度は、入手し得るHO(水和およびヒドロキソ配位子)の制限的なモル比によって制限される一方、HOに対する非水溶媒の減少した極性およびサイズが、立体効果または変化した電荷スクリーニング特性によって付加的な凝縮および沈殿処理を防止することができる。
【0056】
可溶性金属種は、非水溶媒を揮発させることによって分離される。分離した金属−ヒドロキソ化合物は、溶媒、対イオン、および加水分解比のようなある処理考察に応じて結晶性もしくはアモルファスの固体またはゲルを形成することができる。
【0057】
酸化物膜用の前駆体溶液は、分離した固体をHOに溶解または分散させることによって調製される。生成したゾルまたは溶液は均質で、また熱力学的に安定又は安定でない場合がある。
【0058】
前駆体溶液を、印刷、スピン、スプレーまたはディップコーティングを含む任意適当な技術を用いて基板に塗布してパターン化または前命的な液膜を形成する。液膜を大気条件下約100℃から600℃の温度で約5−240分間熱硬化する。真空または二次成形ガス(例えば、HおよびNもしくはAr流)アニールを用いて、所望の化学もしくは光電子工学特性に適するように酸素の化学量論またはカチオン酸化状態を変えることができる。
【0059】
本明細書に開示した膜の平滑さおよび高い原子密度は、溶液処理を介して純粋な無機ナノ積層体を製造することができる。これらの膜は、さらに以下で説明するように、広範囲の用途を開発するための新しい土台となる。
【0060】
III.用途
当業者は、HafSOxおよびZircSOx化合物およびかかる化合物を備える膜を用いて多くの異なる装置を作製することができ、またかかる化合物を利用する様々な処理を実行することができることが理解できる。金属−有機物前駆体は、無機酸化物の溶液系堆積に広く採用されている。この有機部の存在は、相当な体積変化と通常結晶化および「泥割れ」現象とを導く高温焼却工程を必要とする。これらの問題点は、本発明の開示した実施形態と、適切な無機組成とを用いて、簡単な脱水および重合が膜品質維持を導くアモルファスHafSOxおよびZircSOx膜を形成することにより排除される。相安定性を解明するため、代表的なHafSOxおよびHafSOx:La粉体と膜を様々な温度で特徴付けた。膜の品質および利用性を検討するために、HafSOxおよびZircSOxを基にした薄膜を様々形状で堆積した。いくつかの誘導体を用いてキャパシタ誘電体を製造した。HafSOx:LaおよびZircSOx:Laを用いて、FET装置におけるゲート誘電体を形成した。HafSOxおよびZircSOxナノ積層体層は、対の原子層内で再現性と共に顕著な平滑さ示した。HafSOx,ZircSOxおよびその誘導体を備える膜の階級は、他のものの中でも、電気絶縁体、防護壁、光学的コーティングおよび/またはフォトリソグラフィー用の無機高分子として有用である。
【0061】
A.レジスト、インプリントリソグラフィーおよび印刷用のパターン化膜
フォトリソグラフィーを一般に用いてマスク上の幾何学的図形をシリコンウエハまたは他の半導体の表面に転写する。過去40年間は、フォトリソグラフィー処理は、マイクロ電子業界における装置特性の解明および寸法制御において改良するための原動力であった。これらの利点によって、現在我々の生活の欠かせない部分と考えられる高性能のパーソナルコンピューター、携帯電話、CDプレーヤーおよび他の無数の進化した電子製品が可能となった。これら製品を可能にしたフォトリソグラフィーの進展は、短波長の露光ツールの開発と、ポリマーレジストの解明および形状能力の並外れた進展とに大きく集中した。しかし、より小さくデバイス歩留まりの改良が依然として求められているため、ポリマー系レジスト技術の制限および非能率はより明確になってきている。
【0062】
リソグラフィーにより実現された最小の形状サイズは、無機材料の電子ビーム書き込みによって製造された。しかし、これら形状を生成するのに必要なビーム投与量は、製造環境での使用の一時的なもの以上を受け取る極端に高いものであった。
【0063】
ここに開示した膜の堆積および処理の間、積層した膜の相互拡散と、生成する物理的および化学的特性を制御する方法を与える膜の水和レベルを制御することが可能である。高品質な膜と結合した材料溶解度に誘起された修飾を有する制御された相互拡散を用いて、アモルファスおよび結晶化膜を用いる新しいリソグラフィーパターン化法を開発する。この方法論は、2個の異なる膜を堆積および反応させることを含み、二重層拡散として指定される。また、ペルオキシド(O2−)のような小さい配位種を水系無機懸濁液および膜に添合して追加の新しいリソグラフィーのパターン化方法を提供することができる。この技術では、エネルギー(例えば、光、電子ビーム、熱)を膜に付与して、膜の溶解性を変える凝縮反応を起こし、リソグラフィーのパターン化を可能にする。
【0064】
パターンは、ポジ型またはネガ型フォトレジストを用いて形成することができる。この処理をシリコン基板1012、シリカ層1014およびレジスト層1016を有する積層構造体1010を参照して図10に概略的に示す。ポジ型レジストに関しては、レジスト層1016をUV光のようなエネルギー源に露出し、どこであっても下側の材料を除去すべきである。これらレジストでは、UV光への露出がレジスト層1016の化学構造を変えるので、現像剤中で一層可溶となる。その後、露出したレジスト層1016を現像剤溶液によって除去して、裸の下側材料の領域を残す。換言すれば、「何を示そうが、行く」ということである。したがって、マスク1018は、ウエハ上に残すべきパターンの正確なコピーを含む。
【0065】
ネガ型レジストは、正反対の挙動を示す。UV光への露出は、ネガ型レジストの重合を生起し、したがって、溶解が一層難しくなる。その結果、ネガレジスト1020が露出された表面上に残り、現像剤溶液が未露出部分だけを除去する。したがって、ネガ型フォトレジストに用いるマスクは、転写すべきパターンの逆(または写真の「ネガ」)を有する。
【0066】
電子機器製造に現在使用中のレジスト材料は、有機ポリマーである。これらポリマーは、パターン分解能を制限するコイリング、形態、および拡散化学特性を示す。本発明の無機薄膜は、新しいレジスト技術の基礎を形成する。ここで、ネガ型レジストは、無機物膜を半固体形状で光または電子ビームに露出し、脱水中に溶媒、とくに水、またはO2−のような小さい配位子を失わせることにより実現することができる。これは膜を強化し、酸に不溶にする。
【0067】
ポジ型レジストの一つ実施形態は、二重層システムを用いて作製することができる。二重層の第1層は、ハフニウム酸化物硫酸塩(HafSOx)膜上に堆積したギ酸銅膜からなる。ギ酸銅膜は、酸に可溶で、未ドープのHafSOx膜は酸に不溶である。二重層をマスクを介して光に、または収束した電子ビームに露出させると、2個の膜が露出領域で相互拡散を生起し、これにより予め未ドープのHafSOx膜を可溶にする。
【0068】
この処理の一実施形態を図11に概略的に示す。図11を参照すると、積層構造体1110が、先ずスピンコーティングまたはインクジェットコーティングの適切な材料によって加工装置を画成するのに必要とするような所定のオーダーと厚さで形成される。より詳細には、基板材料1112を最初に選択する。当業者は、多くの基板材料のうちどれを使っても本発明のこの実施形態を実現できると理解できるだろう。ほんの一例として、また、限定することなく、適切な基板には、半導体材料、金属、ガラス、高分子材料およびそれらの組み合わせがある。そのようなものとして、レジスト技術が半導体製造における様々な用途にとって有用とすることができる。適切な基板1112を選択すると、HafSOxの第1層1114を基板1112上に溶液堆積する。その後、Cu:ZircSOxの層1116のような第2層を層1114上に溶液堆積する。次いで、積層構造体1110に、マスクを介して電子ビーム又は光のようなエネルギー源をもたらす。マスクを介して光又は電子ビームに露出すると、2個の膜が露出領域で相互拡散し、予め未ドープのHafSOx膜を可溶性にして積層構造体1120を生成する。次いで、露出した構造体1120を現像する。予め未ドープのHafSOxは可溶性であので、積層構造体1130において示すように除去される。
【0069】
フレキシブルまたはガラス基板上で、構造体1130に示したパターンは、インプリントリソグラフィー用、またはグラビア印刷のような一般化された印刷処理用のマスタープレートであると考えることができる。このようにしてHafSOxの硬化パターン化材料を形成すると、流体制御および送達用装置の製造におけるマイクロおよびナノチャネルアレイを開発する手段を提供する。かかる装置は、医療診断、インク送達および化学合成に適用することができる。
【0070】
二重層方法の他の実施形態を図12に示す。この方法は、所定の基板1210上にパターン化酸化物を生成する。例えば、基板はガラス、半導体ウエハ、金属、金属合金、プラスチックまたはその組み合わせとすることができる。この方法の第一の工程は、固体の酸または塩基、例えば1個もしくはそれ以上の金属Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Zn,Y,Zr,Nb,Mo,In,Sn,Sb,Hf,Ta,W,Ir,Pt,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbまたはLu含有する水和した硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩、ホウ酸塩もしくはその混合物の薄膜1212(約1nm〜約100nm)を堆積することを含む。加えて、固体の酸/塩基は、1個またはそれ以上のNH,OH,F,Cl、Br,Iを含有することができる。固体の酸/塩基をスピンコーティングまたは印刷により堆積するのが好ましく、物理的堆積及び気相堆積が付加的な選択である。一例として、固体の酸をスピンコーティングによりHfOClおよびHSO(aq)の水溶液から堆積することができる。固体の酸を約50℃で約2分間加熱することにより十分に加熱して構造的に強固な膜1212を生成する。印刷操作モードにおいては、基板1210を加熱したプラテン(約25〜300℃)上に置き、酸化物前駆体、例えばギ酸銅を含有するインク1214をインクジェットヘッドを介した送達によって、または基板1210を前駆体1214を含有するテンプレートと接触させることによって所望のパターンで塗布することができる。テンプレートは、ミクロ接触、活版またはグラビア印刷機の一部からなる。加熱条件(約250℃以上)下で、前駆体1214は酸化物に分解し、続いて固体の酸と反応および相互拡散して生成物1216を形成し、これを容易に洗浄又はエッチングしてパターン1218を示すことができる。酸化物前駆体は、微細な酸化物のマイクロもしくはナノ粒子を含有するインク懸濁液またはペーストによって交換することができる。微粒子を加熱または加熱することなく適用すると、パターンを示すようにエッチングし得る製品を形成する直接反応をもたらす。
【0071】
パターン化酸化物を所定の基板1310上に生成するための他の実施形態を図13に示す。最初の工程は、基板上に固体の酸1312または塩基を堆積することを含む。次いで、酸化物前駆体1314をスピンコーティング、印刷、化学気相または物理気相堆積によりブランケットコートとして塗布する。その後、活性化した前駆体1316のパターンを、フォトマスクを介して光のようなエネルギー源に露出することによって形成する。適切な光源としては、特にフィルターなしの重水素放電管または193nmで光を放出する光源がある。或いはまた、活性化前駆体1316のパターンを、収束したレーザ又は電子ビームで直接書き込むことにより形成する。所要に応じて、活性化しパターン化した構造体1316を約125℃〜約350℃の温度に加熱して2層の相互拡散を促進させることができる。次いで、露出領域をエッチングして所望のパターン1318を形成することができる。露出感度を改善する手法は、固体酸上に酸化物前駆体の極めて薄い層(約2nm)を用いることを含む。次いで、前駆体層を化学又は物理的気相堆積のような任意適当な技術によるか、または酸化物ナノ粒子の溶液注型によって堆積する酸化物の層で覆う。この層が相互拡散し、続いて前駆体の薄層を露出する。
【0072】
上述した方法は、ポジ型レジスト技術と関連する。また、不溶性生成物をもたらす固体の酸/塩基および前駆体を選択することができる。かかる生成物を用いて、少なくとも2つの方法でポジティブ画像を生成することができる。一実施形態においては、2つの層が完全に相互拡散して単一の不溶性層を形成する。印刷または露光および現像に続いて、膜の可溶性部分をその後洗浄又はエッチングしてポジティブパターンを示す。代案の手法においては、相互拡散が前駆体と固体酸/塩基の間の界面でのみ生起して、薄く不溶性の境界層を形成する。次いで、この境界層を用いて膜スタックのエッチングを制御し、ポジティブ画像を形成する。境界層は感光性である。これは、露光前に前駆体と固体酸/塩基間の反応を防止し、さもなければ容易に接触して相互拡散する。境界層が感光化されたら、反応性の酸化物となる。境界層が「破壊」され、上部層が下部層と相互拡散することができる。
【0073】
次世代のパターン化は、写真又はインプリントに基づいていようと、通常電子ビームリソグラフィで製造されたマスクまたはテンプレートを用いる。かかるテンプレートまたはマスクの多くは、ハードマスクHSQ(水素シルセスキオキサン)を用いて製造される。HSQマスクは、様々な電子部品、データ保管およびミクロ電子工学装置を製造するのに広く用いられる。HSQはまたインプリントリソグラフィー用の硬いマスター/テンプレートとして開発中である。
【0074】
マスクまたはテンプレートは、ここに開示した膜を図14に示すような単一層処理に用いて製造することができる。かかる処理の第一の工程は、無機前駆体1410の薄膜(約1nm〜約100nm)を基板1412上に堆積することを含む。無機前駆体1410は固体酸または塩基、例えば一個以上の金属Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Zn,Y,Zr,Nb,Mo,In,Sn,Sb,Hf,Ta,W,Ir,Pt,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,またはLuを含有し、ペルオキシドもしくは類似の配位アニオンと組み合わせた水和硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩、ホウ酸塩もしくはその混合物とすることができる。加えて、固体酸/塩基およびペルオキシド混合物は、1個以上のNH,OH,F,Cl、Br,Iを含有することができる。固体酸/塩基をスピンコーティング、液体ミストまたは印刷により堆積するのが好ましく、物理的堆積および気相堆積が付加的な選択である。一例として、固体酸をスピンコーティングによりHfOCl,HSO(aq)およびH(aq)の水溶液から堆積することができる。固体酸を、たとえば約50℃〜約125℃の温度に約10秒〜約10分間十分に加熱して、構造的に強固な膜を生成する。次いで、かかる膜をフォトマスクを介して露光するか、または画定したレーザーもしくは電子ビームを介して露出し、露出領域に凝縮を誘起する。露出領域1414の溶解度は、未露出領域と比較して減少するため、未露出領域を酸または塩基で選択的にエッチングすることができる。使用し得る酸または塩基を例示すると、特に塩酸、硫酸、過酸化水素、水酸化ナトリウムおよびテトラメチル水酸化アンモニウムがある。一般に、用いる酸および塩基の濃度は約0.1M〜約1Mの範囲内である。次いで、膜を酸または塩基で現像して未露出領域をエッチングし、続いて、随意的に約100℃を超える温度で熱硬化する。この方法は、膜にネガティブな画像を作製する。多くの組成について、生成したパターン化膜はアモルファスであり、一般的に結晶化膜に伴なう制限なしに高分解能、小限界寸法パターン化を実現する手段を提供する。塗布膜を野外露出前に高温に予熱することによって、エッチング差速を誘起してポジティブな画像を実現することができる。図15は、熱的に予熱した単一層膜に対するエッチング差速を明示する。このグラフは、露出領域が開始時間にしたがって未露出領域より速くエッチングされるように熱処理がエッチング速度に影響することを立証する。
【0075】
他の実施形態においては、HafSOx膜を水酸化ナトリウムおよび過酸化水素の混合物で処理して、アニオン交換およびM(OH)/H膜の形成をもたらす。或いはまた、予め調製したM(OH)膜を過酸化水素水に浸してM(OH)/H膜を形成することができる。次いで、生成したM(OH)/H膜を光または電子ビームへの露出によってパターン化する。これらの技術は、ポリマーレジストなしで簡単または複雑なMO膜を直接パターン化するための手段を提供する。例えば、HfO膜を高kの誘電体としてSi CMOS回路および印刷電子機器用途に用いるために直接パターン化することができる。他の例では、パターン化TiO膜をTi(OH)のH溶液堆積によって形成したTi(OH)/H膜から生成することができる。
【0076】
これらの方法は、2層実施形態に用いた拡散を排除し、露光投与量を低くし、またライン−エッジ粗さと限界寸法とを改善する。図16は、0μc/cmより大きく少なくとも400μc/cmの範囲の投与量レベルで電子ビームを用いる単一層のネガティブトーン処理によりパターン化したHafSOx膜のAFM(原子間力顕微鏡)画像である。該画像の右側のナノメートル目盛りは、膜内へエッチングされた容貌の高さを示す。図16に示すように、かかる容貌が2μC/cmでのような低い投与量レベルでの電子ビーム露出により書刻された。この投与量レベルは、最も既知の化学的に増幅した高分子レジストに匹敵するもので、無機レジストに対し以前検証されたものより1000倍低い。容貌は、約20nm未満の解像力で作製することができる。加えて、膜は、HSQに対して検証されたものよりほぼ一桁小さい3nm未満の構造的完全性(例えば、滑らかで、高密度、ピンホールがない)を明示する。
【0077】
ポリマーレジストに付随した膜塗布、加熱およびエッチング工程並びに無機材料の真空高温処理工程は、パターン化方法において排除されている。生成したパターン化膜は、電子装置の機能的構成材、下側基板のその後のパターン化用のハードマスク、またはインプリント用テンプレートとすることができる。電子ビーム露出を除いて、すべての処理を大気中の標準環境で行う。いくつかの処理工程の排除を考慮すると、ここに開示した技術は、装置生産歩留まりを改善し、製造コストを下げる新しい方法を提供する。専用の水溶性薬品に頼ると、前記処理も環境に優しく、また洗浄した製品を完全に回収し、リサイクルすることができる。この技術は、多くの発展した技術への用途を有する。その使用は、本明細書に記述したシステムのみに限定されない。
【0078】
B.インプリントリソグラフィー
熱エンボス加工および光開始インプリントリソグラフィーは、HafSOx,ZircSOxおよび関連する材料におけるパターンを形成する付加的な方法である。熱エンボス加工方法は、図17に概略的に示し、有機高分子でパターンを形成するのに最も一般的に適用されている。HafSOxおよび関連する組成の半固体形態は、有機高分子と比較してずっと高い機械強度と、化学的安定性と、独特の電気的および光学的特性を有する無機材料をパターン化する機会を提供する。
【0079】
図17を参照するに、有機高分子の代わりに、HafSOxまたは関連する無機材料をスピンコーティングまたはインクジェット印刷により適切な基板1712上に溶液堆積して、HafSOx層1714を形成する。基板1712およびHafSOx層1714は、積層構造体1710を画成する。ナノメートル、マイクロメートルまたはミリメートルのような所望のサイズスケールの単位容貌を有するスタンプ1716を半固体のHafSOxまたは関連する膜層1714にプレスして、スタンプ層1718を形成する。次いで、スタンプ層1718および基板1712を加熱してHafSOxを硬化する。その後、スタンプを除去して、パターン化積層構造体1720にパターン化HafSOx材料を画成する。
【0080】
或いはまた、過酸化物または関連する小さく弱い配位子をHafSOx,ZircSOx,および関連する材料に加えることができる。その次に、スタンピング工程の間に、膜を短波長光に露出させ、パターン化膜の化学凝縮および硬化を促進することができる。その後、スタンプを除去してパターン化膜を画成する。この技術は、ポリマー材料にインプリントするのによく用いられるステップアンドフラッシュインプリントリソグラフィー(SFIL)の新たな技術革新を示す。
【0081】
C.測定装置
上述した二重層ポジ型レジスト技術用に開発した薬品を用いて、電子顕微鏡検査のような適当な分野で測定を規格化するのに用いる図18に示すような物理的ルーラーを製造することができる。この用途においては、酸可溶層1812と、酸不溶層1814とを交互に配したナノ積層体1810を堆積する。酸可溶層は、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ硫酸塩(MO2−x−z/2(OH)(SO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシタングステン酸塩(MO2−x−z/2(OH)(WO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシホウ酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(BO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシリン酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(PO)化合物、および/またはハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシケイ酸塩(MO2−2x−z/2(OH)(SiO)化合物で、Mがハフニウムまたはジルコニウム、xおよびzが固定もしくは可変であり、xが約0.1〜約3.5/(多原子イオン電荷)の範囲のいずれかの値を取り、zが0.0〜3.8の範囲のいずれかの値を取るものの溶液堆積によって形成される。通常、該層に銅をドープする。酸不溶層は、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ硫酸塩(MO2−x−z/2(OH)(SO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシタングステン酸塩(MO2−x−z/2(OH)(WO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシホウ酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(BO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシリン酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(PO)化合物、および/またはハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシケイ酸塩(MO2−2x−z/2(OH)(SiO)化合物で、Mがハフニウムまたはジルコニウム、xおよびzが固定もしくは可変であり、xが約0.1〜約3.5/(多原子イオン電荷)の範囲のいずれかの値を取り、zが0.0〜3.8の範囲のいずれかの値を取るものの溶液堆積によって形成される。
【0082】
層1812および1814の幅は、X線反射性を用いるなどして正確に画定される。次いで、酸可溶層1812をエッチングして、電子顕微鏡で物体を正確に測定する際の二次基準として用いることができる指型のパターン1820を呈示する。
【0083】
D.腐食バリア
前駆体液を金属、合金またはセラミックのような適当な基板上に塗布して腐食バリアを形成することができる。加えて、かかる液を繊維にするか、若しくは鋳型内に置くか、または単独で用いることができる。前記液を、加水分解、アニーリングまたは大気中の熱分解を含む任意適当な処理によって固体で、安定な形態に転換することができる。通常、これは所望の結果を達成するに有効な温度まである時間加熱することを必要とし、例えば通常100℃以上の温度で少なくとも数秒間、より一般的には少なくとも数分間加熱することが必要である。
【0084】
膜の原子的に高密度のために、潜在的用途には、限定することはないが、金属および金属/セラミック系熱保護システム用の熱、腐食および酸化保護、有機ベースのディスプレイおよび電子部品、太陽電池、高放射率コーティング、酸化物系セラミックマトリックスシステム用の界面コーティング、りん光体上の保護コーティング、金属およびセラミック系システム用の環境障壁コーティング、複合体およびファイバーレーザー用の繊維、融解金属処理における腐食防止、熱絶縁用モノリシック材料、触媒担体、並びに他の多くのものがある。膜を積層する能力は、一層における欠陥の位置を他の層に対しランダム化して増強した腐食保護を付与する機会を提供する。
【0085】
E.光学的コーティング
前駆体液を、個々の層として、また多重層の型で適当な光学的基板上に塗布して、反射防止コーティング、誘電体ミラー、X線ミラー、干渉フィルター、導波管、平面コーティングおよび傷のつきにくい表面を生成することができる。多重層の周期性は、少なくとも2個の材料組成を交互に堆積することによって達成される。単一層の周期性は、フォトリソグラフィー処理に関して記述したようにエッチングによって達成することができる。アモルファス性質、層間の鋭い界面および誘電定数を制御する能力は、理論的限界近くで性能を実現するための処理を提供する。
【0086】
選択的に堆積もしくはエッチングした多重層または単一層形態において、周期的な構造体は、回折用途に適切である。単一もしくは多重材料および/または空隙の組合せは、構造体を画成することができる。空隙スペースを使用することによって、所定の構造体内の物理特性に大きな対比をもたらすことができる。機能特性は、空隙スペースの使用によって強化または実現することができる。同様に、光学的格子を画成することができる。
【0087】
実質的に滑らかな表面膜をここに開示した方法の実施形態にしたがって堆積することができるため、膜を用いて、大きな粗度を示す金属、セラミックおよびプラスチックのような基板層を平坦化することができる。
【0088】
F.発光膜
材料は、多くの発光処理においてエネルギーを吸収し、光子を放出することができる。かかる発光事象は、主要相(またはホスト)のみを含むか、または付加的な要素も含むことができる。単一材料は、多くの発光添加剤用のホストとして機能することができる。開示した膜組成の多くは、スペクトルの紫外部に潜在的に延在する透明度で可視的に透明である。かかる材料は、発光ホスト材料として潜在的によく機能する。該材料に、一例として、限定することなく、Mn2+,Sb3+,Sn2+,Bi3+,Eu3+,Tb3+,Eu2+,Gd3+,Tm3+,およびそれらの組合せを含む一般的な発光イオンを選択的にドーピングして、照明およびディスプレイ用途に有益な発光膜を生成することができる。
【0089】
G.プリント電子機器
製造業者は、従来の蒸着およびリソグラフィー処理の制限を排除する新しく、効率的な製造方法を探究している。印刷および関連するマスクのない技術が、裏面電子機器の製造効率における進歩を実現するための経路として広く認められている。
【0090】
ここに開示した溶液処理した薄膜は、最も進歩した気相処理方法によって達成したものと類似した形態的で装置機能的特性を示す。ここに開示した組成の溶液を、例えばミクロ接触、グラビア印刷、インクジェットプリンタまたは他の適切な手段でインプリントすることができる。生成したインプリント溶液を用いて、約20nA/cm未満の誘電体漏洩電流密度で約10cm/Vsの装置移動度を示す安定な無機トランジスタアレイを製造することができる。また、誘電体および半導体インクをガラス基板上に印刷して、約5cm/Vsの移動度と、約100nA/cm未満の誘電体漏洩電流とを有するトランジスタアレイを製造することができる。MIMコンデンサアレイは、約5を越える相対誘電定数および約50nA/cm未満の漏洩電流密度で製造することができる。
【実施例】
【0091】
IV.実施例
以下の実施例は、本発明の実用的および/または仮説の実施形態の特定の特徴を例示するために提供する。当業者は、本発明の範囲がこの実施例に述べた特定の特徴に限定されないことを理解することができる。
【0092】
(実施例1)
この実施例は、大量の沈殿物用の給源として、または薄膜前駆体として使用するための溶液を調製するのに用いる一般的な方法を開示する。以下の試薬HfOCl・8HO(Alfa Aesar,1.5%Zrを除いて99+%);ZrOCl・8HO(Wash Chang 分光写真分析グレード);La(SO(Alfa Aesar,99.9%);La(NO・6HO(Johunson Matthey,99.9%);Ce(SO・8HO(Strem,99%);CaO(Alfa Aesar,99.95%);(NHSO(Mallinkrodt AR);HSO(aq)(EM Science,GR ACS,95−98%);NH(aq)(EM Science,GR ACS,28−30%)を用いた。HfOClまたはZrOClをLa(SO,Ce(SOまたはCaOと一緒にして約0.8Mの全金属濃度にし、続いて硫酸塩溶液を加えて約0.5Mの全金属濃度とすることにより、全ての溶液を調製した。これら溶液を、熱誘導沈殿およびスピンコーティング誘電体膜用に直接用いた。所用に応じて、追加の修正を行って、水酸化物沈殿反応またはナノ積層堆積用の前駆体として機能させた。
【0093】
(実施例2)
この実施例は、実施例1に従って作製した溶液からの多量な沈殿のために用いた一般的な方法を開示する。溶液のチューブを沸騰水浴に40分間浸漬することによって沈殿を誘起した。水酸化物誘起沈殿関しては、HfOClおよびLa(SOを23%La(金属パーセント)として混合し、続いてLa(NOおよび(NHSOの溶液を添加して、約0.39Mのハフニウム濃度([Hf])と、約0.18Mのランタン濃度([La])と、約0.42Mの硫酸塩濃度([SO])とを付与した。次いで、1.9モル当量(全金属に対し)の飽和NH(aq)をすばやく添加し、生成した混合物を1分間攪拌する。全沈殿物を上澄み液から、脱イオン水での数回の洗浄を含む吸引濾過によって分離した。濾液を室温で1日乾燥させた。続いて、サンプルを大気中のアルミナるつぼ内で約100℃〜約150℃の温度で約1〜4時間加熱した。XRDデータは、Cu Kα放射線を用いるSiemensのD5000回折計器で収集した。熱重量データは、サンプル(10〜20mg)をPtるつぼ内でN(g)の流動下通常10℃/分の速度で加熱し、より高温度で15分間保持した後ShimadzuのTGA−50で収集した。誘導結合プラズマ原子発光分析(ICPAES)をJobin Yvon JY2000分析装置を用いて行った。サンプルを200℃の消化ボンベ内で数時間溶解し、測定可能なレベルまで希釈した。
【0094】
(実施例3)
この実施例は、実施例1に従って作製した溶液を用いる薄膜の堆積に用いる一般的な方法を開示する。HafSOx,ZircSOxおよびそのLa,Ce,またはCaを加えた誘導体の薄膜を、3000rpmで30秒間のスピンコーティングによってSi基板上に堆積し、その後すぐに135℃で1.5〜2分間ホットプレート重合させた(ある誘導体に対しては、325℃オーブンで15秒〜2分間のさらなる加熱が必要である)。所定の堆積膜厚さが得られるまでこの処理を繰り返した。325℃で5〜10分間の最終オーブンアニーリングを用いた。
【0095】
ナノ積層体膜用の前駆体は、HSOをHfOClまたはZrOClに金属に対し46%の硫酸塩として加えることによって調製された。溶液を0.03〜0.13Mの金属濃度まで希釈した。HafSOxおよびZircSOxの交互層を、誘電体膜に関して説明したのと同じようにして堆積した。
【0096】
シリコン基板は、SiOまたはTa金属の表面を有する。500ナノメートルTa表面を誘電体試験に用いた。200ナノメートルSiO表面を他の全ての目的のために用いた。かかる堆積用の表面は、45℃の溶液(Decon Labs,Contrad 70)中で45分間超音波洗浄し、次いで堆積前にミリポア水で表面を十分にすすぐことにより調製した。
【0097】
XRDデータは、50kVおよび270mAで回転陽極から発生したCu Kα放射線を用いてRigakuのRAPID回折計器で収集された。入射ビーム角度は7.6°であり、回折ビームを画像プレートで収集した。XRRデータは、Cu Kα放射線で収集された。10°(2θ)までの低角度反射は、0.005°ステップで収集された。透過FTIRデータは、未被覆基板を参照として用いるNicolet 5PC分光計で収集された。EPMAを収集した。
【0098】
MIMコンデンサ構造体は、堆積した誘電体上にAlの円形接点(直径1.2mm)を熱的に蒸着することによって完成させた。誘電定数および損失正接のパラメータが得られた。また、底部ゲートトランジスタ構造体を、活性的に加熱することなく無機チャネル材料をスパッタすることによって製造した。その後、ZTOチャネル装置を325℃まで1時間加熱した。アルミニウムソースおよびドレイン接点を熱的に蒸着させた。トランジスタの特性解析を行った。
【0099】
(実施例4)
この実施例は、約2nm程の厚さの滑らかで、高密度のピンホールがない超薄ナノ積層体膜を製造するための一般的な方法を開示する。HfOCl・8HOまたはZrOCl・8HOと,H(30%)と、HSO(aq)とを含有する前駆体溶液を特許文献3に記述されたように調製した。該前駆体溶液は、金属に対して70%Hおよび50%硫酸塩で約0.05M〜0.4Mの金属イオン濃度を有した。金属イオン濃度における違いは、3nm〜25nmのコーティング変化ごとの厚さを可能にした。薄膜を、熱成長したSiOを有するシリカ基板上に堆積した。基板は、Contrad70溶液を有する超音波浴を45℃で60分間用い、続いて脱イオン水ですすぐことにより清澄にした。膜は、3000rpmの回転速度を有するスピンコーターを30秒間用い、その後125℃で1〜2分間ホットプレート重合することにより堆積させた。スピンコーティングおよび重合工程は、所定の厚さに達するまで繰り返した。所定の厚さに達した後は、いくつかの膜を結晶化温度まで加熱した。他の膜は、まず0.1M〜0.5MNaOH浴中で1〜2分間処理し、その後熱処理の前に脱イオン水浴で1〜2分間すすいだ。
【0100】
X線回折(XRD)分析を用いた薄膜の特性解析は、Cu Kα放射線を用いるRigakuのR−AXIS RAPID上で行った。原子間力顕微鏡(AFM)測定は、Veeco NP−20 SiNプローブと接触モードでかつ1.15Hzの走査周波数で動作するDigital Instruments Nanoscope III Multimode AFMを用いて行った。X線反射性(XRR)測定は、Bruker Discover D8を用いて行い、膜の表面および界面の粗度を画定するのに用いた。組成分析は、4個の調節可能な波長分散分光計を備えたCameca SX−50電子マイクロプローブ上で得た。12,16および22kVの加速電圧を用い、5点にわたって平均化してO,Cl,Na,SおよびSi Kα強度とZrおよびHf Lα強度とをモニターした。分析に用いる規格は、MgO,Hf,Zr,FeS(黄鉄鉱),Ca(POCl(リン灰石),Si,およびSiAlNaO(曹長石)であった。原料強度に対する修正は、Windows自動化および分析パッケージ用のプローブを用いることによって行った。StrateGEM組成分析ソフトウェアパッケージは、計算値と実験K比を比較することによって薄膜構造修正に用いた。
【0101】
アモルファスで、原子的に平坦で、高密度なピンホールのない薄膜は、堆積したままで交換した膜用のスピンコーティングにより堆積させた。図19は、約0.1nmの粗度を有する未交換のHafSOx膜のAFM画像である。図20は、HafSOxのイオン交換および850℃での熱処理を行った後のHafSOxのTEM画像である。未交換膜は、Zrに対しては600℃、Hfに対しては650℃まで滑らかでアモルファスのままであった。しかし、これら温度以上に加熱した後、膜は結晶化し、でこぼこになり、表面に火山状の容貌を形成する。図21は、シリカ上に堆積したHfO膜のAFM画像である。該HfO膜は、HafSOxの熱分解によって形成された。生成した膜は、約5nmの粗度を有し、火山状のピークをもたらす。これら容貌は、SOの損失によってほぼ起こった。これは、Hf硫酸塩粉体の熱的重量分析によって支持され、硫酸塩分解(SO(g)→SO(g)と1/2O(g)が700℃以上で起こる。
【0102】
火山作用を排除するため、膜を0.1〜0.5MのNaOH(aq)浴中で1〜2分間処理して、加熱する前に膜からSO2−およびClアニオンを除去した。NaOHは、ジルコニウム塩における他のアニオンに対しヒドロキシアニオンを効果的に交換することがすでに示されている。NaOH処理は、40〜45%の厚さ減少を生起(2〜15nmの層厚を付与)するが、ジルコニアおよびハフニアに対しそれぞれ500℃または550℃以下に加熱したとき、前記処理は膜の平滑さ(〜1Å)またはアモルファス性にほとんど影響を与えなかった。
【0103】
図22は、シリカ上に堆積し、その後0.1MのNaOHで処理し、450℃まで10分間加熱したHafSOx膜のAFM画像である。生成した膜は、約0.1nmの粗度を有した。これら温度以上に加熱した膜は結晶化したが、850℃までの温度で滑らかなままであった。
【0104】
図23は、シリカ上に堆積し、その後0.1MのNaOHで処理し、850℃まで10分間加熱したHfO膜を示す。生成した結晶化膜は、約0.2nmの粗度で滑らかさを維持した。
【0105】
結晶化温度降下が、X線回折プロットにおいて見られた(図24〜27)。図24〜27において、基板のピークをソフトウェアで除去した。*は、主要な正方晶相のピークを示す。図24は、700℃で正方晶相と単斜晶相との混合物として結晶化した未処理のHfO膜のXRDプロットである。HfOプロットは、単斜晶相に対する参照プロットである。これに対し、図25は、550℃で単斜晶相のみに結晶化した0.1MのNaOHで処理したハフニア膜のXRDプロットである。HfOプロットは、単斜晶相に対する参照プロットである。図26は、650℃で単斜晶相および正方晶相の混合物に結晶化した未処理のジルコニウム膜のXRDプロットである。ZrOプロットは、単斜晶相に対する参照プロットである。図27で明らかなように、0.13MのNaOHで処理したジルコニア膜は、500℃で正方晶相のみに結晶化した。さらに加熱すると、膜は正方晶相と単斜晶相との両方に発達した。HfOおよびZrOの正方晶相は、前述の薄膜研究において観察されている。低い結晶化温度、結晶化および厚さの減少は、NaOH処理が薄膜からアニオン(SO2−またはCl)を除去することを示した。
【0106】
0.4MのHf溶液から堆積し、350℃に5分間加熱した膜の電子プローブ微小部分分析(EPMA)は、組成HfO1.32(SO0.61Cl0.15の膜を与えた。膜中の塩素は、急速な熱脱水の結果としての動的トラップの成果である。NaOH(aq)浴で処理した膜は、測定可能な硫黄レベルを持たず(0.01原子%未満)、0.3原子%未満のClが観察された。これは、硫黄および塩素がNaOH(aq)浴中で膜から除去されたことを裏付けた。EPMAも、処理後の膜に残る残留硫黄が0.3原子%未満であることを実証した。
【0107】
(実施例5)
上述した手法の特定実施形態において、水和したインジウムおよびガリウム硝酸塩(In(NO・0.5HOおよびGa(NO・9.5HO)をメタノール(CHOH)に溶解した。最終濃度は、[In]=0.288Mで、[Ga]=0.170Mであった。次いで、亜鉛粉末を溶液に加え、フラスコを密封する。亜鉛の最終濃度は0.2Mであった。1〜7日の期間にわたって反応させると、粉末が緩徐に酸化し、溶解して0.658Mの全金属イオン濃度になった。メタノール溶液を空気中にさらし、メタノールを室温で蒸発させた。次いで、溶液中に残っている固体残渣を0.395Mの全金属濃度までHO中に溶解した。この前駆体溶液を、導電性バック接点を有するSiO基板上にスピンコーティングし、450℃で1〜4時間アニーリングした。アニーリング後、透明でアモルファスなInGa0.6Zn0.73.15半導体膜が、図28のSEM画像に示されるように得られた。アルミニウムソースおよびドレイン接点を、シャドーマスクを介して酸化物半導体膜上に熱蒸着させて薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。かかるTFTに対する電界効果移動度は、8cm−1−1を超えることが示された。
【0108】
(実施例6)
この実施例は、二重層無機リソグラフィー処理の2つの一般的な方法を開示する。第一の実用的実施形態においては、約30nm〜約60nmの厚さのHafSOx膜をSiO/Si基板上に堆積した。この基板を約50℃にセットしたホットプレート上に直接置き、加熱して膜に構造的完全性を付与した。生成した膜は酸不溶性である。次いで、基板をインクジェットプリンターの加熱したプラテン(約50℃〜約200℃)上に置き、ここでギ酸銅のラインを熱的インクジェットヘッドを介して基板上に印刷した。ギ酸銅を分解し、加熱によりHafSOx膜に拡散して膜を可溶性にする。水ですすぎ、約300℃までさらに加熱し、希釈酸で現像すると、図29に示すように描画ラインが明白に示された。
【0109】
他の実用的実施形態においてはまた、パターンをフォトリソグラフィーにより生成した。HfO2−x(SO二重層膜をフィルターなしの重水素ランプを用いて遠UV光に露出させて、その後の相互拡散および図30に示すパターンの現像のためにギ酸銅分解を促進した。形態の大きさを、電子ビーム書刻で約22nmまで減じた。相互拡散処理を電子ビームエネルギーにより空間的に制御して、パターンおよび対象物をナノスケールで描画することができる。高度に解像されたパターンを、多くのポリマーレジストのものと類似した感度を示す150μC/cm近い電荷線量レベルで形成した。図31および32は、約200μC/cmの線量レベルで電子ビーム書刻によって形成した2個のパターンである。図31において、ライン間隔は、電子顕微鏡によって測定して500nmである。
【0110】
(実施例7)
この実施例は、単一層無機膜をパターン化する一般的な方法を開示する。過酸化物又は関連する配位種を含む単一無機膜を適切な基板上にスピンキャスト、液状ミストまたはインクジェット印刷した。この膜を100℃未満の適度な温度で加熱して、膜に構造的完全性を付与した。次いで、この膜をフォトマスクを介して高エネルギー光、空間光変調によるマスクなしパターン、所定のレーザービーム、または電子ビームに露出して、パターンまたは他の好ましい膜形態を画成する。写真用にパターン化した膜の2つの例を図33および34に示す。図33は、パターン化ZrO2―x(SO膜である。図34はパターン化TiO膜である。このTiO膜は、厚さ約15〜50nmである。これは、フィルターなしの重水素ランプを用いてパターン化し、続いて0.1〜0.2MのHClで60秒未満エッチングした。図35〜37は、電子ビームでパターン化したHfO2−x(SO膜である。かかる膜は、厚さ約30〜60nmである。これらを、電子ビームを200μC/cmの線量レベルで用いてパターン化し、続いて5〜12MのHClで約1〜4分間エッチングした。
【0111】
ここに開示した発明の原理を適用し得る多くの可能な実施形態を考慮すると、図示した実施形態が単に本発明の好ましい実施例であり、本発明の範囲を限定することがないと認識すべきである。それどころか、本発明の範囲は、請求項によって画成される。したがって、この範囲内からくるすべておよびこれらの請求項を、本発明として請求する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ硫酸塩(MO2−x−z/2(OH)(SO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシタングステン酸塩(MO2−x−z/2(OH)(WO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシホウ酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(BO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシリン酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(PO)化合物および/またはハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシケイ酸塩(MO2−2x−z/2(OH)(SiO)化合物で、Mがハフニウムまたはジルコニウム、xおよびzが固定もしくは可変で、xが約0.1〜約3.5/(多原子イオン電荷)の範囲のいずれかの値を取り、zが0.0〜約3.8の範囲のいずれかの値を取る化合物を含む薄膜または積層構造体を備えた装置。
【請求項2】
前記薄膜または積層体が、約9〜12の誘電率値、少なくとも6MVcm−1までの破壊電界強度、電界強度1MVcm−1で1nAcm−2近くの漏洩電流を有する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記化合物がさらにランタンを含み、式M1−zLa2−x−z/2(SO(MSOx:La)を有し、Mがハフニウムまたはジルコニウムであり、xおよびzが固定または可変で、xが約0.1〜約3.5/(多原子イオン電荷)の範囲におけるいずれかの値を取り、zが0.0〜約3.8の範囲におけるいずれかの値を取る請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記化合物がHafSOx,HafSOx/La,ZircSOx,ZircSOx:La,HafSOx:Ce,またはZircSOx:Caであり、前記装置が50nAcm−2未満の漏洩電流と、約9〜約12の誘電率値を有する請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記装置がHafSOx:Laおよび/またはZircSox:Laをゲート誘電体として、また酸化亜鉛インジウムおよび/または酸化亜鉛スズをチャネルとして備える電界効果トランジスタであり、該トランジスタが10を超えるオン/オフ比と、pAcm−2の範囲のゲート漏洩電流を有する請求項1に記載の装置。
【請求項6】
光学基板を更に備え、前記薄膜または積層構造体が前記光学基板上のコーティングを形成する請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コーティングが反射防止コーティングであり、および/または前記コーティングが可視光または紫外光を通す請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記光学基板およびコーティングが誘電体ミラー、X線ミラー、干渉フィルター、回折格子および/または導波管を画成する請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記コーティングを選択的にドーピングして、Mn2+,Sb3+,Sn2+,Bi3+,Eu3+,Tb3+,Eu2+,Gd3+,Tm2+およびその組み合わせから選択した発光イオンを有するドーピングした発光層を付与する請求項7に記載の光学的装置。
【請求項10】
前記装置がインプリントリソグラフィー用のマスタープレートで、前記薄膜または積層構造体をフレキシブルもしくはガラス基板上に堆積し、該薄膜または積層構造体が基板上に堆積したHafSOxの第1層と、ZircSOx:Cuからなる第2層トを備え、前記第1層および第2層を備える積層構造体をエネルギー源への露出によってパターン化する請求項1に記載の装置。
【請求項11】
マスクを介して光または電子ビームへの露出で、2つの層を露出領域で相互拡散させて、予め未ドープのHafSOx層を可溶性にし、該可溶性のHafSOx層を除去してマスタープレートの少なくとも部分的印刷形態を画成する請求項10に記載のマスタープレート。
【請求項12】
薄膜または積層構造体を設け、該構造体が基板と該基板上に堆積した1個またはそれ以上の層とを備え、
前記1個またはそれ以上の層の少なくとも一つがハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ硫酸塩(MO2−x−z/2(OH)(SO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシタングステン酸塩(MO2−x−z/2(OH)(WO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシホウ酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(BO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシリン酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(PO)化合物および/またはハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシケイ酸塩(MO2−2x−z/2(OH)(SiO)化合物からなり、Mがハフニウムまたはジルコニウム、xおよびzが固定もしくは可変であり、xが約0.1〜約3.5/(多原子イオン電荷)の範囲のいずれかの値を取り、zが0.0〜約3.8の範囲のいずれかの値を取り、
前記構造体をエネルギー源に露出することを備えることを特徴とする装置の製造方法。
【請求項13】
前記薄膜または積層構造体が、基板と、パターン化用の第1層と、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ化合物からなる第2層とを備え、前記第2層がポジ型レジスト層で、エネルギー源への露出により該レジスト層の材料を現像液に可溶な材料に変換し、前記方法がさらに、前記レジストを現像液で処理することにより前記エネルギー源に露出したレジスト層の材料を除去して前記構造体をパターン化することを備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記薄膜または積層構造体が、基板と、パターン化用の第1層と、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ化合物からなる第2層とを備え、前記第2層がネガ型レジスト層で、エネルギー源への露出により該レジスト層を重合化し、前記方法がさらに、前記構造体を現像液で処理してエネルギー源に未露出の材料を除去することによって前記構造体をパターン化することを備える請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ポジ型レジストが二重層からなり、該二重層の第2層が不溶性酸化ハフニウム硫酸塩(HafSOx)膜上に堆積した酸可溶のCuドープ酸化ジルコニウム硫酸塩(ZircSOx:Cu)膜を備え、光または電子ビームからなるエネルギー源へのマスクを介した露出によりZircSOx:Cu膜およびHafSOx膜を露出領域で相互拡散させて、前記HafSOx膜を可溶性にする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ化合物が硫酸塩からなり、該硫酸塩をその後塩基水溶液でのイオン交換によって除去し、前記塩基水溶液がI族金属の水酸化物、可溶性のII族金属の水酸化物、可溶性のIII族金属の水酸化物、可溶性のランタニド水酸化物、水酸化アンモニウムおよび/または水性第3アミン、またはその組合せからなる請求項12に記載の方法。
【請求項17】
半導体材料、金属、ガラス、シリカ、高分子材料またはその組合せからなる適当な基板を用意し、
前記基板に第1のHafSOx膜を溶液堆積し、
第2のZircSOx:Cu膜を前記第1膜上に溶液堆積して積層構造体を形成し、
前記積層構造体をエネルギー源に露出して、前記HafSOx膜および前記ZircSOx:Cu膜を露出領域で相互拡散させ、これにより予め未ドープのHafSOx膜を可溶性にし、
前記露出した構造体を現像してHafSOx膜を除去することを備える請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記薄膜または積層構造体が基板と、該基板上に堆積した不溶性の酸化ハフニウム硫酸塩(HafSOx)の第1層と、前記第1層上に堆積したギ酸銅からなる第2層とを備え、前記第1層および第2層を備える積層構造体を約50℃〜約200℃の温度に加熱してギ酸銅を分解し、HafSOx層と相互拡散させて可溶性の生成物を生成し、該可溶性の生成物を除去する請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記薄膜または積層構造体が、基板と、固体無機酸もしくは塩基を含む第1層とを備え、前記固体無機酸もしくは塩基が原子番号21〜78を有する金属を含み、前記第1層がさらにペルオキシドまたは他の配位アニオンを含み、前記第1層が酸または塩基に可溶で、該第1層を約50℃〜約125℃まで加熱して構造的に硬い膜を生成し、マスクを介してレーザー、電子ビームおよび/または光に露出して膜の露出領域を未露出領域より低い可溶性とし、前記未露出領域を除去してパターンをアモルファスまたは結晶化膜に画成する請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記膜に電子ビームを0μC/cmより大きく少なくとも400μC/cm、より一般的には約2μC/cmから約400μC/cmの線量レベルで露出させてパターンを膜に5nmを超えずに広がる線幅で画成する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記パターン化膜はアモルファスまたは結晶化膜であって、構造的完全性が約3nm未満である請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記装置がマイクロまたはナノチャンネルアレイを含み、前記構造体が基板と、第1層と、金属酸化物層である第2層とからなり、前記方法がさらに、前記構造体をパターン化し、
前記構造体をエネルギー源に露出して、前記構造体のパターン化によって生成した所望のパターンを有する耐久性の材料を形成することを備える請求項12に記載の方法。
【請求項23】
さらに所定サイズ単位容貌を半固体ハフニウムまたはジルコニウム化合物および関連する有機物を含まない半固体にスタンプして熱または光硬化したスタンプ層を形成することを備える請求項12に記載の方法。
【請求項24】
請求項12の方法にしたがって作製し、金属および金属/セラミック系熱保護システム、有機系のディスプレイおよび電子機器、太陽電池、高放射率コーティング、酸化物系セラミックマトリックスシステム用の界面コーティング、りん光体上の保護コーティング、金属系およびセラミック系システム用の環境障壁コーティングと、複合体およびファイバーレーザー用ファイバー、溶融金属処理における腐食保護、断熱材用モノリシック材料および触媒担体から選択した装置。
【請求項25】
装置を用意し、
金属酸化物層を備える前記装置上にハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ硫酸塩(MO2−x−z/2(OH)(SO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシタングステン酸塩(MO2−x−z/2(OH)(WO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシホウ酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(BO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシリン酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(PO)化合物および/またはハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシケイ酸塩(MO2−2x−z/2(OH)(SiO)化合物で、Mがハフニウムまたはジルコニウム、xおよびzが固定もしくは可変であり、xが約0.1〜約3.5/(多原子イオン電荷)の範囲のいずれかの値を取り、zが0.0〜約3.8の範囲のいずれかの値を取る化合物からなる少なくとも一つの腐食バリアを形成し、
前記化合物をエネルギー源に露出して前記腐食バリアを形成することを備えることを特徴とする腐食バリアを有する装置の製造方法。
【請求項26】
ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシ硫酸塩(MO2−x−z/2(OH)(SO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシタングステン酸塩(MO2−x−z/2(OH)(WO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシホウ酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(BO)化合物、ハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシリン酸塩(MO2−3x/2−z/2(OH)(PO)化合物および/またはハフニウムおよび/またはジルコニウムオキシヒドロキシケイ酸塩(MO2−2x−z/2(OH)(SiO)化合物で、Mがハフニウムまたはジルコニウム、xおよびzが固定もしくは可変であり、xが約0.1〜約3.5/(多原子イオン電荷)の範囲のいずれかの値を取り、zが0.0〜約3.8の範囲のいずれかの値を取る化合物からなる組成物を用意し、
前記化合物を有する溶液を形成し、
前記溶液をファイバーにし、
前記ファイバーを固体の安定したファイバーに変換することを備えることを特徴とするファイバーの製造方法。
【請求項27】
少なくとも2個の金属を備える金属酸化物膜を製造するに当たり、
金属カチオンおよび1個またはそれ以上のアニオンから主としてなる1個またはそれ以上の可溶塩を非錯化で、非水性の極性溶媒に溶解して溶液を作製し、前記金属カチオンの少なくとも1個が3以上の形式電荷を有し、3以上の形式電荷を有する金属カチオンの濃度が前記金属酸化物膜にける金属カチオンの50モル%を越え、また前記溶媒が約150℃未満の沸点を有し、
前記溶液のpHを上げ、該pHの上昇が、塩基水溶液の添加、少量の可溶性塩基酸化物の添加、塩基水溶液を形成し得るガス状化合物の添加、プロトンを消費し膜内に添合し得る電気的陽性の金属の添加、プロトンを消費するか、もしくは対イオンを分解するが膜に添合しない液状またはガス状の酸化剤の添加、またはその組合せからなり、
非水溶性の溶媒を揮発することによって固体を生成し、
前記固体を水に溶解し、
前記溶解した固体を基板上に堆積してパターン化又はブランケット液体膜を形成し、
前記膜を熱で硬化することを備えることを特徴とする金属酸化物膜の製造方法。
【請求項28】
薄膜または積層構造体を設け、前記構造体が基板と該基板上に堆積した1個またはそれ以上の層とからなり、前記1個またはそれ以上の層の少なくとも一つが金属‐酸膜を備え、前記金属‐酸膜が金属カチオンと酸アニオンとからなり、
前記酸アニオンを塩基水溶液でのイオン交換によって除去し、前記塩基水溶液がI族金属の水酸化物、可溶性のII族金属の水酸化物、可溶性のIII族金属の水酸化物、可溶性のランタニド水酸化物、水酸化アンモニウム、および/または水性第3アミン、またはその組み合わせからなり、
前記構造体をエネルギー源に露出し、前記エネルギー源が熱エネルギー源、マイクロ波エネルギー源、光源、またはレーザーからなることを備えることを特徴とする金属酸化物膜の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図15】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図37】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2013−48252(P2013−48252A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−211362(P2012−211362)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2011−501756(P2011−501756)の分割
【原出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(506253388)ステイト オブ オレゴン アクティング バイ アンド スルー ザ ステイト ボード オブ ハイヤー エデュケーション オン ビハーフ オブ オレゴン ステイト ユニバーシティー (9)
【Fターム(参考)】